第2期最終回でモーリスの攻撃を受けて倒れたアリューシアは、死亡していない。決着後にはスレナと言葉を交わし、別れている。
神速の剣を振るう騎士団長が、なぜあの場面で戦えなくなったのか。第1期から積み重ねた強さと、モーリス戦で起きたことをつなぐ。
倒れた後の生死を確かめたうえで、失った愛剣とベリルが贈る新しい剣まで、アリューシアのその後を追う。
★第1章 結論:アリューシアは死亡していない
| 確認ポイント | 実際はどうだった? |
|---|---|
| モーリスの一撃 | 腹部へ強烈な蹴りを受けて倒れる |
| 直後 | 戦闘へ戻れないが、意識は残っている |
| 決着後 | 自分の足でベリルのもとへ歩く |
| 最終回後半 | スレナと会話して別れる |
| 結論 | アリューシアは生存している |
モーリスの一撃で倒れるが、命は失っていない
第2期最終回でモーリスの反撃を受けたアリューシアは、
死亡していない。腹部に強い打撃を受け、その場で倒れ、
戦いへ戻れなくなったのは事実だ。だが、攻撃を受けたことと
命を失ったことは別である。結末を急いで知りたかった人には、
まずここをはっきり伝えたい。アリューシアは生きている。
あの場面で不安になったのは、無理もない。
アリューシアはベリルの元弟子というだけでなく、
レベリオ騎士団を率いる団長であり、誰かを守るために
剣を抜いてきた人物だ。その彼女がモーリスへ斬り込んだ直後、
思いがけない反撃を受けて倒れる。強いはずの人が立てなくなる
一瞬には、「まさかここで退場するのか」という怖さがある。
原作で描かれた戦闘の順序を見ると、その一撃は
アリューシアの判断ミスによるものではない。
ベリルが先に斬りかかり、スレナとロゼが左右から続く。
モーリスが二人の攻撃を避けて体勢を崩した瞬間、
アリューシアは持ち前の速さで背後へ回り、
剣を振り下ろした。四人で作った好機を仕留める、
騎士団長にふさわしい動きだった。
ところがモーリスは、体をねじった不自然な姿勢から
さらに足を繰り出す。アリューシアは腹部を蹴られ、
地面を転がり、痛みと吐き気で動けなくなった。
そばにいたスレナも、倒れた彼女へ声を上げている。
普段のアリューシアなら踏みとどまりそうな局面で、
戦いを続けられない。死亡を疑わせるほど
モーリスの攻撃が強烈だったことは確かだ。
ただし、原作では倒れた後もアリューシアの意識は
保たれている。ベリルたちが戦いを続ける間、
すぐには立ち直れないものの、彼女が命を落とした
描写にはなっていない。モーリスを追い詰めた後には、
ふらつきながらベリルのもとへ歩いてくる。
ベリルが無理をせず休むよう促す場面まである。
戦線離脱は深刻でも、死亡とは明確に異なる。
ここで重要なのは、倒れた直後の姿だけを
結末にしないことだ。スレナが怒りを見せるほど
危険な一撃だったからこそ、そこで映像を止めれば
最悪の結果を想像してしまう。しかし戦いは続き、
アリューシア自身の時間もその先へ進んでいる。
「あそこで死んだの?」への答えは、
倒れた瞬間だけでなく、決着後の彼女まで見れば分かる。
最終回後半、スレナとの別れが生存を示す
第2期第12話の後半には、事件が一段落した後、
アリューシアとスレナが顔を合わせて別れる場面がある。
モーリスの攻撃を受けて倒れた彼女が、
その後もスレナとやり取りできている。
生死を確かめるうえで、これほど直接的な場面はない。
アリューシアの安否は、先の展開を待たなくても
最終回の中で確かめられる。
この別れが効いてくるのは、二人が単に
同じ戦場に居合わせた間柄ではないからだ。
スレナもアリューシアも、ベリルのもとで剣を学んだ。
片や最高位の冒険者、片や王国の騎士団長となり、
今ではそれぞれの場所で実力を認められている。
二人が事件の後にいつもの調子で向き合えることが、
激戦を生き抜いた実感へつながっている。
倒れた場面の直後、スレナがモーリスへ怒りを向ける
流れを覚えていると、後半の再会はさらに鮮明になる。
攻撃を受けた瞬間にはアリューシアの身を案じ、
戦いが終わった後には本人とまた顔を合わせる。
危険な戦場で生まれた心配が、別れの場面で
ようやくほどける。生存を示すだけでなく、
見ていた側の不安にも区切りを付ける場面だ。
第1期第1話を思い返すと、アリューシアは
片田舎で道場を営むベリルのもとへ現れ、
王国騎士団の特別指南役として招く。
あの訪問がなければ、ベリルは都へ出て、
かつての弟子たちと再び関わることもなかった。
作品の始まりを動かした本人が最終回で倒れれば、
彼女の今後を心配するのは当然だろう。
だが、最終回はアリューシアをそこで終わらせない。
騎士団長として戦った彼女は、仲間と再び言葉を交わす。
ベリルと過ごした過去を持つスレナとも、
それぞれの場所へ帰るために別れる。
モーリスの一撃は確かに重く、倒れた姿も痛々しい。
それでも最後まで見れば、あの場面が
アリューシアの最期ではなかったと分かる。
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★第2章 モーリス戦でアリューシアに何が起きた?
| 流れ | アリューシアに起きたこと |
|---|---|
| キマイラ戦 | 隙を見逃さず喉へ一撃を入れて撃破 |
| 代償 | 長年使っていた愛剣の先端が傷む |
| モーリス戦 | ベリル・スレナ・ロゼと四人で連携 |
| 好機 | 神速で背後へ回り、決め手になる斬撃へ |
| 反撃 | 常識外れの姿勢から蹴りを受け、戦線離脱 |
キマイラを退け、ベリルたちと合流する
アリューシアがモーリスと向き合う直前まで、
彼女自身も別の激戦の中にいた。
第2期第12話では、モーリスが作り出した
キマイラを退けたアリューシアとスレナが、
ベリル、ホワイト・メイデンと合流する。
一行が向かった先には、追い詰められたハノイと、
穏やかな様子で立つモーリスがいた。
第11話でベリルたちは、王子と王女を守りながら
宮殿へ移動している。大聖堂へ踏み込んできた
傭兵団を敵だと思って斬りかかったベリルを、
イブロイが制止する場面もあった。
味方と敵を見極める暇も乏しいまま、
一行はモーリスが生み出した脅威へ直面する。
最終回の戦闘は、突然始まった腕試しではない。
それまで守ってきた人々の命が懸かった続きなのだ。
その中でアリューシアは、剣の腕を見せている。
原作のキマイラ戦では、相手の噛みつきを
足運びでかわし、顔へ素早い突きを重ねる。
さらにベリルが前脚を斬って姿勢を崩したところへ
踏み込み、獅子の頭の喉を正確に突いた。
速く動くだけでなく、仲間が作った隙を見逃さず、
仕留める場所へ剣を届かせている。
ただ、その勝利には代償があった。
アリューシアが長く使い続けてきた剣は、
硬いキマイラへの一撃で先端を傷める。
ベリルが彼女へ贈った、昔からの愛剣である。
キマイラを退けても、武器を十分な状態で
次の戦いへ持ち込めたわけではない。
この傷んだ剣で、さらにモーリスと向き合うことになる。
原作では戦闘の前、ベリルがアリューシアに、
事態が収まったら新しい剣を贈ると伝えている。
だから今は大切な剣をかばわず、
思い切り振り抜いてほしいという言葉だ。
アリューシアはその申し出を受け、
キマイラへ全力の一突きを放った。
剣を失いかけたことは彼女にとって痛い。
それでも人々を守る戦いから退かなかった。
ここで愛剣の損傷と、後の戦線離脱を
混同しないでおきたい。モーリス戦で
アリューシアが倒れたのは、剣が壊れて
身動きできなくなったからではない。
傷んだ剣を手にしてなお、彼女は仲間の攻撃を
つなぐ位置まで走り込んでいる。
あの場で止められたのは剣技そのものではなく、
斬撃が届く寸前に放たれた予想外の反撃だった。
キマイラを倒し、傷んだ剣を携え、
次は仲間を救うためモーリスのもとへ向かう。
最終回のアリューシアは、ただ強敵に
敗れた人物として描かれてはいない。
一つ目の脅威を退けた後、さらに危険な相手へ
踏み込んだ騎士団長だ。その歩みを踏まえると、
倒れた瞬間に受ける衝撃も大きくなる。
背後からの斬撃へ、モーリスが反撃する
原作のモーリス戦では、先にベリルが
スレナとアリューシアへ連携を求める。
ロゼも加わり、四人で一人の相手に向かう。
ベリルが最初に斬り込み、モーリスは
間合いを見切って後ろへ下がる。
そこへスレナが左から二刀を振り、
ロゼが右から剣を突き出す。
逃げた先まで塞ぐ、息の合った攻めだった。
モーリスは二人の剣を体をねじってかわす。
普通なら、それだけで姿勢が苦しくなる。
アリューシアが動いたのはまさにその瞬間だ。
持ち前の瞬発力で相手の背後へ回り込み、
上から斜めに剣を振り下ろす。
ベリルが動かし、スレナとロゼが追い、
最後にアリューシアが届かせる。
彼女は連携の締めを担っていた。
剣の先端はキマイラ戦ですでに傷んでいる。
それでも刃の部分は残っており、
アリューシアなら当て方を誤らない。
背後を取られ、無理な姿勢になったモーリスへ
斬撃が届くように見える。この積み重ねがあるから、
次の一瞬は驚く。四人の攻撃が失敗するだけでなく、
決め手になるはずのアリューシアが倒されるのだ。
モーリスはねじれた体をさらに動かし、
常人には難しい角度から蹴りを放つ。
剣を振り下ろそうとしたアリューシアの腹に
それが入り、彼女の体は地面へ投げ出される。
原作では二度、三度と転がった後、
痛みと吐き気で苦しむ様子が描かれる。
スレナがすぐに声を上げるほど、
その場の全員にとって予想外の出来事だった。
モーリスが避けられたのは、
剣士としてアリューシアより熟練していたから、
という話でもない。ベリルは戦いながら、
モーリスが筋力だけでなく、目の働きや
反射、頭の処理まで強めていると見抜く。
普段なら決まる速さの斬撃まで見て、
無理な姿勢から体を動かしてしまう。
アリューシアの神速を受け止める相手が、
剣の常識を外れた動きで応じたのである。
それでも、アリューシアの一撃は
無駄になっていない。背後からの斬撃さえ
届かないと分かったことで、ベリルたちは
速さだけではモーリスを捉えられないと知る。
そこで相手の視界を塞ぎ、剣を届かせる戦い方へ
移っていく。彼女が倒れた場面は衝撃的だが、
同時にモーリスの厄介さを仲間へ示した局面でもある。
第1章の答えへ戻れば、アリューシアは
この強烈な反撃を受けても生きている。
ただ、王国騎士団長がすぐには立てないほど
重い一撃だったことまで軽く見る必要はない。
キマイラを退け、仲間の連携から背後を取り、
それでも蹴り一発で戦線を離れた。
何が起きたかを順にたどると、
「あそこで死んだのか」と心配された場面の
切迫感が、はっきり見えてくる。
★第3章 強いはずのアリューシアが倒れた衝撃
| アリューシア | モーリス |
|---|---|
| 「神速」と呼ばれる瞬発力 | 筋力そのものを強化 |
| 相手の背後へ一瞬で回り込む | 視覚・反射まで強化 |
| 仲間が作った隙へ正確に斬り込む | 頭の処理能力まで上がっている |
| 普通なら決め手になる攻撃 | 無理な姿勢からさらに反撃できる |
| 攻撃自体は正しかった | その「正しい攻撃」を返せる異常さ |
第1期から示されてきた「神速」と騎士団長の実力
アリューシアがモーリスに倒された場面は、
単に味方が一人負傷した場面として見られない。
第1期第1話で彼女は、片田舎の道場にいる
ベリルを訪ね、王国騎士団の特別指南役へ
推挙したと告げる。すでに騎士団長となった
元弟子が師を迎えに来るところから、
ベリルたちの物語は大きく動き始めた。
ベリルは自分が都の騎士へ剣を教えるなど
大それた話だと戸惑う。ところがアリューシアは、
自分の知る師の腕を疑っていない。
副団長ヘンブリッツがベリルの実力を確かめようと
勝負を求めたときも、彼女の推挙には
騎士団を率いる者としての確信がある。
師を慕う気持ちだけで人事を動かしたのではなく、
騎士たちに必要な剣を見ていた。
その彼女自身も、異例の若さで団長となり、
「神速のアリューシア」と呼ばれる剣士だ。
神速という呼び名は、最終回の一撃を考える際に
外せない。モーリスの背後へ一瞬で回り込み、
ベリル、スレナ、ロゼが作った隙へ斬り込めたのは、
相手の守りが崩れる瞬間を逃さない速さが
彼女に備わっていたからである。
第1期第8話の題名にも、神速の剣が登場する。
この回では、隣国から来る使節団の警護を前に、
アリューシアがベリルへ協力を頼む。
任務にふさわしい服を選ぶため二人で出かけ、
翌日には彼女からベリルへ新たな申し入れをする。
師と向き合う姿と、要人の安全を考える
騎士団長の姿が、一つの回に並んでいた。
ベリルへの思いを抱えながらも、アリューシアは
立場に応じて決断し、部下を動かしてきた。
第2期第7話では、サラキア王女の輿入れに備え、
ベリルと共に辺境伯領へ向かう。
夜会への出席には移動経路を確かめる役目もある。
ただ剣が速いだけの人物ではなく、
人を守る準備を進める責任者なのだ。
第2期終盤で王子と王女に危険が迫ると、
彼女の任務はさらに切迫したものになる。
第11話では、ベリルたちが王族を守りながら
宮殿へ移動し、モーリスが生み出した脅威に遭遇する。
最終回でアリューシアがキマイラへ向かい、
続けてモーリスとの戦いに加わるのも、
守るべき人々がその場にいるからだ。
原作のキマイラ戦では、噛みつきをかわした
アリューシアが、獅子の頭へ突きを重ねる。
ベリルが前脚を斬り、相手の頭が下がった瞬間には、
狙いを喉へ切り替えて決着を付けた。
自分の速さだけで突っ走るのではない。
師の一撃を見て次の動作を選べるからこそ、
仲間と並んだ戦いでも彼女の剣は生きる。
この勝利を見た直後に、同じアリューシアが
モーリスの蹴り一発で立てなくなる。
キマイラには通じた速さと判断が、
今度は相手を仕留めるところまで届かない。
見慣れた強さが通用しなかった落差こそ、
「本当に助かるのか」と身を乗り出す
大きなきっかけになったはずだ。
それでも、倒された事実から彼女の実力が
なかったと考えるのは早い。
ベリルの初撃、左右から迫るスレナとロゼ、
その後ろへ回ったアリューシアという攻撃は、
普通の相手なら受け切れない。
彼女が最も危険な位置へ剣を運べたことと、
モーリスがそこから反撃できたことは両立する。
恐ろしかったのはアリューシアの弱さではなく、
その速ささえ返されたモーリスの異常さだ。
守る側の彼女が戦線を離れ、退場を疑う場面へ変わる
アリューシアが倒れて怖いのは、彼女を
助ける役へ回る姿が普段は想像しにくいからだ。
第1期第1話では、地方にいるベリルを
王都へ連れ出すために行動する。
第1期第8話では、使節団の警護に向けて
師にも協力を求める。第2期第7話では、
王女の移動に備えて辺境伯領まで出向く。
彼女はいつも先に動き、誰かを守る側にいた。
最終回では、その立場が一瞬で逆になる。
モーリスへ向けて剣を振った直後、
アリューシア自身が地面へ転がされる。
仲間が彼女を気に掛けても、
モーリスから目を離せる状況ではない。
傷ついた人を安全な場所へ運び、
容体が落ち着くまで見届けるような
余裕もないまま戦いが続く。
スレナの反応も、この場面を重くする。
彼女はアリューシアが吹き飛ばされたのを見て、
すぐにモーリスへ怒りを向ける。
二人は同じベリルの弟子でありながら、
王国騎士団長と最高位の冒険者として
それぞれの道を歩んできた。
相手が倒れた瞬間に声が出るのは、
ただの戦力を一人失った反応ではない。
剣の腕を知るスレナが動揺するからこそ、
見ている側にも一撃の危険が伝わる。
もしアリューシアがすぐに起き上がり、
再び剣を構えていれば、痛打で済んだと分かる。
しかし彼女は戦いへ戻らず、
スレナとベリルがモーリスへ向き直る。
強い仲間ほど、動けなくなった後の空白が
大きく感じられる場面だ。
もう一つ気になるのは、彼女の剣である。
キマイラを倒した際、長く使ってきた愛剣は
先端を傷めていた。ベリルから授かった
餞別の剣を手に、アリューシアはさらに
モーリスへ挑んでいる。
体を痛めつけられたうえ、師から受け取った
剣も万全ではない。この戦いで彼女が
何を失うのかという不安まで重なる。
公式の人物紹介では、アリューシアが
ベリルへ尊敬以上の思いを抱いていることも
明かされている。第1期第1話に始まる再会から、
二人の距離はまだ結末を迎えていない。
だからモーリス戦で倒れた姿は、
一度の戦闘で負傷したというだけでなく、
ベリルへ伝えられていない気持ちまで
ここで途切れるのか、と心配させる。
もちろん、心配したことと実際の結末は違う。
アリューシアはこの戦いで死んでいない。
だが、あの瞬間に死亡を疑った視聴者の受け止め方も
大げさではないだろう。
神速の剣を持ち、王族を守り、師を王都へ招いた
中心人物が、想定外の反撃で倒れたのだ。
彼女の強さと大切さを知っているほど、
一撃の重さは増して見える。
アリューシアの死亡が気になったなら、
倒れる瞬間だけを繰り返し見るより、
攻撃の後に彼女へ何が起きたかを見る方が早い。
その場で戦えなくなったこと、意識の有無、
決着後に自分で動けるかどうか。
ここからは不安を生んだ印象と、
生死を確かめられる場面を分けて追いたい。
★第4章 倒れた後、アリューシアはどうなった?
| 確認する場面 | アリューシアの状態 |
|---|---|
| 蹴られた直後 | 痛みと吐き気で動けない |
| 意識 | 失っていない |
| 戦闘復帰 | できない |
| 決着後 | ふらつきながら自分で歩く |
| 事件後 | 会話し、それぞれの役目へ戻る |
攻撃直後の様子から、戦闘不能と死亡を見分ける
モーリスの蹴りを受けた直後、
アリューシアはその場で戦いを続けられない。
ここが「死亡したのでは」と思わせる
最初の場面である。ただし原作では、
腹部を打たれた後に痛みと吐き気で苦しみ、
意識は保っていることが描かれる。
倒れたまま動けない姿は深刻だが、
その時点で命を落とした姿ではない。
ベリルも彼女の状態を見て、
すぐには戦線へ復帰できないと考える。
王国の騎士団を率いるアリューシアなら、
普通の打撃を受けただけで
簡単に動けなくなるとは思えない。
その彼女が立ち上がれないところに、
モーリスの一撃の強さが表れている。
軽い打撲ではない一方、生死が
分からなくなるほど意識を失ったわけでもない。
ここでベリルたちがすぐに治療へ
向かえないことも忘れたくない。
モーリスはまだ目の前に立ち、
スレナの連撃さえ避け続けている。
アリューシアが倒れた場所へ駆け寄れば、
次の攻撃を受ける者が増えるかもしれない。
仲間が彼女を心配しながらも
戦いを続けるのは、助けるためにも
モーリスを止めなければならないからだ。
ベリルはスレナを一度下がらせ、
モーリスの動きを観察する。
強められているのが腕や脚だけなら、
アリューシアの速さまでかわし切るのは難しい。
相手の目、反射、頭の働きまで
強化されていると見抜いたことで、
力任せに剣を振り続ける戦いから
攻撃を当てる方法を探す戦いへ変わる。
その間、アリューシアは戦場から
消えたわけではない。原作のベリルは、
彼女の意識が続いていることを確認しつつ、
今すぐの復帰は難しいと判断している。
強烈な一撃を受けた人物を気に掛けながら、
残る仲間で敵を止めようとしているのだ。
彼女が攻撃後に剣を振らないことだけを見て、
死亡したと受け取る必要はない。
モーリスに対しては、別の連携が始まる。
スレナとベリルが絶え間なく剣を振り、
ロゼは盾を持って機会を待つ。
ベリルがわざと大きく斬り上げて
モーリスに反撃させた瞬間、
ロゼの盾が拳と視線を遮った。
見える攻撃を避け続けた相手の目を塞ぎ、
ベリルの剣を届かせるための動きだ。
この決着の作り方を見ると、
アリューシアの離脱がどれほど痛かったかも
分かる。四人で攻めたとき、最後に背後へ
届いたのは彼女だった。その速さでも
仕留められなかったため、残る三人は
相手に見せない一撃を作らなければならない。
彼女が戦えない時間は、仲間が別の手を
探して踏ん張った時間でもあった。
ベリルがモーリスを追い詰めた後、
原作のアリューシアはふらつきながらも
自分の足で近づいてくる。
まだ顔色は悪く、受けた打撃が
すっかり抜けた様子ではない。
ベリルも無理をせず、もう少し
休むように声を掛けている。
生きていることと、無傷で済んだことを
同じにしない描写がここにある。
つまり攻撃直後の状態は、
「致命傷を受けて死亡」でも
「何事もなく立ち直った」でもない。
激しい痛みで戦いから外れたが、
意識を保ち、決着後には歩いて戻ってきた。
あの一撃の怖さを残したまま
生存を確かめられることが、
アリューシアの安否を知るうえで大切だ。
決着後にスレナと交わす言葉が、最終回の答えになる
原作には、倒れた後も意識を保ち、
ベリルのそばまで歩く描写がある。
さらにアニメ第2期第12話には、
事件が落ち着いた後のアリューシアと
スレナが別れる場面がある。
原作を読んでいない人も、最終回の
後半まで見れば生存を確かめられる。
この二つは区別して受け取ってよい。
スレナとの別れが生死の答えになるのは、
ただ姿が映るからではない。
倒れた直後、彼女の身を案じて
モーリスへ怒りを向けたスレナが、
戦いの後にはアリューシア本人と向き合う。
攻撃を受けた場面と結末が、
同じ二人によってつながる。
あの時心配された人物が、
また人とやり取りできるところまで戻ったのだ。
二人はベリルの弟子として出会い、
今では違う場所で腕を磨いている。
アリューシアは騎士団を率い、
スレナは冒険者として戦う。
最終回では一度、同じ戦場へ集まり、
キマイラとモーリスの脅威をくぐり抜けた。
事件が終われば、それぞれの役目へ戻る。
その別れを交わせること自体が、
アリューシアの物語が続く証しになっている。
倒れた直後の場面だけが強く残っていると、
「最後に見たアリューシアは地面にいた」
という記憶になりやすい。
しかし第12話には、その後の彼女もいる。
戦闘中の危機と、事件後の姿を
一続きで思い出すと、受け取り方は変わる。
モーリスに倒されたのは確かだが、
そこでアリューシアの出番が
終わったわけではなかった。
最終回の結末は、負傷した人物が
すぐ元通りに戦えると示すものでもない。
原作でベリルのもとへ歩いたときには、
まだ打撃の影響が残っていた。
だからこそ後半のスレナとのやり取りは、
倒れた直後には見えなかった
事件後の時間を感じさせる。
彼女が生きて、戦いの先へ進んだと分かる。
アリューシアは死亡したのか。
最終回の中で確かめるなら、
モーリスの一撃で倒れた後、
事件が収まってからのスレナとの場面を見る。
原作も含めて確かめるなら、
意識を保ち、ベリルのもとへ歩いてくる
戦闘直後の描写がある。
どちらからたどっても答えは同じだ。
アリューシアは生存している。
残るのは、命の心配とは別の疑問である。
あれほどの打撃を受けた体はどうなるのか。
長く握ってきた剣を失った後、
彼女は何を手にして再び歩き出すのか。
最終回は死亡の不安に答えを出しながら、
アリューシアの先にも目を向けさせる。
★第5章 ここから原作の展開:傷はどこまで深かった?
| 時点 | 状態 |
|---|---|
| 攻撃直後 | 腹部の痛みで立てず、戦線離脱 |
| 決着直後 | 歩けるが顔色は悪く、休息が必要 |
| 事件後 | 騎士たちのもとへ戻る |
| 帰国後 | 騎士団長として職務を続ける |
| 約1か月後 | ベリルと鍛冶屋へ行き、新しい剣を探す |
ここから先は、アニメ第2期最終回より後の原作の展開にも触れる。
腹部への一撃は重いが、命を失う傷にはならなかった
モーリスの蹴りを受けた後、アリューシアは
すぐには立ち上がれなかった。
原作では腹部を打たれた彼女が地面を転がり、
痛みと吐き気に苦しむ様子まで描かれる。
騎士団長が剣を握って戦場に戻れないのだから、
ただ転んだだけでは済まない一撃である。
それでも意識は保っており、その場で
死亡したという結末にはならない。
この負傷を軽く考えにくいのは、
攻撃したモーリスの体の使い方を
ベリルたちが見ているからだ。
彼は鍛えた剣士のように足場を固め、
腰を入れて蹴ったわけではない。
スレナとロゼの攻撃をかわして
体をねじった状態から、さらに無理な角度へ
動いてアリューシアを吹き飛ばした。
普通なら威力を出しにくい姿勢から、
彼女を戦線離脱させる力が生まれている。
ベリルは、モーリスが筋力だけでなく
目の働きや反射、頭の処理まで
強めていると見抜いた。
その力がどこまで及ぶか分からない時点で、
アリューシアの体を案じるのは当然だ。
剣を振るう瞬間に腹を蹴られているため、
十分に受け止める余裕もなかった。
モーリスの攻撃を受けたのは
アリューシアだけではない。
原作ではハノイにも打撃が重なり、
プリムも一撃で動けなくなっている。
あの場では、強さの異なる人々が
それぞれモーリスの攻撃で止められた。
アリューシアほど腕の立つ剣士が倒れたのも、
戦い方の未熟さを示す出来事ではなく、
敵の一撃そのものが危険だったと分かる。
ベリル自身、モーリスの打撃を一発でも
受ければ動けなくなると考えている。
師がそう見積もる攻撃を腹に受けたのだから、
アリューシアがしばらく立てなくても
おかしくはない。第1期第8話で示された
神速の剣を思い浮かべると落差は大きいが、
速さを発揮できる前に体を止められてしまった。
剣士としての力と負傷の重さは別の話だ。
モーリスを追い詰めた後、
アリューシアはふらつきながら
ベリルへ近づいてくる。
声を出すこともできるが、顔色は悪く、
戦闘中の打撃が抜けた様子ではない。
ベリルも彼女に無理をせず、
もう少し休むよう促す。
倒れた直後に意識を保っていたことに加え、
決着後は自分の足で歩いている。
生死については、この行動が答えになる。
一方、自分で歩けたのだから
負傷は軽かった、と片付けるのも違う。
腹を打たれた直後には動けず、
モーリスとの決着に加わることも
できなかったからだ。彼女の強さを知る
ベリルが休息を勧めているのも、
まだ体への影響が残っていたからだろう。
命は助かった。しかし剣を振れない時間と
痛みは確かにあった。
原作では戦いを終えた後、
ベリルたちは負傷者に対応し、
グレン王子とサラキア王女のもとへ向かう。
モーリスに倒された人々を置き去りにして、
そのまま次の冒険へ出発するわけではない。
アリューシアの負傷も、一連の事件で
対応すべき出来事の中に含まれている。
戦場で姿が見えなくなったことを、
人知れず死亡したことへ結びつける必要はない。
第2期最終回を見た人が
「あそこで死んだのか」と感じたなら、
まず思い出したいのは
倒れた後も事件が続いていた点だ。
戦いの最中に立てなかったことと、
事件が終わった後も生きていないことは
つながらない。アリューシアは
痛みを抱えながら戦闘の終わりを迎え、
その後の時間へ進んでいる。
戦いの後も騎士団長として歩むアリューシア
モーリスとの戦いが終わった後、
原作のアリューシアは騎士たちのもとへ
戻るとベリルに伝える。
ベリルはよく休むよう声を掛け、
彼女もそれを受け止めて別れる。
まだ体が万全ではない一方、
団長として部下の状況を見届け、
帰国へ向けて動く必要がある。
彼女の役目は負傷によって消えていない。
この場面は、第1期第1話の
アリューシアともつながる。
かつては片田舎までベリルを迎えに行き、
騎士団の特別指南役として王都へ招いた。
今度は隣国で大きな事件をくぐり抜け、
率いてきた騎士たちのもとへ戻る。
師の前で倒れた元弟子であると同時に、
多くの部下を預かる現役の団長でもある。
負傷後に何をするかへ目を向けると、
彼女が生きて職務を続けている姿が見える。
事件後には、仮面を着けた
ホワイト・メイデンにも言葉を向ける。
アリューシアは彼女の正体を
気に掛けながらも、相手が名乗らずに
戦っていた事情を察し、深く追及しない。
蹴られた後の苦しさを残していても、
周囲を見る力まで失ってはいない。
剣を振るう姿だけでは分からない
彼女の判断が、戦いの後にも続いている。
スレナとの別れも、ここで改めて効いてくる。
戦闘中、真っ先にアリューシアの身を案じた
スレナは、事件後に彼女へ声を掛ける。
言い方は率直で、二人らしい距離も残る。
だがアリューシアは相手へ応じ、
それぞれが別の場所へ帰っていく。
生存したことを告げるためだけの再登場ではなく、
二人の関係が途切れなかったと分かる場面だ。
スレナは冒険者として翌日には
教都を発つつもりでいる。
アリューシアには騎士団をまとめる仕事がある。
同じ戦場へ集まった二人が、
事件の後にはそれぞれの役目へ戻る。
モーリスの一撃が本当に彼女の最期なら、
この別れは成り立たない。
倒れた姿から事件後の会話まで
一続きにたどると、死亡の心配は消える。
さらに一か月ほどが過ぎた原作では、
アリューシアがベリルと共に
王都の鍛冶屋へ通う。
騎士団長として忙しい中、
彼女自身が新たな剣を手に取り、
握り心地を確かめている。
一度の負傷で剣士としての道を
断たれた人物の姿ではない。
あの戦いの後も、彼女は使う剣を選び、
次に振るう一振りを考えている。
だから「その後」を知るには、
傷の有無だけで話を終えられない。
命を失わず、騎士団長を続け、
ベリルと新しい剣を探しに行く。
最終回で倒れたアリューシアには、
その先の行動がある。
ただし、そこへ進む前に
彼女は長く握ってきた剣を手放す。
次の章で確かめたいのは、
負傷した体とは別に残ったその喪失だ。
★第6章 生き残った彼女が失ったもの
| 比較 | 古い愛剣 | 新しい剣 |
|---|---|---|
| 由来 | 道場を出る際にベリルから授かる | ベリルとバルデルが今の彼女のために用意 |
| 使った年月 | 約10年近く | これから使っていく一本 |
| 転機 | キマイラ戦で損傷 | 古い剣の長さ・重心も参考に製作 |
| 意味 | 弟子だった頃からの時間 | 騎士団長へ成長した現在のアリューシア |
ここから先は、アリューシアの愛剣と新しい剣について、原作の展開に触れる。
ベリルから授かった餞別の剣が、キマイラ戦で傷む
最終回の戦いでアリューシアが
失いかけたのは命だけではない。
キマイラを倒した際、彼女が長年
握ってきた剣も使えない状態になった。
モーリスに蹴られた場面と
剣が傷んだ場面は別である。
体への一撃はモーリス戦、
愛剣の損傷はその前のキマイラ戦。
ここを分けて追うと、彼女が一日のうちに
重ねて受けた痛手が見えてくる。
その剣は、道場を離れるアリューシアへ
ベリルが授けた餞別だった。
騎士団長になる前から握り続け、
もっと良い剣を手にできる立場に
なってからも使っている。
第1期第1話でベリルを訪ねた時点で、
彼女はすでに多くの騎士を率いていた。
それでも師から受け取った一本を
手放さずにいたことが、二人の歩みを
無言のうちに伝えている。
原作では以前、ベリルが鍛冶屋で
新しい剣を勧めようとしても、
アリューシアは簡単に乗らない。
ベリルから見れば、昔渡した剣より
今の彼女に合う武器はほかにもある。
しかし彼女にとっては、強度や切れ味だけで
交換できる一本ではない。
騎士団長としての現在と、
道場で師に学んだ過去が、
同じ柄の上につながっている。
キマイラ戦の前、ベリルは彼女へ、
事態が収まれば新しい剣を贈ると伝える。
だから大切な剣を守るために
攻撃を弱めず、思い切り振ってほしい。
アリューシアはその言葉を受けて、
硬い相手へ全力で剣を届かせる。
彼女が躊躇なく命を守る側へ踏み込めたのは、
古い剣を失った後のことまで
ベリルが引き受けてくれたからだろう。
実際、キマイラの獅子頭が
ベリルの攻撃で姿勢を崩すと、
アリューシアは喉へ突きを放つ。
敵は倒れたが、長く使った剣の先端も傷む。
勝った直後に彼女の表情が沈むのは、
手元の一本に何が起きたかを
本人が分かっているからだ。
守るべき人々は守れた。
その代わりに、師から受け取った剣を
これまで通り使うことはできなくなった。
それでもアリューシアは、
傷んだ剣を手に次の戦いへ向かった。
モーリスの背後へ回り込んだときも、
剣の先端にはすでに損傷がある。
刃の部分は残っているため、
彼女の技術なら攻撃を届かせられる。
あの斬撃が反撃されたのは、
剣を傷めたから動きが鈍ったという
単純な話ではない。愛剣を失いかけても、
彼女は仲間と戦う位置に立っていた。
事件が終わってからも、
アリューシアの表情は晴れない。
腹部を蹴られた痛みだけでなく、
大切にしてきた剣を失ったことも重い。
スレナと別れ、騎士たちのもとへ戻り、
日常へ帰ることはできる。
しかし剣士が次の戦いへ向かうには、
手に持つべき一本を決めなければならない。
そこでベリルが戦場で交わした約束が
実際の行動へ変わっていく。
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意外にも、最終回でアリューシアが失ったのは「命」ではなく、長年使い続けた愛剣だった!
ベリルから授かった剣を傷めながら、それでもアリューシアはモーリス戦へ向かう。剣に込められた師弟の時間を知ってから見返すと、キマイラ戦後の表情まで違って見えてくる。
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ベリルが新しい剣を贈り、師弟が再び前を向く
教都の事件から一か月ほど後、
ベリルはアリューシアを連れて
王都のバルデルの鍛冶屋へ通う。
店に並ぶ剣はどれも優秀で、
アリューシアが手に取れば
すぐ使いこなせそうなものばかりだ。
それでもベリルはその場で一本を選び、
約束を済ませようとはしない。
実際に振るう彼女と一緒に、
次の剣を探し続ける。
鍛冶師のバルデルも、ベリルの元弟子だ。
彼は剣士として頂点を目指すためではなく、
剣を使う人の感覚を知るために道場へ通った。
第1期から続く師弟の縁が、
アリューシアの新しい武器を作る場で
再び交わる。ベリルが使い手の腕を知り、
バルデルがその腕に応える剣を打つ。
アリューシアは完成したものを
自分の手で確かめる立場にいる。
バルデルは傷んだ餞別の剣を預かり、
長さや重み、重心を調べる。
十年近く使った一本なら、
アリューシアの体には握った時の感覚が
深く染みついているはずだ。
新しい剣を作るからといって、
長く培った感覚を捨てさせはしない。
以前の剣を手掛かりにしながら、
今の彼女が振るうための一本を考える。
ただ、昔の剣と似ているだけでも
ベリルは満足しない。
アリューシアなら優れた市販の剣も
使いこなせる。それは彼女の腕が
武器に合わせられるという話だ。
ベリルが望むのは反対に、
剣の方が今の彼女の力へ応えること。
キマイラ戦で硬い相手へ踏み込み、
モーリス戦で仲間の連携を締めた
騎士団長を、昔の道具の限界へ
押し込めたくないのである。
そのためにベリルは、以前倒した
ロノ・アンブロシアの核を持ち込む。
核を譲ったのはルーシーだ。
バルデルは硬い素材を少しずつ削り、
エルヴン鋼と合わせる量を試す。
師が選んだ素材を、元弟子の鍛冶師が
剣へ仕上げていく。
傷んだ古い剣をそのまま取り戻すのではなく、
彼女がこれから使う武器を作るための仕事だ。
完成した剣を鞘から抜くと、
刃は明るい銀色ではなく薄墨色をしている。
アリューシアは手に取り、
軽く振って感触を確かめる。
さらにバルデルが用意した巻き藁を、
鍛冶屋の外で実際に斬る。
彼女の一振りを受けた巻き藁は
勢いよく飛び散らず、斬られた上側が
少し遅れて落ちる。余計な力を加えず
刃を通したことが分かる場面だ。
モーリス戦で地面へ倒れた
アリューシアを覚えていると、
この試し斬りの姿には力がある。
剣を構え、踏み込み、自分の腕で
新しい刃を振るっている。
バルデルへ感謝を伝えた彼女は、
その一本を受け取る。
最終回の一撃は命を奪わず、
剣を振るう未来も奪わなかった。
失った愛剣の後には、今の彼女に
ふさわしい新たな剣が続いている。
★第7章 アリューシアのその後は、何へつながる?
| 時期 | アリューシアとベリル |
|---|---|
| 道場時代 | ベリルが師、アリューシアが弟子 |
| 第1期第1話 | アリューシアがベリルを王都へ招く |
| 第2期最終回 | 共に戦い、アリューシアが負傷する |
| 事件後 | ベリルが新しい剣を贈る約束を果たす |
| さらにその後 | 新しい剣を携え、再び仲間と戦場へ立つ |
| 最終回の意味 | 退場ではなく、次のアリューシアへつながる転機 |
ここから先は、アニメ第2期最終回より後の原作で描かれるアリューシアの行動に触れる。
新しい剣に込められた、かつての弟子への信頼
モーリス戦で倒れたアリューシアの
その後をたどると、物語は再び
彼女が剣を握る場面へ行き着く。
ベリルが贈った新しい剣は、
失った愛剣と同じものではない。
だが、長年使った剣の長さや重心を
バルデルが確かめ、今の彼女の腕に
応えられるよう作った一本である。
第1期第1話でアリューシアが
片田舎の道場を訪れたとき、
ベリルは彼女に推される形で
王都へ向かった。元弟子は師の腕を
信じていたのに、ベリル自身は
自分への評価を受け止め切れない。
その関係を思い出すと、剣を贈る
側へ回ったベリルの変化も見えてくる。
今度は彼が、アリューシアの力を
十分に発揮できる剣を求めている。
アリューシアなら、店に並ぶ良い剣を
選ぶだけでも使いこなせただろう。
本人も、手になじむ一本があれば
振れると考えていた。だがベリルは、
彼女が道具に合わせるだけで
終わらせたくなかった。
キマイラの隙を逃さず喉へ突きを届かせ、
モーリスの背後へ瞬時に回った剣士には、
その速さを受け止める武器が要る。
師は元弟子の現在の腕を見ていたのだ。
バルデルが完成させた剣は、
黒い鞘に納まり、抜けば
薄墨色の刃が現れる。
アリューシアは鍛冶屋の外に置かれた
巻き藁へ向かい、自分の足で踏み込む。
一振りの後、斬られた上側が
少し遅れて落ちる。
モーリスに蹴られ、地面を転がった
あの日の姿とは違う。
彼女の足は再び前へ出て、
剣は狙った場所を通っている。
この試し斬りで確かめられるのは、
新しい剣の切れ味だけではない。
アリューシアが負傷を越え、
剣士としての動きを取り戻していることだ。
ベリルが見つめる前で彼女は刃を振り、
バルデルの仕事を自分の感覚で認める。
戦場で「新しい剣を贈る」と伝えた
ベリルの言葉が、実際に使える一本となって
アリューシアの手へ渡る。
古い剣には、ベリルの道場で学んだ
年月と、卒業時に受け取った思い出がある。
新しい剣には、そこから騎士団長へ
成長した彼女を、師が見ている現在がある。
だから二本は、単に古い武器と
性能の良い武器という関係ではない。
アリューシアが積み重ねた時間を
踏まえたうえで、これからの戦いに
手を伸ばすための交代なのである。
それはモーリス戦の痛みを、
なかったことにする展開でもない。
愛剣は傷み、アリューシア自身も
一撃で戦えなくなった。
守る側に立ってきた騎士団長が
仲間に守られる時間もあった。
ベリルはその結果を知ったうえで、
次に彼女が剣を振るときのことを考える。
最終回で途切れたように見えた歩みが、
師弟で選んだ剣を通じて続いていく。
倒れた最終回の先にも続く、アリューシアとベリルの物語
原作のさらに先では、
アリューシアが新しい剣を
携えて登場する。
ベリルたちのもとへ現れた彼女は、
黒い鞘の剣を身に着け、
再びスレナとも顔を合わせる。
教都で別れた二人の関係も、
モーリス戦を最後に途絶えていない。
最終回で倒れた姿だけを知っていると、
彼女がその後も自分の足で動き、
仲間のもとへ来る場面は力強く映る。
しかも新しい剣は、受け取って
大切にしまわれるだけではない。
後の戦いでは、ベリルが
アリューシアへ敵の後ろ脚を狙うよう告げ、
彼女は持ち前の速さで回り込む。
前方でベリルたちが攻撃を重ねるのと
同時に、アリューシアも後方から斬りつける。
一人で敵を倒すためではなく、
仲間が決め手を放つ隙を作る動きだ。
モーリス戦でも彼女は、
ベリルたちの連携を受けて
最後に背後へ回った。
あの時は、常識外れの反撃で倒された。
その後の戦いでは、ベリルの呼び掛けに応じ、
再び別の角度から剣を届かせている。
同じように仲間と戦場を動く姿を見ると、
あの日の敗北がアリューシアの
最後の戦いではなかったと実感できる。
第1期第1話では、アリューシアが
ベリルを王都へ招いた。
第2期最終回では、ベリルのそばで
モーリスへ挑み、倒れても生き残った。
その先では、ベリルが彼女のために
新たな剣を選び、彼女がそれを
戦いの場へ持っていく。
一方だけが相手を支え続けるのではない。
道場を出た後も、二人はそれぞれの
力が必要になる場所で関わり続けている。
アリューシアがベリルへ抱く思いも、
最終回の負傷によって消えるわけではない。
彼女は師を尊敬し、その先の気持ちも
抱えたまま、騎士団長として歩んでいる。
だから今後を知りたくなる人には、
「生きていた」だけでは少し足りない。
彼女がどの剣を手に取り、
ベリルと再びどう並んで戦うのかまでが、
あの一撃の後に続く話だ。
もちろん原作で起きた出来事が、
アニメの次のシリーズで何話に描かれるかは
別の問題である。第2期の最終回だけで
確かめられるのは、アリューシアが
生き延び、スレナと別れるところまでだ。
新しい剣を手にしてからの戦いは、
現時点では原作で描かれた彼女の先の姿として
受け取るのが正確だろう。
「あそこで死んだの?」と思った場面から
目を離さずに進むと、答えは一つに定まる。
アリューシアはモーリスの攻撃で
戦えなくなったが、死亡していない。
最終回の後半にはスレナと顔を合わせ、
原作ではベリルから新しい剣を受け取る。
守る側だった彼女が一度倒れ、
仲間に支えられて、また剣を振るう。
あの場面は退場の結末ではなく、
アリューシアの続きへつながっていた。
片田舎のおっさん、剣聖になるIIまとめ
『片田舎のおっさん、剣聖になるII』の記事を、大聖堂襲撃・モーリス教皇とスフェン教・ロゼとホワイト・メイデン・ハノイとヴェルデアピス傭兵団・アリューシア・スレナ・ミュイなどに分けてまとめています。
ベリル、アリューシア、ロゼ、ハノイ、モーリス、ガトガ、ヴェスパー、スレナなど、気になる人物や物語の謎はこちらから探せます。


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