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【無職転生Ⅲ】ギースとは何者?正体・裏切り・ヒトガミの使徒と最後をネタバレ

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ギース・ヌーカディアは、パウロ率いる「黒狼の牙」で情報収集を担い、ルーデウスを「先輩」と呼んでゼニス救出まで共に戦った仲間だが、その正体は幼い頃からヒトガミの助言を受けてきた使徒だった。
それでも仲間との時間まで偽りだったわけではなく、ギースはパウロたちへの情を持ちながら、自分を何度も救ったヒトガミへの恩を選び、最後にはルーデウスを倒すため剣神・北神・闘神まで集めて敵に回る。
つまりギースのネタバレで一番重要なのは、「最初から潜伏していた悪人」ではなく、パウロの仲間として本当に笑った男が、別の恩義も捨てられず、最後には自分の生き方を賭けてルーデウスと敵対した人物だったというところです。

  1. 第1章 ギースとは何者?パウロの仲間だった男の正体をネタバレ
    1. ただの裏切り者ではなく、仲間への情とヒトガミへの恩を同時に抱えていた
  2. 第2章 ギースとパウロはどんな仲間だった?黒狼の牙で担った役割
    1. 黒狼の牙では戦闘員ではなく、情報と実務でパーティを支える役だった
    2. 第1期ではルーデウスとパウロの間にも入り、昔からパウロを知る男として動く
  3. 第3章 ギースはいつからヒトガミの使徒だった?ルーデウスと会う前から続いていた関係
    1. ギースがヒトガミの声を聞き始めたのは、物語終盤ではなく子供の頃から
    2. ゼニスの居場所を突き止めた情報にもヒトガミが関わっていた
  4. 第4章 ギースはなぜルーデウスを裏切る?ヒトガミへの恩を最後まで捨てなかった
    1. ギースはヒトガミを善人だと思っていたわけではない
    2. ルーデウスを嫌っていたのではなく、好きな相手と敵対する方を選んだ
    3. 戦う力を持たない男が、自分にできる方法で恩返しへ向かった
  5. 第5章 ギースは本当に悪者だった?ゼニス救出やルーデウスへの協力は嘘だったのか
    1. 終盤で敵になっても、第1期から第2期までの友情まで偽物だったわけではない
    2. パウロの死まで一緒に経験しているから、「最初から全部ウソ」では片付かない
  6. 第6章 ギースは何を仕掛けた?ルーデウスを倒すため集めた強敵たち
    1. 戦闘能力がないギースは、自分で戦う代わりに「勝てる戦力」を集め始める
    2. 剣神・北神・鬼神が敗れても、最後には闘神バーディガーディを残していた
    3. 最後までギースの武器は「剣」ではなく、人脈・情報・交渉だった
  7. 第7章 ギースの最後はどうなる?ルーデウスとの決着とパウロの仲間としての最期
    1. 広範囲魔術に巻き込まれ、ギース自身も致命傷を負う
    2. 最後の会話では、敵ではなく「センパイ」として見てきた感情が残る
    3. ギレーヌを前にして、最後は黒狼の牙の一人として終わる

第1章 ギースとは何者?パウロの仲間だった男の正体をネタバレ

ここから先は、ギースの立場と原作終盤まで触れる重大ネタバレを含む。
ギース・ヌーカディアは、パウロが率いた冒険者パーティ「黒狼の牙」の元メンバーであり、
戦闘能力ではなく情報収集、交渉、罠、料理、迷宮探索の補助を担ってきたシーフである。
第1期ではルーデウスを「センパイ」と呼ぶ軽妙な男として現れ、第2期ではゼニス救出にも参加した。
しかし原作終盤では、幼い頃からヒトガミの助言を受けてきた使徒だったことが判明する。

アニメでの初登場は第1期第14話。
ドルディア族の村で捕らえられたルーデウスが牢へ入れられると、
先に収監されていたギースが同じ牢の中から気さくに話しかける。
魔大陸の獣族集落という異様な場所でも妙に落ち着いており、
ルーデウスの能力を見てからは年下にもかかわらず「センパイ」と呼び始める。

この時点のギースは、剣を振るう強者には見えない。
実際、ギレーヌのような剣士でもなければ、ロキシーのような魔術師でもなく、
正面戦闘だけなら黒狼の牙の中でも明らかに弱い側に入る。
ところが土地勘、情報収集、料理、野営、交渉、罠解除といった冒険の実務に強く、
戦わなくても仲間を生還させる仕事を幅広く担ってきた。

そのため第1期でルーデウスと別れた後も、
ギースは単なる一話限りの牢仲間では終わらない。
フィットア領転移事件で家族を探し続けるパウロと再び行動し、
昔の黒狼の牙で培った人脈と探索能力を使いながらゼニスの行方を追う。
ここで「パウロの昔の仲間」という立場が再び前面へ出てくる。

さらに第2期第19話「砂漠の旅」へつながるのが、
ギースから届いた「ゼニス救出困難、救援求む」という救援要請である。
ルーデウスは妊娠中のシルフィ、ノルン、アイシャを残すことへ苦悩しながらも、
その手紙を受けて遥かベガリット大陸へ向かう決断をする。
つまりギースの一通の手紙が、転移迷宮編そのものを動かした。

ただの裏切り者ではなく、仲間への情とヒトガミへの恩を同時に抱えていた

ここで重要なのは、
後にヒトガミの使徒だと判明したからといって、過去の協力が全部演技だったわけではないことだ。
ギースは実際にパウロたちと長く冒険し、ゼニス救出にも加わり、
迷宮都市ラパンではルーデウスをパウロの一行へ合流させている。
仲間を助ける行動そのものは、何度も自分の意思で選んでいる。

原作終盤でギースは、
自分が子供の頃からヒトガミの声を聞いていたことを明かす。
危機に陥るたび助言を受け、その言葉によって何度も生き残ってきた。
だからギースにとってヒトガミは、後から突然現れて命令してきた支配者ではない。
人生のかなり早い時期から、自分を助け続けてきた恩人でもあった。

それでもパウロへの友情が消えていたわけではない。
ゼニスの救出に加わったことも、ルーデウスへ救援要請を出したことも、
後で敵へ回るためだけの芝居として見るとギースの行動はつながらない。
彼の中には黒狼の牙への情とヒトガミへの恩義が同時に残り、
終盤ではその二つの間でヒトガミ側へ立つ方を選んだのである。

だからギースの正体を一言で片付けるなら、
「最初から潜り込んでいた悪人」ではない。
パウロの仲間として笑い、ゼニスを救おうと動き、ルーデウスをセンパイと呼んだ男が、
同時に幼少期からヒトガミへ大きな恩を抱えており、
最後にはその恩を返すためルーデウスの敵へ回った人物なのである。

第2章 ギースとパウロはどんな仲間だった?黒狼の牙で担った役割

黒狼の牙では戦闘員ではなく、情報と実務でパーティを支える役だった

ギースとパウロの関係を理解するには、
二人が所属していた冒険者パーティ「黒狼の牙」を外せない。
パウロを中心に、ゼニス、ギレーヌ、エリナリーゼ、タルハンド、ギースが集まり、
それぞれが違う技能を持ち寄って冒険していた。
その中でギースだけは、敵を正面から倒す役ではなかった。

ギレーヌなら剣で敵を斬り、
エリナリーゼなら盾役として前線を支え、タルハンドなら魔術と近接戦をこなす。
対してギースは情報を集め、宿や食料を確保し、罠を警戒し、料理まで担当する。
戦闘の瞬間だけ見れば目立たなくても、
長い旅を続ける冒険者集団には欠かせない仕事をまとめて引き受けていた。

この性質は、第2期の転移迷宮編でも変わらない。
ゼニスが転移迷宮の奥に囚われていると判明すると、
パウロ、ロキシー、エリナリーゼ、タルハンドが攻略の中心となり、
ギースは情報、準備、補助を担いながら迷宮攻略へ加わる。
前衛ではなくても、仲間を目的地へ届かせる役として機能している。

だからパウロが転移事件後に家族を捜す際、
元黒狼の牙の仲間へ協力を求めたのも自然だった。
フィットア領消滅後、パウロは各地へ伝言を残し、
自分に恨みがあっても構わないから元メンバーには捜索を手伝ってほしいと訴えている。
かつて袂を分かった後でも、仲間としての能力を信頼していたことが分かる。

第1期ではルーデウスとパウロの間にも入り、昔からパウロを知る男として動く

ギースの立場が分かりやすいのは、
ルーデウスとパウロが再会した後の険悪な空気である。
転移事件後、必死に家族を捜していたパウロと、
エリスを守りながら魔大陸から帰還したルーデウスは、
互いの苦労を理解できないまま正面衝突してしまう。

パウロは息子ならもっと多くの被災者を助けられたはずだと責め、
ルーデウスも自分がどれほど危険な旅をしてきたか理解されず激昂する。
そこで空気を読んで動くのが、パウロを昔から知るギースである。
剣や魔術ではなく、人間関係の詰まりを解く役を担い、
親子が完全に決裂しない方向へ押していく。

これは黒狼の牙時代の立場とも重なる。
パウロは強いが直情的で、女性関係を含めて問題も多かった。
ギースはそんな男の性格を長く見てきたため、
真正面から説教するのではなく、相手の癖を分かった上で間へ入れる。
戦闘力では測れない対人能力が、ここでも生きている。

第2期では、その関係がさらに重くなる。
ギースはパウロと共にベガリット大陸でゼニスを捜し続け、
自分たちだけでは救出が難しいと判断するとルーデウスへ救援を求める。
そして迷宮都市ラパンへ来たルーデウスを迎え、
再び父と息子を同じ目的の下へ集める。

最終的に転移迷宮では、
パウロがルーデウスを庇って死亡する。
ギースにとっても、かつて同じパーティで馬鹿をやり、
再び妻を救うため一緒に迷宮へ潜った仲間を失う場面になる。
ここまで共に行動した時間を、後の敵対だけで消すことはできない。

だからギースとパウロの関係は、
「ヒトガミの使徒がパウロへ近づいていた」という単純な形ではない。
黒狼の牙として冒険し、転移事件後には再びゼニスを捜し、
最後は同じ迷宮へ入るところまで続いた本物の仲間関係である。
その絆を持ちながら、後に別の恩を選ぶところにギースの複雑さがある。

第3章 ギースはいつからヒトガミの使徒だった?ルーデウスと会う前から続いていた関係

ギースがヒトガミの声を聞き始めたのは、物語終盤ではなく子供の頃から

ここからは原作終盤までの重大ネタバレになる。
ギースがヒトガミの使徒になったのは、ルーデウスと出会った後ではない。
本人が終盤で残した手紙では、子供の頃からヒトガミの声を聞き、
死にかけた時や逃げ場のない状況で助言を受け、その言葉に従うことで何度も生き延びたと明かしている。
戦闘能力を持たないギースにとって、その声は生存手段そのものだった。

ギースは剣士でも魔術師でもなく、
一人で強敵を倒して危機を突破できる人物ではない。
その代わり情報を拾い、相手の動きを読み、危険になる前に逃げ道を作ることへ長けていた。
そこへ未来を知るヒトガミの助言が加われば、
本来なら死んでいてもおかしくない局面から何度も抜け出せる。

だからギースにとってヒトガミは、
ある日突然現れて服従を命じた存在ではない。
幼少期から「この道を選べ」「今は動くな」といった形で人生へ入り込み、
危機のたびに正解へ近い道を示してくる存在だった。
ギース自身も長い年月をかけて、その助言を疑いにくい状態へなっていった。

第1期第14話でルーデウスとドルディア族の牢へ入れられた出来事も、
原作終盤では見え方が変わる。
一見すると偶然同じ牢へ放り込まれ、そこから知り合ったように見えるが、
ギース自身は後に、ドルディア族の村でルーデウスを見つけたこともヒトガミの指示だったと告白する。
「センパイ」との出会いさえ、完全な偶然ではなかった。

ただし、その後の関係まで全部命令通りだったとは限らない。
ギースは実際にルーデウスを気に入り、「センパイ」と呼び続け、
パウロとの衝突時には間へ入り、ゼニス救出では救援まで求めている。
入口をヒトガミが作ったとしても、
そこで生まれた仲間意識まで全部偽物だったわけではない。

ゼニスの居場所を突き止めた情報にもヒトガミが関わっていた

ヒトガミとの関係が決定的に見えてくるのが、
ベガリット大陸でゼニスの居場所を突き止めた件である。
第2期ではギースがゼニス救出へ参加し、
第19話では「ゼニス救出困難、救援求む」という手紙がルーデウスへ届く。
この手紙を受けてルーデウスはラパンへ向かう。

第20話では、迷宮都市ラパンへ到着したルーデウスとエリナリーゼを、
ギースがパウロとリーリャのもとへ案内する。
その後は転移迷宮の攻略情報を共有し、
ロキシー救出、ゼニス発見、迷宮最深部への突入まで一行と行動するため、
視聴時点では完全にパウロ側の仲間として映る。

しかし原作終盤でギースは、
ゼニスがどこにいるのか分かったこと自体もヒトガミの助言だったと明かす。
ルーデウスも後になって、
なぜギースだけがあれほど都合よくゼニスの所在へ辿り着けたのか疑問を持つ。
そこで初めて過去の点が一本につながる。

ドルディア族の村でルーデウスを見つけたこと。
ゼニスの居場所を知ったこと。
危機を何度も回避してきたこと。
それらの裏側にはヒトガミの助言があり、
ギースは物語序盤からすでに使徒として動いていた。

だから「ギースはいつから裏切っていたのか」と考える時、
単純に終盤から敵へ寝返ったと見るとズレる。
ヒトガミとの関係そのものは幼少期から続いていたが、
パウロやルーデウスとの友情も同時に存在していた。
その二重構造が、後の敵対を重くしているのである。

第4章 ギースはなぜルーデウスを裏切る?ヒトガミへの恩を最後まで捨てなかった

ギースはヒトガミを善人だと思っていたわけではない

ギースがヒトガミ側へ立ったからといって、
彼がヒトガミを無条件に崇拝していたわけではない。
原作の手紙では、ヒトガミが善神ではなく、
自分たちを利用するために助言を与えていたことも理解している。
それでも受けた恩まで消えるわけではないと考えていた。

しかもギースは、
ヒトガミに利用された結果、自分の故郷が滅んだことさえ知っている。
ヒトガミ本人から利用していたと告げられ、
当然激しく怒った。
それでも最終的には、救われた事実と利用された事実を別々に受け止めている。

ここがギースとルーデウスの最大の違いになる。
ルーデウスはヒトガミの助言によって地下室事件へ誘導され、
ロキシーや家族を失う未来を知ったことで完全に敵対へ転じる。
一方ギースは、ヒトガミが危険な存在だと知っても、
「助けてもらった借りまで無かったことにはできない」と考える。

ギースにとって重要なのは、
相手が善か悪かではなく、自分が何を受け取ったかである。
戦えない自分が今日まで生き残れたのはヒトガミの助言があったからで、
その恩を最後に返さなければ筋が通らない。
彼の敵対は信仰よりも、恩義への執着から生まれている。

ルーデウスを嫌っていたのではなく、好きな相手と敵対する方を選んだ

ギースはルーデウスを憎んでいない。
ドルディア族の牢で出会ってから「センパイ」と呼び、
パウロとの喧嘩では親子が完全に壊れないよう動き、
ゼニス救出では自分から救援要請を送っている。
少なくとも長い期間、味方として接してきたのは事実である。

それでも終盤では、
ルーデウスがヒトガミを完全に裏切ったと知り、敵側へ立つ。
ギースから見れば、ルーデウスも魔大陸時代に助言を受け、
ルイジェルドとの出会い、魔眼、牢からの脱出など何度も助けられてきた。
だから全てを切り捨てたルーデウスへ納得できない部分も残る。

もちろんギース自身も、
ルーデウス側に事情があることは認めている。
ヒトガミが善良ではないことも承知しており、
ルーデウスが敵対するだけの出来事を経験したのだろうとも考える。
それでも自分は受けた恩を返すと決めた。

つまりギースの裏切りは、
昨日まで友人だった相手を突然嫌いになった話ではない。
ルーデウスへの情を残したまま、
それ以上に長く積み上がったヒトガミへの借りを返す側へ立った。
だから敵になった後も、どこか個人的な憎悪が薄い。

戦う力を持たない男が、自分にできる方法で恩返しへ向かった

ギースは最後まで自分が弱いことを知っている。
ルーデウスへ正面から挑んでも勝てない。
剣神や北神のように武力で圧倒することも、
魔王たちのように特殊能力で押し切ることもできない。
だから敵へ回った後も、自分が剣を握る方向へは進まない。

代わりに使うのが、
黒狼の牙時代から磨いてきた情報、人脈、交渉、段取りである。
誰がルーデウスへ対抗できるかを探し、
敵対するだけの事情を持つ強者へ接触し、
戦える者を自分の周囲へ集めていく。

ここまで来ると、
第1章で触れた「戦えないシーフ」という特徴が反転する。
戦えないからこそ、他人を動かすことへ長け、
一人では絶対に作れない戦力を人間関係だけで組み上げる。
ギースの最大の武器は最後まで剣ではなく、人を集める力だった。

だからギースの敵対は、
単なる裏切り者の転身では終わらない。
パウロの仲間として積み重ねた経験、情報屋としての能力、
そして幼い頃から抱えてきたヒトガミへの恩義を全部使い、
最後に自分なりの筋を通そうとした結果なのである。

第5章 ギースは本当に悪者だった?ゼニス救出やルーデウスへの協力は嘘だったのか

終盤で敵になっても、第1期から第2期までの友情まで偽物だったわけではない

ギースがヒトガミの使徒だったと分かると、
第1期から続いてきた行動まで全部演技だったように見えやすい。
しかし原作終盤で本人が残した手紙を読むと、
ルーデウスと過ごした時間まで否定しているわけではなく、
むしろ楽しかった出来事として具体的に覚えている。

始まりは第1期第14話のドルディア族の牢だった。
イカサマ賭博で捕まったギースがルーデウスと同じ牢へ放り込まれ、
二人は格子越しに状況を探りながら密輸組織の襲撃へ巻き込まれる。
後にギース自身が「センパイ」と呼ぶようになる関係は、
ヒトガミの指示で接触した後に本人同士で築かれていったものだった。

原作の手紙でもギースは、
牢で過ごした時間、聖剣街道を一緒に旅したこと、
さらに転移迷宮を攻略した時の高揚まで忘れていないと語っている。
ルーデウスへ個人的な憎しみがあるとも言わず、
思い出そのものははっきり自分のものとして残している。

第2期第19話へつながる救援要請も大きい。
ギースが送った「ゼニス救出困難、救援求む」という短い手紙を受け、
ルーデウスは妊娠中のシルフィやノルン、アイシャを残す苦悩を抱えながら、
それでも母を救うためベガリット大陸へ向かう。
この時ギースは、ゼニスを救うため本当にルーデウスの力を必要としていた。

第20話「迷宮入り」では、
ラパンへ到着したルーデウスとエリナリーゼをギース自身が迎え、
疲労し切ったパウロとリーリャのもとへ案内する。
その後は転移迷宮の攻略へ入り、
行方不明になったロキシーとゼニスを救うため同じ目的で動いている。

パウロの死まで一緒に経験しているから、「最初から全部ウソ」では片付かない

転移迷宮の最深部では、
パウロがヒュドラとの戦いでルーデウスを庇い命を落とす。
ギースにとってパウロは、昔の黒狼の牙で共に冒険し、
転移事件後には再び家族捜索へ加わり、
最後には妻ゼニスを救うため同じ迷宮へ潜った古い仲間だった。

もしギースが最初から、
パウロたちを利用するだけの冷淡な潜入者だったなら、
ゼニス捜索や迷宮攻略へここまで深く関わる必要は薄い。
ヒトガミの使徒という裏側を持ちながらも、
黒狼の牙で築いた仲間意識は別に残っていたと見る方が自然である。

ギース自身も終盤の手紙で、
ルーデウスへ「恨みはない」という立場を明確にしている。
それでも敵に回るのは、ルーデウスを嫌ったからではなく、
ヒトガミへまだ返し切れていない恩があると考えたから。
友情と敵対が同時に成立しているところが、この人物の厄介さでもある。

つまりギースの正体が判明しても、
第1期第14話から第2期転移迷宮編までを全部読み替える必要はない。
ヒトガミから指示を受けていた場面は確かにあるが、
その途中で生まれた笑い、友情、仲間への情まで命令されたわけではない。
ギース自身の感情も確かにそこへ混ざっていた。

だから後の裏切りが重くなる。
知らない敵が最初から潜伏していたのではなく、
ゼニスを探し、パウロと再会し、ルーデウスをセンパイと呼び、
同じ迷宮で命を懸けた男が、最後には反対側へ立つ。
それまで本当に仲間だったからこそ、敵対した時の衝撃が大きいのである。

第6章 ギースは何を仕掛けた?ルーデウスを倒すため集めた強敵たち

戦闘能力がないギースは、自分で戦う代わりに「勝てる戦力」を集め始める

ギースは自分がルーデウスへ勝てないことを最初から理解している。
原作の宣戦布告でも、次は正面から戦える戦力を集めると予告し、
自分一人で決着をつけるとは言わない。
戦闘能力皆無に近いS級冒険者だからこそ、
敵としても昔と同じ「人を動かす側」に回る。

その後ルーデウスの前へ現れるのが、
剣神ガル・ファリオンと北神カールマン三世アレクサンダーである。
スペルド族の村へ向かう途中、二人は変装まで利用して接近し、
ルーデウスが相手を認識した瞬間には、
ガルの斬撃で右腕が落とされるほどの奇襲を成立させる。

さらに敵側には鬼神マルタも加わる。
三メートル近い巨体を持つ鬼族の頂点で、
ギースと共にルーデウス側の事務所を襲撃し、
安全地帯や情報網まで潰そうとする。
正面決戦だけでなく、逃げ道と支援拠点まで狙うのがギースらしい。

そこへ冥王ビタまで絡み、
ルーデウスたちは単純な一対一ではなく複数の強敵へ同時に対処することになる。
ギース側は剣神、北神、鬼神といった最高級の戦士を並べ、
さらに特殊能力を持つ相手まで組み込むことで、
オルステッド陣営の人数と対応力を削ろうとしてくる。

ここで第2章までのギース像が逆転する。
黒狼の牙では剣を振れない代わりに、情報、準備、交渉で仲間を支えた。
敵になった後も本質は同じで、
今度はルーデウスを倒せる人物を探し、交渉し、配置する側へ回る。
戦えないことそのものが、別の戦い方へつながっている。

剣神・北神・鬼神が敗れても、最後には闘神バーディガーディを残していた

ルーデウス側も一人ずつ敵戦力を崩していく。
冥王ビタは倒され、剣神ガルも戦場から消え、
北神アレクも撃破され、鬼神マルタは最終的に降る。
主要戦力が減った段階では、
残るのは戦えないギースだけに見える。

ところがギースには、
まだ最大の切り札が残っていた。
姿を現したバーディガーディの身体を覆っていたのは、
四千年以上前に魔龍王ラプラスと相打ちになった伝説の装備、
黄金色に輝く闘神鎧だった。

ギースはルーデウスの前で、
その存在を「闘神バーディガーディ」として堂々と紹介する。
ルーデウス自身も全身から漂う異様な圧力を感じ、
オルステッドを前にした時を思わせるほど、
まともに戦えば勝てないという感覚を覚える。

バーディガーディ単体でも不死魔族として非常に強い。
そこへ闘神鎧が加わることで、
それまで倒してきた剣神や北神とは別種類の脅威へ変わる。
ギースは自分の戦闘能力を最後まで上げることなく、
自分では絶対になれない最高戦力を外から用意してきた。

しかも完全に手綱を握れているわけではない。
バーディガーディが北神二世から決闘を申し込まれると、
魔王としての流儀を優先して応じようとし、
ギースが思惑通りに動かし切れない場面も出る。
それでも強者を集めて戦場へ投入する能力自体は驚異的だった。

最後までギースの武器は「剣」ではなく、人脈・情報・交渉だった

ギースが恐ろしいのは、
突然隠していた最強魔術を使うような人物ではないところにある。
最後まで剣神より弱く、北神より遅く、ルーデウスの魔術にも耐えられない。
それでも最高峰の戦士を何人も敵側へ並べ、
ルーデウス陣営へ複数方向から圧力を掛けることには成功する。

これは黒狼の牙時代から一貫している。
自分にできないことは、できる仲間を探す。
必要な情報を集め、相手の性格を読み、
交渉して同じ目的へ向かわせる。
敵になった後も、その生き方自体は全く変わっていない。

だからギースの終盤戦は、
「弱い男が突然ラスボス級になった」という話ではない。
戦えない男が長年磨いてきた情報収集と人脈形成を最大限まで使い、
剣神、北神、鬼神、冥王、そして闘神までルーデウスの前へ並べた。
それがギースなりの本気の戦いだったのである。

第7章 ギースの最後はどうなる?ルーデウスとの決着とパウロの仲間としての最期

ここからは原作終盤の重大ネタバレになる。
ギースは剣神、北神、鬼神、冥王、闘神まで集めてルーデウスへ挑むが、
最終的には自分が集めた戦力を次々と失い、
最後の切り札だった闘神バーディガーディも追い詰められていく。
それでもギース自身は最後まで戦場から逃げ切ろうとはしない。

終盤のビヘイリル王国では、
ルーデウス側とヒトガミ側の戦力が各地で激突する。
剣神ガル・ファリオン、北神アレクサンダー、鬼神マルタらがそれぞれ戦い、
一人ずつ戦線から脱落していく中、
ギースは残った戦力を動かしながら最後の勝機を探し続ける。

そして最後に前へ出てくるのが、
闘神鎧をまとったバーディガーディである。
ギースはその肩へ乗り、
自分では一撃も通せない相手へ、
最強級の戦力そのものをぶつける形で決着を狙う。

ここでもギースの戦い方は変わらない。
最後まで自分が剣を握ってルーデウスへ斬りかかるのではなく、
誰をどこへ置けば勝てるかを考え、
自分より遥かに強い相手を動かして戦う。
黒狼の牙時代から続く補助役の生き方を、敵側でも貫いている。

広範囲魔術に巻き込まれ、ギース自身も致命傷を負う

戦闘が激化すると、
ルーデウスは敵陣をまとめて崩すため広範囲へ火炎魔術を放つ。
森そのものを焼き払うほどの攻撃となり、
前線にいた兵だけでなく、
戦場を動いていたギース自身もその炎へ巻き込まれる。

ギースは戦闘能力が高くない。
闘気で魔術を弾くこともできず、
ルーデウスの広範囲攻撃を正面から受ければ耐えられない。
全身へ重い火傷を負い、
自力ではまともに動けないほどの致命傷となる。

それでも即死はせず、
最後にルーデウスと言葉を交わす時間が残る。
ここでギースは勝敗そのものより、
なぜルーデウス側がここまで崩れなかったのかを見て、
自分とルーデウスの差を認めていく。

ギースも多くの強者を集めた。
しかし彼らは一枚岩ではなく、
それぞれ自分の目的、誇り、流儀を持って参加している。
一方ルーデウス側は、
家族、仲間、部下が本人への信頼を基盤に動いていた。

ギースは最期に、
ルーデウスが強かったのは魔術だけではなく、
長い時間をかけて周囲との信頼を積み重ねてきたからだと認める。
自分も人を集めることはできたが、
同じ形では仲間をつなげられなかったことを受け入れる。

最後の会話では、敵ではなく「センパイ」として見てきた感情が残る

ギースとルーデウスの最後の会話には、
最初から最後まで憎しみだけで戦ってきた敵同士の空気が薄い。
ドルディア族の牢で出会い、
魔大陸を抜け、パウロの仲間として再会し、
転移迷宮まで一緒に潜った時間が残っている。

だからギースも、
ルーデウスへ負けたことそのものを激しく恨む方向へは進まない。
自分はヒトガミへの恩を返すため戦い、
ルーデウスは家族と未来を守るため戦った。
最後まで立場が違っただけだと受け入れている。

ルーデウス側も、
ギースを単なる宿敵として見るだけでは終われない。
自分を何度も助け、
母ゼニス救出のきっかけを作り、
父パウロと共に迷宮へ入った人物でもあるからだ。

敵としての正体が判明しても、
「センパイ」と呼ばれた過去まで消えるわけではない。
だから最後の場面には、
勝者と敗者だけではなく、
かつて仲間だった者同士の別れとしての重さが残る。

ギレーヌを前にして、最後は黒狼の牙の一人として終わる

ギースの最期をさらに重くするのが、
その場に黒狼の牙の仲間だったギレーヌがいることだ。
パウロ、ゼニス、エリナリーゼ、タルハンドと共に旅した時代を知る人物が、
ヒトガミ側へ回ったギースの最後を見届ける。
ここで過去と現在がもう一度重なる。

黒狼の牙は、
決して仲の良い理想的なパーティではなかった。
パウロの女性問題もあり、解散後には互いに距離もできた。
それでも転移事件が起きれば再び手を貸し、
ゼニス救出では昔の仲間が再集合している。

ギースもその一人だった。
最後だけを見ればヒトガミ側の敵だが、
人生全体で見れば黒狼の牙として過ごした時間の方が遥かに長い。
だから死の直前まで、
完全な悪人として切り離されることはない。

最終的にギースは、
ルーデウスを倒すという目的を果たせず死亡する。
ヒトガミへの恩返しも成功とは言えず、
自分が集めた戦力も崩れていく。
それでも自分が選んだ側から逃げず、最後まで決着を見届けた。

だからギースの最後は、
単なる裏切り者への報いではない。
パウロの仲間として本当に笑い、ルーデウスを本当に気に入りながら、
それでもヒトガミへの恩を捨てられず敵へ回り、
最後には自分の選択を受け入れて死んだ男の結末である。

ギース・ヌーカディアとは、
最初から敵だった人物ではない。
戦えない代わりに人を集め、情報を集め、仲間を支えて生きてきた男が、
最後はその能力すべてを使ってルーデウスへ挑み、
黒狼の牙の仲間としての過去を残したまま物語から退場したのである。

無職転生Ⅲまとめ

『無職転生Ⅲ』の記事を、第3期の放送範囲・ナナホシと転移事件・ペルギウスと空中城塞・未来ルーデウス・オルステッド・魔導鎧・エリスとの再会・ルーデウスの家族などに分けてまとめています。
ルーデウス、エリス、シルフィ、ロキシー、ナナホシ、ペルギウス、オルステッド、ゼニス、アリエル、クリフ、エリナリーゼなど、気になる人物や物語の謎はこちらから探せます。

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