エリスは、ルーデウスを嫌って去ったのではなく、オルステッド戦で自分の無力さを知り、「今のままでは守れない」と考えて剣の聖地へ向かった。
そこで剣神流を極め、以前とは比べものにならない強さを手に入れた後、再会時には今度こそルーデウスを守る側として戻ってくる。
別れ、修行、再会、結婚まで追うと、エリスの物語は「好きだから離れた」という一見逆に見える選択を、最後まで行動で証明していく流れになっている。
第1章 エリスとは?ルーデウスを置いて去り、守るために戻ってくる人物
最初は乱暴な令嬢だったが、家庭教師のルーデウスと出会って変わり始める
エリス・ボレアス・グレイラットは、
アスラ王国フィットア領を治めるボレアス家の令嬢である。
第1期第5話「お嬢様と暴力」でルーデウスが家庭教師としてやって来るが、
初対面から殴る、蹴る、話を聞かないという激しい性格で、
普通の勉強だけでは到底扱えない相手として登場する。
そこでルーデウスは、
エリスに「勉強が役に立つ」と実感させるため動く。
誘拐事件を利用した計画は本物の犯罪へ変わり、
二人は地下室へ閉じ込められるが、
ルーデウスは魔術と機転を使って脱出へ向かう。
この事件ではエリスも、
ただ助けられるだけでは終わらない。
ルーデウスが暴漢に傷つけられれば感情をむき出しにし、
自分の身体を使ってでも反撃しようとする。
乱暴さが初めて「誰かを守る力」として表れ始めた場面でもある。
家庭教師生活が続くと、
エリスは算術や読み書きを少しずつ学びながら、
剣術ではギレーヌから本格的な指導を受ける。
ルーデウスも一緒に訓練するが、
近接戦闘では早い段階からエリスの方が明確に上だった。
第1期第7話「努力の先にあるもの」では、
十歳の誕生日を前にダンスを覚えられず苦戦する。
剣なら身体が自然に動くのに、社交の場では何度失敗しても形にならない。
それでもルーデウスと練習を重ね、
本番では二人で踊り切るところまで成長している。
ここまでのエリスは、
感情が先に出て相手を殴ることも多い少女だった。
しかしルーデウスと暮らす中で、
「できないなら投げる」のではなく何度も挑戦するようになり、
他人へ歩み寄る姿も少しずつ増えていく。
魔大陸の旅とオルステッド戦で、「守られる側」ではいられないと知る
エリスの人生を大きく変えるのが、
フィットア領転移事件である。
第1期第8話の終盤、ルーデウスと共に魔力災害へ巻き込まれ、
次に目を覚ました時には故郷から遠く離れた魔大陸へ転移していた。
ここから令嬢として守られる生活は完全に終わる。
魔大陸ではスペルド族のルイジェルドと出会い、
ルーデウス、エリス、ルイジェルドの三人で「デッドエンド」を組む。
エリスは実際の魔物を相手に剣を振るい、
ルイジェルドから戦闘中の判断や立ち位置まで学び、
家庭教師時代とは比べものにならない実戦経験を積んでいく。
第1期第11話「子供と戦士」では、
冒険者が実際に命を落とす戦いを目の前で経験する。
ルーデウスが判断を誤ったことも含め、
旅では一瞬の迷いがそのまま死につながる。
エリスにとっても剣術が遊びや訓練ではなくなる時期だった。
さらに第1期第21話「ターニングポイント2」で、
三人は龍神オルステッドと遭遇する。
ルイジェルドでさえ強い恐怖を感じ、
エリスもそれまで戦ってきた魔物とは全く違う相手を前にする。
そしてルーデウスは胸を貫かれ、一度は死にかける。
エリスは目の前で、
自分より強いルーデウスが何もできず倒される姿を見る。
自分もオルステッドを止めることはできず、
好きな相手を守りたいと思っていても、
現実にはその力が全く足りないことを突きつけられる。
この経験が、第1期最終話の別れへ直接つながる。
エリスはルーデウスを嫌って離れるのではない。
公式でも「ルーデウスを守れるように強くなる」という決意で、
何も告げず修行の旅へ向かったことが明かされている。
別れは恋心が消えた結果ではなく、強さを求めた結果だった。
第2章 エリスはどれくらい強い?剣神流で剣王まで上り詰める
ギレーヌとルイジェルドに鍛えられ、魔大陸ですでに実戦型の剣士になる
エリスの強さの出発点は、
ボレアス家にいた頃から受けていたギレーヌの指導にある。
ギレーヌは剣神流の高位剣士であり、
エリスは幼い頃からその剣を間近で見ながら、
力任せではない実戦的な剣術を叩き込まれていた。
ただし家庭教師時代のエリスは、
まだ感情に任せて突っ込む部分が強い。
剣速や身体能力では優れていても、
相手の動きを読んだり、仲間と合わせたりする経験は少なく、
本物の戦場で完成した剣士とは言えなかった。
そこを変えたのが魔大陸での旅である。
ルイジェルドは何十年も戦場を生きてきた戦士で、
魔物の気配、相手との距離、殺すべき瞬間まで判断できる。
エリスはその背中を見ながら、
剣を振る速さだけでは生き残れないことを学んでいく。
旅の後半になると、
エリスはルーデウスが魔術を撃つ時間を作り、
自分は前へ出て敵へ接近するという役割も自然にこなす。
ルーデウスが遠距離、エリスが近距離という形ができ、
三人の連携そのものが強さになっていた。
それでもオルステッドには全く通じない。
第1期第21話では、
剣を持って前へ出ても力の差を覆せず、
ルーデウスを守るという目的を果たせない。
ここでエリス自身も「今の強さでは足りない」とはっきり知る。
第3期「エリス修行編」で剣の聖地へ入り、強さの質そのものが変わる
第3期第1・2話は、
公式にも「エリス修行編」として連続放送された。
第1期最終回でルーデウスと別れたエリスが、
どこへ行き、何をしていたのかを、
剣の聖地での修行を通して具体的に描いている。
エリスが向かったのは、
剣神流の総本山である剣の聖地だった。
目的は有名な剣士になることではない。
ルーデウスに相応しい存在となり、
次に危険が来た時は自分が守れる力を手に入れることだった。
そこでは剣神ガル・ファリオンをはじめ、
同世代のニナ・ファリオン、
水神流のイゾルテ・クルーエル、
さらに北帝オーベールや水神レイダなど、
それまでとは格の違う剣士たちと関わっていく。
第3期の修行編で目立つのは、
エリスが以前ほど感情だけで剣を振らなくなっていることだ。
相手が強ければ真正面から挑み、
敗北してもそこで終わらず、
次に勝つため再び剣を握る。
公式の最新ビジュアルでも、
剣の聖地で修行したエリスは体つきが以前より引き締まり、
新しい剣を手にした姿で描かれている。
ボレアス家の赤毛の令嬢という面影を残しながら、
見た目からも完全に戦士の身体へ変わっている。
ここでの修行は、
ルーデウスへ追いつくための魔術対策ではない。
ルーデウスにはルーデウスの強さがあり、
エリスは自分にしかできない近接戦闘を極める。
二人が同じ能力を持つのではなく、別々の強さを伸ばしている。
原作では剣王級へ到達し、近接戦ならルーデウスを大きく上回る
ここからは原作で補足される強さになる。
エリスは剣の聖地で厳しい修行を重ね、
剣神流の「剣王」と呼ばれる領域まで到達する。
幼少期にギレーヌから剣を習っていた少女が、
最終的には師匠と同じ高位剣士の領域へ進むことになる。
この段階のエリスは、
接近戦ならルーデウスより明確に強い。
ルーデウスは魔力量と遠距離魔術では圧倒的だが、
闘気をまとえず身体能力そのものには限界があるため、
剣王級のエリスに間合いへ入られると非常に不利になる。
逆に十分な距離と準備があれば、
ルーデウスは高威力の魔術を使える。
だから二人の強さは単純な上下ではなく、
遠距離のルーデウス、近距離のエリスという、
役割そのものがはっきり分かれている。
エリスが剣王まで強くなったことに、
第1期第21話の敗北を重ねると分かりやすい。
あの時はオルステッドの前でルーデウスを守れなかった。
だからこそ何年も剣を振り続け、
次に会う時には自分が前へ立てる剣士になろうとした。
エリスの強さは、
生まれつき身体能力が高かっただけではない。
ギレーヌとの修行、魔大陸での実戦、ルイジェルドとの旅、
オルステッドへの敗北、そして剣の聖地での鍛錬が重なり、
「守られる令嬢」から「守る剣士」へ変わった結果なのである。
第3章 エリスはなぜルーデウスと別れた?短い手紙が最大のすれ違いを生んだ
第21話のオルステッド戦で、「自分ではルーデウスを守れない」と突きつけられた
エリスがルーデウスの前から去った最大のきっかけは、
第1期第21話「ターニングポイント2」でのオルステッド戦にある。
それまで魔大陸で数々の魔物と戦い、ルイジェルドからも「戦士」と認められたエリスが、
七大列強の一人を前にすると剣を止められ、一撃で吹き飛ばされ、
ルーデウスが胸を貫かれる姿を目の前で見ることになった。
ルイジェルドでさえ短時間で倒され、
エリスが割って入ってもオルステッドには届かない。
ルーデウスも岩砲弾や魔術で抵抗するが、最後には心臓を貫かれ、
エリスは倒れたルーデウスへ這うように近づき、
誰でもいいから助けてほしいと願うことしかできなかった。
オルステッドが引き返してルーデウスを治療した後も、
エリスはいつものように強がって終わらない。
生きているルーデウスへ抱きつかれ、最初はいつもの調子を見せながらも、
最後には涙を流して無事だったことを確かめる。
ここで初めて「失うかもしれなかった恐怖」を身体で知る。
それまでのエリスは、
自分が前へ出れば何とかなるという感覚を持っていた。
魔大陸では剣を振れば魔物を倒せ、ルイジェルドの指導で実力も伸び、
旅の終盤には自分が強くなったという手応えもあった。
しかしオルステッドだけは、その自信を根元から砕いた。
しかもエリスが恐れたのは、
自分が負けたことそのものではない。
ルーデウスが殺されかけたのに、自分には止められなかった。
好きな相手を守りたいと思っているのに、
そのための力が自分には足りないと知ったことが大きかった。
第23話で姿を消したのは嫌いになったからではなく、「並べる強さ」を求めたから
第1期第23話「目覚め、一歩、」では、
フィットア領へ戻ったエリスが自分の家族を失った現実を知る。
父フィリップも母ヒルダもすでに亡くなり、
祖父サウロスまで処刑されていた。
魔大陸から帰れば以前の生活へ戻れる、という未来は完全に消えていた。
その夜、エリスはルーデウスと深い関係を持つ。
ルーデウス側から見れば、長い旅を終えた二人がようやく結ばれ、
これから先も一緒に生きていくように感じられる場面だった。
だから翌朝、エリスが姿を消していたことは、
ルーデウスにとってほとんど理解できない出来事になる。
部屋に残されていたのは、
二人は釣り合わないから旅に出る、という趣旨の短い手紙だった。
エリスの中では「今の自分ではルーデウスに相応しくない」、
「次に会う時までに守れるほど強くなる」という決意だったが、
その肝心な部分を言葉で十分に伝えなかった。
そのためルーデウスは、
自分が男として足りなかったから捨てられたと受け取る。
魔大陸で何年も一緒に旅をし、互いに命を預け、
最後には身体まで重ねた翌朝だったからこそ、
拒絶されたという感覚は深く残った。
エリス側とルーデウス側では、
同じ別れをまったく逆の意味で受け止めている。
エリスは「もっと強くなって戻る」と前へ進んだのに、
ルーデウスは「自分には価値がなかった」と立ち止まった。
この認識のずれが、二人の別れで最も大きな悲劇になっている。
つまりエリスは、
ルーデウスを嫌いになったから去ったのではない。
オルステッド戦で守れなかった自分を許せず、
今度こそ隣に立てる力を得るため、あえて一人で修行へ向かった。
問題は、その決意をルーデウスへ十分伝えなかったことだった。
第4章 エリスは剣の聖地で何をしていた?第3期「修行編」で見える変化
剣神流の総本山へ入り、「ルーデウスを守る」ためだけに剣を振り続ける
ルーデウスと別れたエリスが向かったのは、
剣神流の総本山である剣の聖地だった。
第3期第1・2話では、この空白期間が「エリス修行編」として描かれ、
第1期の終盤で突然消えたエリスが、
その後どこで何をしていたのかが具体的に明かされている。
剣の聖地には、
剣神ガル・ファリオンをはじめ、一流の剣士が集まっている。
そこへ来たエリスは、ボレアス家の令嬢として扱われるのではなく、
一人の剣士として何度も剣を振り、
格上の相手へ挑みながら自分の不足を削っていく。
同世代のニナ・ファリオンは、
エリスへ強い対抗心を燃やす相手として登場する。
剣神の娘として修行を積んできたニナに対し、
外から来たエリスは実戦経験と執念をぶつけ、
単なる技術比べではない激しい競争へ入っていく。
第1期のエリスなら、
腹が立てばすぐ相手へ殴りかかり、負ければさらに感情を爆発させていた。
しかし剣の聖地では、負けても修行そのものを投げ出さない。
歯がゆさや焦りを抱えながらも、
次に勝つためにもう一度剣を握る方向へ変わっている。
それほどまでに修行を続けられたのは、
強さを得る目的がはっきりしていたからでもある。
剣士として名を上げたいわけでも、剣神へ認められたいわけでもない。
次にオルステッドのような相手が現れた時、
ルーデウスの前へ自分が立てるようになることが目的だった。
第1期の「守られるエリス」から、再会へ向けて「守るエリス」に変わっていく
剣の聖地での修行が重要なのは、
技の数や階級が上がったことだけではない。
第1期の魔大陸では、ルイジェルドが前方の危険を察知し、
ルーデウスが状況を考え、エリスが剣を振るうことが多かった。
三人の中ではまだ教えられる側でもあった。
特にオルステッド戦では、
ルイジェルドもエリスも止められず、最後にルーデウス自身が戦う。
エリスはその背中を見ながら何もできなかった。
だから剣の聖地で求めたのは、
「あの時と同じ状況になっても前へ出られる力」だった。
第3期の修行編では、
身体つきそのものも第1期より大きく変わっている。
幼い令嬢だった頃の細い身体ではなく、
長期間の修行で筋肉がつき、剣を振るう姿にも重さが出る。
見た目からして実戦を続けた剣士へ変わっている。
それでもエリスの性格まで別人になったわけではない。
負けず嫌いで、気が強く、相手へ真正面から向かう部分は残っている。
ただ以前とは違い、その強い感情をそのまま暴力へ向けるのではなく、
修行を続ける力へ変えられるようになった。
ここが幼少期との大きな違いになる。
原作ではこの剣の聖地での時間を経て、
エリスは最終的に剣王級の領域へ到達する。
幼い頃に剣王ギレーヌから教わっていた少女が、
長い修行の末に自分自身も同じ高位の領域まで進み、
近接戦闘ではルーデウスを大きく上回る剣士になる。
だからエリスの修行は、
第1期第23話で姿を消した後の寄り道ではない。
オルステッド戦で守れなかった悔しさ、短い手紙、ルーデウスとの別れ、
その全部を背負ったまま剣を振り続けた時間であり、
後の再会で「守る側」に回るための準備そのものだった。
第5章 エリスとルーデウスはいつ再会する?オルステッド戦で戻ってくる
別れから約五年後、再会の場所は穏やかな町ではなくオルステッドとの戦場になる
エリスとルーデウスの再会は、
原作小説第15巻相当のオルステッド戦で訪れる。
第1期第23話で別れてから約五年が経ち、
その間ルーデウスはシルフィ、ロキシーとの家庭を持ち、
エリスは剣の聖地で剣王級まで鍛え上げていた。
再会の前、ルーデウスは未来の自分が残した日記を読む。
そこにはヒトガミに利用された結果、
ロキシーやシルフィを失い、家族が次々と壊れていく未来が記されていた。
現在のルーデウスはその未来を避けるため、
ヒトガミの要求によって龍神オルステッドと再び戦うことになる。
この時ルーデウスは、
第1期第21話のように何の準備もなく向かうわけではない。
ザノバやクリフと作り上げた魔導鎧を身につけ、
遠距離から魔術を撃ち込み、罠まで用意し、
一度殺されかけた相手へ使える手段をほぼすべて投入する。
それでもオルステッドとの差は大きい。
最初は遠距離攻撃で損傷を与えても、
距離を詰められるにつれて魔導鎧は破壊され、
ルーデウス自身も再び追い詰められていく。
第1期第21話と同じく、龍神が目前まで迫る状況になる。
その戦場へ飛び込んでくるのがエリスだった。
第1期ではルーデウスが胸を貫かれる姿を見ても、
オルステッドへ有効な一撃を返せなかったエリスが、
今度は剣王として二人の間へ割って入り、
ルーデウスを守るために龍神へ剣を向ける。
原作ではエリスがオルステッドの剣を受け、
「光返し」で反撃して手首まで斬る場面がある。
もちろん総合的な実力ではまだオルステッドが上だが、
第1期では全く届かなかった相手へ攻撃を通せるまでになったことで、
剣の聖地で積み重ねた年月が一度の攻防で見える。
「守れなかったから去った」別れが、今度は前に立つことで回収される
この再会が強いのは、
単に人気ヒロインが久しぶりに戻ってくる場面だからではない。
第1期第21話ではエリスの目の前でルーデウスが倒れ、
第23話ではその無力感を抱えたまま彼の前から姿を消した。
その二つの場面への答えが、再会時の行動そのものになっている。
エリスは別れ際、
自分が強くなる本当の意図をルーデウスへ十分伝えなかった。
そのためルーデウスは長い間「捨てられた」と思い続け、
北方大地へ向かった後も心の傷を引きずった。
言葉では失敗したエリスが、今度は剣で本心を見せることになる。
ルーデウスが倒れそうになった瞬間、
エリスは迷わずオルステッドの前へ出る。
誰かに頼まれて来た護衛ではなく、
何年も修行した目的そのものを果たすために現れ、
「あの時守れなかった相手を今度は自分が守る」形になる。
だから第1期第23話の別れを知っているほど、
この再会ではエリスが何をしていたのかが分かりやすい。
剣の聖地で強くなったことも、
剣王へ届いたことも、
すべてこの瞬間へ向かって積み上げられていた。
最終的にエリス一人でオルステッドを倒すわけではない。
戦いはルーデウスとオルステッドの関係そのものが変わり、
ルーデウスがヒトガミへ対抗するため龍神の配下となる形で終わる。
それでもエリスにとっては、
一度も守れなかった相手の前へ立てたことが大きな到達点になる。
第6章 エリスはなぜルーデウスと結婚する?シルフィ・ロキシーとの関係
再会した時、ルーデウスにはすでに二人の妻と子供がいた
エリスがルーデウスと再会した時、
二人の関係は第1期の続きからそのまま再開するわけではない。
ルーデウスにはすでにシルフィという最初の妻がいて、
ロキシーも第二の妻として同じ家で暮らし、
娘ルーシーまで生まれている。
しかもルーデウス自身は、
エリスが自分を嫌って去ったと思い続けていた。
第1期第23話の短い手紙だけでは真意が伝わらず、
その後シルフィと出会い直し、ロキシーにも支えられ、
すでに別の家庭を築いていた。
そのためエリスが戻ったからといって、
二人だけで昔の関係へ戻れば済む状況ではない。
エリス自身もルーデウスが結婚し、
子供までいることを知った上で戻ってくる。
ここで初めて「五年間離れていた時間」が現実として二人の間に入る。
原作では再会前、
ルーデウスがエリスへ手紙を送り、
自分がすでに結婚して家族を持っていること、
これからオルステッドと戦うことまで知らせている。
それを読んだ上でエリスはルーデウスのもとへ向かう。
つまりエリスは、
昔の約束を取り戻せば二人きりになれると思って戻ったわけではない。
シルフィとロキシーがいる現在のルーデウスまで受け入れた上で、
それでも自分は彼のそばへ行くと決めている。
別れた頃よりも複雑な状況へ、自分から入っていく。
シルフィとロキシーも、エリスが何年もルーデウスのために鍛えてきたことを知る
ここで重要になるのが、
シルフィとロキシーの存在である。
二人にとってエリスは、突然現れた昔の恋人ではない。
ルーデウスの過去を聞く中で、
魔大陸を一緒に旅した赤髪の少女として以前から存在を知っていた。
特にシルフィは幼少期から、
ルーデウスがボレアス家へ家庭教師として送られ、
そこでエリスと長い時間を過ごしたことを知っている。
ロキシーも魔大陸でルーデウスを探していた時期があり、
エリスが彼と一緒に帰還を目指していたことを把握している。
そして再会後には、
エリスが気まぐれで戻ったのではなく、
第1期のオルステッド戦でルーデウスを守れなかったことを悔やみ、
そのために剣の聖地で何年も鍛えてきたことが分かる。
二人にとっても、この時間は軽く扱えるものではない。
エリス自身も、
シルフィやロキシーを追い出そうとはしない。
自分が一番先にルーデウスを好きだった、という形で争うのではなく、
すでに出来上がっているグレイラット家へ入り、
三人目の妻として一緒に暮らす道を選ぶ。
原作小説第16巻では、
エリスは正式にルーデウスの妻として迎えられる。
結婚順はシルフィ、ロキシー、エリスとなり、
第1期から長く離れていたエリスが、
ようやく同じ家へ帰る人物になる。
結婚しても、エリスとルーデウスには「戦友」に近い関係が残る
エリスは結婚した後も、
シルフィやロキシーと同じ形の妻になるわけではない。
シルフィは家庭内の調整や支えに強く、
ロキシーは魔術の師匠としてルーデウスへ知識を与える。
エリスは戦闘で夫の前へ立てる力を持っている。
これは第1期の魔大陸時代から続く関係でもある。
ルーデウスが後方から魔術を撃ち、
エリスが前へ出て敵へ剣を振るう。
夫婦になる前から二人は命を預け合って戦っており、
再会後にはその役割がさらに強くなっている。
特にルーデウスは、
闘気をまとえないため近接戦闘が大きな弱点になる。
対して剣王級まで達したエリスは、
間合いへ入った敵を引き受けられる。
二人の能力は重なるのではなく、互いの弱点を埋める形になっている。
そして何より大きいのは、
ルーデウス側もようやく第1期の別れを違う形で見られることだ。
「自分が嫌われたから捨てられた」のではなく、
エリスは自分を守るために何年も剣を振っていた。
再会と結婚によって、長く残っていた誤解もようやく終わる。
だから二人の結婚は、
昔好きだった男女が再び付き合っただけの話ではない。
魔大陸で共に生き延び、一度は最悪の形ですれ違い、
別々の場所で強くなった後、今度は互いの現在まで受け入れて、
もう一度同じ人生を歩くと決めた結果なのである。
第7章 エリスは最後どうなる?最強の妻ではなく「守ると決めた人」として生きる
結婚後も剣を置かず、ルーデウスの隣で戦える妻であり続ける
エリスはルーデウスの三人目の妻になった後も、
家庭へ入ったから剣を置くという人物ではない。
剣の聖地で剣王級まで鍛えた力をそのまま持ち続け、
ルーデウスが危険な相手と戦う時には、
自分も前へ出られる戦力として家族を支える。
この立場はシルフィやロキシーとはかなり違う。
シルフィは家庭や人間関係を支える力が強く、
ロキシーは魔術師として知識や経験を持っている。
エリスは近接戦闘で夫よりはるかに強く、
本当に危険な場面では身体を張って前へ立てる。
第1期第21話では、
オルステッドの前でルーデウスを守れなかった。
その悔しさから剣の聖地へ向かい、
原作の再会時には今度こそ龍神との間へ割って入る。
結婚後も、この「守る側へ回る」という軸は最後まで変わらない。
だからエリスの強さは、
単に剣王級という肩書だけで見ると足りない。
何年も離れていた間に身につけた力を、
再会後はルーデウスや家族を守るため実際に使う。
修行の目的と結婚後の生活がそのままつながっている。
原作ではアルスとクリスティーナが生まれ、母親としての顔も持つ
原作ではエリスとルーデウスの間に、
二人の子供が生まれる。
長男がアルス・グレイラット、
長女がクリスティーナ・グレイラットで、
剣士としてだけでなく母親という立場も加わる。
これは第1期のエリスから見ると、
かなり大きな変化である。
ボレアス家では周囲を振り回し、
家庭教師のルーデウスへ何度も殴りかかっていた少女が、
後には自分の子供を持つ家庭の一員になる。
ただし母親になったからといって、
急に穏やかな性格へ変わるわけではない。
気が強く、身体を動かすことを好み、
家族を危険から守ろうとする姿勢はそのまま残る。
エリスらしさを失わず役割だけが増えていく。
グレイラット家には、
シルフィとロキシーの子供たちもいる。
そのためエリスは自分の子供だけを見るのではなく、
複数の妻と子供が暮らす大きな家庭の中で、
一人の母親として生きることになる。
剣の聖地での仲間から見ても、再会後のエリスは「幸せになった人」へ変わる
原作後日談では、
剣の聖地で競い合ったニナから見たエリスも描かれる。
修行時代のエリスはルーデウスのことばかり考え、
他人がどう見ても異常なほど剣へ打ち込んでいた。
その姿を知るニナだからこそ、再会後の変化がよく見える。
後にニナが目にするエリスは、
昔のように一人で剣へ執着しているだけではない。
隣にはルーデウスがいて、
自分が何年も追い続けた相手と同じ生活を送っている。
修行の先に欲しかった場所へ、本当にたどり着いている。
第1期第23話の時点では、
エリスは自分の気持ちをうまく言葉にできなかった。
そのせいでルーデウスを深く傷つけ、
自分は前へ進んだつもりなのに、
相手を長く立ち止まらせる結果を生んでしまった。
それでも最終的には、
修行して強くなり、戦場で再会し、
誤解を越えて同じ家庭へ入る。
別れの時に伝えられなかった想いを、
長い時間をかけて行動で証明した形になる。
乱暴な令嬢から、「守るために強くなった剣士」へ変わったことがエリスの到達点
エリスの人生を最初から追うと、
一番大きいのは戦闘力そのものではない。
第1期第5話では気に入らない相手をすぐ殴り、
自分の感情を抑えることも苦手だった。
そこから旅と敗北を通じて、力の使い方そのものが変わっていく。
魔大陸ではルイジェルドから実戦を学び、
オルステッド戦では自分の無力さを知る。
その悔しさから剣の聖地へ向かい、
剣王級まで鍛えた後には、
今度こそルーデウスの前へ立てる人物になった。
だからエリスの別れも、
ただの恋愛上のすれ違いとして見ると弱い。
「守られたままでは嫌だ」という感情があり、
実際に何年も修行し、再会時には行動でその答えを見せる。
別れから再会までが一本の成長としてつながっている。
結婚後もその性格は消えない。
妻になり、母親になっても、
必要なら剣を持って前へ出る。
ルーデウスと同じ家庭に入ったから完成したのではなく、
守る相手を得たことで剣の使い道が最後まで定まった。
エリスは最強の人物だから特別なのではない。
守れなかったことを悔やみ、
その悔しさを何年もの修行へ変え、
再会した時には本当に守る側へ回った。
そこまでやり切ったことが、この人物の一番大きな到達点になる。
無職転生Ⅲまとめ
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