黒巨人ジャミアントは、タジエントで無差別に暴れているだけの怪物ではなく、サスケが動くと進路を変えて追い続けます。
その不自然な追跡を原作までたどると、死の穢れをまとったサスケが黒巨人を街へ引き寄せる役に使われ、タジエント襲撃そのものへ組み込まれていた可能性が見えてきます。
「黒き獣」の正体を追うことで、ジャミアント・サスケ・タジエント襲撃が別々の出来事ではなく、一つの事件としてつながっていたことが分かります。
第1章 結論|黒巨人ジャミアントがサスケを追う動きには違和感がある
第9話では、周囲よりサスケを意識しているように見える
第9話で突然姿を現した黒巨人ジャミアントは、ただ街で暴れ回るだけの魔物には見えない。
大きな体で建物を壊す。
巨大な石斧を振り回す。
近くにいる者まで巻き込む。
それだけでも十分に危険な怪物だが、サスケが現れた場面では動きが少し違う。
黒巨人は、目の前のサスケへ向けて強く反応している。
ここがかなり気になる。
タジエントには人もいる。
虎人族もいる。
逃げ回る住民もいる。
それなのに、サスケが動けば黒巨人もそちらへ向かう。
第9話だけでは、なぜそこまでサスケへ反応するのかまでは説明されない。
だから視聴者には、「この二人には何かあるのでは」と引っかかる。
しかも、サスケ自身も普通の状態ではない。
第8話では、ダンカを襲った双剣使いとして名前が浮かんだ。
第9話では、チヨメが長く探してきた本人らしい姿が見える。
でも、そこには以前の記事でも触れた「死の穢れ」がある。
人の姿を残しながら、不死者側の異変をまとっている。
そこへ黒巨人まで異様な反応を示す。
この組み合わせが強い。
サスケだけでも謎がある。
ジャミアントだけでも異様な魔物になる。
でも二人が同じ場所に出てきて、しかも一方が一方を追う。
ここまで重なると、偶然の遭遇だけでは見にくい。
第9話は答えを出さないまま、「なぜ黒巨人はサスケを追うのか」という疑問だけを強く残している。
第9話のタイトルも、その印象をかなり強めている。
チヨメにとっては、ずっと探していたサスケとの再会。
本来なら、その瞬間だけで大きな場面になる。
ところが再会と同時に、黒い巨体が割り込んでくる。
静かに言葉を交わす時間もない。
相手が本当にサスケなのか確かめる間もない。
再会そのものが、黒巨人の咆哮に壊される。
だからジャミアントは、単なる新しい強敵ではない。
サスケとの再会を邪魔する。
サスケを追う。
タジエント全体を混乱へ巻き込む。
一つの登場だけで、複数の出来事を同時に動かしている。
第9話を見終わった時に「黒巨人は何者なのか」より先に、
「なぜサスケを追っていたのか」が気になるのは、この動きがあるからだ。
ただし、第9話の時点では背景はまだ伏せられている。
サスケと以前から因縁があるのか。
何かの匂いや気配を追っているのか。
サスケ自身が狙われるようなことをしたのか。
そこまでは確定していない。
だから前半では、無理に答えを先取りせず、
まず「普通の無差別襲撃とは少し違って見える」というところを押さえておきたい。
サスケとの再会に黒巨人が重なったことで、二つの謎が一つになった
第8話までのチヨメは、サスケの行方を追う側だった。
ダンカを襲った双剣使い。
六忍だった頃と重なる戦い方。
兄のように慕った人物の名前。
そこから「サスケかもしれない」という線が浮かぶ。
まだ本人を目の前にしたわけではない。
だから希望も疑いも残っていた。
第9話で、その距離が一気に縮まる。
サスケらしい姿が現れる。
チヨメはようやく本人へ近づく。
でも、その瞬間に黒巨人ジャミアントまで現れる。
ここで物語の焦点が二つに増える。
サスケに何が起きたのか。
黒巨人はなぜサスケを追うのか。
別々だった疑問が、同じ場面で重なってくる。
しかもジャミアントは、見た目からして普通の魔物ではない。
体格が大きい。
攻撃範囲も広い。
石斧一振りでも周囲へ大きな被害が出る。
サスケ一人だけが相手でも、近くにいるチヨメや住民まで巻き込まれる。
だから黒巨人がサスケを追うだけで、
そのまま街全体の危機へつながる。
ここが怖い。
サスケが逃げれば、黒巨人も動く。
黒巨人が動けば、建物や人が巻き込まれる。
つまりサスケとジャミアントの動きが、
二人だけの問題では終わらない。
タジエントそのものが戦場になる。
第9話の後半は、この広がりを一気に見せている。
さらにサスケには死の穢れがある。
第5話では、死の穢れの先に実際のアンデッドがいた。
アークにはない。
サスケにはある。
そこへ今度は黒巨人がサスケへ反応する。
この三つを並べると、
「サスケが普通ではない」という情報が、さらに別方向から増えていく。
だから第9話の黒巨人は、単独で見るよりサスケと並べた方が分かりやすい。
ジャミアントが強い。
街を壊す。
虎人族でも止めにくい。
それだけなら強敵紹介で終わる。
でもサスケへ向かう動きが加わることで、
黒巨人そのものがサスケの異変を追う手掛かりにもなっている。
第9話まで見た段階で言えるのは、ここまで。
黒巨人はサスケを意識しているように見える。
サスケも普通の状態ではない。
二人がタジエントで重なったことで、何か一つの事件としてつながっている可能性が出てきた。
ただし、誰が何をしたのかまではまだ見せられていない。
その空白が、次を知りたくなる一番大きな部分になる。
第2章 黒巨人ジャミアントとはどんな魔物なのか
人型なのに頭がなく、胸に顔を持つ異様な巨人
ジャミアントを初めて見た時、一番目を引くのは大きさだけではない。
全身は黒い。
人型に近い体つきをしている。
でも普通の巨人のような頭部がない。
その代わり、胸のあたりに目や口のようなものがある。
遠目に見ても、普通の獣や魔獣とは明らかに違う。
しかも武器まで持っている。
巨大な石斧。
体格だけでも十分に危険なのに、
そこへ重量のある武器を振り回す。
一撃ごとの範囲が広い。
人間一人を狙った攻撃でも、周囲の壁や屋根まで壊しかねない。
タジエントのように建物が密集した場所では、
黒巨人が動くだけで街の被害が大きくなる。
原作では、ジャミアントは身長約六メートルにもなる巨体として描かれる。
人間や山野の民から見れば、完全に見上げる大きさ。
腕も太い。
口も巨大。
近づかれれば、武器を使われる前から危険になる。
虎人族の戦士でも簡単には押し返せない。
単純な力比べだけなら、かなり上位の魔物になる。
第9話でサスケへ向かう場面も、この大きさが効いている。
サスケは六忍だっただけあって動きが速い。
屋根へ上がる。
建物の間を抜ける。
普通の敵なら、速度で振り切れそうに見える。
でもジャミアントは体が大きい。
一歩の幅も広い。
石斧を振れば、逃げ道そのものを壊せる。
追われる側は、ただ走ればいい相手ではない。
ここで第9話前半のドリフトプスの場面とも対照が出る。
アークたちは虎人族の土地を進み、
ドリフトプスという大型の獣を移動手段として使う。
アークが力比べをして認めさせる。
あちらは強い獣でも、主従や信頼が成立する。
同じ大型の生物でも、ジャミアントにはそういう余地がない。
出会った瞬間から破壊と襲撃へ向かう。
だから「黒き獣」という呼び方もよく合う。
見た目は巨人。
でも行動には獣じみた荒々しさがある。
咆哮する。
追う。
掴む。
叩き潰す。
巨大な体と石斧で、街をそのまま狩場に変えてしまう。
名前を知らなくても、一度姿を見れば印象に残るタイプの魔物になっている。
ただ、完全に理性のない怪物とも言い切れないところが気になる。
サスケへ向かう。
逃げた方向を追う。
目の前のものを無差別に壊すだけではなく、
特定の相手を追跡しているような動きがある。
ここが普通の魔獣とは少し違う。
だから「強い黒巨人」だけではなく、
「何を追っているのか」まで気になる存在になる。
虎人族でも簡単には止められない力が、タジエント全体を危険にする
ジャミアントの怖さは、体の大きさだけではない。
虎人族のように身体能力が高い者たちが相手でも、普通に被害が出る。
山野の民は、人間より身体能力が高い者も多い。
その中でも虎人族は、力や速度に優れた戦士がいる。
その彼らでも黒巨人を簡単には止められない。
ここでジャミアントの危険度が一段上がる。
アークなら力で押し返せる可能性がある。
でもアークは作中でも別格。
ドリフトプスとの力比べでも、普通なら難しい相手をあっさり認めさせる。
だからアークを基準にすると、ジャミアントの強さを見誤りやすい。
一般の兵士や住民からすれば、
六メートル級の巨体が石斧を振り回すだけで十分に災害になる。
タジエントでは、その巨体が建物の間を動く。
狭い道。
密集した家屋。
逃げる住民。
そこへ黒巨人が入れば、戦闘していない人まで巻き込まれる。
石斧が外れたとしても安全ではない。
壁が崩れる。
屋根が落ちる。
逃げ道が塞がる。
一対一の戦闘より、街中に現れたこと自体が危険になる。
しかもジャミアントはサスケを追う。
サスケは速い。
屋根へ上がる。
別の通りへ移る。
普通なら逃げる側の有利になる動きでも、
黒巨人が追えば被害の場所まで移動してしまう。
一か所で止まらない。
街の中を移動するほど、被害範囲が広がる。
ここが第9話の緊張を強くしている。
第5話のアンデッド戦とは、危険の広がり方も違う。
あちらは地下洞窟。
敵がいる場所へアークたちが入っていく。
戦う場所がある程度限られている。
でもタジエントは住民が暮らす街。
敵の方から入ってくる。
しかも巨体が動き回る。
戦闘の外側にいる人まで危険になる。
だからジャミアントは、単なる「次に倒す魔物」として見ると少し足りない。
強さ。
巨体。
異様な外見。
石斧。
サスケへの執着のような動き。
街全体へ広がる被害。
一つ一つが同じ事件の中で重なっている。
第9話で急に出てきた怪物なのに、気になる要素がかなり多い。
そして一番残るのは、やはりサスケとの関係。
なぜサスケなのか。
何を感知しているのか。
どうして追い続けるのか。
第9話の時点では、その答えはまだ見えていない。
だからこそ黒巨人ジャミアントは、
強いだけではなく「次の答えを持っていそうな怪物」として引っかかる存在になっている。
第3章 第9話の「黒き獣」はジャミアントを指している
チヨメがサスケと再会した瞬間、黒巨人の咆哮が割り込んでくる
第9話の題名は「再会は黒き獣の咆哮と共に」。
この「再会」は、もちろんチヨメとサスケ。
そして「黒き獣」として二人の間へ割り込んでくるのが、黒巨人ジャミアントになる。
長く探してきた兄弟子をようやく見つけた場面なのに、
再会を喜ぶ時間を与えないまま巨大な咆哮と攻撃が重なる。
サスケは、チヨメが知っている頃と同じように双剣を構える。
チヨメは「サスケ兄さん」と呼び掛ける。
ところがサスケは、懐かしい相手へ会ったような反応を見せない。
赤い目を向け、二本の剣を構えたまま対峙する。
ここだけでも十分に異様なのに、その直後にジャミアントまで動き出す。
黒巨人は一体だけではない。
その場にいた複数のジャミアントが咆哮を上げ、石器を手に一斉に走り出す。
しかも途中にいた虎人族の戦士たちへ向かうのではなく、
サスケが逃げた方角へ進んでいく。
戦っていた相手を途中で無視してまで進路を変える。
ここで「黒巨人は誰でもいいから襲っている」という見え方が崩れる。
サスケも、その動きを見てその場へ残らない。
チヨメたちを一瞥すると、身を翻して走り去る。
しかも地面だけではなく、空中を駆けるような六忍らしい動きで一気に距離を取る。
チヨメも「待って、サスケ兄さん」と追い掛ける。
しかし速度差は大きい。
焦ったチヨメは足をもつれさせ、その場で転んでしまう。
この場面で重要なのは、ジャミアントの進路。
周囲にはまだ虎人族が残っている。
黒巨人に近い場所にも人がいる。
それなのに巨人たちは急に方向を変え、
サスケが消えた方向へ走っていく。
最初から何かを探しているような動きまで見せていたため、
偶然サスケと進路が重なっただけとは見えにくい。
第9話後半でも、この特徴は続いている。
サスケがタジエントで姿を見せる。
チヨメが再び名前を呼ぶ。
その直後、今度は頭上から黒巨人が落ちてくる。
約六メートルもの巨体が石畳へ着地し、
巨大な石斧をサスケがいた場所へ振り下ろす。
サスケがかわすと、そのまま屋根へ逃げていく。
ここでも黒巨人の攻撃先はサスケ。
サスケは建物の壁を蹴り、さらに宙を蹴るように屋根へ上がる。
チヨメも狭い路地へ入り、壁を蹴りながら後を追う。
アリアンは、チヨメを追うか黒巨人へ向かうか迷う。
再会した人物を追いたいチヨメ。
街を襲う巨人を止めなければならないアークたち。
一つの場面で二つの問題が同時に動き出す。
だから第9話の「黒き獣」は、ただジャミアントの外見を指した題名ではない。
サスケとの再会に必ず付いてくるように現れる。
チヨメが本人へ近づこうとする。
そのたびに巨人の咆哮が響く。
サスケは逃げる。
ジャミアントも追う。
この繰り返しが、「サスケと黒巨人は何かでつながっているのでは」と感じさせる。
第1期からチヨメを見ているほど、この再会が普通ではないと分かる
チヨメがサスケへ執着する背景は、第2期だけを見ても完全には伝わりにくい。
第1期第4話でアークと初めて出会った頃から、
チヨメは人族に捕らえられた山野の民を救うために動いていた。
敵の拠点へ潜り込み、アークへいきなり攻撃するほど警戒心も強かった。
その後はアークたちと共闘し、囚われた仲間を救う側へ回っていく。
第1期第8話では、ローデン王都のエツアト商会を襲撃する。
アークはゴエモンと正面から突入。
チヨメたちは別方向から獣人奴隷を探す。
そこで救出できなかった者たちの現実まで突き付けられ、
第9話では「二度と同じ悲劇を繰り返さない」と誓う。
チヨメは、自分の一族や仲間を見捨てられない人物として描かれてきた。
そんなチヨメにとって、六忍のサスケはさらに近い。
ただの同族ではない。
兄弟子であり、兄のように慕った相手。
だから第8話でダンカを襲った双剣使いの特徴を聞いただけでも、
チヨメの表情は変わる。
「もしかしたらサスケが生きている」という希望と、
「そのサスケがなぜダンカを襲ったのか」という不安が同時に生まれる。
第9話では、その疑問が本人の姿になって目の前へ現れる。
しかしサスケは答えてくれない。
チヨメが名前を呼んでも、昔の兄弟子らしい反応がない。
死の穢れまでまとっている。
そのうえ黒巨人たちまでサスケを追う。
「やっと会えた」という一つの答えから、
一気に三つ、四つと新しい疑問が増えていく。
だから「再会は黒き獣の咆哮と共に」という題名が重い。
チヨメが待ち続けた再会なのに、穏やかな時間はない。
サスケは敵のように剣を構える。
ジャミアントは咆哮する。
サスケが逃げる。
チヨメが追う。
見つけた瞬間から、再び離れていく方向へ物語が動いてしまう。
黒巨人は、そんな再会を壊す存在として登場している。
ただし第9話まででは、
なぜサスケを追うのかはまだ明かされない。
だからこそ視聴者には、
「ジャミアントはサスケの何を追っているのか」という疑問が残る。
第9話の題名そのものが、その疑問を強く残す作りになっている。
第4章 なぜジャミアントは周囲よりサスケを追うように見えるのか
虎人族が目の前にいても方向転換してサスケを追っている
ジャミアントの動きで一番引っかかるのは、
サスケが現れる前と現れた後で行動が変わるところ。
黒巨人はもともと虎人族の集落を襲い、
戦士たちもその対応に追われている。
ところがサスケが姿を見せると、
巨人たちは周囲の虎人族より、サスケの方へ向かい始める。
これはかなり不自然。
近くに敵がいないわけではない。
むしろ虎人族の戦士たちとは直前まで戦っている。
それでも五体の黒巨人が一斉に咆哮し、
サスケの消えた方向へ走っていく。
途中にいる虎人族を追い続けるのではなく、
急に目的地を変えるような動きを見せる。
しかも、巨人たちは最初から集落内で何かを探すような仕草をしている。
ただ腹が減って人を襲う。
目に入った者へ殴りかかる。
そういう魔物なら、目の前の虎人族を無視する必要はない。
サスケが現れた途端に反応が変わったことで、
「最初から探していた相手がサスケだったのでは」という見方が自然に出てくる。
タジエントでも同じ。
サスケは兵士たちの間を高速で移動し、双剣を振るっている。
そこへ黒巨人が頭上から落ちてくる。
着地だけで石畳が砕けるほどの巨体。
そして次に振るう巨大な石斧も、サスケがいた場所を狙っている。
サスケが屋根へ逃げると、追跡は地上だけの戦闘では終わらない。
この繰り返しがあるから、「偶然近くにいたから襲った」では弱くなる。
集落でサスケが逃げる。
黒巨人も同じ方向へ消える。
タジエントでサスケが現れる。
また黒巨人がサスケへ攻撃する。
場所が変わっても同じ組み合わせが続く。
第9話までの情報だけでも、ここにははっきりした違和感が残る。
ただし、この時点では答えまでは出ていない。
死の穢れに反応しているのか。
サスケ自身を見分けているのか。
以前から追跡しているのか。
それとも別の何かが二者をつないでいるのか。
第9話だけでは、どれとも断定できない。
だから前半では「サスケを追う動きがある」まで押さえるのが安全になる。
サスケ自身も逃げ続けるため、黒巨人との関係がさらに読みにくい
もう一つ気になるのは、サスケの反応。
黒巨人が来ても、戦って倒そうとはしない。
六忍としての戦闘能力は高い。
ダンカを追い詰めるほど双剣の技も残っている。
それでもジャミアントが迫ると、
正面から斬り合うより、その場を離れる動きを選んでいる。
黒巨人の石斧が振り下ろされても、サスケは慌てない。
攻撃をかわす。
壁を蹴る。
宙へ跳ぶ。
屋根へ移る。
六忍らしい身軽さで攻撃圏から抜けていく。
この動きだけ見ると、
ジャミアントの性質をある程度知っているようにも見える。
チヨメは当然、そのサスケを追う。
「待って」と呼ぶ。
でもサスケは止まらない。
集落でもタジエントでも、
チヨメとの会話より移動を優先している。
後ろにはジャミアントが来る。
チヨメまで危険へ飛び込む。
結果として、サスケを追うだけで一行全体が黒巨人の動きへ巻き込まれていく。
ここで第8話のダンカ襲撃も効いてくる。
サスケらしい双剣使いは、すでにダンカへ刃を向けていた。
つまり第9話で急に異常になった人物ではない。
アークたちがタジエントへ向かう前から、
サスケの行動には説明できない部分があった。
そこへ死の穢れ。
さらにジャミアントの追跡。
別々だった異変が少しずつ重なっている。
一方、アークたちは第1期から、
敵の魔物が不自然な状態にされる事件を経験している。
第1期第7話では、幻を操るホーンテッドウルフの群れと遭遇し、
そのボスには見覚えのある不気味なリングが付けられていた。
自然な魔獣の行動だけでは済まない形で、
外から何かをされている存在が出てきたことがある。
だから今回も、ジャミアントの行動を単なる野生の習性だけで決め付けにくい。
サスケ側にも普通ではない要素がある。
黒巨人側にも普通ではない動きがある。
そして二者が出会うと、ジャミアントの行動が急にサスケへ寄る。
第9話までで分かるのは、この事実まで。
「なぜ追うのか」の答えをまだ隠したまま、
行動だけを先に何度も見せている。
だからジャミアントとサスケの関係は、
「黒巨人に襲われているかわいそうなサスケ」だけでは終わらない。
なぜ探されていたように見えるのか。
なぜサスケは立ち止まらないのか。
なぜ別の場所でも追われるのか。
第9話では、この三つがまだ開いたまま残っている。
そして、この先まで知ると、
黒巨人がサスケを追う動きにはさらに具体的な背景が見えてくる。
ただし、そこから先はアニメ第9話より先の内容になる。
まず第9話まででは、
ジャミアントが無差別に暴れているだけではなく、
サスケを明確に意識しているような動きを何度も見せている。
ここまでを押さえておけば、次に明かされるつながりもかなり分かりやすくなる。
第5章 原作で見えてくるジャミアントとサスケのつながり
※ここから先は、アニメ第9話より先の原作内容に触れます。黒巨人ジャミアントがサスケを追う背景を先に知りたくない方はご注意ください。
サスケは、黒巨人をタジエントへ引き寄せる役に使われた可能性が高い
第9話までだと、ジャミアントがなぜサスケを追うのかは伏せられている。
ただ原作まで進むと、アーク自身が一つの可能性へたどり着く。
それが、サスケを使って黒巨人をタジエントへ誘い込んだのではないかという見方。
サスケとジャミアントが偶然同じ街へ来たのではなく、
サスケを追わせることで巨人そのものを街へ運んだ可能性が出てくる。
この見方をすると、第9話の不自然な行動がかなりつながる。
虎人族が目の前にいても、ジャミアントはサスケが逃げた方向へ向かう。
タジエントでも、サスケが屋根へ移動すると巨人も追う。
二匹の黒巨人がチヨメたちを挟むように現れた時も、
中央にいたサスケへ向かって石斧を振り回しながら突進する。
周囲の誰でもいいのではなく、狙いがサスケへ寄っている。
つまりサスケは、黒巨人にとって追跡したくなる対象になっている。
その性質を誰かが知っていたなら、
サスケを街へ向かわせる。
ジャミアントが後を追う。
サスケがタジエントへ入れば、巨人まで街へ入る。
巨大な兵器を直接運ばなくても、
追わせるだけで街中へ送り込めることになる。
原作でアークがこの可能性を考えるのも、街の状況があまりに不自然だから。
タジエントでは黒巨人だけが暴れているわけではない。
骸骨甲冑まで大量に現れ、住民や兵士を襲っている。
アークは街中を移動しながら、それらを次々に倒す。
それでも数が減ったようには見えない。
単なる魔物の群れが偶然街へ迷い込んだ状況とは違っている。
ここで第1期の魔獣事件も思い出せる。
第1期第7話では、アークたちがホーンテッドウルフの群れと遭遇した。
その群れのボスには、見覚えのあるリングが付けられている。
魔獣が自然に暴れているだけではなく、
人為的な干渉が入っていることを示す道具だった。
『骸骨騎士様』では、魔物の異常行動の裏に誰かの手がある展開はすでに描かれている。
ジャミアントも同じように考えると見え方が変わる。
巨人そのものが高度な計画を立てている必要はない。
サスケを追う習性さえ利用できればいい。
暴れ回る巨体。
巨大な石斧。
虎人族でも簡単には止められない力。
それが街へ入れば、あとは歩き回るだけでも被害が広がる。
タジエントへ着いたアークが目にする光景も、それを裏付ける。
建物から火の手が上がる。
黒巨人が街中を移動する。
骸骨甲冑が住民を襲う。
人々は逃げ回る。
その中でチヨメはサスケを追う。
複数の異常が同時に起きており、
誰かが街を混乱させるために複数の駒を投入したように見えてくる。
だから「なぜジャミアントはサスケを追うのか」への原作側の答えは、
二人に個人的な因縁があるから、という話ではない。
サスケを追う黒巨人の性質そのものが、
タジエントを襲わせるために利用された可能性が高い。
第9話で何度も見せていた「サスケが走ると巨人も追う」という動きが、
その仕掛けを先に見せていたことになる。
サスケ自身が街を襲わせたと考えると、死の穢れとのつじつまが合わなくなる
では、サスケ本人が黒巨人を連れてきたのか。
ここも原作では疑われる。
サスケが自分の意思で巨人を誘導し、
タジエントを襲わせた可能性だけなら考えられる。
六忍だったサスケなら、高い身体能力を使って巨人から逃げ続けることもできる。
第9話でも、屋根や壁を使って簡単には捕まらない動きを見せていた。
でも、その考えには大きな問題がある。
サスケは長く行方不明になっていた。
そして再会した時には、すでに死の穢れをまとっている。
原作ではさらに、生の息吹を失った不死者として現れていることが明確になる。
以前のサスケがそのまま敵へ寝返り、
自分の意思で街を壊しているだけとは考えにくい。
チヨメが追い付いた時のサスケも、その異変を強く見せる。
黒い忍び装束。
赤い瞳。
青白い顔。
以前と同じような猫人族の少年の姿。
でも表情はほとんど動かない。
チヨメが兄のように慕っていた頃のサスケとは、
同じ身体を使っていても中身まで同じとは思えない状態になっている。
チヨメは追いながら昔のサスケを思い出す。
手裏剣が的へ当たらなかった時、
投げ方を教えてくれた。
日が暮れるまで一緒に鍛錬してくれた。
組手で一撃も入れられず不貞腐れたチヨメへ、
困ったような笑顔を向けていた。
今目の前にいる無表情なサスケとの差が、そのまま異変の大きさになる。
しかも再会したサスケは、チヨメへ手裏剣まで投げる。
チヨメは反射的に短剣で打ち落とす。
昔サスケから教わった技術で、
今度はサスケ本人の攻撃を防ぐ形になる。
思い出している過去と現在の行動が正反対。
これを見ると、サスケ本人が普通の意思でタジエント襲撃を計画したと考えるより、
何者かに利用されている可能性の方が強く見えてくる。
そのためアークも、サスケが自分で計画した可能性を考えながら、
行方不明になった後に不死者となって現れた点へ疑問を持つ。
死の穢れ。
記憶や感情を失ったような反応。
黒巨人に追われる動き。
この三つを重ねると、
サスケは襲撃を起こした中心人物というより、仕掛けの中へ組み込まれた側に見えてくる。
第6章 サスケは自分の意思で黒巨人を連れてきたのか
※この章も、アニメ第9話より先の原作内容を含みます。サスケの現在やタジエント襲撃の仕掛けを先に知りたくない方はご注意ください。
死の穢れをまとったサスケは、襲撃者より「利用された存在」と見る方がつながる
サスケが自分の意思でジャミアントを連れてきたと考えると、
第8話から続く異変の多くが説明できなくなる。
ダンカを襲った。
死の穢れをまとっていた。
チヨメと再会しても以前の反応を見せない。
そしてジャミアントから追われ続けている。
普通の裏切りなら、ここまで身体側の変化は必要ない。
もしサスケが敵側へ自分から移っただけなら、
チヨメを無視しても説明はできる。
ダンカを襲うこともあるかもしれない。
でも不死者になる必要はない。
死の穢れをまとい、
生者らしい表情を失い、
以前の仲間へ機械的に攻撃する状態まで変わっている。
そこには本人の意思とは別の力が入ったと考えた方が自然になる。
ジャミアントとの関係も同じ。
サスケが巨人を従えているなら、
黒巨人はサスケへ石斧を振り下ろさないはず。
命令する者と命令される者の動きには見えない。
むしろジャミアント側は、
サスケを捕まえようとするように追い続ける。
サスケはそれを避けて逃げる。
二者の関係は仲間ではない。
だからサスケの役目は、
巨人を指揮する者ではなく、
巨人を動かすための対象だったと考えると分かりやすい。
サスケを先に走らせる。
黒巨人が追う。
巨人が街へ入る。
そこで暴れればタジエントに被害が出る。
サスケ本人が巨人へ命令しなくても、
追われ続けるだけで目的は達成できる。
これはかなり残酷な使い方でもある。
サスケは六忍。
普通の人間では追いつけない速度で動ける。
建物の壁を蹴る。
屋根を渡る。
巨人の石斧をかわす。
簡単には捕まらない。
だからこそ長い距離を追わせる対象として使いやすい。
生前の高い能力まで、本人の意思とは関係なく利用されているように見える。
チヨメにとってはさらに苦しい。
昔サスケから教わった技。
一緒に鍛えた身体能力。
六忍へ選ばれた強さ。
本来なら誇りだったものが、
今は黒巨人を引き付けながら逃げ続ける力として残っている。
強かったから助かった、ではない。
強かったからこそ、今の状態でも利用価値を持ってしまう。
第1期では、チヨメは同族を奴隷として利用する人族と何度も戦ってきた。
エツアト商会では、獣人たちが商品として扱われる現実を目にする。
助けられなかった者たちもいた。
そのチヨメが第2期で直面するのは、
今度は兄のようなサスケ自身が誰かの目的に利用されているかもしれない状況。
形は違っても、本人の意思を無視して使われるという点では重なって見える。
タジエントでは黒巨人・骸骨甲冑・サスケが同時に動いている
タジエント襲撃がただの黒巨人事件ではないことは、
アークが街へ入ってからさらに明確になる。
アークは屋根の上を移動しながら周囲を確認する。
街のあちこちから火が上がっている。
黒巨人だけでなく、大量の骸骨甲冑まで歩き回っている。
住民や兵士は逃げ続け、
街全体が複数の敵によって崩されている。
アークは次元歩法を使って移動する。
骸骨甲冑を見つければ上から魔法で粉砕。
それでも百体以上倒したはずなのに、まだ姿が見える。
さらにジャミアントも単体なら倒せるため、
隙を見て審判の剣を放つ。
一匹を仕留めても、
街そのものの混乱は収まらない。
しかも敵同士まで行動が一致していない。
弱った黒巨人へ、骸骨甲冑が群がって攻撃する場面まである。
住民を襲う骸骨甲冑もいる。
住民の前を素通りする個体もいる。
黒巨人を倒す個体もいる。
アーク自身も、連中の行動原理が分からないと感じるほど複雑。
単純な一軍対一軍の戦いではなくなっている。
この混乱の中で、アークは改めてタジエント襲撃を考える。
サスケを使って黒巨人を誘引した。
さらに別の勢力が骸骨甲冑まで用意した。
そう考えても、
なぜ骸骨甲冑が黒巨人を攻撃するのかという新しい疑問が出る。
仕掛けた側が完全に制御できていないのか。
最初から複数の思惑が混ざっているのか。
街の中では、さらに別の異変まで増えていく。
ここでジャミアントだけを見ていると、事件の全体像を見失いやすい。
黒巨人は強大。
住民へ被害を出す。
サスケを追う。
でも、タジエントを壊している存在はそれだけではない。
サスケの不死者化。
骸骨甲冑。
黒巨人。
複数の異常が同時発生していること自体が、
自然発生の事件ではないと感じさせる。
公式コミック第7巻の紹介でも、
タジエントでは黒巨人と不死者が街で暴れ、
逃げ惑う人々の中でチヨメとサスケの対決が始まる流れが示されている。
さらにアークの前には、ヒルク教の枢機卿まで現れる。
つまりタジエント編は、
ジャミアントを一匹倒せば終わる魔物退治ではない。
だからサスケが黒巨人を連れてきたのかという疑問も、
本人だけを見て答えると足りない。
誰がサスケを今の状態にしたのか。
誰がジャミアントの性質を利用したのか。
なぜ骸骨甲冑まで同時にいるのか。
第9話で見えた「黒巨人がサスケを追う」という一点は、
タジエント全体を襲う大きな仕掛けへ入る入口になっている。
第7章 黒巨人を追うと、タジエント襲撃が偶然ではないと分かる
※この章は、アニメ第9話より先の原作内容を含みます。タジエント襲撃の全体像を先に知りたくない方はご注意ください。
サスケ・死の穢れ・ジャミアントは、別々の事件ではなかった
第9話だけを見ると、サスケと黒巨人は突然同じ場所へ現れたように見える。
チヨメがサスケを見つける。
黒巨人が咆哮する。
サスケが逃げる。
ジャミアントが追う。
そこだけ切り取れば、偶然同じ場所で遭遇したとも考えられる。
でも、その前からサスケには異変が続いていた。
第8話では、ダンカを襲った双剣使いとして名前が浮かぶ。
ダンカは相手から死の穢れまで感じていた。
第9話では、本人らしい姿が現れる。
さらにジャミアントがサスケへ強く反応する。
ここまで重なると、一つ一つを別の出来事として見る方が難しくなる。
原作では、そのつながりがさらに見えてくる。
サスケは普通の生者ではない状態になっている。
そのサスケを黒巨人が追う。
そしてサスケがタジエントへ入ることで、
ジャミアントまで街へ引き込まれた可能性が浮かぶ。
黒巨人の暴走だけではなく、
追跡そのものが街を襲う仕掛けとして使われていたように見える。
しかもタジエントには、黒巨人以外の敵までいる。
骸骨甲冑が街中を歩き回る。
住民や兵士が襲われる。
建物から火が上がる。
アークが次々に敵を倒しても、混乱は止まらない。
一種類の魔物が迷い込んだ事故ではなく、
複数の異常が同時に起こされている。
ここで第1期の出来事も重なる。
第7話では、ホーンテッドウルフのボスに不自然なリングが付けられていた。
魔獣そのものが悪いのではなく、
外から何かをされて異常な状態へ置かれている可能性が示された。
今回も、ジャミアントだけを見て「凶暴な魔物だから」で終えると、
サスケや骸骨甲冑とのつながりを見落としやすい。
サスケも同じ。
ダンカを襲った。
チヨメへ攻撃する。
黒巨人から逃げる。
それだけを見ると敵側へ回ったようにも見える。
でも死の穢れをまとい、
以前の感情や反応を失ったような姿まで見ると、
本人が好きでその役を選んだとは考えにくくなる。
だからタジエント編で見えてくるのは、
「サスケが悪い」「黒巨人が悪い」という単純な話ではない。
サスケ自身にも何かが起きた。
ジャミアントの追跡も利用された可能性がある。
骸骨甲冑まで同じ街へ投入されている。
誰かの目的のために、複数の存在が動かされているように見える。
第9話で黒巨人がサスケを追った場面は、
その大きな事件の入口になる。
あの時は「なぜサスケばかり追うのか」が疑問だった。
でも先まで見ると、
サスケを追うこと自体が重要だった可能性が出てくる。
ジャミアントの習性や行動まで、
街を壊すための手段に変えられている。
第9話の「黒き獣」は、ただの強敵ではなく事件全体を動かす存在だった
ジャミアントは見た目だけでも目立つ。
約六メートルの巨体。
黒い身体。
胸にある異様な顔。
巨大な石斧。
虎人族でも簡単には止められない力。
普通なら、それだけで一話の強敵として十分になる。
でも第9話では、強さ以上に行動が気になる。
サスケが走れば追う。
周囲の虎人族を無視する。
別の場所でもサスケへ攻撃する。
サスケが屋根へ逃げても追跡が続く。
ここまで繰り返されると、
ジャミアントの役割は「街を壊す巨大な魔物」だけではなくなる。
チヨメにとっても、この黒巨人は再会を邪魔しただけの存在ではない。
兄のように慕ったサスケを追っている。
そのサスケは死の穢れをまとっている。
名前を呼んでも以前のようには応えない。
さらに巨大な怪物まで、そのサスケを標的のように追う。
一つ分かるたびに、別の不安が増えていく。
アーク側から見ても同じ。
最初は黒巨人を倒せばいいように見える。
でも街へ入ると骸骨甲冑までいる。
敵同士まで攻撃し合う。
住民の前を通り過ぎる個体もいる。
単純な支配関係では説明できない。
だからアーク自身も、
誰が何を目的にこの状況を作ったのかを考える必要が出てくる。
ここまで来ると、第9話タイトルの「黒き獣」の重みも変わる。
最初は巨大な怪物の登場を示す言葉に見える。
でも実際には、
サスケとの再会。
死の穢れ。
タジエントへの移動。
街の襲撃。
その全部を動かすきっかけとしてジャミアントが関わっている。
だから「黒巨人ジャミアントはなぜサスケを追うのか」という疑問は、
二人だけの関係を調べて終わる話ではない。
そこを追うと、
サスケ自身が普通ではないこと。
ジャミアントの追跡が利用された可能性。
タジエント襲撃が偶然ではないこと。
さらに骸骨甲冑まで含めた大きな事件へつながっていく。
第9話で見えていたのは、まだ入口だった。
サスケが逃げる。
黒巨人が追う。
チヨメが追い掛ける。
アークたちも街へ入る。
この追跡の連鎖が、そのままタジエント編全体を動かしていく。
黒巨人ジャミアントは、ただ大きくて強い魔物ではない。
サスケを追うという一点が、
死の穢れをまとったサスケの異変と、
タジエント襲撃の不自然さをつなぐ手掛かりになる。
第9話で「なぜサスケばかり?」と感じた違和感こそ、
この先の事件全体を見るうえで一番重要な入口になっている。


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