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【片田舎のおっさん剣聖II】アリューシアの剣はどうなる? 失った「餞別の剣」とベリルが贈る「新しい剣」

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教都の戦いでアリューシアが失ったのは、ベリルから道場卒業時に贈られ、騎士団長になっても使い続けた餞別の剣。
原作小説8巻では、ベリルがかつて倒した特別討伐指定個体の素材を持ち出し、彼女のために新しい剣を用意する。
古い剣を手放した後も何が受け継がれるのか、二本の剣と師弟の歩みから追う。

 

第1章 アリューシアの剣はどうなる?

教都の戦いで、ベリルから贈られた餞別の剣を失う

アリューシアは、ベリルから贈られた餞別の剣を
教都での戦いによって失う。
原作小説8巻は、その後ベリルが彼女へ
新しい剣を用意しようとするところへ進む。
古い剣を修理して使い続ける話ではない。
ただし、新しい剣がアニメの何話に登場するか、
第3期でどこまで描かれるかは決まっていない。

餞別の剣は、ベリルが道場を卒業し、
免許皆伝となった弟子へ渡す一本だ。
特別な魔法が込められた武器ではなく、
ビデン村の鍛冶師が打ったロングソードである。
それでもアリューシアは、王国騎士団長になり、
もっと強い武器を選べる立場になってからも
使い続けてきた。値段や斬れ味だけでは
替えられない剣だった。

第1期第1話、アリューシアは
ビデン村の道場までベリルを迎えに来る。
かつてそこで剣を教わった少女が、
今は騎士団長として師匠を首都へ招く。
二人の立場は大きく変わったが、
彼女の手元には道場を出る時に
ベリルから受け取った剣が残っている。
首都で「神速」と呼ばれるようになった後も、
村の師匠とのつながりを持ち歩いていた。

第2期の終盤、その剣を携えたアリューシアは
ベリルと共に隣国スフェンドヤードバニアへ向かう。
第10話では、サラキア王女とグレン王子の
婚儀が始まる大聖堂に悲鳴が響いた。
第11話には王子と王女を守りながら宮殿へ移動し、
第12話ではスレナとそれぞれキマイラを倒した後、
ベリルたちに合流している。
餞別の剣を失うのは、こうした教都での戦いだ。

気を付けたいのは、剣が壊れた瞬間や
相手の一撃を、確かめずに一つの場面へ
決めつけないことだ。
第12話で描かれたのは、アリューシアが
キマイラと戦い、スレナと共に
ベリルやロゼへ合流する流れ。
小説8巻で明らかになるのは、
隣国での戦闘を経て餞別の剣を失い、
ベリルが次の武器を贈ろうとすることだ。

ベリルは特別討伐指定個体の素材で新しい剣を贈る

剣を失ったアリューシアに対し、
ベリルは自分で新しい武器を用意しようとする。
選ぶのは、市販の剣を買って渡す方法ではない。
彼女にふさわしい一本を考え、
かつて自分が仕留めた
特別討伐指定個体の素材を持ち出す。
小説8巻では、その素材を使った剣が
二人の新たな出来事になる。

「特別討伐指定個体」と聞けば、
第1期第4話の戦いを思い出す。
新人冒険者を守るため、ベリルは
並の魔物とは違う強敵へ立ち向かった。
人間の剣士を相手にする時とは動きが異なり、
いつもの剣技だけで簡単に勝てる戦いではない。
第6話には、そうした強敵の素材で造られた
新しい剣をベリル自身が手にし、
ミュイを守るための戦いへ向かっている。

ただし、ベリルが第1期第6話で使った剣と、
アリューシアに新しく贈る剣を
同じ一本として考えてはいけない。
第6話で剣を手にしたのはベリル自身で、
使い道はミュイを巡る戦いだった。
小説8巻では、剣を失ったアリューシアのため、
ベリルが別の一本を考える。
誰が使う剣なのかが変われば、
必要な形も、贈る時の二人の気持ちも変わる。

最初の餞別を渡した時、
ベリルの前にいたのは道場を巣立つ弟子だった。
二本目を考える今、目の前にいるのは
王国騎士団を率い、隣国での戦いを
経験したアリューシアだ。
同じ師匠から同じ弟子への贈り物でも、
二人が剣を振ってきた時間は重なっている。
新しい剣が気になるのは、
強い素材を使うからだけではない。

第2章 餞別の剣は、アリューシアにとってどんな剣だった?

道場を卒業した時、ベリルから受け取った一本

餞別の剣を知るには、アリューシアが
なぜビデン村の道場へ通ったかよりも、
そこで何を受け取って旅立ったかを見たい。
ベリルは免許皆伝となった弟子へ、
村の鍛冶師が打った剣を贈る。
武器を渡すと同時に、教えた剣を携えて
自分の道を歩いてよいと送り出す形だ。
アリューシアはその一本を持って村を離れ、
王国の騎士になった。

第1期第1話でアリューシアが道場を訪ねた時、
ベリルは首都で名を上げた彼女の姿を見て
驚かされる立場だった。
特別指南役という大役にも、自分では
荷が重いと感じている。
しかし迎えに来たアリューシアからすれば、
今の剣を教えてくれた先生は
昔と変わらずベリルだ。
彼の評価と、弟子が持ち続けた剣には
大きな開きがある。

アリューシアだけが特別に
餞別の剣を受け取ったわけではない。
フィッセルも、より強い武器を
手にできる立場でありながら、
師匠から贈られた剣を大切にしている。
第2期第1話では、そのフィッセルが
魔術師学院で生徒に剣魔法を教え、
ベリルも教室で彼女と立ち合うことになった。
弟子たちは道場を出た後、
別々の場所で剣を使い続けている。

だから餞別の剣は、単に昔の師匠を
懐かしむための品ではない。
アリューシアは王国騎士団で、
フィッセルは魔術師学院につながる場所で、
毎日の仕事を重ねてきた。
道場を卒業した時に受け取った一本が、
それぞれの今の姿まで残っている。
ベリルが「自分の弟子は立派になった」と
驚く一方、弟子たちは昔の教えを
手放さずに先へ進んでいた。

騎士団長になっても強い武器へ替えなかった

アリューシアほどの騎士なら、
もっと高価で強い剣を探せたはずだ。
それでも餞別の剣を使い続けた点に、
この一本の特別さがある。
「神速のアリューシア」と呼ばれる腕は、
魔法の武器を持ったから得たものではない。
ベリルの道場を出た後も修練を続け、
自分の剣として磨いてきた。
手にしているのは普通のロングソードでも、
使い手が積み重ねた時間は普通ではない。

第1期第8話には、隣国の使節団を
警護するため、アリューシアが
ベリルへ協力を頼む場面がある。
彼女は任務に合う服が必要だとして、
ベリルと一緒に店へ向かった。
剣を振るう場面だけを見ていれば、
アリューシアは頼もしい騎士団長だ。
しかし先生と二人で歩く時間には、
仕事だけでは収まらない気持ちものぞく。

第2期第7・8話では、辺境伯領の夜会に
ベリルとアリューシアが招かれる。
元弟子ウォーレンの妹シュステが
ベリルへ積極的に近づくと、
アリューシアはその様子を気に掛けた。
騎士団長としてベリルの隣に立ちたい。
それだけでなく、一人の女性として
先生の目にどう映っているかも気になる。
長く使い続けた餞別の剣には、
剣士としての年月と先生への想いが重なる。

第2期第12話、教都の危機では
アリューシアはスレナと共にキマイラへ向かい、
戦いを終えてベリルに合流した。
師匠の後ろで守られる弟子ではなく、
別の敵を引き受けてから同じ戦場へ来る。
彼女が餞別の剣を携えて進んだ先には、
道場で稽古していた頃には想像できなかった
責任と危険があった。
その剣を失うことは、使い慣れた武器を
一本替えるだけでは済まない。

だからこそベリルは、
次の一本をアリューシアへ贈ろうとする。
昔の餞別をそのまま取り戻すことはできない。
彼女がその剣で歩いてきた時間も、
なかったことにはならない。
今のアリューシアに合う新しい剣を
師匠が考える時、二人の関係もまた
道場の先生と少女だった頃から先へ進む。
その剣の素材がどこから来たのかは、
ベリルが過去に戦った強敵へつながっていく。

第3章 教都で、なぜ剣を失うほどの戦いになった?

第2期第10・11話、婚儀が騒乱へ変わる

アリューシアが餞別の剣を失う
教都での戦いは、最初から魔物を倒すための
遠征ではなかった。第2期第10話、
サラキア王女とグレン王子の婚儀を控え、
ベリルは隣国の教都に滞在している。
アリューシアとガトガも彼のもとを訪れ、
ガトガは二人きりになったところで
ロゼのその後について話した。

ベリルにとってロゼも、
ビデン村で剣を教えた元弟子だ。
第1期第10話には、隣国の教会騎士団で
副団長を務める姿で再会している。
一方のアリューシアはレベリス王国の
騎士団長として、王女を守る務めを負う。
同じ道場でベリルの剣に触れた弟子たちが、
国も騎士団も異なる立場で教都にいる。
婚儀には、二国の関係も懸かっていた。

第10話、年が明けて婚儀の当日を迎えると、
会場の大聖堂に悲鳴が響き渡る。
祝いの場が、一瞬で王族の命を守る場所に
変わった。第11話にはヴェルデアピス傭兵団が
大聖堂へ入ってきて、ベリルは斬りかかろうとする。
そこでイブロイが、彼らは味方だと叫んだ。
目の前の相手が敵か味方かさえ、
剣を抜く前にはわからない状況だった。

その後、ベリルたちは王子と王女を守りながら
宮殿へ移動する。傭兵団とは行動を共にするが、
道中ではベリルの怒りとハノイの考えがぶつかる。
守る相手は同じでも、戦場で何を許すかは
一致しない。アリューシアもまた、
普段の騎士団の任務とは違う隣国の都で、
王女の安全を第一に動かなければならない。
相手の強さだけでなく、守るべき人の多さが
戦いを厳しくしていた。

ようやく宮殿へ着いても、危機は終わらない。
第11話の終わりには、モーリス教皇が
造り出したものによって教都が襲われる。
大聖堂での混乱、王族を連れての移動、
そして新たな敵との戦闘。
アリューシアの剣が置かれた状況を見れば、
一度の立ち合いで勝敗を決める
いつもの稽古とは違うことがわかる。
餞別の剣は、その全てを越えるために振られた。

第12話、アリューシアはキマイラを倒しベリルと合流する

最終回の第12話では、
仮面の女騎士ホワイト・メイデンの正体が
元弟子のロゼだとわかる。
ベリルとロゼが行動を共にする一方、
アリューシアとスレナはそれぞれ
キマイラとの戦いを終えていた。
二人はベリルたちに合流し、
さらにハノイを助けるため先へ進む。
ベリルが全員の敵を倒してから
弟子たちを迎えに行ったわけではない。

第1期第1話にアリューシアが
ビデン村へベリルを迎えに来た時、
彼女はすでに騎士団を率いる立場だった。
最終回では、教都の危機の中でも
自分の戦う相手を引き受けている。
道場の師匠から剣を贈られた少女が、
国の王女を守る騎士団長となり、
今度は師匠のいる戦場へ駆けつける。
古い餞別の剣が通ってきた道は、
そのままアリューシアの歩みでもある。

合流した先には、絶体絶命のハノイと、
穏やかに立つモーリス教皇がいる。
ベリル、アリューシア、スレナ、ロゼは
それぞれ別の相手と向き合ってから
この場所に集まった。
第1期には王国と隣国の騎士団が
合同演習で剣を合わせたが、
教都では剣を見せ合うためではなく、
目の前の人々を生かすため共に動く。

原作小説8巻は、この隣国での戦闘を経て、
アリューシアが餞別の剣を失ったと伝える。
ただ、どの一撃で剣がどう壊れたかを
一つの場面へ勝手に当てはめると、
アニメで見た戦いまで違うものになる。
ここで確かに言えるのは、
道場を出た時から持ち続けた一本が
教都の危機を越えた後には失われ、
ベリルが次の剣を考え始めるということだ。

その喪失が胸に残るのは、
アリューシアが弱くて剣を失ったからではない。
第12話で彼女はキマイラを倒し、
まだ戦いが続く場所へ合流している。
自分の務めを果たした騎士が、
長年使ってきた武器を失った。
だからベリルが新しい剣を贈る展開は、
負けた弟子に剣を買い与える話にはならない。
今の彼女にふさわしい剣を、
改めて師匠が選ぶところへ進む。

第4章 新しい剣には、何の素材が使われる?

ここからは、第2期最終回より先の
原作で明かされる素材に触れる。

ベリルが持ち出すのは、かつて倒した強敵の素材

ベリルがアリューシアの剣に使おうとするのは、
ロノ・アンブロシアの核だ。
第2期第3話、魔術師学院では
狼の姿をした影が教師たちを襲い、
学舎の周囲では魔術が使えなくなった。
魔術に頼らず戦えるベリルとフィッセルが
原因を探りに学舎へ入る一方、
食堂で待機していたミュイたちにも
影の狼が迫った。あの学院での危機が、
新しい剣の素材へつながっている。

魔術を使う生徒がいる学院で、
魔術そのものを封じる異変が起こる。
第2期第1話に、ベリルはフィッセルの
剣魔法科の授業を手伝うため呼ばれた。
生徒の疑問から二人が立ち合う場面では、
先生としてどう剣を教えるかが問われた。
ところが第3話には、授業を受けていた
生徒たちの近くへ敵が現れる。
教える場だった学院が、
教えた剣を使わなければならない場所になった。

ロノ・アンブロシアとの戦いを経て、
ベリルはその核を斬っている。
原作では、核はすぐ剣へ加工されたわけではない。
魔力を扱うルーシーが手元に置き、
危険な反応が残っていないかを確かめていた。
フィッセルが戦いの後に感じた異様な気配も、
ベリルには魔術の面から判断しにくい。
使える素材だからと、そのまま鍛冶場へ
持ち込めるものではなかった。

アリューシアの剣を考え始めたベリルは、
ルーシーから核を譲り受け、
鍛冶師バルデルに見せる。
核はベリルが斬ったことで二つに分かれていたが、
それでも容易には加工できない硬さを持つ。
フィッセルの剣でも傷を付けられなかったものを、
武器に使える形へ変えなければならない。
ベリルが強敵を倒して素材を得たところで
仕事が終わるわけではなく、
鍛冶師の腕が次の一本を左右する。

第2期第3話の時点で、
学院の危機とアリューシアの新しい剣を
結び付けて見た人は少ないだろう。
アリューシアが餞別の剣を失うのは、
それより後の隣国での戦いだ。
先にベリルが学院で対処した強敵の核が残り、
後から弟子のための武器に使われる。
魔物の討伐を一度の勝利で終わらせず、
別の人物の剣へつなぐところに、
二つの事件をまたぐ面白さがある。

第1期第6話のベリルの剣とは、どこが違う?

特別討伐指定個体の素材を使う剣は、
今回が初めてではない。
第1期第4話、ベリルは新人冒険者を
守りながら強力な魔物と戦った。
普段の人間の剣士とは違う動きに苦しみ、
目の前の相手を倒す難しさを知る。
第6話には、その強敵ゼノ・グレイブルの素材を
使って造られた剣を手に、
ミュイを巡る戦いへ向かっている。

ベリルの剣では、
ゼノ・グレイブルの素材が芯に使われ、
希少なエルヴン鋼で覆われている。
第1期第6話の場面で剣を持つのは
ベリル本人だ。まだ彼の前には、
ミュイを利用する者の背後にいる敵がいた。
その時の武器と、アリューシアへ贈る
新しい剣は同じものではない。
素材となる特別討伐指定個体も、
剣を振るう人物も異なる。

ゼノ・グレイブルの剣は、
ベリルが自分の戦いで使うための一本。
ロノ・アンブロシアの核は、
教都で剣を失ったアリューシアのため、
ベリルが使い道を考える素材だ。
第1期には新人冒険者とミュイを守る戦いがあり、
第2期には学院の生徒を襲う影の狼と、
隣国で王族を守る戦いがあった。
別々の場所でベリルが振った剣が、
後に弟子の武器へつながっていく。

アリューシアに渡す剣を作るのは、
素材を持ってきたベリルではなく鍛冶師だ。
強敵の核をどれほど混ぜれば
剣として使えるのか、どんな形なら
騎士団長の剣にふさわしいのか。
戦いで核を斬った腕とは別に、
素材を見極めて打つ技が必要になる。
ベリルが「先生として何を贈れるか」を考え、
鍛冶師が「剣としてどう仕上げるか」を担う。
新しい一本は、ここから形になっていく。

第5章 ベリルはどんな剣をアリューシアへ贈る?

素材を託された鍛冶師が形にする新たなロングソード

ベリルはロノ・アンブロシアの核を
ルーシーから譲り受け、鍛冶師バルデルへ持って行く。
学院の地下で仕留めた強敵の核は、
ベリルが斬ったため二つに分かれていた。
手渡されたバルデルは、まずその硬さに驚く。
フィッセルの剣でも傷を付けられなかった素材だ。
ベリルが持ってきたからといって、
すぐに炉へ入れて剣にできるものではない。

そもそも核は、倒した直後から
武器の材料として保管されていたわけではない。
学院での戦いを終えた後、危険な反応が
残っていないか確かめるため、
ルーシーが預かっていた。
ベリルは第2期第3話でフィッセルと共に
影の狼が現れた学舎へ踏み込んだが、
魔術に関わる核を安全に扱えるかは
自分の剣の腕だけでは判断できない。

ベリルがバルデルへ頼む時には、
素材だけでなく、使う人の剣にも注文がある。
アリューシアが長年使ってきたロングソードへ、
長さと重心を近づけてほしいと伝えた。
まったく違う形の強力な武器を渡しても、
彼女が慣れた動きで使えなければ困る。
騎士団長として次の任務へ持って行く剣だから、
見た目の派手さより手に馴染むことが先に来る。

第1期第6話には、バルデルが造った
ゼノ・グレイブルの素材を使う剣を、
ベリル自身が手にしていた。
ミュイを巡る戦いへ向かった時の一本だ。
今回もバルデルの腕を頼るが、使い手は
ベリルではなく「神速のアリューシア」。
第1期にベリルの剣を造った鍛冶師が、
次は彼の教え子の剣に挑むことになる。
師匠と弟子のどちらも知る仕事だ。

バルデルが確かめるのは、
ロノ・アンブロシアの核をエルヴン鋼に
使えるかどうかだ。核は量が少なく、
何本も試しに打つ余裕はない。
少しずつ削り、混ぜた時の反応を見ながら、
使える割合を探っていく。
特別な素材を丸ごと剣へ埋め込めば
強くなるという単純な作業ではない。
硬い核を扱える形に変え、
剣として使える一本へ仕上げる。

ベリルが核を預けてから、
剣の完成を見に行くまでには時間がある。
その間も彼は騎士団での指導を続け、
学院の様子を見て、家ではミュイと過ごす。
アリューシアも騎士団長の仕事を
放り出して鍛冶場に通うわけにはいかない。
教都での戦いを終えたからといって、
二人の毎日が剣一振りのために止まる
わけではないところも、彼ららしい。

師匠が贈る二本目は、最初の餞別と何が違う?

完成した新しい剣は、形だけを見れば
普通のロングソードに近い。
刃を鞘から抜くと、よくある銀色ではなく、
薄墨色を帯びている。
ロノ・アンブロシアの核を
エルヴン鋼に混ぜた結果だ。
豪華な飾りで騎士団長らしく見せるより、
実際にアリューシアが振るう一本として
作られていることがわかる。

最初の餞別の剣は、道場を卒業した弟子に
ベリルが贈ったものだった。
村の鍛冶師による普通のロングソードでも、
アリューシアは王国騎士団長になった後まで
使い続けた。その一本が教都で失われたから、
ベリルは今の彼女に合う剣を考え、
核を探し、バルデルへ託している。
二本目には、村を出てからアリューシアが
戦ってきた年月を見た師匠の判断がある。

贈る剣だから、代金もベリルが持つ。
アリューシアは自分で支払う案を出し、
騎士団の経費にすることも考えた。
騎士団長が仕事で使う武器なら、
そうした考え方もできる。
それでもベリルは、自分が渡した
餞別の剣に代わる一本を、自分の金で
用意したかった。職務上の支給品として
受け取る剣とは、出発点が違う。

第1期第1話、アリューシアが
ベリルを村から首都へ呼んだことで、
彼には特別指南役の仕事ができた。
かつては道場で教える側だった二人が、
今は同じ騎士団を支える立場にもいる。
それでも新しい剣を贈る時、
ベリルは仕事上の上司や同僚としてではなく、
昔の剣を渡した師匠として動いている。
立場が変わっても消えないつながりが、
二本目を選ぶ手間に表れている。

第6章 アリューシアは新しい剣をどう受け取る?

失った剣に込めていた時間は、新しい剣へ移るのか

アリューシアが新しい剣を受け取る時、
昔の餞別を使ってきた年月が
消えるわけではない。
ベリルの道場を出てから
王国騎士団長となり、隣国の教都まで
あの一本で戦ってきた。
新しい剣は、過去をなかったことにする
ための贈り物ではない。
これからも騎士として剣を振るう
アリューシアの手に渡るものだ。

完成を知らせる時点でも、
彼女は簡単には鍛冶屋へ行けなかった。
教都での事件を経た後も、
騎士団長の予定は詰まっている。
ベリルと二人で時間を作り、
ようやくバルデルの店へ向かった。
第2期第12話にキマイラと戦っていた
アリューシアは、日常へ戻っても
団を率いる仕事を続けている。
剣は飾っておく品ではなく、
その仕事に持って行く道具になる。

バルデルが剣を手に取るよう促すと、
アリューシアは鞘を持ち上げ、
柄に手を掛けて刃を抜く。
現れたのは薄墨色の剣身だった。
彼女は色について尋ね、
バルデルは素材を混ぜた結果だと答える。
ベリルも、持ち込んだ核のせいで
見た目が変わったことを気に掛ける。
三人とも、強い剣が完成したという
一言だけで済ませてはいない。

バルデルは、核とエルヴン鋼の割合を
探すのに苦労したと話す。
ベリルは核を提供したからという気遣いで
使ったのではないかと確かめるが、
バルデルは素材の質も認めている。
その間、アリューシアは刃を見つめ、
二、三度、腕を軽く振って感触を確かめた。
そして剣を高く評価する。
贈り主の顔を立てる前に、
使う剣士として自分の手で確かめている。

その反応は、ベリルにとっても大きい。
第1期第1話には、首都で名を上げた
アリューシアを見ても、自分の剣を
高く評価できずにいた。
今は騎士団長となった彼女に渡す一本を
自分で考え、鍛冶師に頼み、
本人が手に取る場に立ち会っている。
弟子が先生の剣を受け取るだけでなく、
先生が弟子の使い心地を気にしている。
昔と同じ師弟でも、向き合う形は変わった。

第2期第8話の揺れる想いと、ベリルの贈り物

アリューシアは、ベリルを
剣の先生としてだけ見ていない。
第1期第8話、隣国の使節団を迎える任務では、
ベリルの服を選ぶため二人で店を回った。
第2期第8話には、夜会でシュステが
ベリルへ積極的に近づく様子を見て
気を揉んでいる。ウォーレンから
背中を押される場面もあった。
彼女の心には、騎士としての尊敬とは
別の想いが続いている。

だから新しい剣を師匠から贈られることは、
アリューシアにとって単なる装備の更新ではない。
長年使った餞別の剣を失い、
その次もベリルが自分のために
素材を選んでくれた。
彼女が忙しい仕事の合間を縫って
鍛冶屋へ足を運ぶ様子からも、
完成を待つ気持ちは伝わる。
もっとも、剣を贈っただけで
ベリルが恋心に応えたと決まるわけではない。

ベリルの出発点は、アリューシアが
戦いで剣を失ったことだった。
相手は騎士団長であり、
自分が道場から送り出した弟子でもある。
彼女の立場や剣の腕を考え、
以前の剣に近い長さと重心を頼む。
その細かさには気遣いがあるが、
恋人へ贈る品を選ぶのと
同じ場面として扱うと、
使う剣士への配慮が見えなくなる。

一方、アリューシアが
ベリルからの贈り物に
特別な気持ちを抱くのも自然だ。
第2期第8話にシュステを見て
揺れた相手が、今は自分の剣を
用意するためルーシーやバルデルに
会いに行っている。ベリルの考えと
アリューシアの受け止め方は、
完全に同じとは限らない。
その少しのずれも、二人の関係の続きになる。

第2期第12話までにアリューシアは、
餞別の剣で戦場へ立つ騎士団長になった。
原作の先では、新しい剣を抜き、
その重さと振り心地を自分で確かめる。
昔の一本が失われても、
ベリルの教えを受けてきた剣士としての
時間は失われない。次にその剣を振る時、
アリューシアは先生から贈られた
二本の剣の先を歩いている。

7.アリューシアの新しい剣は、アニメ3期で描かれる?

小説8巻は、餞別の剣を失った後から始まる

アリューシアが新しい剣を受け取る場面は、
アニメ3期で描かれる可能性がある。
第2期では、教都を巡る戦いまで進んだ。
その一方で、ベリルが新しい剣を用意し、
彼女へ贈る場面はまだ残っている。

原作小説8巻も、隣国で餞別の剣を失った
アリューシアの、その後を描いている。
だから次の展開を考える時、新しい剣は
見逃せない出来事になる。ただし3期で
何巻まで描くかは、まだ発表されていない。
剣の贈呈が何話になるかも、現時点では未定だ。

この場面を待ちたくなる土台は、第1期の
第1話から、すでに積み重なっている。
ビデン村の道場を訪ねたアリューシアは、
ベリルに特別指南役への就任を求めた。
十年ぶりに現れた弟子は、王国騎士団長。
先生の知らない場所で、大きく成長していた。

そんな彼女が、村を出る時にベリルから
受け取った餞別の剣を使い続けていた。
騎士団長なら、別の優れた剣も選べる。
それでも手放さなかった一本だからこそ、
教都で失った時の重さが伝わってくる。
長く持っていた武器が壊れた、だけではない。

第2期終盤の教都では、王族を巡る騒動が
起こり、アリューシアも剣を取って戦う。
ベリルやスレナとは別の場所で魔物に対処し、
二人と合流した後も戦いは続いていく。
誰かに守られるだけの元弟子ではない。
自分の判断で人を守る、現役の騎士団長だ。

ベリルが最初の剣を贈った頃には、
彼女の行く先など分からなかったはずだ。
今は、国を背負って戦う姿を見ている。
原作では、そのアリューシアのために
新しい素材を探し、鍛冶師へ剣を頼む。
同じ人が贈る二本目でも、込める思いは違う。

しかもベリルは、素材の強さだけで
新しい剣を選んではいない。
以前の剣に近い長さや重心になるよう、
鍛冶師バルデルへ希望を伝えている。
長年使った一本を失った彼女が、次に
どんな剣なら握りやすいかを考えた注文だ。

剣を贈る場面が来た時、師弟の何が変わって見える?

原作で剣が完成すると、ベリルは
アリューシアと一緒に店へ足を運ぶ。
剣を渡して終わり、とはしない。
彼女が自分の手で剣を抜き、軽く振って、
その感触を確かめる場に立ち会う。
最後に使い心地を決めるのは、持ち主だ。

ここで思い出したいのは、餞別の剣を
長い間使ってきたアリューシアの姿だ。
先生から受け取った物だからといって、
扱いにくい剣を我慢していたわけではない。
自身の剣として使い続け、騎士団長になった。
次の一本にも、実際に戦えることが欠かせない。

彼女が受け取るのは、先生から贈られる
二本目の剣になる。一度目は、道場を出て
新しい道へ進む弟子への餞別だった。
二度目は、教都で戦い抜き、大切な剣を
失った騎士団長へ渡す一本だ。
受け取る側の立場が、あの頃とは違う。

だから以前の剣に近い感触を残すことにも、
大きな価値がある。長く重ねてきた稽古も、
任務で積んだ経験も、そのまま次へ持っていく。
失った剣を忘れるための新調ではない。
慣れ親しんだ握り心地を受け継ぎながら、
今のアリューシアが戦うための剣になる。

ベリルの行動も、第1話の頃とは違って見える。
王国騎士団長になった元弟子を前に、
彼は自分が指南役にふさわしいのか迷った。
ところが剣の件では、彼女の手に合う形を考え、
必要な素材を用意し、自分で代金を払おうとする。
彼女のためにできることを、自ら選んでいる。

アリューシアの気持ちを考える時も、
剣を受け取っただけで恋愛の答えが出た、
と決めつける必要はない。
確かに、彼女は先生からの餞別を大切にした。
そしてベリルも、剣を失った彼女のために動く。
まず剣から見えるのは、その確かな行動だ。

もし3期で贈呈まで描かれるなら、
第1話の再会を思い出して見たい。
先生を都へ連れ出したアリューシアが、
教都の戦いを越え、今度は先生と並んで
新しい剣を受け取りに行く。
村で餞別を手渡した時とは、二人とも違う。

剣を抜いて感触を確かめる彼女を見れば、
最初の一本を握って道場を出た少女から、
王国騎士団長になるまでの歩みが重なる。
そしてベリルが贈るのは、失った剣の
単なる代わりではない。かつての弟子が
これからも戦うために、今の先生が選んだ剣だ。

片田舎のおっさん、剣聖になるIIまとめ

『片田舎のおっさん、剣聖になるII』の記事を、大聖堂襲撃・モーリス教皇とスフェン教・ロゼとホワイト・メイデン・ハノイとヴェルデアピス傭兵団・アリューシア・スレナ・ミュイなどに分けてまとめています。
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