夏野が900年生きているのは、摩緒のように猫鬼の呪いだけで長命になったからではなく、死にかけた夏野が謎の土人形と契約し、百年ごとに新しい土の施術を受けて命をつないできたから。
しかもその土人形の正体を追うと、大五の魂と夏野の身体が九百年前から結びついていたことが判明し、夏野だけ長命の仕組みが他の御降家の術者とは違うことまで見えてくる。
★第1章 夏野はなぜ900年生きている?結論は土人形との契約
夏野の長命は、摩緒と同じ仕組みではなく「土」の力と契約で維持されている
夏野が900年前の御降家から、
現在の大正時代まで姿を変えず生きているのは、
単純に寿命が長い体質だからではない。
摩緒のように猫鬼の呪いだけで生かされているわけでもなく、
夏野には夏野だけの長命を支える仕組みがある。
その中心にいるのが、
土の力を持つ謎の土人形になる。
夏野は900年前、
御降家で摩緒より先に修行していた姉弟子。
現在の公式人物紹介でも、
土の術を操る陰陽師として紹介されている。
第18話「夏野」で摩緒と菜花の前へ姿を現した時も、
摩緒が昔を知る相手として自然に接しており、
見た目だけ若い別人ではないことがすぐ分かる。
ただし、
900年間まったく何もせず同じ身体を維持してきたわけではない。
後に明らかになる夏野の過去では、
一度は命を失いかけ、
その危機で土人形との契約が始まる。
そこから約100年ごとに土の施術を受け、
身体を維持しながら生き続けてきた。
つまり夏野の900年は、
一度不老不死になって終わる仕組みではない。
一定期間ごとに施術を受け、
そのたびに命をつなぎ直す形に近い。
「夏野は900年生きている」という事実だけを見ると、
摩緒や百火、華紋と同じ存在に見えるが、
長命の成立過程はかなり違っている。
摩緒の場合は、
第1話から猫鬼との呪いが物語の中心にある。
公式でも、
寿命を操る猫の妖・猫鬼を追いながら、
900年前から生きている陰陽師と説明されている。
摩緒自身も、
猫鬼の呪いによって人間の寿命から外れた存在として描かれてきた。
一方の夏野は、
土の術者として生きてきた。
少年サンデー公式でも、
平安時代には生き物を治す薬を作っていた人物とされている。
つまり同じ土の力でも、
敵を攻撃するだけではなく、
肉体や生命へ働きかける方向に知識を伸ばしてきた術者になる。
この性質が、
後の長命ともつながっていく。
土を操る。
薬を作る。
身体へ施術を行う。
夏野の900年は、
彼女自身が扱ってきた土の術と無関係ではない。
第23話「夜歩く患者」で、
強力な土の術が絡む怪異の場へ夏野が現れるのも、
彼女の専門が現在まで続いていることを示している。
だから、
夏野を「900年生きているから不老不死」と一言で見ると薄い。
彼女は一度だけ何かの呪いを受けたのではなく、
土人形との契約を抱え、
100年ごとの施術を重ねながら、
長い時間を継続してきた人物になる。
そして重要なのは、
その契約が夏野本人の延命だけを目的としていないこと。
土人形側にも別の目的があり、
夏野は900年間、
ただ若い姿で生き続けただけではない。
その代わりに何かを探し、
何かを背負いながら現在まで動いている。
ここが摩緒たちとの大きな違いになる。
摩緒・百火・華紋と同じ900年生存でも、夏野だけは長命の条件が別にある
『MAO』では、
900年前の御降家にいた人物が、
大正時代にも複数登場する。
摩緒。
百火。
華紋。
白眉。
そして夏野。
そのため最初は、
御降家の術者なら全員同じ方法で生き延びたようにも見える。
しかし実際には、
各人物の現在までの経緯は同一ではない。
摩緒には猫鬼。
百火や華紋にも、
御降家崩壊時の出来事と現在までの時間が関わっている。
夏野にはさらに、
土人形との個別の契約と、
周期的な施術という独自の条件がある。
第18話で夏野が現れた時も、
彼女は昔の出来事を外から聞いた人物ではない。
大五。
紗那。
御降家。
900年前に起きた出来事を、
その場にいた当事者として話す。
現在まで残った記憶の重さが、
他の術者と同じ時間を生きてきたことを裏付けている。
ただし、
同じ時間を生きたからといって、
同じ方法で現在へ到達したわけではない。
夏野は、
自分の命を定期的に支える必要がある。
この違いを押さえておくと、
後に出てくる土人形や大五との関係も、
単なる新しい設定ではなく、
900年間続いていた契約の中身として見えてくる。
★第2章 第18話「夏野」で見えた900年前から変わらない姉弟子
大五と紗那の過去を語れるのは、夏野自身が御降家の時代を生きていたから
第18話「夏野」で、
夏野は摩緒と菜花の前へ現れる。
ここで重要なのは、
ただ名前が紹介されたことではない。
摩緒の兄弟子だった大五と、
紗那の関係について、
夏野自身の記憶から語り始めたことになる。
大五は、
摩緒より上の世代にいた土の術者。
紗那は、
御降家の中でも特別な立場にいた女性。
夏野は二人の過去を、
後から伝聞で知った人物としてではなく、
同じ御降家で暮らしていた姉弟子として話す。
第18話の時点で、
夏野が現在まで生きている異常さは、
見た目より記憶の方に強く出ている。
900年前に誰が誰を見ていたのか。
大五が紗那へどんな感情を抱いていたのか。
御降家内部で何が起きていたのか。
長い時間を越えて、
その記憶が現在の事件へ直接つながっている。
第19話「海底の社」では、
夏野自身も摩緒たちへ力を貸す。
海底の社へ向かうため、
土の術者である夏野の力が必要になる。
ここでも、
昔話を語るだけの人物ではなく、
現在でも術を使える現役の陰陽師として動いている。
さらに第20話「紗那の心臓」では、
幽羅子が放つ黒い邪気を見た夏野が、
900年前に紗那の心臓を掴み出した邪気と同じだと語る。
これは非常に大きい。
現在の怪異を見て、
900年前の現場と即座に結びつけられる人物は多くない。
夏野が900年生きている価値は、
若い姿を維持していることだけではない。
昔の出来事を直接覚え、
現在の怪異へ照合できること。
摩緒自身が知らない部分を補い、
御降家崩壊時の真相へ近づけること。
長命そのものが、
物語の証人として機能している。
第23話でも土の怪異に現れ、900年間「土の術者」であり続けたことが分かる
第23話「夜歩く患者」でも、
夏野の専門性がはっきり出る。
摩緒、菜花、乙弥が追った患者は、
食事を取らず、
夜になると病院を抜け出し、
墓地で土を食べて吐き出すという異常な行動を続けていた。
摩緒が調べると、
そこには強力な呪いと、
土の術が関わっていることが分かる。
そしてその場へ現れるのが夏野。
第18話で過去を語った姉弟子が、
今度は現在進行形の土の怪異へ直接関わってくる。
この登場は、
夏野の900年を考えるうえでも重要になる。
平安時代には、
生き物を治す薬を作っていた土の術者。
大正時代でも、
土の術が絡む事件を追う。
時間が900年進んでも、
彼女の根本にある専門は変わっていない。
しかも土の術は、
岩や地面を動かすだけではない。
墓土。
薬。
身体。
呪い。
生命に近いところへ作用する場面が多い。
夏野自身の長命が、
土の施術によって維持されていることを考えると、
彼女の術と身体はかなり深く結びついている。
第18話では、
900年前の記憶を持つ人物として現れる。
第19話では、
現在でも術を使えることが分かる。
第20話では、
900年前の邪気を判別する。
第23話では、
土の怪異を追う術者として再び動く。
この流れだけでも、
夏野が長い時間を止まったまま過ごしていた人物ではないことが見えてくる。
900年生きたから、
昔を知っているだけではない。
900年間、
術者として動き続け、
人を診て、
怪異を追い、
御降家の過去と現在を結びつけている。
その生活を成立させてきたのが、
後に明らかになる土人形との契約と、
100年ごとの施術になる。
第18話で初めて夏野を見た段階では、
摩緒の姉弟子がまた一人現れたように見える。
しかし第23話まで追うと、
彼女だけが持つ役割がかなりはっきりする。
900年前の記憶を持ち、
現在でも土の術を使い、
御降家の過去と大正時代の怪異を直接つなぐ存在。
夏野の900年は、
長命そのものより、
その時間を何に使ってきたかを見ることで重さが出てくる。
★第3章 夏野は本当に不老不死なのか?
900年生きていても、何をされても死なない身体というわけではない
夏野が900年前の御降家から、
現在の大正時代まで若い姿で生きていると、
まず「不老不死なのか」と考えたくなる。
しかし夏野は、
身体が完全に死を拒む存在ではない。
実際に過去には病へ倒れ、
命を失いかけた時期がある。
ここは摩緒や百火と比べると分かりやすい。
第8話「百火」では、
百火が一度死んだように見えながら、
再び起き上がる異常な姿を見せる。
第13話「猫鬼」まで進むと、
摩緒自身の900年と猫鬼の呪いも、
現在の身体へ直接つながっていることが見えてくる。
一方の夏野は、
第18話「夏野」で再登場した時から、
身体の異常さよりも、
900年前の記憶を持つ人物として描かれている。
大五。
紗那。
御降家。
当時を知る姉弟子として、
摩緒が知らなかった過去まで語れる。
第20話「紗那の心臓」では、
幽羅子が放つ黒い邪気を見て、
900年前に紗那の心臓を奪った邪気と同じだと判断する。
九百年前の光景を、
現在の怪異と即座に照合できる。
長命そのものが、
過去を証言する力になっている。
ただし、
900年生きていることと、
永久に死なないことは同じではない。
夏野は病にもなる。
身体も傷む。
外から命を支える力が必要になる。
つまり寿命の外へ完全に出た存在ではなく、
特殊な方法で生存を継続している人物になる。
第23話「夜歩く患者」で、
墓土を食べる患者と強力な土の術を追って現れる夏野も、
この違いを考える材料になる。
現在でも土の術を使える一方、
本人の身体もまた普通の人間とは違う状態にある。
術者としての力と、
身体の維持が別々ではないことが見えてくる。
夏野の若さは「一度完成した不死身の身体」ではなく、維持され続けている
夏野が大正時代でも、
御降家時代と大きく変わらない姿を保っているのは、
生まれつき老化しないからではない。
長命を維持するためには、
外部から身体へ働きかける必要がある。
ここが普通の不老不死像との大きな違いになる。
御降家時代の夏野は、
土の術を戦闘だけに使っていない。
毒を作るよう命じられても、
生き物を治療するための土薬を作っていた。
土という属性を、
身体や生命へ作用させる方向へ使っていた術者になる。
そのため夏野の長命を見る時も、
単純な「呪いで若いまま」では足りない。
土の術。
肉体への作用。
延命。
この三つが一続きになっている。
夏野だけ長命の仕組みが違うのは、
土属性そのものが身体へ深く関わっているからになる。
つまり夏野は、
「絶対に死なない人物」ではない。
死へ近づくこともある。
身体の状態も変化する。
それでも現在まで生きているのは、
何らかの方法で命を継続させてきたから。
その具体的な方法が、
次の章で明かされる土人形との契約になる。
ここから先は、
夏野がどう助けられ、
その代わりに何を求められたのかという、
長命の条件そのものへ入っていく。
★第4章 夏野と契約した土人形は何者?
※ここから先は、アニメ未放送の原作内容を含みます。
病で死にかけた夏野の前へ現れ、命を与える代わりに契約を求めた
夏野の長命が始まったのは、
御降家が崩壊した後。
彼女は一度病へ倒れ、
そのままでは命を失うところまで弱っていた。
そこで病床の夏野の前へ現れたのが、
小さな土人形だった。
土人形は、
無条件で夏野を治療したわけではない。
命を助ける代わりに、
自分の目的へ協力するよう求める。
夏野はその条件を受け入れ、
契約によって生き延びる道を選ぶ。
ここで初めて、
夏野の900年が単純な延命ではないと分かる。
助けられた側には役目がある。
土人形には、
夏野を長く生かしてまで果たしたい目的がある。
両者の利害が一致したことで、
契約関係が成立している。
さらに夏野は、
その後も一定の周期で身体へ施術を受ける。
一度命を与えられて終わるのではなく、
約100年ごとに新しい土の施術が必要になる。
つまり九百年間の生存は、
契約が続いているからこそ成立している。
この点を見ると、
夏野の長命には明確な条件がある。
土人形との関係が切れれば、
今までと同じ状態を維持できる保証はない。
若さも寿命も、
本人だけで完結した能力ではなく、
契約相手との関係に依存している。
夏野は助けられた代わりに、土人形が探しているものを追い続けてきた
土人形が夏野へ求めたのは、
ただ生き続けることではない。
自分の手足となり、
あるものを探し続けること。
夏野の900年には、
最初からその役目が組み込まれている。
そのため現在の夏野は、
一か所へ留まらず各地を巡っている。
人を治療する。
怪異へ関わる。
御降家に関係する出来事へ姿を見せる。
こうした行動の裏には、
契約によって続いている探索も重なっている。
第18話で大五と紗那の過去を語ったことも、
この契約を知ると重さが変わる。
夏野にとって大五は、
900年前の昔話に出てくる人物ではない。
現在まで続く問題と、
深く結びついた存在になる。
土人形が探しているものも、
大五の過去と無関係ではない。
だから夏野は、
御降家崩壊後も九百年間、
完全に過去を捨てることができなかった。
命を得た代わりに、
終わっていない事件へつながれ続けている。
ここで第1章の答えがさらに具体的になる。
夏野は、
若さを欲しがって不老不死になったのではない。
死にかけた時に土人形へ助けられ、
その代価として契約を背負った。
九百年という時間は、
その約定を果たすための時間でもある。
そして土人形の正体まで追うと、
この契約がなぜ夏野でなければならなかったのか、
なぜ大五の名前が何度も浮かび上がるのかも変わってくる。
次に重要になるのは、
土人形が夏野を長く生かしてまで探していたものと、
大五の魂とのつながりになる。
★第5章 100年ごとの施術では何をしている?
※ここから先も、アニメ未放送の原作内容を含みます。
一度の延命ではなく、夏野の身体を百年単位で維持し直す処置になる
夏野の長命で特に重要なのが、
一度だけ特殊な術を受けて、
そのまま九百年間若い身体を保ったわけではないこと。
夏野は約百年ごとに、
新しい土の施術を受けながら、
平安時代から大正時代まで命をつないできた。
この「百年ごと」という条件がある以上、
施術は単純な不老化とは違う。
一度身体を完成させれば終わりではなく、
長い年月の中で生じる変化へ、
一定の周期で手を入れる必要がある。
夏野の身体は、
九百年前の状態をそのまま凍結したものではない。
第18話「夏野」で、
摩緒と再会した夏野は、
御降家時代から外見がほとんど変わっていない。
しかし実際には、
その姿を九百年間無傷で保ったのではなく、
百年単位の施術を何度も受けた先に、
現在の身体があることになる。
ここは、
第20話「紗那の心臓」で見える夏野の記憶と対照的。
九百年前に紗那を襲った黒い邪気を、
現在の幽羅子から感じ取り、
過去と同じものだと判断する。
記憶は九百年前から連続しているが、
身体の方は周期的な施術を重ねて維持されてきた。
つまり夏野の長命は、
「同じ身体がそのまま九百年残った」というより、
同じ人格と記憶を保ちながら、
肉体へ定期的な補強を加え続けてきた状態に近い。
百年という時間が過ぎるたび、
次の百年を生きるための処置が必要になる。
ここで大きいのが、
施術の中心にあるのが「土」だという点。
夏野自身も、
御降家時代から土の術を専門としていた。
しかも土を岩や武器として使うだけではなく、
身体や生命へ働きかける方向へ応用していた人物になる。
少年サンデー公式でも、
夏野は平安時代に、
生き物を治す薬を作っていた人物として紹介されている。
毒を作るよう求められても、
その知識を治療へ使った。
土を「壊す力」ではなく、
生命を支える側へ使っていたことになる。
この過去を知ると、
百年ごとの施術も、
ただの若返りではなく見えてくる。
夏野自身が扱ってきた土の力が、
今度は自分の肉体へ作用し、
長期間生きられる状態を保っている。
土属性と九百年生存は、
別々の設定ではない。
第23話の「墓土を食べる患者」も、土が身体を変える力を持つことを示している
第23話「夜歩く患者」では、
摩緒、菜花、乙弥が、
異常な患者を追うことになる。
患者はまともな食事を取らず、
夜になると病院を抜け出し、
墓地で土を口へ入れては吐き出していた。
調べるうちに、
その行動の背後には、
強力な土の術が絡んでいることが分かる。
単に「土を食べる奇病」ではなく、
身体そのものへ何らかの術が作用し、
普通の人間ではあり得ない行動を続けさせている。
ここへ夏野が現れるのも重要。
第18話では、
九百年前の記憶を持つ姉弟子。
第20話では、
紗那の死に関わる邪気を知る証人。
第23話では、
土の術が身体へ入り込む事件へ、
専門の術者として直接関わってくる。
もちろん、
第23話の患者と夏野の施術は同じものではない。
しかし、
土の術が地面を動かすだけではなく、
肉体や生命へ影響できることは共通している。
夏野の長命も、
その延長線上にある特殊な処置として見ると分かりやすい。
さらに夏野の場合、
施術は一度では終わらない。
約百年ごとに繰り返される。
九百年生きているなら、
長い時間の中で何度も身体へ土の力が加えられてきたことになる。
現在の夏野は、
普通の人間の身体を一回だけ変えた存在ではない。
だから百年ごとの施術は、
「寿命を百年追加する術」と単純に考えるより、
肉体を次の期間まで使える状態へ維持する処置と見る方が近い。
老化。
病。
時間による身体の劣化。
そうした人間なら避けられない変化へ、
周期的に土の力を作用させている。
ただし、
この施術がどこまで具体的に身体を書き換えているか、
何歳分の寿命を加えるのかといった細部まで、
すべて数値で説明されているわけではない。
確実なのは、
夏野が百年ごとの処置を受け続けることで、
現在まで若い姿と命を保ってきたことになる。
そして、
なぜ契約相手がそこまでして、
夏野という一人の術者を九百年間維持する必要があったのか。
その答えへ進むと、
夏野本人の寿命だけでは説明できない。
彼女の身体に、
大五の魂が関わっていたという事実へつながっていく。
★第6章 土人形の正体と大五はどうつながる?
※この章では、原作21巻以降の大きなネタバレを含みます。
夏野の身体には、九百年前に失われた大五の魂が残されていた
夏野の九百年を追った先で、
最も大きく見え方が変わるのが大五との関係になる。
原作21巻では、
九百年前に失われた大五の魂を、
現在の夏野が持っていることが判明する。
夏野の身体は、
本人一人だけの問題ではなかった。
大五は、
御降家で夏野と同じ土の術を使っていた兄弟子。
第18話「夏野」では、
夏野の口から、
大五と紗那が互いに想い合っていた過去が語られる。
摩緒自身が知らなかった二人の関係を、
夏野は当事者に近い立場から覚えていた。
当初、
大五は御降家の後継者争いで、
最初に命を失った人物として見られていた。
しかし原作が進むと、
大五と紗那には別の計画があり、
五色堂で起きた事件だけでは、
彼の死を説明できないことが分かってくる。
さらに大きいのが、
大五の身体と魂が、
同じ場所に残っていなかったこと。
小学館公式の第21巻紹介でも、
大五は「魂を奪われた」存在として扱われ、
その魂をなぜか夏野が持つことが示されている。
つまり夏野が九百年間生きていることと、
大五を巡る未解決の問題は、
後から偶然つながったわけではない。
九百年前の時点から、
二人の身体と魂が別々の形で残り、
大正時代までその状態が続いていたことになる。
第18話で夏野が、
大五と紗那の過去を語っていた場面も、
この事実を知ると重くなる。
夏野は昔の恋愛話を知っているだけではない。
自分自身の身体の中に、
大五へつながる重大なものを抱えたまま、
その名前を摩緒へ伝えていた。
夏野が生き続けることと、大五が完全に戻れないことが同時に続いていた
さらに原作22巻では、
夏野と大五の関係が、
生死の問題としてもっと直接的になる。
小学館公式でも、
「夏野が生きている限り抜け殻の大五は甦らない」
という形で紹介されている。
夏野の生存と、
大五の完全な復活が両立しないことになる。
ここで、
百年ごとの施術の重さも変わる。
夏野を長く生かすことは、
一人の術者の寿命を延ばすだけではない。
夏野の身体に関わる大五の魂を、
現在まで残し続けることにもつながっている。
大五本人の身体が残っていても、
魂がなければ完全な復活には届かない。
一方で、
その魂は夏野側へある。
大五を元へ戻そうとすれば、
どこかで夏野と大五の間にある、
身体と魂の関係を解かなければならない。
だから夏野の九百年は、
本人だけを見れば長命の恩恵に見える。
しかし大五側から見ると、
魂が本来の身体へ戻れない時間でもあった。
夏野が生きる。
大五は完全には戻れない。
その状態が、
九百年間続いてきたことになる。
第18話から大五を追ってきた摩緒にとっても、
これは大きな反転になる。
最初は、
九百年前に死んだ兄弟子の真相を探していた。
ところが現在まで生きる夏野自身が、
その死の続きと直接つながっていた。
夏野も、
九百年間ただ若い姿で過ごしていたわけではない。
契約相手の目的へ従い、
各地を巡り、
御降家に関係する出来事へ関わり続けてきた。
大五を巡る問題も、
その長い役目の中心に残っていたことになる。
ここまで来ると、
土人形が夏野を九百年間生かした背景も、
本人への善意だけでは見られない。
夏野を生かす必要がある。
大五の魂も関わっている。
契約相手には、
九百年前から終わっていない目的がある。
長命はその目的を維持する手段でもあった。
だから夏野の900年は、
「土の術で不老不死になった」という説明では終わらない。
百年ごとの施術で肉体を維持し、
その身体に大五の魂が関わり、
大五本人の復活とも衝突する。
夏野一人の命が、
九百年前の御降家の事件を現在まで引き延ばしている。
そしてこの関係を知ることで、
第18話で大五を語る夏野、
第20話で紗那の邪気を覚えている夏野、
第23話で土の術へ反応する夏野が、
すべて別々の場面ではなくなる。
九百年前の大五を抱えたまま、
現在まで土の術者として生き続けてきた人物として、
一本につながって見えてくる。
★第7章 夏野の900年は「不死」ではなく、契約によってつながれてきた時間だった
※この章では、アニメ未放送の原作内容を含みます。
摩緒たちと同じ900年でも、夏野だけは生き続ける条件が違う
夏野の900年を最後まで追うと、
単純な「不老不死」という言葉では足りないことが分かる。
摩緒。
百火。
華紋。
同じ御降家の術者たちも大正時代まで生きているが、
夏野には土人形との契約と周期的な施術という、
独自の生存条件がある。
第18話「夏野」で初めて見た時は、
摩緒より年上の姉弟子が、
九百年後も若い姿で現れたこと自体が驚きだった。
しかし原作まで追うと、
その身体は自然に若さを保ったものではなく、
長い年月の間に繰り返し手を加えられてきたものだと分かる。
百年ごとの施術。
土人形との約定。
大五の魂。
この三つが重なることで、
夏野の長命は成立している。
どれか一つだけ取り出しても、
九百年を完全には説明できない。
本人の術だけで完結していないところが、
他の長命者との大きな違いになる。
しかも夏野は、
ただ命を延ばしてもらった側ではない。
契約相手の目的へ協力し、
九百年間にわたって動き続けている。
各地を巡り、
人を治し、
御降家に関わる異変へ姿を見せる。
長命と役目が、
最初から切り離せない。
第23話「夜歩く患者」で、
墓土を食べる患者と土の術を追って現れた姿も、
この延長で見ることができる。
夏野にとって土は、
戦闘属性の一つではない。
自分の命。
大五の魂。
九百年前から続く契約。
そのすべてに関わる力になる。
夏野は900年間ただ生き延びたのではなく、御降家の未解決の問題を抱えたまま現在まで来た
夏野の長命で本当に重いのは、
九百年という数字そのものではない。
その間ずっと、
御降家で終わらなかった問題を、
自分の身体ごと抱えていたことになる。
大五の魂が夏野にある以上、
過去は記憶だけでは終わらない。
第18話では、
大五と紗那の関係を摩緒へ語る。
第20話では、
九百年前に紗那を襲った邪気を覚えている。
そして原作後半では、
大五の魂そのものが夏野と結びついていたことが判明する。
昔を知る証人だった人物が、
実は事件の現在進行形の一部だったことになる。
ここが夏野の立ち位置を大きく変える。
摩緒から見れば、
昔を知る姉弟子。
菜花から見れば、
九百年生きる不思議な陰陽師。
しかし真相まで知ると、
夏野自身が御降家崩壊後の問題を、
九百年間身体の中へ残してきた存在になる。
大五を完全な形へ戻そうとすれば、
夏野の生存との関係も避けられない。
夏野が生きること。
大五が戻ること。
その二つが簡単には両立しない。
ここまで来ると、
長命は単純な恩恵ではなく、
別の誰かの運命まで抱え込む状態になる。
だから夏野の900年は、
「若いまま長く生きられて得だった」
という話ではない。
百年ごとの施術を受け、
契約を果たし、
大五の魂と結びつき、
終わらない問題の中で現在まで歩いてきた時間になる。
第18話から第23話までの夏野は、
落ち着いた姉弟子として見える。
しかしその背後には、
九百年前から切れていない契約があり、
身体そのものが御降家の過去を残している。
表面的な若さより、
その時間を何のために使ってきたかの方が、
夏野という人物を理解するうえでは大きい。
夏野は不老不死の怪人ではない。
死へ近づいた過去があり、
外部の力に支えられ、
条件付きで生き続けている。
しかもその命は、
大五の魂と土人形の目的に結びついている。
だから「夏野はなぜ900年生きているのか」への答えは、
長寿の術を受けたから、だけでは終わらない。
土人形との契約によって命をつなぎ、
百年ごとの施術で身体を維持し、
大五を巡る未解決の役目を抱え続けてきたから。
夏野の九百年は、
過去を終わらせるまで続いてきた時間だったと言える。
MAOまとめ
『MAO』の考察・キャラ解説・猫鬼の呪い・五色堂・アニメ感想記事をまとめています。
摩緒、菜花、猫鬼、百火、華紋、不知火、白眉、玄武、乙弥など記事一覧はこちら。
あなたは映画やドラマを思いっきり楽しみたいですか?
- 「観たい映画があっても、配信サービスごとに探すのが面倒…」
- 「ドラマやアニメを楽しみたいけれど、作品数が少なくてすぐ見終わってしまう…」
- 「マンガや雑誌まで楽しみたいのに、別々に契約するのは大変…」
- 「せっかく登録しても、観たい作品が見つからないことがある…」
- 「休日に何を観るか迷って時間が終わってしまう…」
など、動画配信サービスを利用したいけれど、
自分に合ったサービス選びで悩んでいる方は多くいらっしゃいます。家族や友人に相談しても、
自分に合った作品が見つからず困ってしまうこともありますよね。そんな方に注目されている動画配信サービスが♪
●U-NEXT(ユーネクスト)の魅力
映画・ドラマ・アニメはもちろん、
マンガや雑誌などの電子書籍まで楽しめる
総合エンタメサービスです。幅広いジャンルの作品がそろっており、
話題作から定番作品まで楽しめるため、
さまざまなエンタメをまとめて楽しみたい方に人気があります。さらに、
ライブ配信やスポーツ中継、
韓流ドラマや独占配信作品なども充実しているのが特徴です♪作品数やジャンルの幅広さが魅力のサービスとして、
多くのユーザーに利用されています。31日間無料トライアルを実施しています♪
まずは実際に使ってみて、
自分に合った作品を探してみるのも楽しいと思います。幅広い作品を楽しみたい人には、
使いやすい動画配信サービスですよ♪
●さらに便利なポイントも!
スマホ・タブレット・テレビなど、
さまざまな端末で視聴できるため、
外出先や自宅など、好きな場所で楽しめます♪さらに、
独占配信作品やライブ配信も多数あるため、
いろいろなジャンルを楽しみたい方にも向いています。エンタメ好きの方は、
ぜひチェックしてみてください♪


コメント