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【片田舎のおっさん、剣聖になるII】ヴェスパーはベリルの弟子?アリューシアと同時期に道場で学んだ過去

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ヴェスパーは現在のレベリオ騎士団でベリルと知り合った若手騎士ではなく、アリューシアと同じ時期に片田舎の道場で剣を学んでいた元門下生だった。
ただしアリューシアのように型を素早く習得する天才ではなく、身体操作には苦戦しながらも頭の回転の速さで鍛錬を積み、後に同じレベリオ騎士団まで辿り着いている。
ヴェスパーの過去を知ると、第7話でベリルへ素直に相談する距離感や、現在も自分の強さへ厳しい目を向ける性格が、昔から続く師弟関係として繋がって見えてくる。

  1. 第1章 ヴェスパーはベリルの弟子?結論は昔の道場の門下生
    1. 第7話で急に近く見えたのではなく、ヴェスパーは昔からベリルを知る元門下生
    2. 現在はアリューシアの部下でも、剣の出発点は同じベリルの道場にある
  2. 第2章 アリューシアと同じ時期に道場で学んでいたヴェスパー
    1. 同じ門下生でも、アリューシアは天才型、ヴェスパーは考えながら身に付けるタイプだった
    2. 現在の団長と若手騎士という差は、道場時代から始まった成長速度の違いでもある
  3. 第3章 道場時代のヴェスパーはどんな弟子だった?
    1. 型稽古ではアリューシアに苦戦したが、頭の回転が速い弟子としてベリルの記憶に残っている
    2. 「アリューシアほど早く覚えられない」からこそ、現在のヴェスパーの強さには積み重ねがある
  4. 第4章 第7話でベリルへ相談できたのは、昔から知る師匠だったから
    1. フラーウの実家で個別指導を頼む場面は、現在も師弟関係が残っていることを見せている
    2. 帰り道でフラーウへの本心まで話せたことで、ベリルは「剣の師匠」以上の相手だと分かる
  5. 第5章 ヴェスパーはアリューシアほど強くない?同じ弟子でも伸び方が違う
    1. 同時期に道場で学んでも、現在は騎士団長と若手騎士――最初から成長速度には差があった
    2. 第7話では「守れる剣」を求めて再びベリルへ教えを請い、元弟子の立場へ戻っている
  6. 第6章 原作ではヴェスパーがどこまで成長している?
    1. 第182話では六十人の私兵を引っ張る先頭役を任され、五周を走っても余力を残している
    2. 五周で終わらず、その直後には私兵との打ち稽古へ参加――実戦要員として役目を果たしている
  7. 第7章 ベリルの弟子としてヴェスパーが示しているもの
    1. 重傷後に剣へ戻ろうとする姿まで見ると、ヴェスパーは「天才ではない弟子」の到達点になる
    2. アリューシアとは違う道を歩いても、ベリルの教えを騎士として残している

第1章 ヴェスパーはベリルの弟子?結論は昔の道場の門下生

第7話で急に近く見えたのではなく、ヴェスパーは昔からベリルを知る元門下生

ヴェスパーは、
レベリオ騎士団へ入ってからベリルと知り合った若手騎士ではない。
まだアリューシアが現在のような騎士団長になる前、
片田舎でベリルが道場を開いていた頃から剣を学んでいた、
れっきとした元門下生になる。

現在のヴェスパーだけを見ると、
アリューシアの指揮下で働く若い騎士という印象が強い。
第7話でもベリル、アリューシア、フラーウと共に遠征へ同行し、
若手側として動いているため、
ベリルとの間に昔からの師弟関係があるとは分かりにくい。

しかしベリルは、
ヴェスパーが道場へ通っていた当時の様子まで覚えている。
誰だったか思い出せない程度の昔の生徒ではなく、
型を覚える時にどんな癖があったか、
何を得意としていたかまで記憶に残っている。

しかもヴェスパーが道場へいた時期は、
アリューシアとも重なっている。
現在ではアリューシアがレベリオ騎士団長、
ヴェスパーがその配下の若手騎士という大きな差があるが、
出発点だけを見れば同じベリルの道場で剣を学んだ門下生だった。

この過去を知ると、
第7話でヴェスパーがベリルへ個人的な相談を持ち掛ける場面も違って見える。
相手は突然赴任してきた特別指南役ではない。
少年時代の自分を知り、
剣の癖も成長の速度も見ていた昔の師匠になる。

フラーウへの想いを抱えながら、
自分はまだ弱い、
もっと強くならなければ気持ちを伝える資格が無いと悩むヴェスパー。
その話をベリルへ持ち込めた背景には、
現在の階級を越えた古い師弟関係がある。

アリューシアがベリルを王都へ呼び寄せたことで、
昔の師匠と弟子たちは再び同じ場所へ集まり始めた。
ヴェスパーもその一人。
ただし現在の実力や役職だけを見ると、
アリューシアほど「ベリルの弟子」として前面へ出ていない。

だからヴェスパーの過去は、
知ると人物像が一段変わる。
若手騎士として登場した人物が、
実はベリルの道場で少年時代から剣を磨き、
その教えを持ったままレベリオ騎士団へ進んでいたことになる。

現在はアリューシアの部下でも、剣の出発点は同じベリルの道場にある

ヴェスパーとアリューシアを現在だけで比べると、
立場にはかなり大きな差がある。
アリューシアはレベリオ騎士団を率いる団長。
ベリルを特別指南役として王都へ招いた人物であり、
弟子の中でも突出した剣技を持つ。

対するヴェスパーは、
騎士団の若手構成員。
遠征へ同行し、
命令を受けて動き、
アリューシアの指揮下で任務を遂行する立場になる。
現在だけなら、
同じ門下生だったとは思いにくい距離がある。

ところが過去へ戻ると、
二人ともベリルの道場で木剣を握っていた。
同じ師匠から型を教わり、
同じ剣術の基礎へ触れ、
それぞれ別の速度で成長していった。

ここで重要なのは、
同じ道場へ通ったから同じ強さになったわけではないこと。
アリューシアは、
新しい型や身体操作を非常に高い速度で吸収していく。
ベリルから見ても、
才能の伸び方が明らかに突出していた弟子になる。

ヴェスパーは違う。
型を身体へ落とし込む時には苦戦し、
動きを習得するまで時間が掛かる。
同じ時期に学んでいても、
アリューシアのように何でも簡単に出来たわけではない。

それでもヴェスパーは、
途中で剣を捨てていない。
道場時代の苦戦を越え、
最終的には王国有数の精鋭組織であるレベリオ騎士団へ入る。
これは現在の姿を見るうえでかなり重要になる。

「ベリルの弟子」という言葉からは、
アリューシアやスレナのような規格外の実力者を連想しやすい。
しかしヴェスパーまで含めて見ると、
ベリルの道場が天才だけを育てた場所ではなかったと分かる。

習得に時間が掛かる者もいる。
頭で考えながら不足を埋める者もいる。
それでも鍛錬を続け、
実戦へ出られる騎士まで成長していく。
ヴェスパーは、
そうした別方向の成長を見せた弟子になる。

だから現在、
アリューシアの命令を受けるヴェスパーを見ても、
単なる部下と上司だけでは終わらない。
二人の剣の根には、
同じベリルの道場で学んだ時間が残っている。

第2章 アリューシアと同じ時期に道場で学んでいたヴェスパー

同じ門下生でも、アリューシアは天才型、ヴェスパーは考えながら身に付けるタイプだった

ヴェスパーの道場時代を知るうえで、
最も分かりやすい比較対象がアリューシアになる。
二人は同じ頃にベリルのもとで剣を学んでいたが、
習得の仕方はかなり違っていた。

アリューシアは、
ベリルが教える型を素早く身体へ取り込む。
足運び。
重心移動。
剣を振る軌道。
一つずつ説明された動きを、
実際の動作へ変換する能力が高かった。

ヴェスパーは逆に、
型稽古で苦戦する場面が多かった。
頭では理解していても、
身体が同じ速度で動かない。
習った通りに再現するまで、
何度も繰り返して身に付ける必要があった。

ただし、
ベリルはヴェスパーを出来の悪い弟子として覚えているわけではない。
むしろ頭の回転は速い。
何が出来ていないのかを考え、
自分なりに修正しながら追い付くタイプだったことが分かる。

この差は、
現在の二人にもそのまま繋がっている。
アリューシアは圧倒的な剣技で団長まで上り詰めた。
ヴェスパーは若手騎士として、
命令を正確に理解し、
周囲を見ながら任務を遂行している。

第7話でも、
ヴェスパーは感情だけで突っ走る人物ではない。
フラーウへの想いを抱えていても、
自分の現在地を冷静に見ている。
まだ強さが足りない。
このままでは気持ちを伝えられない。
そう考えてベリルへ相談する。

この思考の癖は、
道場時代の「考えながら身に付ける」ヴェスパーとよく繋がる。
感覚だけで進まず、
自分に何が不足しているかを一度考える。
それから行動へ移す。

アリューシアが才能で一気に先へ進んだのに対し、
ヴェスパーは自分の不足を一つずつ埋める。
同じベリルの弟子でも、
成長の仕方は全く同じではなかった。

現在の団長と若手騎士という差は、道場時代から始まった成長速度の違いでもある

現在のアリューシアは、
レベリオ騎士団長として王国でも高い地位へいる。
ベリルを王都へ招き、
騎士団の特別指南役へ推薦したのも彼女。
剣技だけでなく、
組織を動かす立場まで進んでいる。

一方のヴェスパーは、
同じ騎士団の若手。
アリューシアから命令を受け、
遠征先ではベリルや上官へ同行し、
必要な役目を一つずつ果たしている。

この差だけを見ると、
ヴェスパーが大きく遅れているようにも見える。
しかし道場時代を知ると、
同じ門下生でも最初から伸び方が違ったことが分かる。

アリューシアは、
ベリルが教えたことを短時間で吸収する。
ヴェスパーは、
同じ型でも反復が必要になる。
その差が年月を重ねれば、
現在の大きな力量差へ繋がるのは自然になる。

それでもヴェスパーは、
騎士として残っている。
道場を離れて終わりではない。
地方で剣を置いたわけでもない。
レベリオ騎士団へ入り、
実戦任務へ参加できるところまで成長している。

第7話で遠征へ同行していることも、
その一つの証拠になる。
アリューシアやベリルと同じ一行へ入り、
フラーウと共に若手騎士として役目を与えられる。
単なる見習いではなく、
実務を任される騎士になっている。

だからヴェスパーとアリューシアは、
「同じ師匠なのに強さが違う」というだけの比較ではない。
一人は天才型として団長まで進み、
もう一人は苦戦しながらも騎士団へ残り、
別の速度で剣を続けている。

ベリルの道場で学んだ者たちは、
全員が同じ場所へ到達するわけではない。
それでも教わった剣を自分の人生へ持ち込み、
それぞれの立場で使い続ける。
ヴェスパーは、
その幅を見せる人物になる。

そして第7話で、
昔の師匠だったベリルへ再び自分の迷いを話す。
少年時代に型の習得で苦戦した弟子が、
今度は騎士としての強さと、
フラーウへ向けた気持ちの間で悩んでいる。

ベリルにとってヴェスパーは、
最近知った若手騎士ではない。
上手く身体を動かせず、
それでも頭を使い、
何度も型を繰り返していた頃を知る弟子。
その過去があるから、
現在の二人の会話にも師弟としての厚みが残っている。

第3章 道場時代のヴェスパーはどんな弟子だった?

型稽古ではアリューシアに苦戦したが、頭の回転が速い弟子としてベリルの記憶に残っている

ヴェスパーがベリルの道場にいた頃、
最初から剣技を軽々と吸収する優等生だったわけではない。
ベリルが昔を振り返った時、
特に記憶へ残っているのが型稽古で苦戦する姿。
頭では動きを理解できても、
自分の身体を思った通りに動かすことには難しさがあった。

同じ時期に稽古していたアリューシアは、
ベリルが示した技を素早く吸収する。
足の位置。
腰の回転。
剣を振り抜く角度。
一連の動作を教えられると、
ヴェスパーより一段も二段も早く自分のものにしていった。

だから少年時代の二人を同じ門下生として並べても、
剣術の習得速度には明確な差があった。
現在のアリューシアがレベリオ騎士団長となり、
ヴェスパーがその指揮下で働く若手騎士になっている状況も、
突然生まれた差ではない。

ただしベリルは、
ヴェスパーを「剣の才能が無かった弟子」とは見ていない。
むしろ印象に残っているのが、
地頭の回転の速さ。
身体操作には苦労しても、
考える力そのものは高かった。

一度失敗した時に、
同じ失敗を無意識に繰り返すだけではない。
何が噛み合っていないのかを考え、
動きを修正しながら自分の形へ近づけていく。
ヴェスパーは、
身体感覚だけで先へ進む剣士とは違う成長をしていた。

この過去は、
第7話の現在のヴェスパーにも繋がっている。
フラーウとの関係で悩んだ時も、
感情の勢いだけで告白へ走らない。
現在の自分に何が不足しているのかを考え、
「もっと強くならなければならない」という結論へ向かっている。

考え過ぎる部分まで含め、
昔からの性格が残っている。
道場では自分の身体が思った通り動かないことを考え、
現在は自分がフラーウへ相応しい騎士なのかを考える。
ヴェスパーは、
何か壁へ当たると自分の不足を先に探す人物になる。

だからアリューシアとの比較も、
単純な優劣だけで見ると惜しい。
アリューシアは習得が早い。
ヴェスパーは時間が掛かる。
それでもヴェスパーは剣を辞めず、
最終的に同じレベリオ騎士団まで辿り着いている。

少年時代に型稽古で苦戦していた人物が、
現在では王国騎士として遠征任務へ参加している。
この距離こそ、
ヴェスパーが積み重ねてきた時間になる。
ベリルが昔の細かな特徴まで覚えているのも、
そうした不器用さを抱えながら稽古を続けていた弟子だったからと見えてくる。

「アリューシアほど早く覚えられない」からこそ、現在のヴェスパーの強さには積み重ねがある

ベリルの弟子という言葉からは、
アリューシアやスレナのような強者を想像しやすい。
師匠の教えを受ければ、
全員が驚異的な剣士へ育ったようにも見える。
しかしヴェスパーの過去を入れると、
ベリルの道場にはもっと幅広い弟子がいたことが分かる。

アリューシアは、
剣の型を素早く覚える。
後にレベリオ騎士団へ入り、
さらに団長まで上り詰める。
ベリル自身も認めるほど、
弟子の中で突出した成長を遂げた存在になる。

ヴェスパーは、
その隣で同じようには進めなかった。
型稽古に苦戦する。
身体が思うように動かない。
アリューシアが先に習得していく。
同じ師匠から教わっていても、
毎回同じ地点へ同時に到達できるわけではない。

それでも現在の第7話では、
ヴェスパーは見習いではない。
レベリオ騎士団員としてアリューシアの遠征へ同行し、
フラーウと共に周辺の土地勘を買われ、
フルームヴェルク辺境伯領へ向かう一行へ選ばれている。

故郷へ着いた後にも、
ヴェスパーは昔の泣き虫少年のままではない。
フラーウの実家で食事を取り、
ベリルへ個別の剣術指南を願い出る。
そして自分も、
守るべきものを守れる戦い方を身に付けたいと口にしている。

ここにも道場時代との繋がりがある。
完成したから師匠へ会ったのではない。
騎士団員になった現在も、
まだ学ぶ必要があると認め、
昔の師匠へ改めて剣を教えてほしいと頼んでいる。

アリューシアほど速く進めなかったヴェスパーにとって、
剣は一度習えば終わるものではない。
騎士団へ入った後も、
自分の不足を見つけ、
もう一段上へ行こうとする。
少年時代の学び方が現在まで続いている。

だからヴェスパーは、
ベリルの弟子の中でも分かりやすい「努力型」になる。
一度見ただけで技を覚える天才ではない。
教わる。
失敗する。
考える。
反復して身体へ落とし込む。

その繰り返しで、
地方道場の少年からレベリオ騎士団員まで来た。
アリューシアとの実力差があるからこそ、
ヴェスパーが剣を続けてきた時間も見えやすい。
同じ門下生でも、
同じ成長曲線を描く必要はなかった。

第4章 第7話でベリルへ相談できたのは、昔から知る師匠だったから

フラーウの実家で個別指導を頼む場面は、現在も師弟関係が残っていることを見せている

第7話では、
ヴェスパーとベリルの関係を説明するだけでなく、
昔の師弟関係が現在も残っていることを行動で見せている。
遠征一行がヴェスパーとフラーウの故郷へ着くと、
ベリルはヴェスパーから食事へ誘われる。

向かった先は、
フラーウの実家が営む食事処。
そこでフラーウの母から、
昔のヴェスパーは泣き虫で、
フラーウの後ろばかり追い掛けていた少年だったことまで語られる。

現在は騎士服を着て、
アリューシアの遠征任務へ同行する青年。
その姿を知るベリルの前で、
さらに幼少期のヴェスパーまで掘り起こされる。
昔を知る人間が同じ場所へ集まった場面になる。

その席でヴェスパーは、
ベリルへ個別の剣術指南を頼む。
ベリルは断らず了承する。
ここでヴェスパーが求めているのは、
騎士団の正式な訓練としての指導ではない。

自分の昔の師匠へ、
もう一度直接剣を見てもらおうとしている。
現在のベリルはレベリオ騎士団の特別指南役だが、
ヴェスパーにとっては肩書が付く以前から、
木剣を握っていた頃の自分を知る師匠になる。

ヴェスパーは、
守るべきものを守れる戦い方を身に付けたいと考えている。
単純に勝率を上げたいわけではない。
誰かを守れる力が欲しいという話になると、
その背後にはフラーウの存在も自然に重なってくる。

第7話では、
剣術指南の依頼と恋愛相談が別々の話ではない。
強くなりたい。
守れる騎士になりたい。
フラーウへ想いを伝えたい。
しかし今の自分ではまだ足りない。
ヴェスパーの中では全てが繋がっている。

だから相談相手がベリルになる。
少年時代に型で苦戦したことも知っている。
アリューシアほど器用ではなかったことも知っている。
それでも稽古を続けて騎士団へ入った現在まで、
一続きで見られる人物になる。

帰り道でフラーウへの本心まで話せたことで、ベリルは「剣の師匠」以上の相手だと分かる

食事を終えた後、
宿へ戻る道でもヴェスパーの相談は続く。
ここで話題は剣術だけではなく、
フラーウとの関係へ踏み込んでいく。
ヴェスパーは、
自分が騎士団を目指した出発点にフラーウがいたことを話す。

幼少期には、
フラーウの後ろをついて歩いていた。
成長すると、
フラーウを追う形で騎士を目指す。
一度は騎士団入りを反対されながらも剣を続け、
最終的には同じレベリオ騎士団へ入っている。

ところが同じ場所へ立っても、
ヴェスパー自身は満足していない。
騎士になったことで剣の奥深さを知り、
自分の未熟さも以前より理解するようになる。
その結果、
フラーウへ気持ちを伝えることまで先送りしている。

もっと強くならなければならない。
今の自分では、
フラーウへ想いを伝える資格がない。
ヴェスパーの悩みは、
恋愛の失敗を恐れているというより、
自分が相手へ相応しいかどうかへ向いている。

そこでベリルが見るのは、
ヴェスパー一人の強さだけではない。
実際に二人が剣を振る様子から、
ヴェスパーとフラーウは間合いが良く、
呼吸も合っていると伝える。

一人で完成してから横へ並ぶのではなく、
二人で一緒に成長してはいけないのか。
ベリルは、
ヴェスパーが自分へ課していた条件そのものを変える。
もっと強くなれとも、
今すぐ告白しろとも言わない。

この返し方にも、
師匠として長く人を見てきたベリルらしさがある。
ヴェスパーは昔から、
自分の不足を考えて埋めようとするタイプだった。
だから現在も、
フラーウへ向き合う前に自分を完成させようとしている。

ベリルはそこへ、
自分一人だけで完成する必要はないと示す。
道場時代なら、
出来ない型を一つずつ覚えればよかった。
しかし人との関係では、
相手と一緒に進むことも出来る。

第7話でヴェスパーがベリルへ本心を話せたのは、
単に年上だからではない。
自分の不器用だった少年時代を知り、
剣を教え、
現在の成長まで見られる師匠だからになる。

そしてベリルの側も、
昔のヴェスパーを知っているからこそ、
現在の未熟さだけを見て判断しない。
型稽古で苦戦していた少年が、
今では騎士としてフラーウと呼吸を合わせている。
その変化まで含めて、
二人で成長する道を示している。

ヴェスパーがベリルの元弟子だった事実は、
過去の肩書だけではない。
第7話の個別指導。
帰り道での恋愛相談。
フラーウとの連携への助言。
現在の行動一つ一つに、
昔から続く師弟関係が残っている。

第5章 ヴェスパーはアリューシアほど強くない?同じ弟子でも伸び方が違う

同時期に道場で学んでも、現在は騎士団長と若手騎士――最初から成長速度には差があった

ヴェスパーとアリューシアは、
同じ時期にベリルの道場で剣を磨いた元門下生。
しかし現在の立場は大きく違う。
アリューシアはレベリオ騎士団長となり、
ヴェスパーはその指揮下で任務へ就く若手騎士になっている。

この差は、
途中で突然生まれたものではない。
ベリルは道場時代から、
ヴェスパーが型稽古で苦戦していたことを覚えている。
頭の回転は速い一方、
考えた動きを身体へ移すことには時間が掛かった。

対するアリューシアは、
教えられた技を素早く吸収する。
ヴェスパーより一段、二段早く型を習得し、
その才能を伸ばした先で騎士団長まで上り詰めた。
同じ師匠から教わっていても、
弟子全員の到達地点が同じになるわけではない。

それでもヴェスパーを、
アリューシアに届かなかった弱い弟子と見るのは違う。
第7話ではすでにレベリオ騎士団員として、
ベリル、アリューシア、フラーウと共に遠征へ参加。
土地勘や立場も含め、
正式な随行員として選ばれている。

辺境伯ウォーレンとの面会でも、
アリューシアからヴェスパーとフラーウが紹介されると、
二人は余計な言葉を挟まず、
必要な礼だけを返して控える。
相手は辺境を治める高位貴族。
若手でも外交を伴う任務で振る舞える程度には、
騎士として訓練されている。

アリューシアとの差は、
「騎士になれた者」と「なれなかった者」の差ではない。
同じレベリオ騎士団まで到達したうえで、
一人は団長まで突出し、
もう一人は実働騎士として経験を積んでいる。
到達した高さと速度が違う。

第7話でヴェスパーが、
自分はまだ弱いと考えていることにも繋がる。
周囲にはアリューシアという、
同じ道場から出た圧倒的な成功例がいる。
昔から習得速度の差を知っているだけに、
自分の力量へ甘い評価をしにくい。

だからフラーウへ想いを伝える場面でも、
現在の自分では足りないと考える。
騎士団へ入れたことだけでは満足しない。
遠征へ選ばれても完成とは思わない。
ヴェスパーには、
昔から自分の不足を見つけ続ける癖が残っている。

第7話では「守れる剣」を求めて再びベリルへ教えを請い、元弟子の立場へ戻っている

現在のヴェスパーが、
昔の道場時代からどこまで変わったのか。
それが出るのが第7話で、
フラーウの実家を訪れた後、
ベリルへ個別指導を頼む場面になる。

ヴェスパーはすでに騎士。
正式な訓練を受け、
武器を持ち、
実戦任務へ同行できる。
それでも昔の師匠を前にすると、
自分にはまだ教わるべきことがあると認める。

求めているのも、
派手な必殺技ではない。
守るべきものを守れる戦い方。
敵を倒した数を増やすためではなく、
自分が大切にしたいものを失わないための剣を、
改めてベリルから学ぼうとする。

この願いの直後には、
フラーウへの感情も語られる。
幼い頃から一緒に育ち、
自分が騎士を目指す契機にもなった相手。
ところがヴェスパーは、
今の自分では想いを伝える資格が無いと考えている。

剣術と恋愛が、
ヴェスパーの中では別々になっていない。
フラーウの隣へ立ちたい。
危険が来た時には守れる自分でいたい。
だからもっと強くなりたい。
第7話ではその順番で悩みが繋がっている。

そこでベリルは、
現在の二人の剣を見たうえで、
ヴェスパーとフラーウは間合いと呼吸が合っていると評価する。
アリューシアほど強くなれとは言わない。
一人だけ完成してから想いを伝えろとも言わない。
二人で成長していく道を示す。

ここが、
アリューシアとの比較にも繋がる。
ヴェスパーが騎士として目指す先は、
必ずしも団長と同じではない。
同じ弟子だから同じ強さへ届く必要もない。
自分の守りたい相手と並べる剣士になることも、
一つの到達地点になる。

ベリルの道場では、
アリューシアのような天才も育った。
ヴェスパーのように、
型稽古で苦戦しながら騎士団へ進んだ弟子もいる。
同じ教えを受けても、
その後の剣の使い方は一人ずつ違う。

第7話のヴェスパーは、
その違いがよく見える人物になる。
騎士団長ではない。
最強の弟子でもない。
それでも昔の師匠へ再び頭を下げ、
今の自分に必要な剣を学ぼうとしている。

この姿まで見ると、
ヴェスパーがベリルの弟子だったことは、
単なる過去設定では終わらない。
道場時代に不器用だった少年が、
騎士となった現在も師匠から学び続ける。
その関係が第7話まで切れずに残っている。

ここから先は、アニメ未放送の原作で描かれたヴェスパーの騎士としての実力にも触れています。

第6章 原作ではヴェスパーがどこまで成長している?

第182話では六十人の私兵を引っ張る先頭役を任され、五周を走っても余力を残している

原作第182話では、
フルームヴェルク辺境伯領の私兵軍と、
レベリオ騎士団側による合同訓練が行われる。
参加した私兵は約六十人。
そこでベリルが最初に選んだ訓練は、
剣ではなく領主館の外周を走ることだった。

ただ走るだけでは終わらない。
先頭をヴェスパー。
最後尾をフラーウ。
私兵たちはヴェスパーから出来るだけ遅れず、
同時にフラーウから追い抜かれないよう五周するよう命じられる。

アリューシアが二人へ確認すると、
ヴェスパーは即座に承知し、
フラーウも迷わず応じる。
ここではベリルの昔の弟子という扱いではなく、
レベリオ騎士団員として訓練の基準役を任されている。

走り始めると、
ヴェスパーは先頭を維持する。
一周目で領主館正門前へ戻った時にも、
表情にはまだ余裕が残っている。
その数秒後に私兵長サハトが続き、
さらに遅れて私兵たちが戻ってくる。

最後尾のフラーウも、
ほとんど表情を崩さず走っている。
つまり二人は、
私兵たちと同じ訓練を受ける側ではなく、
どれだけ騎士団との差があるかを身体で示す側になる。

ここで分かるのは、
ヴェスパーの基礎体力。
道場時代には身体操作で苦戦した少年が、
現在では職業軍人たちを引っ張る速度で走り、
しかも訓練はその後の打ち合いまで予定されている。

第183話で五周を終えると、
ヴェスパーは多少息が上がっている程度。
疲労困憊には程遠く、
まだ十分な体力を残している。
一方で最後まで食らい付いたサハトは、
明らかに大きく消耗している。

さらにフラーウが、
自分に追い抜かれた私兵の人数を報告する。
六十人のうち十八人。
騎士団員二人が基準として前後へ入るだけで、
普段から鍛えられている私兵軍との体力差が数字として表れる。

昔のヴェスパーを知るベリルからすれば、
かなり大きな変化になる。
型を覚える時には、
思ったように身体を動かせず苦戦していた。
その元弟子が現在では、
六十人規模の訓練で先頭基準を任される騎士になっている。

五周で終わらず、その直後には私兵との打ち稽古へ参加――実戦要員として役目を果たしている

第183話では、
五周を走った後にも訓練は終わらない。
ベリルは私兵たちへ、
ここから剣を使った打ち稽古へ移ると告げる。
ヴェスパーも休憩へ下がるのではなく、
そのまま教導側へ入る。

横一列へ並ぶのは、
ベリル。
アリューシア。
ヴェスパー。
フラーウ。
私兵たちは四人のうち好きな相手を選び、
列を作って順番に木剣で打ち合う。

ここでもヴェスパーは、
見学者ではない。
「ベリルの昔の弟子だから連れて来られた」という立場でもない。
辺境伯領の職業軍人へ剣を見せる、
レベリオ騎士団側の教導役として一枠を任されている。

人気が集中するのは、
やはり騎士団長アリューシア。
その一方で残った私兵たちは、
ベリル、ヴェスパー、フラーウの列へ分かれる。
つまりヴェスパーも、
他人へ実戦的な剣を体験させられる水準まで来ている。

第175話では、
アリューシアから辺境伯ウォーレンへ、
ヴェスパーとフラーウは今回の付き人に近い役目だと紹介されていた。
その場では二人とも必要以上に喋らず、
紹介を受けて頭を下げるだけに留める。

高位貴族との面会では、
余計な発言をしない。
訓練になれば、
六十人の私兵を相手に基準役へ入る。
走り終えれば、
そのまま剣の教導役まで務める。
ヴェスパーは遠征の中で、
場面ごとに求められる役割を切り替えている。

こうした現在の姿を見ると、
道場時代の「地頭の回転は速かった」というベリルの記憶も生きてくる。
技の習得速度ではアリューシアへ届かなくても、
状況を理解し、
自分へ与えられた役割を即座に遂行する力は、
騎士になった現在でも強みになっている。

しかも、
ベリルはこの合同訓練でヴェスパーを特別扱いしない。
元弟子だから楽な役へ置くのではなく、
先頭を任せ、
そのまま打ち稽古へ参加させる。
現在の力量を信用しているから出来る配置になる。

ヴェスパーは、
アリューシアのような圧倒的な天才ではない。
騎士団長でもない。
それでも一般兵と比べれば、
基礎体力、剣技、任務遂行能力のどれも高い水準へ達している。

道場時代には、
身体を思い通りに動かせず型稽古へ苦戦した。
それでも剣を続けた。
レベリオ騎士団へ入った。
遠征へ選ばれた。
そして今では、
他の兵士へ訓練を付ける側まで来ている。

ヴェスパーがベリルの弟子だった過去を知る面白さは、
昔の肩書を確認することだけではない。
不器用だった一人の門下生が、
長い鍛錬の末にどこまで成長したのか。
第182話と第183話の合同訓練は、
その到達地点をかなり具体的に見せている。

第7章 ベリルの弟子としてヴェスパーが示しているもの

重傷後に剣へ戻ろうとする姿まで見ると、ヴェスパーは「天才ではない弟子」の到達点になる

ヴェスパーがベリルの弟子として興味深いのは、
アリューシアのような天才ではなかったこと。
道場時代には型の習得で苦戦し、
身体を思い通りに動かすまで時間が掛かり、
同時期に学んだアリューシアとの差を早い段階から見せられていた。

それでもヴェスパーは、
剣を途中で手放していない。
ベリルの道場を出た後も鍛錬を続け、
レベリオ騎士団へ入り、
遠征では付き人として選ばれ、
私兵との合同訓練では六十人を引っ張る先頭役まで任される。

さらに原作では、
遠征帰路の襲撃で瀕死の重傷を負う。
命を取り留めても、
すぐ歩ける状態には戻らず、
長い療養が必要になる。
フラーウが先に騎士団へ復帰しても、
ヴェスパーはまだ身体を戻す途中にいる。

その後の第285話で、
ベリルがヴェスパーと再会すると、
以前より身体の肉が落ち、
長期間寝込んでいた影響が外見にも残っている。
完全に元通りになった強者が現れるのではなく、
大きく弱った身体で職務へ戻った元弟子が立っている。

そこでヴェスパーは、
ベリルへ立ち合いを申し込む。
昔の師匠へ会えたから懐かしい話をするだけではない。
現在の身体でどこまで剣を振れるのか、
どれだけ感覚が戻っているのかを、
実際の立ち合いで確かめようとする。

この行動は、
道場時代のヴェスパーとよく繋がっている。
出来ないなら諦めるのではなく、
現在の不足を確認する。
何が戻っていないのかを見る。
そこからもう一度積み直そうとする。

アリューシアなら、
一度教えられた技を早く吸収する。
ヴェスパーはそうではない。
何度も反復し、
自分の身体へ落とし込み、
少しずつ前へ進む。
重傷後でさえ、
その成長の仕方は大きく変わっていない。

だからヴェスパーは、
ベリルの弟子の中でも別の価値を持つ。
最初から突出した天才ではなくても、
剣を続ければ騎士団へ入れる。
一度大きく壊れても、
再び剣を握る場所へ戻ろうと出来る。

ベリルの教えが、
最強の剣士だけに残ったわけではないことを、
ヴェスパー自身が示している。

アリューシアとは違う道を歩いても、ベリルの教えを騎士として残している

ベリルの元弟子として名前が挙がると、
どうしてもアリューシアやスレナのような実力者が目立つ。
アリューシアはレベリオ騎士団長。
スレナも冒険者として大きな実績を残し、
ベリル自身より名が知られている場面すらある。

その中でヴェスパーは、
一見すると地味になる。
騎士団長ではない。
最強格でもない。
アリューシアへ命令を出す側ではなく、
現在も命令を受けて動く若手騎士になる。

しかしベリルの道場が、
本当に一部の天才だけを育てた場所なら、
ヴェスパーの存在はここまで残らない。
型で苦戦しても剣を続ける。
自分の弱点を考える。
任務へ必要な力量を身に付ける。
その積み重ねも、
ベリルから受け継いだ剣の形になる。

第7話では、
現在のヴェスパーが再びベリルへ教えを請う。
昔の師匠と元弟子という関係が、
道場を離れた時点で終わっていない。
騎士になった後も、
迷えば相談し、
足りないと感じれば剣を見てもらう。

しかも相談内容は、
剣技だけではない。
フラーウへの気持ち。
もっと強くならなければ想いを伝える資格が無いという迷い。
そうした個人的な悩みまで、
ヴェスパーはベリルへ話している。

そこまで踏み込めるのは、
ベリルが現在の特別指南役だからだけではない。
型稽古で苦戦した少年時代。
頭の回転は速かったこと。
アリューシアほど器用に進めなかったこと。
その全部を知る昔の師匠だからになる。

そして原作の先では、
大きな重傷を負った後にも、
その師弟関係が再び剣へ戻ってくる。
身体が痩せ、
以前と同じ状態ではなくても、
ヴェスパーはベリルとの立ち合いを求める。

少年時代には、
出来ない型を何度も覚え直した。
成長後には、
騎士団員として任務へ出た。
重傷後には、
失った身体感覚をもう一度確かめようとする。
ヴェスパーの剣は、
常に「足りないところから始める」形で続いている。

だからヴェスパーは、
アリューシアと同時期に学んだ元弟子というだけでは終わらない。
同じ師匠を持っても、
成長速度も到達地点も違う。
それでも教わった剣を人生の中へ残し続ける弟子になる。

現在のアリューシアが、
ベリルの教えから生まれた最高到達点の一つなら、
ヴェスパーは、
不器用でも剣を捨てずに積み上げた側の到達点になる。

第7話で目立ち始めた若手騎士の過去を辿ると、
実はベリルの道場から現在まで一本の線で繋がっている。
ヴェスパーがベリルの弟子だった事実は、
単なる意外な過去ではなく、
ベリルの剣が天才以外の弟子にも残り続けていることを見せる一例になっている。

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