佐々木が禁煙すれば、タバコだけでなく、田山とスーパー裏で会う「いつもの一服」まで終わる可能性があった。
第1話では偶然始まった二人の時間だが、健康診断をきっかけに失いかけたことで、佐々木と田山が会うこと自体を楽しむ関係へ変わっていたことが見えてくる。
実際には誤診が判明して二人の一服は続くが、一度「もう会えないかもしれない」と感じたことが、その後の距離を少し変えていく。
第1章 結論|佐々木と田山はもう会えない?禁煙しても二人の関係は終わらない
佐々木が禁煙すれば、一服の口実は消えても田山との関係まで消えるわけではない
佐々木が健康診断をきっかけに
禁煙を意識したことで、
スーパー裏で続いてきた
田山との一服も
終わる可能性が出てくる。
第1話から二人を結んでいたのは、
「ここなら吸える」という場所だった。
佐々木が仕事帰りに一服し、
そこへ田山が現れ、
少しずつ会話を重ねてきた。
だからもし佐々木が
本当にタバコをやめれば、
スーパー裏へ行く理由そのものが
かなり弱くなる。
田山と自然に会う口実も減ってしまう。
ただし結論から言えば、
二人がそこで完全に
会えなくなるわけではない。
健康診断を巡る一件には
後から誤診だったという顛末がある。
結果として佐々木は、
そのまま禁煙生活へ入り、
田山との一服を
完全に失うわけではない。
二人の時間も続いていく。
重要なのは、
「会えなくならなかった」
という結果だけではない。
一度でも終わりを意識したことで、
二人の関係の見え方が変わることになる。
それまでは、
タバコがあるから会う。
スーパー裏へ行けば
なんとなく田山がいる。
そんな関係で成立していた。
しかし禁煙となれば、
その土台が消える。
タバコがなくなった後でも
田山に会いたいのか。
そこが初めて問題になる。
佐々木は、
もともと自分の感情を
強く言葉にする人物ではない。
田山との時間が特別だとも、
簡単には認めようとしない。
田山の側も、
佐々木へ好意を
真正面から見せるより、
からかいながら
距離を縮めていくタイプ。
だから二人の関係は、
ずっと曖昧なまま進んできた。
喫煙という共通点があることで、
「会いたい」と言わなくても
会える状態が続いていた。
その便利な口実が
なくなるかもしれない。
だからこそ第6話では、
いつもの一服が
急に重たい時間へ変わる。
毎回のように交わしていた会話も、
最後になるかもしれない。
佐々木も田山も、
それまでとは違う空気で
同じ場所に立つことになる。
ここで初めて、
二人が惜しんでいるのは
タバコだけではないと見えてくる。
相手と会う時間そのものが
大切になっていた。
禁煙危機は、
二人の関係を
突然恋愛へ変える出来事ではない。
ただし「いなくなると寂しい」
という感情を浮かび上がらせる。
そのため、
佐々木と田山は
禁煙によって会えなくなるのではなく、
禁煙を意識したことで
互いの存在を少し強く意識するようになる。
タバコは、
二人を出会わせたきっかけ。
だが今では、
タバコそのものより、
その時間を誰と過ごすかの方が
大きくなり始めている。
「もう会えないかもしれない」が見せたのは、二人がすでに喫煙仲間だけではなかったこと
佐々木と田山は、
最初から親しい関係だったわけではない。
佐々木が一服できる場所を探し、
田山がスーパー裏へ誘ったことから、
二人の時間は始まっている。
最初の佐々木にとっては、
吸える場所が見つかったことが
何より大きかった。
田山自身に会いたくて
そこへ行ったわけではない。
ところが、
同じ場所で何度も会い、
田山にからかわれ、
佐々木が困った顔をし、
また次の夜にも顔を合わせる。
そうした繰り返しによって、
スーパー裏は
単なる喫煙場所ではなくなる。
佐々木にとっても、
田山にとっても日常の一部になる。
だから禁煙の可能性が出ると、
最初に失うのは
一本のタバコだけではない。
その場所へ行く理由そのものが
消えてしまう。
会う口実がなくなれば、
二人の関係は
今まで通りには
続かないかもしれない。
そこで初めて、
「タバコがなくても会いたいのか」
という疑問が生まれる。
ここが、
今回の禁煙話で
一番大きいところになる。
恋人なら、
会う理由ははっきりしている。
友人でも、
連絡して会えばいい。
でも佐々木と田山は、
まだそこまで明確な関係ではない。
だから喫煙という口実が
とても大きかった。
二人とも、
会いたいと口にしなくても済む。
ただ吸いに来た。
たまたま一緒になった。
それだけで、
毎回の時間を続けられる。
しかしその口実が
消えそうになったことで、
二人は関係の曖昧さと
初めて向き合うことになる。
田山が普段よりも
少し真剣になることも、
佐々木が最後かもしれない一服を
惜しむことも、
その表れになる。
二人はまだ、
はっきりと恋愛関係ではない。
それでも、
「会えなくなるのは寂しい」
という感情まで否定することは
難しくなってくる。
健康診断が誤診だったことで、
結果的に二人の日常は戻る。
だが一度、
終わるかもしれないと
思った時間であることは
もう変わらない。
その経験をしたことで、
次の一服は、
ただ前と同じ一服ではなくなる。
また会えた。
また同じ場所に来られた。
そんな小さな安心が、
以前よりも
少し強く感じられるようになる。
だから禁煙危機は、
二人を離す出来事ではない。
むしろ、
それまで曖昧だった関係を
少しだけ見えやすくする
出来事になっている。
第2章 なぜ「最後の一服」になりかけた?健康診断が二人の日常を止める
健康診断で佐々木が禁煙を意識した瞬間、スーパー裏の時間にも終わりが見え始める
第6話で佐々木は、
健康診断の結果を受けて、
タバコを続けることに
不安を抱くようになる。
そこで禁煙が現実味を帯びてくる。
それまで佐々木にとって、
一服は長年続いてきた
ごく普通の習慣だった。
仕事が終われば吸う。
スーパー裏へ行けばまた吸う。
田山と出会ってからは、
そこに会話まで加わっている。
だから佐々木の中では、
一服と田山との時間が
かなり近いものになっていた。
健康診断でその習慣が
突然止まりかけることで、
佐々木自身も
思っていた以上に
動揺することになる。
身体のことを考えれば、
禁煙した方がいい。
無理に吸い続けるより、
やめた方が安心できる。
頭では、
それが分かっている。
それでも、
佐々木の中には
素直に切り替えられないものが残る。
その中には、
田山との時間も含まれている。
タバコをやめれば、
スーパー裏へ行く理由も弱くなる。
田山と会うためだけに行けば、
それまでとは意味が変わる。
だからこそ、
禁煙は思った以上に
二人の関係へ影響してくる。
佐々木が普段通り
仕事帰りにスーパーへ寄っても、
裏へ回る必要がなくなるかもしれない。
田山も、
そこで佐々木と会うことが
当たり前ではなくなる。
そう考えると、
二人の日常は
かなり脆いものだったと分かる。
約束していない。
連絡を取り合っていない。
ただ同じ場所で、
同じように
タバコを吸っているだけ。
それでも、
積み重なった回数が
関係を作ってきた。
だから第6話で、
「これが最後になるかもしれない」
という空気が流れた時、
二人の距離も急に見えやすくなる。
佐々木は、
普段なら田山にからかわれ、
困った顔をして終わることが多い。
でも最後かもしれないとなれば、
軽く流せない。
田山も、
いつもの調子だけでは
いられなくなる。
二人とも、
なくなるかもしれない時間を
意識してしまうからだ。
普段のからかいが弱まることで、田山にも「会えなくなるのは嫌だ」という気配が見えてくる
田山は、
佐々木に対して
かなり積極的に
距離を詰める人物として描かれてきた。
言葉でからかう。
反応を見て楽しむ。
わざと意味深なことを言う。
佐々木が困れば、
さらに面白がることもある。
それが、
二人のいつものやり取りだった。
佐々木も、
田山のペースに
振り回されてはいるものの、
本気で嫌がって
離れようとはしない。
むしろ、
そのやり取りまで含めて
スーパー裏の時間が
出来上がっている。
だからこそ、
禁煙危機の場面では、
田山が普段と少し違うだけで
空気の変化が大きく見える。
いつもなら、
佐々木の困り顔を
笑って終わらせる。
でも、
本当に次がないかもしれない。
そうなれば、
ただのからかいでは
終われなくなる。
田山にとっても、
佐々木との一服は
日常になっていたからこそ、
その終わりを意識してしまう。
はっきりと
「会えなくなるのは寂しい」
と言わなくても、
普段との違いが感情を伝える。
佐々木も同じ。
田山と会えなくなるのが嫌だと
直接は言わない。
それでも、
最後になるかもしれない時間を
過ごそうとする。
二人は、
言葉ではなく
行動の方に気持ちが出やすい。
だからこの禁煙話では、
大きな告白がなくても、
二人の距離が
それまでより近く見える。
そもそも第1話では、
佐々木は田山のことを
ほとんど知らなかった。
山田に会えなかった夜、
一服したい佐々木へ
声をかけてきた女性。
最初は、
それだけだった。
そこから、
何度も同じ場所で会い、
話をし、
少しずつ互いのことを知っていく。
第6話では、
その積み重ねが
初めて試される。
タバコがなくなれば、
それでも二人は会うのか。
今までと同じように、
何でもない話を
続けられるのか。
その疑問が出たことで、
関係は一段深く見えるようになる。
健康診断そのものは、
その後に誤診だと分かる。
だから実際には、
二人の一服が
ここで終わるわけではない。
ただし、
「終わるかもしれなかった」
という経験は残る。
それによって、
スーパー裏の時間は
ただの習慣ではなく、
失いたくない時間へ
少しずつ変わっていく。
第3章 二人はどうやって会うようになった?第1話の「ここなら吸える」から始まった関係
最初は田山に会いたかったのではなく、佐々木が一服できる場所を探していただけだった
佐々木と田山の関係は、
最初から互いを意識して
始まったわけではない。
第1話で佐々木が求めていたのは、
仕事帰りに一服できる場所だった。
その日の佐々木は、
いつものスーパーへ立ち寄ったものの、
ひそかな癒やしだった山田の姿を
なかなか見つけられない。
仕事の疲れも重なり、かなり沈んでいた。
さらに外へ出ても、
気軽にタバコを吸える場所がない。
一本吸って気持ちを切り替えたいのに、
それすらできずに困っていたところへ、
田山の方から声をかけてくる。
田山が佐々木を連れていったのが、
スーパーの裏にある
従業員用のような一角だった。
そこで「ここなら吸える」と知らされ、
二人の最初の一服が始まる。
この時の佐々木にとって、
田山はまだ正体のよく分からない女性。
口調も山田とはまったく違い、
どこか圧があり、
簡単に距離を詰めてくる。
佐々木が山田へ抱いていた印象は、
仕事の疲れを和らげてくれる
明るく穏やかな癒やしだった。
それに対して田山は、
佐々木を落ち着かせるより先に戸惑わせる。
それでも、
一服するという共通点があったから、
二人は同じ場所に並んでいられた。
年齢も立場もよく知らない段階で、
まずタバコが会話の入口になっている。
ここが二人の関係では大きい。
もし佐々木が喫煙者でなければ、
スーパー裏へ行くこともなく、
田山とこれほど長く
話すきっかけも生まれにくかった。
だから第6話で、
佐々木に禁煙の可能性が出た時、
第1話の出会いそのものまで
逆方向から見えるようになる。
二人を結んだ入口が消えかけるからだ。
最初は偶然だった。
一服したかった佐々木と、
そこへ誘った田山。
それだけだった関係が、
何度も同じ場所で会ううちに、
少しずつ形を変えていく。
田山は、
佐々木の反応を見ながら
遠慮なくからかう。
佐々木もそのたびに振り回されるが、
次からスーパー裏を避けることはない。
むしろいつの間にか、
田山との会話まで含めて
一服の時間になっていく。
第1話では場所が欲しかった佐々木が、
後にはそこで会う相手まで意識し始める。
その変化があるからこそ、
健康診断による禁煙危機は
単なるタバコの話では済まない。
佐々木の日常から、
田山と出会う場所まで消えかけることになる。
偶然の一服が何度も繰り返されるうちに、スーパー裏が二人だけの時間になっていった
佐々木と田山には、
最初から決められた約束がない。
何曜日の何時に会うと
取り決めているわけでもない。
それでもスーパー裏へ行けば、また顔を合わせる。
この緩さが、
二人の関係を長く続けていく。
会うための理由を
いちいち確認しなくても、
タバコを吸うだけで同じ場所にいられる。
佐々木は、
会社では周囲へ気を遣い、
仕事に疲れて帰ってくる。
スーパー裏では、
そんな会社員としての顔を
少しだけ下ろすことができる。
田山はそんな佐々木へ、
丁寧すぎる距離を取らない。
年上だからと遠慮するより、
からかい、突っ込み、
佐々木の困った顔を楽しむ。
最初なら、
ただ振り回されているように見える。
ところが話数を重ねると、
佐々木自身も
そのやり取りを受け入れていく。
田山がいれば話す。
からかわれれば反応する。
一本吸い終わるまで、
何でもない時間を一緒に過ごす。
そうした積み重ねによって、
喫煙所だった場所が、
二人だけの会話が生まれる場所へ
少しずつ変わっていった。
外から見れば、
二人はただの喫煙仲間。
恋人でもなく、
はっきり友人だと
確認し合っているわけでもない。
それでも本人たちにとっては、
かなり居心地の良い関係になる。
深刻な話をしなくてもいい。
無理に盛り上げなくてもいい。
ただ隣にいて、一本吸えばいい。
だからこそ、
この関係にはタバコが便利だった。
「会いたい」と言わなくても、
スーパー裏へ行けばいい。
相手がいれば、そのまま一緒に過ごせる。
佐々木の側も、
田山へ会いに来たとは
意識しなくて済む。
田山の側も、
佐々木を待っていたとは言わなくていい。
二人とも、
自分の気持ちを
言葉ではっきりさせないまま、
自然に距離だけを縮められる。
その状態へ、
健康診断による禁煙が入ってくる。
タバコがなくなれば、
この便利な関係の土台も
一緒になくなるかもしれない。
第1話では、
「吸える場所」が見つかったことが救いだった。
第6話では、
その場所へ行けなくなることより、
そこにいる田山と
会えなくなることの方が気になり始める。
そこまで変わったからこそ、
二人の一服は
単なる喫煙習慣ではなく、
会うこと自体を楽しむ時間へ近づいている。
第4章 佐々木が禁煙したら田山と会う理由もなくなる?タバコが二人をつないでいた
「タバコを吸いに来ただけ」と言えるからこそ、佐々木と田山は自然に会い続けられた
佐々木と田山の関係には、
ずっと一つの便利な逃げ道がある。
それが、
「タバコを吸いに来ただけ」
と言えることだった。
佐々木がスーパー裏へ行っても、
田山に会いに来たと
認める必要はない。
一服したかったから来た。
それだけで説明できる。
田山がそこにいても同じ。
佐々木を待っていたのか、
たまたま自分も吸いたかったのか、
わざわざ答えを
出す必要がない。
この曖昧さがあるから、
二人は恋愛感情を
はっきり確認しないまま、
何度も同じ時間を
積み重ねることができた。
佐々木は特に、
自分から勢いよく
距離を詰める人物ではない。
田山が気になるからといって、
積極的に会いに行く性格でもない。
だからタバコは、
佐々木にとって
非常に都合の良いきっかけでもある。
スーパーへ寄り、
一本吸いに裏へ行けばいい。
そこで田山に会えれば、
自然に話せる。
会えなくても、
田山を待っていたわけではないと
自分に言える。
この距離だからこそ、
佐々木は無理をせず
田山との時間へ
入り込むことができた。
田山の側も、
佐々木をからかいながら、
必要以上に答えを迫らない。
意味深なことを言っても、
最後には一服という日常へ戻れる。
そんな二人の間から、
もしタバコだけを抜いたらどうなるのか。
健康診断による禁煙危機は、
まさにそこへ触れてくる。
佐々木が本当に禁煙すれば、
スーパー裏へ行く必要がなくなる。
それでも裏へ行けば、
今度は「何のために来たのか」が
以前よりはっきりしてしまう。
タバコを吸わないのに、
田山がいる場所へ行く。
それは、
「会いたかった」という気持ちへ
かなり近づく行動になる。
だから禁煙は、
二人の関係にとって
意外に大きな境目になる。
喫煙という言い訳なしでも、
相手へ会いたいのかが問われるからだ。
第6話で、
最後になるかもしれない一服が
普段より重く感じられるのも、
その先にこの問題がある。
二人が惜しんでいるのは、
煙草一本だけなのか。
それとも、
一緒に過ごす相手なのか。
そこが初めて、
はっきり分かれ始める。
禁煙危機によって初めて「田山に会うためにスーパー裏へ行く」という選択肢が見えてくる
佐々木は第1話の時点では、
田山に会うために
スーパー裏へ行ったわけではない。
目的は一服。
田山はそこで偶然出会った相手だった。
ところが、
何度も会っているうちに、
順番が少しずつ
逆転し始める。
最初は、
「タバコを吸う場所に田山がいた」。
それが次第に、
「タバコを吸いに行けば田山に会える」
という感覚へ変わる。
この違いは小さく見えて、
二人の関係ではかなり大きい。
場所へ行く楽しみの中に、
相手の存在が
入り込んでいるからだ。
健康診断で禁煙となれば、
その関係から
タバコだけが
突然抜け落ちる可能性が出る。
すると残るのは、
スーパー裏という場所と、
田山という相手。
それでも佐々木が
そこへ行きたいと思うなら、
もう目的は
タバコだけではない。
田山もまた、
同じことになる。
佐々木が吸わなくなれば、
以前のように会える保証はなくなる。
だから第6話で、
「いつもの時間も最後かもしれない」
という空気が強くなる。
二人とも、
次の一服だけを心配しているわけではない。
次に会えるのか。
また同じ場所で話せるのか。
それまで考えなくてもよかったことを、
禁煙危機によって
考えさせられる。
恋人同士なら、
タバコをやめても
会えばいい。
友人として関係が確立しているなら、
別の場所で話せばいい。
しかし佐々木と田山は、
そこまで関係を
言葉で決めていない。
だから一服がなくなるだけで、
二人のつながりまで不安定になる。
そこに、
今の二人の距離が表れている。
かなり親しい。
会うのも楽しい。
それでも、
まだ「会うために会う」と
言い切れる関係ではない。
禁煙の危機は、
その一歩手前にいる二人を
強く意識させる出来事になる。
そして結果的には、
健康診断を巡る問題が
誤診だったと判明し、
佐々木の一服も
田山との時間も続いていく。
だから二人は、
すぐに別の会い方を
探す必要には迫られない。
再びタバコを口実にして、
スーパー裏で会うことができる。
ただし一度、
「この口実がなくなったら?」
という状況を
経験してしまった。
そこには、
以前にはなかった疑問が残る。
タバコがなくても、
佐々木は田山に会いたいのか。
田山も、
タバコを吸わない佐々木に
会いたいと思うのか。
その答えをまだ言葉にしないところが、
二人らしい。
だが禁煙危機によって、
少なくとも
「もう会えなくなるのは寂しい」
という感情は見え始める。
タバコによって始まった関係が、
少しずつタバコだけでは
支えきれない関係へ変わっていく。
その変化が、
佐々木と田山の
スーパー裏の時間を、
ただの一服以上のものにしている。
第5章 田山は佐々木と会えなくなるのが寂しい?普段とは違う第6話の距離
いつも佐々木をからかう田山が、「最後」を前にすると軽く流せなくなる
田山は普段、
佐々木をからかいながら
距離を縮めていくことが多い。
佐々木が困った顔を見せれば、
むしろそこを楽しむようなところもある。
年上の佐々木に対しても、
必要以上に遠慮はしない。
少し踏み込んだ言葉を投げ、
反応を確かめながら、
二人だけの会話を続けてきた。
だからこそ第6話で、
佐々木の禁煙が
現実味を帯びた時の田山は、
普段との違いが目立ってくる。
いつもの軽口だけでは済まなくなる。
佐々木がタバコをやめれば、
健康には良いかもしれない。
田山もそれを否定してまで、
無理に吸い続けろとは
言える立場ではない。
しかし同時に、
佐々木が禁煙すれば
スーパー裏へ来る理由も薄くなる。
つまり田山にとっても、
いつもの相手が消える可能性が出てくる。
ここで田山が惜しんでいるのは、
佐々木と一緒に吸う
タバコ一本だけではない。
何度も繰り返してきた
二人の時間そのものに見えてくる。
これまでの二人は、
会う約束をしていたわけではない。
店の裏へ行けば、
たまたま顔を合わせる。
そこから会話が始まるという関係だった。
その緩さがあるからこそ、
田山も素直に
「会いたかった」と
言う必要がなかった。
いつもの一服で済ませることができた。
しかし佐々木が来なくなれば、
その曖昧な関係は
簡単に途切れてしまう。
次にいつ話せるのかも、
分からなくなる。
だから「最後になるかもしれない一服」は、
田山の感情を
普段より見えやすくする。
からかって終わるだけではなく、
目の前の時間を惜しむ空気が出てくる。
第1話の時点では、
佐々木はただの客であり、
スーパー裏へ誘った相手だった。
そこから何度も一緒に吸い、
何でもない話を重ねてきた。
その積み重ねがあるから、
「もう来ないかもしれない」が効いてくる。
一度きりの相手なら、
禁煙すると聞いても
ここまで寂しさは生まれにくい。
田山にとって佐々木は、
いつの間にか
会えば楽しい相手になっていた。
自分からそれを
大げさに認めなくてもいい。
普段はからかえる。
困らせることもできる。
でも本当にいなくなるかもしれないと、
急に同じ距離では
いられなくなる。
その変化が、
第6話の田山には
強く表れている。
「会えなくなるのは嫌」と言わないからこそ、二人の行動に寂しさが滲んでくる
佐々木と田山は、
感情をはっきり言葉にして
確認し合う関係ではない。
そこが二人の距離を
長く曖昧なまま保ってきた。
佐々木も、
田山に会いたいとは
簡単に言わない。
田山も、
佐々木を待っていたとは
正面から認めようとしない。
だから二人の気持ちは、
会話よりも
行動の中に出てくる。
また同じ場所へ行く。
また隣に立つ。
また一本吸う。
この繰り返しこそが、
二人の関係を
少しずつ作ってきた。
派手な出来事がなくても、
何度も顔を合わせること自体が大きい。
禁煙危機では、
その繰り返しが
止まる可能性が出てくる。
そこで初めて、
二人は「次もある」とは限らないことを知る。
いつもなら、
一服が終われば帰る。
次の日も、
またスーパー裏へ来ればいい。
そんな安心があった。
ところが今回は、
次がないかもしれない。
佐々木が禁煙すれば、
同じ場所に立つ理由が
消えてしまうかもしれない。
だから田山の反応にも、
普段より真剣なものが混ざる。
冗談にしてしまえば楽なのに、
完全には笑い飛ばせない。
佐々木もまた、
「じゃあ今日で最後だ」
と割り切れるわけではない。
身体のために禁煙すべきだと思いながら、
いつもの場所へ来る。
この二人らしいのは、
そこで恋愛らしい言葉を
急に言わせないところにある。
会えなくなるのは寂しい。
でもそれをそのまま口にはしない。
その代わり、
いつもより少し長く感じる一服や、
普段とは違う表情によって、
相手を惜しんでいることが
見えるようになる。
もし本当に、
タバコだけが目的だったなら、
禁煙は健康のための
前向きな決断として
受け入れれば終わる。
でも二人にとっては、
その先に田山との時間、
佐々木との時間がある。
だから話が
健康問題だけでは終わらない。
田山が佐々木へ抱いているものも、
この出来事によって
少し形を持ち始める。
ただからかって楽しい相手ではない。
次も会いたい。
同じ場所で話したい。
そんな感情が、
「最後かもしれない」という状況で
強く浮かび上がる。
二人がまだ恋人ではないからこそ、
この寂しさは大きい。
会う約束もなければ、
次へつなぐ言葉もない。
タバコだけが二人をつないでいたからだ。
第6章 健康診断は誤診だった|それでも一度失いかけた時間は元には戻らない
禁煙危機は消えても、「もう会えないかもしれない」と感じた経験は二人に残る
佐々木を禁煙へ向かわせた
健康診断の一件は、
最終的には
誤診だったことが分かる。
そのため完全な禁煙生活には入らない。
結果だけ見れば、
かなりあっさり元へ戻る。
佐々木はまたタバコを吸える。
スーパー裏にも行ける。
田山とも今まで通り会える。
ただし、
二人の中まで
完全に元通りになるわけではない。
一度でも、
その時間を失う可能性を体験している。
それ以前は、
次の一服があることを
疑う必要などなかった。
今日会えば、
また別の日にも会えると思えた。
それが健康診断によって、
突然保証されなくなる。
「これが最後かもしれない」
という現実味を、
二人とも一度味わってしまう。
誤診だったと分かれば、
もちろん安心する。
佐々木も、
健康面で深刻な問題を
抱えていたわけではなかった。
そして田山との一服も、
再び続いていく。
原作でも健康診断の一件の後、
二人の夜の喫煙時間そのものは
終わっていない。
だから表面上は、
何も変化がないようにも見える。
いつもの場所。
いつもの二人。
いつもの一本。
しかしその一本には、
以前とは違う感覚が混ざる。
一度失いかけたものが
戻ってきた時間になるからだ。
佐々木にとっては、
また田山に会える。
田山にとっては、
また佐々木が来る。
その「また」が、
以前ほど無意識では
なくなってくる。
二人がはっきり
言葉にする必要はない。
それでも、
次の一服が当たり前ではなかったと
知ったことは残る。
ここが、
誤診という結末でも
禁煙話が軽くならないところになる。
結果が間違いだったとしても、
その途中で生まれた感情まで
間違いになるわけではない。
佐々木が惜しんだもの。
田山が惜しんだもの。
それはタバコ以上に、
二人が同じ場所で
過ごしてきた時間だった。
健康診断による禁煙危機は、
二人を引き離さなかった。
むしろ失いかけることで、
どれだけ日常へ入り込んでいたのかを
気づかせる出来事になった。
誤診後も一服が続くからこそ、「タバコがあるから会う」から少しずつ変わっていく
佐々木と田山の関係は、
第1話からずっと
タバコを中心に始まっている。
一服できる場所がなければ、
二人の出会いも起きなかった。
だから最初は、
「タバコがあるから会う」
という関係で間違いなかった。
吸いに行った場所で、
たまたま相手と会う。
しかし健康診断を経た後は、
この順番が少しずつ
変わって見えるようになる。
タバコを吸いたいから行く。
でも田山がいることも期待している。
田山の側も、
ただ自分が一服したいから
そこにいるだけでは、
説明しきれない部分が
少しずつ増えていく。
二人とも、
相手がいることで
その時間を楽しんでいる。
一人で吸えるなら
どこでも同じという状態ではなくなっている。
だから誤診が判明して、
また以前と同じように
スーパー裏へ集まれることには、
小さな安心が生まれる。
会えなくならなかった。
また話せる。
またからかえる。
また困った顔が見られる。
それだけでも、
田山にとっては
以前より少し特別なものに
なっているように見える。
佐々木も同じ。
健康診断が誤診だったなら、
タバコを吸えることだけでなく、
田山との日常も続けられる。
この二つが、
すでに佐々木の中で
別々ではなくなっている。
最初は、
一本吸えば気分転換できた。
今は、
その隣に田山がいることで
一服の時間そのものが完成する。
ここまで変化しているから、
健康診断の誤診は
単純な「良かった」で
終わる出来事ではない。
もし次に、
本当にタバコをやめる日が来たら、
二人はどうするのか。
スーパー裏へ行かなくても、
別の場所で会うのか。
タバコという口実なしでも、
相手に会いたいと
思えるのか。
その疑問を、
第6話の一件は
二人の間に残している。
今はまだ、
タバコがある。
だから二人は、
これまでと同じように
スーパー裏で会える。
でも一度、
その関係が消えかけたことで、
「一緒に吸うから会う」だけでは
なくなり始めている。
次に進む時に必要なのは、
タバコではなく、
相手に会いたいという気持ちになる。
禁煙危機が去った後も、
その可能性だけは
二人の間に残り続けている。
第7章 タバコがなくても会いたい?佐々木と田山が喫煙仲間以上へ近づく瞬間
第1話ではタバコが二人を出会わせ、第6話では「会うこと自体」の大きさが見えてくる
佐々木と田山の関係は、
最初から特別だったわけではない。
第1話で二人をつないだのは、
あくまでタバコと、
スーパー裏の喫煙場所だった。
佐々木は、
仕事帰りに一服したかった。
田山は、
「ここなら吸える」と
その場所へ連れていった。
最初は、
それだけの関係だった。
佐々木にとって大切だったのは、
タバコを吸えること。
田山自身は、まだよく知らない相手だった。
そこから何度も、
同じ場所で顔を合わせる。
田山がからかい、
佐々木が戸惑い、
また次の夜にも会う。
その繰り返しによって、
スーパー裏は
単なる喫煙場所ではなくなった。
二人にとって、
自然に言葉を交わせる場所へ変わっていく。
だから第6話で、
佐々木が禁煙するかもしれないとなった時、
初めて関係の土台そのものが揺れる。
タバコをやめれば、
そこへ来る必要がなくなるからだ。
今までは、
「吸いに来ただけ」
という言い方で済んでいた。
会いたいとは言わなくていい。
待っていたとも言わなくていい。
けれどタバコがなくなれば、
その言い訳が使えない。
それでも相手に会いたいなら、
今度は気持ちの方が
前へ出ることになる。
ここで佐々木と田山の関係が、
喫煙仲間だけでは
説明しにくくなってくる。
二人とも、
タバコ以上に相手を惜しんでいるからだ。
佐々木が本当に困ったのは、
一本吸えなくなることだけではない。
田山と会う時間まで
なくなるかもしれないこと。
田山も、
佐々木の健康を無視して
吸い続けろとは言えない。
それでも、
これが最後になるかもしれない一服を
軽く流せなくなる。
この反応を見ると、
二人はすでに
「同じ場所でタバコを吸う人」
というだけの関係から、
少し先へ進んでいる。
まだ恋人ではない。
はっきり告白もしていない。
それでも、
相手がいなくなると寂しい。
その感情が見えた時点で、
第1話の二人とは
かなり距離が変わっている。
禁煙危機で浮かんだのは、「一服したい」より「またこの人と会いたい」という気持ちだった
健康診断の結果は、
最終的には誤診だった。
佐々木は完全に禁煙せず、
田山とのスーパー裏の時間も
その後へ続いていく。
だから二人は、
今すぐ別の会い方を
探さなくてもいい。
また同じ場所で会い、
同じようにタバコを吸える。
ただし、
一度失いかけた経験がある。
これが以前との
大きな違いになる。
次も会える。
また一緒に吸える。
そんなことを、
以前ならいちいち
考えなくてもよかった。
けれど第6話では、
それが保証されなくなる。
最後かもしれない時間を
一度通ったことで、
二人とも今の日常を意識する。
佐々木にとって、
田山との一服は
仕事帰りの習慣になっていた。
だが習慣という言葉だけでは、
少し足りなくなってくる。
田山がいないなら、
同じ場所で吸っても
今までとまったく同じには
感じられないかもしれない。
田山にとっても、
佐々木が来なくなれば、
スーパー裏の時間は
かなり違うものになる。
つまり二人が求めているのは、
タバコそのものだけではない。
その隣にいる相手まで含めて、
「いつもの一服」になっている。
ここが、
禁煙危機によって
一番はっきり見えた部分になる。
もし本当に、
将来佐々木がタバコをやめたとしても、
そこで二人の関係まで
終わる必要はない。
むしろその時、
初めて本当の答えが出る。
タバコがなくても、
田山に会いに行くのか。
田山も、
一服という口実なしで
佐々木と話したいと思うのか。
第6話では、
そこまで答えは出ない。
二人はまだ、
タバコのある関係へ戻っていく。
それでも、
「もう会えないかもしれない」
という時間を経験したことで、
二人の間には
以前にはなかった感情が残る。
会えることへの安心。
いなくなることへの寂しさ。
また同じ夜を
過ごしたいという気持ち。
それらは、
単なる喫煙仲間では
生まれにくいものになる。
だから佐々木の禁煙危機は、
二人を離す話ではない。
むしろタバコによって
隠れていた関係を
少しだけ見えやすくする話だった。
第1話では、
タバコが二人を出会わせた。
第6話では、
そのタバコがなくなりかけたことで、
相手と会うこと自体の大きさが
初めて浮かび上がった。
佐々木と田山は、
まだ「会いたい」と
正面から言い合う関係ではない。
それでも、
また会えることを喜べるところまで来ている。
スーパー裏の一服は、
もうただ煙を吐く時間ではない。
仕事終わりに、
この人と少しだけ話したい。
そんな気持ちが、
まだ名前を持たないまま、
二人の夜に積み重なっている。


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