無職転生のターニングポイント4では、未来ルーデウス=老デウスが現れ、ルーデウスがこれから辿るはずだった悲惨な未来を伝える。
老デウスの日記には、地下室のネズミから始まるロキシーたちの悲劇と、ヒトガミを信じた先で何を失ったのかが残されている。
未来ルーデウスがなぜ来たのかを追うと、ターニングポイント4が「未来を知る回」ではなく、ルーデウスが同じ未来を選ばないための分岐点だったことが見えてくる。
★第1章 ターニングポイント4では何が起こる?未来ルーデウスが悲惨な未来を止めに来る
突然現れる老人の正体は、約50年後から来たルーデウス
『無職転生Ⅲ』のターニングポイント4で起こる最大の出来事は、
ルーデウスの前に突然、一人の老人が現れることだ。
白髪に深い皺、荒れた服装、
左右でわずかに違う瞳。
長い戦いを生き抜いたような姿をしているが、
この老人は見知らぬ人物ではない。
正体は、
これから何十年も生きた未来のルーデウス本人。
ファンの間で「老デウス」と呼ばれる人物であり、
現在のルーデウスがこのまま進んだ先に存在していた
未来の姿である。
しかも老デウスは、
未来の自分がどうなったのかを見せるためだけに
現れたわけではない。
現在のルーデウスが今まさに向かおうとしている地下室を止めるため、
長い年月を費やして過去へやって来た。
老人が最初に強く伝えるのは、
地下室へ行ってはいけないという警告。
その直前、
現在のルーデウスはヒトガミから
「地下室に異常がないか見てきてほしい」と頼まれており、
ほとんど疑うことなく従おうとしていた。
ここがターニングポイント4の怖いところでもある。
第1期第8話「ターニングポイント1」では
フィットア領転移事件が起こり、
第1期第21話「ターニングポイント2」では
オルステッドとの遭遇によって
ルーデウスは一度命を落としかけた。
第2期第18話「ターニングポイント3」では、
ゼニス救出へ向かうかどうかという選択があり、
その先で父パウロを失うことになる。
どれも人生を大きく動かす出来事だったが、
4ではついに未来のルーデウス自身が
現在へ干渉してくる。
老デウスが変えたいのは「未来」ではなく、若い自分がこれから選ぶ行動
未来ルーデウスが来た背景には、
現在のルーデウスにはまだ起きていない
大量の悲劇がある。
このままヒトガミの助言に従って地下室へ行けば、
やがてロキシーを失い、
家族との生活も崩れていく。
シルフィやエリスを含めた
大切な人々との関係まで大きく変わっていく。
老デウスはその未来を実際に生き、
取り返せないところまで進んだ後で、
若い自分だけでも同じ道を歩かせまいとして
過去転移へ挑んだ。
だからターニングポイント4は、
「未来のルーデウスが登場する回」とだけ見ると
半分しか分からない。
本当に重要なのは、
現在のルーデウスが初めて
「自分がこのまま進んだ未来」を具体的に突き付けられることにある。
これまでなら失敗した後で
後悔するしかなかった。
しかし今回は、
失敗した本人が未来から戻り、
まだ起きていない悲劇を
止めようとしている。
ルーデウスにとって初めて、
人生の失敗を起こる前に
選び直せる場面になる。
さらに老デウスが残すのが、
自分が歩いた未来を書き続けた
日記である。
その中には、
誰を失ったのか、
ヒトガミを信じた結果どうなったのか、
そして絶望したルーデウスが何をして
生き延びてきたのかまで記されている。
無職転生の日記が後々まで重要視されるのは、
単なる未来予知ではなく、
一度実際に存在した
ルーデウスの人生そのものだからだ。
現在のルーデウスから見れば、
それは「これから起こるかもしれない未来」。
老デウスから見れば、
それは何十年もかけて失敗し続けた
自分の人生。
この二人が同じ部屋で向き合い、
未来の自分が過去の自分へ
最後の忠告を残すところから、
『無職転生』の物語は
大きく方向を変えていく。
★第2章 未来ルーデウスはなぜ来た?始まりは地下室のネズミだった
ヒトガミの頼みは「地下室を見てきてほしい」という小さなものだった
ターニングポイント4の直前まで、
ルーデウスの生活はむしろ
落ち着きを取り戻そうとしていた。
ナナホシが倒れたことで始まった騒動では、
ペルギウスの空中城塞から魔大陸へ向かい、
キシリカを探すことになる。
そして不死魔王アトーフェとも対峙する。
第10話「不死魔王との謁見」を越えて
帰宅したルーデウスは、
家で待っていたアイシャやロキシーたちへ無事を報告し、
ようやく自分の日常へ戻ってくる。
家に戻ったルーデウスは、
ここ数日の出来事を振り返る。
アトーフェほどの強敵と遭遇したこと、
電撃の魔術が通用したこと、
召喚魔術や転移魔法陣をもっと学ぶ必要があること。
考えることがあまりに多く、
思いついても後から忘れてしまう自分に気づいたルーデウスは、
事件や教訓を書き残すために
日記をつけ始める。
後に重大な存在になる「無職転生の日記」は、
こうした日常の反省から始まったものだった。
最初から未来の秘密が書かれた
特別な物ではない。
その日記を書いている途中、
ルーデウスは眠ってしまい、
久しぶりにヒトガミと
対面する。
第2期第18話「ターニングポイント3」でヒトガミは、
ベガリット大陸へ行かず
ラノアに残るよう助言していた。
ルーデウスはその助言に逆らって
ゼニス救出へ向かい、
結果としてパウロを失った。
それでもロキシーを救って妻として迎え、
家族を取り戻したこと自体には
後悔していなかった。
そのためこの時点でも、
ヒトガミを全面的に信用してはいないが、
完全な敵だとも考えていない。
そんなヒトガミが頼んだのが、
「地下室に異常がないか見てきてほしい」という
拍子抜けするほど小さな用事だった。
敵を倒せでも、
誰かを殺せでもない。
地下室を確認するだけなら危険はないように見える。
過去の助言で
直接自分を害された記憶もなかったルーデウスは、
今回は疑わず従ってみようと考え、
深夜の家で地下室へ
向かおうとする。
地下室へ行けば、一匹のネズミからロキシーの悲劇が始まっていた
しかし、
その地下室へ向かう直前に
研究室へ現れたのが老デウスだった。
誰もいなかったはずの椅子に、
突然ボロボロの老人が
座っている。
ルーデウスがヒトガミの名を口にすると
老人の表情が変わり、
オルステッドがヒトガミという名前に反応した時と似た
強い警戒を見せる。
そして最初に止めたのが、
まさに今から向かおうとしていた地下室だった。
なぜ地下室へ行ってはいけないのか。
未来では、
そこで一匹のネズミが
逃げ出してしまうからだ。
そのネズミが持っている病原体が
食べ物を通じてロキシーへ入る。
そして、
やがて彼女の身体を
蝕んでいく。
剣で襲われるわけでも、
魔王に殺されるわけでもない。
ルーデウス自身の小さな行動から始まる。
ヒトガミに言われて
地下室の扉を開ける。
ただそれだけの行動から、
家庭崩壊の最初の一歩が
始まってしまう。
ここは、
ルーデウスにとって特に残酷な仕掛けになっている。
第2期の転移迷宮では、
魔物の群れの中で死にかけていたロキシーを
自分の手で発見した。
その後、
パウロを失いながらも
彼女を守り抜いた。
第3期ではロキシーから
水王級魔術も教わり、
アトーフェとの戦いでもその経験がルーデウスを助けている。
ようやく築いた家族の中心にいるロキシーを、
今度は戦いではなく、
自分自身が開けた地下室から出た
一匹のネズミによって
失う未来が待っていた。
だから未来ルーデウスは、
自分の若い頃へ戻らなければならなかった。
魔王を倒すためでも、
七大列強へ挑むためでもない。
若い自分が地下室へ向かう
数分間を止めるためだった。
何十年も生きた老デウスが
最後に変えたかったのは壮大な歴史ではなく、
家族がまだ全員そろっている夜に、
ルーデウスが一本の扉を
開けるかどうかだった。
ターニングポイント4で老デウスが現れる場面が強烈なのは、
未来の悲劇が突然降ってきたものではないからだ。
現在のルーデウス自身が
「ヒトガミを一度ぐらい信じてみよう」と思った
直後に始まる。
地下室、
ネズミ、
ロキシー、
老デウスの日記。
一見つながらない四つが一本につながった時、
ヒトガミという存在の見え方も、それまでとは完全に変わってくる。
★第3章 老デウスの日記には何が書かれている?家族を失っていく未来
最初は普通だった日記が、ロキシーの異変から一気に変わっていく
老デウスが残す日記は、
最初から絶望だけが書かれているわけではない。
ペルギウスの空中城塞で学んだこと。
召喚魔術や転移魔法陣への興味。
家族との生活や、その日に起きた出来事。
現在のルーデウスが書き始めた日記と同じように、
最初は日常の記録として続いていく。
しかし地下室のネズミが逃げた未来では、
そこから少しずつ内容が変わる。
ロキシーの身体に異変が起こり、
原因も分からないまま症状が悪化していく。
ルーデウスは治療法を探し、
これまで得た知識や人脈を使って助けようとする。
それでも未来の日記では、
ロキシーを救うことができない。
第2期では、
転移迷宮の奥でロキシーが魔物に囲まれ、
ほとんど生還できない状況まで追い込まれていた。
そこへルーデウスが駆けつけ、
何年も探し続けていた師匠をようやく救い出した。
パウロを失った直後には、
自分を責め続けるルーデウスをロキシーが支え、
二人は家族として歩き始めている。
だから未来で起きるロキシーの死は、
一人の仲間を失うだけでは終わらない。
命を懸けて救った師匠であり、
妻であり、
子供を育てる家族でもある。
転移迷宮で一度救えた相手を、
今度は自分が地下室を開けたことで失う。
老デウスにとっては、
そこから人生が崩れ始める。
ロキシーを失った後も、
悲劇は一つでは止まらない。
シルフィとの家庭にも大きな変化が起こり、
ルーデウスは以前のように穏やかに暮らせなくなる。
第2期でシルフィは、
ルーデウスが学校生活を取り戻し、
再び人と関われるようになるまで近くで支えてきた。
その家庭まで壊れていくことで、
老デウスは帰る場所そのものを失っていく。
日記に残るのは、強くなったルーデウスではなく壊れていったルーデウス
未来のルーデウスは、
悲劇が続いたからといって何もしなかったわけではない。
魔術を鍛え、
戦う力も増やし、
失ったものを取り戻そうと動き続ける。
現在のルーデウスよりも経験は多く、
魔術師として見ればはるかに危険な存在へ成長していく。
それでも、その強さで家族を元には戻せない。
ここが老デウスの日記の重いところになる。
若いルーデウスは、
強くなれば守れると思ってきた。
第1期では魔大陸を生き抜くために魔術を使い、
第2期では転移迷宮でロキシーやゼニスを助けるために戦った。
第3期でもアトーフェを相手に、
これまで覚えてきた魔術を使って生き残っている。
それでも未来では、
強さだけではどうにもならない出来事が続く。
エリスとの関係も、
老デウスの未来では簡単には戻らない。
第1期の最後、
エリスはルーデウスへ十分に事情を伝えないまま修行へ旅立った。
その置き手紙によってルーデウスは深く傷つき、
第2期前半まで長く引きずることになる。
現在ではまだ再会していない二人だが、
老デウスの日記には、
その後のエリスとの関係まで刻まれている。
日記を読む現在のルーデウスにとって、
そこに書かれているのは知らない誰かの人生ではない。
ロキシー。
シルフィ。
エリス。
自分がこれまで出会い、
守ろうとしてきた人たちの名前が並んでいる。
しかも書いたのは、
何十年後の自分自身である。
だから老デウスの日記は、
未来を当てるための道具ではない。
「このまま進めば、自分はこうなる」という
実際に生きた人生の記録になる。
現在のルーデウスが日記を読むほど、
老人の姿が他人ではなくなっていく。
目の前にいた老デウスは、
家族を失い続けた先の自分だったと分かってくる。
老デウスの日記に残された出来事や、その後のルーデウスの人生をさらに詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
▶ 未来ルーデウスの日記には何が書かれている?
★第4章 老デウスはどうやって過去へ来た?長い魔術研究の末に現在へたどり着く
失った家族を取り戻せなくても、過去の自分なら止められると考えた
老デウスは、
地下室の出来事が起きた直後に過去へ来たわけではない。
ロキシーを失い、
家族との関係も崩れ、
ヒトガミへの怒りを抱えながら、
その後も何十年という時間を生き続けている。
若い自分へ警告を届けるまでには、
長い時間が必要だった。
未来のルーデウスは、
魔術の研究を続けている。
特に大きいのが、
召喚魔術と転移魔術への研究。
第3期ではナナホシが異世界へ戻るため、
ペルギウスの空中城塞で召喚魔術や転移魔法陣を研究している。
現在のルーデウスもその近くで、
魔法陣が人や物を移動させる仕組みに触れている。
この経験が、
老デウスの未来ではさらに先へ進む。
場所から場所へ移動できるなら、
時間を越えることはできないのか。
召喚や転移の術式を調べ、
龍族が残した知識にも触れながら、
老デウスは過去へ戻る方法を探していく。
家族を失った瞬間へ直接戻り、
すべてをやり直そうとしたわけではない。
狙ったのは、
悲劇が始まる直前の自分。
地下室へ向かう前なら、
ネズミを外へ逃がさずに済む。
ロキシーが病気になる前なら、
その後の悲劇も止められる。
何十年後の自分が何をしても救えなかった家族を、
何十年前の自分なら守れる可能性が残っている。
だから老デウスが持ってきた日記も重要になる。
言葉だけで「私は未来のお前だ」と言っても、
現在のルーデウスが簡単に信じるとは限らない。
しかし日記には、
自分しか知らない出来事や、
これから起こるはずだった未来が残されている。
老人の言葉と日記がそろうことで、
現在のルーデウスは警告を無視できなくなる。
過去転移は成功しても、老デウス自身が人生をやり直せるわけではない
老デウスの過去転移は、
便利な時間移動ではない。
好きな時代へ自由に行き、
若い身体へ戻って人生を再開できるような術ではない。
老人の身体のまま現在へ現れ、
その時点ですでに大きな負担を受けている。
若い自分へ警告を届けること自体が、
最後の仕事に近い。
ここが一般的なやり直しの話とは違う。
老デウス自身は、
ロキシーともう一度暮らすことができない。
失った時間も戻らない。
シルフィやエリスとの未来を、
自分の人生として取り戻すこともできない。
変えられるのは、
目の前にいる若いルーデウスの人生だけになる。
しかも現在のルーデウスから見れば、
老人が背負っている数十年はまだ存在していない。
第10話までのルーデウスは、
シルフィ、ロキシー、ルーシーたちと暮らし、
ナナホシを救うために動き、
アトーフェとの戦いからも帰ってきた。
その同じ人物が未来では、
家族を次々に失った老人になっている。
この落差が、
ターニングポイント4を強烈な場面にしている。
老デウスは強くなった未来の姿でもある。
同時に、
現在のルーデウスが最もなりたくない姿でもある。
魔術を極めても、
大切な人を失えば人生は戻らない。
その事実を、未来の自分自身が見せに来る。
そして老デウスは、
若い自分へ日記を渡し、
地下室へ行くなと伝える。
ここで過去転移の目的は達成される。
未来そのものを魔術で消したのではない。
現在のルーデウスへ、
別の行動を選ぶ機会を残した。
だからターニングポイント4以降、
ルーデウスの人生は「未来を知らない人生」ではなくなる。
老デウスが何を失ったのか。
ヒトガミが何を仕掛けたのか。
誰を守らなければならないのか。
日記に残された未来を知ったうえで、
現在のルーデウスは次の一手を選ぶことになる。
★第5章 ターニングポイント1・2・3と何が違う?4で初めて未来そのものを選び直す
これまでのターニングポイントは、ルーデウスの人生へ突然大きな変化を持ち込んできた
『無職転生』では、
「ターニングポイント」と付く回のたびに、
ルーデウスの生活が大きく変わってきた。
第1期第8話「ターニングポイント1」では、
ロアでエリスの家庭教師をしていた穏やかな日常が、
フィットア領転移事件によって一瞬で消える。
ルーデウスはエリスと共に魔大陸へ飛ばされ、
そこでスペルド族のルイジェルドと出会う。
それまで家族や使用人に囲まれ、
家庭教師として暮らしていた少年が、
知らない土地から故郷を目指す旅へ放り込まれた。
ターニングポイント1は、
生活そのものを強制的に変えた分岐だった。
第1期第21話「ターニングポイント2」では、
中央大陸へ戻る途中で龍神オルステッドと遭遇する。
エリスとルイジェルドが姿を見ただけで震え、
オルステッドはパウロやエリスを知っているのに、
なぜかルーデウスだけを知らなかった。
さらにヒトガミについて質問した直後、
ルーデウスは一瞬で胸を貫かれてしまう。
この時のルーデウスに、
戦う相手を選ぶ余地はほとんどなかった。
オルステッドとの力の差は圧倒的で、
魔術を撃つ間もなく追い詰められる。
第1期まで積み重ねてきた強さが、
さらに上の存在の前では通用しない。
ターニングポイント2は、
世界には自分の知らない強者がいると突き付けた回でもあった。
第2期第18話「ターニングポイント3」は、
それまでとは少し形が変わる。
ベガリット大陸から届いた救援要請を前に、
ルーデウスはゼニス救出へ行くか、
妊娠したシルフィのそばへ残るかで迷う。
そこへヒトガミが現れ、
ベガリット大陸へ行かない方がいいと助言してくる。
結局ルーデウスは、
ヒトガミの助言には従わず、
パウロたちのいる転移迷宮へ向かう。
第2期第21話では迷宮内でロキシーを救い、
その先でゼニスも発見するが、
迷宮の主との戦いでパウロを失う。
自分で選んだ道の先に、
救えた人と失った人の両方が残った。
ターニングポイント4では、未来を知ったうえで同じ道を進むか選べる
ターニングポイント4が、
これまでの三回と決定的に違うのは、
事件が起きてから人生が変わるのではないことだ。
フィットア領転移事件は避けられなかった。
オルステッドとの遭遇も突然だった。
ベガリット大陸行きも、
どちらを選べば正解か分からない状態で決断している。
しかし今回は、
その選択をした後の未来を知る人物がいる。
それが老デウス。
地下室へ行けば何が起きるのか。
ロキシーがどうなるのか。
その後、自分がどこまで壊れていくのか。
未来のルーデウス本人が答えを持って現れる。
だから現在のルーデウスは、
初めて「結果を知らないまま選ぶ」状態から外れる。
地下室へ行く未来。
老デウスの警告に従う未来。
二つの道を目の前に置かれ、
一度失敗した自分自身から、
どちらを選ぶべきかまで教えられる。
ここまでのターニングポイントでは、
ルーデウスが起きた出来事へ対応してきた。
転移したから旅を始める。
オルステッドに敗れたから強さを知る。
救援要請が来たから家族を助けに行く。
それに対して4では、
事件が起きる前に自分から止めることができる。
しかも止める対象は、
巨大な魔法災害でも龍神でもない。
地下室の扉を開けるという、
普段なら気にも留めない行動。
その小さな選択の先に、
ロキシーの死と老デウスの人生が続いている。
だから一歩を止めるだけで、
何十年先の未来まで変わっていく。
ターニングポイント4という名前が重いのは、
大きな事件が起きるからだけではない。
これまで何度も人生を変えられてきたルーデウスが、
初めて未来を変える側へ回る。
老デウスが歩いた未来を見たうえで、
現在のルーデウスが別の一手を選ぶ。
そこから物語の進み方そのものが変わっていく。
★第6章 ヒトガミを信じてきたルーデウスはここからどう変わる?
助言をくれる存在だったヒトガミが、老デウスの警告で一気に危険な存在へ変わる
ルーデウスとヒトガミの関係は、
最初から単純な敵同士ではなかった。
第1期第9話「邂逅」以降、
ヒトガミは夢のような白い空間へ現れ、
ルーデウスへ何度も助言を与えてきた。
信用できない態度ではあるが、
結果として助かった場面もあった。
魔大陸では、
ミグルド族の村を出たルーデウスへ助言し、
リカリスの街でも次にどう動くかを示している。
第1期第19話「ルート選択」でも、
リーリャとアイシャを助ける流れに関わる。
言われた通りに動けば、
少なくともその場では良い結果が出ることが多かった。
一方で、
第1期第21話ではオルステッドが
「ヒトガミ」という言葉へ強烈に反応する。
ルーデウスがヒトガミを知っていると分かっただけで、
オルステッドの態度は一変し、
そのまま命を奪われかけた。
ここで初めて、
ヒトガミには自分が知らない大きな事情があると分かる。
それでもルーデウスは、
ヒトガミを完全な敵とは決めなかった。
第2期第18話では、
ベガリット大陸へ行かない方がいいと助言される。
ルーデウスは逆らって迷宮へ向かい、
パウロを失った。
その後ターニングポイント4で再びヒトガミと会った時、
この結果を思い出してしまう。
ヒトガミから見れば、
「あの時、言う通りにしていればパウロは死ななかった」と言える。
さらにルーデウスへ、
自分が行かなければロキシーも助かっていたと説明する。
そう聞けば、
一度助言を無視して父親を失ったルーデウスが、
今度は少し従ってみようと思うのも不自然ではない。
その直後に出される頼みが、
地下室を確認することだった。
危険な旅へ行けでも、
誰かと戦えでもない。
自宅の地下室を見るだけ。
だからルーデウスは、
今回はヒトガミの言う通りにしてみようと動き出す。
老デウスの日記を知ると、オルステッドとの過去まで別の見え方をしてくる
ところが、
地下室へ向かう直前に老デウスが現れる。
そして最初にはっきり告げる。
ヒトガミに騙されている。
ここでルーデウスは、
これまで受けてきた助言を
初めて別の角度から見直すことになる。
今までは、
ヒトガミの言葉が正しかったかどうかを、
その直後の結果だけで判断していた。
助かった。
危険を避けられた。
人物と出会えた。
その積み重ねがあったから、
全面的ではなくても信用が残っていた。
しかし老デウスの未来では、
その信用が利用される。
何度も役立つ助言を与え、
ルーデウスに「今回は従ってみよう」と思わせる。
そして地下室へ向かわせる。
老デウスの人生を知ると、
過去の親切まで同じようには見えなくなってくる。
ここで思い出されるのが、
第1期第21話のオルステッド。
あの時、
オルステッドはヒトガミの名を聞いた瞬間に
ルーデウスへ激しい警戒を向けた。
当時のルーデウスには、
なぜそこまで反応するのか分からなかった。
ターニングポイント4では、
老デウスも同じ名前を聞いて
表情を変える。
未来の自分と、
七大列強の龍神オルステッド。
まったく別の二人が、
同じ相手へ強烈な敵意を持っている。
ここまで来ると、
ヒトガミ側に何かあると考えざるを得なくなる。
さらに重要なのは、
現在のルーデウスにとって
オルステッドがまだ恐怖の相手であること。
第1期では一度殺されかけ、
その力の差を身体で知っている。
第3期でもヒトガミとの会話の中で、
ルーデウス自身がオルステッドには勝てないと考えている。
それでも、
老デウスの日記を読んだ後は、
ヒトガミの言葉だけを信じて進めなくなる。
ヒトガミを避けるにはどうするのか。
家族を守るには誰の力が必要なのか。
過去に敵として現れたオルステッドを、
これからも同じ敵として見ていいのか。
ルーデウスは一つずつ選び直すことになる。
だからターニングポイント4は、
ヒトガミへの不信だけで終わらない。
第1期から積み上げてきた
ヒトガミとオルステッドへの見方が同時に動く。
未来の自分が残した日記を読んだことで、
ルーデウスは誰を信じ、
誰から家族を守るべきなのかを考え始める。
その選択が、この先の大きな戦いへつながっていく。
このあとルーデウスとオルステッドの関係がどう動くのかは、こちらで詳しく追っています。
▶ ルーデウスとオルステッドはなぜ再戦する?
★第7章 ターニングポイント4は老デウス登場だけでは終わらない
日記を読んだルーデウスは、未来を知ったまま次の行動を選ぶ
ターニングポイント4で大きいのは、
老デウスが現れることだけではない。
地下室へ行くなと止められ、
日記を渡され、
自分がこの先どんな人生を歩くはずだったのかを知る。
そこから現在のルーデウスは、
未来を知らなかった頃と同じようには動けなくなる。
これまでのルーデウスは、
その時その時で最善と思う行動を選んできた。
第1期ではエリスを守りながら魔大陸を進み、
第2期ではシルフィとの家庭を築き、
ベガリット大陸ではパウロと共にゼニスを救おうとした。
失敗もあったが、
起こっていない未来まで知ったうえで動いたことはない。
ところが老デウスの日記には、
ロキシーを失う未来がある。
シルフィとの家庭が崩れていく未来がある。
エリスとの関係も、
現在のルーデウスが想像している形では進まない。
さらにヒトガミを信じ続けた先で、
自分自身がどこまで壊れていくのかまで残されている。
これを読んだ後では、
「知らなかったから仕方がない」とは言えない。
地下室へ行かなければ、
ネズミを逃がさずに済む。
ロキシーを守れる可能性が生まれる。
ヒトガミの言葉も、
以前のようにそのまま受け入れなくなる。
老デウスが失った人生を、
現在のルーデウスは一つずつ避けていくことになる。
だから老デウスが残したものは、
日記そのものよりも大きい。
若い自分へ、
未来を選び直せる時間を渡した。
自分はもう家族を取り戻せなくても、
過去の自分ならまだ間に合う。
そのために何十年も生き、
過去転移まで完成させて戻ってきた。
現在のルーデウスにとっても、
これは未来の自分から受け取った最後の助言になる。
ヒトガミの助言とは違う。
自分と同じ人間が、
同じ家族を愛し、
同じ失敗を経験した末に残した言葉。
だからこそ、
この警告を無視することはできない。
オルステッドへ挑むために重要になる「魔導鎧」についてはこちらで詳しく紹介しています。
▶ 魔導鎧(マジックアーマー)はなぜ必要?
この先はヒトガミとオルステッド、そして家族を守る戦いへつながっていく
ターニングポイント4を境に、
ルーデウスの前にある問題も変わっていく。
それまではナナホシの病気、
ペルギウスの空中城塞、
アトーフェとの戦いなど、
目の前で起きた事件へ対応することが中心だった。
しかしここからは、
未来で起きる悲劇そのものを防ぐ必要が出てくる。
最も大きいのがヒトガミとの関係。
第1期から何度も助言を受け、
信用できないと思いながらも、
完全には切ることができなかった。
ところが老デウスの未来を知ったことで、
その助言の先に家族の死があると分かる。
ルーデウスは、
ヒトガミの言葉を聞くだけの側ではいられなくなる。
同時に浮かび上がるのが、
オルステッドの存在。
第1期第21話では、
ルーデウスの胸を貫き、
圧倒的な恐怖を残した相手だった。
当時はヒトガミの名前を知っているだけで
なぜ攻撃されたのかも分からなかった。
しかし老デウスの日記を知ると、
オルステッドがヒトガミへ向けていた敵意も別の意味を持ち始める。
この先、
ルーデウスはヒトガミから家族を守るため、
これまでなら絶対に近づきたくなかった相手とも向き合うことになる。
オルステッドは恐ろしい。
一度は自分をほとんど何もさせずに倒した。
それでも未来を変えるなら、
逃げ続けるだけでは足りない。
さらにエリスの存在も、
ここから再び大きくなっていく。
第1期の最後に置き手紙だけを残して去り、
ルーデウスへ深い傷を残したエリス。
一方のエリスは、
ルーデウスを守れるほど強くなるために修行を続けている。
老デウスの日記を知った現在のルーデウスと、
長い修行を終えようとするエリス。
二人の道も、
再び交わるところまで近づいていく。
だからターニングポイント4は、
未来ルーデウスが出てきて終わる回ではない。
地下室の扉を開けるかどうかから始まり、
ロキシーを守れるか、
ヒトガミを信じ続けるのか、
オルステッドとどう向き合うのか、
エリスと再会した時に何を選ぶのかまでつながっていく。
老デウスは、
自分の人生をやり直すことはできなかった。
それでも現在のルーデウスへ、
同じ未来を歩かないための道を残した。
一度失われた未来と、
これから選び直す未来。
その二つが分かれる場所こそ、
ターニングポイント4になる。
この先、修行を続けたエリスとルーデウスがいつ再会するのかはこちらで詳しく紹介しています。
▶ エリスとルーデウスはいつ再会する?
無職転生Ⅲまとめ
『無職転生Ⅲ』の記事を、第3期の放送範囲・ナナホシと転移事件・ペルギウスと空中城塞・未来ルーデウス・オルステッド・魔導鎧・エリスとの再会・ルーデウスの家族などに分けてまとめています。
ルーデウス、エリス、シルフィ、ロキシー、ナナホシ、ペルギウス、オルステッド、ゼニス、アリエル、クリフ、エリナリーゼなど、気になる人物や物語の謎はこちらから探せます。
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