サスケは刃心一族の六忍で、チヨメが実の兄のように慕っていた兄弟子だが、行方不明後に再会した時にはすでに死亡し、死の穢れをまとったアンデッドへ変えられていた。
第10話では黒巨人ジャミアントを誘導し、大量のアンデッドまで操る敵として現れるが、チヨメとの最後の戦いでは兄としての情を捨て切れず、消える直前には「教国に気をつけろ」と警告を残す。
つまりサスケのネタバレを最初から最後まで追うと、「一族を裏切った六忍」ではなく、契の精霊結晶を追った末にヒルク教国へ飲み込まれ、死後まで利用されながら最後には妹を守ろうとした人物だったことが分かります。
★第1章 サスケは何者?六忍に選ばれたチヨメの兄弟子
サスケは刃心一族を率いる「六忍」の一人で、幼い頃から抜きん出た実力を持っていた
サスケは、刃心一族の中でも特に高い実力を認められた六忍の一人である。
黒い忍装束に身を包み、双剣、手裏剣、風忍術、空歩を組み合わせて戦う忍で、
単純な接近戦だけでなく、高所移動、奇襲、追跡、回避まで一人でこなせる。
チヨメより先に六忍へ選ばれており、彼女にとっては目標でもあった兄弟子だった。
第10話で敵として現れた時も、その戦闘技術自体はほとんど失われていない。
第9話から第10話にかけて、サスケの異常さは段階的に見えてくる。
虎人族の集落を襲う黒巨人ジャミアントの周辺で、双剣を持つ黒装束の人物が現れ、
チヨメがその姿を見た瞬間、「サスケ兄さん」と声を震わせる。
長く行方不明だった兄弟子が突然目の前へ現れたのに、
サスケは再会を喜ぶどころか、赤い瞳のまま二本の剣を構える。
チヨメが名前を呼んでも、
その場のサスケは昔のように笑い返さない。
赤い瞳、青白い顔、無表情のまま武器を構え、
虎人族やアークたちの側へ敵として立っている。
ただし偽物ではなく、戦い方も姿もチヨメが知るサスケ本人だった。
第10話では、さらに黒巨人を誘導していた張本人もサスケだと判明する。
黒巨人の赤子を殺して撒き餌として使い、
怒った親の黒巨人たちを虎人族の集落へ向かわせる。
さらに怪しいペンダントで大量のアンデッドまで動かしており、
単なる強敵ではなく街全体の混乱へ深く関わる人物として姿を現す。
しかし本当のサスケは「一族を裏切った敵」ではなく、死後まで利用された人物だった
サスケのネタバレを最初から追う時、
最も大きいのは「なぜ敵になったのか」という部分である。
第10話だけを見ると、黒巨人を利用し、大量のアンデッドを操り、
チヨメへ剣を向けるため、自分から教国側へ加わったようにも見える。
しかし実際には、その見方ではサスケの行動を説明しきれない。
サスケには「死の穢れ」がまとわりついている。
これは単に呪いを受けたという程度ではなく、
すでに一度その命を失っていることを示すものだった。
つまりチヨメが再会した相手は、生きたまま敵へ寝返った兄ではなく、
一度死亡した後にアンデッドとして使われていたサスケである。
それでも六忍としての戦闘能力は残っている。
チヨメの水手裏剣へ風手裏剣をぶつけ、
アリアンが放った炎の矢を屋根の上で身軽にかわし、
真上から落ちてきた炎槍にも空歩で対応する。
死者になっても、生前に培った技術と判断力はかなり保持されていた。
ここが普通のアンデッドとの大きな違いである。
骸骨兵のように単純な命令だけで動くのではなく、
相手の攻撃を見て回避し、双剣と手裏剣を使い分け、
不利になれば屋根伝いに離脱する判断までできる。
六忍サスケという高性能な戦士が、死後もそのまま戦力化されていた。
しかも最後まで人格が完全に消えたわけではない。
チヨメとの決着では、本来なら使える技をすべて出し切らず、
妹へ本気で刃を向け切れなかったことが明らかになる。
だからサスケの正体を一言で言えば、
敵へ寝返った六忍ではなく、死後まで利用されながら兄としての情を残していた人物である。
★第2章 サスケとチヨメはどんな関係?本当の兄妹ではないが兄のような存在
サスケは両親を失ったチヨメを妹のように可愛がっていた兄弟子
サスケとチヨメは血のつながった兄妹ではない。
二人は刃心一族で共に修行した兄弟子と妹弟子の関係であり、
両親を失い、実の兄弟もいなかったチヨメにとって、
サスケはただ年上の忍というだけではなかった。
本当の兄のように慕っていた人物だった。
原作の屋根上戦では、
敵となったサスケの背中を追いながらチヨメが過去を思い出す。
手裏剣を的へ当てられなかった頃には投げ方を教えてくれ、
日が暮れるまで鍛錬に付き合い、
組手で一撃も入れられず不貞腐れるチヨメを困ったように笑って見ていた。
一緒にハンゾウから叱られ、
その後には一緒にすいとん汁を食べた記憶まで残っている。
チヨメが第10話で戦えずに迷うのは、
目の前にいる相手が単なる昔の仲間ではなく、
幼い頃の生活そのものを一緒に過ごした家族に近い存在だからだ。
そのため再会した時の衝撃も大きい。
長く行方不明だった兄を見つけたのに、
生の息吹はなく、赤い瞳と青白い顔で自分へ剣を向けてくる。
チヨメが「サスケ兄さん、待って」と追い掛けても、
サスケは返事をせず屋根の上を走り続ける。
屋根上の戦いは、チヨメが兄との思い出を自分で断ち切らなければならない戦いだった
チヨメは最初からサスケを殺す覚悟ができていたわけではない。
アリアンが後方から炎の矢を放つと、
「サスケ兄さんに当たったら」と思わず止めようとする。
敵として攻撃されていても、
心の中ではまだ昔の兄弟子として見ている。
しかしサスケは容赦なく攻撃を続ける。
チヨメが投げた水手裏剣を風手裏剣で弾き、
接近すると双剣の一撃目、二撃目を連続で繰り出し、
受け流された瞬間には別の剣で胴を狙う。
昔の組手とは違い、実戦の速度で妹を追い詰めていく。
それでもチヨメの身体には、
サスケと繰り返し鍛錬した記憶が残っている。
飛んできた手裏剣を無意識に短剣で弾き、
兄弟子の攻撃癖を読みながら間合いを取り直す。
かつて教えてもらった技術を使って、今度はその本人と戦うことになる。
アリアンが自分に代わって倒そうとした時も、
チヨメは最終的にそれを任せない。
自分の手で、かつて兄と慕った存在との決着をつけると決める。
他人に倒してもらえば楽になる場面で、
妹として最後までサスケと向き合う方を選ぶ。
だから二人の関係は恋愛として見るものではない。
サスケは幼いチヨメを妹として可愛がり、
チヨメはサスケを本当の兄のように慕っていた。
第10話の戦いが重いのは、好きだった相手と戦うからではなく、
家族に近い兄を自分の手で送り出さなければならないからなのである。
★第3章 サスケはなぜ行方不明になった?契の精霊結晶を追って教国へ
サスケは突然一族を捨てたのではなく、刃心一族の秘宝を追っていた
サスケが行方不明になった背景には、
刃心一族に伝わる秘宝「契の精霊結晶」が関わっている。
原作では後にアークたちが宝物庫の記録を調べ、
菱形の宝石として残された目録と特徴を照合し、
それが一族の秘宝と一致することを突き止める。
ただし、その時点で宝物庫に現物はない。
管理記録を確認すると、
契の精霊結晶は以前ヒルク教国への贈答品として渡されていた。
つまり秘宝は盗賊の手へ流れたのではなく、
正式な形で教国側へ移動していたことになる。
そして宝物庫へ侵入し、
その目録を先に読んでいた人物がサスケだったと分かる。
サスケは内部で契の精霊結晶の行き先を知り、
ヒルク教国へ渡ったことを確認した後、
その足取りを追うため教国側へ向かったと考えられる。
だからサスケの失踪を、
「六忍の立場を捨てて勝手に消えた」と見ると違ってくる。
一族に関係する重要な秘宝を追い、
潜入と追跡に長けた自分だからこそ危険な場所へ踏み込んだ。
六忍としての能力を使う延長線上に失踪があった。
チヨメが長くサスケを探し続けたのも、
彼が裏切り者として一族を捨てた確証がなかったからである。
消息だけが途絶え、死体も戻らず、
生死不明のまま時間だけが過ぎた。
だから第9話から第10話の再会が、チヨメにとってあまりにも重くなる。
教国へ向かった後に消息が途絶え、次に現れた時にはアンデッドだった
原作で最も重いのは、
サスケがヒルク教国へ向かった後の空白である。
契の精霊結晶を追うところまでは足取りが残るが、
そこから先の報告は途絶え、
一族へ生還した形跡もない。
そして次にチヨメが本人と再会した時、
サスケはすでに生者ではなかった。
第10話では赤い瞳、青白い顔、死の穢れをまとい、
呼びかけにも昔のようには応じず、
屋根の上から双剣を構えてチヨメへ向かってくる。
それでも偽物ではないことは戦い方で分かる。
サスケは風手裏剣でチヨメの水手裏剣を迎撃し、
双剣で間合いを詰め、空歩で炎魔術を回避する。
チヨメが幼い頃から見てきた六忍の技が、
死後の身体にもそのまま残っている。
つまりサスケの失踪と再登場の間に、
「教国へ向かった」「一度死亡した」「アンデッドとして再利用された」という変化が入っている。
原作でもこの流れから、
サスケはヒルク教国へ入り、
そこで教皇側の手に落ちたのだろうと推測される。
誰が直接サスケへ処置を施したのかまでは、
この段階では断定できない。
ただし教国へ向かった直後に消息を絶ち、
次に現れた時には不自然なアンデッドになっていた事実は重い。
行方不明の答えは、ヒルク教国の内部へ入ったところから大きく動き始める。
契の精霊結晶は、サスケの失踪と教国を一本につなぐ手掛かりになる
契の精霊結晶が重要なのは、
珍しい宝石だからではない。
サスケがなぜヒルク教国へ向かったのかという、
失踪前の行動を具体的に説明できるからである。
目的地が偶然教国だったわけではない。
秘宝が教国へ渡る。
サスケがその記録を確認する。
その後教国へ向かって消息を絶つ。
そして死者として再登場し、
最後には教国を警戒するようチヨメへ伝える。
ここまでつながると、
サスケの行方不明は第10話だけの謎ではなくなる。
一族の秘宝を追った六忍が、
教国の内部で何かに巻き込まれ、
死後まで利用されるところまで続いた長い事件だったと分かる。
だからサスケのネタバレを追う時、
「なぜいなくなったのか」と「なぜ敵になったのか」は別々ではない。
契の精霊結晶を追って教国へ向かったことが、
その後の死亡、アンデッド化、敵としての再登場まで、
すべての入口になっているのである。
★第4章 サスケにはなぜ死の穢れがある?すでに一度死亡していた
死の穢れは「呪われた」のではなく、サスケがすでに死者であることを示す
第10話でサスケの正体を決定的に変えるのが、
身体にまとわりつく「死の穢れ」である。
これは強い呪いを受けた、生気が弱っているという程度ではなく、
その者がすでに一度命を失っていることを示す。
チヨメが再会した兄弟子は、生きた人間ではなかった。
見た目にも違和感はある。
赤く光る瞳、血色を失った青白い顔、
感情が抜けたような表情で立ちながら、
身体そのものは腐敗したゾンビのようには崩れていない。
生前のサスケの姿をかなり保ったまま動いている。
さらに異常なのは、
身体だけでなく技術まで残っていることだ。
チヨメが水手裏剣を放てば風手裏剣で迎撃し、
アリアンが炎の矢を射れば空歩で軌道を外し、
接近すれば双剣と蹴りを連続させて妹を押し込む。
原作でも普通のアンデッドは、
腐敗したゾンビや白骨化したスケルトンとして現れることが多い。
ところがサスケは外見、知性、戦闘判断、生前の技術まで保っている。
そのためアークたちも、
自然発生した普通のアンデッドとは違う状態だと考える。
つまり「死の穢れがある」という情報は、
単にサスケが危険な存在になったという印ではない。
長く行方不明だった兄弟子がすでに一度死亡し、
その後に何らかの方法で再び動かされているという、
第10話最大のネタバレに直結している。
死者なのに六忍の技を使えることが、人為的なアンデッド化を疑わせる
サスケが普通の死者と違うのは、
戦闘中の判断を見ても分かる。
ただ前へ突進するのではなく、
チヨメの攻撃を見て対処を変え、
アリアンが加勢すれば二人分の攻撃を同時に警戒している。
屋根上の戦いでは、
水狼の動きにも剣へ風をまとわせて対応し、
チヨメが足を狙えば軸をずらして次の間合いへ移る。
昔の技を機械的に繰り返すだけではなく、
相手へ合わせて使い分ける知性まで残されている。
さらにサスケは、
自分自身がアンデッドなのに、怪しいペンダントを使って別のアンデッドも動かす。
本人が雑兵として使われているだけではなく、
下位の死者を指揮する役まで与えられているため、
敵側がサスケの価値を理解して利用していたことが見えてくる。
六忍ほどの戦闘技術を持つ死体なら、
普通の骸骨兵へ変えるより、
生前の能力を残したまま使った方が戦力として圧倒的に高い。
だからサスケの状態には、
偶然蘇ったのではなく用途を考えて作られた印象が強い。
この不自然さが、
後にヒルク教国や教皇タナトスへ疑いを向ける材料になる。
原作ではタナトス自身が大量の死体をアンデッドへ変え、
軍隊として運用していることまで判明するため、
サスケもその技術の延長上で利用された可能性が高まる。
それでもチヨメへの情が残っていたことで、サスケ本人は完全には消えていなかった
サスケがアンデッドになっても、
人格まで完全に消失していたわけではない。
チヨメとの戦いでは本来使えるはずの風忍術を出し切らず、
空歩にも生前ほどの鋭さがないことを、
兄弟子をよく知るチヨメ自身が感じ取る。
決着後には、
サスケが妹へ本気で斬りかかれなかったことが明らかになる。
アンデッドとして命令へ従い、敵として刃を向けながらも、
幼い頃から可愛がってきたチヨメを、
最後のところで殺し切ることができなかった。
この点が普通の骸骨兵との決定的な差になる。
戦闘技術だけでなく、
兄として過ごした記憶や感情まで一部残っていた。
だからチヨメにとっては、
目の前にいるのが別の怪物ではなく「死んだサスケ本人」だった。
つまり死の穢れが示しているのは、
サスケがすでに死亡していたという事実だけではない。
死後に身体を利用されても六忍としての技術と兄としての情が残り、
その二つが最後の戦いで衝突していたこと。
そこにサスケのアンデッド化が特に悲しいものになる背景がある。
★第5章 サスケはなぜ敵として現れた?ジャミアントとアンデッドを利用した襲撃
第10話でサスケは、黒巨人ジャミアントを虎人族へ誘導した張本人として姿を現す
第10話で明らかになるのは、
サスケが単にアンデッドとして徘徊していたのではなく、
虎人族の集落を襲わせるため黒巨人ジャミアントを誘導していたことだ。
黒巨人の赤子を殺し、その遺体を撒き餌として利用することで、
怒り狂った親個体を意図的に虎人族側へ向かわせている。
そのため黒巨人の襲撃は、
偶然集落へ迷い込んだ魔獣災害ではない。
誰かが生態を理解した上で怒りを利用し、
巨大な魔獣そのものを兵器のように動かした結果である。
その実行役として前面に出てくるのがサスケだった。
さらに街では、
全身甲冑を着たアンデッドまで次々と現れる。
アークたちが数を確認しても十体程度では収まらず、
戦闘中にもさらに別個体が姿を見せるため、
最初から複数の死者が準備されていたことが分かる。
ここでサスケは、
怪しいペンダントを使って大量のアンデッドを操作する。
自分自身も死者でありながら、
別の死者へ指示を与える側に置かれており、
普通のアンデッドとは明らかに異なる役割を与えられている。
つまり第10話の襲撃は、
黒巨人による破壊、甲冑アンデッドによる戦力分散、
そして六忍サスケ本人の高い戦闘能力を同時に使う構図になる。
一つの戦力へ頼るのではなく、
複数の脅威を重ねて街全体を混乱させている。
サスケが敵になったのは、自分の意思で一族を裏切ったからではない
ただしサスケ本人を、
この作戦の黒幕として見るのは早い。
第10話の時点ですでに死の穢れをまとい、
一度命を失ったアンデッドだと判明しているため、
生前のサスケが自発的に敵側へ寝返ったとは考えにくい。
失踪前の足取りも同じ方向を示している。
サスケは契の精霊結晶を追い、
その行き先がヒルク教国だと知った後に消息を絶った。
次に現れた時には死者となっているため、
敵側へ加わったというより教国側へ取り込まれた形に近い。
戦闘中のサスケにも、
完全な意思喪失では説明しにくい部分が残る。
チヨメへ剣を向けながらも、
本来使えるはずの風忍術をすべて出し切らず、
決着後には妹へ本気を出せなかったことが明らかになる。
つまり身体は敵側の戦力として動かされていても、
サスケ本人の記憶や感情までは完全に消えていない。
そのため表面上は敵として戦いながら、
内側では兄としての情が残り続け、
最後の戦いで命令と感情が衝突する形になる。
ここまで見ると、
サスケが敵として現れた直接の背景はアンデッド化にある。
生前の六忍としての技量を残し、
さらにペンダントで下位アンデッドまで動かせる高性能な戦力として、
死後に利用されていた可能性が高い。
ジャミアントもアンデッドも、サスケ本人より大きな勢力の存在を示している
黒巨人ジャミアントの利用方法も、
サスケ一人の思いつきとしては異様に計画的である。
赤子を殺して親個体を誘導し、
その混乱へアンデッドを重ね、
自分は高所を移動しながら別方向から攻撃する。
この戦い方は、
単なる復讐や暴走とは違う。
敵側に被害を広げ、戦力を分断し、
自分たちは複数の駒を同時に動かす。
軍事作戦に近い配置になっている。
しかもサスケ自身が最後に、
教国を警戒するようチヨメへ残している。
つまりこの作戦を自分が望んで進めていたなら、
死ぬ直前にその背後を警告する必要はない。
ここでも彼が利用された側だったことが見えてくる。
だから第5章で重要なのは、
「サスケが悪人になった」ではなく、
六忍ほどの強者でさえ死後に戦力化され、
黒巨人やアンデッドと同じ作戦の中へ組み込まれていたこと。
その異常さが後のヒルク教国へつながっていく点にある。
★第6章 サスケは最後どうなる?チヨメとの戦いで兄としての情が残る
屋根上の決闘では、チヨメが兄弟子として知る技を一つずつ受け止めていく
第10話の終盤、
サスケとチヨメは屋根の上で直接ぶつかる。
サスケは双剣を構えて一気に間合いへ入り、
一撃目をかわされれば二撃目、
さらに短剣で受けられれば蹴りへつなぐ。
チヨメもただ逃げるだけではない。
水手裏剣を放ち、
水狼を使って動きを崩し、
昔から知っているサスケの癖と攻撃間隔を読みながら、
少しずつ反撃の形を作っていく。
戦いの途中では、
サスケの手裏剣や風忍術を見るたびに、
幼い頃に投げ方を教えてもらった記憶や、
日暮れまで組手に付き合ってくれた姿が重なり、
敵として割り切れないチヨメの迷いが何度も出る。
アリアンが援護に入っても、
チヨメは最終的に自分で決着をつける方を選ぶ。
他人に兄を倒してもらえば直接手を下さずに済むが、
それでは逃げたままになる。
妹弟子として最後まで自分の手で向き合う。
この決断があるから、
第10話のサスケ戦は単なる強敵撃破では終わらない。
チヨメが長く探してきた兄と再会し、
その本人を自分で止め、
最後に見送るところまでが一つの決着になっている。
サスケは本気を出し切っておらず、最後までチヨメを妹として見ていた
決着後、
チヨメは戦いの中で感じていた違和感へ気づく。
サスケほどの六忍なら、
もっと多くの風忍術を使えたはずであり、
空歩も生前ほど鋭くなかった。
これはアンデッド化によって、
単純に能力が落ちていたからだけではない。
サスケ本人も最後に、
妹へ本気で刃を向けることができなかったことを認める。
敵として戦いながら、兄としての感情が残っていたのである。
だからチヨメが勝てたのも、
単純に弟子が兄弟子を超えたからとは言い切れない。
もちろんチヨメ自身の成長はあるが、
サスケ側が最後まで全力で殺しに来なかったことも、
決着を左右した大きな要素になる。
アンデッド化され、
黒巨人を利用し、別の死者まで操っていたのに、
兄としての情だけは完全に消えていなかった。
この点がサスケという人物の最後を、
単なる敵キャラの敗北ではなくしている。
チヨメは自分の手でサスケを見送り、兄は敵ではなく兄のまま終わる
戦いが終わった後、
チヨメは傷ついたサスケを助けようとする。
しかしサスケは治療されて生き延びる道を選ばず、
すでに一度死んでいる自分の状態を受け入れ、
そこで終わることを望む。
チヨメにとっては、
ようやく再会できた兄をもう一度失う場面になる。
長年探し続け、
見つけた時には敵になっており、
最後には自分の手で見送らなければならない。
それでもサスケは、
最後までチヨメを妹として見ている。
本気で殺さず、
自分の終わりを受け入れ、
さらに消える前には次の危険まで伝えようとする。
だからサスケの最後は、
「チヨメに倒されて死亡した」で終わらない。
一度死亡しアンデッドとして利用されながらも、
兄としての情を最後まで失わず、
妹を守る側へ戻って物語から退場する。
サスケのネタバレをまとめる上で、
この結末が人物像の中心になる。
敵として現れた姿だけを見れば裏切り者に見えるが、
最後まで追えば見えてくるのは、
死後まで利用されても兄であることだけは捨てなかった人物なのである。
★第7章 サスケの「教国に気をつけろ」は何を示していた?
最後の警告は、自分が巻き込まれた先へチヨメを近づけないための遺言だった
第10話でサスケが最後に残したのが、
「教国に気をつけろ」という警告である。
自分を倒したチヨメへ恨みを残すのでもなく、
六忍としての誇りを語るのでもなく、
消える直前まで妹の先にある危険を伝えようとしている。
この言葉が重いのは、
サスケ自身がヒルク教国へ向かった末に戻れなくなったからだ。
失踪前には契の精霊結晶を追い、
その行き先が教国だと知って足を運び、
次に姿を見せた時にはすでにアンデッドへ変えられていた。
つまりサスケにとって教国は、
ただ噂で危険だと聞いた場所ではない。
自分の死亡、アンデッド化、敵としての再利用まで、
すべてがつながる可能性の高い場所だった。
だから最後に警戒先として教国を選んだと考えやすい。
しかもチヨメとの決着では、
サスケ本人の意識が完全には失われていなかった。
本気で妹を殺し切れず、
最後には治療を拒みながら兄として言葉を残す。
その状態で出た警告なら、敵側の命令ではなく本人の意思と見てよい。
だから「教国に気をつけろ」は、
単なる次章への伏線だけではない。
自分と同じ場所を追えば、
今度はチヨメまで同じ末路へ巻き込まれるかもしれない。
それを防ぐために残した兄として最後の忠告でもある。
サスケの死後、刃心一族はその言葉を手掛かりに本格的な追跡へ入る
サスケの警告は、
その場で聞き流されて終わらない。
原作ではサスケの葬儀を終えた後、
チヨメたちが彼の生前の足取りを改めて追い、
教国へ向かうまでの経路を調べ始める。
そこで見えてくるのが、
サスケが各地へ残していた情報収集の痕跡である。
刃心一族が持つ連絡網や協力者をたどると、
途中の「クサ」が何者かによって潰されており、
サスケの追跡そのものが敵側に察知されていた可能性が出てくる。
さらに宝物庫の記録を確認すると、
サスケが追っていた契の精霊結晶は、
すでにヒルク教国への贈答品として移されていた。
サスケもその記録を先に見ており、
そこから教国へ向かったと推測される。
だから最後の警告と生前の行動は、
別々の情報ではない。
秘宝を追って教国へ向かい、
そこで消息を絶ち、死後は敵側の戦力として戻り、
最後にその教国を警戒するよう残した。
この流れまで追うと、
サスケがなぜ敵として現れたのかも一段深く見えてくる。
自分から一族を裏切ったのではなく、
一族の秘宝を追った結果として教国へ踏み込み、
その先で逆に利用される側へ回った可能性が高い。
原作ではヒルク教国と大量のアンデッドがつながり、サスケの異常な状態も孤立した例ではなくなる
さらに原作を進めると、
ヒルク教国ではアンデッドが国家規模で運用されていることが分かる。
教皇タナトス自身が死者を不死者へ変え、
大量の死霊兵を蓄積し、
周辺国へ軍団として投入している。
ノーザン王国では、
十万を超えるアンデッドが王都へ押し寄せ、
城壁を破壊しながら連日攻撃を続ける。
第10話でサスケが率いていた十数体規模の骸骨兵とは、
比較にならない数の死者が軍事運用される。
ここまで知ると、
サスケのアンデッド化も突然変異のような事件ではなくなる。
教国側には死者を戦力化する技術が存在し、
一般兵だけでなく六忍ほどの強者まで、
生前の能力を残したまま再利用できる可能性が見えてくる。
サスケ本人が怪しいペンダントを使い、
下位のアンデッドを操作していたことも同じ線上に置ける。
普通の死者なら数として使い、
高い技能を持つ者なら指揮役として使う。
死者を用途別に運用する発想がすでに第10話で見えていた。
だからサスケの「教国に気をつけろ」は、
後の巨大な不死者軍団までつながる入口になる。
本人は詳細を説明できなかったが、
短い一言の先には教国、教皇タナトス、
そして国家規模のアンデッド運用が存在していた。
サスケの物語は「死亡」で終わらず、ヒルク教国へ続く入口になる
サスケのネタバレを最後まで追うと、
彼の役割は悲しい兄弟子で終わらない。
六忍として登場し、行方不明となり、
アンデッドとして敵側へ回り、
最後にはチヨメへ教国の危険を残して消える。
一人の人物の中に、
刃心一族、契の精霊結晶、ヒルク教国、死の穢れ、
アンデッド化、ジャミアント、ペンダント、
そして教国への警告まで複数の情報が集まっている。
だからサスケは第10話だけの敵ではない。
チヨメにとっては、
幼い頃から兄のように慕った人物との別れである。
しかしアークたちにとっては、
死者を軍事利用する巨大な勢力が存在すると知る、
次の戦いへの重要な手掛かりでもある。
そしてサスケ本人にとっては、
死後まで敵側へ利用されながら、
最後の最後だけは自分の意思を取り戻し、
妹へ危険を伝えることができた場面になる。
敵として始まった再会が、兄としての警告で終わる。
だからサスケのネタバレを一言でまとめるなら、
一族を裏切った六忍ではない。
契の精霊結晶を追った末にヒルク教国へ飲み込まれ、
死後まで戦力として利用されながら、
最後にはチヨメを守る側へ戻った兄弟子だったのである。


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