『薬屋のひとりごと3期』で、白鈴に背中を撫でられた馬閃が真っ赤に。いつもの堅い顔との違いに、思わず笑ってしまう。
白鈴は余裕たっぷりなのに、馬閃は逃げ腰。慣れない近さに振り回される姿が、なんとも初々しい。
李白なら喜びそうなのに、馬閃は逃げてしまう。猫猫や李白との関係まで思い出すと、このやり取りがますます楽しくなる。
第1章 白鈴に触られた馬閃が真っ赤に ――いつもの顔はどこへ?
| 何をされて真っ赤に? | 白鈴に背中を撫でられ、 さらに顔を近づけられた。 |
|---|---|
| 白鈴に惚れた? | この場面だけでは分からない。 馬閃は近づき返すより、 慌てて逃げ出している。 |
| 猫猫とは普通に話せるのに? | 猫猫とは図説の用件を話している。 白鈴には突然触れられ、 いつもの調子を崩されてしまう。 |
背中を撫でられただけで、 すっかり慌ててしまう
馬閃、そんな顔もするのか。
白鈴に背中を撫でられた途端、
いつもの堅い雰囲気がどこかへ行ってしまう。
壬氏のそばではきりっとしている青年が、
今は目の前の女性にどう返せばよいか分からない。
しかも白鈴は、彼が慌てても
お構いなしに近づいてくる。
この二人のやり取りには、
思わず頬が緩んでしまう。
第51話で白鈴が近づいた相手は、
仕事で緑青館へ来た馬閃。
背中をすっと撫で上げられ、
驚いているところへ、
今度は顔まで寄せられる。
馬閃からすれば、本を届けに来ただけなのに、
急に何が始まったのかという状況になっている。
白鈴の落ち着きと、
馬閃の慌て方の差がたまらない。
馬閃がこんなに赤くなるのは、
女性から親しげに触れられることに
慣れていないためと思われる。
白鈴は距離を詰めるのが早く、
彼が落ち着く暇をくれない。
護衛として相手の動きに備える時とは勝手が違う。
背中を撫でられた時点で驚いているのに、
さらに顔が近づいてきたら、
平気な顔へ戻るのも難しそう。
馬閃が白鈴と目を合わせてから
構えたのではなく、
背中への接触から始まるのも効いている。
こちらを向いて何か言われるなら、
まだ返事を考えられそう。
でも、見えないところから手が来て、
振り向けばあの白鈴。
その順番では、堅い顔を保つほうが
難しそうに思えてくる。
しかも、馬閃のほうから
白鈴に会いに来たわけではない。
心の準備もないまま、
緑青館の三姫が自分へ近づいてくる。
いつもの真面目な返事をすれば済む場面から、
あっという間に連れ出されてしまった。
本人は困っているのに、
その顔が普段とあまりに違うので、
つい可愛く見えてしまう。
白鈴が相手というところにも納得してしまう。
李白がすっかり夢中になっている、
あの白鈴。
美しいだけでなく、
相手へ近づく時にもためらいがない。
そんな人にすぐそばで微笑まれたら、
慣れていない馬閃が逃げ腰になるのも
無理はなさそう。
よりによって、初めからずいぶん
手ごわい相手に出会ってしまった。
好きになったというより、 今は近すぎて落ち着かない
真っ赤な顔を見ると、
白鈴に惚れたのかと気になる。
けれど、馬閃はその場にとどまって
彼女と話したがるのではなく、
最後には逃げ出している。
近すぎる。
本人にしか分からない気持ちはあっても、
ずいぶん必死な退場になる。
白鈴が綺麗で、
近づかれると意識してしまう。
それだけでも、慣れない青年には大事件になる。
そこからすぐ恋の話へ進まなくても、
この慌て方だけで十分に楽しい。
普段は表情の変化が小さそうな馬閃なのに、
今何に困っているかが、
顔にも行動にもはっきり出てしまっている。
白鈴の接近はすぐ終わりそうで終わらない。
埃の話を聞いてほっとする間もなく、
また顔が近くなる。
馬閃がいつもの調子へ戻れそうな隙間を、
彼女が次々と埋めてしまう。
相手が白鈴なら仕方がない、
と笑ってしまうような強さがある。
猫猫へ本を渡すだけなら、
真面目な顔のまま用件を済ませられたはず。
そこへ白鈴が入ってきた途端、
仕事の話どころではなくなる。
その変わり方が急なので、
あの馬閃がここまで、と驚いてしまう。
いつも見ている顔を知っているからこそ、
赤くなった時の可愛さも増してくる。
白鈴は白鈴で、
相手が逃げ腰になっても落ち着いている。
二人とも同じように照れていたら、
初々しい恋の場面になりそうなところを、
馬閃だけが調子を崩される。
ここは白鈴が強すぎる。
武芸に秀でた青年も、
この近さへの返し方までは用意していなかった。
赤面して逃げてしまう姿を見た後でも、
壬氏のそばに戻れば、
また真面目に仕事をする馬閃がいる。
その顔を見た時に、
白鈴にはあんなに慌てていたのにと
思い出せるのがうれしい。
頼れる護衛の姿に、
隠し切れない照れ屋の一面が加わる。
短い場面なのに、
馬閃を見る楽しみが一つ増えている。
第2章 本を届けに来ただけなのに、 白鈴から逃げることになる
猫猫と図説を確かめていたはずの時間
緑青館へ来た馬閃の用件は、
猫猫が探していた図説を届けること。
花街へ遊びに来たのではなく、
ちゃんと仕事をしている。
そのつもりで座っている青年へ
白鈴が近づくので、馬閃には不意打ちになる。
ここへ来たらこうなるかもしれない、
と構えている人とは、
最初の落ち着き方から違っていそう。
Web原作の同じ場面では、
馬閃は猫猫へ本を渡し、
必要な記述が見つからないと、
彼自身も本を確かめている。
二人の会話は、どこに載っているのか、
どうしてないのかという用件に沿って進む。
猫猫も本に気を取られているし、
馬閃も仕事の続きをしている。
白鈴が来る前には、
あの大騒ぎの気配がまだない。
猫猫の前では、
馬閃もいつもの調子でいられる。
気の利いた挨拶や愛想のよさより、
持って来たものを渡し、
聞かれたことに答える。
それなら彼にも分かりやすい。
猫猫も相手の顔色より本の中身を気にしているので、
二人とも話を進める先で迷わない。
その少しそっけないやり取りも、
『薬屋』ではなじみの空気になる。
Web原作では、
馬閃は壬氏が忙しいことも伝えている。
本人が来られない時の使いとして、
用件をきちんと預かって来た顔になる。
その青年が、帰る頃には
別のことで精いっぱいになっている。
壬氏の名前を出していた時の堅さを思うと、
白鈴が入ってからの変わり方が一層可笑しい。
ところが、ここは普通の役所の部屋ではなく、
緑青館のそば。
猫猫へ用があって来ても、
周りには妓女たちがいる。
馬閃にとっては仕事の訪問でも、
白鈴からすれば新しい相手が
やって来た時間にもなる。
本人の用件とは別のところで、
彼のことを見ている人がいるのが、
この場所らしい。
真面目に届け物をしていたのに、
気づけば自分の顔が赤くなっている。
猫猫に渡す本のことなら返事ができる馬閃も、
白鈴が伸ばす手にはうまく対応できない。
持って来た物はきちんと用意していても、
自分がこんな目に遭う準備まではしていない。
その律儀さごと巻き込まれてしまうのが可笑しい。
「埃が付いていた」で済ませる白鈴の余裕
白鈴は背中に触れたことを、
埃が付いていたという言葉でさらりと説明する。
馬閃は驚いているのに、
彼女は何でもない世話のように振る舞っている。
この落ち着きがまたずるい。
相手が同じくらい慌ててくれれば
少し間が空きそうなのに、
白鈴はそのまま次の動きへ進んでしまう。
まだ取れていないという調子で、
さらに顔を近づける白鈴。
馬閃には、もう十分近いのにというところから、
もう一歩寄ってくる。
彼が落ち着いて返事を考える時間はほとんどない。
何が起きたのかに驚き、
相手の顔が近いことにも驚く。
あの赤面は、驚きの上へ照れまで重なった顔に見える。
原作の退場では、
馬閃は渡すものは渡したと告げて出ていく。
あくまで用件の話で締めようとしているところに、
最後の真面目さが残る。
仕事は済んだ、だから帰る。
その言葉の後ろに、
もうこの場所にはいられないという
慌ただしさまで見えるのが、
なんとも馬閃らしい。
埃を取るだけなら、
そんなに近づかなくてもと思ってしまうのは、
こちらも馬閃の慌て方を見ているから。
白鈴の言葉は穏やかなのに、
彼の逃げ道はどんどん狭くなっていく。
世話を焼くような口ぶりと、
近づかれて困る馬閃が同じ場面にいるので、
妙に可笑しいことになっている。
同じやり取りでも、
Web原作では白鈴が触れるのは馬閃の頬。
アニメで背中を撫でられた場面とは、
触れる場所が異なる。
原作では、座ったまま飛び跳ねるほど驚き、
その後も白鈴から後ずさっている。
どちらの馬閃にも、
女性から突然近づかれることへの慌て方が
はっきり出ている。
最後には、白鈴へ上手な言葉を返して
落ち着くのではなく、逃げるほうへ行ってしまう。
用件は済ませた、
と自分に言い聞かせたくもなりそうな退場になる。
本を届けた時の堅い顔から、
こんな帰り方になるとは。
馬閃本人には災難でも、
白鈴との組み合わせは、
短い時間で忘れにくいものになっている。
第3章 壬氏を守る馬閃にも、 こんな苦手がある
高順の息子らしい真面目さと、 白鈴の前の顔
馬閃といえば、高順の息子で、
壬氏の補佐と護衛を担う青年。
主人のそばにいる時には、
まず仕事へ気を配る姿が浮かぶ。
口数が多くて場を和ませる人というより、
決まった用件をきちんと進める人。
だから、緑青館でも最初は、
あの真面目な馬閃が本を届けに来たという顔で
見ていられる。
公式の人物紹介では、
武芸に秀で、
周囲が一目置く実力の持ち主とされている。
一方で、まっすぐで真面目な分、
融通の利かないところを高順に心配されてもいる。
頼もしいけれど、何でも器用にできるわけではない。
その性格を知ると、白鈴の軽やかな接近に困る姿にも、
少し納得してしまう。
父の高順は、壬氏のそばで
さまざまなやり取りを受け止めている。
馬閃も同じように主人を支える立場にいても、
まだ若い青年でもある。
高順の息子という紹介から、
落ち着きまで同じように想像していると、
白鈴の前の赤面が思いがけず可愛い。
ああ、こういうところはまだ慣れていないのかと、
ふっと親しみが湧く。
高順がこの顔を見たら、
どんな表情になるのだろう。
息子を心配していると紹介される父を知っていると、
そんなことまで考えてしまう。
仕事の相談とは違うところで、
馬閃がこれほど困っている。
本人の必死さとは別に、
家族の顔まで浮かぶのも、
この青年を見ている楽しさになる。
白鈴に迫られた馬閃は、
自分から冗談を重ねて返す様子もない。
慌てていることを隠し切れず、
そのまま身体が離れるほうへ動いてしまう。
普段の実直さが、
ここでも器用な返事を邪魔しているのかもしれない。
真面目な顔のまま何とかしようとして、
どうにもならなくなるところまで、
馬閃らしく感じられる。
壬氏のそばで任務をこなす時には、
目の前にやることがある。
白鈴とのやり取りは、
彼女が次に何をしてくるか分からない。
埃を取るという話のはずなのに、
なぜか顔がさらに近づいてくる。
馬閃には、その流れへ乗ってよいのかも分かりにくそう。
仕事の時とは別の難しさに、
すっかりつかまっている。
武芸の強さでは、赤くなる顔を止められない
あれほど頼れる武官が、
背中を撫でられるとこうなる。
その落差に笑ってしまう。
力が強くても、照れまで自由にできるわけではない。
白鈴が相手では、
普段の強さを出す場面にもならない。
大きく反応した後、
何事もなかったような顔へ戻れないところが、
かえって青年らしい。
相手が敵なら、
距離を取るにも守るにも、
馬閃の得意な動きがある。
けれど、今目の前にいるのは、
親しげに埃を取ろうとしている白鈴。
本人は困っていても、
剣を振るうような勢いで対応するわけにもいかない。
彼の強さが、そのまま使える場面ではないのが面白い。
馬閃の真面目さは、
好きな相手へ気の利いた言葉を用意するような
器用さとは少し違う。
目の前の用件へまっすぐ向かっていた分、
急に話の種類が変わると置いていかれる。
白鈴には当たり前の近さでも、
彼には今までの調子を保てないほどの
近さになってしまう。
見ているほうは、
少し落ち着いて断ればよさそうとも思える。
でも、その少しができないくらい
急に近づかれている。
驚いている間に相手が次の言葉を重ねてきて、
顔まで近くなる。
うまい返事をするより先に、
身体のほうが逃げたくなってしまう。
あの慌て方には、
そういう切羽詰まった感じがある。
ただ、逃げたからといって、
護衛の馬閃まで頼りなく見えるわけではない。
本を届ける仕事をしていた人が、
たまたま別のところで弱みを見せた。
その二つが一緒にいるからこそ、赤面が可愛い。
普段から何もできない青年なら、
白鈴の前だけで起きるこの落差も小さくなる。
強い人の苦手を知ると、
その後の真面目な顔まで少し近く感じられる。
馬閃がまた堅い口調で仕事をしていても、
白鈴にはあんなに慌てていたと頭に浮かぶ。
仕事の頼もしさが減るというより、
表情の見え方が増えている。
白鈴の一度の接近が、
馬閃の印象をずいぶん柔らかくしている。
第4章 白鈴が近づくと、 馬閃の逃げ場がなくなっていく
あの三姫が、この近さで話しかけてくる
白鈴といえば、緑青館の三姫の一人。
李白の様子を見ても、
人を夢中にさせる華やかさがある。
その白鈴が、仕事で来ただけの馬閃へ
ためらいなく手を伸ばす。
彼女の側では慣れた動きでも、
馬閃には一つずつが大きな出来事になっている。
同じ場面にいる二人なのに、
忙しさが全く違う。
触れられてびっくりした馬閃が目の前にいても、
白鈴は落ち着いたまま。
取りなすように一度離れるのではなく、
まだ埃が残っているという調子で近づく。
こんなふうに話を続けられたら、
馬閃もどこで落ち着けばよいか分からなくなる。
相手の手の中で、
ずっと反応させられてしまう。
白鈴の強さは、美しいことだけではなく、
自分から近づけるところにもある。
見つめられて気づけばそばにいる、ではなく、
彼女のほうから手を伸ばし、反応を引き出してくる。
馬閃が返事を考えている間にも、
その距離は変わる。
二人のペースがここまで違うと、
武官の青年のほうが小さく見えてくる。
原作の白鈴は、
客のいない日が続いて物足りなそうにもしている。
売れないから客が来ないのではなく、
高級妓女には毎日客を取るのとは違う過ごし方がある。
その余裕のある姐さんが、
初々しい馬閃を見つけて近づく。
彼からすれば、
来る日を間違えたと思いたくもなりそう。
Web原作では、白鈴は名高い踊り手でもあり、
若い妓女や禿にも優しい年長者として描かれている。
禿は、妓女の身の回りを手伝う少女たち。
猫猫にとっては、
昔から知っている頼れる姐さんでもある。
だから、白鈴が馬閃へ迫る姿には、
いつもの顔を知っている側ならではの
可笑しさも重なる。
世話好きな姐さんのような顔をしたまま、
初々しい青年へ近づく白鈴。
相手をする馬閃には落ち着く暇がないが、
白鈴の表情からはそんな必死さが出てこない。
緑青館に慣れた人と、
仕事で訪れた人の差が、そのまま出ている。
馬閃だけが知らない流れに乗せられてしまったようで、
少し気の毒にもなる。
白鈴は余裕たっぷり、 猫猫はまた別のところを見ている
馬閃が慌てている時、
そばに猫猫がいるのも『薬屋』らしい。
猫猫は白鈴を初めて見る人ではなく、
どんな姐さんかを知っている。
だから、突然美しい女性が現れたという驚きを、
馬閃と一緒には抱えていない。
初めて食らった側と、よく知っている側。
その差まで含めて、場面が可笑しくなる。
Web原作では、猫猫は慌てる馬閃を横目に、
物がひっくり返らないように道具を片づけ、
お茶や菓子を確保している。
そちらはそちらで、ずいぶん落ち着いている。
青年が大変なことになっているのに、
猫猫の関心には自分の道具と茶菓子もきちんと残っている。
その遠慮のなさが、いつもの猫猫を思わせる。
しかもWeb原作では、
そばのやり手婆も白鈴を止める気配がない。
猫猫へ仕事を届けに来た青年が、
別のところでしっかり見られている。
緑青館は緑青館で、
いつもの調子で動いている。
その中で一人だけ勝手が分からない馬閃には、
少し味方が欲しくなる場面でもある。
もし猫猫まで馬閃と同じように慌てていたら、
この場面はもっと騒がしくなりそう。
けれど、彼女には白鈴の姿が珍しくない。
本人だけが精いっぱいで、
周囲はそうでもないため、馬閃の顔がさらに目立つ。
自分だけ大事件になっているような可笑しさが、
あの逃げ腰の姿へ加わっている。
白鈴が積極的だからといって、
この一幕だけで馬閃へ特別な恋をしているとまでは分からない。
Web原作の同じ場面には、
白鈴の性的な関心や、
馬閃の不慣れさを猫猫が察する描写もある。
彼女が興味を向けているのは確かでも、
二人で照れ合うような甘い時間にはなっていない。
白鈴の余裕、馬閃の必死さ、
猫猫の落ち着き。
三人の調子がそろっていないのが、
この場面の楽しさになる。
馬閃には一刻も早く逃げたい時間でも、
猫猫にはよく知る姐さんの困った一面でもある。
白鈴へどう反応するかだけで、
それぞれの人物がはっきり顔を出している。
第5章 猫猫には普通に話せるのに、 白鈴には真っ赤になる
図説の話なら、いつもの馬閃でいられる
白鈴の前であんなに慌てる馬閃も、
猫猫とは会話ができる。
女性が近くにいたら必ず顔を赤くする、
というわけではないのが面白い。
同じ緑青館のそばにいても、
猫猫へ用件を伝えている時と、
白鈴に触れられた時では、表情がまるで変わる。
彼が困るのは、
女性がいることだけではなさそう。
猫猫は、持って来た図説の中身に気を取られている。
どこに必要な情報があるのかを確かめるのが先で、
馬閃へ近づいて反応を楽しむような話し方はしていない。
馬閃も、聞かれたことへ答えたり、
一緒に本を見たりすればよい。
愛想よく振る舞わなくても話が進む二人には、
妙な安心感もある。
この二人のそっけなさは、
白鈴とのやり取りを見た後だと、
かえって落ち着いて見える。
馬閃が不機嫌そうな顔でも、
猫猫はその顔を何とか変えようとはしていない。
知りたいことを聞き、
答えが返ってくれば次へ行く。
赤くなる暇もないような用件の会話が、
彼には合っていそう。
猫猫が本の話を続ける時には、
馬閃の無愛想そうな顔もあまり問題にならない。
愛想がなくても、用件が通じれば二人の話は先へ進む。
機嫌を取ろうとしない猫猫と、
器用なお世辞が浮かばなさそうな馬閃。
その組み合わせが、
白鈴の前の大慌てとは別の可笑しさを持っている。
そこへ白鈴が来ると、
本を持って来た青年という立場だけではいられなくなる。
相手は本の内容ではなく、
馬閃自身へ近づいてくる。
背中に触れられ、顔を寄せられれば、
自分がどう反応しているかまで気になってしまう。
猫猫相手には考えずに済んでいたことが、
急に増えている。
原作には、母や姉を見てきた 馬閃の苦手意識もある
| 猫猫の前 | 図説の用件を話せる |
|---|---|
| 白鈴の前 | 急な接近に調子を崩す |
Web原作の人物背景には、
馬閃がどんな女性を苦手とするかについて、
もう少し詳しい説明がある。
女性らしさを武器にするような相手が苦手で、
その感覚には母や姉を見てきた経験が関わる。
女性を全く知らないから怖いのではなく、
身近な人を知っているからこそ
苦手な振る舞いがある、というのが
馬閃らしくて可笑しい。
これは第51話だけで全て語られる話ではなく、
Web原作での補足になる。
原作の馬閃は、猫猫については
そうした接し方をしないので平気と捉えている。
白鈴へ慌て、猫猫とは用件を話せるという違いに、
彼なりの苦手がある。
ひとまとめに女性に弱いとするより、
そのほうが二人の前の顔にもつながる。
白鈴と猫猫は近いところで暮らし、
互いのことをよく知っていても、
人への近づき方はそれぞれ違う。
同じ花街の女性というだけでは、
馬閃の反応も同じにならない。
その違いまで顔に出るので、
彼がこの場所で誰と話すのかによって、
今度はどんな顔になるかが気になってくる。
高順の息子と聞くと、
家では女性と接する機会もなく育ったのかと
想像したくなるが、母も姉もいる。
そのうえで身構える相手がいる。
白鈴が近づいた時の馬閃も、
女性と話した経験が全くない青年の驚きというより、
自分の苦手な近づき方に出会ってしまった戸惑いとして見ると、
どこか納得してしまう。
ただ、白鈴に触れられるたび、
頭の中へ家族が浮かんでいるとまでは分からない。
今回の場面で目に入るのは、
慌てて顔を赤くし、逃げる馬閃になる。
背景を知った後でも、
あの反応はあの反応のまま可愛い。
全部を家族の話へ戻さなくても、
彼の苦手が少し具体的になるだけで十分に楽しい。
猫猫は平気、白鈴には落ち着かない。
その差があると、
今度は馬閃がどんな相手なら
普段の顔で話せるのかも気になってくる。
真面目な用件を話す時には隠れていた不得手が、
相手の接し方一つで出てしまう。
女性への反応にもちゃんと馬閃なりの偏りがあって、
それが一度の赤面を人物の可愛さへつなげている。
第6章 李白なら喜びそうなのに、 馬閃は逃げてしまう
同じ白鈴を前にしても、 二人の反応は正反対
白鈴が馬閃へ近づくのを見ると、
李白の顔が頭に浮かぶ。
あの人なら、こんなふうに近づいてもらえたら
うれしいのではないか。
そう思うほど、
馬閃の逃げ腰との違いが可笑しくなる。
片方は会いたいと思っているのに、
もう片方は離れたくてたまらない。
同じ白鈴でも、男性たちの反応はそろわない。
李白は白鈴に好意を寄せ、
自分から会いに行きたい側になる。
白鈴のいる場所へ向かう時には、
仕事だけで来た馬閃とは違う期待もある。
彼女と話したいと思っている人と、
届け物の途中で急に触れられた人。
最初の気持ちから違うので、
白鈴の接近が同じような出来事にはならない。
李白を知っていると、
馬閃の退場が少しぜいたくにも見えてしまう。
けれど、本人にはそんな余裕がない。
目の前に白鈴がいて、顔は熱くなり、
うまい返事も出てこない。
好意を向けている人がほかにいるからといって、
その場で急に落ち着けるものでもない。
馬閃には馬閃の大変さがある。
Web原作の猫猫は、
この一幕で李白に早く金を貯めて
白鈴を身請けしてほしいとも考えている。
身請けは、代金を払って妓女をその店から迎えること。
白鈴の積極性を見て、
李白のほうへそんな考えが飛ぶ猫猫が可笑しい。
本人のいないところで、
期待だけがふくらんでいる。
二人とも武官なのに、
こういうところではずいぶん違う。
任務中の強さや真面目さだけなら比べにくい部分も、
白鈴が近づいた時の反応には性格がよく出る。
会いたい人へ気持ちが向く李白と、
近さに慌てて逃げる馬閃。
それぞれの顔が浮かぶので、
どちらにも別の親しみが湧いてくる。
白鈴が皆を同じように夢中にさせる女性として
出てくるのではなく、
相手によって違う場面になるのも楽しい。
李白の前では彼の一途さが目に入り、
馬閃の前では青年の初心な反応が目立つ。
白鈴自身の華やかさはそのままなのに、
一緒にいる相手が変わるだけで、
笑ってしまうところまで変わっている。
猫猫が李白を思い出すところまで、 いつもの『薬屋』
Web原作の同じ場面では、
猫猫も李白を思い浮かべている。
白鈴に夢中な武官を知っている彼女が、
慌てる別の武官を見て、
あの人が来たらどうなるかと考える。
この顔ぶれを知っていると、
その連想も楽しくなる。
馬閃だけを見て笑うのではなく、
李白の気持ちまでふっと場面へ重なってくる。
ただ、その場で李白と馬閃が
白鈴を取り合っているわけではない。
馬閃は彼女へ会いに通うと言い出してもいないし、
李白に対抗する気配もない。
赤くなったから恋敵の登場、
と話を進めるには、
まだ本人の気持ちが見えてこない。
今のところは、
白鈴の勢いに負けて逃げる青年の顔がはっきり残る。
馬閃が逃げたから白鈴の魅力がない、
という空気にもならない。
李白の好意を既に知っているので、
ああ、馬閃にはその近さがまだ無理なのかと受け止められる。
白鈴を慕う人と、
白鈴に慌てる人が並ぶことで、
彼女の華やかさも青年たちの違いも、
一緒に楽しめる。
李白が白鈴へ向ける好意は、
本人から相手へ向かっている。
馬閃の赤面は、
白鈴から近づかれたことへの反応になる。
この向きの違いがあるので、
同じ女性を意識していても、
二人の場面は似てこない。
李白は自分から会いたくなり、
馬閃はまず離れたくなる。
心の中を長く説明しなくても、足取りが違う。
猫猫は白鈴の普段も李白の気持ちも知っているので、
馬閃だけが大騒ぎになっている状況を、
少し離れたところから見ていられる。
その猫猫の落ち着きがまた可笑しい。
本人には大変な時間でも、
周りの人には既に知っている顔や関係がある。
三人のそばにいない李白まで思い出せるのが、
『薬屋』の人間関係の楽しさになる。
馬閃の可愛さは、
李白より女性に慣れていないと
順位を付けたくなるものでもない。
李白は李白で白鈴が好きで、
馬閃は馬閃で今は慌てている。
その違いを並べるだけで、
二人ともらしい顔になる。
白鈴から逃げた馬閃を思い出す時、
彼女に会いたがる李白まで浮かぶ。
その顔ぶれごとの可笑しさが、
場面の後にも残っている。
第7章 堅い顔の馬閃を、 もう少し見たくなる赤面
あんなに慌てるとは、少し意外で可愛い
馬閃の顔があそこまで赤くなるとは思わなかった。
第51話の白鈴とのやり取りには、
そんな驚きがある。
普段の堅い姿を見ている分、
慌てた顔が一気に近く感じられる。
放送後の記事でも、
馬閃の反応を可愛がったり、
背中に触れられた時の弱さを面白がったりする声が
紹介されていた。
可愛いと感じるのは、
馬閃が急に幼い人物へ変わったからではない。
いつもはあまり見えない照れが、
隠しようもなく出てしまったから。
本人は何とかしたそうなのに、
顔は赤くなるし、身体は逃げ腰になる。
その思いどおりにいかない感じが、
普段のきりっとした姿を知っているほど
愛おしく見える。
白鈴から触れられても、
軽く笑って受け流す馬閃なら、
ここまで印象には残らなかったかもしれない。
けれど、実際には余裕がなく、
最後は逃げ出してしまう。
格好をつけ切れないところまで見せてしまうので、
彼の表情を見ているのが楽しい。
いつもの顔に戻ろうとしても戻れないような慌て方が、
短い場面に詰まっている。
放送後の記事が紹介した
「馬閃反応可愛っ」という声には、
あの顔を見た時の驚きがそのまま入っている。
「背中弱すぎwww」という反応も、
普段の護衛姿との差があるから出てきそうな言葉になる。
細かい事情を長く説明する前に、
まずこの慌て方に笑ってしまう。
白鈴が落ち着いていることも、
馬閃を可愛くしている。
相手まで照れていれば、
二人の気持ちへ目が向きそうなところを、
今回は馬閃の反応がどんどん大きくなる。
彼女が一歩近づくたびに、
本人の余裕が減っていく。
白鈴の表情と馬閃の顔を行き来するだけで、
二人の違いを楽しめる。
もちろん、逃げるほど困っている本人を見ると、
少し気の毒にもなる。
可愛いからもっと困ればよいというより、
急にそんな近さになったら慌てるよな、
と笑いながら思ってしまう。
馬閃の必死さが伝わるから、
その顔にも親しみがある。
強い青年をからかう場面でありながら、
彼の不器用さまで好きになれる一幕になる。
次に真面目な顔をしていても、 あの顔を思い出してしまう
白鈴から逃げた後も、
馬閃には壬氏のそばで果たす仕事がある。
次にきりっとした顔を見せたら、
また頼もしい青年に見える。
それでも、白鈴にはあんなに慌てていたと、
こちらはもう知っている。
本人が普段どおりに戻るほど、
その差を思い出して少し笑ってしまいそうになる。
本を届ける時の馬閃と、
女性から触れられて赤くなる馬閃。
どちらかだけを本当の姿とするより、
両方がいることが楽しい。
仕事は真面目にするし、得意なこともある。
その一方、白鈴の前では返事が追いつかない。
人物の紹介だけでは分からなかった顔を、
一緒に過ごす短い場面の中で
見せてもらったようなうれしさがある。
猫猫の知識や壬氏とのやり取りを
追っていたところへ、
別の人物が急に可愛い顔を見せる。
こういう小さな場面があると、
次にその人が出た時も気になる。
馬閃が何か大きな秘密を明かしたわけではなくても、
いつもの顔だけでは見えなかった照れが、
一度見えただけで印象に残ってしまう。
猫猫にはいつもの口調で話せて、
白鈴には調子を崩される。
その差には、相手との関係や、
どんな近づき方をされたかも関わっている。
馬閃が突然、
誰にでも照れる青年になったのではない。
だからこそ、白鈴を前にした時だけ出てしまう顔が、
少し特別に見えてくる。
白鈴の余裕も、猫猫の落ち着きも、
李白を思い出してしまう可笑しさもあって、
あの赤面になる。
馬閃一人の弱みを説明する場面というより、
なじみの顔ぶれの中へ彼が入った時に起きる、
小さな騒ぎになる。
『薬屋』の人物たちを知っているほど、
誰の顔を見ても楽しい時間になっている。
馬閃は白鈴に恋をしたのか。
その答えはまだ一つに決まらなくても、
白鈴に近づかれると、
あの真面目な青年がこんなに慌てることは分かった。
今まで少し遠くにいた護衛の顔が、
赤面一つでぐっと身近になる。
次に馬閃が出てきた時、
仕事ぶりだけでなく表情まで見たくなる。
そんな可愛らしさの残る場面になっている。
薬屋のひとりごとまとめ
『薬屋のひとりごと』のキャラクター解説、猫猫と壬氏の関係、後宮の人物考察、アニメ2期・3期情報、原作比較記事をまとめています。
猫猫、壬氏、高順、梨花妃、玉葉妃、羅漢など、物語をより深く楽しむための記事を順番に読める目次です。



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