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【片田舎のおっさん剣聖II】ロゼはなぜスフェン教側にいる?裏切りに見える行動と本当の立場

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ロゼがスフェン教の国に再び現れたのは、教皇派へ戻ったからではない。
第1期では孤児院の子供たちを守るため王族襲撃へ加担したが、第2期ではホワイト・メイデンとして教会騎士団を離れ、自分の判断で動いている。
ベリルから再びグレン王子を託される流れまで追うと、ロゼが「誰に従うか」ではなく「誰を守るために剣を使うか」を選び直したことが分かる。

※ここからは『片田舎のおっさん、剣聖になる』第1期終盤と、第2期以降につながる内容に触れます。

  1. 第1章 ロゼはスフェン教へ再び寝返ったわけではない
    1. 教都にいるからといって、教皇派の味方になったわけではない
    2. 第1期の「裏切り」と、第2期のホワイト・メイデンは同じ立場ではない
  2. 第2章 そもそもロゼはスフェンドヤードバニア教会騎士団の副団長だった
    1. 第1期第10話では、敵ではなく正式な教会騎士としてベリルと再会した
    2. 王族護衛へ参加していたロゼが、第12話で敵側へ回ったからこそ衝撃が大きかった
  3. 第3章 第1期でロゼは本当に裏切ったのか
    1. グレン王子を狙う側へ回ったのは事実だが、自分から王族を憎んだわけではない
    2. ロゼが信じた「教会側の正しさ」も、ベリルが見てきた事実と食い違っていた
  4. 第4章 ベリルに敗れた後、ロゼは教会騎士団副団長へ戻っていない
    1. 第12話で生き残ったが、事件以前と同じ立場へ戻れる状態ではなかった
    2. 騎士団を離れた後にホワイト・メイデンとなったから、教都にいても所属は別になる
  5. 第5章 それでも第2期でロゼがスフェン教側に見えるのはなぜ?
    1. 第9話では教都ディルマハカに現れ、正体も所属も伏せている
    2. 仮面・筆談・別名が、敵か味方かを分かりにくくしている
  6. 第6章 ロゼが守ろうとしている相手を見ると、本当の立場が分かる
    1. ベリルはホワイト・メイデンへ、かつて狙ったグレン王子を託す
    2. 王子の命令で前線へ戻った場面が、ロゼが誰に従っているかを示している
  7. 第7章 ロゼが選び直したのは「教会」ではなく自分の剣だった
    1. 第1期では守りたい子供たちのために、他人の命令で剣を振るっていた
    2. 第2期では、自分で守る相手を選び、再びベリルから信頼される

第1章 ロゼはスフェン教へ再び寝返ったわけではない

教都にいるからといって、教皇派の味方になったわけではない

第2期でホワイト・メイデンとなったロゼを見ると、
再びスフェンドヤードバニアへ戻り、
しかも教都ディルマハカで動いているため、
「またスフェン教側へ戻ったのか」と感じやすい。
しかし現在のロゼは、以前の教会騎士団副団長とは立場が違う。

第1期のロゼには、
スフェンドヤードバニア教会騎士団副団長という正式な肩書があった。
教会側の制服を着て、
騎士団長ガトガの下で任務を受け、
王族護衛にも参加する公的な騎士だった。

一方、第2期のホワイト・メイデンは、
特定の組織へ所属しないフリーランスの傭兵として現れる。
顔の上半分を仮面で覆い、
ロゼ・マーブルハートという本名も出さない。
会話も主に筆談で済ませ、過去の所属を前面へ出していない。

つまり、
スフェンドヤードバニア国内にいることと、
教皇派の命令で動いていることは同じではない。
ロゼは第1期の事件後、
以前と同じ副団長として教会騎士団へ戻った人物ではなく、
一度そこから外れた立場で教都へ現れている。

この違いを見落とすと、
第2期の行動が「また敵側へ戻った」ように見えてしまう。
だがロゼの過去まで振り返ると、
彼女はもともと何度も自分の意思だけで動けない状況へ追い込まれている。
第1期終盤の王族襲撃も、その典型だった。

第12話でベリルがロゼと対峙した時、
ロゼは王子を狙う側へ回っていた。
多数の刺客を通し、
結果としてグレン王子とサラキア王女を危険へさらしている。
行動だけを見れば、確かにベリルたちへの裏切りだった。

しかしロゼは、
単純に教皇へ忠誠を誓って王子を殺そうとしたわけではない。
自分が失敗すれば、
孤児院の子供たちが命を落とす状況へ追い込まれていた。
守りたい相手を盾に取られ、逃げ道を塞がれていたのである。

ベリルは事情を聞いても、
ロゼをそのまま通すことはできない。
王子を守る立場として、
刺客を通したロゼを止めなければならない。
一方のロゼも、子供たちを守るため退けない。
その結果が第12話の師弟対決だった。

だから第1期のロゼは、
「自分から敵側へ寝返った人物」とだけ見ると実像から外れる。
教会側の権力争い、
孤児院の子供たち、
王族暗殺という複数の事情へ巻き込まれ、
最後はベリルへ剣を向けるしかないところまで追い詰められていた。

第1期の「裏切り」と、第2期のホワイト・メイデンは同じ立場ではない

第12話では、
ベリルがロゼの胸元へ一太刀を入れ、
戦闘不能にして師弟対決を終わらせる。
ロゼはその場で死亡せず、
遅れて来たガトガが出血を止め、
孤児院の子供たちを救うために動き始める。

ここで大きいのは、
ガトガ自身もロゼを単純な反逆者として処理しなかったこと。
ロゼが何に巻き込まれ、
誰に利用されていたのかまで確認しようとする。
王子暗殺へ関わった責任は残るが、
背景を無視して切り捨てる扱いにはならなかった。

さらにロゼは、
自分が信じていた教会側の情報そのものにも揺さぶられる。
彼女はレビオス司教が不当な罪で裁かれたと聞かされていたが、
ベリルはその事件の現場を知る人物だった。
死者蘇生へ踏み込み、
死体売買にまで関わった事実を直接見ている。

ロゼにとってこれは大きい。
自分が「正しい」と思っていた側から与えられた情報が、
必ずしも真実ではなかったことを突き付けられるからである。
国を良くしたい、
子供たちを救いたいという思いは本物でも、
その思いを利用する者まで信用してよかったわけではなかった。

第2期でホワイト・メイデンとなったロゼは、
その経験を通った後の人物である。
以前のように教会騎士団という肩書へ身を置かず、
誰かの所属だけで自分の立場を決めていない。
ここが第1期との決定的な違いになる。

だから「ロゼはまた裏切ったのか」と見るより、
第1期で一度利用されたロゼが、
今度は誰の命令で剣を振るうのかを慎重に選ぶ側へ変わったと見る方が近い。
教都にいること自体は、
教皇派へ戻った証拠にはならない。

むしろ第2期のロゼを見る時は、
どこにいるかではなく、
誰を守ろうとしているかを見る必要がある。
第1期で彼女は、
守りたい子供たちを人質に取られて剣を利用された。
第2期では、その剣を誰へ向けるかを自分で選び直していく。

第2章 そもそもロゼはスフェンドヤードバニア教会騎士団の副団長だった

第1期第10話では、敵ではなく正式な教会騎士としてベリルと再会した

ロゼとスフェン教の関係を考えるなら、
第1期第10話の再会まで戻る必要がある。
この時のロゼは、
怪しい刺客でも反逆者でもない。
スフェンドヤードバニア教会騎士団副団長として、
正式な任務を受けてレベリス王国へ来ていた。

ベリルはそこで、
思いがけない形で昔の弟子と再会する。
ロゼは見聞を広めるため各地を巡っていた頃、
片田舎にあるベリルの道場へ立ち寄り、
短期間ながら直接剣を学んだ人物だった。

再会したロゼは、
堅苦しい騎士として距離を取るのではなく、
昔と変わらず人懐っこくベリルへ接する。
ベリルも、
自分が教えた弟子が隣国の教会騎士団副団長まで成長したことに驚き、
久しぶりの再会を素直に喜んでいる。

剣士としても、
ロゼは明確な実力を持っていた。
大盾を使った防御の巧みさは、
ベリルが一目置くほど。
攻撃を真正面から受け止めるだけではなく、
相手の間合いを読み、
守りから反撃へつなげる技術に優れていた。

公式の人物紹介でも、
ロゼは防御技術が卓越した剣士として扱われている。
さらに極めて人懐っこく、
子供の相手も得意な人物。
この性格は後に孤児院の子供たちを守ろうとする行動ともつながり、
第12話の選択を考える時にも重要になる。

つまりロゼにとって、
スフェンドヤードバニアの教会騎士団は、
第2期で突然関わった組織ではない。
長く所属し、
副団長という責任ある立場まで務めた場所。
ガトガとも上官と部下以上に近い関係を持っていた。

王族護衛へ参加していたロゼが、第12話で敵側へ回ったからこそ衝撃が大きかった

第10話の時点では、
ロゼは王族を襲う側ではなく守る側にいた。
隣国から来た使節団を迎え、
グレン王子とサラキア王女が関わる重要な行事の中で、
ベリルたちと同じく警護へ参加する立場だった。

だから第11話以降、
刺客が次々と現れ始めた時も、
最初からロゼが敵だと決めつける材料はない。
むしろ教会騎士団副団長という肩書があるため、
王族を守る側の重要人物として見える。
そこから徐々に違和感が強くなっていく。

第12話でベリルが気付いたのは、
刺客の数が急激に増えた場面でロゼの姿が見えなくなっていたこと。
そして多数の刺客が王族へ殺到できる状況を作っていた人物が、
ほかならぬロゼだったこと。
ここで第10話の再会時とは立場が完全に反転する。

ベリルはロゼを見つけると、
すぐ斬りかかるのではなく真意を聞こうとする。
昔の弟子であり、
教会騎士団副団長として再会した人物だからこそ、
なぜこんな行動へ出たのかを本人から聞く必要があった。

ロゼが語ったのは、
国が疲弊していること、
国を一つにまとめれば子供たちが飢えや寒さで死なずに済むと教えられていたこと、
そして自分が任務に失敗すれば、
孤児院の子供たちが危険にさらされるという状況だった。

ここで初めて、
第10話の「教会騎士団副団長ロゼ」と、
第12話の「王子を狙うロゼ」が一本につながる。
彼女は最初から王族を憎んでいたのではない。
所属する組織の内部で起きた権力争いと、
守りたい子供たちを利用されたことで、
自分の立場そのものを奪われていった。

この過去があるから、
第2期でロゼが再びスフェンドヤードバニアへ現れても、
「教会の国にいるから教会側」と単純には言えない。
ロゼ自身が一度、
所属だけを信じた結果として利用されているからである。

第1期でのロゼは、
教会騎士団副団長として組織の中にいた。
第2期のホワイト・メイデンは、
その肩書を外し、別名で単独行動している。
同じスフェンドヤードバニアにいても、
二人の立場はまったく同じではない。

ロゼが第2期でどちら側なのかを見るなら、
「スフェン教にいるか」ではなく、
第1期で誰に利用され、
現在は誰を守ろうとしているかを見る必要がある。
その違いこそが、ホワイト・メイデンとなった後のロゼを読む最初の鍵になる。

第3章 第1期でロゼは本当に裏切ったのか

グレン王子を狙う側へ回ったのは事実だが、自分から王族を憎んだわけではない

第1期第12話で最も衝撃的だったのは、
多数の刺客が王族へ殺到できる状況を作った人物がロゼだったこと。
第10話では教会騎士団副団長としてベリルと再会し、
グレン王子たちを守る側にいた元弟子が、
わずか数話後には王子を狙う側へ回っている。

ベリルも最初からロゼを敵として斬ったわけではない。
姿を消したロゼを追い、
本人を見つけると何が起きているのかを問いただす。
ロゼが昔の弟子だから甘く見逃すのではなく、
まず本人の口から聞こうとしたところに二人の関係が残っている。

そこで浮かび上がるのが、
ロゼが大切にしていた孤児院の子供たちだった。
ロゼはもともと子供の相手を得意とし、
孤児院の子供たちにも強い思い入れを持っている。
その子供たちを利用されたことで、
自分だけ逃げれば済む立場ではなくなっていた。

任務へ逆らえば子供たちが危険にさらされる。
一方で命令に従えば、
グレン王子をはじめとする王族を危険へ追い込む。
どちらを選んでも誰かが傷つく状態で、
ロゼは子供たちを守る側へ傾いた。
第12話の行動は、自由な選択だけで起きたものではない。

ただし事情があったからといって、
王族襲撃へ加担した事実まで消えるわけではない。
刺客が動きやすい状況を作り、
ベリルたちの護衛任務を崩し、
最後には自分自身も師匠へ剣を向けた。
ベリルが止めなければ、さらに犠牲が出る可能性があった。

だからベリルも、
ロゼの事情を知った後に剣を収めることはしなかった。
子供たちを救いたいという思いは理解しても、
そのために別の人間を犠牲にする道までは認めない。
弟子だからこそ、これ以上進ませないために自分で止める。

ロゼが信じた「教会側の正しさ」も、ベリルが見てきた事実と食い違っていた

ロゼを追い込んだのは、
孤児院だけではない。
スフェンドヤードバニア内部では、
王権と宗教勢力を巡る対立が続いており、
ロゼ自身も一方から与えられた情報を信じていた。

その中で重要になるのが、
第1期前半でベリルたちが関わったレビオス司教の事件。
ロゼ側には、
レビオスが政治的に排除されたかのような話が伝わっていた。
しかしベリルは、
レビオスが実際に何をしていたのかを目撃している。

第5話から第6話では、
ベリルたちは行方不明者や死体を巡る事件へ踏み込む。
地下で行われていたのは、
死者を扱う禁忌にまで及ぶ行為だった。
ベリルはそこでアンデッドと対峙し、
単なる宗教上の意見対立では済まない現場を経験している。

つまりロゼが聞かされていた話と、
ベリルが自分の目で見た現実には大きな差があった。
ロゼは子供たちを守りたいという思いだけでなく、
自分が属してきた側から与えられた情報も信じて動いていた。
そこまで含めて利用されていたことになる。

第12話の師弟対決は、
単純な「裏切った弟子を師匠が倒す」戦いではない。
ロゼは大盾とエストックを構え、
ベリルも弟子の守備技術を知ったうえで真正面から応じる。
互いの剣を知る二人が、本気で相手を止めるために向き合った。

最後はベリルがロゼの守りを破り、
胸元へ一撃を入れて戦闘不能にする。
それでも追撃して命を奪わない。
ロゼを敵として消すのではなく、
利用され続ける場所から剣で引き戻す決着だった。

第1期のロゼは確かに一度ベリルたちと反対側へ立った。
しかしそれを「教会への忠誠から王族を裏切った」と見ると足りない。
守りたい子供たちを握られ、
信じていた情報にも偏りがあり、
最後には師匠に止められて初めて立ち止まれた人物なのである。

第4章 ベリルに敗れた後、ロゼは教会騎士団副団長へ戻っていない

第12話で生き残ったが、事件以前と同じ立場へ戻れる状態ではなかった

ベリルとの戦いに敗れたロゼは、
胸を斬られてその場に倒れる。
映像だけを見ると命を落としたようにも見えるが、
ロゼはここで死亡していない。
戦闘後には教会騎士団長ガトガが現れ、
重傷を負ったロゼへ手当てを行う。

ガトガにとってロゼは、
単なる部下の一人ではない。
副団長として長く行動を共にし、
その性格や剣士としての力量も知っている。
王族襲撃へ関わった事実を知っても、
その場で見捨てるのではなく事情を確かめようとする。

一方で、
ロゼが何もなかったように元の地位へ戻れるわけでもない。
多数の刺客が動く状況を作り、
王族暗殺につながる行動へ手を貸した以上、
教会騎士団副団長という公的な立場をそのまま続けるのは難しい。

しかもロゼ自身、
自分が信じていた側から与えられた情報が
すべて正しかったわけではないと知る。
子供たちを守ろうとした剣が、
結果として別の命を奪うために利用されていた。
以前と同じ組織へ戻れば終わる話ではなくなっていた。

ここが第2期につながる大きな変化になる。
第1期のロゼには所属があり、
上官がおり、
副団長という肩書があった。
第2期で現れるホワイト・メイデンには、
その三つが表面上ほとんど残っていない。

騎士団を離れた後にホワイト・メイデンとなったから、教都にいても所属は別になる

第2期第9話で教都ディルマハカに現れたロゼは、
教会騎士団副団長ロゼ・マーブルハートではない。
白い装備と仮面で素顔を隠し、
ホワイト・メイデンという名を使い、
単独で仕事を受ける傭兵として行動している。

第1期の姿と比べれば、
変化はかなり大きい。
以前は教会騎士団という組織の中で命令を受け、
その肩書によって立場も明確だった。
現在は誰かの副官でもなく、
どこかの騎士団を代表する人物でもない。

だから教都にいる姿だけを見て、
「再びスフェン教へ戻った」と考えると誤解しやすい。
スフェンドヤードバニアはロゼが長く暮らし、
ガトガや孤児院の子供たちとの接点も残る土地。
そこへいること自体は、
教皇派への復帰を示すものではない。

むしろ第1期との違いは、
ロゼが誰かの肩書を背負っていないことにある。
王族と教会の対立に挟まれた時、
以前のロゼは組織の内部にいた。
ホワイト・メイデンとなった現在は、
外側から自分で行動を選べる位置へ移っている。

第9話でベリルを見つけても、
昔のように「先生」と近づいていかないのも象徴的である。
仮面を着け、
名前を伏せ、
離れた場所から師匠の姿だけを確認する。
ロゼ自身が第1期以前の立場へ戻っていないことが、
外見と行動の両方から分かる。

第1期でロゼは、
守りたい子供たちを利用され、
組織の中で逃げ場を失った。
第2期では逆に、
教会騎士団副団長という肩書から離れ、
ホワイト・メイデンとして行動している。

この変化まで見ると、
ロゼがスフェン教側にいるように見える場面も、
「また誰かへ従っている」とは限らない。
以前は所属によって剣を振るう場所を決められた人物が、
今度は自分で誰を守るのかを選ぶところへ移っている。
その違いが、第2期のロゼを見るうえで最も重要になる。

第5章 それでも第2期でロゼがスフェン教側に見えるのはなぜ?

第9話では教都ディルマハカに現れ、正体も所属も伏せている

第2期第9話でロゼが再び現れる場所は、
スフェンドヤードバニアの教都ディルマハカ。
しかも以前の教会騎士団副団長ロゼではなく、
白い装備と仮面を身につけたホワイト・メイデンとして、
ベリルたちから距離を取った状態で姿を見せる。

ここだけを見ると、
教会の本拠地にいる素性不明の傭兵が、
レベリス王国から来たベリルを監視しているようにも見える。
第1期でロゼがグレン王子暗殺へ加担したことを覚えていれば、
「また教皇側へ戻ったのではないか」と疑いたくなる登場でもある。

さらにロゼ自身が、
その誤解を解くような行動をすぐには取らない。
第1期第10話ではベリルとの再会を喜び、
昔の弟子として自分から近づいていた人物が、
第2期では名乗らず、声も出さず、
仮面越しに離れた場所から師匠を見ている。

この違いが、
敵側にいるような印象を強くしている。
ロゼ・マーブルハートという名前も、
元教会騎士団副団長という経歴も、
ベリルとの師弟関係も表へ出さない。
周囲から見れば、本当に素性不明の流れの傭兵でしかない。

ただし第10話になると、
ガトガがベリルへロゼのその後を語り始める。
第9話で正体不明の女を見せ、
次の回では第1期で姿を消したロゼの話を出す。
この二つを続けて見ると、
単なる新しい敵キャラとして置かれているわけではないことが見えてくる。

ロゼが教都へいること自体も不自然ではない。
この国には騎士団長ガトガがおり、
ロゼが大切にしてきた孤児院の子供たちもいる。
第1期で教会内部の人間に利用されたからといって、
自分が暮らした国や守りたい人々まで捨てたわけではない。

重要なのは、
「スフェンドヤードバニアにいる」と
「教皇の命令で動いている」を分けて見ること。
以前は教会騎士団という組織の中にいたが、
現在のロゼはその肩書を外し、
ホワイト・メイデンという傭兵として動いている。

仮面・筆談・別名が、敵か味方かを分かりにくくしている

ホワイト・メイデンが敵に見えやすいもう一つの要素が、
自分の情報を徹底して隠していること。
顔の上半分を仮面で覆い、
他人との会話では声をほとんど使わず、
筆談によって意思を伝える。

第1期のロゼとは、
外から見える情報がほぼ逆になっている。
以前は名前も所属も明確で、
教会騎士団副団長という立場まで分かっていた。
現在は名前、素顔、声、所属のすべてが曖昧で、
誰のために動いているのか判断しにくい。

だから第9話でベリルを見ていても、
「元弟子が師匠を見つけた」とはすぐ分からない。
敵の傭兵が標的を確認しているようにも見える。
ロゼ自身が正体を伏せていることで、
視聴者もベリルたちと同じように彼女の立場を測れない状態になる。

しかし第1期まで戻れば、
ロゼは一度「所属する側を信じれば大丈夫」という考えで失敗している。
孤児院の子供たちを利用され、
与えられた情報も偏っており、
最後には守るつもりだった剣が王族襲撃へ使われた。

その経験を持つ人物が、
第2期では所属を明かさず一人で動いている。
これは再び教会へ忠誠を誓った姿というより、
誰かの肩書や命令だけで剣を振るわない立場へ移った姿に近い。

第9話だけでは敵か味方か分からない。
しかし、その後にロゼが誰を守るかまで見ると、
ホワイト・メイデンとして教都にいた本当の立ち位置がはっきりしてくる。

第6章 ロゼが守ろうとしている相手を見ると、本当の立場が分かる

※ここからはアニメ未放送分につながる原作の内容に触れます。

ベリルはホワイト・メイデンへ、かつて狙ったグレン王子を託す

ロゼが教皇側の人間ではないと最も分かりやすく示すのが、
ディルマハカで危機が広がった後の行動になる。
ベリルは戦力を振り分ける中で、
ホワイト・メイデンへ直接声を掛け、
グレン王子のそばで彼を守るよう任せる。

これは第1期を知っているほど重い場面になる。
第12話でロゼは、
まさにそのグレン王子を危険へさらす側へ回った。
子供たちを人質に取られていた事情があったとはいえ、
王子暗殺へつながる行動に加担した過去は消えない。

そのロゼへ、
ベリルが今度はグレン王子本人の護衛を託す。
しかもベリルは、
ホワイト・メイデンについて問われた際、
剣士としてだけでなく人間としても信用できると判断している。
第1期の失敗を知らないから任せたわけではない。

ベリルはロゼが何をしたか知っている。
孤児院の子供たちを守ろうとしていたことも、
結果として王子を危険へ追い込んだことも、
最後に自分へ剣を向けたことも知っている。
その全部を踏まえて、再び王子の命を託している。

ロゼもその役目を拒まない。
現在の彼女は教会騎士団員ではなく、
グレン王子の命令へ従う義務すらない流れの傭兵。
それでも王子を守る役目を受けることで、
第1期とは正反対の側へ自分の意思で立つ。

王子の命令で前線へ戻った場面が、ロゼが誰に従っているかを示している

さらに戦闘が激しくなると、
ホワイト・メイデンは王子のそばに残り続けるのではなく、
再び最前線へ現れてベリルを助ける。
ベリルは、
護衛を頼んだはずの彼女がなぜここにいるのか疑問を持つ。

そこでロゼが伝えるのが、
グレン王子本人から「ディルマハカを守れ」と命じられたこと。
ここで重要なのは、
教皇や教会騎士団から指示を受けて動いているのではなく、
自分がかつて危険へさらした王子の頼みを受けている点にある。

グレン王子側も、
ホワイト・メイデンの正体へ気付いたうえで彼女を受け入れていく。
第1期で命を狙われた王子と、
その事件へ加担したロゼ。
普通なら最も信頼を取り戻しにくい二人が、
今度は同じ教都を守る側でつながる。

これはロゼの立場を見るうえで決定的である。
教皇側へ戻ったのであれば、
ベリルから王子を任され、
さらに王子自身の命令で教都を守る行動とは噛み合わない。
ロゼが現在守ろうとしているのは、
教皇の権力ではなく目の前の人間と国そのものなのである。

第1期では、
孤児院の子供たちを守りたい思いを利用され、
他人から与えられた選択肢の中で剣を振るった。
第2期では、
ベリルから王子を託され、
王子本人から街を守るよう頼まれ、
その依頼を自分で受け入れて動く。

同じ「命令を受ける」でも中身はまったく違う。
以前は拒めば大切な子供たちが危険になる状況だった。
現在は誰かを人質に取られたからではなく、
自分が信用する相手の頼みを受け、
自分の判断で剣を振るっている。

だからロゼの立場を決めるのは、
スフェン教の国にいるかどうかではない。
誰の命を狙い、
誰の命を守り、
その剣を誰のために使っているかを見る方が分かりやすい。

第1期ではグレン王子を危険へさらしたロゼが、
第2期ではグレン王子を守り、
さらにディルマハカそのものを守るため前線へ戻る。
この反転こそ、
ロゼが再び教皇派へ裏切った人物ではなく、
自分で守る相手を選び直した人物だと分かる最も具体的な場面なのである。

第7章 ロゼが選び直したのは「教会」ではなく自分の剣だった

第1期では守りたい子供たちのために、他人の命令で剣を振るっていた

ロゼの行動を第1期から追うと、
彼女が一貫して守ろうとしているものが見えてくる。
それは教会の権威でも、
騎士団副団長という肩書でもない。
自分が大切だと思った人間を守ることだった。

第1期第10話では、
教会騎士団副団長として王族護衛へ加わり、
ベリルとの再会も素直に喜んでいる。
この時点のロゼは、
自分の所属と自分の正義が大きく食い違っているとは考えていない。

ところが第12話になると、
孤児院の子供たちを利用され、
グレン王子を危険へさらす側へ追い込まれる。
守りたい相手を盾に取られた結果、
自分の剣を他人の目的に使われ、
最後にはベリルと本気で戦うところまで進んだ。

ここでロゼが失ったのは、
単に教会騎士団副団長という地位だけではない。
誰かが示した「正しい側」にいれば、
自分も正しく動けるという前提そのものが崩れている。
レビオス司教を巡る話でも、
自分が聞いていた説明とベリルが現場で見た事実には差があった。

つまり第1期のロゼは、
善意がなかったから失敗したのではない。
子供たちを守りたいという強い善意があり、
その善意ごと利用された。
だから第2期で変わったのは、
守りたい相手ではなく「誰の判断で剣を振るうか」という部分になる。

第2期では、自分で守る相手を選び、再びベリルから信頼される

ホワイト・メイデンとなったロゼは、
以前のように教会騎士団という所属を前へ出さない。
仮面を着け、
本名を伏せ、
単独で動ける傭兵という立場へ移っている。
これは第1期の経験と正反対の位置にある。

第1期では、
組織の中にいたからこそ逃げ場を失った。
命令へ逆らえば子供たちが危険になる。
従えば王族を危険へさらす。
自分の立場を他人に握られた状態で、
選択肢そのものを狭められていた。

第2期では違う。
ベリルからグレン王子を守る役目を託され、
さらに王子本人から教都を守るよう頼まれる。
そこでロゼは、
誰かを人質に取られたから動くのではなく、
自分で引き受けた相手のために剣を使う。

特に大きいのが、
ベリルが再びロゼを信用していること。
第1期で王子襲撃へ加担した事実を知り、
自分自身もロゼと剣を交えている。
そのうえで、
今度は王子の命を預ける役目まで任せている。

ロゼも、
その信頼を行動で返していく。
かつて危険へさらしたグレン王子を守り、
教都が危機へ陥れば前線へ戻り、
ベリルと同じ側で戦う。
「昔の失敗は忘れた」ではなく、
現在の選択によって関係を作り直している。

だからロゼがスフェン教側にいるように見えても、
現在の彼女を所属だけで判断するのは難しい。
第1期では教会騎士団副団長だった。
第2期では同じ国にいながら、
教会の肩書から離れて行動している。

ロゼが選び直したのは、
どの組織へ戻るかではない。
誰を守るために剣を振るうか。
その判断を他人へ預けず、
自分で決めることだった。

第1期では孤児院の子供たちを守る思いを利用され、
グレン王子を狙う側へ立った。
第2期では、
そのグレン王子を自分の意思で守る。
この反転まで見ると、
ロゼの変化が最もはっきり分かる。

教会へ戻ったのではない。
教皇派へ再び従ったのでもない。
ホワイト・メイデンとなったロゼは、
一度利用された自分の剣を取り戻し、
今度は守る相手を自分で選ぶ人物へ変わったのである。

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