サクヤのギアスは、声を相手の聴覚へ届けて命令を通す力で、目を合わせる必要がない代わりに「本人の声が相手へ届くこと」が大きな条件になります。
第8話のクリストフの実験から、聴覚を遮れば防御できることが見え、逆に通信機器を通した声でも条件次第では届くため、サクヤは離れた相手にも命令を通せます。
ルルーシュが相手の目を通して命令を入れるのに対し、サクヤは耳と声が入口になるため、強いのは射線を問わない点、弱いのは声そのものを遮断されると届かない点にあります。
第1章 サクヤのギアスはどんな能力?声で相手へ命令を通す力
目を合わせる必要はなく、サクヤの声が相手へ届くことで命令が通る
サクヤが持つギアスは、
自分の声を聞いた相手へ命令を通す力になる。
第1話からロゼとして動いていたサクヤは、
戦闘だけで突破出来ない場所へ入る時、
この力を使ってネオ・ブリタニア側の人間を従わせている。
ルルーシュのように、
相手と目を合わせることが中心ではない。
サクヤの場合は、
「声を聞かせること」が入口になる。
相手がこちらを見ていなくても、
命令が耳へ届けば使える。
顔を正面から見せる必要がないため、
敵地へ潜入しているサクヤとはかなり相性が良い。
ロゼとして男装したままでも、
声を届ける機会さえ作れば相手へ命令出来る。
第1話では、
ナナシの傭兵としてアッシュと行動しながら、
表ではロゼという少年を演じている。
その一方で、
必要な場面になると皇サクヤとしての声を使い、
敵兵へギアスをかける。
アッシュがZi-アポロで正面の敵を引き受け、
サクヤは内部から人を動かす。
二人の戦い方は最初から大きく違っている。
第2話「氷壁」のアバシリ強制収容所でも、
この力が重要になる。
外ではアッシュとアーノルドがKMFで激突する。
その間、
ロゼは施設内部へ入り込み、
収容所側の人間へ接触する。
銃撃で全員を倒すより、
ギアスで命令を通した方が早く施設を動かせる。
ここで分かるのは、
サクヤのギアスが単なる戦闘用の力ではないことになる。
門を開けさせる。
敵の行動を止める。
こちらの指示へ従わせる。
人間そのものを動かせるため、
警備が厚い場所ほど力を発揮する。
さらに、
命令を受けた相手は
「嫌だから従わない」と簡単には抵抗出来ない。
一度ギアスが成立すると、
本人の普段の考えとは違う行動でも実行してしまう。
だからサクヤは、
自分より身体の大きな兵士や、
武器を持った相手にも命令を通せる。
アッシュへかけたギアスは、
この力の強さが特に分かりやすい。
サクヤは父・皇重護を殺した男だと誤解していたアッシュへ、
自分を最も大切な存在として扱わせるギアスを使った。
その結果、
アッシュはロゼを弟として守り、
第1話から兄として行動し続ける。
危険になればアッシュが前へ出る。
ロゼが作戦を立てれば、
アッシュは疑わず戦場で実行する。
第7話で本当の弟ニコルがいたことが明らかになるまで、
アッシュ自身もこの兄弟関係を疑っていない。
短い命令だけではなく、
その後の行動へ長く影響を残せることも分かる。
ただし、
何でも無条件で通る力ではない。
第8話「銀兎」でクリストフがサクヤを捕らえたことで、
それまで実戦の中でしか見えなかった条件が、
かなり具体的に調べられることになる。
第8話で分かった最大の弱点は「相手に声を聞かせられなければ使えない」こと
第8話では、
サクヤはクリストフに拘束される。
自由に動けない。
アッシュも近くにいない。
さらにクリストフは、
サクヤがギアス能力者だと知った上で接しているため、
不用意に声を聞こうとしない。
ここが、
それまでの敵との大きな違いになる。
サクヤのギアスを知らない相手なら、
普通に会話を始めてしまう。
声を聞いた瞬間、
命令を入れられる可能性がある。
しかしクリストフは、
最初から「声が危険」と理解している。
そのため、
サクヤが口を開けば勝ちという状況にならない。
声を届けさせない。
聞く側にも対策を取る。
第8話では、
クリストフが囚人まで使って、
ギアスがどんな条件で成立するのかを確認していく。
ここで見えてくるのが、
サクヤの強さと弱さが同じ場所にあることになる。
声なら、
視線より広い場面で使える。
相手の正面へ立たなくていい。
しかし、
音そのものを遮られると命令を届けられない。
だから耳を塞ぐことは、
かなり直接的な対策になる。
サクヤの顔を見ても問題はない。
目が合っても、
それだけで命令が成立するわけではない。
危険なのは、
サクヤの声を聴覚へ入れることになる。
これは第1話からの使い方を見ると分かりやすい。
サクヤは、
必ず相手へ言葉を投げる。
黙ったまま相手を操ることは出来ない。
視線だけで命令することも出来ない。
声が武器だからこそ、
声を封じられると一気に不利になる。
第8話でクリストフが怖いのも、
この弱点を最初から知ろうとしているからになる。
普通の敵はギアスへ驚く。
クリストフは違う。
驚く前に調べる。
どうすれば効くのか。
どうすれば防げるのか。
その条件を一つずつ確認する。
サクヤにとって、
第8話は自分の切り札を敵に知られる回でもある。
これまでは声を聞かせれば逆転出来た。
でも相手が能力を知れば、
耳を守られる。
口を封じられる。
声が届かない距離へ置かれる。
強力なギアスにも、
はっきりした対策が出来てしまう。
第2章 第8話でクリストフは何を実験した?囚人を使って声と聴覚の条件を確かめた
クリストフはサクヤを恐れて離れるのではなく、どこまでなら声を聞いても安全か調べ始めた
クリストフが厄介なのは、
サクヤのギアスを見て
「近づかない方がいい」
だけで終わらないところになる。
捕らえたサクヤを前にして、
その力を自分の研究材料として扱い始める。
第8話では、
囚人まで連れてきて実験を進める。
サクヤからすれば、
かなり嫌な状況になる。
自分の声で人を従わせられることは知られている。
しかも相手は、
その力を封じるだけではなく、
どういう仕組みで発動するのかまで調べようとしている。
今までサクヤ側だけが知っていた切り札が、
敵へ解かれていく。
クリストフが注目するのは、
サクヤの口元だけではない。
重要なのは、
命令を受ける側の耳になる。
サクヤが声を出しても、
相手の聴覚へ届かなければどうなるのか。
逆に、
直接近くで聞けばどうなるのか。
条件を変えながら確かめていく。
そこで、
ギアスが音を入口にしていることがはっきりしてくる。
相手がサクヤを見ているかどうかは中心ではない。
必要なのは、
サクヤ自身が命令を言葉にして、
相手がその声を聞くことになる。
だから視線を逸らすだけでは防げない。
逆に言えば、
聴覚を遮ればかなり強い防御になる。
耳を塞ぐ。
音を遮断する。
サクヤの声だけが相手へ届かない状態を作る。
そうすれば、
目の前にサクヤ本人がいても、
命令を入れられない。
第8話でクリストフがここまで調べることで、
第1話から何度も成功していたギアスの見え方も変わる。
それまでサクヤが簡単に敵を操れたのは、
敵側が能力を知らず、
普通に声を聞いてしまっていた部分も大きい。
能力が知られれば、
同じ使い方は難しくなる。
これは、
サクヤにとってかなり痛い。
相手を見なくても使える。
戦闘能力がなくても人を動かせる。
その強さがある一方、
「声を聞くな」と共有されるだけで警戒される。
ギアスの秘密を知られたことで、
切り札としての使いやすさが下がっていく。
「耳を塞げば防げる?」への答えはかなり明確だが、声が届く方法は一つとは限らない
第8話の実験から見ると、
「耳を塞げばサクヤのギアスを防げる?」
への答えはかなり分かりやすい。
サクヤの声が聴覚へ届かなければ、
命令を成立させにくい。
少なくとも、
視線だけで発動する力ではない。
ただし、
ここで注意したいのは
「サクヤと直接向かい合わなければ安全」
とは限らないことになる。
サクヤの能力で重要なのは距離より声。
つまり、
声を別の方法で届けられるなら、
遠く離れていても危険になる可能性がある。
過去回でも、
サクヤはロゼとして情報と通信を扱っている。
直接目の前へ出て戦うより、
別の場所から人を動かすことが多い。
この戦い方と、
声を入口にするギアスは非常に相性が良い。
本人が前線へ出なくても、
声を届ける経路を作ればいい。
そのため、
第8話で分かった弱点は
「近づかなければ効かない」ではない。
「声を遮断すれば効かない」が近い。
この違いはかなり大きい。
距離を取るだけなら、
通信という別の入口が残る可能性がある。
一方で、
録音した音声を流すだけでも同じように効くのかについては、
作中で何でも可能だと断定出来るだけの描写はない。
サクヤ本人が命令する。
その声が相手へ届く。
ここまでは確認出来る。
録音を大量に流せば誰でも操れる、
というところまでは慎重に見た方がいい。
つまり第8話でかなりはっきりしたのは、
サクヤのギアスが
「声を使って相手へ命令を届ける力」
だということ。
その声を聞かせれば強い。
聞かせられなければ使えない。
この分かりやすい強さと弱さが同居している。
だからクリストフの実験場面は、
単なる残酷な研究場面ではない。
第1話からサクヤが使ってきた力へ、
初めて明確な攻略法が見えた場面になる。
声をどう届けるか。
敵がどう遮るか。
ここからサクヤのギアスは、
「使えば勝てる力」ではなく、
条件を読み合う力へ変わっていく。
第3章 電話や通信機でもサクヤのギアスは効く?重要なのは「声が届くかどうか」
第1話からサクヤは、目ではなく自分の声を相手へ届かせて命令してきた
サクヤのギアスを考える時、
まず覚えておきたいのは発動する場所になる。
ルルーシュのように瞳へギアスの紋章が浮かぶのではなく、
サクヤの場合は喉元に紋章が現れる。
ロゼへ変装するための変声チョーカーを外し、
皇サクヤ本人の声で相手へ命令を出す。
第1話「雪解」で、
その使い方が最初にはっきり描かれる。
アッシュがZi-アポロでグラン・カークウェインを倒した後、
ロゼは兄のグリードと向き合う。
そこで黒髪の皇サクヤとして正体を現し、
日本人を傷つけてきたグリードへギアスを使う。
サクヤは、
これまで傷つけた人数を遥かに上回る日本人を救うよう求め、
それを拒むなら生きられない形の命令を出す。
グリードは笑って拒もうとするが、
ギアスへ逆らうことは出来ない。
第1話の時点で、
相手の意思より命令が上に来る強さが見えている。
第2話「氷壁」では、
アバシリ強制収容所への潜入でもギアスを使う。
外ではアッシュがZi-アポロ一機で敵部隊を引きつけ、
ロゼはその隙に施設内部へ入る。
公式あらすじでも、
ロゼがギアスを使って管制室を制圧し、
そのまま特別房へ向かったことが示されている。
ここでも重要なのは、
サクヤが相手の目を見つめ続ける必要がないことになる。
管制室の人間へ自分の声を届け、
命令を通す。
武器で一人ずつ倒すより速い。
敵側の設備や人員を、
そのまま自分の作戦へ組み込める。
さらにサクヤのギアスには、
周囲へ複数の人間がいる時でも、
名前を呼ぶことで命令する相手を絞れる特徴がある。
普通に命令すれば声が届く範囲へ影響する可能性があるため、
誰へ向けた命令なのかを言葉で指定する。
これも「声」が中心にある能力らしい部分になる。
だから、
「電話や通信機ならどうなる?」
という疑問が出るのは自然になる。
ここで確実に言えるのは、
サクヤと相手が直接向かい合うこと自体は必須ではないこと。
必要なのは、
命令するサクヤの声が相手の聴覚へ届くことになる。
ただし、
第8話までの描写だけで
「どんな電話や無線でも必ず発動する」
と決めてしまうのは早い。
通信機を通して遠距離の相手へギアスを成功させる場面が、
何度も明確に確認されているわけではないからになる。
ここは、
サクヤの能力を必要以上に広げない方が分かりやすい。
直接対面は必須ではない。
視線も中心ではない。
一方で、
本人の命令する声が相手へどう届くかは重要。
第8話の実験も、
まさにそこをクリストフが調べている。
通信越しでも可能性はあるが、「機械を通した声なら全部有効」とまでは決まっていない
第8話でクリストフが注目したのは、
サクヤの顔でも瞳でもない。
相手が声を聞くことだった。
自分自身も対策としてヘッドホンを使い、
サクヤの命令が耳へ入らないようにしている。
この行動だけでも、
どこを塞げば安全なのかがかなり分かりやすい。
終盤では、
クリストフのヘッドホンが外れる場面まである。
それまでサクヤの声を警戒していたクリストフが、
耳を守れなくなった瞬間、
サクヤはすぐギアスを使おうとする。
クリストフも、
命令を最後まで聞けば危険だと理解している。
だからクリストフは、
サクヤが命令を言い切る前に自ら命を絶つ。
ここは第8話でサクヤの弱点と強さが、
一つの場面へ同時に出ている。
声を遮られている間は何も出来ない。
しかし耳へ届き始めれば、
クリストフ自身が死を選ぶほど危険になる。
この描写から見ると、
通信機も単純に「距離が遠いから無効」とは言い切れない。
重要なのは、
音としてサクヤの命令が届くかどうか。
ただし機械を通した音声が、
直接の声と全く同じ条件で扱われるかについては、
第8話までで細部まで説明されていない。
そのため、
電話については
「絶対に効く」と断定するより、
「声が入口なので遠隔使用の余地はあるが、作中で細部までは確定していない」
と見るのが自然になる。
逆に、
確実な防ぎ方はかなり分かりやすい。
耳を塞ぐ。
遮音する。
ヘッドホンなどでサクヤ本人の声を入れない。
通信なら回線を切る。
サクヤの声が聴覚へ届く道を消せばいい。
第8話以前は、
相手がギアスを知らなかった。
話しかけられれば普通に聞く。
だからサクヤは、
敵地でも突然相手を従わせることが出来た。
第8話では初めて、
「声を聞かない」という明確な対策を取る敵が現れたことになる。
第4章 録音した声でもギアスは効く?作中で確認された範囲では断定出来ない
第1話から第8話まで、ギアスはすべてサクヤ本人がその場で命令する形で使われている
電話以上に気になるのが、
サクヤの声を録音した場合になる。
もし録音でもギアスが発動するなら、
一度だけ命令を吹き込んでおき、
後から何度でも再生出来ることになる。
かなり強い使い方になるため、
ここは気になるところになる。
ただし第8話までを見る限り、
録音された命令だけで誰かへギアスをかける場面は出ていない。
第1話のグリード。
第2話のアバシリ管制室。
アッシュへかけたギアス。
どれも、
サクヤ本人がその時に相手へ命令している。
発動する時には、
ロゼの声を作っている変声チョーカーを外す。
サクヤ本人の声へ戻る。
喉元へギアスの紋章が現れる。
そして、
相手へ向かって命令を言葉にする。
この一連の動きが毎回セットになっている。
だから、
ギアスがただ
「サクヤの声質を聞けば自動発動する力」
とは考えにくい。
もし声そのものだけに力が保存されるなら、
録音を大量に残すことが出来る。
サクヤ本人がいない場所でも、
録音を流すだけで兵士を従わせられることになる。
ところが、
実際のサクヤはそうしていない。
敵地へ自分で入り込む。
対象へ直接命令する。
危険を承知で声を聞かせる。
第8話で拘束された時も、
録音を利用して逆転するような方法は使われない。
クリストフの実験も同じになる。
サクヤ本人を拘束したまま、
日本人の囚人を連れてくる。
そして、
目の前でギアスを使わせようとする。
録音装置へ一度命令を吹き込ませ、
後で確認するような方法ではない。
ここを見ると、
クリストフ自身も
「サクヤ本人が発動して命令すること」
を重要な条件として扱っているように見える。
録音だけで同じ効果が出るなら、
わざわざサクヤ本人を毎回使わせる必要は薄くなる。
第8話で確定したのは「聴覚が入口」という部分で、録音まで有効とは描かれていない
第8話でかなり明確になったのは、
サクヤのギアスが相手の聴覚へ届く必要があること。
クリストフがヘッドホンを使う。
それが外れた途端に危険になる。
サクヤも、
声を聞ける状態になった瞬間を逃さず命令しようとする。
ここまでは、
場面そのものが答えになっている。
耳を守れば防げる。
声が直接入れば危険。
サクヤは瞳ではなく喉元にギアスの印が出る。
第1話から続いてきた使い方とも一致している。
ただし、
「耳から音が入れば何でもいい」
とまでは描かれていない。
録音。
編集された音声。
別人が真似した声。
そうした物でも発動するのかは、
第8話まででは確認出来ない。
だから録音については、
現時点では
「効くとも効かないとも作中で確定していない」
が一番安全になる。
少なくとも、
録音だけで発動した実例はない。
記事でもここを断定しない方が、
後から設定が追加されても残りやすい。
むしろ今までの描写から強く見えるのは、
サクヤ自身の意志と命令が必要だということになる。
グリードを前にする。
命令内容を決める。
声へ出す。
ギアスが発動する。
相手がその声を受け、
命令へ逆らえなくなる。
アッシュへ使った時も同じになる。
サクヤは、
自分を最も大切な存在として扱うよう本人へ命令した。
その結果、
アッシュはロゼを弟として守るようになる。
単なる音を聞かせたのではなく、
サクヤがアッシュへ何をさせるか決めている。
つまり、
第8話までで見えているサクヤのギアスは、
「声を録音してばら撒く力」ではない。
本人が命令する。
その声を相手へ聞かせる。
命令を受けた相手の行動を強制する。
この流れが基本になる。
電話や録音が気になるのも、
サクヤのギアスが声を使うからこそになる。
ただ、
作中で確定している線を越えて広げる必要はない。
確かなのは、
目を閉じても防げない。
耳を塞げば防げる。
サクヤ本人の声を聞くことが危険。
まずここを押さえるだけでも、
第8話のクリストフが何を恐れていたのかがかなり分かりやすくなる。
第5章 サクヤのギアスはルルーシュと何が違う?入口は「目」ではなく「声」
ルルーシュは視線、サクヤは聴覚へ命令を通す
サクヤのギアスを見ていると、
どうしてもルルーシュの絶対遵守を思い出す。
どちらも相手へ命令を下し、
一度成立すれば、
本人の意思だけでは簡単に逆らえない。
ただし、
発動までの入口はかなり違っている。
ルルーシュの場合は、
相手の目へギアスを通すことが重要になる。
だから『反逆のルルーシュ』では、
相手と視線を合わせる。
顔を向けさせる。
鏡や映像ではどうなるのか。
目を閉じれば防げるのか。
視線そのものが何度も勝負になってきた。
サクヤは逆になる。
第1話からギアスを使う時、
ロゼの声を作っている変声チョーカーを外す。
喉元へギアスの紋章が浮かぶ。
そして皇サクヤ本人の声で、
相手へ直接命令を言い渡す。
だから、
相手がサクヤを見ている必要はない。
背中を向けていても、
声を聞けば危険になる。
目を閉じても防げない。
第8話でクリストフが警戒したのも、
サクヤの目ではなく耳へ入る声だった。
第1話では、
グリードへ命令を下す時も、
サクヤは正体を明かして声を届けている。
第2話「氷壁」でも、
アバシリ強制収容所の内部へ入り、
管制側の人間へギアスを使う。
アッシュが外で敵機を引き受ける間、
サクヤは人間そのものを動かして施設を崩していく。
この使い方を見ると、
サクヤのギアスは潜入と非常に相性が良い。
敵兵全員を倒す必要がない。
一人へ命令する。
扉を開けさせる。
警備を止めさせる。
敵の人員を、
その場で自分の作戦へ組み込める。
さらに、
周囲へ複数の人間がいる場合でも、
名前を呼んで対象を絞れる。
逆に何も指定しなければ、
声が届く範囲そのものが危険になる。
ここも、
視線で一人を狙うルルーシュとはかなり感触が違う。
ただしサクヤには、
分かりやすい弱点もある。
声を出せなければ使えない。
相手の耳へ届かなければ使えない。
第8話でクリストフがヘッドホンを使ったのは、
この条件を理解していたからになる。
つまり、
ルルーシュなら「目を見ない」が防御になる。
サクヤなら「声を聞かない」が防御になる。
どちらも絶対遵守のギアスではあるが、
戦う時に警戒すべき場所が違う。
サクヤを相手にするなら、
視線より耳を守る必要がある。
サクヤは視線を合わせなくても使える分、敵地への潜入ではかなり扱いやすい
サクヤ側の強みは、
相手の正面へ出る必要がないところになる。
ルルーシュなら、
相手の瞳へギアスを届かせるため、
顔を向けさせる必要が出る。
警戒されれば、
目を閉じられるだけでも厄介になる。
サクヤなら、
声さえ届けばいい。
敵がこちらを見ていなくても使える。
警備兵が別方向を向いていても、
名前を呼び、
命令を聞かせればいい。
この違いは、
ロゼとして動くサクヤにはかなり大きい。
一方で、
能力を知られた後は厳しくなる。
第8話のクリストフは、
不用意に会話しない。
サクヤを拘束する。
耳を守る。
命令を最後まで聞かない。
力を知っているだけで、
かなり具体的な対策を取れる。
しかも、
サクヤ自身が声を出せない状況も弱い。
口を塞がれる。
喉を押さえられる。
距離を取られる。
通信を切られる。
どれも、
ギアスそのものを破るのではなく、
発動する前に入口を消す方法になる。
だからサクヤの絶対遵守は、
何でも出来る力ではない。
成立した後は非常に強い。
しかし、
成立させるまでには
「サクヤが命令する」
「相手がその声を聞く」
という二段階が必要になる。
第8話で能力の条件が細かく見えたことで、
第1話からのギアス場面も見え方が変わる。
サクヤが強かったのは、
命令そのものが強力だったからだけではない。
敵が能力を知らず、
普通に声を聞いてしまったことも大きかった。
第6章 サクヤのギアスはどこまで相手を変えられる?アッシュへの命令が一番分かりやすい
※ここから先は第8話以降の展開を含みます。
一度の命令でも、アッシュの行動は長い間「ロゼを守る兄」へ変わっていた
サクヤのギアスが、
単純に一回だけ動かす力ではないことは、
アッシュを見ると分かりやすい。
サクヤは父・皇重護を殺した男だと思っていたアッシュへ、
自分を最も大切な存在として扱うようギアスを使った。
その結果、
アッシュはロゼを弟として受け入れる。
第1話では、
ナナシの傭兵の兄として戦場へ出る。
ロゼが作戦を立て、
アッシュがZi-アポロで敵機を倒す。
危険になれば、
自分が前へ出て弟を守る。
この状態は、
一回の行動で終わらない。
第2話のアバシリでも続く。
その後の七煌星団との戦いでも続く。
アッシュは毎回、
ロゼを弟として自然に扱っている。
本人にとっては、
誰かに命令されている感覚すら薄い。
しかも第7話で、
本当の弟ニコルの存在が明らかになる。
アッシュは幼い頃から、
病弱なニコルを守ってきた。
ノーランドの下で暗殺訓練を受けた時も、
弟の分まで自分が働こうとする。
最後には、
そのニコルを目の前で失っている。
サクヤのギアスは、
そこへ深く入り込んだ。
アッシュにとって
「最も大切な相手を守る」
という感情は、
もともとニコルと強く結びついている。
そこへロゼが重なったことで、
兄として守る行動が長く続いた。
だから第8話で解除された時、
アッシュは大きく揺れる。
ロゼは弟ではない。
本当の弟はニコル。
しかもニコルは死んでいる。
自分が何を忘れ、
誰を守っていたのかを一気に思い出す。
ここを見ると、
サクヤのギアスは
腕を上げろ、
扉を開けろ、
そこへ行け、
という短い命令だけではない。
内容によっては、
その後の行動や人間関係へ長く影響を残す。
ただし、
何でも自由に人格を書き換えられると見るのも違う。
アッシュがロゼを守る形には、
アッシュ本人が元から持っていた
「弟を守る兄」という性格も重なっている。
ギアスだけで全てを作ったわけではない。
強い命令ほど、解除された時に「どこまでが本人の気持ちだったのか」が問題になる
第8話でアーノルドがギアスキャンセラーを使うと、
アッシュへの命令は解除される。
ここで分かるのは、
サクヤのギアスが永遠に消せない力ではないこと。
外から無効化する手段があれば、
強制された部分は外れる。
ただ、
解除したから全部が元通りになるわけではない。
アッシュには、
ロゼと一緒に戦った記憶が残る。
皇重護からサクヤを託された約束も残る。
ニコルを失った痛みも戻る。
だから解除後は、
全部を自分自身で選び直す必要が出てくる。
これはサクヤ側にも重い。
ギアスを使えば、
相手を自分の望む方向へ動かせる。
でも長く命令すればするほど、
相手の本心と
ギアスで作られた行動の境目が分かりにくくなる。
アッシュがロゼを守ったのは、
ギアスだけだったのか。
重護との約束もあったのか。
一緒に戦った時間の中で、
本当に情が生まれていたのか。
第8話以降は、
そこをギアスなしで確かめる話へ変わる。
だからサクヤの力で一番怖いのは、
相手を動かせることだけではない。
大切な相手へ使えば、
その人が自分へ向ける気持ちまで
「本物なのか、命令なのか」
分からなくなるところにある。
サクヤ自身も、
アッシュへ使ったギアスを後から軽く扱えない。
父の仇だと思った。
だから利用した。
でも真実を知れば、
父はアッシュを信じ、
最後には娘である自分を託していた。
その相手へ、
自分はギアスをかけていた。
しかも本当の弟ニコルを失った傷へ、
知らないまま入り込んでいた。
第8話で能力の弱点が見えるのと同時に、
サクヤ自身がその強さをどう使ったのかまで問われる。
サクヤのギアスは、
発動すれば非常に強い。
でも強いからこそ、
相手へ使った後まで責任が残る。
第8話以降、
アッシュとの関係が大きく変わるのは、
その力が解除されたことで初めて
二人が命令なしで向き合えるようになるからになる。
第7章 サクヤのギアスは強いほど危険?最後は「命令」ではなく相手の選択が大切になる
アッシュへのギアスが解除されたことで、サクヤは自分の力の重さと向き合うことになる
第8話でアーノルドがギアスキャンセラーを使い、
アッシュへかかっていた命令が解除される。
ここでサクヤは、
自分のギアスが絶対ではないと知るだけではない。
アッシュとの関係そのものを、
もう一度見直さなければならなくなる。
第1話からアッシュは、
ロゼを弟として守ってきた。
戦闘では自分が前へ出る。
ロゼの作戦を信じる。
危険な場所へ近づけば、
兄として自然に庇う。
その姿は、
本当の兄弟にしか見えなかった。
しかし第7話で、
アッシュには本当の弟ニコルがいたと分かる。
ラベンダーホームで一緒に育ち、
ノーランドの下でもアッシュが守り続けた弟。
そのニコルは、
任務失敗の責任を背負う形で、
アッシュの目の前で殺されている。
さらにサクヤは、
父・皇重護についても真実を知る。
アッシュが父を殺したと思っていた。
だから父の仇へギアスを使った。
ところが実際の重護は、
収容所でアッシュを信じ、
最後には娘サクヤを守ってほしいと託していた。
つまりサクヤは、
自分を守ろうとしていた相手へギアスを使っていた。
しかも、
その人が一番大切にしていた弟を失った傷へ、
知らないままロゼという存在を重ねていた。
第8話で解除されたことで、
この事実を誤魔化せなくなる。
サクヤにとっても、
ここはかなり苦しい。
アッシュが優しかったのはギアスのせいなのか。
ロゼを弟として守ったのも全部命令なのか。
一緒に戦った時間まで、
自分が無理に作ったものだったのか。
簡単には答えを出せない。
でも、
ギアスが消えたことで初めて確かめられる。
アッシュが自分の意思で離れるのか。
それともサクヤのそばへ残るのか。
それまでなら、
命令がある以上、
アッシュの選択を完全には信じ切れなかった。
だから解除は、
サクヤにとって罰だけではない。
二人が本当に向き合うために必要な出来事でもある。
ロゼという偽の弟ではなく、
皇サクヤとしてアッシュの前へ立つ。
アッシュも、
兄としてではなく一人の人間としてサクヤを見る。
ここでギアスの使い方そのものも変わって見える。
敵兵へ使う時は、
一瞬で戦況を変えられる強力な武器になる。
でも大切な相手へ使えば、
相手が自分をどう思っているのかまで分からなくなる。
便利な力ほど、
近い関係では大きな傷を残す。
最後に二人をつないだのはギアスではなく、アッシュ自身が選んだ「共に戦う」という意思だった
物語の終盤では、
サクヤとアッシュは再び同じ戦場へ立つ。
ただし、
第1話のような
「兄アッシュと弟ロゼ」
という関係ではない。
互いの正体も過去も知った上で、
サクヤとアッシュとして並ぶ。
最後の相手はノーランドになる。
アッシュにとっては、
弟ニコルを奪った相手。
サクヤにとっては、
北海道を支配し、
父・重護を死へ追いやった大きな敵。
二人とも、
過去からつながる相手と向き合うことになる。
アッシュはZi-アポロで戦う。
しかし、
ノーランドのファウルバウトは圧倒的に強い。
攻撃を受ける。
機体を追い詰められる。
これまで高い操縦技術で切り抜けてきたアッシュでも、
一人では届かない。
そこでサクヤが、
もう一度アッシュへ言葉を届ける。
ただし以前とは違う。
アッシュを無理に従わせるためではない。
サクヤ自身の思いを伝え、
一緒に戦いたいという意思をぶつける。
そしてアッシュも、
自分からサクヤとの共闘を選ぶ。
ここが、
第1話から続いてきた関係の大きな変化になる。
最初はギアスで結ばれた。
最後はギアスがなくても、
アッシュ自身がサクヤの隣へ立つ。
だからサクヤのギアスを、
単純に強い能力として見るだけでは足りない。
声を聞かせれば命令出来る。
耳を塞がれれば防がれる。
ギアスキャンセラーなら解除される。
能力としての条件は、
第8話でかなり見えてくる。
でも物語全体で見ると、
もっと大きいのは
「相手を動かせる力を持つサクヤが、最後には相手自身の選択を受け取る」
ところになる。
命令して守らせるのではない。
アッシュが自分で守ると決める。
第1話では、
ロゼを守る兄だった。
第7話では、
ニコルと皇重護の過去が明らかになる。
第8話では、
ギアスが解除されて兄弟関係が崩れる。
そして最後には、
命令なしで同じ敵へ向かう。
ここまで見ると、
サクヤのギアスの一番大きな弱点は、
耳を塞がれることだけではない。
大切な相手へ使った時、
その人の本当の気持ちが見えなくなることでもある。
強制出来るからこそ、
信じたい相手には使いにくい。
だからサクヤとアッシュの最後は、
ギアスの強さをさらに見せる結末ではない。
むしろ逆になる。
ギアスがなくても残る関係がある。
命令しなくても共に戦える。
そこまで進んだことで、
サクヤの力そのものも違って見えるようになる。
サクヤのギアスは、
敵を止める時には非常に強い。
戦場を変える力もある。
しかし、
誰かと本当に結ばれるためには、
その力では足りない。
最後に必要だったのは、
相手が自分で選んだという事実だった。



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