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【ぐらんぶる3期】PaBは誰に代替わり? 寿・時田の卒業と次期会長・伊織のその後

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第9話で伊織が気にし始めたPaBの代替わりは、単に寿・時田が就活を始めたという話ではない。1期から伊織と耕平を海へ連れ出し、ダイビングの楽しさも馬鹿騒ぎも教えてきた先輩たちが前線を離れ、今度は伊織たちがPaBを支える側へ移る節目になる。

  1. 第1章 PaBは誰に代替わりする?次期会長に選ばれるのは北原伊織
    1. 時田が次のPaBを任せる相手として選ぶのは伊織
    2. 寿・時田が卒業へ向かっても、PaBそのものが終わるわけではない
  2. 第2章 第9話で伊織はなぜPaBの代替わりを考え始めた?
    1. 寿と時田の就活が、伊織に「先輩がいなくなる未来」を見せた
    2. 最初はPaBから逃げた伊織が、いつの間にか残す側へ変わっていた
  3. 第3章 時田と寿はPaBで何をしてきた?伊織を海へ連れ出した二人
    1. 時田は会長として、入学直後の伊織をPaBへ引き入れた人物
    2. 寿は泳げなかった伊織へ「興味があるならやってみろ」と海を見せた
  4. 第4章 寿・時田が卒業するとPaBはどう変わる?伊織たちが先輩側へ回る
    1. これまで「連れていかれる側」だった伊織たちが、後輩を迎える側になる
    2. 時田と寿が抜けても「酒と海」の両方を残せるかがPaBの次につながる
  5. 第5章 なぜ次期会長は耕平や千紗ではなく伊織なのか
    1. 時田が見ていたのは、一番真面目な人ではなくPaBを動かせる人
    2. 千紗や耕平ではなく伊織だから、PaBらしさがそのまま残る
  6. 第6章 伊織は最初から会長向きだった?第1期から変わったところ
    1. 入学直後はPaBから逃げた伊織が、いつの間にか海へ戻る人になった
    2. 「先輩に連れていかれる男」から「次の人を連れていく男」へ変わった
  7. 第7章 寿・時田が卒業してもPaBは終わらない|伊織たちへ受け継がれるもの
    1. 先輩がいなくなることは、PaBが消えることではない
    2. 酒より大事なのは、海へ連れていく楽しさを次へ渡せること

第1章 PaBは誰に代替わりする?次期会長に選ばれるのは北原伊織

時田が次のPaBを任せる相手として選ぶのは伊織

結論から言えば、PaBの次期会長として指名されるのは北原伊織です。
第9話「受難」では、まだ伊織が正式に会長へ就くところまでは進みません。
ただ、就職活動を意識し始めた時田信治と寿竜次郎を見て、伊織は初めてPaBの代替わりを現実の話として考え始めます。
いつも部室にいる。
いつも酒を飲んでいる。
いつも海へ連れていってくれる。
そんな先輩たちにも、大学を離れる時が近づいていました。

原作では、この先さらに話が進みます。
PaB会長だった時田が、自分の後を任せる人物として伊織を指名する。
千紗でもない。
耕平でもない。
ダイビング歴が一番長い人物でもない。
大学へ入った頃にはダイビングそのものにほとんど興味がなかった伊織が、次の中心へ選ばれます。

ここがかなり面白いところです。
第1期の伊織を思い出すと、とても会長になる人物には見えません。
伊豆大学へ入学し、叔父が経営するダイビングショップ「Grand Blue」で暮らし始める。
そこで最初に目にしたのが、服も着ずに酒を飲んで騒ぐPaBの男たち。
伊織はその光景を見て、こんなサークルには入りたくないと全力で逃げようとしていました。

ところが時田と寿は、そんな伊織をそのまま放っておきません。
酒宴へ引っ張り込む。
大学でも騒ぎに巻き込む。
そして本当に海へ行く時には、普段の馬鹿騒ぎとはまるで違う顔を見せる。
特に泳げなかった伊織にとって、先輩たちは「酒を飲ませる怖い人」から「海の面白さを知っている人」へ少しずつ変わっていきました。
伊織がPaBに残った原点には、この二人がいます。

だから次期会長に伊織が選ばれるのは、単に主人公だからではありません。
最初は逃げようとしていた男が、海へ入り、仲間と潜り、後輩や友人を巻き込みながら、いつの間にかPaBの中心にいる。
時田は、その変化をすぐ近くで見てきました。
酒宴では誰より馬鹿なことをする。
でも誰かが本気で困れば動く。
海へ行けば、遊びだけでは済ませない。
その両方を持っているのが伊織です。

寿・時田が卒業へ向かっても、PaBそのものが終わるわけではない

寿と時田が卒業へ向かうと聞くと、PaBが一気に寂しくなるように感じます。
実際、アニメ第1期から見てきた人ほど、この二人がいないPaBは想像しにくいです。
伊織が店へ帰れば時田や寿がいる。
飲み会になれば中心にいる。
海へ向かえば頼れる先輩になる。
二人は、PaBの日常そのものに近い存在でした。

ただ、第9話で始まった代替わりは、PaBがなくなる話ではありません。
先輩たちが作ってきた場所を、今度は伊織たちが引き継ぐ話です。
これまで伊織と耕平は、時田や寿に連れ回される後輩でした。
無茶な飲み会へ巻き込まれる。
ダイビングへ連れていかれる。
困った時には先輩へ頼る。
その立場が、少しずつ変わっていきます。

千紗も同じです。
ダイビングへの知識や経験なら、伊織よりずっと早くから持っている。
耕平も、伊織と一緒にPaBの騒動の中心へ入ってきました。
愛菜も、最初はPaBの異様な空気に戸惑いながら、いつの間にか一緒に旅行し、海へ行き、飲み会へ参加する仲間になっています。
最初は先輩たちの後ろにいた世代が、気づけばPaBを動かす側へ近づいています。

だから「PaBは誰に代替わりする?」という疑問は、会長の名前だけでは終わりません。
肩書きとしては伊織が次期会長になる。
でも実際には、伊織、耕平、千紗、愛菜たちの世代全体が、先輩からサークルを受け取っていく。
誰か一人が時田の代わりになるわけではない。
時田や寿が担っていた役割を、今度は伊織たちがそれぞれ持つことになります。

ここで第9話の伊織の表情が効いてきます。
普段なら、先輩の就活を見ても「大変そうだな」で終わりそうな伊織。
でも今回は、そこからPaBの代替わりまで考える。
先輩たちが卒業する。
自分たちが残る。
この当たり前の順番を、ようやく自分の問題として受け止め始めた。
その小さな変化が、後の次期会長という話へつながっていきます。

第2章 第9話で伊織はなぜPaBの代替わりを考え始めた?

寿と時田の就活が、伊織に「先輩がいなくなる未来」を見せた

第9話「受難」の始まりは、恋愛相談や御手洗のプロポーズだけではありません。
伊織は、就職活動を意識し始めた寿と時田の姿を見ています。
普段の二人なら、酒を飲む。
裸になる。
伊織や耕平を巻き込む。
そんな光景が当たり前でした。
でも就活という言葉が出た瞬間、二人がずっと大学生ではないことが見えてきます。

伊織にとって、寿と時田は最初から「先輩」でした。
大学へ入ればいる。
Grand Blueへ行けばいる。
PaBへ行けばいる。
困った時には頼れる。
馬鹿なことをする時には誰より先に走る。
その二人が卒業するという発想は、頭では分かっていても、これまではそれほど現実味がありませんでした。

特に時田はPaBの会長です。
大柄な身体で部員をまとめ、飲み会では豪快に騒ぐ。
一方で海へ出れば、ふざけるところと危険を避けるところをきっちり分ける。
初心者の伊織たちがダイビングを楽しめるのも、経験のある上級生が周囲を見ているからです。
伊織からすれば、時田がPaBにいる状態が最初から普通でした。

寿も大きな存在です。
時田と並んでいつも騒いでいますが、ダイビングになると頼れる。
伊織が海の面白さへ近づく時にも、先輩として何度も背中を押してきました。
伊織が泳げないことを抱えていた頃も、ただ笑って終わるのではなく、海を楽しむ別の入口を見せる。
PaBが酒だけのサークルではないと分かる場面には、寿や時田が何度もいました。

だから第9話で二人の就活が見えると、伊織の中でも話が変わります。
就職する。
大学を卒業する。
PaBから離れる。
すると、今まで二人がやっていたことを誰かが担わなければならない。
飲み会の中心だけではない。
新しく入ってきた人を迎える。
海へ連れていく。
危険な時には止める。
サークルそのものを次へ残す役目です。

最初はPaBから逃げた伊織が、いつの間にか残す側へ変わっていた

第9話の代替わりが効いてくるのは、第1期の伊織を思い出した時です。
入学直後の伊織は、薔薇色の大学生活を期待していました。
可愛い女子と出会う。
普通のサークルへ入る。
楽しいキャンパス生活を送る。
ところがGrand Blueの扉を開けた先にいたのは、裸で酒を飲んでいる屈強な男たちでした。

当然、伊織は逃げます。
PaBに入るつもりなどなかった。
ダイビングへの強い憧れがあったわけでもない。
むしろ千紗からは、ダイビングに興味がない態度を見抜かれて距離を置かれる。
そんな状態から始まった男が、第9話では「このサークルを次にどうするか」を考えています。
ここだけでも、伊織がかなり変わったことが分かります。

変化のきっかけは、一つではありません。
実際に海へ行く。
水中の景色を見る。
千紗が本気でダイビングを好きなことを知る。
耕平と馬鹿をやる。
愛菜が仲間へ加わる。
沖縄へ行き、合宿へ行き、試験や旅行まで一緒に経験する。
伊織にとってPaBは、いつの間にか「逃げたいサークル」ではなく、自分の大学生活そのものになっています。

だから先輩の卒業が気になる。
どうでもいいサークルなら、時田が卒業しても関係ありません。
次の会長が誰でもいい。
でも伊織は、PaBがこの先どうなるかを考えてしまう。
それは本人が気づかない間に、この場所を大切にする側へ変わった証拠でもあります。

しかも伊織は、最初から模範的な後輩だったわけではありません。
酒で騒ぐ。
耕平と張り合う。
先輩と一緒になって馬鹿をやる。
それでも海へ出ると、仲間を置いて自分だけ楽しむ人物ではない。
誰かが困れば巻き込まれながら助ける。
自分が怖くても、必要なら前へ出る。
その積み重ねが、後に時田から次を任されるところへつながります。

第9話で伊織が代替わりを考える場面は、まだ大きな決断ではありません。
でも、第1期から見ているとかなり変わった瞬間です。
PaBから逃げようとしていた新入生が、先輩たちの卒業を心配している。
そして原作では、その伊織自身が次期会長として名前を呼ばれる。
寿と時田が卒業へ向かう話は、そのまま伊織が「後輩」から「先輩」へ変わっていく話でもあります。

第3章 時田と寿はPaBで何をしてきた?伊織を海へ連れ出した二人

時田は会長として、入学直後の伊織をPaBへ引き入れた人物

時田信治は、伊豆大学三年生でPaBの会長。
第1期の最初から、伊織にとって「大学の先輩」と「PaBの象徴」を同時に担ってきた人物です。
伊織がGrand Blueへやって来た時、目の前にいたのは裸で酒を飲み、朝から異様なテンションで騒いでいる男たち。
普通なら距離を置きたくなる光景です。
それでも時田は、そんな伊織をそのままPaBへ引っ張り込みます。

第2話では、伊織と耕平がPaBへ入ったあとも、時田と寿が大学生活へ容赦なく入り込んできます。
女子大との交流会へ行きたい伊織。
それを阻む荷解き。
そこへ先輩二人まで加わり、結局は伊織の思い描いた普通の大学生活からどんどん離れていく。
酒と裸の印象が強すぎますが、伊織の日常へ最初にPaBを定着させたのが、この時田と寿でした。

ただ、時田が本当に頼れるのは海へ出た時です。
飲み会では後輩を容赦なく巻き込む。
無茶な勝負も始める。
でもダイビングでは、経験の浅い人間を危険なまま放置する人物ではありません。
PaBが単なる飲みサークルではなく、本当に海を楽しむ集団だと分かる場面では、時田の存在がかなり大きい。
会長という肩書きが、海へ入った瞬間に急に説得力を持ちます。

伊織も、最初から時田を尊敬していたわけではありません。
むしろ「この人たちから逃げたい」というところから始まっています。
ところが一緒に海へ行く。
器材を付ける。
水中へ入る。
そこで初めて、普段の馬鹿騒ぎとは違う先輩の顔を見る。
この繰り返しがあるから、伊織も少しずつPaBそのものを受け入れていきました。

だから第9話で時田の就活が見えてくると、ただの三年生の卒業話では済みません。
伊織が大学へ入った時から、PaBの中心には時田がいた。
その人物が就職を考え始める。
当然、会長という立場もいつか次へ渡さなければならない。
伊織が代替わりを考えるのは、今まで当然だった景色が終わり始めたからです。

寿は泳げなかった伊織へ「興味があるならやってみろ」と海を見せた

寿竜次郎も、時田と同じ伊豆大学三年生。
PaBでは時田と並ぶ中心人物で、酒宴では同じように暴れています。
でもダイビングの話になると非常に真面目。
器材や潜り方についての知識もあり、初心者だった伊織にとっては、海への入口を作った先輩の一人です。
特に伊織が「泳げない」ことを抱えていた時、寿の存在が効いてきます。

第3話「新世界」では、伊織と耕平がウェットスーツを着て実際に海へ入ります。
伊織は水そのものが怖い。
大学へ入る前から、ダイビングをやりたくて仕方なかった人物でもない。
ところが海の中へ入ってみると、想像していたものとは違う景色が広がる。
その体験から、伊織は少しずつダイビングへ引かれていきます。

寿は、できることだけを選んでいたら何も始まらないという姿勢で伊織を押します。
泳げない。
怖い。
経験がない。
それだけで「向いていない」と決めるのではなく、まず興味があるかを見る。
この感覚は、その後の伊織にかなり残っています。
最初は海から距離を取っていた男が、やがて自分から潜りたくなるところまで変わっていくからです。

しかも寿は、普段の姿との落差が大きい。
酒を飲めば時田と一緒に暴れる。
後輩へ無茶を振る。
伊織や耕平を巻き込む。
でも水中では真面目。
危険をふざけて扱わない。
この切り替えを何度も見ることで、伊織もPaBの本当の姿を覚えていきます。

PaBは、裸で酒を飲むだけの集団ではない。
海へ行けば本気で楽しむ。
初心者がいれば支える。
怖がっている人間がいれば、一緒に潜れる方法を考える。
時田と寿は、第1期からその両方を伊織へ見せてきました。
だから二人が卒業へ近づくということは、その役目まで次の世代へ渡るということです。

第9話で伊織が代替わりを考え始めた背景には、こうした積み重ねがあります。
いつも酒を飲ませてきた先輩。
でも、海の楽しさも教えてくれた先輩。
馬鹿なことをする時も、本気で潜る時も一緒だった。
その二人がいなくなる未来を初めて具体的に想像したからこそ、伊織はPaBの次を考え始めました。

第4章 寿・時田が卒業するとPaBはどう変わる?伊織たちが先輩側へ回る

これまで「連れていかれる側」だった伊織たちが、後輩を迎える側になる

寿と時田が卒業すると、PaBで一番大きく変わるのは立場です。
これまで伊織と耕平は、基本的に先輩へ連れ回される側でした。
飲み会へ引き込まれる。
海へ連れていかれる。
旅行へ行く。
騒動が起きれば、気づいた時には巻き込まれている。
その前にはいつも時田や寿がいました。

でも大学のサークルでは、その関係がずっと続くわけではありません。
三年生だった時田と寿が卒業へ向かえば、一年生だった伊織たちも上級生になる。
今度は、新しく入ってきた後輩から「先輩」と呼ばれる側です。
自分たちが教えてもらったように、初めてダイビングをする人へ器材を説明する。
海へ連れていく。
危ない行動を止める。
PaBを続けるなら、その役目を誰かが受けなければなりません。

ここで千紗の存在も大きくなります。
千紗は第1期の時点から、伊織よりずっとダイビングへの知識も情熱も強い。
将来の目標もダイビングインストラクター。
海へ行けば真剣で、伊織が軽い態度を取ればすぐ厳しくなる。
技術や知識だけを見るなら、次のPaBを支える人物として千紗は外せません。

耕平も、最初は伊織に騙されるような形でPaBへ入りました。
可愛い女性やアニメの話になると暴走する。
伊織とはいつもくだらない勝負をする。
でも二人で騒いでいるだけの存在ではなく、PaBの旅行やダイビングへ何度も参加し、いつの間にか中心メンバーになっています。
伊織一人だけが先輩へ変わるわけではありません。

愛菜も同じです。
最初はテニスサークルで空回りし、伊織や耕平と出会ってPaBへ近づきました。
当初は裸で飲み続ける男たちへ当然のように戸惑う。
でも旅行へ行く。
海へ行く。
飲み会にも参加する。
そうして、最初は外側にいた愛菜までPaBの日常へ完全に入っていきました。

だから代替わりは、時田から伊織へ会長の名前を渡すだけではありません。
伊織、耕平、千紗、愛菜たちの世代全体が、今までの「下級生」という位置から上へ動く。
今度は自分たちがPaBの空気を作る。
後輩が入ってくれば、先輩たちから受けたものを渡す。
第9話の小さな代替わりの話は、そこまで先につながっています。

時田と寿が抜けても「酒と海」の両方を残せるかがPaBの次につながる

PaBには、かなり極端な二つの顔があります。
一つは、酒を飲んで馬鹿騒ぎする大学サークルとしての顔。
もう一つは、本気でダイビングを楽しむ集団としての顔です。
第1期から時田と寿は、この両方の中心にいました。
だから二人が抜けると、単に人数が二人減る以上の変化があります。

飲み会だけを真似するなら簡単です。
伊織も耕平も、そこだけならすでに十分すぎるほどPaBに染まっています。
でも時田や寿がやっていたのは、それだけではない。
海へ入った時にはふざけない。
初心者を無理に危険へ入れない。
器材や潜り方を理解している。
その部分まで引き継げるかが、PaBを残す上では重要になります。

伊織は最初、その真面目な部分をほとんど持っていませんでした。
第1話ではPaBから逃げたかった。
第3話で水中へ入り、初めて海の景色に引かれる。
そこから何度も潜り、旅行し、仲間と海へ行く。
少しずつ「自分もダイビングをしたい」という側へ変わっていきます。
この変化がなければ、次期会長という話にはつながりません。

千紗は逆です。
最初から海が好き。
ダイビングへの姿勢も真面目。
ただ、PaBは真面目なダイビング部だけではありません。
酒宴もある。
馬鹿騒ぎもある。
伊織や耕平のような人間まで受け入れて、一緒に遊ぶ場所です。
だから千紗だけが時田の役割をそのまま受ければ完成する、という話でもありません。

伊織には、時田や寿とは違う形で人を巻き込む力があります。
耕平をPaBへ連れてきた。
愛菜とも関わる。
千紗と何度も衝突しながら、結局一緒に海へ行く。
自分が中心になろうとしていないのに、騒動の中心にはいつもいる。
その伊織が会長へ選ばれることで、PaBは先輩たちと同じ形のままではなく、次の世代の色へ変わっていきます。

だから寿と時田の卒業は、PaBが弱くなるだけの話ではありません。
今まで先輩からもらったものを、伊織たちがどこまで残せるのか。
酒の馬鹿騒ぎだけではなく、海へ入った時の真剣さまで受け継げるのか。
第9話で伊織が代替わりを考えた瞬間から、PaBは少しずつ「時田たちのサークル」から「伊織たちのサークル」へ動き始めています。

第5章 なぜ次期会長は耕平や千紗ではなく伊織なのか

時田が見ていたのは、一番真面目な人ではなくPaBを動かせる人

次期会長として伊織が選ばれると聞くと、少し意外に感じます。
ダイビングへの知識だけなら千紗の方が上。
海への情熱も、将来の目標も千紗の方がはっきりしています。
耕平も伊織と同じようにPaBの中心で騒ぎ続けてきた。
それでも時田が次を任せる相手として見るのは、北原伊織です。

伊織は最初から優秀な後輩だったわけではありません。
第1期の序盤では、PaBの裸と酒を見て逃げようとする。
ダイビングにも積極的ではない。
千紗からも「海へ興味がない人」と見られる。
それでも第3話「新世界」で実際に海へ入り、水中の景色を知ったあたりから、少しずつ変わっていきます。
最初に拒絶した場所へ、自分から戻るようになります。

その後の伊織は、ただ先輩についていくだけではありません。
耕平と一緒に騒ぐ。
愛菜の問題へ関わる。
千紗が困っていれば動く。
旅行でも合宿でも、結果的に人を巻き込む側へ回っていきます。
本人に「みんなを引っ張ろう」という立派な意識がなくても、伊織がいると人が集まり、騒動が起き、最後は同じ場所にまとまる。

ここがPaBの会長として大きいです。
会長は、一番ダイビングが上手い人だけでは務まりません。
酒宴だけ仕切ればいいわけでもない。
初心者を迎える。
海へ連れていく。
場を作る。
誰かが浮いていれば、その人も巻き込む。
時田自身が第1期からやってきたのも、こうした役目です。

伊織は、真面目さだけなら千紗に負けます。
知識だけなら先輩たちにも届かない。
でも、人との距離を縮める速さはかなり強い。
耕平とは会ってすぐに喧嘩するような仲になる。
愛菜とも最初は面倒な騒動から関わりながら、その後は普通に旅行する仲間になる。
千紗とも衝突しながら、結局は一緒に海へ出る。
PaBの輪を広げるところでは、伊織が何度も中心にいます。

だから時田が伊織を見る時、成績表のように能力を比べているわけではありません。
この男ならPaBの空気を残せる。
海も酒も馬鹿騒ぎも、全部まとめて次へ持っていける。
その姿を、時田は入学直後から見てきた。
会長指名は、伊織がいつの間にか「連れていかれる後輩」から「人を連れていく側」へ変わっていたことを示す場面でもあります。

千紗や耕平ではなく伊織だから、PaBらしさがそのまま残る

千紗が会長候補に見えるのは自然です。
海が好き。
ダイビングへの知識がある。
真面目に練習する。
安全にも気を配る。
PaBの「ダイビングサークル」という部分だけを見るなら、かなり向いています。
でもPaBは、それだけでできている場所ではありません。

耕平も候補に見えます。
伊織と同じように先輩たちへ巻き込まれ、酒宴でも騒ぐ。
ダイビングにも参加する。
ただ耕平は、アニメや女性が絡むと一直線に暴走することが多い。
場をまとめるというより、伊織と一緒に場を壊す側へ回ることも多い。
その意味では、二人は似ているようで少し違います。

伊織は、自分も馬鹿をやりながら最後に周囲を見る瞬間があります。
愛菜が孤立していれば、その場から完全に切り離さない。
千紗と衝突しても、海へ行く話になれば戻ってくる。
耕平と張り合っていても、本当に必要な時は同じ方向へ動く。
こうした場面が積み上がっているから、ただの飲み会要員では終わりません。

第1期の頃は、先輩に服を脱がされ、酒を飲まされ、気づけばPaBへ入っていた伊織。
それがSeason 3第9話では、寿と時田の就活を見て代替わりを考える。
そして原作では、実際に次の会長として名前を出される。
ここまで来ると、会長指名は突然ではありません。
本人が気づかないまま、ずっとその位置へ近づいていました。

PaBに必要なのは、真面目な代表だけではない。
馬鹿をやれる。
海へも本気で入れる。
初めて来た人を巻き込める。
失敗しても、また集まれる。
その全部を一番自然に持っているのが伊織です。
だから時田が次を任せる相手として見るのも、かなり納得できます。

次期会長に伊織が選ばれる場面は、肩書きが増えるだけではありません。
第1期から続いた時田と寿の役目が、少しずつ伊織へ移る。
最初は逃げた男が、今度は後輩を迎える側になる。
この逆転を見ると、PaBの代替わりはそのまま伊織の成長にもつながっています。

第6章 伊織は最初から会長向きだった?第1期から変わったところ

入学直後はPaBから逃げた伊織が、いつの間にか海へ戻る人になった

第1期第1話の伊織は、PaBの会長になるような人物にはまったく見えません。
伊豆大学へ入学し、新しい生活を楽しみにしている。
可愛い女の子と出会いたい。
普通の大学生活を送りたい。
そんな期待を持ってGrand Blueへ入る。
ところが待っていたのは、裸で酒を飲んでいる時田や寿たちでした。

伊織は当然逃げます。
こんなサークルには入りたくない。
ダイビングにも特別な興味はない。
千紗から見ても、海を好きな人には見えない。
最初の伊織は、PaBの中心どころか外へ逃げたい側でした。
だから後に会長へつながる流れが、余計に面白く見えます。

変化が見えるのは、第3話「新世界」です。
伊織は水が苦手で、泳げないことも抱えています。
それでもウェットスーツを着て海へ入り、水中の景色を見る。
そこで「自分には無理」と決めつけていた世界が、少し違って見える。
海の中へ入る怖さと、入った後の美しさ。
この体験が、伊織をPaBへ残す大きな一歩になります。

その後も、伊織は何度も海へ行きます。
最初は先輩に連れていかれる。
次は仲間と一緒に行く。
旅行へ出る。
合宿へ行く。
潜る回数が増える。
そのたびに、PaBが単なる酒の集まりではないことを身体で覚えていく。
伊織自身も、いつの間にか海へ行くことを当然のように受け入れています。

ここが第9話へつながります。
最初は「このサークルから逃げたい」と思っていた。
でも今は「先輩が卒業したらこのサークルはどうなる」と考えている。
場所への距離が完全に逆転しています。
嫌々入ったはずなのに、なくなる未来を心配する。
それだけPaBが、伊織の大学生活の中心になっています。

しかも伊織は、海を好きになっただけではありません。
仲間との関わり方も変わっています。
自分一人が楽しめればいい、ではなくなる。
誰かが困れば動く。
誰かが置いていかれれば気にする。
馬鹿をやりながらも、人とのつながりを捨てない。
この部分が、次の会長という役目へ近づく大きな変化です。

「先輩に連れていかれる男」から「次の人を連れていく男」へ変わった

第1期の伊織は、何をするにも先輩に巻き込まれることが多いです。
酒を飲む。
服を脱がされる。
海へ行く。
イベントへ参加する。
時田や寿が前にいて、伊織と耕平がその後ろを走る。
この形が、最初のPaBでした。

でも話が進むと、伊織自身が誰かを巻き込む側になります。
耕平とは、入学直後から一緒に馬鹿をやる相棒になる。
愛菜とはテニスサークルの騒動から関わり、その後PaBへ入るきっかけにもつながる。
千紗とは何度も喧嘩しながら、結局は海や旅行で同じ場所へ戻る。
伊織の周囲に、人が残っていきます。

この変化は、本人が立派になったからだけではありません。
伊織は今でも馬鹿をやる。
酒で騒ぐ。
耕平とくだらない勝負をする。
女性が絡めば浮かれる。
そこは第1期から大きく変わりません。
でも、そのまま人とのつながりだけは増えていく。
そこが伊織らしい成長です。

時田や寿も、後輩へ説教ばかりしていた先輩ではありません。
むしろ一緒に騒ぐ。
一緒に飲む。
その上で、海へ行けば必要なところだけ真面目になる。
伊織も少しずつ同じ形へ近づいています。
真面目一辺倒ではない。
でも肝心なところでは人を放っておかない。

だから次期会長という話は、伊織が急に大人になる話ではありません。
馬鹿なところは残る。
酒も飲む。
耕平とも騒ぐ。
ただ、そこへ「自分より下の世代を見る立場」が加わる。
時田と寿がそうだったように、普段は騒いでいても、必要な時には先輩として動く側になります。

第9話で寿と時田の就活を見た伊織は、まだその役目を完全に受け入れているわけではありません。
でも、代替わりを考えた時点でもう昔の伊織とは違います。
PaBを外から眺めていた人ではない。
この場所が続くかどうかを気にする内部の人間になっている。
そこから次期会長へ進む流れは、かなり自然です。

最初は時田と寿に海へ連れていかれた伊織。
今度は自分が、新しく入ってきた誰かを海へ連れていく。
泳げない。
怖い。
興味がない。
そんな後輩が来た時、昔の自分と同じように入口を作る側になる。
PaBの代替わりは、伊織が先輩たちから受け取ったものを、次の世代へ渡し始める場面でもあります。

第7章 寿・時田が卒業してもPaBは終わらない|伊織たちへ受け継がれるもの

先輩がいなくなることは、PaBが消えることではない

寿と時田が卒業へ向かうと聞くと、PaBそのものが終わるように感じます。
第1期から、部室へ行けば二人がいる。
酒を飲めば中心にいる。
海へ出れば頼れる。
伊織にとっても耕平にとっても、その姿がPaBの当たり前でした。
だから第9話で就活が見えた瞬間、先輩がいなくなる未来が急に現実になります。

でも、寿と時田が卒業してもPaBそのものが消えるわけではありません。
会長という立場は次へ渡る。
先輩たちが作ってきた空気も残る。
そして原作では、時田が次期会長として伊織を指名するところまで進みます。
つまり代替わりは、PaBの終了ではなく、伊織たちの世代へ中心が移る節目です。

伊織たちは、最初からPaBを支える側だったわけではありません。
第1期では、時田や寿に連れていかれる。
酒宴へ巻き込まれる。
海へ誘われる。
何かあれば先輩を頼る。
その位置から始まっています。
でもSeason 3まで来ると、伊織自身がPaBの先を考えるところまで変わりました。

ここで大事なのは、伊織が時田そのものになる必要はないことです。
時田には時田の豪快さがある。
寿には寿の落ち着きがある。
千紗にはダイビングへの真剣さがある。
耕平には伊織とは違う勢いがある。
次のPaBは、その全部を同じ形で再現する必要はありません。

伊織たちの世代には、伊織たちなりの空気があります。
伊織と耕平がくだらない勝負をする。
千紗が呆れる。
愛菜が巻き込まれる。
それでも最後は一緒に海へ行く。
こうした関係そのものが、すでに新しいPaBの形になっています。
先輩が卒業しても、仲間が残る限りサークルは続きます。

だから第9話の代替わりは、寂しいだけの話ではありません。
ずっと先輩だった人たちが、次の人生へ進む。
その背中を見ていた伊織たちも、今度は自分たちが先輩になる。
大学生活が前へ進んでいることを、PaBという場所を通して見せる場面になっています。

酒より大事なのは、海へ連れていく楽しさを次へ渡せること

PaBというと、どうしても酒と裸の印象が強いです。
実際、第1期から時田と寿は何度も飲み会の中心にいます。
伊織と耕平も巻き込まれ、まともな大学生活とは思えない騒ぎを繰り返してきました。
でもPaBがここまで続いてきたのは、それだけではありません。
海へ入った時に見せる真剣さがあります。

第3話「新世界」で、伊織は実際に水中へ入ります。
泳げない。
怖い。
でも潜った先には、それまで知らなかった景色がある。
そこから伊織は、少しずつダイビングを好きになっていく。
この最初の一歩を作ったのが、時田や寿たち先輩でした。

だから次のPaBに必要なのも、酒の飲み方だけではありません。
初めて来た人を海へ連れていく。
怖がっている人を支える。
水中でふざけてはいけないところを教える。
潜ったあとに、また行きたいと思わせる。
その部分まで渡せて初めて、PaBらしさが次へ残ります。

伊織は、最初にそれを受け取った側です。
時田と寿に引っ張られる。
千紗の海への情熱を見る。
耕平と一緒に潜る。
愛菜も加わる。
何度も旅行し、何度も海へ入る。
そうして「自分には関係ない」と思っていた世界が、自分の居場所へ変わっていきました。

その伊織が次期会長になるという流れは、かなりきれいにつながっています。
自分が海へ連れていってもらった。
次は、自分が誰かを連れていく。
自分が先輩に支えてもらった。
次は、自分が後輩を支える。
肩書きよりも、この役目の変化の方が大きいです。

寿と時田が卒業すれば、寂しさは残ります。
第1期から見てきた二人が、いつもの場所からいなくなる。
でも、伊織の中には二人から教わったものが残っています。
海を楽しむこと。
仲間と馬鹿をやること。
必要な時は真面目になること。
その全部が、次のPaBへつながっていきます。

だから「PaBは誰に代替わりする?」という疑問の答えは、次期会長の伊織だけではありません。
寿と時田から伊織へ。
そして伊織だけでなく、耕平、千紗、愛菜たちの世代へ。
先輩から後輩へ少しずつ渡っていく。
第9話で始まった代替わりは、『ぐらんぶる』の大学生活が本当に次の段階へ進み始めた場面です。

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