PR

【とある暗部の少女共棲】警策看取が失った大切な相手は誰? ドリーとの関係と学園都市を憎む理由

記事内に広告が含まれています。

『とある暗部の少女共棲』の警策看取が失った大切な相手は、研究施設で友人になったドリーにつながる。
治療と信じていたものが命を削る実験と知り、救おうとした警策は、彼女から引き離されてしまう。
ドリーを守れなかった過去と、学園都市への怒り、その後に残された再会への道を辿る。

『超電磁砲T』第15話までのネタバレあり。

  1. 第1章 警策看取の大切な友達は誰? 研究施設で出会ったドリー
    1. 敵として現れた少女が、 守りたかった相手
    2. ドリーとの別れは、 友達を嫌いになった結果ではない
  2. 第2章 警策とドリーはどこで出会った? 施設の中で育った友情
    1. 警策もまた、研究する側ではなく 被験者としてそこにいた
    2. 世話をする役目が、 心から笑える時間へ変わる
  3. 第3章 ドリーの治療には何が隠されていた? 生命維持装置への疑問
    1. 機械があることだけでは、 何のための処置か分からない
    2. 友達を助ける説明が、 友達を傷つける実験へ変わる
  4. 第4章 警策はドリーを見捨てた? 会えなくなった本当の経緯
    1. 実験を止めようとした側が、 友達から引き離される
    2. 同じ別れを、 二人は違う出来事として抱えていた
  5. 第5章 なぜ学園都市への復讐に向かった? 救おうとした声を封じられた怒り
    1. 最初に求めたのは、 都市の破壊ではなく実験の中止
    2. 失った友達への思いが、 周囲を巻き込む憎しみへ変わる
  6. 第6章 みーちゃんとみさきちゃんは誰? 食蜂もドリーの友達になる
    1. 警策が去った後、 食蜂が出会った寂しがる少女
    2. 同じ友達を大切にした二人が、 知らずに抱えていた時間
  7. 第7章 失ったドリーとはもう会えない? 記憶を受け継ぐ妹との再会
    1. 亡くなったドリーの経験が、 妹へつながっている
    2. 償いの言葉へ返ってくるのは、 三人で出掛けたい願い

第1章 警策看取の大切な友達は誰? 研究施設で出会ったドリー

ドリーを巡る三人の関係
人物 施設でのつながり
警策看取 ドリーがみーちゃんと呼ぶ友達
ドリー 警策と離れた後、食蜂と出会う
食蜂操祈 警策の後にドリーと時間を過ごす

敵として現れた少女が、 守りたかった相手

学園都市を憎む警策看取には、
もう会えなくなった友達がいる。
液体金属を使って麦野たちへ立ちはだかる姿からは、
その相手とどんな時間を過ごしたのかまで見えてこない。
けれど、大切な子を失ったという言葉を聞くと、
彼女の怒りが誰へつながっているのか、
少し気になってくる。

その友達の名前はドリー。
研究施設の才人工房で、
幼い警策が世話を任された少女になる。
初めから復讐のために結び付いた仲間ではなく、
同じ施設の中で顔を合わせ、
一緒に過ごすうちに大切になった相手。
警策が憎しみを向ける前には、
その子と笑っていた時間がある。

この過去を具体的に描くのは、
『とある科学の超電磁砲T』第15話になる。
『少女共棲』で出会う警策の背景を知る手掛かりは、
関連作品の幼少期の回想へつながっている。
麦野との戦闘の強さだけでは分からない、
彼女が失った関係がそこに示される。

ドリーは、体の機能を保つために
機械を必要としていた。
警策は、その子のそばへ行く役目を与えられる。
同じ施設にいても、
相手がどんな実験へ関わっているのかを、
最初から知っていたわけではない。
目の前の友達が病気で、
治療を受けているという説明が、
日々の付き合いの前提になっている。

ところが警策は、
生命維持装置への疑問から、
その治療の実態を知る。
ドリーはクローンとして作られ、
実験によって命を削られていた。
具合の悪い友達を研究者が助けているのではなく、
研究のためにその子が傷ついている。
この違いが、警策の行動を変えていく。

彼女は、ただ事実を知って逃げたのではない。
実験を止めてほしいと訴え、
その結果、捕らえられて
ドリーから引き離されている。
会いに行かなくなったという外から見える結果と、
会いに行けなくされた経緯は異なる。
二人の別れには、その食い違いが残る。

だから、警策が失ったものを、
研究に失敗したときの不満や、
能力開発への反発だけへ置き換えることはできない。
相手は、名前を呼び、
同じ時間を過ごした友達になる。
守ろうとして声を上げたのに、
その声を聞いてもらえず、
そばへ行くことまで奪われている。

ドリーとの別れは、 友達を嫌いになった結果ではない

ここは、後から事情を知ると少し苦しい。
ドリーから見れば、
来てくれていた友達が突然いなくなる。
一方の警策は、
友達が嫌になったから離れたのではなく、
その子を救おうとして会えなくなっている。
互いの気持ちが変わったわけではないのに、
同じ場所で確かめられなくなってしまう。

やがてドリーは亡くなり、
警策には、救いたかった相手を
取り戻せない怒りが残る。
『超電磁砲T』で明かされる復讐心は、
その喪失と切り離せない。
ただ、彼女がドリーの最期を
そばで見届けたという話ではない。
引き離されたままという経緯が、
二人の痛みを深くしている。

同じ施設には、食蜂操祈もいた。
警策がいなくなった後、
ドリーと時間を過ごす少女になる。
警策と食蜂は、
どちらもドリーの友達としてつながるが、
最初から三人で一緒に過ごしていたわけではない。
それぞれが別の時期に知るドリーの姿がある。

『少女共棲』での護衛の仕事と、
ドリーを失った過去も、
同じ一件にはできない。
目の前で常務を守っていることと、
胸に抱える復讐の動機には、
それぞれの事情がある。
戦う姿から過去を知り直す記事になるため、
警策の能力の細かな攻略より、
誰との関係が失われたかへ話がつながる。

この違いは、
友達の席を誰が取ったかという競争には収まらない。
警策が去った経緯をドリーは知らず、
食蜂にも最初から全てが分かっているわけではない。
大切な相手を思う人が複数いるのに、
その人たちの情報がつながらない。
誰か一人が説明できればほどけたかもしれない誤解が、
そのまま残ってしまう。

『少女共棲』の警策を見て、
なぜあそこまで学園都市を憎むのかと感じたなら、
ドリーという名前が入口になる。
憎んでいるのは、
友達を実験のために傷つけ、
止めようとした自分を閉じ込めた側。
彼女の怒りには、
制度や建物の向こうにいる、
大切な一人の顔がある。

一方で、悲しい過去が分かることと、
その後の危険な行動を
全て受け入れられることは別になる。
『少女共棲』での警策は、
一般人を巻き込むことも厭わない相手として
立ちはだかる。
守りたかった友達がいるからこそ、
別の誰かへ危険を向ける現在にも、
簡単には割り切れないものが残る。

この先には、
警策が知らなかったドリーの時間と、
ドリーを巡る再会もある。
ただし、それを、失った友達が
何事もなく元へ戻る結末にはできない。
誰が亡くなり、
誰に記憶が残っているかを分けたうえで、
それでもつながる言葉があることへ話が進む。

警策看取の大切な友達は、
ドリーになる。
世話を任されたことから始まり、
研究者へ逆らってでも守りたい相手へ変わった少女。
敵としての姿だけを見ていると届きにくい彼女の過去には、
施設の中で交わした会話と、
もう一度そばへ行きたかった時間が残っている。

第2章 警策とドリーはどこで出会った? 施設の中で育った友情

警策もまた、研究する側ではなく 被験者としてそこにいた

警策は、ドリーを助けるために
外から施設へ来た人ではない。
彼女自身も、
才人工房で能力開発を受けていた子どもになる。
研究者へ意見を通せる大人でも、
相手を自由に連れ出せる保護者でもない。
その立場を考えると、
後に実験の中止を訴える行動の重さが変わってくる。

研究者と被験者が同じ施設にいても、
できることは同じではない。
警策は自分の能力を調べられ、
評価される側にいる。
そこでドリーの世話を任されることも、
自分が自由に選んだ仕事というより、
施設の中で与えられた役目として始まっている。

幼い警策は、
研究者へ愛想よく振る舞い、
その環境でうまく過ごそうとしている。
最初から誰にでも噛み付き、
施設を壊したいと考える姿ばかりが
あったわけではない。
相手に合わせて場をやり過ごす態度と、
後に研究者へ訴えに行く行動の間には、
ドリーと過ごす時間が入っている。

ドリーにとっては、
外へ出られない生活の中へ来てくれる友達になる。
施設の説明をしてくれる研究者とは違い、
話し、遊び、
同じ時間を過ごせる相手。
警策の来訪が、
治療や実験の予定とは別の出来事として、
日々の中へ入ってくる。

警策の側も、
世話を命じられたから顔を出すというだけでは
なくなっていく。
ドリーといるときには、
研究者へ向けるように
相手の機嫌を計算し続けなくてよい。
警戒しながら作る笑顔と、
その子と遊ぶ間に出る笑顔が、
同じものではないところが印象へ残る。

二人のやり取りには、
警策の能力が遊びへ使われる場面もある。
液体金属で海の生き物の形を見せることが、
ドリーの楽しみへつながる。
『少女共棲』では攻撃の怖さとして見える能力が、
ここでは相手を喜ばせるためのものにもなる。

ドリーは、
能力を比べるために警策へ近づいた相手ではない。
遊びを見せてもらう喜びがあっても、
研究者が数値を測る場とは違う。
能力の結果へ反応しているだけでなく、
それを見せに来る友達との時間を楽しんでいる。
その違いが、警策にも力を抜いて接する余地を
与えていると考えられる。

世話をする役目が、 心から笑える時間へ変わる

同じ能力でも、
何へ向けるかで目の前の光景は変わる。
敵へ迫る液体金属と、
友達へ見せる小さな形を、
全く無関係な二つにはできない。
後の姿を知っていると、
そんなふうに使っていた時間もあったのかと、
少し立ち止まりたくなる。

ただし、ドリーが警策の能力に価値を見たから
友達になった、とだけ考えるのも狭い。
二人は、技を見せる場面以外にも時間を過ごしている。
研究に使えるか、
どれほどの能力かという評価から離れて、
そばへ来てくれる一人として関係が続いている。

警策を呼ぶ、
みーちゃんという呼び名にも、
その近さが出る。
施設が管理する被験者の名前とは違い、
友達が自分のそばで使う呼び方になる。
あとに食蜂を巡るすれ違いが出てくるからこそ、
その短い名前が誰へ向いていたのかが
大切になる。

二人を最初から
特別な使命で結ばれた相手とする必要はない。
施設で世話を任され、
顔を合わせ、
気を許せる時間が増えていった。
その普通の近づき方があるから、
ドリーを傷つける実験を知った警策の怒りも、
遠くの誰かへの同情だけにはならない。

もしドリーが知らない被験者の一人なら、
研究の話は違う距離で聞こえたかもしれない。
警策が知ったのは、
会話して笑っていた相手の命が削られていることになる。
研究の成果や施設の都合より先に、
いつも会う友達が浮かぶ。
そのつながりが、彼女の行動からうかがえる。

外へ自由に行けない暮らしでは、
友達が来ること自体が、
その日の出来事を増やす。
遠くの立派な計画より、
次に何を話すか、
何を見せてもらえるかが近い。
後に大きな復讐へ進む警策の出発点には、
そうした小さな楽しみを一緒に持つ関係がある。

ここで生まれた友情は、
片方が一方的に救うだけの関係でもない。
ドリーは体を支える機械を必要としているが、
警策へ与えるものが何もないわけではない。
警策にとって、
そこでなら心から笑えるという時間がある。
世話をする側も、
相手との関わりに支えられている。

この点が、
二人の別れをさらに寂しくしている。
警策が来なくなればドリーが困る、
というだけではない。
警策も、自分が気を張らずにいられた相手へ
会えなくなる。
守ろうと声を上げた結果として、
自分自身にとっても大切な居場所を失っている。

施設は二人を同じ場所へ置いた一方、
その関係を守ることまでは優先しない。
親しくなれたから、
離さないようにしてくれるわけではない。
研究の都合と子ども同士の友情がぶつかったとき、
決める力を持つ側がどちらかという厳しさが、
後の出来事へつながっていく。

警策にとってドリーは、
傷ついているから助けなければならない相手としてだけ
残ったのではない。
一緒にいて楽しかったから、
もっとその時間が続いてほしかった相手になる。
奪われたものが命だけでなく、
その先にもあるはずの会話や遊びへ及ぶことが、
二人の関係から感じられる。
助けたいという願いの前に、
一緒にいたいという関係がある。

第3章 ドリーの治療には何が隠されていた? 生命維持装置への疑問

機械があることだけでは、 何のための処置か分からない

ドリーの体には、
生きるために必要な機械がある。
病気の子を支えるものと聞けば、
そばにいる警策も、
それが治療の一部と受け止める余地がある。
相手を苦しめるためのものが隠れているとは、
目の前の装置だけですぐ見抜けるわけではない。

ドリーも、
普通に外へ出て過ごせる状態ではない。
機械の助けがなければ生きられないとされる生活には、
周囲の大人へ頼るしかない部分がある。
友達が来てくれた時間は楽しくても、
その子自身が治療の方法や
研究の進め方を決められるわけではない。

警策が真実へ近づくきっかけは、
生命維持装置への疑念になる。
何が起きているかを最初から全て知るのではなく、
目の前の友達を支えるはずのものへ引っ掛かる。
この気付きは、
研究者から与えられた説明を、
そのまま受け取るだけでは終わらない行動につながる。

そして彼女は、
ドリーがクローンとして生み出され、
実験のために命を削られていると知る。
クローンは、もとの人物と同じ遺伝情報を基に
作られた存在になる。
ドリーは御坂美琴へつながる少女でもあるが、
警策にとっては、
まず目の前で笑う一人の友達になる。

ここで、
クローンだから関係が薄いという結論にはならない。
同じ顔のもとになった人物がどこかにいても、
警策と過ごしたのはドリー自身。
彼女を失えば、
誰か似た相手へ会えば済むという話にはできない。
実験の中での位置付けと、
友人としての関係は異なる。

治療なら、
具合の悪い本人をよくすることへ期待が向く。
ところが、命を削りながら進む実験なら、
そこにある目的は本人の回復と重ならない。
警策が知ってしまうのは、
友達の苦しさをなくすために、
周囲が同じ方向へ力を合わせていたわけではない
という事実になる。

その違いは、
ただ説明の言葉が変わっただけではない。
これまでドリーが耐えてきたものを、
仕方のない治療と考えていたなら、
その受け止め方ごと変わる。
苦しくてもよくなるためと信じられる時間と、
研究のために削られている時間には、
大きな隔たりがある。

警策が装置へ疑問を持ったからといって、
医療の細部を全部見抜ける専門家になったわけではない。
それでも、友達を傷つけることを
やめてほしいと訴えるには十分な事実を知っている。
仕組みを誰より詳しく説明できなければ
声を上げられない、
という立場にはとどまらない。

友達を助ける説明が、 友達を傷つける実験へ変わる

ここでの彼女の行動は、
研究者より賢いと示すためのものには見えない。
知識の優劣より、
自分が一緒に過ごしてきた相手の命がかかっている。
何かおかしいと感じたところから、
放っておけない事実へ届いてしまった。
その近さが、後の訴えへつながっている。

また、装置が必要なこと自体を、
全て嘘と片付けるのも違う。
ドリーには体を維持するための機械が必要になる。
問題は、それを必要とする相手が、
その立場のまま実験によって消耗させられていること。
治療へ頼るしかないことが、
その子を守る保証になっていない。

ここで機械を怖いものとして遠ざけるだけでも、
ドリーの立場は変わらない。
必要な支えを受けながら、
傷つける実験は止めてもらいたい。
その二つを同時に求めなければならない相手になる。
警策の訴えは、
施設の外なら何でも解決するという
単純な逃走の計画とは異なる。

自分一人で施設を出られない相手へ、
外へ逃げればよいという簡単な答えも出しにくい。
ドリーの体には、
そこで支えられている部分がある。
警策が望むのは、
まず危険な実験を止めることになる。
機械を全部壊して連れ出せば
解決するような話ではない。

このため、施設へ向けた訴えは、
友達が生きるために必要なものまで
失わせたい願いではない。
傷つけることをやめ、
その子が生きられるようにしてほしいという方向へ向く。
警策が後に都市を壊すことへ傾く前には、
実験を止めるよう求めた段階がある。

その順番が大切になる。
学園都市を初めから嫌っていたから、
施設の説明を全て悪く受け止めたわけではない。
友達の世話をし、説明へ疑問を持ち、
命が削られる事実を知り、
やめてほしいと伝える。
怒りが表へ出る前に、
知ったことと、求めたことがある。

ドリーの側は、
そうした調査や訴えの全てを
一緒に見ているわけではない。
体の具合や友達との時間が、
自分の暮らしの近いところにある。
警策が外で何を知り、
何をしようとしたかまで、
同時に共有できていないことが、
次の別れへ影を落とす。

ドリーを実験対象として扱う施設と、
友達として接する警策の差は、
呼び方だけではない。
片方は研究を続け、
もう片方は、その子のために止めてほしいと訴える。
同じ体を前にしても、
その命を何のために支えるのかが分かれている。

この過去を知ると、
警策が失った友達という短い言葉の中へ、
さらに苦いものが入る。
病気の友達をどうしても救えなかったという
悲しみだけではなく、
傷つける行為を止めてもらえなかった怒りになる。
彼女が憎むものは、
そのとき目の前で続けられた研究へつながっている。

第4章 警策はドリーを見捨てた? 会えなくなった本当の経緯

二人が別れをどう受け止めたか
人物 知っていたこと
警策看取 実験を止めようとして捕らえられた
ドリー 傷を見せた後、友達が来なくなった

実験を止めようとした側が、 友達から引き離される

来てくれていた友達が、
ある日から姿を見せなくなる。
その場へ残されたドリーには、
警策が何を知り、
研究者へ何を訴えたかが見えていない。
目の前から友達がいなくなったという結果だけが届く。
このすれ違いが、
二人の過去で特につらいところになる。

警策は、
ドリーの実験を中止してほしいと求めている。
友達へ背を向けるための行動ではなく、
友達が傷つくことを止めるために動いている。
けれど、その訴えは受け入れられず、
彼女は捕らえられ、
ドリーから引き離されてしまう。

ここで起きた別れは、
二人がけんかをした結果ではない。
どちらかがもう遊びたくないと告げたわけでもない。
関係の外にいる施設側の判断によって、
会う道が閉ざされる。
二人の間で話し合えば解ける種類の距離では
なくなっている。

しかも、ドリーは体の傷を見られたことと、
友達が来なくなったことを結び付け、
自分が嫌われたのではないかと受け止める。
警策が本当にしたこととは反対へ、
出来事がつながってしまう。
自分を救おうとした友達を、
自分から離れていった相手として待つことになる。

警策の側には、
その誤解をすぐ解く自由がない。
もう一度会いに行き、
嫌いになったわけではないと伝えられれば、
と考えてしまう。
けれど、捕らえられた子どもへ、
その一言を届けるための道が残されていない。
その閉ざされ方が苦しい。

この出来事を、
ちゃんと説明しなかった警策が悪いという話にはできない。
彼女は会える立場を奪われている。
ドリーへ事情を伝える前に、
そばから排除されてしまった側になる。
言葉が足りなかったという日常のすれ違いより、
ずっと強い力が間へ入っている。

一方、ドリーが嫌われたと思ったことを、
考えすぎと片付けることもできない。
知らされていない出来事を、
正確に推測する材料がないから。
傷を見せた後に友達が来なくなったなら、
見えている範囲で自分へ結び付けてしまう。
その寂しさには、
施設の外側を知る人とは違う狭さがある。

ここで二人の気持ちが離れたのではなく、
情報が離れてしまっている。
警策はドリーを守りたい。
ドリーは警策にまた来てほしい。
願いだけなら近いところへあるのに、
相手へ届く道がなく、
その近さを確かめられない。

ドリーから何かを言われたから
警策が怒ったわけでもない。
彼女は自分で友達の境遇を知り、
止めたいと動いている。
ドリーが助けてほしいと
詳しく説明できるかどうかとは別に、
そばで過ごした相手として放っておけないものを見つけた。
その行動が当人へ伝わらないところに、
さらに切なさがある。

同じ別れを、 二人は違う出来事として抱えていた

だから、この別れの場面へ後から戻ると、
どちらか一人を責める言葉が出てきにくい。
友達を救うために動いた子と、
その友達を待っていた子がいる。
片方の行動を知らないことで、
もう片方が自分を責めるような
受け止め方をしてしまう。

『超電磁砲T』第10話では、
食蜂の側から、
友達と離れたばかりのドリーが描かれる。
第15話で警策側の経緯が見えると、
その前に何があったかがつながる。
同じ少女の寂しさへ、
別の場所に閉じ込められていた友達の事情が重なる。

二つの回想を重ねると、
食蜂が出会ったときのドリーが、
最初から誰ともつながらなかった子ではないと分かる。
一度は安心して過ごせる友達がいた。
その時間を失った後に、
新しい相手と出会っている。
出会いの前にある喪失が、
食蜂との関係にも関わってくる。

警策がドリーの最期をそばで見届けていないことにも、
この引き離しが関わる。
最後に言葉を交わせたなら、
と想像したくなるが、
実際にはその機会が戻らない。
世話をしていた時間の後に、
納得できる別れや、
事情を伝え合う時間が置かれているわけではない。

このため、二人の別れを振り返る場面では、
最後に交わした会話が
全てを説明してくれるわけではない。
会話の外で警策が知ったことと、
施設にされたことがある。
残された側の記憶だけでは見えなかった部分が、
警策の過去から埋まっていく。

そのため、失った友達を思うとき、
警策には悲しさだけでなく、
何もできないところへ置かれた感覚も
残ると考えられる。
助けるためにした行動が、
かえって会えない結果へつながった。
彼女の訴えに問題があるのではなく、
訴えを封じる側が強い場所にいたことになる。

ここを省いて、
警策は友達を失ったので怒っているとだけ説明すると、
怒りの向きがぼやける。
命を削る実験があり、
止めるよう求めた子が閉じ込められ、
友達へ言葉を届けられなくなる。
憎しみは、
そうした出来事を重ねた先に残っている。

ドリーの中では、
来なくなった友達を思う時間が続く。
警策の中では、
戻りたい場所を奪われた時間が続く。
同じ関係を大切にしていても、
その思いを一緒に持つことができない。
二人を隔てたものは、
友達としての気持ちの弱さではない。

警策はドリーを見捨てたのかという問いには、
救おうとして動き、
そのために引き離されたと答えられる。
それでも、その答えは当時のドリーへ届かなかった。
知っている側には解ける誤解が、
本人たちの間では解けないまま続く。
その隔たりが、
この別れを忘れにくくしている。

第5章 なぜ学園都市への復讐に向かった? 救おうとした声を封じられた怒り

最初に求めたのは、 都市の破壊ではなく実験の中止

警策の怒りは、
ドリーが亡くなったという結果だけから
突然生まれたものではない。
命を削る実験を知り、
止めるよう訴え、
その訴えを封じられている。
助けを求める相手として頼りたかった大人が、
友達を傷つけ、
二人を離す側に立っていた。

彼女が最初に求めたのは、
実験をやめてほしいということになる。
この順番を考えると、
後の復讐も、
もともと壊すことが好きな少女の行動としてだけは
説明できない。
友達のために止めてほしいと願う段階があり、
それが受け入れられなかった先へ進んでいる。

ここで裏切られたのは、
ドリーの治療に関する説明だけではない。
ひどいことが起きているなら
伝えれば止まるかもしれない、
という期待も崩れる。
実際にやめてほしいと訴えた子は、
話を聞いてもらうのでなく、
友達のそばへ行けなくされてしまう。

その結果、警策が怒りを向ける先は、
目の前の研究者だけに収まらなくなる。
彼らの行為が続き、
自分の訴えが封じられる場所として、
学園都市そのものが見えてくると考えられる。
友達を守れなかった経験が、
都市へ向ける不信と結び付いていく。

ただし、その広がりを、
施設で何が起きたかを知れば
全て正しいとすることはできない。
学園都市には、
ドリーの実験へ関わっていない人もいる。
怒りを生んだ相手と、
復讐によって危険へさらされる相手が、
必ずしも一致しなくなる。

『少女共棲』第4話での警策は、
一般人を巻き込むことも厭わず、
アイテムへ対抗する相手として示される。
友達を実験で傷つけられた少女の過去を知ると、
その姿には苦い隔たりがある。
自分の大切な人を守りたかった思いが、
別の人の安全を後回しにするところへ来ている。

この隔たりは、
実は優しい子なので悪いことはしていない、
という説明では埋まらない。
ドリーへ向けていた気持ちも、
現在の行動が生む危険も、
どちらも彼女の話になる。
悲しい事情を知ったからこそ、
その先で何を選んでしまうのかが気にかかる。

『超電磁砲T』では、
警策は復讐のために戦い、
敗北を重ねてきた相手として描かれる。
怒りがあれば思いどおりに相手を倒せる、
という道ではない。
救えなかった友達を思い、
さらに動いても、
望む結果が簡単には返ってこない時間が続いている。

失った友達への思いが、 周囲を巻き込む憎しみへ変わる

そこへ木原幻生とのつながりも入ってくる。
学園都市への強い憎しみがあるからといって、
組む相手まで信頼できる存在になるわけではない。
復讐へ近づく手段を求めることと、
自分やドリーの思いを
大切に扱ってくれる相手を得ることは別になる。

自分に味方してくれるように見える相手が現れても、
その人が同じ喪失を抱えているとは限らない。
警策は、
友達のためという願いを抱えたまま、
別の目的を持つ者とも関わる。
誰かへ協力すれば孤独まで消える、
というほど分かりやすい道ではない。

目的が重なる部分があれば、
一緒に動くことはできる。
けれど、警策が誰を失い、
何を抱えているかまで、
相手が同じように考えているとは限らない。
友達を実験に使われた怒りを抱く彼女が、
さらに別の計画へ関わるところにも、
暗部のつらさがある。

また、復讐を果たせば
ドリーへ会えるという関係でもない。
研究施設へ怒りを返しても、
二人が離れた時間を消すことはできない。
警策が求める行動と、
本当に戻ってほしかった時間の間には、
埋まらないところが残っている。

だからといって、
復讐は何にもならないと外から言われれば納得できる、
という簡単な状態にも見えない。
訴えを聞いてもらえず、
友達にも会えない彼女に、
その悲しみを受け止める道が
どれほど残っていたかが関わる。
怒りのほかへ気持ちを置ける場所を
失っているようにも読める。

ここでドリーの願いを、
彼女はきっと復讐を望まないはずと
勝手に代弁する必要はない。
確認できるのは、
二人が一緒に過ごす時間を大切にしていたこと。
警策が向かった破壊の先と、
その時間の続きは同じものではない。

そのため、後に別の道が開く場面も、
誰かが立派な説教で
警策を改心させる話としては響かない。
彼女が知らなかった友達の情報が入り、
まだ会える相手がいると分かる。
怒りだけへつながっていた過去に、
別の行き先ができる。

警策の憎しみは、
ドリーを忘れたから生まれたのではない。
忘れられず、
助けようとした訴えも届かなかったところに残っている。
それでも、同じ思いがいつまでも
同じ行動だけを選ばせるとは限らない。
友達について新しく知ることが、
その後の選択へ関わってくる。

『少女共棲』の警策へ感じる怖さと、
幼い彼女へ感じる痛ましさは、
どちらかを消せばよいものではない。
ドリーに笑いかけた子が、
その後に周囲を巻き込む相手へなっている。
その間に何があったかを知ると、
強い敵という言葉だけでは収まらないものが残る。

学園都市を憎む背景にあるのは、
ドリーの命を削る実験と、
止めてほしいという声を閉じ込めた出来事になる。
警策は、友達を救う側へ動いたのに、
その友達へ戻れなくなった。
その経験から生まれた怒りが、
都市へ向く復讐へ育っていったと考えられる。

第6章 みーちゃんとみさきちゃんは誰? 食蜂もドリーの友達になる

警策が去った後、 食蜂が出会った寂しがる少女

ドリーの話には、
みーちゃんと、
みさきちゃんという近い呼び名が出てくる。
誰のことなのかが混ざると、
警策と食蜂がどんな順番で
ドリーへ関わったのかも分かりにくくなる。
最初にドリーがみーちゃんと呼んでいた友達は、
警策看取になる。

警策が引き離された後、
ドリーの世話へ関わるのが食蜂操祈になる。
第10話では、食蜂の側から、
その出会いの過去が描かれる。
そこにいるドリーは、
仲のよい友達と離れたばかりの子になる。
第15話で警策側の事情が分かると、
その別れが別の形でつながる。

食蜂は、初めから警策と仲良く相談し、
交代でドリーに会っていたわけではない。
二人の関係を知り尽くしたうえで、
友達を引き継いだという話でもない。
警策が会えない場所へ置かれた後に、
食蜂とドリーの時間が始まっている。

その過去で食蜂は、
自分を以前の友達と思わせるように
能力を使って接する。
ドリーと会う形の中へ、
最初から偽りが含まれている。
このため、食蜂の優しさだけを取り出して語ると、
彼女自身があとに抱える後悔まで
見えにくくなる。

ただし、始まりに偽りがあるから、
二人が過ごした全ての時間も
無かったことになるわけではない。
会話をし、相手を気にかけ、
親しくなっていく出来事は続いている。
借りた呼び名の下に、
食蜂自身がドリーへ向ける思いも生まれていく。

一方のドリーは、
目の前の相手が以前の友達と違うことへ気付いている。
匂いの違いが、その手掛かりになる。
相手の顔や、
周囲から与えられた認識だけで、
友達との時間を全部塗り替えられるわけではないところが、
この関係では印象へ残る。

ここでドリーを、
違いが分からず最後までだまされ続けた子としてだけ
扱うことはできない。
警策との時間を覚え、
目の前の相手にも接している。
以前の友達を大切に思うことと、
新しく来る食蜂との時間を持つことが、
彼女の中で重なっている。

食蜂へ同じ遊びを求めるドリーの様子には、
離れた友達が生活の中へ残っていることも表れる。
名前を口にしないときでも、
前にしてもらったことを覚えている。
警策が自分の存在を消されたように感じていたとしても、
ドリーの中から思い出までなくなったわけではない。

警策が液体金属で見せていた形も、
二つの回想をつなぐ手掛かりになる。
ドリーが望む遊びが、
食蜂の能力の得意なことへ
そのまま一致するとは限らない。
先に一緒に過ごした相手のことが、
名前のほかにも、
小さな期待や動作へ残っている。

同じ友達を大切にした二人が、 知らずに抱えていた時間

そうした違いがあるから、
二人のみーちゃんを、
同じ役割を交代で務める相手としてだけは捉えにくい。
警策がいた時間と、
食蜂がいた時間は別になる。
それぞれがドリーへ届けたものがあり、
ドリーもその違いへ接している。

食蜂がドリーと親しくなったことは、
警策がその子を忘れた証拠にはならない。
警策が閉じ込められていたことは、
食蜂との時間を偽物にする証拠にもならない。
二人の思いを、
片方が本物ならもう片方は不要という関係へ
押し込めることはできない。

それでも、食蜂には、
自分が能力を使って接したことや、
ドリーを救えなかったことへの後悔が残る。
友達として大切になったから、
最初にしたことを軽く済ませられない。
警策が知らないところで、
もう一人もその少女を失った時間を抱えている。

ドリーの最期に関わるのは食蜂になる。
警策はそこにいられず、
食蜂はそばにいても救い切れない。
二人が同じ出来事を
同じ位置から経験したわけではないため、
抱える痛みの形も異なる。
どちらがより悲しいかを比べられる話ではない。

第15話で警策と食蜂の接点ができることには、
その離れていた情報がつながる働きがある。
みーちゃんという名前が誰を指していたかが分かり、
ドリーが相手についてどう話していたかも届く。
施設の中で分かれてしまった二人の時間が、
別の友達を通して出会う。

その情報は、警策にとって、
自分がいなかった時間を埋める話にもなる。
ドリーは誰と会い、
どんなふうに過ごしていたのか。
会えなくなった友達を、
復讐へ向かうきっかけとしてだけでなく、
その後にも時間を生きていた少女として
知ることになる。

ここで警策へ届くのは、
知らない誰かによる一般的な励ましではない。
ドリーと過ごした相手が持つ、
その子についての情報になる。
自分が会えなかった間にも、
友達を大切にした人がいた。
その事実は、
引き離されたところで止まっていた話へ続きを与える。

食蜂の側も、
ドリーが忘れられなかった友達を、
ただの過去の名前としてではなく、
目の前の警策として知る。
自分が借りていた呼び名の向こうへ、
会えなくされた子の行動が見えてくる。
二人の間には、
先にドリーとの関係がある。

だから、このつながりを、
警策から食蜂へ友達が乗り換えたという話には
したくならない。
ドリーには、
二人との異なる思い出がある。
それぞれがその子を大切にしていたからこそ、
あとに三人へつながる道が生まれる。

みーちゃんは警策、
みさきちゃんは食蜂。
名前を分けると、
二人が別々に持っていた思いも見えてくる。
片方だけが知っていた時間を、
もう片方が知る。
その情報は、誰かを失った話を競うためではなく、
まだ残されていた関係へ
近づくために働いている。

この先は『超電磁砲T』第15話の結末までの
ネタバレあり。

第7章 失ったドリーとはもう会えない? 記憶を受け継ぐ妹との再会

亡くなったドリーの経験が、 妹へつながっている

ドリーには、
記憶と経験を受け継ぐ妹がいる。
警策が食蜂と出会った先で知らされるのは、
失った友達を思い出すだけでは終わらない情報になる。
ドリーとの関係へつながる相手が、
まだ生きている。
怒りを向ける先を探してきた彼女に、
会いに行く先が生まれる。

ただし、ここで亡くなったドリーが
何事もなく生き返った、
としてしまうと話が変わる。
警策と食蜂が幼いころに会った少女は亡くなっている。
再会するのは、その記憶を受け継ぐ妹になる。
二つを分けることで、
失われた命と、
残されていた経験の両方が見えてくる。

妹も、元のドリーと似た顔だから
大切にされるだけの相手ではない。
二人と過ごした記憶が、
彼女へつながっている。
警策がどんな友達で、
食蜂とどんな時間を過ごしたかが、
姿の似た誰かを見て思い出すだけではない形で
残っている。

ここには、研究の中で作られたつながりという
複雑さもある。
記憶が残ったから、
元の実験までよいことへ変わるわけではない。
ドリーを傷つけた出来事はそのまま残る。
それでも、生きている妹へ会えることまで、
同じ怒りの中へ捨てなくてよい。

警策にとっては、
二度と届かないと思っていた友達との関係へ、
もう一度言葉を向けられる場面になる。
嫌いになって離れたのではない。
会いたくても戻れなかった。
その過去を抱えてきた側に、
相手から応じてもらえる場所がようやくできる。

再会では、
警策とドリーの妹が互いへ近づき、抱き合う。
設定として記憶が残っていると説明されるだけでなく、
相手を知る者同士の反応が目の前へ出る。
引き離された後にできなかった、
相手のそばへ行くという行動が、
ここでは止められない。

ここは、怒りをやめなさいという言葉で
警策を押し戻す場面とは違って感じられる。
会いたかった相手につながる少女がいて、
自分へ向く思いも残っている。
過去への答えを破壊だけに求めなくてもよい道が、
相手の姿と反応によって生まれている。

一方、食蜂は、
二人の再会のそばから離れようとする。
警策とドリーが会えたなら、
自分がそこにいてよいのかという
後ろめたさがあるように見える。
友達を思わせる認識を使ったことや、
救えなかったことを、
本人の中では軽くできない。

けれど、ドリーの妹は食蜂も呼び止める。
警策だけを知っている相手として、
もう一人を外へ置くのではない。
受け継がれた時間の中には、
食蜂と過ごしたこともある。
誰か一人との再会を成立させるために、
もう一人の友達を消す必要がない。

償いの言葉へ返ってくるのは、 三人で出掛けたい願い

この呼び止めが、
三人の関係を変える。
警策には、自分がいなかった間に
ドリーへ寄り添った相手がいる。
食蜂には、自分より前に
大切にされていた相手がいる。
どちらかがその場を去って片方へ返すのではなく、
同じ場所へ残れる形になる。

食蜂が後悔を口にする一方、
ドリーの妹が望むのは、
一緒に海へ行くことになる。
傷つけた側と傷つけられた側の帳尻を、
大きな罰や見返りで合わせるような願いではない。
これから自分と過ごす時間を、
友達へ求めている。

海へ行きたいという願いは、
施設の中で外を思っていた時間へもつながる。
部屋の中で海の生き物の形を見ていた関係から、
本当に外へ出掛ける関係へ進める。
その先へ一緒に行く相手の中に、
警策も食蜂も入っている。

再会で返ってくるのが恨みの言葉ではなく、
一緒にいてほしいという願いなのも胸に残る。
警策にも食蜂にも、
取り消せない過去がある。
それでも、今から何をしたいかを
相手が話してくれる。
その返事を聞けることが、
離ればなれの時間の後に戻ってきている。

三人で、というところが嬉しい。
警策がいなくなった後へ食蜂が来た過去では、
三人の時間は一つに重なっていなかった。
それぞれの思い出を持つ相手同士が、
これからなら同じ景色を見られる。
過去の空白を消せなくても、
新しく一緒にいられる時間がある。

もちろん、この再会だけで、
警策がそれまでしたことや、
ドリーが受けた実験の痛みまで
なくなるわけではない。
妹が生きていても、
亡くなった少女の命は取り消せない。
その限界を残したまま、
会うことのできる相手へ向かう場面になる。

海は、研究のために集められる場所ではない。
友達が自分たちで行きたいと選ぶ行き先になる。
世話をするよう命じられて始まった関係が、
今度は三人で出掛ける約束へつながる。
誰と過ごすかを施設の都合で決められた過去から、
少し違う時間が始まっている。

『少女共棲』での警策は、
まだ強い怒りを抱えて
暗部へ関わる相手として現れる。
『超電磁砲T』の再会を知っているからといって、
その時点で彼女も妹の存在を
知っていることにはできない。
幼少期の別れと、
のちに知らされる情報を分けると、
怒りを抱える現在の孤独も残る。

そのうえで、警策の話が、
友達を失って憎み続けることだけで
閉じていないのは救いになる。
彼女が守りたかった関係へ、
もう一度手を伸ばせる。
会えなかった子が会いに行き、
離れようとした子が呼び止められる。
三人の距離が、
研究施設の中とは違う形で近づいていく。

警策の大切な友達はドリー。
その子を救おうとして引き離されたことが、
学園都市への怒りへつながっている。
そして、記憶を受け継いだ妹との再会では、
怒りを向ける先だけでなく、
一緒に出掛ける相手ができる。
友達と海へ行く。
その約束を三人で持てるところへ、
警策の時間がつながっている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました