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【無職転生Ⅲ】ペルギウスは何者?空中城塞の主の正体とルーデウスたちを招いた目的

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無職転生のペルギウスは、空中城塞で十二の使い魔を従えるだけの謎の王ではなく、四百年前に魔神ラプラスと戦った甲龍王になる。

ペルギウスの正体と強さ、空中城塞へルーデウスたちを迎えた流れを追うと、ナナホシ、ゼニス、アリエルの物語が同じ場所で動き始める。

無職転生におけるペルギウスとラプラスの因縁まで見ることで、第3期が家族生活から世界の過去と次の戦いへ広がることが分かる。

  1. 第1章 結論|ペルギウスは魔神ラプラスを封印した英雄で、空中城塞を治める甲龍王
    1. ルーデウスの敵ではないが、簡単に味方になる人物でもない
    2. 第3期ではナナホシ、ゼニス、アリエルをつなぐ人物になる
  2. 第2章 ペルギウスは何者?四百年前のラプラス戦役までさかのぼる
    1. 魔神ラプラスを封印した七英雄の生き残り
    2. 甲龍王の名は、龍神ウルペンと十二の使い魔へつながっている
  3. 第3章 空中城塞ケイオスブレイカーとはどんな場所か
    1. 空を移動し、転移魔法陣で各地とつながる巨大な城
    2. 謁見の間と十二の使い魔が生む圧倒的な緊張
  4. 第4章 ペルギウスはなぜルーデウスたちを城へ迎えたのか
    1. ナナホシとの約束が、ルーデウスたちを空中城塞へつないだ
    2. アリエルへ王になる資格があるかを問い続ける
  5. 第5章 ペルギウスの強さは?十二の使い魔と召喚魔術
    1. 光輝のアルマンフィをはじめ、異なる能力を持つ配下がいる
    2. 単独の剣士ではなく、城と使い魔を含めて脅威になる
  6. 第6章 ルーデウスの魔力を見てラプラスを警戒した
    1. 巨大な魔力へ気付き、城内で使わないよう警告する
    2. ラプラスへの憎悪が魔族やルーデウスへの態度にも残る
  7. 第7章 まとめ|ペルギウスは過去の英雄であり、未来を見定める甲龍王
    1. 空中城塞と十二の使い魔を従える、ラプラス戦役の生存者
    2. ルーデウスたちを招いた先で、過去と未来がつながり始める

第1章 結論|ペルギウスは魔神ラプラスを封印した英雄で、空中城塞を治める甲龍王

ルーデウスの敵ではないが、簡単に味方になる人物でもない

『無職転生Ⅲ』に登場するペルギウス・ドーラは、空中城塞ケイオスブレイカーの主。
十二体の使い魔を従え、召喚魔術と転移魔術を操る。
さらに四百年前のラプラス戦役を生き残り、魔神ラプラスを封印した英雄でもある。
現在の人物でありながら、歴史書の中に名を残す伝説そのものになる。

肩書きは、甲龍王。
王と呼ばれていても、どこかの国を領地として治める国王ではない。
空を移動する巨大な城塞を居城とし、地上の国々から距離を置いて暮らしている。
アスラ王国の権力者であっても、命令だけで動かせる人物ではない。

ここがかなり強い。
ルーデウスはこれまで、多くの王族や魔王と出会ってきた。
シーローン王国では、第三王子ザノバや第七王子パックスと関わった。
魔大陸では、不死魔王バーディガーディや魔界大帝キシリカとも顔を合わせた。
でもペルギウスの前では、そうした人物とは違う緊張が走る。

謁見の間の奥に座るペルギウス。
その左右には、十二の使い魔が並ぶ。
空虚のシルヴァリル。
光輝のアルマンフィ。
それぞれが名前と異なる力を持ち、主の命令を待っている。

うおお、姿を見せただけで場が変わる。
大声を上げる必要はない。
剣を抜く必要もない。
玉座からルーデウスたちを見下ろし、短い言葉を置くだけ。
城全体がペルギウスの領域だと伝わってくる。

ルーデウスも、普通の客として扱われるわけではない。
ペルギウスは転移させた瞬間から、ルーデウスの巨大な魔力へ気付く。
その魔力量は、四百年前に戦った魔神ラプラスを思い出させるほどだった。
だから歓迎より先に、城内で魔術を使わないよう釘を刺す。

キツ…。
ルーデウスにとっては、何もしていないのに警戒される場面になる。
自分の魔力が大きいことは知っている。
でも、それをラプラスと並べて嫌悪されるとは思っていない。
ペルギウスの視線には、昔の戦場で刻まれた警戒と憎悪が残っている。

だからペルギウスは、ルーデウスの敵と簡単には言えない。
城へ招き入れる。
ナナホシの研究も支える。
ゼニスの状態を考える手掛かりも伝える。
困った時には知識や転移魔法陣が助けになることもある。

その一方で、ルーデウスを無条件には信用しない。
アリエルの王位継承にも、最初から全面協力するわけではない。
目の前の相手が何を望み、どんな覚悟を持つのか。
自分の力を貸す価値がある人物なのか。
ペルギウスは言葉と振る舞いを見ながら判断していく。

ここがペルギウスの怖さになる。
気に入られれば助けてもらえる人物ではない。
正義を語れば味方になる人物でもない。
四百年を生き、国の興亡と戦争を見てきた。
その長い時間を基準に、ルーデウスたちを見定めている。

第3期ではナナホシ、ゼニス、アリエルをつなぐ人物になる

ペルギウスが第3期の鍵を握るのは、強いからだけではない。
ルーデウスの周囲で別々に進んでいた問題が、空中城塞へ集まるから。
元の世界へ帰りたいナナホシ。
言葉を失ったゼニス。
アスラ王国の王位を目指すアリエル。
三人の進路に、ペルギウスが深く関わっていく。

ナナホシは、ルーデウスと同じ日本から来た人物。
ただし転生したルーデウスとは違い、元の身体のままこの世界へ転移している。
魔力を持たず、年齢もほとんど変わらない。
帰還する方法を探し、ラノア魔法大学で召喚魔術と転移魔法陣を研究していた。

その研究を支える場所が、ペルギウスの空中城塞になる。
ペルギウスは召喚魔術の使い手。
城内には転移魔法陣があり、離れた土地との移動にも使われる。
ナナホシにとっては、元の世界へ帰る可能性へ近づける貴重な場所になる。

うおお、ここでラノア魔法大学の時間が世界の大きな謎へつながる。
大学では、失敗した魔法陣を前に頭を抱えていたナナホシ。
ルーデウスやクリフ、ザノバの力を借りながら研究を続けていた。
その先にいるのが、四百年前から召喚魔術を使ってきたペルギウスになる。

ゼニスについても、ペルギウスは手掛かりを持っている。
転移迷宮の魔力結晶から救出されたあと、ゼニスは言葉も表情も失った。
ルーデウスは治療法を探している。
記憶を失ったのか。
心まで消えたのか。
何が起きたのかも分からない。

ペルギウスは、ゼニスの状態が迷宮と神子に関係している可能性を示す。
すぐに治す魔術を持っているわけではない。
でも長く生き、召喚や転移へ深く関わってきた人物だからこそ、ルーデウスにはない視点を持っている。
その言葉が、後にゼニスの内面を確かめる道へつながっていく。

キツ…。
ルーデウスにとっては、母を元へ戻せる答えが欲しい。
呼び掛ければ返事をしてほしい。
自分やノルンの名前を呼んでほしい。
でもペルギウスから得られるのは、簡単な回復の約束ではない。
未知の状態へ向き合うための入口になる。

アリエルとの関係も大きい。
アリエルはアスラ王国第二王女。
兄たちとの王位争いに敗れかけ、シルフィやルークと共にラノアへ逃れてきた。
いつか祖国へ戻り、王位を奪う意志を持っている。
そのためには、強力な後ろ盾が必要になる。

ペルギウスは、アスラ王国の歴史と深い関わりを持つ。
四百年前のラプラス戦役では、アスラ王国側の英雄たちと共に戦った。
歴代の王を知り、国がどんな人物に導かれてきたのかも見ている。
だからアリエルの血筋だけでは動かない。

うおお、王女が頭を下げてもすぐには認めない。
王になりたいと語るだけでは足りない。
王位に就いて何をするのか。
誰を守るのか。
自分の欲望のためか、それとも国の未来を背負うのか。
ペルギウスはアリエルの言葉から、その内側を確かめようとする。

ここでルーデウスも無関係ではいられない。
シルフィはアリエルの護衛。
ルークも幼い頃から王女を支えている。
アリエルが王都へ戻るなら、シルフィの人生も動く。
シルフィの夫であるルーデウスも、アスラ王国の争いへ踏み込むことになる。

ペルギウスは、問題を代わりに解決する人物ではない。
ナナホシへ帰還方法を渡すわけではない。
ゼニスをその場で治すわけでもない。
アリエルを無条件で王位へ押し上げるわけでもない。
それでも、三人が前へ進むために必要な場所と問いを与える。

だから第3期でペルギウスが現れると、物語の範囲が一気に広がる。
ルーデウスの家庭。
ラノア魔法大学。
ナナホシの研究。
アスラ王国の王位争い。
そして四百年前のラプラス戦役まで、空中城塞を中心につながり始める。

第2章 ペルギウスは何者?四百年前のラプラス戦役までさかのぼる

魔神ラプラスを封印した七英雄の生き残り

ペルギウスの名は、第3期で突然生まれたものではない。
第一期の頃から、ルーデウスが読む本の中に登場していた。
ブエナ村の家にあった『ペルギウスの伝説』。
幼いルーデウスは、それを英雄を描いた物語として読んでいる。

でも、その内容は作り話ではなかった。
約四百年前。
人族と魔族の大戦となったラプラス戦役。
魔神ラプラスの軍勢が各地へ侵攻し、人族は滅亡の危機へ追い込まれた。
その戦いに参加した七人の英雄の一人が、若き日のペルギウスだった。

当時のペルギウスは、現在のように空中城塞の玉座へ座る人物ではない。
若き龍神ウルペンに連れられ、冒険者として姿を現した。
北神カールマンや双帝ミグス、グミスたちと共に戦う。
数々の強敵を倒し、実力を広く知られるようになっていった。

ここがかなり熱い。
現在のペルギウスは、静かで威圧的な城主に見える。
でも若い頃には、仲間と同じ地面を走り、敵陣へ飛び込んでいた。
最初から伝説だったわけではない。
戦場を一つずつ越え、その名を歴史へ刻んでいった。

ラプラス戦役の終盤、人族側は最後の決戦へ進む。
アスラ王国が総力を挙げて魔神軍と戦う。
その隙を突き、七英雄はミリス聖騎士団や獣族と共にラプラスの本陣へ向かった。
側近たちを倒し、ついに魔神ラプラス本人と激突する。

うおお、勝利しても全員は帰れない。
七人いた英雄のうち、四人が戦死する。
最後まで生き残ったのは三人。
龍神ウルペン。
北神カールマン。
そして甲龍王ペルギウスだった。

三人は魔神ラプラスを完全に消滅させたわけではない。
激戦の末、その肉体を封印した。
世界を焼いた魔神軍の侵攻は止まる。
人族は滅亡を免れ、生き残った三人は救国の英雄として語り継がれることになった。

キツ…。
ペルギウスの目には、勝利だけが残ったわけではない。
共に戦った七英雄のうち、四人を失っている。
名も知られない兵士も大勢死んだ。
国も町も焼かれた。
魔族への嫌悪やラプラスへの警戒が、四百年後まで消えないのも無理はない。

現在のペルギウスが、ルーデウスの魔力を見て表情を硬くするのもそのためになる。
強大な魔力。
無詠唱魔術。
常識を超えた魔力量。
他の人物なら才能として驚く部分に、ペルギウスは魔神ラプラスの影を見る。

ルーデウス自身はラプラスではない。
魔神軍を率いる気もない。
家族を守り、穏やかに暮らしたいと願っている。
でもペルギウスにとって、ラプラスに似た力は過去の記憶を呼び起こす。
目の前の青年だけを見るには、四百年前の犠牲が大きすぎる。

だからペルギウスは慎重になる。
ルーデウスを追い返しはしない。
すぐ敵として攻撃もしない。
ただし、強大な魔力を城内で使うことは許さない。
警告を与え、行動を見て、本当に危険な存在ではないか確かめていく。

甲龍王の名は、龍神ウルペンと十二の使い魔へつながっている

ペルギウスが甲龍王と呼ばれるようになった背景には、龍神ウルペンとの関係がある。
若いペルギウスを冒険者の世界へ連れてきた人物。
共に旅をし、ラプラス戦役を戦い抜いた仲間。
ペルギウスにとって、ウルペンは先達であり、兄のような存在でもあった。

その関係から、ペルギウスは古い伝説に残る五龍将の一人になぞらえられるようになる。
五龍将とは、初代龍神へ仕えた強大な龍族たち。
その中に「甲龍」と呼ばれる存在がいた。
やがてペルギウスにも同じ名が与えられ、甲龍王として知られるようになった。

ただ、ペルギウスの戦い方は、剣一本で前へ出る形ではない。
得意とするのは召喚魔術。
自分の魔力から十二体の使い魔を作り出し、それぞれへ異なる能力を与えた。
偵察。
防御。
移動。
時間。
破壊。
戦場で必要になる役割を、十二の配下が分担する。

うおお、光輝のアルマンフィは第一期ですでに姿を見せている。
フィットア領の空へ異常な魔力が集まった時。
ルーデウスとギレーヌが空を見上げる。
その場へ光となって現れたのがアルマンフィだった。
ギレーヌを疑い、目にも止まらぬ速度で襲い掛かっている。

あの時のルーデウスには、正体が分からない。
突然現れた白い人物。
光へ変わる速度。
ギレーヌと激しくぶつかりながら、空の異変を確認して去っていく。
第一期の一場面に見えた存在が、実はペルギウスの第一の下僕だった。

ここで過去と現在がつながる。
フィットア領転移事件を調べていたアルマンフィ。
その主であるペルギウス。
転移魔法陣を研究するナナホシ。
転移事件で世界中へ飛ばされたルーデウスたち。
空中城塞へ入ることで、第一期から残る謎が再び動き始める。

ペルギウスは、ラプラスを封印して役目を終えた人物ではない。
四百年後の現在も生きている。
十二の使い魔を従えている。
転移や召喚について研究を続けている。
そして魔神ラプラスが、いつか再び現れることも警戒している。

キツ…。
ラプラス戦役は、完全に終わった過去ではない。
魔神ラプラスは封印される直前、自分の復活へつながるものを未来へ残した。
高い魔力。
緑色の髪。
生まれながらの魔眼。
その特徴を持つ者たちが、時代を越えて生まれ始めている。

シルフィの緑色の髪も、その影響と無関係ではない。
ルーデウスの巨大な魔力量も、ペルギウスにはラプラスを思わせる。
本人たちが魔神ではなくても、四百年前の敵と重なる特徴を持っている。
ペルギウスがすぐに心を開けない背景には、こうした長い警戒がある。

それでもペルギウスは、特徴だけでルーデウスを処分しない。
城へ置く。
話を聞く。
ナナホシとの関係も見る。
アリエルやシルフィとどう接するのかも確かめる。
過去の恐怖を持ちながら、現在の人物を見極めようとしている。

だからペルギウスは、ラプラスを憎むだけの英雄ではない。
過去の戦争を知る生存者。
失った仲間を覚えている人物。
次のラプラス戦役を見据えながら、未来を担う者たちを見ている。
その視線が、ルーデウスやアリエルへ向けられていく。

第3章 空中城塞ケイオスブレイカーとはどんな場所か

空を移動し、転移魔法陣で各地とつながる巨大な城

空中城塞ケイオスブレイカーは、ただ空へ浮かんでいる城ではない。
ペルギウスが十二の使い魔と暮らし、召喚魔術と転移魔術の研究を続ける巨大な拠点になる。
地上の国へ領地を持たず、空から各地を見下ろす。
必要があれば移動し、離れた土地とも転移魔法陣でつながる。
普通の王城とは、存在する場所からして違っている。

ルーデウスたちが城へ向かう時も、馬車で山道を登るわけではない。
ナナホシが持つ笛を通して、ペルギウスの使い魔を呼ぶ。
使い魔が転移魔法陣を動かし、魔法都市シャリーアから一瞬で城内へ移る。
扉を開けた先が別の土地ではなく、空に浮かぶ城の内部になっている。
距離そのものを飛び越える場所になる。

うおお、ここで世界の広さが変わる。
第1期では、魔大陸から故郷へ帰るだけで何年もかかった。
船へ乗る。
国境を越える。
雪山や荒野を歩く。
でも空中城塞では、転移魔法陣一つで遠い場所とつながる。
旅の常識そのものが崩れる。

城内には、長い廊下が続いている。
壁や床は手入れされ、四百年前の遺物とは思えないほど美しい。
大きな窓の外には、地上ではなく雲と空が広がる。
足元に町も道も見えない。
ルーデウスたちは、地上の暮らしから完全に切り離された場所へ入っていく。

庭園もある。
客室もある。
ナナホシが研究を続ける部屋も用意されている。
城の内部だけで、長期間生活できる環境が整っている。
ペルギウスが地上の国へ住まず、四百年も空から世界を見続けられたのは、この城が一つの都市に近い機能を持つからになる。

キツ…。
便利な場所に見えても、自由に出入りできるわけではない。
転移魔法陣を動かすのはペルギウス側。
来訪者が勝手に地上へ戻ることも難しい。
一度城内へ入れば、周囲はすべてペルギウスの領域になる。
逃げ道まで相手に握られた状態で、謁見へ向かうことになる。

ケイオスブレイカーは、ペルギウスの強さを支える城でもある。
敵が地上から軍勢を集めても、簡単には攻め込めない。
空を飛ぶ手段が必要になる。
転移魔法陣の行き先も知らなければならない。
城へ到達できても、十二の使い魔が待っている。

ここがかなり怖い。
ペルギウス本人と戦う前に、城へ入ること自体が難しい。
光速で移動するアルマンフィが外の異変を確認する。
シルヴァリルが来訪者を案内しながら監視する。
ほかの使い魔も、それぞれ異なる能力を持つ。
城全体が巨大な防壁として働いている。

第1期のフィットア領転移事件でも、空中城塞はすでに動いていた。
空に巨大な魔力が集まった時、ペルギウスは城から異変を見ている。
召喚に似た光を警戒し、アルマンフィを現地へ向かわせた。
ギレーヌとルーデウスが遭遇した白い使い魔は、偶然近くにいたわけではない。
空の城から、地上の異常を調べに来ていた。

うおお、第一期の一場面が第3期で戻ってくる。
あの時は、アルマンフィが何者なのか分からなかった。
なぜ突然現れたのか。
誰の命令で動いていたのか。
何を見に来たのか。
空中城塞へ入ることで、転移事件の裏側にペルギウスの監視があったと見えてくる。

ケイオスブレイカーは、観光するための不思議な城ではない。
ラプラス復活を監視する場所。
召喚と転移を研究する場所。
ペルギウスが地上の王や英雄を見定める場所。
過去の戦争と未来の危機が、同じ空間へ置かれている。

謁見の間と十二の使い魔が生む圧倒的な緊張

空中城塞の中で、最も緊張が高まるのが謁見の間になる。
長い廊下を進む。
巨大な扉が開く。
その先には、派手な装飾で埋め尽くされた部屋ではなく、必要なものだけが置かれた空間が広がっている。
視線が自然に、奥の玉座へ集まる。

玉座に座るのはペルギウス。
その前には、十二の使い魔が並んでいる。
全員が仮面を着け、表情を見せない。
来訪者が一歩動けば、十二の視線が同時に向く。
誰が何の能力を持っているのか分からないまま、ルーデウスたちは中央へ進む。

ここがかなり強い。
豪華な宝石も、大勢の兵士も必要ない。
玉座。
十二の使い魔。
静かな空間。
それだけで、誰がこの場所を支配しているのか分かる。
ペルギウスが声を荒らげなくても、場の主導権は完全に握られている。

ルーデウスは、使い魔たちを見ながら戦った場合を考える。
アルマンフィの速度は、第一期ですでに見ている。
ギレーヌと一瞬で交戦し、光のように動いた存在。
同じ水準の力を持つ者が十二体並んでいるなら、逃げ切ることさえ難しい。
戦う前から、勝敗の想像がついてしまう。

うおお、そこでペルギウスがルーデウスの魔力へ気付く。
名前を聞く前から、普通の人間ではないと見抜く。
膨大な魔力量。
身体の奥にある強い魔力。
それが四百年前の魔神ラプラスと重なり、謁見の空気が一気に冷える。

ペルギウスは、城内で魔術を使うなと告げる。
試しに見せてほしいとは言わない。
才能を褒めることもしない。
危険な力として警戒し、先に禁止する。
ルーデウスが何もしていなくても、巨大な魔力そのものが疑いを生む。

キツ…。
ルーデウスには悪意がない。
ラプラスを復活させる気もない。
シルフィやロキシーと暮らし、家族を守りたいだけ。
でもペルギウスの前では、その人柄より先に魔力量を見られる。
四百年前の恐怖を呼び戻す存在として、距離を置かれる。

一方で、ナナホシはペルギウスと落ち着いて会話する。
異世界召喚の研究成果を伝える。
代わりに、この世界の召喚術を教えてほしいと求める。
ペルギウスも、その申し出をすぐ拒まない。
二人の間には、以前から知識を交換する約束があった。

ここでルーデウスは、自分とナナホシへの態度の違いを見る。
ナナホシは魔力を持たない。
元の世界へ帰るため、召喚を研究している。
ペルギウスにとっても、その知識には価値がある。
警戒されるルーデウスとは違い、ナナホシは研究者として城へ受け入れられている。

謁見の間では、身分だけで扱いが決まらない。
アリエルは王女。
ルーデウスは大きな魔力を持つ魔術師。
ザノバは王子。
それでもペルギウスの前では、肩書きだけで特別扱いされない。
何を持ち込み、何を求め、どんな人物なのかが見られる。

だから空中城塞へ入る場面は、単なる新天地の紹介では終わらない。
ルーデウスの力がどう見られるのか。
ナナホシが何を研究してきたのか。
アリエルが王位を目指す人物として何を語るのか。
それぞれの現在地が、ペルギウスの前で試される。

第4章 ペルギウスはなぜルーデウスたちを城へ迎えたのか

ナナホシとの約束が、ルーデウスたちを空中城塞へつないだ

ルーデウスたちが空中城塞へ向かう直接のきっかけは、ナナホシになる。
ナナホシはラノア魔法大学で、異世界へ戻るための召喚魔術を研究していた。
魔法陣を書く。
物を召喚する。
失敗した原因を調べる。
元の日本へ帰る道を、何年も探し続けている。

その研究だけでは、壁を越えられない。
ナナホシはこの世界の召喚術を、最初から知っているわけではない。
魔力も持たない。
自分で魔法陣へ魔力を流すこともできない。
ルーデウスの魔力と、クリフやザノバの知識を借りながら進めてきた。

そこへペルギウスとの約束がある。
ナナホシは、異世界召喚の研究成果をペルギウスへ伝える。
ペルギウスは、その代わりに自分が知る召喚術を教える。
どちらかが一方的に助ける関係ではない。
未知の知識を交換する関係になる。

うおお、ペルギウスがナナホシを受け入れるのは、同情だけではない。
日本へ帰れず困っている少女だから助ける。
それだけではない。
異世界召喚という未知の技術を、ペルギウス自身も知りたがっている。
四百年を生きても分からない現象が、目の前にある。

ナナホシが城へ戻る時、ルーデウスたちも同行する。
ルーデウスは、幼い頃に本で読んだ英雄へ会えることに心が動く。
ザノバは、城に残る魔道具や芸術品へ興味を持つ。
シルフィやアリエルたちにも、それぞれの目的がある。
一人の研究者の訪問が、大勢の人生を城へ運んでいく。

キツ…。
ただしペルギウスが、全員を自分から招待状で呼んだわけではない。
ナナホシとの約束が入口。
その同行者として城へ入る人物もいる。
だからペルギウスは、来た者全員へ同じ期待を向けていない。
謁見の中で、一人ずつ価値と危険を見ていく。

ルーデウスに対しては、巨大な魔力を警戒する。
ザノバには、魔道具や人形へ向ける知識を見る。
シルフィには、緑色の髪とアリエルへの忠誠がある。
アリエルには、王位を目指す者としての器を問う。
城へ来た目的が違うから、ペルギウスの態度も変わる。

ナナホシにとって、空中城塞は研究の続きになる。
召喚術について教わる。
城内の設備を使う。
自分の身体がこの世界へ適応できず、病に倒れた時も、この場所が救命と療養の拠点になる。
元の世界へ帰る道を探す時間が、空中城塞で続いていく。

ここがかなり切ない。
ナナホシは、この世界へ残りたいわけではない。
友人も家族も日本にいる。
年齢が変わらない身体で、魔力のある環境に苦しんでいる。
研究が進んでも帰還の保証はない。
それでも止まれば、二度と帰れないかもしれない。

ペルギウスは、そんなナナホシを優しく慰め続ける人物ではない。
成果が出るなら知識を与える。
研究する場所も用意する。
でも自分の使命より上へは置かない。
ラプラス復活を監視することが、四百年間変わらない最優先になる。

だからナナホシが倒れた時、クリフはペルギウスへ怒りをぶつける。
これほど大きな城と使い魔を持ちながら、なぜ全力で治療法を探さないのか。
力のある者は、弱い者を助けるべきではないのか。
でもペルギウスは、その考えを当然とは認めない。

キツ…。
冷たい。
そう見える。
でもペルギウスには、四百年間守ってきた目的がある。
誰か一人を救うため、ラプラスへの監視を捨てることはしない。
目の前の感情だけで、使命を変える人物ではない。

この場面があるから、ペルギウスは便利な協力者では終わらない。
知識は貸す。
場所も与える。
必要なら使い魔も動かす。
でも、すべてを代わりに背負うことはしない。
ルーデウスたちは、自分たちで動き、ナナホシを救う方法を探すことになる。

アリエルへ王になる資格があるかを問い続ける

空中城塞へ向かうもう一つの大きな目的が、アリエルとペルギウスの接触になる。
アリエルはアスラ王国第二王女。
王位争いの中で命を狙われ、シルフィやルークと共にラノアへ逃れてきた。
祖国へ戻る意思は消えていない。
いつか王都へ入り、王位を得ようとしている。

でもアリエルの手元には、決定的な力が足りない。
王都には敵対する第一王子派がいる。
貴族も兵力も、相手側が優勢。
ラノア魔法大学で人脈を広げても、それだけでは王位へ届かない。
そこで必要になるのが、ペルギウスという英雄の支持になる。

ペルギウスがアリエルを支持すれば、重みが違う。
四百年前の救国の英雄。
甲龍暦に名を残す人物。
空中城塞と十二の使い魔を持つ存在。
その人物が王女を認めたと伝われば、迷っている貴族たちの判断も動く。

うおお、でもペルギウスは簡単に認めない。
王家の血を持っている。
見た目が美しい。
人を引きつける声がある。
それだけで王へふさわしいとは見ない。
何を望み、どんな国を作りたいのかを問う。

アリエルは、城へ滞在しながら機会を待つ。
庭園で茶を飲む。
礼儀を崩さない。
疲れていても表面では微笑む。
ペルギウスに認められなければ王都へ戻る道が細くなると分かっている。
だから焦りを隠し、対話の糸口を探し続ける。

キツ…。
王女であるアリエルが、頭を下げれば済む話ではない。
ペルギウスはアスラ王国へ借りがあるから協力する。
そんな単純な関係でもない。
過去に親しくした王がいても、その子孫全員へ忠誠を誓っているわけではない。
現在のアリエル本人を見ている。

ペルギウスが重ねるのは、四百年前のアスラ王ガウニスになる。
若い頃のガウニス。
王として何を守ろうとしたのか。
民をどう見ていたのか。
権力を何のために使うと語ったのか。
アリエルの言葉の中に、かつての王と同じ芯があるかを確かめる。

ここでアリエルは、ただ王位が欲しいとは語らない。
自分が王になった先で、どんな国を作るのか。
誰を守るのか。
国の繁栄だけでなく、民の暮らしへ何を残すのか。
華やかな王女の顔だけではなく、背負う覚悟を見せる必要がある。

ルーデウスも、その場と無関係ではない。
シルフィはアリエルの護衛。
王都へ戻れば危険な政争へ入る。
ルークも王女へ忠誠を誓っている。
アリエルの選択は、ルーデウスの家庭まで揺らす。

うおお、空中城塞で交わされる言葉が、地上の戦いへつながる。
この場では剣を抜かない。
兵士も動かない。
でもペルギウスが認めるかどうかで、王都へ戻る準備が変わる。
一つの謁見が、アスラ王国全体の未来へ届いていく。

ペルギウスがルーデウスたちを城へ迎えた先で見ているのは、目先の用事だけではない。
ナナホシの研究が何を生むのか。
ルーデウスの力が災いになるのか。
アリエルが王として立てるのか。
未来へ影響する人物を、一人ずつ見定めている。

だから空中城塞は、助けを求めれば答えがもらえる場所ではない。
知識を得るには、成果を持ち込む必要がある。
支持を得るには、覚悟を示す必要がある。
力を持つ者は、その使い道を問われる。
ルーデウスたちは、ペルギウスの前で自分たちの進む道を試される。

第5章 ペルギウスの強さは?十二の使い魔と召喚魔術

光輝のアルマンフィをはじめ、異なる能力を持つ配下がいる

ペルギウスの強さは、本人が剣を抜いて敵を倒す姿だけでは測れない。
十二体の使い魔を生み出し、それぞれへ異なる役割を与えている。
偵察。
移動。
治療。
時間への干渉。
戦闘以外の局面まで、使い魔の力で広く支配している。

十二の使い魔には、それぞれ称号がある。
空虚。
暗黒。
光輝。
波動。
生命。
大震。
時間。
轟雷。
破壊。
洞察。
狂気。
贖罪。
一体ずつ性質が違い、同じ能力を持つ兵士が並んでいるわけではない。

ここがかなり強い。
高速で敵へ接近する者。
負傷者を治療する者。
離れた場所の異変を確認する者。
時間そのものへ触れる者。
一人の強者へ十二人の護衛が付いているのではなく、十二種類の力を使い分けられる状態になる。

第一期で先に姿を見せたのが、光輝のアルマンフィ。
フィットア領の上空に巨大な光が集まった時、ギレーヌとルーデウスの前へ現れた。
白い装束。
仮面に近い顔立ち。
次の瞬間には光の筋となり、ギレーヌへ襲い掛かっている。

うおお、ギレーヌが反応しても簡単には捕まえられない。
剣王であるギレーヌが剣を抜く。
アルマンフィは光となって距離を詰める。
激突したかと思えば、すぐ別の位置へ移っている。
ルーデウスには二人の動きを目で追うことさえ難しかった。

アルマンフィは、ただ速いだけではない。
ペルギウスの命令を受ければ、離れた土地へ短時間で向かう。
異変を調べる。
城へ報告する。
緊急時には人を運ぶ。
空中城塞と地上をつなぐ使者として動いている。

ナナホシが城内で倒れた時も、アルマンフィはすぐに現れる。
血を吐き、意識を失ったナナホシ。
シルフィが助けを求める。
するとアルマンフィが駆け付け、医務室へ運ぶ。
戦闘だけではなく、城内で起きた危機にも即座に対応している。

キツ…。
アルマンフィ一体でも、ルーデウスには敵対したくない相手になる。
その使い魔が、謁見の間には十二体並んでいる。
全員の能力を知らない。
誰が遠距離攻撃を持つのか。
誰が動きを止めるのか。
一歩間違えれば、逃げる前に包囲される。

贖罪のユルズは、治療へ関わる使い魔になる。
ナナホシの身体が、この世界の魔力によって蝕まれた時。
通常の解毒魔術では回復しない。
そこでユルズが治療を行い、別の者の生命力や健康を移すような力で、症状を抑えようとする。

シルフィは迷わず協力を申し出る。
医務室でナナホシの隣へ横たわる。
ユルズが二人へ力を使う。
一人では扱えない能力でも、条件を満たせば普通の治癒魔術で届かない病へ触れられる。
ペルギウスの使い魔には、魔術師の常識から外れた力がある。

うおお、時間のスケアコートはさらに異質。
触れた相手の時間を止められる。
傷を治す力ではない。
病気を消す力でもない。
それでも時間を止めれば、身体の悪化や老化を先へ進ませず、必要な時代まで眠らせることができる。

ナナホシは元の世界へ帰る道が完成しないまま、長く生き続けることが難しい。
そこでスケアコートの力を使い、自分の時間を止める選択へ進む。
帰還の可能性が現れる時代まで待つ。
使い魔一体の能力が、一人の人生を何十年先へつなぐことになる。

ここまで見ると、十二の使い魔はペルギウスの飾りではない。
戦場へ出れば偵察と移動を担う。
城内では警護を行う。
負傷者や病人を支える。
必要なら時間まで止める。
ペルギウスが四百年もの間、空中城塞から世界を監視できた背景には、この十二体がいる。

単独の剣士ではなく、城と使い魔を含めて脅威になる

ペルギウスの強さを考える時、剣神や北神と同じ見方をすると分かりにくい。
剣を抜いた瞬間、誰より速く相手を斬る人物ではない。
拳一つで巨大な魔物を倒す人物でもない。
召喚魔術を使い、十二体の使い魔と空中城塞を動かすことで力を発揮する。

ルーデウスも、初めて謁見の間へ入った時にそれを感じている。
アルマンフィはギレーヌと渡り合った。
同じペルギウスの配下が、さらに十一体いる。
全員がアルマンフィと同じ強さとは限らない。
それでも能力の分からない十二体を同時に相手にする状況は、想像しただけで危険になる。

ここが怖い。
真正面から一人を倒せば終わる戦いではない。
高速で動くアルマンフィが接近する。
別の使い魔が退路を塞ぐ。
負傷した者をユルズが支える。
その間もペルギウスは、玉座から召喚魔術を動かせる。

しかも戦う場所は、ペルギウスの空中城塞。
廊下も部屋も転移魔法陣も、すべて相手の管理下にある。
地上へ逃げる扉を自由には開けない。
外へ飛び出しても、足元には雲と遥かな大地がある。
城へ入った時点で、地形までペルギウスの味方になる。

うおお、敵が軍勢を集めても簡単には届かない。
飛行できる者が必要。
城の現在地を知る必要がある。
転移魔法陣を使うなら、行き先と起動方法も必要になる。
侵入できたとしても、十二の使い魔が待っている。
ペルギウス本人へ近づくまでに、幾つもの壁がある。

それでもペルギウスは、何にでも勝てる最強人物ではない。
魔神ラプラスを封印した戦いも、ペルギウス一人の勝利ではなかった。
龍神ウルペン。
北神カールマン。
ほかの英雄や兵士たち。
大勢が命を懸け、最後まで生き残った三人が封印へたどり着いている。

不死魔王アトーフェと対峙した時も、ペルギウスは使い魔たちを率いて現れる。
ナナホシを救うため、ルーデウスたちは魔大陸へ向かった。
そこでアトーフェの軍勢に囲まれ、簡単には帰れない状況へ追い込まれる。
ペルギウスは十二の使い魔と共に救援へ入り、昔からの因縁を持つ魔王へ向き合う。

キツ…。
相手は、不死魔族の王。
身体を斬られても再生する。
長い年月を戦い続けてきた。
倒せば終わる相手ではない。
だからペルギウスも、力だけで完全に消し去ろうとはしない。
過去から続く関係と決まりの中で対処する。

この場面でも、使い魔がいる強さが見える。
ルーデウスたちを守る。
敵の軍勢へ圧をかける。
転移魔法陣へ戻る時間を作る。
ペルギウス本人だけが戦うのではなく、配下がそれぞれの位置で動く。
集団で戦場を押さえる力になる。

召喚魔術は、戦う者を呼び出すだけの技術ではない。
必要な場所へ必要な存在を置く。
偵察。
防御。
救出。
治療。
封鎖。
戦場全体を動かす力になる。
ペルギウスは、その頂点にいる召喚術師として描かれている。

だから「ペルギウスはどれほど強いのか」への答えは、単純な順位では出しにくい。
剣だけなら剣神。
個人の破壊力なら七大列強。
そうした人物と同じ土俵で比べる存在ではない。
使い魔と城塞まで含めれば、一つの軍事拠点そのものに近い。

ペルギウスが玉座から動かなくても、アルマンフィは地上へ向かう。
ユルズは負傷者を治療する。
シルヴァリルは城を管理し、来訪者を監視する。
転移魔法陣が動けば、遠い土地へ軍勢や物資も運べる。
本人が剣を振らない時間にも、力は世界へ届いている。

第6章 ルーデウスの魔力を見てラプラスを警戒した

巨大な魔力へ気付き、城内で使わないよう警告する

ペルギウスとルーデウスの最初の間には、親しさより警戒がある。
ルーデウスは幼い頃から『ペルギウスの伝説』を読んでいた。
四百年前の英雄。
魔神ラプラスを封印した甲龍王。
実際に会えると知れば、歴史上の人物を前にするような高揚があった。

でもペルギウス側は違う。
謁見の間へ入ってきた青年を見る。
身体の中にある膨大な魔力を感じる。
すると視線が鋭くなる。
歓迎の言葉より先に、その魔力をどこで得たのかを確かめようとする。

ここがかなり緊張する。
ルーデウスは敵意を向けていない。
ナナホシに同行しただけ。
家族と暮らす魔術師として城へ来た。
でもペルギウスには、目の前の青年より、四百年前に世界を焼いた魔神の記憶が先に浮かぶ。

ルーデウスの魔力量は、生まれつき大きかったわけではない。
幼い頃から魔術を使い続けた。
魔力が尽きるまで水球を出す。
倒れても休み、また魔術を使う。
成長期に繰り返した訓練で、常識を超える魔力量へ届いた。

第一期では、その魔力が家族を驚かせた。
詠唱なしで水球を出す。
幼児の身体で水聖級魔術を成功させる。
ロキシーが卒業試験を行い、巨大な嵐を起こす。
ゼニスとパウロには、息子が特別な才能を持つと見えていた。

うおお、でもペルギウスには祝福へ見えない。
魔力量が多い。
無詠唱で魔術を使える。
強力な攻撃を連続して放てる。
それは将来性ではなく、魔神ラプラスと重なる特徴になる。
四百年前の戦場を知る者には、危険の兆候へ見える。

だからペルギウスは、城内で魔術を使うなと警告する。
小さな水球も許可なく出すな。
攻撃する気がなくても関係ない。
空中城塞は、十二の使い魔とペルギウスが守る場所。
巨大な魔力を持つ人物へ、最初から明確な線を引く。

キツ…。
ルーデウスには、自分がラプラスではないと分かっている。
人族を滅ぼしたいとも思わない。
守りたいのは、シルフィやロキシー、子供たちの生活。
それでも、持っている力だけで過去の敵と重ねられる。

この感覚は、シルフィが緑色の髪で恐れられた過去にも近い。
幼いシルフィは、髪の色だけで魔族と呼ばれ、村の子供たちから石を投げられた。
ラプラスの特徴を思わせる外見が、本人の性格とは無関係に恐怖を呼ぶ。
ペルギウスの中にも、長い戦争が残した警戒がある。

ただしペルギウスは、ルーデウスをその場で排除しない。
警告したうえで城内へ置く。
会話する。
ザノバと共に作った人形を見る。
土魔術で人形を作る技術にも関心を示す。
危険だけではなく、何に力を使う人物なのかも確かめている。

ここがペルギウスの冷静さになる。
ラプラスに似た魔力だから殺す。
魔族に近い特徴があるから追い出す。
そこまでは進まない。
嫌悪と警戒を持ちながらも、目の前の行動を見て判断する。
ルーデウスにも、自分が何者かを示す時間が残される。

ラプラスへの憎悪が魔族やルーデウスへの態度にも残る

ペルギウスにとって、ラプラスは昔倒した敵ではない。
四百年前に仲間を奪った存在。
国と町を焼き、多くの人々を死なせた魔神。
封印したあとも、未来に復活する可能性が残っている。
現在の生活より先に、再来する戦争を考え続けている。

そのため、ペルギウスは魔族全体へ強い不信を抱いている。
魔族だから全員がラプラスの配下ではない。
人族と穏やかに暮らす者もいる。
それでも空中城塞へ魔族を入れることには、激しい抵抗を示す。
城の安全と、自分の感情の両方が関わっている。

ロキシーが空中城塞へ入ろうとした時にも、その壁が現れる。
ロキシーはミグルド族。
ルーデウスの師匠。
転移迷宮では彼と共にゼニスを救い、その後は妻として家庭へ入った。
ルーデウスにとって、誰より信頼できる人物の一人になる。

それでもペルギウス側には、まず魔族として見られる。
城へ入れることを拒む。
アルマンフィも、ロキシーへ転移用の道具を渡す時に嫌悪を隠さない。
一人の人格を見る前に、四百年前から続く魔族への警戒が立ちはだかる。

キツ…。
ロキシーは魔神軍と無関係。
人族を襲う気もない。
ラノア魔法大学で教え、家族を大切にしている。
それでも種族だけで拒まれる。
ペルギウスが英雄であることと、偏見を持たないことは同じではない。

この場面で前へ出るのがザノバになる。
ザノバはペルギウスと、人形や芸術について語り合ってきた。
身分を越え、作品を見る目で向き合える相手だと感じている。
だからロキシーの入城を拒むペルギウスへ、真正面から頼み込む。

ペルギウスは、ザノバの言葉を簡単には受け入れない。
小国の王子が、自分を友と呼ぶのか。
鋭い視線を向ける。
シルヴァリルも緊張する。
それでもザノバは引かず、芸術を見る目に身分も種族も関係ないと向き合う。

うおお、ここでペルギウスの態度が動く。
自分へ逆らったから怒るのではない。
ザノバが恐れず、本気で友として言葉を置いたことを見る。
その覚悟を認め、ロキシーの通行を許可する。
強い偏見が一瞬で消えたわけではない。
それでも目の前の人物の言葉で、例外を受け入れる。

ペルギウスが完全に凝り固まった人物ではないことが分かる。
ラプラスを憎んでいる。
魔族を警戒している。
ルーデウスの魔力にも嫌悪を示す。
でも信頼を積み重ねた相手の言葉まで拒絶するわけではない。

ルーデウスとの関係も同じように進む。
最初は、ラプラスに似た魔力を持つ不気味な青年。
次に、ナナホシを助けるため魔大陸まで向かう人物。
家族を守るため、危険な相手とも戦う人物。
アリエルやザノバを支え、約束を守ろうとする人物として見え方が変わっていく。

ここが重要になる。
ペルギウスは、ルーデウスの強さだけを評価しているわけではない。
巨大な魔力があっても、何へ使うのかを見る。
誰を守るのか。
危険な時に逃げるのか。
友人や家族のために、どこまで動くのか。
その選択が、ラプラスとは違う人物だと示していく。

うおお、アリエルの王位継承でも信頼が試される。
ペルギウスが認めた王女。
ルーデウスが支えるシルフィの友人。
アスラ王国へ向かえば、暗殺や裏切りが待っている。
力を持つだけでは突破できない場所で、ルーデウスがどう動くかも見られる。

ラプラスは、圧倒的な力で世界へ戦争を広げた。
ルーデウスも、巨大な魔力を持っている。
でも力の向け先は違う。
家族。
友人。
救えなかった人への後悔。
自分の周囲を守るために使おうとしている。

だからペルギウスとルーデウスの関係は、最初の警戒だけでは終わらない。
英雄とファン。
城主と客人。
それだけでもない。
ラプラスを憎む過去の生存者が、ラプラスに似た力を持つ青年を見続ける関係になる。

ペルギウスのラプラスへの憎悪は簡単には消えない。
魔族への偏見も残る。
未来の復活を警戒する使命も変わらない。
それでもルーデウスたちと接する中で、過去の特徴だけでは測れない人物がいることを受け入れていく。
そこに、甲龍王が第3期で見せる大きな変化がある。

第7章 まとめ|ペルギウスは過去の英雄であり、未来を見定める甲龍王

空中城塞と十二の使い魔を従える、ラプラス戦役の生存者

ペルギウスは、空中城塞ケイオスブレイカーを治める甲龍王。
十二の使い魔を従え、召喚魔術と転移魔術を扱う。
さらに四百年前のラプラス戦役では、龍神ウルペンや北神カールマンと共に魔神ラプラスを封印した。
本の中だけにいる英雄ではなく、現在も生き続けている歴史そのものになる。

その強さは、剣一本で敵を倒す形ではない。
光速で動くアルマンフィ。
治療へ関わるユルズ。
時間を止めるスケアコート。
異なる力を持つ使い魔と空中城塞を含め、一つの巨大な戦力になっている。

うおお、城へ入った時点でペルギウスの領域。
転移魔法陣も出入口も、すべて相手が握っている。
謁見の間には十二の使い魔が並び、奥には四百年を生きた英雄が座る。
ルーデウスほどの魔術師でも、軽い気持ちで逆らえる相手ではない。

ただし、ペルギウスは無条件で人を助ける人物でもない。
ナナホシには研究の場所を与える。
アリエルには王としての器を問う。
ルーデウスには巨大な魔力の使い道を見る。
力を貸す前に、目の前の人物が何を背負っているのかを確かめる。

ルーデウスたちを招いた先で、過去と未来がつながり始める

空中城塞へルーデウスたちが入ると、別々だった物語が一つにつながっていく。
ナナホシの異世界帰還。
ゼニスの状態。
アリエルの王位継承。
そして魔神ラプラス復活への警戒。
家庭と学園を中心に進んでいた物語が、世界の過去と未来へ広がる。

ペルギウスは、ルーデウスの魔力を見てラプラスを思い出す。
城内で魔術を使うなと警告し、最初から強い警戒を向ける。
四百年前に仲間を失った人物だからこそ、巨大な力を才能だけでは見られない。
その力が再び世界を壊さないかを見ている。

キツ…。
ルーデウスには悪意がない。
守りたいのは妻と子供たち。
それでも、持っている力だけで過去の魔神と重ねられる。
だからこそ、その後の行動が重要になる。
ナナホシを助け、仲間を守り、約束を果たす姿が、少しずつペルギウスの見方を変えていく。

アリエルにも同じ視線が向けられる。
王女だから認めるわけではない。
どんな国を作るのか。
誰を守るのか。
王位を得た先で何をするのか。
その言葉と覚悟を見たうえで、ようやく力を貸す価値が生まれる。

ペルギウスは、物語を代わりに解決する人物ではない。
答えをすべて教えるわけでもない。
ただ、進むための場所と手掛かりを与える。
そのうえで、最後の選択はルーデウスやアリエル自身へ残す。

だからペルギウスは、強い新キャラというだけでは終わらない。
ラプラス戦役を知る過去の英雄。
空中城塞を守る現在の王。
そして、次の戦いを担う人物を見定める存在。
第3期で彼が現れることで、『無職転生』の世界は一気に大きく動き始める。

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