『たんもし2』で語られる6年前の研究施設には、夏凪とアリシアが別々の少女として登場する。
一方、1期で君塚が出会ったアリシアには、夏凪やヘルにつながる別の謎が残っている。
施設で築いた関係と、その後に現れたアリシア、同一人物なのか?
第1章 アリシアと夏凪は同一人物? 施設の少女と、1期のアリシアの違い
| 登場する時期 | 夏凪との関係 |
|---|---|
| 6年前の研究施設 | アリシアは夏凪と一緒に暮らす別の少女 |
| 1期のロンドン | 夏凪の身体がアリシアの姿に変わっている |
6年前の施設では、 アリシアと夏凪が一緒に過ごしている
アリシアと夏凪が同じ人物と聞くと、
まず外見の違いが引っ掛かる。
髪の色も話し方も違い、君塚と過ごした時間まで
同じようには見えない。そこへ2期で
研究施設の過去が出てきて、
夏凪のそばにアリシアもいる。
二人が一緒にいるのなら、
同一人物という話はどうつながるのかと戸惑う。
最初に答えを置くと、6年前の施設で
夏凪と過ごしていたアリシアは、
夏凪とは別の少女。
夏凪が頭の中だけで作った友達として
登場するわけではない。シエスタも交え、
同じ場所で関係を築いている。
ここにいるアリシアと、1期で君塚が出会った
アリシアを、そのまま一つに重ねると混乱が起きる。
2期第2話でたどるのは、
夏凪自身の6年前の記憶。
つらい治験の続く研究施設で、
シエスタとアリシアとの仲を深めていく。
その紹介だけでも、夏凪がアリシアという名前を
使って一人で暮らしていた話とは違うと分かる。
二人の関係を考える入口は、
同じ身体よりも、一緒に過ごした過去にある。
この違いは、アリシアが実在しなかったという
誤解もほどいてくれる。
1期の少女の正体が複雑だからといって、
施設にいた友達まで架空の存在にはならない。
夏凪が後にアリシアの姿へ変わるとしても、
その姿のもとになった少女には、
夏凪とは別の生活と行動がある。
名前が同じなので、施設のアリシアが成長し、
ロンドンへ来たように感じることもある。
けれど、その説明では夏凪の身体との
つながりが抜けてしまう。
施設にいた本人と、後に同じ姿を取る存在は違う。
アリシアという呼び名が続いているために、
見た目の連続と本人の生存を
重ねやすくなっている。
夏凪にとってアリシアは、自分の別名ではなく、
過去に出会った相手になる。
だから、二人が同一人物かを考えることは、
夏凪が何者かだけを調べることでは終わらない。
誰と暮らし、誰を失い、その記憶が
どんな形で残ったのかという問いも、
同じ名前の向こうに続いている。
6年前の二人を見ると、
1期で抱いた疑問の向きが変わる。
アリシアは夏凪のもう一つの顔なのか、
という問いに加え、なぜ夏凪の中に
その少女の姿が残ったのかも気になる。
身体の仕組みだけなら短く答えられても、
昔の友達との関係を抜くと、
その姿が選ばれた背景までは届かない。
また、施設のアリシアが夏凪と別人という答えは、
ヘルとの関係を否定するものでもない。
過去の友達と、夏凪の内側にいる人格は、
登場する位置が違う。
友達として過ごした少女を、
そのままヘルの別名と呼ぶこともできない。
三つの名前を一つの人名として読むより、
それぞれがどこにいたかで違いが見える。
君塚が出会った少女には、 夏凪の身体とのつながりがある
1期のロンドンで君塚が出会ったアリシアは、
施設にいた少女本人が戻ってきた姿ではない。
原作3巻の冒頭では、夏凪がケルベロスの種を使い、
アリシアという姿に変わっていたと説明される。
ケルベロスの種は、姿を変える能力に関わるもの。
外見が変わっても、
身体のもとは夏凪へつながる。
ここで、同一人物という短い言葉が
追いつかなくなる。身体だけを尋ねるなら、
ロンドンのアリシアと夏凪はつながっている。
一方、6年前の友達まで夏凪本人とするなら、
その答えは当てはまらない。
名前が何を指しているかによって、
同じ問いへの答えが変わるところに
戸惑いが生まれる。
姿が変わることと、夏凪がすべてを覚えて
演じていることも同じではない。
君塚が出会ったアリシアには、
本人にも分からない過去がある。
身元を探す依頼や、探偵代行としての行動が、
その状態の中で進んでいく。
正体が分かった後も、
当時の少女の戸惑いまで演技と決めることはできない。
ヘルが関わるため、アリシアの姿で起きたことを、
すべて夏凪の意思で選んだ行動と
受け止めるのも難しい。
原作3巻では、ロンドンで罪を犯した人格と、
現在の夏凪を分ける会話がある。
同じ身体に出来事が重なっていても、
誰がその時に動いていたかという問題が
残っている。
ただ、身体の仕組みが判明すると、
君塚とアリシアが過ごした日々まで
消えるわけではない。
一緒に事件を追い、話をし、
帰ってくる場所を得ようとした時間がある。
施設の本人とは違う存在でも、
君塚が接していた少女は、
その時に助けを求め、彼のそばで行動している。
アリシア、ヘル、夏凪の名前が続けて出ると、
誰が誰の別人格なのかという説明だけで
頭がいっぱいになる。そこに、
過去には別人のアリシアがいたという情報が加わる。
混乱は登場人物が多いことより、
同じ名前が違う時期に違う形で
現れることから生まれている。
そのため、この記事で追うのは、
施設のアリシアの過去と、
それが後の姿へつながる道筋。
ヘルがどう生まれたかは必要な接点に留め、
シエスタの心臓が誰へ移ったかも
別の問いとして残る。
二人の関係を知るために、
移植や復活のすべてを同時に追う必要はない。
1期の描写から同じ人物に見え、
2期の過去では別々に見える。
その両方にはつながりがある。
6年前のアリシアは夏凪の友達で、
ロンドンのアリシアの身体は夏凪につながる。
どちらか片方を取り消すのではなく、
友達の存在と変わった姿が、
別の時間に重なっている。
第2章 6年前の研究施設では 何が行われていた?
夏凪たちが受けていた治験
施設で暮らす夏凪には、
身体の苦しさから離れられる時間が少ない。
病気を抱え、治験を受ける日々の中で、
シエスタとアリシアとの関係ができていく。
外へ出て好きな場所へ行ける暮らしとは違うからこそ、
誰かが話しかけてくれることや、
そばに来てくれることが大きくなる。
治験は、薬などの働きや安全性を
人で確かめる試験を指す言葉。
けれど、この施設で語られる治験は、
その呼び名だけでは実態が見えない。
子供たちに説明されていることと、
施設側が行っていることの間に秘密がある。
病気を治してもらう場所という理解が、
後に揺らぐことになる。
原作3巻の冒頭で夏凪が海の音を聞く場面には、
その暮らしが短く表れている。
波の音を聞いている間だけ、
不安や痛みが少し和らぐ。
何かを達成するためではなく、
静かに過ごせる時間を求めている。
後の戦いに関わる夏凪とは違う、
まだ居場所の限られた少女の姿がある。
昼間は海へ出ることを許されていないため、
夜に人目を避けて波打ち際へ来る。
海がすぐ近くにあるのに、
好きな時に行けるわけではない。
この近さと遠さが、施設での生活を感じさせる。
夏凪にとって外の景色は、
日常の自由としてそこにあるものではない。
病室にいることと、
孤島の施設で暮らすことは重なっている。
体調のために動けない時間に加え、
施設の決まりにも行動を限られる。
本人が自分の病気について話す言葉はあっても、
施設がしていることの全容を
知っているわけではない。
自分の身体なのに、知らされていないことがある。
さらに、施設では名前より番号で呼ばれる暮らしが見える。
原作の夏凪が「602番」と答える場面は、
本人にとってその呼び方が
日常になっていたことを伝える。
自分の名前を尋ねられた時、
管理に使われる番号が先に出てくる。
その短いやり取りだけでも、
施設の冷たさが残る。
だから、夏凪がシエスタやアリシアと
仲良くなる場面は、
治験の合間の軽い息抜きだけでは終わらない。
大人から受ける説明や処置とは違う関係が、
施設の中にできるから。
友達は身体の状態を調べるために来る相手ではなく、
夏凪へ話しかけ、一緒に時間を使う相手になる。
つらい日々の中で三人の距離が近づくという
2期第2話の流れは、
施設の秘密を知る前から大切になる。
何が行われていたかを調べる話だけなら、
子供たちは実験対象という言葉に収まってしまう。
けれど、実際には名前を呼び合い、
相手を気にする生活が、
その内側で続いている。
施設に隠されていた秘密
施設の秘密は、治験がつらかったという話だけではない。
原作3巻で明かされる過去には、
子供たちを使って人造人間を生み出そうとする
実験が関わる。人造人間は、
普通の人とは異なる力を持つ存在として
作中に登場する。夏凪たちが暮らす場所は、
その力を得るために人を使う場所でもあった。
実験に関わるのが、敵組織SPESと、
その中心にいるシード。
1期で君塚とシエスタが対峙していた相手が、
夏凪の幼い頃の生活へつながってくる。
夏凪は君塚に会った後で、
初めて敵組織と関係を持ったわけではない。
本人が覚えていない過去から、
すでに巻き込まれている。
施設の大人を頼るつもりでも、
その大人が実験に関わっているなら、
助けを求める道も狭くなる。
子供たちは、自分たちを管理する側へ
相談しても安全になるとは限らない。
病気を治すために必要な相手と、
身を守るために疑う相手が重なる。
そのことが、施設から離れたい思いにつながる。
そこで気になるのが、
子供たちがどこまで知っていたかという違い。
夏凪がすべての秘密を把握して暮らしていたわけではなく、
シエスタやアリシアにも、
それぞれの気づきと行動がある。
同じ施設にいるからといって、
同じ情報を持っているわけではない。
三人が話し合うことで見えるものも増える。
原作の過去では、施設の秘密を探る動きが、
実験を行う相手との対面へつながる。
秘密の正体を知ったら、そのまま安全に
外へ出られる話ではない。
何が起きているか分かることと、
相手の支配から離れられることには隔たりがある。
知ってしまった後の三人に、
別の危険が迫る。
また、能力を与える《種》の存在も、
この過去を読むうえで欠かせない。
作中で種は、身体へ力を与えるものとして扱われる。
ただし、与えれば誰でも無事に
力を得られるわけではない。
その危険が、アリシアに起きた出来事へつながる。
実験という言葉の向こうに、
具体的な命がある。
ここまでの話は、夏凪がアリシアに変身する能力だけを
説明する背景ではない。
二人がどこで出会い、なぜそこから
離れようとしたのかにもつながっている。
施設にいたアリシアは、
能力によって現れた姿ではなく、
夏凪と同じ場所で
危険にさらされた友達になる。
外からは保護や治療の場所に見えても、
内側では子供の意思が置き去りにされる。
その場所でできた三人の関係は、
施設が用意した役割には収まらない。
夏凪にとってのアリシアの大きさは、
同じ実験の対象になっていたことだけではなく、
その暮らしの中で
友達になったことから生まれている。
第3章 アリシア・夏凪・シエスタは、 施設でどんな関係になった?
苦しい生活の中で近づいた三人
夏凪のそばにシエスタとアリシアがいる場面を見ると、
三人の出会いは君塚との旅より前へさかのぼる。
1期では君塚とシエスタの過去を通して
アリシアを知るため、その印象が強く残りやすい。
2期で夏凪の記憶が開かれると、
君塚の知らなかった三人の時間が
現れてくる。
施設にいたシエスタは、夏凪にとって
最初から世界を救う探偵という肩書だけで
近づく相手ではない。
海辺で話しかけ、同じ年頃の少女として会話をする。
原作3巻の冒頭でも、夏凪は知らない子へ
緊張しながら言葉を返す。
名前を知る前から、
そばに座って話す時間がある。
原作で描かれる三人の関係では、
シエスタとアリシアが夏凪のもとを訪れる。
病室にいる夏凪へ、
外から友達がやって来る形になる。
毎日の場所が限られている夏凪には、
誰かが来てくれることが新しい出来事になる。
訪ねてくる側と待っている側の違いが、
ここにはある。
アリシアは、シエスタと夏凪の間に立つ
説明役だけではない。
明るく話しかけ、三人の会話を作る一人として過去にいる。
夏凪の記憶の中で、
シエスタの隣に名前だけが添えられた人物でもない。
後にその姿が現れることを知ると、
この友達としての時間が
気になってくる。
三人の距離が近くなることは、
つらい治験そのものを消してくれるわけではない。
友達と会った後にも、
身体の苦しさや施設の決まりは続く。
それでも、話せる相手がいることによって、
施設の中の時間は大人に管理される時間だけではなくなる。
夏凪にも、人を待つ楽しみが生まれる。
この時期のシエスタを知ると、
君塚と共に旅をしていた彼女の印象も少し変わる。
遠くからすべてを見通す探偵としてだけではなく、
施設にいる友達へ手を伸ばす少女の姿が重なるから。
夏凪との関係は、心臓の移植で
初めて始まったものではなく、
会話を交わす過去から続いている。
一方、夏凪が当時の関係を
長く覚えていたという話でもない。
忘れていた相手と、過去には親しくしていた。
そのずれが、現在の驚きにつながる。
記憶をたどって初めて分かるのは、
未知の誰かの話ではなく、
自分が一緒に過ごした相手のこと。
夏凪には、自分の過去を取り戻す場面になる。
君塚が知る三人の関係と、
夏凪の過去にある三人の関係は、
最初から同じ見え方にはならない。
君塚の旅の思い出をたどるだけでは、
施設の友達としてのアリシアは見えてこない。
2期で語る側が夏凪へ移ることが、
アリシアの名前に新しい時間を加えている。
夏凪に残ったアリシアとの記憶
夏凪の過去を考えるとき、
海辺の名付けは強く残る。
原作3巻では、番号で答えた少女へ
シエスタが「ナギサ」という名前を贈る。
海を好んでいることに目を留め、
その少女を呼ぶ言葉にする。
施設が使う番号とは違い、
何を好きかを知った相手から呼び名が生まれる。
その名前を付けたのはアリシアではなくシエスタ。
三人の過去を一つにまとめて思い出すと、
誰が何をしたかも重なりやすい。
それでも、名付けの場面には
シエスタと夏凪の関係があり、
その後の暮らしにはアリシアとの関係が加わる。
友達が一人ずつ増える時間にも
違いがある。
アリシアの姿が夏凪の中に残っていることは、
出会った友達を一人の別人格として
保存したという説明だけでは収まらない。
外見を再現する力と、覚えていた相手の姿が関わる一方、
施設の本人には本人の人生がある。
記憶に残ることと、その人自身が
身体の中で生き続けることは別になる。
見た目を取り戻せても、
過去に一緒にいた日々を
そのまま繰り返せるわけではない。
君塚がロンドンで出会うアリシアは、
施設の友達と同じ場所に戻るために
現れるわけでもない。時期も相手も違う。
そのため、同じ姿が見えることは
嬉しい再会へ直結せず、むしろ不思議さを増やしている。
また、夏凪の記憶にあるアリシアを、
優しい友達という印象だけで
語り切ることも難しい。
原作の過去では、アリシアには
施設の秘密に関わる行動がある。
三人の中で一緒に笑う少女でもあり、
ほかの二人には見えていない事情を抱える少女でもある。
その違いが、後の出来事に響いてくる。
友達として近かったからこそ、
知らなかった事情を知った時の衝撃も大きくなる。
遠い相手が何をしていたかを聞く場面と、
そばにいた相手の行動が違って見える場面では、
戸惑い方が変わる。
夏凪が過去へ戻る話には、
仲良くしていた記憶と、
その後に何が起きたかの両方が含まれている。
三人で過ごしたことは、
全員が同じ考えで動いていたことの証明にはならない。
施設へどう対抗するか、
誰を守るかという場面になると、
互いの選び方がずれてくる。
仲が良いからすべてを伝えられるわけでもなく、
一緒にいたから相手の決断まで
止められるわけでもない。
アリシアと夏凪が別人という答えには、
この違いも含まれる。
同じ場所にいても、アリシアが知っていたことや
選んだ行動は、夏凪のものと一致しない。
後に夏凪がその姿を取るとしても、
二人の過去が一人分になるわけではない。
友達の記憶として残るものには、
届かなかった思いもある。
第4章 アリシアは施設から出るために 何をした?
この章と第5章は、原作3巻の過去を含む。
施設を出ようとした少女たち
施設の秘密に近づいた三人には、
このまま同じ暮らしを続けるかという問いが生まれる。
つらい治験を受け入れて待つだけでは、
自分たちの安全が守られるとは限らない。
原作3巻の過去では、三人が施設の内側を調べ、
そこで行われていることへ対抗しようとする
動きが描かれる。
夏凪にとって、その動きは友達の話を聞くだけの時間から、
自分も加わる時間への変化になる。
身体の弱さがあり、行動できる場所も限られている。
それでも、秘密を知らないまま
暮らし続けることには戻れない。
友達がいるために少し楽しくなった施設で、
今度は友達と危険へ近づくことになる。
アリシアには物を作る力があり、
原作で語られる対抗の準備にも関わる。
三人で同じ場所へ向かっていても、
役目まで同じではない。
誰かが情報を探し、誰かが手段を作り、
誰かが行動を引き受ける。
その協力があるから、アリシアの行動が変わって見える場面も、
二人には受け入れにくくなる。
三人が向き合うのは、施設の決まりを
少し緩めてもらえば済む相手ではない。
子供たちの身体を実験へ使う側であり、
その中心にはシードがいる。
大人へ事情を説明して理解してもらう場面から、
相手の目的そのものとぶつかる場面へ変わる。
秘密を突き止める勇気だけでは終わらない。
施設から出たいという思いは、
単に外で遊びたいという願いとも違う。
身体へ何をされるか、
自分の意思で決められない場所から離れることが関わる。
海が見える場所で暮らしていても、
自由にそこへ行けない少女たちにとって、
外へ出ることには日常を自分へ取り戻す願いが重なる。
けれど、施設を離れる準備があることと、
それを実行して全員が無事に出られることは違う。
相手は秘密を守るために動くし、
子供たちの行動にも制限がある。
三人が知恵や道具を持ち寄ったとしても、
相手の強さや支配の仕方まで
同じ条件にはできない。
その差が対面の場面で表に出る。
ここで施設のアリシアが夏凪の別名ではないことが、
行動の面でも見えてくる。
アリシアは夏凪とは違う立場で相手へ話し、
違う選択をしようとする。
夏凪が知らないことを知っていたかもしれないし、
同じ危機への向き合い方も変わる。
三人の一人として、
自分の考えで動いている。
脱出をめぐる過去は、現在の夏凪へ
能力の由来を与える話だけではない。
施設から離れたいと願った人がいて、
友達と手を組み、それでも思った通りには進まなかった。
その途中にアリシアがいる。
後の姿がどれほど似ていても、
この時の彼女の行動は夏凪へ置き換えられない。
アリシアの行動は、 誰を守るために向けられたのか
相手へ対抗しようとした場面で、
アリシアの言葉が二人を止める側へ回る。
友達と協力してきたはずなのに、
急に施設側へ近づくように見える。
その変化だけを聞けば、
三人の関係が崩れたようにも感じる。
けれど、原作の過去では、
そこで彼女が求める条件に別の思いが現れる。
アリシアが望むのは、自分が種を受け入れ、
その代わりにほかの二人を助けること。
相手へ従うような言葉の中で、
自分と友達の扱いを分けようとしている。
敵側へついたように見えることと、
友達を見捨てたいことが一致しない。
このずれが、彼女の行動を
単純な裏切りではなくしている。
ただ、その選択を勇敢な決断という
一言だけで受け止めると、
置かれた状況の厳しさが薄くなる。
自分が受け入れれば友達は助かるという道しか
見えないところまで、少女が追い込まれている。
ほかに穏やかな手段があって選んだというより、
相手の支配の中で残る道を
探しているように映る。
シエスタと夏凪を遠ざける言葉は、
二人にとっては自分たちを
軽く扱われる言葉にも聞こえる。
けれど、その言葉によって、
実験を受ける対象から外そうとしている。
友達を守るために、友達へまっすぐ
好意を伝える言い方ができない。
ここには、三人で話していた時間とは違う苦しさがある。
アリシアが考える助け方は、
ほかの二人と相談して決めた道とは重ならない。
自分を代わりに差し出すことは、
残される相手には止めたくなる選択でもある。
守りたい人と、守られることになる人で、
同じ行動への気持ちがずれる。
友達への思いがあっても、
全員に安心をもたらすわけではない。
さらに、種を受け入れることには身体の危険がある。
本人がやると決めたから、
無事に力を得られるとは限らない。
アリシアが友達へ向けた願いと、
実際に起きる結果は別に進む。
思いが強ければ危険を乗り越えられるという
場面ではないところが、
この過去をつらいものにしている。
この行動を知ると、
アリシアの正体という言葉にも別の問いが加わる。
どの身体を持っているかだけではなく、
何を抱えて友達の前で話していたのかが気になる。
明るく見えていた少女の行動に、
二人を助けようとする思いがある。
その思いは、夏凪と別の人として
彼女が選んだものになる。
施設にいたアリシアは、
後の変身のために用意された顔だけではない。
友達の安全と自分の身を引き換えにしようとした
少女として過去にいる。
その結末を知ってからロンドンの姿を見ると、
同じ顔が現れたことを、単に正体がつながった驚きだけでは
受け止めにくくなる。
第5章 本物のアリシアに何が起きた? 夏凪に残った傷
脱出をめぐる出来事とアリシアの結末
アリシアの姿が1期にも出てくるため、
6年前の施設でも無事に逃げ出したと思いたくなる。
けれど、原作3巻で明かされる施設の少女の結末は、
その期待と重ならない。
種を受け入れたアリシアは適合できず、
夏凪の目の前で命を落とす。
同じ姿の登場が、
本人の生存を知らせるものにはならない。
ここで使われる適合は、種の力を
身体が受け入れられるかという
作中の仕組みに関わる言葉。
友達を助けたいという意思の強さを測るものではない。
アリシアが引き受けようとしたことと、
身体が耐えられることは別になる。
その差を、少女の願いでは埋められない。
種を欲しいと求めたからといって、
アリシアが命を落とすことまで望んでいたとは限らない。
自分が力を扱えれば、
友達を助けられると考えている。
その見込みと結果が一致しなかったことが、
場面の苦しさになる。
二人を見捨てるつもりはなくても、
自分が二人の前から失われてしまう。
そのため、アリシアの死を夏凪が別の姿になる出来事と
一続きに呼ぶと、大切な違いが抜ける。
施設にいた少女は、身体を夏凪へ変えて
生き延びたわけではない。
アリシア本人の結末が先にあり、
その後に夏凪の身体で同じ姿が現れる。
この間には、取り戻せない時間がある。
ロンドンで元気に話すアリシアを知っていると、
施設の結末には気持ちが追いつきにくい。
声も姿も知っている相手の、
もっと前の死が語られるから。
後の姿を見たことが、
過去の生存を保証していなかったと分かる。
この作品で人の顔と身体を結ぶ仕組みは、
再会の期待も揺らしてしまう。
また、アリシアの行動によって
全員が無傷で助かった、と広げることもできない。
本人が友達を守ろうとしたことと、
施設の支配が終わったことは同じではない。
夏凪には、その後も記憶と人格に関わる過去が続く。
一人の少女の願いだけで、
実験を行う側の問題まで消えるわけではない。
友達を守ろうとした行動が、
そのまま幸せな結末へ届かないことには、
つらさが残る。
アリシアが危険を引き受ければ、
それで三人の関係が続くと考えたくなるけれど、
実際には一緒に過ごす時間が途切れる。
夏凪が後にその姿を取ることも、
この別れをなかったことにはできない。
ここで施設のアリシアを本人として語ることは、
ロンドンの少女を否定するためではない。
昔のアリシアが自分の意思で動き、
友達へ何を残したかを、
別の人物の行動に混ぜないためになる。
同じ名前の向こうに、命を落とした少女と、
後にその姿を取る存在がそれぞれいる。
大切な相手を失った夏凪に起きた変化
夏凪にとって、その結末は知らない人の死ではない。
施設で一緒に過ごし、
自分たちを助けようとした友達が、
目の前で失われる。
何が起きたかをすぐに理解して
言葉にできる場面でもない。
アリシアとの関係を知るほど、
その後の夏凪の記憶に残る重さが感じられる。
原作の過去には、
施設での記憶を失う出来事も関わる。
だから、現在の夏凪がアリシアについて
すべてを覚えていないことを、
友達を大切にしていなかったからと
受け止めることはできない。
思い出せるかどうかと、その時にどれほど近しい相手として
過ごしたかは別の問題になる。
記憶がない間も、
身体に起きたことまで消えるわけではない。
夏凪は自分の知らない過去につながる姿や人格を持ち、
君塚たちと出会う。
そのため、過去を知ることは
懐かしい友達を思い出すだけの時間ではなく、
自分に何が起きたかを知る時間にもなる。
怖い答えへ近づくことになる。
ヘルの存在は、この出来事と
夏凪の苦しい生活へつながっている。
ただ、アリシアの魂がそのまま
ヘルになったという話ではない。
夏凪の内側の人格として扱われるヘルと、
施設で亡くなった友達は違う。
失った相手のことを知るほど、
二つの名前の位置も混ざりやすくなる。
この過去を現実の病名へ置き換えて説明する必要もない。
作中には種の能力や人造人間の実験があり、
普通の身体とは異なる仕組みが重なっている。
夏凪が受けた苦痛は具体的に描かれていても、
現実の症状と同じと決める材料にはならない。
彼女の過去として、
その出来事が示されている。
夏凪がヘルを通して記憶へ近づくことも、
友達本人から話を聞くこととは違う。
アリシアへ、あの時に何を考えていたのかと
現在の言葉で尋ねる場面にはならない。
残っている記憶から、
自分の知らなかった行動を知る。
その届かなさが、施設の少女と後の姿の違いを
さらに強くする。
さらに、身体が同じだからという説明だけで、
過去の罪を現在の夏凪の意思へすべて結びつけると、
人格の違いが抜けてしまう。
原作3巻の冒頭でも、
君塚は夏凪とヘルを分けて話す。
夏凪が過去を知って苦しむことと、
当時の出来事を自分で選んだことは、
必ずしも重ならない。
アリシアの死を知ると、
夏凪の中にその姿が残っていることは、
能力の不思議だけではなくなる。
失った友達を忘れていた時間と、
その姿で別の相手に出会った時間がある。
現在の夏凪が向き合うのは、
自分と似た顔の謎だけではなく、
覚えていなかった別れのことでもある。
第6章 1期のアリシアは何者? 夏凪の過去とつながる姿
夏凪と別の少女として施設にいる
過去の記憶と別人格を抱える
夏凪の身体が別の少女の姿を取る
君塚が出会った少女と、施設にいた少女
1期で君塚の前に現れたアリシアは、
記憶を失い、自分が誰なのかを探している少女として
近づいてくる。視聴者も君塚と同じように、
その時の会話と行動から彼女を知る。
6年前の施設で夏凪と暮らしていた本人のことは、
まだ見えていない。
正体への疑問は、
その知らない過去を残したまま進む。
シエスタが療養している間、
アリシアは探偵代行として君塚と事件を追う。
1期第7話でも、
二人がサファイアの眼を探す日々が描かれる。
誰かの姿を取っているという説明をまだ知らなくても、
一緒に動く相手としての関係はできていく。
その日々が、後から聞く正体とぶつかる。
施設の本人とは違うと分かると、
では君塚が親しくしていた相手は誰なのかという問いが残る。
身体のもとが夏凪と聞いても、
君塚がその時に接していた話し方や態度が
急に変わるわけではない。
身体のつながりを知る答えと、
一緒に過ごした相手への気持ちは、
違う速さで動く。
とくに、アリシアを取り戻そうとする
1期第9話の流れには、その関係が表れている。
シエスタ、君塚、シャルはSPESの拠点へ向かう。
少女の正体が複雑であっても、
助けを求めた相手を取り戻す行動は具体的に起きる。
呼び名の奥に別の事情があることだけで、
依頼が消えるわけではない。
だから、ロンドンのアリシアを
偽物という一言だけで呼ぶと、
君塚と過ごした場面が見えにくくなる。
施設にいた本人ではない、という違いはある。
それでも、当時の少女には身元を知りたい願いがあり、
君塚へ話しかける時間がある。
本人と違うことは、
その場の行動が存在しなかったことにはならない。
1期第8話では、君塚がアリシアの無事に安堵しながら、
受け入れにくい現実へ近づく。
助かったと思った相手のことを、
知れば知るほど安心だけでは終えられなくなる。
親しくなった後で疑いが生まれる流れがあるから、
正体の説明を聞いても、
関係を短く切り離しにくい。
その一方で、君塚の知る少女を、
昔のアリシア本人として扱い直すこともできない。
施設で起きた出来事は、その前の時間にある。
姿が似ているから昔の本人も君塚と旅をした、
とつなげると、死と変身の違いが抜ける。
二つの時期で同じ顔が見えることが、
別々の出来事を近く感じさせている。
施設の過去は、君塚が覚えている
アリシアの思い出を取り消す情報ではない。
同じ姿がどこから来たかという、
新しい背景を加える。
初めて会った時には分からなかった名前の由来が、
夏凪の記憶へつながる。
君塚の知らない少女と、君塚が知る少女が、
その姿を通して重なる。
夏凪・ヘル・アリシアの姿が つながる仕組み
原作3巻の説明では、ケルベロスの種による変身が、
ロンドンのアリシアの姿へ関わる。
ここで起きているのは、施設の少女が時間を越えて
同じ身体で現れることではない。
夏凪へつながる身体が、別の外見を取る。
生存、移動、変身を一つの出来事として扱うと、
関係が見えなくなる。
また、アリシアの姿とヘルが関わることから、
顔が変わった瞬間に人格も一つへ戻ると
決まるわけではない。
身体を動かす側と、
見えている外見は違う問題になる。
記憶を失った少女としてのアリシアと、
敵として現れるヘルの印象が違うのも、
顔の名前だけでは追えないところ。
現在の夏凪まで同じ名前で呼ぶ必要もない。
彼女は夏凪として君塚と出会い、
知りたいことを依頼している。
知らない過去の身体が自分へつながるからといって、
現在の会話のすべてが
アリシアとしての演技にはならない。
本人が何を覚え、
何を知らないかという違いがある。
そのため、同一人物かという問いには、
身体はつながるが、施設の本人とは別という答えが残る。
さらに人格や記憶まで尋ねるなら、
もう少し説明が必要になる。
夏凪、ヘル、ロンドンのアリシアを、
日によって使う三つの偽名のように扱うと、
本人にも分からない過去が抜けてしまう。
アリシアの姿が使われた背景には、
夏凪が施設で出会った少女の存在がある。
ただ、夏凪がすべてを思い出し、
その姿を自分で選んで人を欺いたという説明にはならない。
知らない過去が能力と重なるから、
不思議な姿が現れる。
意図して演じることと、
姿が変わることには差がある。
シエスタの心臓は、夏凪とヘルの関係に
さらに別のつながりを加える。
それでも、アリシアの外見が現れることを、
心臓の移植だけで説明することはできない。
姿を変える能力と、心臓に関わる出来事は、
接点があっても同じ仕組みではない。
ここを一つにすると、
三人の名前も混ざりやすい。
1期の終盤で疑問が増えたのは、
心臓と身体と人格の話が近い場面に集まるからでもある。
夏凪の中に何が残り、
誰が動いていたのかという問いに、
アリシアの顔も重なる。
答えの一部が出ても、
昔の本人のことがまだ分からないため、
全体がすぐにはつながらない。
2期で施設のアリシアが登場することは、
その空いていた部分へ名前と生活を戻す。
ロンドンの姿のもとに、
夏凪と一緒に過ごした別の少女がいた。
同じ身体かという疑問の先に、
誰の姿を覚えていたのかという問いがある。
そこで初めて、
アリシアの名前に二つの時間が見えてくる。
第7章 夏凪の中に、 アリシアはどう残っている?
アリシアの姿が現れることと、 本人が生きていることの違い
アリシアの姿が目の前にあるなら、
本人もどこかで生きているのではと思いたくなる。
1期で君塚と会話する少女を知っているため、
その期待には具体的な顔がある。
けれど、施設の過去と身体の説明をつなぐと、
顔が現れることだけでは、
昔の本人の生存へ届かないと分かる。
夏凪の身体で姿を再現できることは、
アリシアの過去を巻き戻すことではない。
施設で受けた種が無事に適合する結果へ変わるわけでも、
三人がそのまま外で暮らす日々が始まるわけでもない。
姿が戻る仕組みがあっても、
本人と別れた出来事は、
その前の時間に残っている。
だからといって、夏凪の中にアリシアに関わるものが
何もないという答えにもならない。
施設で一緒に過ごした記憶があり、
その姿につながる過去がある。
本人そのものではなくても、夏凪が知らなかった
自分の歴史に、友達としてアリシアがいる。
失った相手との関係まで消えたわけではない。
ここで、記憶に残る相手と、
身体の中で会話できる人格を分けると、
ヘルとの違いも見えてくる。
夏凪が内側のヘルへ問いかけることと、
亡くなった友達へ直接質問することは同じではない。
ヘルを通して過去が開かれても、
アリシア本人から
現在の返事をもらえる場面にはならない。
アリシアが何を望んでいたかも、
残っている行動から近づくことになる。
友達を助けようとした選択は語られていても、
今の夏凪を見てどう話すかまでは分からない。
もし生きていたらという想像には余地があっても、
それを本人の台詞として置くことはできない。
返事のないところに、別れの重さが残る。
一方、君塚にとっては、
ロンドンの少女との思い出も現実に起きた時間としてある。
施設の本人を知らなかったからといって、
アリシアを助けようとした気持ちまで間違いにはならない。
知らない背景を抱えた相手と、一緒に事件へ向かった。
その関係には、
当時できた会話と行動が残っている。
夏凪が過去を知ると、この二つの関係が近づいてくる。
自分が施設で出会った友達と、
君塚が別の時期に出会った少女。
同じ名前がそれぞれの思い出にあるけれど、
一緒にいた時期と相手は違う。
過去を話し合うことは、
二人が別々に知っていたアリシアを
つなぐ時間にもなる。
そのつながりは、
亡くなった本人を取り戻したという結末ではない。
夏凪も君塚も知らなかった部分を知り、
それまでの出会いが違って見えるようになる。
顔の謎が解けた後にも、
友達として何を覚えていたのかが残る。
身体の答えを得ることと、
別れへ気持ちが追いつくことは同じではない。
夏凪が過去の記憶に向き合う場面
原作3巻の冒頭で、夏凪はシエスタを失った出来事が
自分の身体へつながると知り、君塚へ謝る。
君塚にとって大切な人が、
自分に関わる過去で命を落としている。
身体と人格を分ける説明があっても、
夏凪の気持ちはすぐには軽くならない。
知ったことが、
そのまま安心になる場面ではない。
君塚も、事情を知って平静でいられるわけではない。
過去を見た後の会話では涙があり、
夏凪がその目元へ触れる。
正体を調べる話の途中に、
目の前の相手を気にする行動がある。
夏凪の身体に何が起きたかを知ることと、
今ここで話す夏凪へどう向き合うかが、
一緒に進んでいる。
ここで君塚は、過去の人格と現在の夏凪を分けて話している。
知らなかった身体のつながりだけを、
そのまま目の前の相手の選択と扱ってはいない。
その一方で、夏凪が過去を知って
苦しむことまで否定できるわけではない。
出来事の説明と、人の気持ちが
同じ速さで落ち着く場面でもない。
アリシアのことを知る過去にも、その違いが重なる。
友達が自分たちを守ろうとしていたと知っても、
夏凪がすぐに納得して前へ進めるとは限らない。
自分の知らないところで、
相手が危険を引き受けていた。
助けられたという言葉だけでは、
会えなくなった友達への思いを
短く収められない。
それでも、夏凪が自分で過去をたどることには変化がある。
移植された心臓の持ち主を探す依頼から始まった関係が、
自分自身の幼い頃へつながっている。
知りたい相手のことを調べていたら、
自分もその相手と出会っていた。
2期の研究施設の話は、
夏凪の依頼の手前にある時間を開いていく。
シエスタ、アリシア、ヘルの名が夏凪の過去にあることは、
現在の夏凪がその三人の代わりとしてしか
生きられないという話ではない。
君塚と会った時、彼女は自分の願いを言葉にしている。
知らない記憶や人格を抱えていても、
今何を知りたいかを尋ねる
夏凪の姿がある。
施設にいた友達を思い出すことは、
その友達と同じ顔になることとは違う。
アリシアの行動を知り、本人がいなくなった過去を知ることで、
夏凪は自分の姿の奥にいた相手へ近づく。
見た目が似ているから同じ人とするのではなく、
別々に生きていたからこそ、
失った関係が見えてくる。
アリシアと夏凪は、
6年前には同じ場所で暮らす別の少女。
その後、夏凪の身体にアリシアの姿が現れる。
二人のつながりには、変身の力だけではなく、
友達として過ごした時間がある。
2期で夏凪がたどるのは、
もう一つの自分の顔の由来と、
その顔を持っていた友達の過去になる。


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