PR

【とある暗部の少女共棲】みーちゃんとみさきちゃんは誰?警策看取・食蜂操祈とドリーの関係

記事内に広告が含まれています。

ドリーが慕うみーちゃんは警策看取(こうざく みとり)、みさきちゃんは食蜂操祈(しょくほう みさき)を指している。
食蜂は警策の代わりとして接し始めるが、ドリーは目の前の友達が別人と気付いている。
借りた呼び名から始まった関係が、三人で会いたいという願いへ変わるまでを辿る

  1. 第1章 みーちゃんとみさきちゃんは誰? 二つの呼び名が指す相手
    1. 最初のみーちゃんは警策看取、 みさきちゃんは食蜂操祈
    2. 名前が似ているだけでなく、 食蜂が代わりとして接していた
  2. 第2章 最初のみーちゃんは警策看取? ドリーと過ごした施設での時間
    1. 世話を任された少女が、 遊びに来てくれる友達になる
    2. 液体金属の遊びに残る、 警策だけの手掛かり
  3. 第3章 みーちゃんはなぜ来なくなった? ドリーに届かなかった警策の事情
    1. ドリーを嫌ったのではなく、 救おうとして引き離される
    2. 来なくなった事情を知らず、 自分へ原因を探してしまう
  4. 第4章 食蜂はなぜ警策の代わりになった? 能力を使って始まった関係
    1. 以前の友達と思わせる接触に、 最初から偽りがある
    2. 借りた呼び名の下で、 食蜂自身の時間が増えていく
  5. 第5章 ドリーは別人と気付いていた? 匂いと遊びに残る違い
    1. 覚えていた友達と、 目の前の相手の違いを感じ取る
    2. 別れの前に名前を尋ねる行動が、 二人の時間を変える
  6. 第6章 別人と知っていたなら、 食蜂との時間も偽物になるのか
    1. 警策との思い出を残したまま、 食蜂とも友達になる
    2. ドリーが受け入れたことと、 食蜂の後悔は同じ速さで解けない
  7. 第7章 ドリーの妹は二人をどう迎えた? 三人で海へ行く約束
    1. 受け継がれた記憶には、 警策と食蜂の両方がいる
    2. 立ち去ろうとする食蜂へ、 もう一緒にいてよいと届く

第1章 みーちゃんとみさきちゃんは誰? 二つの呼び名が指す相手

二つの呼び名とドリーとの関係
呼び名 人物・出会った順番
みーちゃん 警策看取(こうざく みとり)。最初に親しくなった友達
みさきちゃん 食蜂操祈(しょくほう みさき)。警策が引き離された後に出会う

最初のみーちゃんは警策看取、 みさきちゃんは食蜂操祈

同じドリーの友達なのに、みーちゃんと、
みさきちゃんという二つの呼び名が出てくる。
警策看取のことを話していると思ったら、
食蜂操祈との過去へつながるため、
どちらを指しているのか少し迷いやすい。
二人が同じ人物なのではなく、
ドリーへ関わった時期と、関わり方が異なっている。

最初にドリーがみーちゃんと
呼んでいたのは、警策看取。
みさきちゃんは食蜂操祈を指している。

警策の別名が食蜂ということでも、
食蜂が警策の姿へ変身したということでもない。
才人工房という研究施設で、
二人は別々にドリーと時間を過ごしている。

ただ、人物名を二つに分けるだけでは、
引っ掛かりは少し残る。
食蜂は、自分を以前の友達と思わせるように
能力を使い、ドリーへ接しているから。
単に似たあだ名を持つ二人が
順番に遊びに来たのではなく、
一人の友達が戻ったように見せるところから、
次の関係が始まっている。

そのため、みーちゃんという呼びかけへ、
食蜂が応じている時間もある。
名前を呼ばれた側だけを見れば、
その人が最初の友達と受け止めたくなる。
けれど、借りている呼び名の向こうには、
実際にドリーと遊んできた警策の時間がある。

この過去を描くのは
『とある科学の超電磁砲T』
第10話と第15話になる。
『少女共棲』で警策を知った視聴者が、
彼女の大切な友達を辿ると、
食蜂にもつながっていく。
ここで扱う施設での出来事を、
『少女共棲』第4話で全て描かれた話として
重ねることはできない。

二人が出会うドリーは、機械の助けを必要とし、
施設の外へ自由に出られない少女になる。
警策は世話を任されたところから親しくなり、
食蜂は、以前の友達と離れた後の彼女へ出会う。
同じ相手でも、出会ったときの暮らしや
寂しさには違いがある。

名前が似ているだけでなく、 食蜂が代わりとして接していた

ここで、ドリーが警策を忘れたので
食蜂が新しい友達になった、と考えると
経緯がずれる。
警策が姿を見せなくなった後にも、
ドリーはその子を思っている。
食蜂が以前の友達として接し始めるのも、
その存在がドリーの中へ残っているからになる。

一方で、食蜂を警策の代用品と呼ぶだけでは、
その後に起きることへ届かない。
ドリーは、そばにいる相手が
以前のみーちゃんとは違うと気付く。
それでも、一緒に過ごした時間は続いている。
名前を借りて始まった関係の中で、
食蜂自身と過ごす時間が育っている。

その違いが、別れの前に相手の名前を
知ろうとする場面へつながる。
ドリーが求めるのは、
警策だと信じ切った相手への説明ではない。
いままで一緒にいてくれた、
別の友達の名前になる。
もう何度も顔を合わせた相手との自己紹介が、
ここで必要になることが切ない。

食蜂の側には、自分が能力を使って
接したことへの後ろめたさが残る。
友達として大切になれば、
その始まりを簡単には忘れられない。
ドリーが一緒にいてくれたことと、
食蜂が自分を許せることは、
すぐ同じ答えにならない。

だから、この関係には、
だました人とだまされた人という説明だけでは
収まらないところがある。
始まりに偽りはある。
それでも、ドリーは違いへ気付き、
食蜂と時間を過ごしている。
何を知らされ、何へ気付いていたのかで、
同じ場面の見え方が変わってくる。

その後の再会でも、ドリーの記憶を受け継ぐ妹は、
警策だけでなく食蜂も求める。
どちらか一人が本当の友達で、
もう一人は外へ出るという形にはならない。
別々に積み重なった二つの関係が、
三人で同じ場所へ残る道につながっていく。

呼び名の答えは、みーちゃんが警策、
みさきちゃんが食蜂になる。
ただ、その区別を知った後には、
なぜ食蜂が警策の代わりを務め、
なぜドリーが別人と知りながら
接し続けたのかという疑問が残る。
二つの名前は、ドリーが大切にした
二人との時間へつながっている。

第2章 最初のみーちゃんは警策看取? ドリーと過ごした施設での時間

世話を任された少女が、 遊びに来てくれる友達になる

ドリーが待っていた最初の友達は、
警策になる。
『少女共棲』では手強い護衛として現れる彼女も、
幼いころには、才人工房で
能力開発を受ける側にいた。
ドリーの世話を任されたとき、
研究の進め方を決められる
大人の立場にいたわけではない。

警策は研究者へ愛想よく接し、
その環境でうまく過ごそうとしている。
ところが、ドリーといる時間は、
相手の顔色を見て笑うだけではなくなっていく。
役目として会いに行く相手が、
一緒にいて本当に笑える相手へ近づいている。

ドリーの側から見れば、
施設の中へ来てくれる子がいることになる。
体を調べたり、機械を扱ったりする大人とは違い、
一緒に遊べる友達になる。
外へ自由に出られない生活では、
相手が話しに来ること自体が、
その日を変える出来事になる。

警策の能力も、ドリーと過ごすときには
遊びへ使われる。
液体金属で海の生き物の形を見せる
やり取りがあり、その楽しみがドリーに残る。
同じ力を、敵を襲うためではなく、
友達へ何かを見せるために使っている。

ここは、『少女共棲』での姿を知っていると、
少し意外に感じられる。
相手を切り裂くように動く金属を、
かつては友達を楽しませるために動かしていた。
能力が別のものへ変わったのではなく、
向ける相手と目的が違っている。

警策の能力を知る場面でも、
ドリーは勝ち負けを競う相手として見ていない。
金属の形が変わることを一緒に楽しんでいる。
研究施設では何ができるかを調べられる警策が、
ここでは何を見せたら喜んでくれるかを考えられる。
その違いが、二人でいる時間へ温かさを添えている。

ただ、ドリーが好きなのは能力だけ、
という話ではない。
技を見せてもらうことは、
警策と過ごす時間の一部になる。
研究者が成果を測るのとは違い、
その場に来てくれる人との遊びとして喜んでいる。
その近さが、みーちゃんという呼び名にも出ている。

液体金属の遊びに残る、 警策だけの手掛かり

みーちゃんは、施設が管理のために
付けた番号ではない。
ドリーが友達へ呼びかける名前になる。
相手を誰かの代わりとしてではなく、
日々の中へ来てくれる一人として覚えている。
あとに食蜂がその名前を借りるからこそ、
先にあった関係が大切になる。

もし呼び名だけが共有されていたなら、
同じ名前で接すれば違いは小さくなるかもしれない。
けれど、ドリーが知る警策には、
匂いや、遊びや、同じ場で過ごした感覚もある。
友達を覚える手掛かりは、
名前一つの中へ全部収まっているわけではない。

食蜂が来た後に、ドリーが以前の遊びを
求める場面には、その積み重ねが残る。
以前のみーちゃんならしてくれたことがある。
目の前の相手にも期待することが、
前の友達の存在を伝える。
警策がいなくなっても、彼女との時間が
簡単に消えたのではない。

その一方、警策自身も、
ドリーとの関係から受け取っていたものがある。
世話をする側が一方的に何かを与えるだけではなく、
気を張らずに過ごせる時間がある。
施設の中で取り繕う彼女にとっても、
ドリーは大切な相手へなっている。

だから、警策がドリーの実験を止めようとする行動も、
見知らぬ被験者へ向ける同情だけにはならない。
目の前で遊び、笑いかけていた子が傷ついている。
楽しい時間があったから、
その時間を壊しているものへ
黙っていられなくなる。

この友情を知ると、
警策が来なくなった後のドリーの寂しさにも、
具体的な形が生まれる。
単に人が一人減ったのではなく、
遊びを見せ、外の話をし、
そばで過ごした相手がいなくなった。
その空いた場所へ食蜂が入ることになる。

ただし、そこへ入ることは、
以前の思い出を丸ごと引き継ぐこととは異なる。
食蜂には食蜂の能力や振る舞いがあり、
警策の経験と同じにはならない。
ドリーが二人の違いへ触れる場面の手前には、
警策と積み重ねた、
もう一度同じに作れない時間がある。

第3章 みーちゃんはなぜ来なくなった? ドリーに届かなかった警策の事情

ドリーを嫌ったのではなく、 救おうとして引き離される

ドリーが食蜂と出会ったとき、
以前のみーちゃんはもう姿を見せなくなっている。
この順番だけを知ると、
警策がドリーから離れ、
その後を食蜂が埋めたように見える。
けれど、警策が会いに来られなくなった経緯は、
友達を嫌ったからではない。

警策は、ドリーの体を支える装置へ疑問を持ち、
治療とされていたものの真実を知る。
クローンとして作られたドリーは、
研究のために命を削られていた。
友達を治すための時間と思っていたものが、
その子を消耗させる実験へつながっていた。

そこで警策は、
実験を中止してほしいと訴える。
役目として世話をしているだけなら、
そのまま施設の説明へ従うことも
できたかもしれない。
それでも、ドリーを傷つけることを止めようと動く。
友達を守るために、
研究者へ逆らう側へ進んでいる。

その結果、警策は捕らえられ、
ドリーと引き離される。
離れたかったのではなく、
戻る自由を奪われている。
ところが、その事情をドリーへ伝える機会も閉じられる。
会いに来ない事情を、
本人の口から説明できないままになる。

ドリーから見えるのは、
体の傷を見せた後、
友達が来なくなったという出来事になる。
警策がどこで何を知り、
どう動いたかは見えない。
そのため、自分の体を見て
嫌われたのではないかと受け止めてしまう。

ここは、事情を知っている側にはもどかしい。
嫌いになったどころか、
助けようとしていたと伝えたくなる。
それでも、二人が会う道は
施設側によって塞がれている。
気持ちさえ強ければ届く、
という種類のすれ違いではない。

ドリーが傷を見せることは、
警策にとって実験へ疑問を持つきっかけになる。
けれど、ドリー自身には、その後の訴えも
捕らえられる場面も見えていない。
同じ傷を挟んで、一人は助けに動き、
もう一人は嫌われたと思ってしまう。
二人の気持ちが離れたのではないところに、
やりきれなさが残る。

来なくなった事情を知らず、 自分へ原因を探してしまう

警策はドリーを救いたい。
ドリーは警策にまた来てほしい。
二人の願いは近いところへあるのに、
相手が何をしたかを知れず、
同じ場所へ戻れない。
関係が壊れたのではなく、
関係を確かめる手段が奪われている。

この経緯があるため、
ドリーが新しく来た相手を受け入れる場面も、
以前の友達を簡単に忘れた話にはならない。
警策を思う寂しさが残ったところへ、食蜂が現れる。
みーちゃんが戻ってきたと思えることは、
その寂しさに直接触れる。

一方、食蜂がこの出会いの時点で、
警策の行動を全て知っていたという話でもない。
食蜂は、友達と離れた少女へ接する側になる。
ドリーが聞けなかった事情を、
食蜂が初めから解いて渡せたわけではない。

だから、第10話で描かれる食蜂側の過去と、
第15話で見える警策側の過去を合わせると、
別れの姿が変わる。
友達が来なくなったという説明の向こうに、
救うために動いた子の行動がある。
片方だけの記憶では届かなかったところが、
もう一方の過去からつながる。

その間、ドリーは知らないことを
正しく推測できなかったから悪い、とは言えない。
警策も、もっと説明してから動けばよかったと
簡単には責められない。
二人の情報と行動を分けたのは、
子ども同士の会話より強い力を持つ施設になる。

この別れは、食蜂が誰かの関係へ
割って入るために作ったものではない。
食蜂が来る前に、
警策はすでに引き離されている。
食蜂の接し方には別の問題があるとしても、
警策が来なくなった原因まで
彼女へ移すことはできない。

警策の不在を知ると、
代わりの友達という言葉にも重さが出る。
空いた場所は、
本人がもう要らないと捨てた席ではない。
戻りたかった人が戻れず、
待っていた子が傷ついた場所になる。
食蜂との関係は、その事情の全部が
明かされないまま始まっている。

第4章 食蜂はなぜ警策の代わりになった? 能力を使って始まった関係

以前の友達と思わせる接触に、 最初から偽りがある

みーちゃんが戻ってきた。
そのように受け止められる形で、
食蜂はドリーへ接する。
ここで起きているのは、
食蜂が警策の体へ変身することではない。
心理掌握という、人の記憶や認識へ働きかける
能力を用い、自分を以前の友達と思わせている。

食蜂も、才人工房で
能力開発を受ける子どもになる。
施設へ偶然遊びに来て、
寂しがるドリーを見て
声を掛けただけの出会いではない。
ドリーの世話へ関わるようになったところから、
二人の接触が始まっている。

その関わりは研究と切り離された場所で
始まるわけではなく、
食蜂は能力を使って接する。
初対面の相手として名前を伝え、
少しずつ友達になる形とは異なる。
ドリーが大切にしていた人物へ自分を重ねるため、
出会いの入口には偽りがある。

この点を消してしまうと、
あとに残る食蜂の後悔がつながりにくくなる。
寂しい子を励ますための善意だけで、
何の問題もなく友達になったという話ではない。
以前の相手を待っていたドリーの認識へ、
食蜂が力を使って手を入れている。

一方で、その始まりだけで、
食蜂が以後も何も感じず
研究の役目をこなした相手とすることもできない。
実際に会って過ごすうちに、
ドリーとの距離は変わっていく。
名前を借りたままでも、
彼女がそばにいることを気にかけ、
友達として大切に思う時間が増える。

そこにあるのは、
警策の過去をそっくり再現する仕事だけではない。
食蜂が話し、動き、
ドリーが応じる出来事が新しく起きている。
警策が以前してくれたことをドリーが期待しても、
食蜂の体や能力が
同じものへ変わるわけではない。

ドリーにとっても、
いつもと違う部分へ接する機会がある。
目の前の相手と過ごす時間には、
新しい感覚ややり取りが増える。
以前のみーちゃんとして始まった接触が、
そのまま以前と全く同じ経験だけを
繰り返すことにはならない。

ここが少し苦しい。
食蜂との時間が楽しくなったとしても、
その楽しさを食蜂自身の名前で受け取れているかは、
別の問題になる。
みーちゃんと呼ばれる間には、
相手が自分を見て笑っているのか、
以前の友達へ笑っているのかという隔たりが残る。

借りた呼び名の下で、 食蜂自身の時間が増えていく

だから、能力を使えば友達を
簡単に作れるという話にはならない。
思いどおりの認識で始められたとしても、
その関係を自分でどう受け止めるかまでは片付かない。
食蜂が本当にドリーを大切にするほど、
最初に隠したものが軽くならない。

また、食蜂が警策の代わりを務めたことと、
警策を追い払ったことは異なる。
彼女が来たときには、
すでにドリーは友達と離れている。
食蜂の行動を考えるときには、
以前の別れの原因と、その後に認識を使ったことを
同じ出来事へまとめられない。

警策を待つ寂しさを和らげる働きはあっても、
その寂しさのもとにある誤解を解いたわけではない。
警策は嫌って去ったのではないという事情が、
本人から届いたわけでもない。
食蜂がそばにいることは、
失われた関係の全てを元へ戻す行動にはなっていない。

それでも、ドリーにとって、
そばにいてくれた時間が無価値になるわけではない。
研究や能力という始まりの裏に、
実際の会話と触れ合いがある。
食蜂はそこで、ドリーへ接する一人として
関係を持っている。
何もかも作り物の時間として片付けるには、
二人の反応が近い。

食蜂が優しいか悪いか、
一言で答えにくいのは、
この二つが同じ相手へ向いているからになる。
能力で以前の友達と思わせた行動はある。
その後に友達へなった思いもある。
偽りがあったことと、
相手を大切にする気持ちが生まれたことが、
同じ少女の中に重なっている。

そして、食蜂には自分が相手の認識を
変えているという自覚がある。
ドリーが違いへ気付いていることを知る前には、
関係の成り立ちを自分だけが
知っているように感じる余地がある。
相手が笑ってくれるほど、
隠したことの重さも残ると考えられる。

ここで必要になるのが、
ドリー側から見えていたものになる。
食蜂は自分が以前の友達を演じていると知っている。
けれど、ドリーは本当に、
目の前の相手をずっと
警策だと思い続けていたのか。
その答えが変わると、
二人の時間も違って見えてくる。

食蜂が警策の代わりとして接し始めたことは、
友情の始まりを複雑にしている。
ただ、そのまま代役でしかなかったと
結論を閉じることもできない。
ドリーは違いを感じ取り、
最後には、その相手自身の名前を知ろうとする。
食蜂自身へ向く言葉が、
そこでようやく形になる。

第5章 ドリーは別人と気付いていた? 匂いと遊びに残る違い

ドリーが知っていたこと、知らなかったこと
出来事 ドリーが接した情報
警策が来なくなる 体の傷を見せた後に会えなくなる
食蜂と過ごす 以前の友達とは匂いが異なる
食蜂の名前 別れの前に本人へ尋ねる

覚えていた友達と、 目の前の相手の違いを感じ取る

ドリーは、目の前の相手が
以前のみーちゃんと違うことへ気付いている。

手掛かりになるのが、食蜂の髪の匂いになる。
顔を見て同じ人と受け止める認識だけでは埋まらない、
そばで過ごした友達との感覚が残っている。

この場面では、
ドリーが相手へ近づいて匂いを確かめる。
その動きは小さいが、
あとに名前を尋ねる行動とつながると、
重みが変わる。
単に懐いている姿としてだけではなく、
前にいた相手との違いへ
触れていた場面になる。

警策との時間を覚えていたことが、
ここで働いている。
ドリーにとって、友達は名前だけの存在ではない。
どんなふうに近くへ来て、
どんな感じがする相手かということも、
付き合いの中へ残る。
食蜂がその全てを同じにしているわけではない。

だから、匂いの違いへ気付いたことを、
食蜂の能力が一切効かなかったと
広げる必要はない。
作中で示されるのは、ドリーが以前の友達と
同じではないと分かること。
能力の全てを無効にする体質や、
ほかの相手にも通用する対策が
証明された話ではない。

また、この気付きは、
警策が会いに来なくなった本当の事情まで
見抜いたこととも異なる。
食蜂は別人と分かっても、
警策が実験を止めようとして捕らえられたことまで、
匂いから知れるわけではない。
ドリーの中では、分かったことと、
まだ分からないことが並んでいる。

ここを分けると、
彼女の接し方も少し切なくなる。
以前のみーちゃんと違うなら、
最初の友達が戻ってきたわけではない。
それでも、新しく来てくれる相手との時間は続く。
待っていた人の不在と、
目の前にいる人への親しさを、一度に抱えている。

警策が見せてくれた能力の遊びも、
前の友達へつながる手掛かりになる。
ドリーが同じように見せてほしいと望んでも、
食蜂の得意なことへ
そのまま置き換わるわけではない。
過去の記憶が、現在の相手とのやり取りの中へ
顔を出す。

この違いがあるため、
食蜂は呼び名を借りることはできても、
警策と過ごした全ての経験へなれるわけではない。
匂いも能力も、
その人がそばにいた感覚も異なる。
以前の友達との関係が、
名前を同じにするだけでは消えないところが、
ドリー側の記憶から伝わる。

別れの前に名前を尋ねる行動が、 二人の時間を変える

それでも、ドリーは食蜂との時間を続けている。
別人と分かった瞬間、
相手を追い返し、
二度と会わないという関係へ移るわけではない。
だから、後から気付きを知ると、
二人が遊んでいた時間へ、
ドリーがどう相手を見ていたのかという問いが重なる。

ここで、その場にいてくれる人なら
誰でもよかったと決めるのは寂しい。
ドリーは、食蜂と実際に時間を過ごしている。
警策でなくても、その相手と交わしたことがある。
初めの友達への思いが残ることと、
別の友達を好きになることは、同時に起こり得る。

そして別れの前、
ドリーは食蜂へ名前を尋ねる。
すでに長く一緒にいた相手なのに、
その人の名前を最後に聞くことになる。
みーちゃんという借りた呼び名ではなく、
そばにいてくれた少女自身を呼ぶための言葉が、
ここで必要になる。

もしドリーがずっと食蜂を警策と思っていたなら、
その質問の向きは違ってしまう。
以前から知っている友達へ、
なぜ名前を聞くのかがつながりにくい。
違う人と分かっていたからこそ、
相手をその人として知りたいという行動になる。

ここは、食蜂へ正体を暴くための問いを投げて
責める場面としては感じられない。
ドリーは、そばで過ごした相手の名前を
聞こうとしている。
何を隠したのかという追及より、
目の前の友達をどう呼べばよいかが
先にあるように読める。

食蜂にとっては、
自分が隠していたことだけでなく、
相手がすでに気付いていたことを知る場面になる。
自分だけが関係の成り立ちを知っていた、
という前提が変わる。
ドリーも違いを知りながら、
その時間へいてくれたことになる。

ただし、それで偽りの始まりが
なかったことになるわけではない。
ドリーが受け入れたから何の問題もないと片付けると、
食蜂が抱える後悔が抜ける。
相手から向けられた親しさと、
自分がしたことをどう受け止めるかは、
その後も別のところへ残る。

みさきちゃんという呼び名へつながるのは、
この名前を知るやり取りになる。
警策の名前を上書きして食蜂だけを残すのではなく、
別の友達に別の呼び名ができる。
呼び分けられることによって、
ドリーの中に二人がいたことが、
言葉の上でも見えてくる。

匂いに気付く小さな動作と、
最後に名前を尋ねる言葉。
その間には、違いを知っても
一緒に過ごした時間がある。
ずっとだまされていた子としてだけでは
届かないドリーの姿が、そこにつながる。
彼女は、目の前の相手を
知らないまま笑っていたわけではない。

第6章 別人と知っていたなら、 食蜂との時間も偽物になるのか

警策との思い出を残したまま、 食蜂とも友達になる

ドリーは食蜂が別人と分かっていた。
それを知ると、楽しく遊んでいた場面の
受け止め方も変わる。
警策が戻ったと信じていたから笑っていた、
という説明だけではなくなる。
違う相手と感じても、
その子と一緒にいる時間を続けていたことになる。

だからといって、
警策はもう要らなくなったとも言えない。
匂いや遊びの違いに気付くのは、
以前の友達を覚えているから。
警策と過ごした記憶を失い、
空いたところへ食蜂だけが収まった話ではない。
ドリーの中には、先にいた友達も残っている。

そのうえで、新しく来た食蜂へ向く親しさがある。
以前の相手と同じでなくても、
話してくれたり、そばにいてくれたりする子がいる。
関係の始まりに偽りがあっても、
その後に一緒にしたことまで、
全て警策との記憶へ置き換わるわけではない。

この違いが、二人の友達という答えへつながる。
みーちゃんか、みさきちゃんかの
どちらか一人を選ばなければならない関係にはならない。
警策を覚えているから食蜂と友達になれない、
食蜂と親しくなったから警策を忘れる、
という二択ではない。

ドリーが名前を聞く行動も、
食蜂を警策と切り離して見ていることにつながる。
以前の友達としてではなく、
そばにいてくれた別の相手へ、
呼びかける名前が欲しい。
自分が接していた人を知ろうとするところに、
食蜂自身へ向く気持ちが表れている。

一方、食蜂からすれば、
それは安心だけを渡される場面ではない。
自分の能力による接触を、
相手は知らなかったと思っていたかもしれない。
ところがドリーは違いに気付いている。
そのうえで受け入れていたと分かれば、
嬉しさだけでなく、
隠していたことへの痛みも残ると考えられる。

ドリーが自分を責めないことと、
食蜂が自分を責めずに済むことは同じではない。
人を傷つけたかもしれないという思いは、
相手が優しく応じたら、
その場で全て消えるとは限らない。
むしろ、その優しさに触れることで、
したことを軽く扱えなくなる場合もある。

ドリーが受け入れたことと、 食蜂の後悔は同じ速さで解けない

食蜂には、ドリーを助けられなかったという
後悔も重なる。
警策が引き離された過去と違い、
食蜂はドリーの最期に関わる側になる。
そばにいて関係を持てたことは、
その子を救い切れたことにはつながらない。
大切な相手へなった後に、
失う時間が来てしまう。

ここで、自分の名前を知ってもらえたことが、
そのまま二人の新しい日常へ
続くわけではないところがつらい。
借りた名前の向こうで友達へなっていたと
分かった頃には、残る時間は少ない。
もっと早く本人として出会えていたらと、
考えたくなる余地がある。

それでも、名前を伝え合うことが
遅かったから無価値になるわけではない。
ドリーは、以前の友達と違う相手へ呼びかけている。
食蜂も、自分が誰として見られていたかを知る。
偽りの入口だけでは説明できなかった関係が、
二人の間で言葉になる。

名前を聞くまでの時間を思うと、
親しくなる順番と、名乗る順番が逆になっている。
最後の自己紹介には、
その二人だけの遠回りが残る。

警策の側には、この時間をすぐ知る道がない。
自分が閉じ込められている間、
ドリーのそばへ食蜂がいた。
けれど、その経緯も、
その子がどんなふうに食蜂と過ごしたかも、
当時の警策には一緒に届いていない。
二つの友情は、別々の場所で続いている。

あとに食蜂と警策が出会うことは、
その分かれていた時間をつなぐ。
警策には、自分がいなかった後の
ドリーについて知る相手ができる。
食蜂には、ドリーが待っていた
最初の友達を知る機会ができる。
呼び名の向こうにいた人同士が、
ようやく同じ場所へ来る。

ただ、その時点で二人の気持ちが
全て同じになる必要はない。
警策は助けようとして会えなくなり、
食蜂は別人としてそばにいて、
救えなかった思いを抱えている。
ドリーを大切にしていたことは共通しても、
同じ過去を生きた二人ではない。

その違いがあるから、
ドリーとの友情を、本物と偽物の二つへ
きれいに仕分けることはできない。
食蜂の最初の行動に問題がないわけではない。
それでも、ドリーが相手を別人と感じた後にも、
その子と一緒にいた時間がある。
どちらか片方だけを消すと、
二人のやり取りが薄くなる。

みーちゃんという名前を借りて始まった関係は、
みさきちゃんと呼べる相手との関係へ変わっている。
ドリーにとって、食蜂は警策が不在のときだけ
置かれる影のような相手ではない。
その違いが、後の再会で、
食蜂もそこにいてほしいと
求められる場面へ続いていく。

この先は『超電磁砲T』第15話の
再会と結末のネタバレあり。

第7章 ドリーの妹は二人をどう迎えた? 三人で海へ行く約束

受け継がれた記憶には、 警策と食蜂の両方がいる

ドリーには、その記憶と経験を受け継ぐ妹がいる。
『超電磁砲T』第15話で、
警策と食蜂が会いに行くのは、この妹になる。
幼いころ二人と過ごしたドリーが、
そのまま死を取り消して戻ってくる展開ではない。
亡くなった少女と、
生きて記憶を持つ妹がいる。

この区別をしても、
再会の近さがなくなるわけではない。
妹には、警策と過ごした時間も、
食蜂と過ごした時間もつながっている。
顔が似ているから見知らぬ人へ
思い出を重ねるだけではなく、
二人を友達として知る記憶が、
そこに残っている。

警策にとっては、
救おうとして会えなくなった相手との関係へ、
もう一度近づける場面になる。
引き離されたときには、
嫌いになって去ったのではないと
伝える道も閉じられていた。
その過去を抱えてきたところへ、
自分へ応じてくれる相手が現れる。

警策とドリーの妹は、
互いへ近づいて抱き合う。
言葉で仕組みを説明するだけではなく、
相手を知っている者同士が反応する。
会いたいと思ってもできなかった、
そばへ行くという行動が、
ここでは誰にも止められない。

そのとき食蜂は、
二人のそばから離れようとする。
警策が本当のみーちゃんなら、
二人の再会へ自分が残ってよいのかという
後ろめたさがあるように見える。
ドリーとの始まりに能力を使ったことや、
救えなかったことが、
彼女にはまだ残っている。

けれど、ドリーの妹は食蜂も呼び止める。
最初の友達が戻ったなら、
代わりにいた人はもう要らない、
という答えにはならない。
妹へつながる記憶には、
食蜂と過ごした時間もある。
その子自身へ向いた思いが、
警策との再会の隣に残っている。

ここで、名前の違いがもう一度生きてくる。
みーちゃんだけではなく、みさきちゃんもいる。
片方がもう片方へ置き換わるのでなく、
別の友達として、同じ場所へ呼び止められる。
食蜂は警策としてではなく、
食蜂としてそこにいてほしい相手になる。

この呼び止めには、ほっとする。
食蜂が、自分はドリーの関係へ
割って入っただけかもしれないと感じていても、
相手はその時間を消していない。
本人が後悔している始まりだけで、
そこで過ごした全てを判断していないことが、
求める声へ表れる。

立ち去ろうとする食蜂へ、 もう一緒にいてよいと届く

食蜂は、能力を使って接したことや、
助けられなかったことへの後悔を口にする。
過去の自分へ何の問題もなかったと
言い張るのでなく、
相手へ向けて残っていた思いを話す。
その場から去るだけでは届かなかったものが、
呼び止められた後に言葉になる。

一方、ドリーの妹が望むのは、
一緒に海へ行くことになる。
大きな償いや罰を求め、
二人の過去を比べる願いではない。
これから自分と過ごしてほしい時間を、
二人へ向けている。
食蜂にも警策にも、
同じ未来の行き先を渡している。

海は、施設の中から外を思っていた記憶へ
つながる場所でもある。
警策が見せた海の生き物の形を楽しむ時間から、
本当に外の景色へ向かう約束になる。
ただし、そこへ連れていく人を、
一人だけへ限るわけではない。

三人で行くという願いの中には、
それぞれの思い出をどちらも持っていることが表れる。
警策と過ごした過去の続きへ、
食蜂が邪魔者として割り込む形ではない。
食蜂との時間もあるから、
次の景色は三人で見たいという話になる。

そのため、再会で救われるのは、
警策が待っていた関係だけではない。
自分の友情を信じ切れず、
離れようとした食蜂にも、
その場へ残る道が開く。
最初の友達がいることは、
後から友達になった自分を消すことではないと、
相手から求められる。

もちろん、妹との再会によって、
亡くなったドリーの命や、
引き離された時間が元へ戻るわけではない。
警策の怒りを生んだ出来事も、
食蜂が悔やむ始まりも消えない。
それでも、記憶がつながる相手と、
今からどう過ごすかを話せる。

『少女共棲』で警策へ触れたところから、
この再会へ辿ると、
敵としての姿だけでは分からなかった関係が見える。
一方、この後の情報を、
警策が『少女共棲』の時点で
すでに知っていたことにはできない。
幼少期の別れと、その後の再会には、
それぞれの時間がある。

みーちゃんは警策看取、
みさきちゃんは食蜂操祈。
ドリーは二人の違いへ気付きながら、
別々の友達との時間を持っている。
だから、再会の先に残るのは、
本当の友達を一人だけ選ぶ答えではない。
三人で海へ行く約束になる。
借りた呼び名から始まった関係にも、
自分の名前で呼んでもらえる場所が残っている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました