甲龍手刀「一断」は、ペルギウスが右手を白く発光させ、光の斬撃をアトーフェへ通した甲龍王の決着技です。
ただし一断だけで不死魔王を圧倒したのではなく、前龍門・後龍門で魔力・体力・闘気を削り、動けなくしたところへ放っています。
ペルギウスの技を追うと、甲龍手刀の威力だけでなく、龍門で相手を弱らせてから仕留める甲龍王らしい戦い方まで分かります。
第1章 結論|甲龍手刀「一断」はペルギウスが放つ白い手刀の決着技
右手を白く発光させ、弱ったアトーフェへ光の斬撃を通した
甲龍手刀「一断」は、
第10話でペルギウスが不死魔王アトーフェへ放った決着技。
剣も杖も使わず、
右手そのものを白く発光させ、
振り下ろした手刀から一直線の光を飛ばしている。
原作では、
ペルギウスが右手を上げると、
手全体が徐々に白く染まり、
やがて周囲を埋めるほど眩しく発光する。
そこで「甲龍手刀『一断』」と技名を告げ、
振り下ろした光がそのままアトーフェを貫いていく。
アニメだけ見ると、
突然出てきた白い手刀の必殺技に見えやすい。
しかし実際には、
一断だけを単発で撃って勝ったわけではない。
その直前まで、
ルーデウスたちがアトーフェを足止めし、
さらにペルギウス自身が前龍門・後龍門を展開している。
そこがこの技を見るうえで一番重要。
アトーフェは不死魔族。
腕を失っても平然と動く。
第9話から第10話へ続く戦いでも、
ザノバに腕を掴まれた際には、
自分の腕を自分で切り落として拘束から抜けている。
普通の致命傷では止まらない。
ルーデウスもそこを理解している。
岩砲弾で吹き飛ばすだけでは足りない。
だから電撃を使い、
一瞬でも身体を麻痺させる。
その隙にザノバが顔面へ拳を叩き込み、
城壁ごと外へ飛ばす。
それでもアトーフェは死なず、
翼で追跡して再びルーデウスたちの前へ現れる。
つまり一断が使われる時点で、
相手はすでに何度も攻撃を受けている。
それでも立つのがアトーフェ。
だからペルギウスは、
単純にさらに強い攻撃を重ねるのではなく、
先に「戦える状態そのもの」を崩す。
その最後に置かれたのが甲龍手刀「一断」になる。
一断は、
ペルギウスの攻撃力を見せるだけの技ではない。
不死魔王のような、
倒しても立つ相手へどう決着を付けるか。
その答えの最後に使われる技。
前龍門・後龍門と切り離すより、
一連の戦法として見る方が本来の強さが分かりやすい。
「一断だけでアトーフェを瞬殺した」と見ると戦いの流れを見誤る
第10話でペルギウスが圧倒的に見えるのは確か。
アトーフェ本人も、
ペルギウスが現れた瞬間から明らかに反応が変わる。
それまでルーデウスたちを追い詰めていた不死魔王が、
今度はペルギウスを警戒する側へ回る。
ここだけでも両者の長い因縁が感じられる。
ただし、
一断を「何でも一撃で倒す技」と考えるのは少し違う。
ペルギウスは先に長い召喚詠唱を行い、
アトーフェたちを挟むように二つの門を出す。
一方は白銀色。
もう一方は黄金色。
そこから前龍門・後龍門を開く。
すると、
アトーフェだけでなくムーアまで動けなくなる。
ルーデウス自身も、
身体表面から魔力が剥がされるような感覚を受ける。
以前オルステッドが前龍門を使った時よりも、
さらに速く魔力と体力が吸われていく。
それほど強い吸収状態が広範囲で起きている。
アトーフェも、
脚を震わせながらペルギウスを睨む。
身体が少し小さく見えるほど、
闘気まで削がれた可能性が示されている。
親衛隊長ムーアも這うことすら難しくなる。
つまり一断が入る直前、
相手側はすでにまともに戦える状態ではない。
そこへペルギウスが歩み寄る。
右手を白く染める。
アトーフェは盟約を持ち出して止めようとする。
それでもペルギウスは退かない。
そして一断。
この順番があるからこそ、
白い手刀が決定打として通る。
第1期第21話でも、
龍門そのものは一度出ている。
オルステッドがルーデウスの大魔術へ前龍門を使い、
集めた魔力を吸収して威力を落とした。
第3期ではペルギウスが、
同じ系統の術をもっと広く、
複数人を巻き込む形で使っている。
だから甲龍手刀「一断」を知るなら、
技名だけ覚えるより、
「龍門で弱体化してから最後に入れる」
と覚えた方が分かりやすい。
第10話のペルギウスは、
一発の火力でアトーフェを上回ったのではなく、
相手の長所を消してから決着技を通している。
第2章 第10話で「一断」はどんな流れで使われた?
一断の前に、ルーデウスとザノバが不死魔王を何度も止めようとしている
第10話の一断だけを切り取ると、
ペルギウスが登場して全部終わらせたように見える。
でも、その前の戦いはかなり激しい。
アトーフェは、
ただ頑丈なだけの魔族ではない。
圧倒的な生命力に加え、
北神流を身につけた実戦経験の塊でもある。
最初にアトーフェを捕まえたのはザノバ。
怪力で腕を掴み、
簡単には離さない。
アトーフェ自身も、
ザノバの硬さと力を見て感心する。
しかし次の瞬間、
掴まれている自分の腕を剣で切断。
普通なら戦闘不能になるような行動を、
脱出手段として平然と選ぶ。
そこでルーデウスが電撃を放つ。
感電死させるほどではなく、
一瞬の麻痺を狙った攻撃。
アトーフェは大剣を落とし、
身体をのけぞらせる。
その隙へザノバの拳が顔面に直撃。
アトーフェは壁を破壊して城外まで飛んでいく。
普通ならそこで終わる。
しかし相手は不死魔王。
「倒した」ではなく、
一時的に吹き飛ばしただけになる。
ルーデウス自身も、
死んだとは思っていない。
むしろ問題になるのは、
その後に親衛隊まで含めて囲まれること。
さらにアトーフェは翼で戻ってくる。
黒鎧の親衛隊も複数方向から追跡。
退路を塞ぐ。
アトーフェは改めて剣を抜き、
勝てば勇者。
負ければ傀儡。
そう宣言して決闘へ持ち込む。
この時点で、
ルーデウスは家へ帰れない可能性まで考えるほど追い詰められている。
ここで分かるのは、
一断以前にルーデウスたちが弱かったわけではないこと。
ザノバの怪力。
ルーデウスの電撃。
氷結。
岩砲弾。
複数人での足止め。
かなり多くの手段を使っている。
それでもアトーフェは止まり切らない。
特に不死魔王の厄介さは、
「攻撃を受けても最終的に戻ってくる」ところ。
腕を切られても。
顔面を潰されても。
城壁の外へ飛ばされても。
時間が経てばまた戦える。
普通の強敵と同じ勝ち方では、
永遠に消耗戦が続く。
だからペルギウス登場後の戦いは、
単に助っ人が強かったという話ではない。
それまでルーデウスたちが、
力で止めようとして止め切れなかった相手へ、
別の勝ち方を持ち込んだ場面になる。
前龍門・後龍門でアトーフェの力を落とし、最後に一断へつなげる
ペルギウスが現れると、
戦場の空気が変わる。
アトーフェは、
先ほどまでの勢いのまま突っ込まない。
ペルギウスの名を知っている。
昔から何度も関わってきた相手だからこそ、
彼が何をしてくるか警戒している。
ペルギウスはすぐ一断を使わない。
まず召喚詠唱へ入る。
周囲の魔力が集まり、
アトーフェの左右へ二つの龍門が現れる。
白銀色の門。
黄金色の門。
その二つで、
敵味方ごと戦場を挟み込む。
そこで後龍門と前龍門を開く。
門と門の間に、
目に見えない流れが生まれる。
ルーデウス自身も、
身体から魔力を吸い出される。
親衛隊のムーアは倒れる。
アトーフェも脚を震わせる。
闘気まで削られたように身体が小さく見える。
ここで第1期第21話が効いてくる。
オルステッドは、
ルーデウスが最後に放とうとした大規模魔術へ前龍門を使用。
魔力を吸収して威力を落とした。
ルーデウスにとって龍門は、
すでに「魔力を奪う龍族の術」として一度経験している。
第10話では、それがアトーフェ攻略へ転用される。
しかも今回は、
一枚の前龍門だけではない。
前後二つの門を同時に使う。
その間にいる者から、
魔力だけでなく体力まで持っていく。
アトーフェの最大の強みである、
長時間戦い続けられる身体そのものを弱らせる。
ここまで準備してから、
ようやくペルギウスは右手を上げる。
白く染まる手。
広がる光。
アトーフェは怒鳴る。
それでも動けない。
そこで「甲龍手刀『一断』」。
振り下ろされた手刀から白い光が飛び、
アトーフェを一直線に通り抜ける。
この流れを見ると、
一断の役割はかなり明確。
最初から使う大技ではない。
弱らせた相手へ、
最後に決着を付ける技になる。
だから第10話の本当の怖さは、
一断の威力だけではない。
ペルギウスが、
アトーフェの不死と闘気を知ったうえで、
効く順番に技を並べているところにある。
ルーデウスたちは、
その場で使える力を総動員して耐えた。
ペルギウスは、
相手を知っているから勝てる形を作った。
その違いが最も分かりやすく出た最後の一撃が、
甲龍手刀「一断」だった。
第3章 前龍門・後龍門と甲龍手刀「一断」はどうつながっている?
二つの龍門でアトーフェから魔力・体力・闘気を奪い、まず「戦える状態」を崩している
甲龍手刀「一断」は、前龍門・後龍門と切り離して見ると強さを誤解しやすい。
第10話でペルギウスが最初にしたのは、
白く光る手刀を振ることではない。
アトーフェと黒鎧の親衛隊をまとめて挟むように、
白銀色と黄金色の二つの龍門を展開することだった。
この龍門は、ただ壁を作る術ではない。
前龍門は相手側から流れてくる魔力を吸収する。
第1期第21話「ターニングポイント2」では、
オルステッドがルーデウスの高火力魔術に対して前龍門を開き、
発動直前の魔力を一気に吸い取って爆発規模を小さくしている。
ルーデウスの魔力が大きすぎて門そのものが割れるほどだった。
第10話では、その前龍門に後龍門まで加わる。
二つの門の間にいる者から、
魔力だけでなく体力まで急速に奪っていく。
ルーデウス自身も巻き込まれ、
身体表面から何かが剥がされるような感覚を覚える。
黒鎧の兵士たちは立っていられなくなり、
親衛隊長ムーアまでまともに動けなくなる。
アトーフェも例外ではない。
彼女の強さは、
初代北神カールマンから受け継いだ北神流と、
極端に高い耐久力、
そして何度倒しても戻る不死性にある。
原作でも「百戦錬磨の経験」「北神直伝の剣技」「不死の肉体」を持つ相手として扱われている。
だから真正面から火力勝負をすると長引く。
第9話から第10話でも、
ザノバに腕を掴まれれば自分で腕を切る。
切断された腕は肉塊になって戻る。
電撃で麻痺しても回復する。
壁の外まで吹き飛ばされても、
再び翼で追ってくる。
致命傷そのものが決着にならない。
そこでペルギウスは、
再生する肉体をさらに壊すのではなく、
再生や戦闘に使う側の力を削る。
アトーフェの脚が震える。
身体が縮んだように見える。
闘気まで落ちたのではないかと感じるほど、
戦える状態そのものが崩れていく。
ここまで弱らせてから、ようやく一断へ入る。
つまり、
前龍門・後龍門は前座ではない。
一断を通すための準備そのもの。
不死魔王を倒すには、
「傷を増やす」より「動けない状態へ持っていく」方が効く。
ペルギウスはそこを知ったうえで、
龍門を先に使っている。
龍門で動きを止めた後に一断を入れるから、甲龍王の戦法として完成する
アトーフェが龍門で弱り切ったところで、
ペルギウスはようやく距離を詰める。
ここでも急いで攻撃しない。
動けないアトーフェの前まで歩いていき、
右手を持ち上げる。
その手が徐々に白く染まり、
周囲まで照らすほど強い光を帯びていく。
アトーフェはそこで、
昔の盟約を持ち出して止めようとする。
完全に余裕を失っている。
少し前までルーデウスたちへ、
「四人全員で掛かってくるがいい」と構えていた人物が、
今度はペルギウスへ言葉で制止をかける側へ回る。
この反応だけでも、龍門がどれほど効いているか分かる。
そして振り下ろされるのが、
甲龍手刀「一断」。
名前の通り、
剣ではなく手刀で放つ。
ただし実際に切るのは手の接触部分だけではない。
白く発光した右手から、
斬撃のような光が走り、
アトーフェの身体へ通っていく。
この順番を見ると、
一断はペルギウスの戦い方の最後の一枚。
ルーデウスのように、
大威力の岩砲弾を何発も撃ち込む型ではない。
ザノバのように、
肉体そのものの怪力で押し切る型でもない。
まず相手を削り、
逃げ場と力を奪い、
確実に通るところまで持っていく。
第1期第21話のオルステッドも、
前龍門でルーデウスの魔術を消してから接近した。
相手の最も強い手段を一つ潰し、
その後に自分の得意な距離へ入る。
龍族系の戦い方には、
「相手が強いまま殴り合わない」という特徴が見える。
ペルギウスはさらに、
二つの龍門と甲龍手刀を組み合わせる。
だから第10話の戦闘は、
一断という技一発の威力より、
どの順番で使ったかを見る方が重要。
相手の再生力。
闘気。
魔力。
体力。
それらを先に崩してから白い手刀へつなぐ。
甲龍手刀「一断」が強く見えるのは当然。
でも本当に怖いのは、
ペルギウスがその技を「効く場面まで待って使っている」こと。
龍門と一断は別々の技ではあっても、
アトーフェ戦では一つの完成した攻略手順として働いている。
第4章 甲龍手刀「一断」はどれくらい強い?
不死魔王アトーフェを戦闘不能へ持ち込むだけの威力はある
甲龍手刀「一断」が高威力なのは間違いない。
相手は普通の魔族ではない。
不死魔王アトーフェラトーフェ。
第二次人魔大戦の頃から名を残し、
ラプラス戦役にも参加し、
初代北神カールマンの剣術まで身につけた古参の魔王になる。
しかも不死性が非常に厄介。
第10話直前では、
切断した腕そのものが肉塊へ変わり、
本人の身体へ戻って再び腕を形成している。
後の原作でも、
「どれだけ致命傷を負っても死なず、最後には立ち上がる」
ことがアトーフェ最大の怖さとして描かれる。
普通の必殺技一発では終わりにくい相手になる。
そのアトーフェへ一断を通し、
戦いをその場で終わらせている。
少なくとも、
通常の斬撃や打撃より一段上の決着力を持つ技と見ていい。
右手を白く発光させる描写も、
単なる身体能力による手刀ではなく、
龍族系の術を伴った特殊な攻撃であることを強く感じさせる。
ただし、
アトーフェが一断だけで完全に倒れたと考えると過大評価になる。
その前には、
ルーデウスの電撃が入っている。
ザノバの拳も入っている。
そして最も大きいのが、
前龍門・後龍門による強烈な弱体化。
一断を受ける直前のアトーフェは、
本来の状態からかなり落ちている。
ここは強さ比較でも大事。
たとえば、
完全な状態のアトーフェへ最初から一断だけを放った場合、
同じように決まるかは作中から断定できない。
そもそもペルギウス自身が、
そういう使い方をしていない。
先に龍門を開き、
相手が動けなくなるまで待ってから使っている。
だから一断の評価は、
「不死魔王を一撃で消滅させる万能技」
ではなく、
「弱体化した強敵へ確実に決着を付けられる高威力の手刀」
くらいが実態に近い。
技の強さと、
それを通すペルギウスの戦術を分けて見る必要がある。
強いのは一断だけではなく、相手に一断を受けさせるところまで持っていけること
ペルギウスの怖さは、
必殺技を一つ持っていることではない。
一断を避けられる相手なら、
先に動きを止める。
魔術を使う相手なら、
龍門で魔力を削る。
多数を相手にするなら、
十二の使い魔を動かす。
戦場そのものを、自分が有利な形へ変えていく。
第10話のアトーフェも、
最初から無抵抗だったわけではない。
ルーデウスの電撃とザノバの怪力を一度経験した後は、
二人をはっきり警戒している。
「今度は不覚は取らん」と言い、
ザノバとルーデウスを交互に見る。
一度見た攻撃へ対応するだけの学習力も持っている。
だから同じ攻撃を繰り返すだけでは通りにくくなる。
原作後半でも、
アトーフェは不死性だけでなく、
相手の武器や仲間を含めた総合力を認める人物として描かれる。
倒しても立つ。
次は対策する。
長引けば長引くほど厄介になる。
短時間で戦える条件を奪う方が有効になる。
ペルギウスはそこへ、
アトーフェが正面から殴り合うだけでは処理しにくい龍門を使う。
力比べをしない。
不死性と再生力の真っ向勝負もしない。
体力と魔力を抜く。
闘気を落とす。
動けなくする。
最後に一断。
この順番自体が攻略になっている。
これはルーデウスとオルステッドの第1期第21話にも少し通じる。
ルーデウスは巨大な魔力を込めた魔術で勝負しようとする。
オルステッドは前龍門を出す。
魔力を吸う。
爆発を小さくする。
そこから接近して、
ルーデウスの得意距離そのものを消してしまう。
第10話のペルギウスも、
同じ龍門系統の術を使いながら、
アトーフェ用の勝ち筋へ組み替えている。
前龍門一枚ではなく二つの門。
魔力だけでなく体力まで落とす。
最後は甲龍手刀。
相手に合わせて技を組み合わせるところが、
長く生きてきた甲龍王らしい。
だから甲龍手刀「一断」の強さを語る時、
威力だけで順位を付けるのは少し違う。
一断単独の火力以上に、
「この技を避けられない状態まで持っていく能力」
がペルギウスの強さになる。
アトーフェを圧倒したのは白い手刀一発ではなく、
その一発を最後に置けるだけの手札と経験だった。
第5章 アトーフェは「一断」で死んだのか?
一断は戦闘を終わらせたが、不死魔王アトーフェを完全消滅させたわけではない
第10話で甲龍手刀「一断」を受けたアトーフェは、
その場で完全に戦闘不能へ追い込まれる。
白く発光したペルギウスの右手が振り下ろされ、
斬撃のような光がアトーフェの身体を通る。
直前まで怒鳴り続けていた不死魔王が、
ようやくルーデウスたちを追えなくなるほど決定的な一撃になる。
ただし、ここでアトーフェが完全に死んだわけではない。
そもそも彼女は不死魔族。
第10話までの戦闘だけでも、
腕を切り落としてザノバの拘束から逃れる。
切断された身体が再びつながる。
城壁の外まで吹き飛ばされても戻ってくる。
通常の人間なら戦闘不能になる損傷が、そのまま死へつながらない。
この性質は、
一断を受けた場面を理解するうえでも重要。
ペルギウス自身も、
「アトーフェをここで完全に殺せる」と考えて攻撃したわけではない。
実際、アトーフェ側も一断を受ける直前、
初代北神カールマンとの盟約を持ち出してペルギウスを止めようとしている。
二人の間には、互いに殺し合わない約束が残っているからだ。
アトーフェは、
ペルギウスが右手を白く光らせ始めた瞬間に顔色を変える。
「カールとの盟約はどうした」と怒鳴る。
それまでルーデウスたちへ向けていた圧力とは違い、
明らかに一断を知っている相手として反応している。
つまり彼女にとっても、
受ければ無傷では済まない技だと分かっている。
一方のペルギウスは、
カールマンとの約束を破るつもりはないと返す。
ここが少し特殊。
殺し合いは禁じられている。
しかし、
弱り切ったアトーフェへ一方的に攻撃することまで禁じられているとは考えていない。
この屁理屈によって、一断を容赦なく叩き込む。
つまり第10話の決着は、
「一断で不死魔王を殺した」のではない。
龍門で動けないほど弱らせる。
一断で大きな損傷を与える。
その場の戦闘を完全に終わらせる。
これが実際の位置づけになる。
不死性を消したわけではなく、戦える状態から落とした。
ルーデウスたちが苦戦していた相手を、
短時間でそこまで持っていったこと自体は十分に異常。
ただし一断を、
不死魔族すら存在ごと消せる技と見る必要はない。
第10話で示されたのは、
不死魔王を「死なせる技」より、
不死でも動けないところまで追い込める決着力だった。
初代北神カールマンとの盟約があるから、ペルギウスも「殺す」方向には進まない
ペルギウスとアトーフェの間にある盟約は、
第10話のやり取りだけでは少し分かりにくい。
二人をつないでいるのが、
初代北神カールマン・ライバック。
ペルギウスにとってカールマンは、
ラプラス戦役を共に戦った仲間であり、
アトーフェにとっては後に夫となった人物になる。
ラプラス戦役の後、
カールマンはアトーフェを倒し、
やがて二人は夫婦になる。
問題は、
ペルギウスとアトーフェが以前から非常に仲が悪かったこと。
そのまま放っておけば、
カールマンの妻と親友が殺し合う状態になる。
そこでカールマンは、両者へ殺し合いを禁じた。
この約束が、
第10話でもまだ効いている。
アトーフェが「盟約はどうした」と怒鳴ったのは、
単なる命乞いではない。
昔から存在する約束を盾に、
ペルギウスへ攻撃を止めさせようとしている。
そしてペルギウスも、その約束自体を否定していない。
しかし後にルーデウスが、
「あの約束は守らなくてもよかったのか」と尋ねると、
ペルギウスはかなり独特な答えを返す。
カールマンが禁じたのは「殺し合い」。
今回のように、
相手がまともに動けない状態で一方的に殴るなら、
殺し合いには当たらないという考え方になる。
この返答からも、
ペルギウスが第10話で何をしたかったのかが見える。
アトーフェを完全に殺すことではない。
昔から積もっていた恨みを、
約束を破らない範囲で思い切り返す。
だから一断も、
戦闘技であると同時に、
四百年越しの意趣返しとして使われている。
第10話でペルギウスが妙に楽しそうなのも、
この過去を知ると印象が変わる。
普段は尊大でも落ち着いた態度を崩しにくい人物。
ナナホシの病気へも冷静に対応し、
ルーデウスたちへ必要な助言を出す。
そのペルギウスが、
アトーフェを前にすると明らかに感情を出している。
甲龍手刀「一断」は、
単なる龍族の必殺技ではない。
不死魔王を止める決着技。
カールマンとの盟約を破らない範囲で放った攻撃。
そして昔何度も自分を追い詰めた相手へ返す、
長い因縁の最後の一撃でもあった。
第6章 ペルギウスはなぜアトーフェへの一断をあれほど楽しんでいた?
約400年前は逆で、若いペルギウスの方がアトーフェに何度も殺されかけていた
第10話だけ見ると、
ペルギウスとアトーフェの力関係は一方的に見える。
アトーフェが龍門で膝をつく。
ペルギウスはその姿を見下ろす。
最後には一断まで入れる。
まるで昔からペルギウスの方が格上だったように見えるが、
実際の過去はかなり逆だった。
およそ四百年前。
ラプラス戦役の頃、
ペルギウスはまだ若い冒険者として人族側へ参加していた。
すでに「甲龍王」として完成していた現在とは違い、
戦闘経験も少ない。
一方のアトーフェは、
魔族側の将軍として最前線に立っていた。
戦場では、
二人が何度も直接ぶつかる。
しかし若いペルギウスは、
アトーフェに勝てない。
一度だけ負けたのではなく、
何度も殺されかけている。
そのたびに助けに入ったのが、
兄貴分だった龍神ウルペンと北神カールマンだった。
想像すると、
第10話とは完全に逆。
現在なら、
アトーフェの弱点を知っている。
龍門を使える。
十二の使い魔もいる。
相手がどう動くかまで読める。
しかし当時のペルギウスは、
不死魔王の力と経験へ真正面から押されていた。
アトーフェは第二次人魔大戦の頃から戦場を知る古参。
多少の傷では止まらない。
北神流との相性もいい。
攻撃を受けても前へ出る。
不死だからこそ、
普通の戦士なら避ける危険な攻撃まで選べる。
若いペルギウスにとっては、
非常に戦いにくい相手だった。
何度挑んでも勝てない。
殺されそうになる。
ウルペンが救う。
カールマンが助ける。
それでも次の戦場ではまたアトーフェとぶつかる。
ペルギウスはそのたび、
いつか仕返ししてやろうという思いを強くしていった。
だから第10話で、
龍門の中にアトーフェが捕まった時の表情が違う。
これは単なる敵を捕まえた場面ではない。
四百年前、
何度も自分を殺しかけた相手が、
今度は自分の前で脚を震わせている。
ペルギウスにとっては、
長く待ち続けた立場逆転の瞬間になる。
ウルペンとカールマンに助けられた若者が、今度は自分の術でアトーフェを封じる側へ回った
ペルギウスの若い頃を知る材料は、
物語のかなり早い段階から出ている。
幼少期のルーデウスが読んだ「ペルギウスの伝説」では、
若いペルギウスが龍神ウルペンに連れられ、
冒険者ギルドへ現れたことが語られている。
最初から完成された英雄だったわけではない。
そこからウルペン。
北神カールマン。
双帝ミグスとグミス。
強者たちと共に戦い、
実戦を積んでいく。
召喚魔術を磨く。
十二の使い魔を作り上げる。
古代の空中城塞ケイオスブレイカーまで復活させ、
最終的にはラプラス討伐へ参加する。
つまり現在のペルギウスの強さは、
生まれた時から完成していたものではない。
アトーフェに勝てなかった時期がある。
ウルペンに助けられた。
カールマンに助けられた。
そこから四百年近い時間をかけて、
現在の甲龍王へ到達している。
第10話では、
その成長がアトーフェ戦という形でそのまま返ってくる。
昔は不死性と北神流に苦しめられた。
現在は、
相手が何を持っているか知っている。
正面から同じ土俵へ乗らない。
前龍門と後龍門で弱体化。
最後は一断。
若い頃にはできなかった勝ち方を選んでいる。
アトーフェ本人も、
それを分かっているからこそペルギウスを嫌っている。
第10話では、
ペルギウスが「カールとは親友だった」と口にすると、
アトーフェは自分はお前が嫌いだと真正面から返す。
ペルギウスも、
話の通じない愚か者は自分も嫌いだと返答。
四百年経っても関係は改善していない。
その直後に龍門。
アトーフェが動けなくなる。
ペルギウスが近づく。
右手が白く染まる。
アトーフェは盟約を持ち出す。
それでも一断が落ちる。
昔の二人を知ると、
この一連の場面は単なる必殺技披露ではなくなる。
しかも戦闘後、
ペルギウスはルーデウスへ感謝までしている。
自分から魔大陸へ出向くこともなく、
カールマンとの盟約もあるため、
アトーフェへ意趣返しできる機会を半ば諦めていた。
ところがルーデウスたちの騒動によって、
弱ったアトーフェを一方的に殴れる状況が偶然出来上がった。
第10話の一断が妙に容赦なく見えるのは、
四百年間の積み重ねがあるから。
昔は殺されかける側。
現在は龍門で封じる側。
昔はウルペンやカールマンに救われる。
現在はルーデウスたちを救う。
甲龍手刀「一断」は、
ペルギウスの技であると同時に、
四百年前から続いた力関係が逆転したことを見せる一撃にもなっている。
第7章 甲龍手刀「一断」から見えるペルギウスの本当の強さ
ペルギウスは大火力一発型ではなく、相手を崩してから決着する甲龍王
甲龍手刀「一断」だけを見ると、
ペルギウスは白い手刀で強敵を一撃で倒す人物に見える。
しかしアトーフェ戦を最初から追うと、
実際の強さはそこではない。
相手の性質を見抜く。
有効な術を選ぶ。
戦える条件を奪う。
その最後に一断を置いている。
第10話で相手にしたアトーフェは、
不死性だけでも厄介なのに、
北神流まで身につけた古参の魔王。
ザノバに腕を掴まれれば、
自分で腕を切断して逃げる。
ルーデウスの電撃を一度受ければ、
次からは警戒する。
攻撃されても学習し、
普通の致命傷では止まらない。
そこでペルギウスは、
ルーデウスたちと同じ方法を繰り返さない。
もっと強い岩砲弾を撃つわけでもない。
ザノバより強く殴るわけでもない。
前龍門と後龍門を出し、
まず魔力・体力・闘気を落とす。
相手が本来の強さを出せなくなったところへ、
甲龍手刀「一断」を通す。
この戦い方は、
第1期第21話でオルステッドが見せた前龍門とも重なる。
ルーデウスは追い詰められながら、
最後に大規模な火力魔術を放とうとする。
オルステッドは正面から受けず、
前龍門で魔力を吸収。
威力を落としてから接近する。
龍族系の強者は、
相手の得意技をそのまま受ける必要がない。
ペルギウスは、
その考え方をさらに自分用へ広げている。
龍門。
召喚魔術。
十二の使い魔。
転移関係の知識。
空中城塞ケイオスブレイカー。
そして本人の甲龍手刀。
戦える手段が一種類ではない。
だから相手によって、
勝ち方そのものを変えられる。
アトーフェのように再生する相手なら、
再生力との根比べをしない。
魔術師なら龍門で魔力を削る。
複数の敵がいるなら使い魔を動かす。
遠方なら転移や召喚を使う。
真正面から殴るしかない人物と違い、
戦場の条件を自分に有利な方向へ持っていける。
第10話の一断は、
その戦い方の最後に見せた一枚。
だから一断だけを見て、
「ペルギウスの最強技だから勝った」
と考えるより、
「一断が通る状況まで作ったから勝った」
と見る方が正確。
技の威力より、
その技を確実に使える状態へ持っていく方が難しい。
約四百年前には、
その判断も経験も十分ではなかった。
アトーフェへ何度も追い詰められ、
ウルペンやカールマンに救われる。
現在では逆に、
アトーフェの性質を把握し、
弱点を突き、
ルーデウスたちを救う側へ回る。
一断は、四百年分の成長が最も分かりやすく出た技でもある。
一断・龍門・十二の使い魔まで含めて初めて「ペルギウスの戦力」になる
ペルギウスの強さを測る時、
一断だけを他の必殺技と比べてもあまり答えにならない。
ルーデウスなら魔力量。
エリスなら剣速と殺傷力。
ザノバなら怪力と硬さ。
オルステッドなら圧倒的な総合力。
それぞれ分かりやすい強みがある。
ペルギウスは、複数の手札を一緒に使うタイプになる。
その代表が十二の使い魔。
アルマンフィは高速移動と索敵。
シルヴァリルは側近として護衛や城内管理。
他の使い魔も、
それぞれ異なる役割を持っている。
ペルギウス本人が全てを直接行わなくても、
一つの陣営として動ける。
さらにケイオスブレイカーがある。
空中城塞そのものを拠点にし、
地上とは別の場所から行動できる。
ナナホシを保護する。
アリエルを迎える。
ルーデウスたちへ召喚術や転移に関する知識を与える。
戦闘だけではなく、
情報と移動の面でも他の人物より大きな手札を持っている。
第3期では、
ナナホシの病気でもこの強みが見える。
病名が分からない。
普通の治療魔術でも治せない。
そこでペルギウスは、
過去の知識や魔族側の情報へつながる道を探す。
最終的にはキシリカやアトーフェへ話が広がる。
腕力だけなら、
こういう問題には何の役にも立たない。
一断も同じ。
単独で見るより、
ペルギウスが持つ手札の一つとして見る方が強さが分かる。
龍門で削る。
使い魔で状況を見る。
必要なら召喚する。
本人が前へ出る。
そして決着できるところで一断を放つ。
全部を組み合わせて初めて、
甲龍王としての戦力が完成する。
だから七大列強に名前がないからといって、
単純に弱いとは言えない。
順位表に入っていなくても、
ラプラス戦役を生き残り、
約四百年後の現在まで力と知識を積み上げている。
アトーフェのような古参の魔王を、
性質まで理解したうえで封じられる。
これは順位だけでは測りにくい強さになる。
一方で、
龍神オルステッドのような別格と同じだとも言い切れない。
オルステッドは本人一人でも、
極端に高い身体能力。
膨大な技術。
龍門。
神級剣士への対応。
魔術への対策。
ほぼ全てを高水準で持っている。
ペルギウスは、
そこまで単独万能ではない。
だから第10話の一断は、
ペルギウスを「最強」と証明した技ではない。
もっと具体的に、
彼がどんな強者なのかを見せた技になる。
昔負けた相手を知る。
四百年後に有効な術を選ぶ。
龍門で弱らせる。
盟約の範囲まで把握する。
最後に一断を通す。
甲龍手刀「一断」が印象に残るのは、
白い光が派手だからだけではない。
そこへ至るまでの全部が、
ペルギウスという人物の戦い方を表しているから。
一断は必殺技であり、
同時に「力任せではなく、勝てる状態を作ってから仕留める甲龍王」の象徴でもある。
無職転生Ⅲまとめ
『無職転生Ⅲ』の記事を、第3期の放送範囲・ナナホシと転移事件・ペルギウスと空中城塞・未来ルーデウス・オルステッド・魔導鎧・エリスとの再会・ルーデウスの家族などに分けてまとめています。
ルーデウス、エリス、シルフィ、ロキシー、ナナホシ、ペルギウス、オルステッド、ゼニス、アリエル、クリフ、エリナリーゼなど、気になる人物や物語の謎はこちらから探せます。
あなたは映画やドラマを思いっきり楽しみたいですか?
- 「観たい映画があっても、配信サービスごとに探すのが面倒…」
- 「ドラマやアニメを楽しみたいけれど、作品数が少なくてすぐ見終わってしまう…」
- 「マンガや雑誌まで楽しみたいのに、別々に契約するのは大変…」
- 「せっかく登録しても、観たい作品が見つからないことがある…」
- 「休日に何を観るか迷って時間が終わってしまう…」
など、動画配信サービスを利用したいけれど、
自分に合ったサービス選びで悩んでいる方は多くいらっしゃいます。家族や友人に相談しても、
自分に合った作品が見つからず困ってしまうこともありますよね。そんな方に注目されている動画配信サービスが♪
●U-NEXT(ユーネクスト)の魅力
映画・ドラマ・アニメはもちろん、
マンガや雑誌などの電子書籍まで楽しめる
総合エンタメサービスです。幅広いジャンルの作品がそろっており、
話題作から定番作品まで楽しめるため、
さまざまなエンタメをまとめて楽しみたい方に人気があります。さらに、
ライブ配信やスポーツ中継、
韓流ドラマや独占配信作品なども充実しているのが特徴です♪作品数やジャンルの幅広さが魅力のサービスとして、
多くのユーザーに利用されています。31日間無料トライアルを実施しています♪
まずは実際に使ってみて、
自分に合った作品を探してみるのも楽しいと思います。幅広い作品を楽しみたい人には、
使いやすい動画配信サービスですよ♪
●さらに便利なポイントも!
スマホ・タブレット・テレビなど、
さまざまな端末で視聴できるため、
外出先や自宅など、好きな場所で楽しめます♪さらに、
独占配信作品やライブ配信も多数あるため、
いろいろなジャンルを楽しみたい方にも向いています。エンタメ好きの方は、
ぜひチェックしてみてください♪



コメント