無の世界は、人・魔・獣・海・天・龍という六つの世界に囲まれた、六面世界の内側にある特殊な空間です。
古代龍族の壁画では、別の世界へ渡る時には無の世界を経由するとされ、現在の召喚術や転移魔術もそこへ至る研究から派生したことが示されています。
六面世界と無の世界を追うと、フィットア領転移事件、ナナホシの研究、古代龍族、五龍将、そしてヒトガミまで別々に見えた設定が一つにつながります。
第1章 結論|無の世界は六面世界の内側にある特殊な空間
龍・人・魔・獣・海・天の六世界が六面体のようにつながり、その中央部に「無」がある
無の世界とは、
人界の果てや魔大陸の地下にある土地ではない。
龍・人・魔・獣・海・天という六つの世界に囲まれた、
六面世界そのものの内側に存在する特殊な空間。
原作で老デウスが古代龍族の遺跡を調べ、
壁画を読み解いたことで、その構造へ辿り着いている。
六つの世界は、
一つの巨大な大陸を六地域へ分けたものではない。
それぞれ独立した世界として存在し、
六面体の各面のように配置されていた。
人の世界。
魔の世界。
獣の世界。
海の世界。
天の世界。
龍の世界。
その六面に囲まれた内部が無の世界になる。
だから名称の「無」は、
何も設定されていない空白ということではない。
通常の生物が暮らす六つの世界とは性質が異なり、
世界と世界の間に存在する領域。
古代龍族はそこへ入る方法を研究し、
別世界へ移動する技術まで追っていた。
後の召喚術や転移魔術も、
この研究とつながっていく。
現在の物語だけを見ると、
人間も魔族も獣族も同じ地図上に存在している。
第1期でルーデウスが魔大陸へ飛ばされても、
海を越えてミリス大陸へ移動し、
さらに中央大陸へ戻ることができた。
そのため「六世界」と聞いても、
六大陸の別名に見えやすい。
しかし古い時代は違う。
六つの世界が別々に存在していた。
その一部が崩壊し、
現在は人の世界を中心とする形へ変わっている。
今の地理だけを見ていても、
古代龍族が語る六面世界の姿は分からない。
だからケイオスブレイカーの壁画が重要になる。
第3期でルーデウスたちが空中城塞へ入ると、
城内には現在の常識だけでは読み解けない遺物や壁画が残る。
ペルギウス自身も、
古代龍族とラプラス戦役へつながる人物。
ナナホシは転移。
ルーデウスは召喚。
そこへ六面世界の古い記録が重なり、
物語序盤から出てきた「空間を越える現象」が一つにつながっていく。
無の世界は、
ヒトガミがいる場所として重要なのは確か。
ただしそれだけではない。
六つの世界を分ける空間。
世界間移動の経由点。
古代龍族が研究していた場所。
召喚と転移の源流へつながる場所。
複数の設定が交差する中心部になる。
ヒトガミがいる場所でもあるが、この記事では「世界を越える空間」として見る方が本質に近い
無の世界という言葉を知るきっかけは、
ヒトガミになる場合が多い。
老デウスの日記では、
長年の調査の末に、
ヒトガミが無の世界の中心にいるところまで突き止める。
だから「ヒトガミの隠れ家」とだけ覚えても、
大筋では間違いではない。
ただ、
それだけだと無の世界の役割をかなり狭く見ることになる。
古代龍族が調べていたのは、
ヒトガミ一人の住所だけではない。
六面世界同士をどう越えるか。
無の世界へどう入るか。
世界の壁をどう突破するか。
もっと根本的な移動技術だった。
第2期第9話「白い仮面」では、
ナナホシがフィットア領転移事件を調べるため、
召喚魔術と転移の共通点を追っている。
日本から来た彼女にとって、
異世界間移動を再現できるかどうかは帰還そのものに直結する。
小さな物体から実験し、
魔法陣を改良し、
召喚と転移を同じ系統の技術として考え始める。
第3期では、
その研究先にペルギウスがいる。
召喚魔術の大家。
多数の転移魔法陣を管理。
古代龍族の遺産であるケイオスブレイカーを所有。
つまりルーデウスとナナホシが、
転移という疑問を追った先で、
世界の古い構造へ近づいていく形になる。
さらに第1期第8話「ターニングポイント1」を思い返すと、
物語自体が巨大な転移から大きく動いている。
フィットア領を覆う光。
領民が世界各地へ飛ばされる。
ルーデウスとエリスは魔大陸。
パウロたちも別方向。
当時は災害としてしか見えなかった現象が、
後になるほど世界構造へつながってくる。
無の世界は、
そうした転移現象のさらに奥にある。
単なる背景設定ではない。
第1期から続く転移。
第2期のナナホシの研究。
第3期の召喚術。
古代龍族。
ヒトガミ。
別々だった疑問を、
「世界と世界の間には何があるのか」という一点へ集める場所になる。
第2章 六面世界とはどんな世界?現在の人界だけが最初から存在したわけではない
ルーデウスが幼い頃に学んだ世界の伝承にも、六つの世界と神々の痕跡が残っている
六面世界という設定は、
第3期で突然追加されたものではない。
物語のかなり早い段階から、
六つの世界が存在した痕跡は出ている。
幼少期のルーデウスが、
ロキシーから魔術や言語を教わり、
本を読み始めた時期にも世界の古い伝承へ触れている。
ルーデウスが育ったアスラ王国は人族中心。
周囲で日常的に見るのも人族が多い。
それでも書物の中には、
魔族。
獣族。
海族。
天族。
龍族。
人族とは異なる種族と神々の話が残っている。
現在の地理だけでは説明しきれない古い伝承になる。
第1期では、
ルーデウス自身がそれを実地で経験する。
フィットア領転移事件によって、
エリスと一緒に魔大陸へ飛ばされる。
目覚めた場所は荒野。
見たことのない魔族。
巨大な魔物。
中央大陸の常識とはまるで違う環境。
そこで初めて「世界は自分が知る範囲より遥かに広い」と体感する。
ただし魔大陸は、
古代の「魔の世界」そのものではない。
現在は人の世界の中に存在する大陸。
ここを混同すると六面世界が分かりにくくなる。
魔族が住む魔大陸と、
古代に存在した魔界は同じ概念ではない。
獣族の大森林も同様になる。
古代の六面世界では、
人は人の世界。
魔族は魔の世界。
獣族は獣の世界。
海族は海の世界。
天族は天の世界。
龍族は龍の世界。
それぞれが別々の面に属し、
世界そのものが隔てられていたとされる。
その間には、
簡単には越えられない壁がある。
現在のように船で海を渡れば、
別種族の土地へ行ける構造ではない。
だから世界を越えること自体が、
古代において特別な技術になる。
無の世界が重要になるのもここ。
第3期で登場するペルギウスも、
この古い歴史へ直接つながる人物。
本人は甲龍王。
城は古代龍族の空中城塞。
召喚魔術を極め、
十二の使い魔を従える。
ルーデウスたちは彼と接触したことで、
現在の人界だけを見ていては分からない過去へ入っていく。
六つの世界が崩れた歴史を知ると、現在の魔大陸や獣族の大森林の見え方まで変わる
現在の『無職転生』世界では、
さまざまな種族が同じ世界に暮らしている。
魔族は魔大陸。
獣族は大森林。
海族は海。
天族も人界側に存在する。
龍族に関係する人物も、
人の世界で活動している。
しかし古代は、
最初から混在していたわけではない。
六つの世界が別々に存在し、
それぞれに神がいた。
その均衡が崩れ、
複数の世界が失われていった結果、
現在の世界構造へ近づいている。
六面世界という名称は、
その失われた時代の姿を指している。
この背景があるから、
第1期の魔大陸編も後から違って見える。
ルーデウスは、
単に危険な外国へ飛ばされたと思っている。
ルイジェルド。
キシリカ。
多種多様な魔族。
彼らが暮らす大陸を歩く。
しかし魔族という存在自体は、
遥か昔の六面世界へ歴史を遡れる。
第2期で再会するナナホシは、
さらに外側から来た存在。
日本という、
六面世界とは別の場所から転移してきた。
彼女がこの世界の召喚術を調べることで、
「同じ世界の遠距離移動」だけだった話が、
「世界そのものを越える移動」へ変わる。
だから六面世界を知ることは、
昔の神話を覚えるだけではない。
なぜ召喚術が存在するのか。
なぜ異世界転移が可能だったのか。
なぜ古代龍族が空間移動を研究したのか。
現在起きている現象の土台になる。
そして六面体の中央には無の世界がある。
一つの面から別の面へ移る。
その途中に中央部を通る。
この構造があるから、
無の世界は単なる「七番目の世界」ではない。
六つの世界に囲まれた、
移動と境界に関わる特殊領域として存在する。
第1期の転移事件。
第2期のナナホシ。
第3期のペルギウス。
物語を追うほど、
六面世界は過去の設定ではなく現在へ近づいてくる。
無の世界を知るためには、
まずこの六つの面が世界の原型だったことを押さえる必要がある。
第3章 別の世界へ移動する時、なぜ無の世界を通る?
六面世界では、一つの面から別の面へ渡る時に中央の「無」を経由する
六面世界を六つの面で囲まれた構造として考えると、
無の世界がどこにあるのかも見えやすい。
龍・人・魔・獣・海・天の六つの世界が外側を形作り、
その内側に空洞のような領域が残る。
そこが無の世界。
原作では、ある面から別の面へ移る時には、
この中央部を通らなければならないと記されている。
ただし、
人界で地面を掘り続ければ無の世界へ落ちるわけではない。
六面体という表現は、
現在の地理をそのまま立方体へ置き換えた話ではない。
それぞれが独立した世界として存在し、
世界同士の境界を越える時に、
通常空間とは違う無の世界を経由する構造になる。
ここで思い出したいのが、
第1期第8話「ターニングポイント1」のフィットア領転移事件。
ルーデウスとエリスは、
光に飲み込まれた次の瞬間、
中央大陸から遥か離れた魔大陸へ飛ばされている。
飛行して移動したわけでも、
途中の景色を見たわけでもない。
一つの場所から消え、
別の場所へ突然現れている。
同じ転移現象は、
第2期以降さらに具体的になる。
ナナホシは、
オルステッドと旅していた時に使った転移魔法陣の位置を記録しており、
その地図をルーデウスへ渡す。
ベガリット大陸へ向かう際、
ルーデウスとエリナリーゼは森の奥にある魔法陣へ入り、
長い船旅をせず一気に大陸間を移動する。
転移前。
魔法陣の上に立つ。
魔力を流す。
次の瞬間には別の場所。
途中で海や山を通過した感覚はない。
現在使われる転移魔法陣だけを見ると、
入口と出口が直接つながっているように見える。
しかし古代龍族の記録まで遡ると、
その背景に「世界間をつなぐ領域」として無の世界が存在する。
老デウス自身も、
壁画を読んだ際に転移した時の感覚を思い返している。
空間を横へ走るというより、
一度どこか別のところへ吸い込まれ、
そこから目的地へ出るような感覚。
その経験と六面世界の壁画が一致したことで、
召喚や転移と無の世界が一本につながっていく。
つまり無の世界は、
六面世界の中央に「何もないから存在する場所」ではない。
世界と世界の境界を越える時、
経路として機能し得る領域。
現在のルーデウスたちが使う転移魔法陣は、
その巨大な世界間移動技術を、
より限定された形へ落とし込んだものと考えられる。
人界の中だけを移動する転移と、六面世界そのものを越える移動では規模が違う
ここで注意したいのは、
現在の転移魔法陣を使うたび、
必ず別世界へ出入りしているという話ではないこと。
ルーデウスがベガリット大陸へ移動した場合も、
中央大陸から魔大陸へ移動する場合も、
現在は同じ人の世界の中にある地点同士を結んでいる。
古代の世界間移動とは規模が違う。
ナナホシが持っていた転移魔法陣の地図も、
好きな場所へ自由に飛べる万能地図ではない。
特定の場所に残された魔法陣同士を使う。
入口がある。
対応する出口がある。
場所が分からなければ使えない。
破壊されれば経路そのものが失われる。
第2期のベガリット大陸行きでも、
ナナホシが地図を渡したから短距離で到達できた。
魔法陣がなければ、
ルーデウスは海を越え、
長期間かけて砂漠を移動する必要があった。
転移技術が存在しても、
接続地点という制約は残る。
後にはルーデウス自身も、
双方向転移魔法陣の性質を利用し、
遠方へ魔導鎧を呼び出す方法まで考案する。
片側に魔導鎧を置き、
もう片側の魔法陣を起動する。
すると両側の物体が交換される。
この使い方からも、
転移は「どこでも自由に飛ばす術」ではなく、
二つの地点を結ぶ技術だと分かる。
一方、
古代龍族が目指していたのはもっと大きい。
人界から龍界。
龍界から別の世界。
六面世界そのものの壁を越える移動。
そのためには中央にある無の世界を経由し、
さらに通常とは違う方法で通過しなければならない。
だから無の世界を知ると、
転移魔法陣の見え方も変わる。
ルーデウスたちが便利に使う大陸間移動は、
完成した技術の末端。
その源流まで辿ると、
古代龍族が世界そのものを越えようとした研究へ行き着く。
無の世界は、その研究の中心にあった空間になる。
第4章 召喚術と転移魔術は無の世界から生まれた?
ナナホシが第2期から続けてきた召喚研究は、世界を越える技術へ少しずつ近づいていた
召喚術と転移魔術は、
アニメではかなり早い段階から別々に登場する。
しかし原作後半で古代龍族の記録が出ると、
二つとも無の世界を介した世界間移動の研究から派生した技術だったことが示される。
つまり全く別の魔術ではなく、
根元では「ある場所から別の場所へ存在を移す」という同じ方向を向いている。
第2期第9話「白い仮面」で、
ルーデウスがナナホシと再会した時、
彼女はすでに召喚魔術を徹底的に研究している。
攻撃魔術のように詠唱を使うのではなく、
精密な魔法陣を描く。
形。
塗料。
流す魔力。
条件を一つずつ変えて、
何が起きるか実験を重ねる。
ナナホシの目的は、
強い魔獣を呼び出すことではない。
日本へ帰ること。
自分がどうやってこの世界へ転移してきたのかを再現し、
逆方向へ戻る方法を作ろうとしている。
だから召喚魔術を、
異世界転移へ近づくための技術として利用している。
研究が進むと、
小さな物品を呼び出す段階から、
異世界にある物品そのものを召喚しようとする。
原作では大きな魔法陣を用意し、
ルーデウスが魔力を流す。
ナナホシは、
大きく複雑な物体ほど多くの魔力が必要になることまで実験で確かめている。
この実験で重要なのは、
魔法陣の向こう側が単なる隣町ではないこと。
ナナホシが狙っているのは、
自分が元いた別世界。
つまり第2期の時点ですでに、
召喚術は「六面世界内で物を呼ぶ魔術」から、
「異なる世界を結ぶ可能性のある技術」へ踏み込んでいる。
だから後に無の世界が出てきても、
突然話が飛んだわけではない。
第1期ではフィットア領転移事件。
第2期ではナナホシの召喚実験。
迷宮編では転移魔法陣。
第3期ではペルギウスの召喚術。
ずっと「離れた空間をどう結ぶか」という問題が続いている。
ペルギウスの召喚術までつながると、古代龍族が残した技術の大きさが見えてくる
第3期でルーデウスがケイオスブレイカーへ入ると、
召喚術はさらに古い技術として描かれる。
ペルギウスは十二の使い魔を従え、
シルヴァリルから召喚魔術の講義も受けられる。
ルーデウスたちが大学で触れていた研究より、
遥かに長い歴史と実用例が城内に残っている。
召喚にも種類がある。
現在この世界に存在する魔獣を呼び寄せるもの。
精霊そのものを作り出すもの。
魔法陣を使い、
術者の魔力で条件を成立させる。
アルマンフィたち十二の使い魔も、
ペルギウスの召喚術を象徴する存在になる。
一方、
ナナホシがやろうとしていることはさらに特殊。
すでに存在する魔獣を近くへ呼ぶのではなく、
異世界にある物をこちらへ移す。
研究が進めば、
果物。
生物。
さらに大型の動物まで対象が広がっていく。
単なる召喚から、
世界をまたぐ転移装置へ近づいていく。
この方向が、
古代龍族の壁画と一致する。
老デウスが読んだ記録では、
召喚術や転移魔術は、
無の世界を通じて別世界へ至る技術から派生したもの。
現在は用途ごとに別の魔術として発展しているが、
源流では世界間移動の研究だったと分かる。
そう考えると、
第1期のフィットア領転移事件も、
第2期のナナホシも、
第3期のペルギウスも完全に別の話ではない。
ルーデウス自身も、
何度も転移魔法陣を利用する。
異世界人ナナホシは、
その技術を逆向きに使って日本へ戻ろうとする。
ペルギウスは、
古代から続く召喚技術を保持している。
そして最も古いところまで遡ると、
古代龍族が無の世界へ入ろうとしていた。
彼らが欲しかったのは、
大陸間を数日短縮する便利な交通手段ではない。
世界の壁そのものを越える方法。
その研究から枝分かれした技術が、
現在の召喚術と転移魔術として残っている。
だから無の世界は、
ヒトガミがいるという一点だけで重要なのではない。
『無職転生』で何度も使われてきた、
「呼び出す」
「飛ばす」
「世界を越える」
という現象の源流へ置かれている。
第1期から積み上げられてきた転移設定を遡ると、
最後に無の世界へ到達する構造になっている。
第5章 ケイオスブレイカーの壁画と古代龍族は何を調べていた?
※ここから先は、第3期より先の原作内容を一部含みます。古代龍族の壁画や老デウスの調査を先に知りたくない方はご注意ください。
老デウスが見つけた壁画には、無の世界へ入る方法を探した古代龍族の試行錯誤が残っていた
無の世界と古代龍族が直接つながるのは、
老デウスが各地の龍族遺跡を調べ始めてから。
ヒトガミへの復讐を続ける老デウスは、
単に強い魔術を身につけるだけでは足りないと気づく。
どれだけ攻撃力を高めても、
相手がどこにいるか分からなければ戦えない。
そこで世界そのものの構造を追い始める。
その過程で発見するのが、
古代龍族が残した壁画。
そこには、
龍・人・魔・獣・海・天という六つの世界。
六面体のような配置。
中央の無の世界。
さらに、
無の世界の中心へ到達しようとした古代龍族の研究まで描かれていた。
老デウスは壁画を読み、
召喚術や転移魔術が、
無の世界を通じて別世界へ至る技術から派生したことまで知る。
ここで第2期のナナホシの研究と、
第3期のペルギウスの召喚魔術が、
遥か昔の龍族が行っていた世界間移動研究へつながる。
現在使われている魔術は、
巨大な研究体系の一部だけが残ったものになる。
しかし最初に見つけた壁画は完全ではない。
肝心の部分が崩れている。
無の世界へ至るため、
古代龍族が何を試したかまでは分かる。
ところが最後の手順、
実際に中心へ入るための部分だけが読めない。
老デウスにとっては、
目的地の存在を知ったのに入口だけ消えている状態になる。
そこで調査は終わらない。
老デウスはさらに魔大陸へ向かい、
山奥にある別の古代龍族遺跡を探す。
周囲には危険な魔物。
簡単に人が近づける土地ではない。
本人も、
なぜ龍族はこれほど危険で分かりにくい場所へ遺跡を残したのかと疑問を抱きながら、
内部の攻略へ入っていく。
そこで見つかるのが、
以前の壁画の完全版。
崩れて読めなかった部分が残っている。
老デウスが何年も探していた、
無の世界の中心へ至る方法がようやく見える。
その答えとして描かれていたのが、
古代龍族が作った五つの秘宝だった。
ここで壁画の役割が変わる。
第3期のケイオスブレイカーで見る壁画は、
遠い昔の神話や英雄譚のように見える。
しかし老デウスが追った龍族遺跡では、
壁画そのものが技術記録。
世界構造。
転移経路。
無の世界。
そして入口を開くための条件まで残した、
古代龍族の研究資料として働いている。
ケイオスブレイカーに残る龍族の紋章も、六面世界と五龍将へつながる手掛かりになる
第3期でルーデウスたちがケイオスブレイカーへ入った時点でも、
古代龍族へつながる痕跡はすでに複数出ている。
謁見の間には、
さまざまな龍族の紋章が並ぶ。
その一つを見たザノバは、
以前ルーデウスの家の地下で見つかった自動人形の設計図を思い出す。
設計図にあった紋章。
冥龍王マクスウェル。
甲龍王ペルギウス。
さらに転移遺跡を隠していた魔道具には、
聖龍帝シラードと考えられる紋章。
それまで別々の場所で見ていた印が、
ケイオスブレイカーへ集まっている。
この場面は、
単なる模様当てではない。
後から五龍将という存在を知ると、
それぞれの紋章が古代龍族の中枢人物へつながる。
ペルギウスだけが特別なのではなく、
その背後に複数の龍将と古い技術体系が存在していたことが見えてくる。
第3期では、
ルーデウスたちはまだその全容を知らない。
ザノバは人形技術への興味から紋章を追う。
ナナホシは転移。
ルーデウスは召喚。
ペルギウスは古代龍族の知識を持つ。
別々の関心が、
結果として同じ龍族の歴史へ近づいていく。
老デウスは、
その数十年先で答えまで辿り着く。
壁画を読み。
別の遺跡を探し。
完全版を見つける。
そこから五つの秘宝を知る。
第3期で背景に見えていた紋章や壁画が、
未来ではヒトガミへ至るための具体的な手掛かりへ変わっていく。
だからケイオスブレイカーの壁画を、
「昔の龍族が描かれている」で終わらせるともったいない。
そこには、
六面世界がどんな形だったのか。
世界をどう越えようとしたのか。
無の世界へどう入ろうとしたのか。
古代龍族が積み重ねた研究の痕跡が残っている。
第1期から続いた転移。
第2期のナナホシ。
第3期のケイオスブレイカー。
そして老デウスが追う龍族遺跡。
壁画は、
その全部を「世界を越える技術」という一本の線へ変える存在になる。
第6章 五龍将の五つの秘宝は無の世界とどうつながる?
古代龍族が作った五つの秘宝を集め、龍神の秘術を使うことで無の世界への扉が開く
老デウスが完全版の壁画で見つけた答えは、
五つの秘宝。
古代龍族が作り、
五龍将がそれぞれ一つずつ持っていた。
この五つをそろえることで、
無の世界へ到達できると壁画に残されていた。
ただし、
秘宝を五個並べれば自動的に扉が開くわけではない。
老デウスがペルギウスのもとへ戻って確認すると、
世界への扉を開くには、
龍神に伝わる秘術まで必要だと判明する。
つまり五龍将の秘宝と龍神の術。
両方が揃って初めて入口を作れる。
ここで老デウスは、
ようやくヒトガミへ届く現実的な道を見つける。
何十年も探した本拠。
無の世界。
その中心。
そして入口を開く五つの秘宝。
ところが希望が見えた直後、
もっと大きな問題が出てくる。
五龍将のうち、
すでに死亡している者がいる。
秘宝も行方不明。
さらに最後の一人は姿を消している。
老デウス自身もすでに六十歳を超え、
身体は限界へ近づいている。
入口の構造を知っても、
必要な鍵を集める時間が残っていない。
そこでペルギウスへ相談する。
ペルギウスは、
最後の一人はいずれ姿を現すと告げる。
さらに龍神の秘術については、
オルステッドなら知っている可能性があるとも話す。
老デウスにとって、
ここで初めて五龍将・ペルギウス・オルステッド・無の世界が同じ線上へ並ぶ。
しかし老デウスは、
オルステッドの居場所すら分からない。
最後の五龍将が現れるまで数十年。
自分の寿命はそこまで持たない。
日記にも、
「秘宝は手に入らない」「無の世界へは行けない」という絶望が残る。
目的地まで見つけながら、
入口の前で止まった形になる。
だから五つの秘宝は、
単なる強力な魔道具ではない。
攻撃力を上げる装備でもない。
六面世界の境界を越え、
無の世界へ入る扉を開くための鍵。
古代龍族が世界間移動を研究した末に作った、
最重要級の遺産になる。
五龍将の秘宝を追うと、ペルギウスやラプラスまでヒトガミ討伐の道へ入ってくる
五つの秘宝が五龍将に対応すると分かると、
これまで登場した龍族系人物の見え方も変わる。
第3期で身近になる甲龍王ペルギウス。
古代の技術へ名前が出る冥龍王マクスウェル。
転移遺跡に関係する聖龍帝シラード。
さらに物語の大敵である魔龍王ラプラス。
彼らが同じ五龍将へつながっている。
後にオルステッドは、
ヒトガミへ到達するには秘宝を集めなければならないとルーデウスへ話す。
四つまでは回収可能。
しかし最後の一つは、
約八十年後に復活するラプラスが持っている。
だからヒトガミ討伐には、
ラプラスの復活そのものが必要になる。
ここがかなり大きい。
普通なら、
魔神ラプラスの復活は絶対に防ぎたい出来事。
第1期からペルギウスの伝説を読めば、
四百年前に大戦を起こした最大級の敵だと分かる。
ところがオルステッドにとっては、
倒すだけではなく、
秘宝を回収するために復活してもらわなければ困る相手でもある。
さらに狂龍王カオスの分については、
すでにオルステッドが回収済みだと語られる。
残る秘宝も、
ただ落ちている物を拾うのではない。
後には、
五龍将を倒し、
その命と引き換えに取り出す必要があることまで明らかになる。
ここで秘宝の重さが一段変わる。
そうなると、
第3期でルーデウスと良好な関係を築いているペルギウスも例外ではない。
甲龍王。
ケイオスブレイカーの主。
ナナホシを守り、
ルーデウスへ召喚術や転移の知識を与える人物。
それでも五龍将の一人である以上、
ヒトガミへ届く道の上では秘宝を持つ側になる。
ルーデウスも後に、
「龍族の秘宝とは五龍将の命なのではないか」と疑い始める。
その疑問をオルステッドへ直接聞けば、
ペルギウスとの関係まで壊れる可能性がある。
だから聞けない。
ヒトガミを倒すための道が、
単純な善悪では進めないものになっていく。
無の世界の記事で五龍将まで扱う価値はここにある。
世界の中心へ行くには五つの鍵が必要。
その鍵を持つのが五龍将。
五龍将の一人がペルギウス。
もう一人がラプラス。
だから無の世界という場所を追っただけで、
現在の仲間と未来の敵が同じ目的地へつながってしまう。
第3期で壁画や紋章を見ている段階では、
そこまで重い話には見えない。
しかし古代龍族の研究を最後まで辿ると、
壁画。
五龍将。
秘宝。
龍神の秘術。
ラプラス。
ペルギウス。
全部が「無の世界への扉をどう開くか」という一つの問題へ集まってくる。
第7章 無の世界は『無職転生』の世界設定をつなぐ中心点
転移事件・ナナホシ・召喚術・古代龍族・五龍将が、最後に「世界をどう越えるか」へ集まっていく
無の世界が重要なのは、
ヒトガミがそこにいるからだけではない。
第1期から何度も出てきた転移。
第2期で本格化したナナホシの召喚研究。
第3期のペルギウスとケイオスブレイカー。
さらに古代龍族と五龍将。
一見別々だった設定が、最後には「世界をどう越えるか」という一つの疑問へ集まっていく。
始まりは第1期第8話「ターニングポイント1」。
フィットア領上空へ巨大な魔力が集まり、
ルーデウスやエリスを含む住民が一斉に転移する。
当時のルーデウスには仕組みがまったく分からない。
光に飲み込まれ、
次に目覚めた時には魔大陸。
転移そのものが、物語を強制的に別の場所へ動かす災害だった。
第2期へ進むと、
その不可解な現象をナナホシが研究対象へ変える。
日本から肉体ごと転移してきた彼女は、
召喚魔術と転移に共通する仕組みを探し、
小さな物体から実験を重ねる。
魔法陣を描く。
魔力を流す。
成功と失敗を記録する。
第1期では災害だった転移が、ここで初めて再現可能な技術として扱われ始める。
さらに迷宮編では、
転移魔法陣が実際の移動手段になる。
長距離を歩かず、
魔法陣から別の魔法陣へ移る。
ベガリット大陸への移動でも、
ルーデウスたちはこの仕組みを使う。
転移はもう偶然起きる怪現象ではなく、
入口と出口を結ぶ具体的な技術へ変わっている。
そして第3期。
ペルギウスの空中城塞へ入ると、
召喚と転移のさらに古い層が見えてくる。
十二の使い魔。
転移魔法陣。
古代龍族の紋章。
壁画。
冥龍王マクスウェルや聖龍帝シラードへつながる痕跡。
現在ルーデウスたちが使う技術の背後に、
もっと古い体系が存在していたことが分かる。
老デウスがその先を追うと、
ついに六面世界そのものへ到達する。
人。
魔。
獣。
海。
天。
龍。
六つの世界。
その中央に無の世界。
さらに世界間移動の研究。
召喚術と転移魔術の源流。
五龍将の秘宝。
これまで散らばっていた要素が、一枚の構造図へ変わっていく。
だから無の世界は、
物語終盤だけの専門用語ではない。
第1期から続いていた「なぜ転移できるのか」。
第2期の「日本へ帰れるのか」。
第3期の「召喚魔術とは何か」。
古代龍族の「世界を越えられるのか」。
全部の奥に置かれた場所になる。
無の世界を知ると、ヒトガミの居場所だけでなく『無職転生』で転移が何度も起きる背景まで見えてくる
ルーデウスの人生を振り返ると、
転移は何度も重要な局面で現れる。
フィットア領転移事件。
ナナホシの異世界転移。
ベガリット大陸への移動。
ケイオスブレイカーの転移魔法陣。
さらに老デウスの時間転移。
物語そのものが、空間や時間を越える現象で何度も大きく動く。
その一つ一つを別の奇跡として見ると、
設定はばらばらに見える。
しかし無の世界を中心へ置くと、
かなり見通しが変わる。
召喚する。
転移する。
世界を越える。
別の場所へ存在を移す。
古代龍族はその根本を研究していた。
ナナホシの研究も、
実はその系譜の延長にある。
彼女は古代龍族の歴史を知らないところから始める。
それでも実験を続けた結果、
別世界の物をこちらへ呼ぶところまで近づいていく。
数千年前の龍族が調べていた問題へ、
現代の異世界人が別の方法から再び近づいている形になる。
ペルギウスも同じ。
本人は召喚魔術の大家。
十二の使い魔を従える。
転移魔法陣を管理する。
古代龍族の城へ住む。
彼の周辺だけを見ると、
召喚・転移・龍族の遺産が異常なほど集中している。
だからルーデウスたちが世界構造へ近づく舞台として、
ケイオスブレイカーが選ばれているのも自然になる。
そして最深部にあるのがヒトガミ。
無の世界の中心へいる。
だからヒトガミは、
単に遠く離れた敵ではない。
普通の世界から直接歩いて行けない場所へいる。
五龍将の秘宝。
龍神の秘術。
古代龍族の研究。
そこまで辿らなければ、
そもそも戦う場所に立てない。
この構造を知ると、
オルステッドがなぜ長い準備を続けるのかも見える。
ヒトガミの場所だけなら知っている。
しかし入口が開かない。
秘宝が揃わない。
ラプラスの復活まで待つ必要がある。
強い敵を見つけて殴れば終わる物語ではない。
第1期では、
ルーデウスは突然転移させられる側だった。
第2期では、
ナナホシと一緒に転移を調べる側へ回る。
第3期では、
召喚と古代龍族の知識へ触れる。
さらに未来では、
世界そのものを越える方法を知る側へ進む。
主人公の理解も、物語と一緒に深くなっていく。
だから「無の世界とは何か?」への答えを、
「ヒトガミがいる場所」だけで終える必要はない。
六面世界の中央。
世界間移動の経由点。
召喚術と転移魔術の源流。
古代龍族が突破しようとした境界。
五龍将の秘宝で扉を開く場所。
これらを全部含んで無の世界になる。
『無職転生』では、
遠く離れて見えた設定ほど後からつながる。
フィットア領の光。
ナナホシの魔法陣。
ケイオスブレイカーの壁画。
五龍将の紋章。
老デウスの日記。
その線を最後まで辿ると、
六面世界の中央にある無の世界へ行き着く。
世界を越えるという物語の根元が、そこに置かれている。
無職転生Ⅲまとめ
『無職転生Ⅲ』の記事を、第3期の放送範囲・ナナホシと転移事件・ペルギウスと空中城塞・未来ルーデウス・オルステッド・魔導鎧・エリスとの再会・ルーデウスの家族などに分けてまとめています。
ルーデウス、エリス、シルフィ、ロキシー、ナナホシ、ペルギウス、オルステッド、ゼニス、アリエル、クリフ、エリナリーゼなど、気になる人物や物語の謎はこちらから探せます。
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