第84話でサソリの針に刺されたメィリィは、死亡したと確定したわけではない。
原作で描かれる負傷後の治療と生存を追い、第76話で発見された遺体とは別の出来事だと分かる。
スバルが「ウチの子にならないか」と声をかけた直後の一撃から、二人が交わした約束の行方までたどる。
※第84話までの内容に加え、第1章の後半では原作で描かれるメィリィの生死に触れます。救命の詳しい経過は第5章以降で扱います。
第1章 結論|第84話でメィリィの死亡は確定していない
サソリの針は腹部を貫いたが、生死は示されていない
第84話でメィリィは、大サソリの放った針に腹部を貫かれた。
直前までスバルと話し、少し照れた顔を見せていた少女が、
次の瞬間には致命傷を負ったように見える。
ただし、この回で確認できるのは深刻な負傷までだ。
死亡の確定も、その後の治療結果も、まだ描かれていない。
針が刺さった位置を見れば、「きっと大丈夫」とは言えない。
相手は塔を襲う大サソリで、周囲には魔獣の群れも迫っている。
助けに向かうスバルとベアトリス自身が戦闘の最中にあり、
安全な場所へ運んで落ち着いて治療する余裕もない。
第84話の終わりに残ったのは、生き延びられるかという危機だ。
「メィリィは死亡した?」と検索した人が注意したいのは、
以前にもメィリィの遺体が登場していることだろう。
第76話では、意識を取り戻したスバルの目の前に
メィリィの死体があり、書庫では彼女の『死者の書』も見つかった。
あの出来事と、第84話のサソリによる負傷は同じ場面ではない。
第76話の死は、スバルが死に戻りを重ねる中で起きた。
その後の第78話でスバルは仲間と向き合い直し、
第79話にはメィリィを迎え入れた状態で塔の試験に挑んでいる。
第84話でサソリと戦っているのは、そのメィリィだ。
以前の遺体を根拠に、今回の死亡まで断定することはできない。
しかも第84話の負傷は、唐突な退場場面として見るだけでは
見落とすものがある。第83話でスバルが仲間を各所へ振り分け、
魔獣の群れには自分、ベアトリス、メィリィの三人で向かった。
メィリィは守られるために同行しただけの少女ではない。
魔獣を操る力を使い、塔を守る戦いの一角を担っていた。
その頼もしさを見た直後だから、針の一撃はなおさら重い。
第84話でスバルは、戦いが終わったらメィリィを
「ウチの子」に迎えたいと声をかける。
彼女もいつもの調子で言い返すが、耳は赤くなっていた。
未来の話が初めて具体的な形を取った途端、命が脅かされる。
ここで確かなのは、メィリィが負傷したという事実と、
その場では死亡が確認されていないという二点だ。
笑顔を見せていたから軽傷、という話にはならない。
腹部を貫かれた姿から死を連想するのも自然だろう。
だからこそ、第84話の映像より先を知りたい場合には、
原作で彼女の生死がどう描かれたかを別に確かめる必要がある。
原作では救命後の姿が描かれる――詳しい経過は第5章から
ここからは原作で描かれる結末に触れる。
メィリィはこの戦いで命を落とさず、治療を受けた後、
意識を取り戻して再び行動する。
第84話の刺傷場面で物語から姿を消すわけではない。
生死だけを急いで知りたかったなら、答えは「生きている」だ。
ただし、原作の描写を第84話の映像へそのまま重ねると、
負傷の仕方を取り違えてしまう。
アニメ第84話ではサソリの針が腹部を貫く。
一方、原作の該当場面では尾針の直撃を免れたメィリィが、
針の攻撃で生じた強烈な衝撃波を受けて瀕死となる。
どちらも危険な負傷だが、傷を受けた経過は異なる。
原作で命をつなぐ際には、スバルとベアトリスが動く。
スバルは『コル・レオニス』でメィリィの負担を引き受け、
ベアトリスは追ってくる魔獣を警戒しながら治療を始める。
スバルが力を使えば、すべてが即座に治るわけではない。
少女を助けながら自分も倒れず、二人で戦場を抜ける必要がある。
『コル・レオニス』は第84話の別の戦場でも働いている。
角を失ったラムがライと戦う間、その身体にかかる負担を
離れた場所のスバルが引き受けていた。
つまりスバルは、メィリィの負傷だけを抱える状況ではない。
仲間を同時に支えようとする彼の身体にも限界が迫っている。
だから「原作では助かる」と知っても、第84話の緊張は消えない。
目の前で傷ついたメィリィを、どう守り切るのか。
ベアトリスは魔獣に囲まれながら、いつ治療できるのか。
ラムを支える負担と、少女の命をつなぐ負担を、
スバルはどこまで背負えるのか。生存までの道は険しい。
さらに、第84話の映像では腹部を針が貫いている。
原作と負傷の描き方が異なる以上、治療場面の細部まで
アニメが原作と同じ順序になるとは断定できない。
現時点では、第84話で死亡は確定しておらず、
原作では救命される、という境界を押さえておきたい。
メィリィの傷が気になるのは、単に大きな針が刺さったから
だけではない。助ける側に回ったスバルが、直前に
「全部終わったら」と彼女へ先の暮らしを持ちかけたからだ。
かつて敵だった少女が仲間と帰る未来を口にされた直後、
その未来へ届くかどうかを問われている。
第2章 「ウチの子にならないか」の直後、何が起きた?
魔獣を率いるメィリィへ、スバルが帰る場所を差し出す
スバルの言葉を追うには、まず三人が置かれた場所を
思い出したい。第83話、塔には複数の危機が同時に迫り、
エミリアは上層へ、ラムは『暴食』との対決へ向かった。
スバルはベアトリス、メィリィと共に、
監視塔へ押し寄せる魔獣の群れを引き受ける。
砂丘を埋める魔獣に対し、メィリィの力は大きい。
彼女は魔獣を操れるため、ただ攻撃を避け続けるより
はるかに広い範囲で群れの動きへ働きかけられる。
スバルが彼女を戦場に連れてきたのも、その力が
塔の防衛に必要だったからだ。三人の中で最も幼い彼女が、
戦いを支える役目を担っている。
第80話では、砂丘の魔獣が一斉に監視塔へ押し寄せ、
スバルたちはシャウラとメィリィに防衛を託していた。
第81話では魔獣の群れに加えて大サソリまで現れ、
危機は一つに収まらなくなる。
第84話の三人は、突然始まった戦闘へ飛び込んだのではない。
何度も死に戻りを重ねた末に、それぞれの持ち場で
塔を守ろうとしている。
そんな中でスバルは、メィリィの働きを目の前で見る。
魔獣使いとして頼りになる彼女へ向けた言葉が、
「なあメィリィ、全部終わったらウチの子にならないか?」だ。
戦いが終わった後の話を、この危険な場所でする。
唐突で、少し調子も外れた誘い方に聞こえるだろう。
それでもスバルは、帰還後に彼女がいる暮らしを口にした。
この誘いが突然の思い付きだけに聞こえないのは、
メィリィとスバルの間に長い経緯があるからだ。
第2期の屋敷襲撃では、メィリィはエルザと共に敵として現れ、
魔獣を操って屋敷にいる人々を追い詰めた。
第48話には、スバルがギルティラウに追われる場面もある。
その少女に、今は自分たちと一緒に帰った後の話をしている。
塔へ向かう前にも、スバルはメィリィを置いていかなかった。
かつて屋敷を襲った彼女は、その後屋敷で過ごし、
アウグリア砂丘を越える旅に加わっている。
砂丘には魔獣が多く、塔へ着くためにも彼女の力が必要だった。
ただ利用したいだけなら、危険な仕事が終わった後の居場所まで
この場で約束する必要はない。
第76話の出来事を覚えていれば、その言葉はさらに響く。
別の死に戻りの中で、スバルはメィリィの遺体を見た。
彼女の『死者の書』を読み、死んだ少女の過去にも触れている。
その後、第78話で仲間に記憶喪失を打ち明け、
第79話にはメィリィも仲間として塔に向かった。
今度こそ全員で帰る、という選択の中に彼女も入っている。
ただし、スバルが一方的に望めば済む話ではない。
メィリィはかつて敵としてスバルたちを襲い、
塔の中でも、簡単には相手を信じられなかった。
だから「ウチの子」は、昔の行動を消して
何事もなかったように迎える軽い一言ではない。
危険な過去も知ったうえで、戦いの先に
彼女の席を空けておこうとする言葉として届く。
耳を赤くした直後、大サソリの針が腹部を貫く
メィリィは、その誘いを素直に受け取って頷かない。
スバルを「どうかしてる」と呆れたように言い、
自分までおかしくなった気分だと返す。
ところが、耳は赤くなっていた。
いつもの軽口で距離を取ろうとしても、
嬉しさまで隠し切れていないように見える場面だ。
ここまで見てきたメィリィには、魔獣を操る少女と、
エルザと共に屋敷を襲った暗殺者という顔がある。
第84話では、その彼女がスバルの誘いを前にして
答え方に困り、照れを見せる。
戦場で頼られている力強さと、帰る場所を差し出された時の
年相応の反応が、短い会話の中で続けて見える。
「全部終わったら」という言葉も、この場では重い。
まだ塔への魔獣の襲来は止まらず、ラムはライと戦い、
エミリアは上層で神龍ボルカニカに向き合っている。
三人だけが先に無事を確かめて帰れる状況ではない。
スバルの誘いは、目の前の戦闘を越え、
離れた場所にいる仲間も連れて帰った先の話だ。
その未来に少し手が届いたように見えた直後、
大サソリの攻撃がメィリィを襲う。
尾から放たれた針が、彼女の腹部を貫いた。
戦いの中で受けた傷だと分かっていても、
先ほどまで耳を赤くしていた姿との落差は大きい。
誘いへの返事を聞く前に、彼女の命が危うくなる。
しかも、この場にはメィリィ一人の危機では済まない
怖さがある。彼女は魔獣を操り、スバルとベアトリスが
群れに対抗するための大きな支えになっている。
もし指揮を続けられなくなれば、三人を取り囲む魔獣への
対処にも影響する。助けたい相手を抱えながら、
攻撃をかわして動かなければならない。
ベアトリスがそばにいるから、すぐ治るとも言い切れない。
戦場では治療の時間を作ること自体が難しく、
大サソリも魔獣も、三人の都合に合わせて止まってはくれない。
スバルにも『コル・レオニス』があるが、第84話では
遠くのラムが受ける負担まで引き受けていた。
力を使う先を増やせば、彼自身にも負荷がかかる。
ここで思い返したいのは、第83話の仲間の配置だ。
スバルたちは五つの危機へそれぞれ向かい、
ほかの場所の戦いを簡単には代われない。
ラムはレムを脅かすライと戦い、エミリアは上層にいる。
メィリィを助けるために、その戦場を放り出せばいい、
という状況ではない。三人には三人の戦いが残っている。
だから針が刺さった瞬間の疑問は、
「メィリィは死んだのか」だけでは終わらない。
スバルは目の前の少女を抱え、どこへ逃げるのか。
ベアトリスは迫る攻撃の中で治療に取りかかれるのか。
メィリィが操っていた魔獣はどう動くのか。
第84話は、その答えを出す前に彼女の負傷を見せた。
第76話に遺体を見た時、スバルはメィリィを
助ける言葉さえかけられなかった。
第84話では、彼女が生きているうちに
「全部終わったら」と帰った後の話をした。
あの誘いを口先だけで終わらせないためには、
まず目の前で傷ついたメィリィの命をつなぐ必要がある。
照れた顔のすぐ後に針が刺さる場面は、
約束を交わすことと、約束を守ることの距離を突き付ける。
第3章 メィリィはなぜサソリと戦っていた?
第81話から続く大サソリと魔獣の襲来
第84話でメィリィを襲ったサソリは、
突然そこへ現れた一匹の魔獣ではない。
第80話、アウグリア砂丘の魔獣が
軍勢となって監視塔へ押し寄せた時点で、
塔の外側には新たな戦場が生まれていた。
スバルは防衛をシャウラとメィリィに託し、
自分は塔内の異変を確かめに向かっている。
ところが、危機は魔獣の群れだけでは終わらない。
第81話では塔内を動くレイド、
『暴食』の大罪司教たち、
砂丘から来る魔獣の軍勢に加えて、
大サソリと漆黒の影まで現れた。
一つの敵を倒せば全員を助けられる状況ではなく、
塔の内と外で同時に戦う必要があった。
ここがメィリィの位置を理解する手掛かりになる。
ラムにはライとの戦いがあり、
エミリアには塔の試験を進める役目がある。
ユリウスもレイドと向き合わなければならない。
魔獣の群れを無視して全員が塔内へ集まれば、
砂丘からの攻撃を止める者がいなくなる。
外側の危機を引き受ける人手が必要だった。
第83話、記憶を取り戻したスバルは、
同時に迫る危機へ仲間を振り分ける。
エミリアは上層へ駆け上がり、
ラムは螺旋階段で『暴食』を待ち受け、
襟ドナはユリウスのもとへ向かった。
そしてスバル自身はベアトリス、
メィリィと共に魔獣の群れに立ち向かう。
三人が戦う相手には、大サソリもいる。
人の姿でスバルを慕っていたシャウラが
異形となって襲ってくるため、
相手を倒せば済むとも言い切れない。
魔獣の群れを止め、大サソリの攻撃も避け、
塔の仲間がそれぞれの戦いを終えるまで
持ちこたえることが三人の仕事だった。
塔の上では別の戦いが進んでいる。
第84話にはエミリアが神龍ボルカニカと対面し、
ラムはライを追い詰めていく。
スバルたちが外側を守れなければ、
上層の試験や螺旋階段の決着を
待つ時間さえ失われかねない。
メィリィが立っているのは、
全員の戦いを支える持ち場なのだ。
その場所へ、大サソリの針が届く。
メィリィは戦闘と無関係な所で
偶然巻き込まれたわけではない。
魔獣の群れへ力を使い、
スバルとベアトリスと共に防衛を続けた先で
腹部を貫かれている。
だからこそ負傷後の心配には、
少女自身の命と塔の防衛が重なっている。
大サソリを見て「魔獣使いなら操れるのでは」
と思うかもしれない。
しかし第84話で目の前にある事実は、
メィリィが魔獣を操って戦っていても、
サソリの攻撃を防ぎ切れなかったことだ。
彼女の力が役立っていることと、
本人が安全であることは別の話になる。
魔獣を操るメィリィが、塔の防衛に欠かせなかった
メィリィの力が頼りにされたのは、
今回の防衛戦が初めてではない。
第1期のアーラム村では、
魔獣ウルガルムが子供たちを襲い、
スバルたちを森での戦いへ追い込んだ。
第11話にはスバルが囮となり、
群れを引き付ける場面がある。
後に分かった、その騒動の背後にいた
魔獣使いこそメィリィだった。
かつて村の人々を危険にさらした力が、
第4期では仲間を守るために使われている。
この変化を最も早く実感できるのは、
塔へ着く前の第68話だろう。
一行は魔獣が出るアウグリア砂丘を進み、
砂風吹き荒れる「砂時間」も越えようとする。
その道中、メィリィの加護が
魔獣をいなす助けになっていた。
当時は砂丘の魔獣を避けながら、
塔へ近づくことが目的だった。
第80話以降は同じ砂丘から魔獣が
監視塔へ一斉に押し寄せる。
移動中に遭遇する相手をかわすのと、
軍勢となった相手から塔を守るのでは、
メィリィに求められる働きも変わる。
剣を持つユリウスなら敵へ切り込み、
エミリアなら氷で道を開ける。
メィリィの強みは、迫る魔獣へ
外から攻撃を加えることだけではない。
自分たちを襲うはずの魔獣の動きに
直接働きかけられる。
数の多い敵を相手にした時ほど、
その力が防衛の支えになる。
一方、メィリィ自身は小柄な少女だ。
第1期にウルガルムを操ったからといって、
その身体が針や爪に強いわけではない。
第84話のサソリが腹部を貫いた場面は、
広い範囲で役立つ力を持つ人ほど、
狙われた時には守らなければならないと示す。
戦場で頼れることと、傷つかないことは違う。
しかも負傷したメィリィを守るために、
スバルとベアトリスが戦いを止めることも
簡単ではない。周囲には魔獣がいて、
大サソリの攻撃も続いている。
三人で受け持った場所から離れれば、
押し寄せる群れへの備えが弱くなる。
この状況が、針の一撃を
単なる負傷以上の危機に変えている。
第84話の「ウチの子にならないか」という誘いは、
彼女が戦場で役に立った褒美ではない。
ただ、この回でスバルが声をかけた相手は、
危険を前に共に動いているメィリィでもある。
第68話には砂丘を越える旅を助け、
第83話には三人で防衛を引き受けた。
一緒に帰りたい相手が目の前で傷つくから、
スバルには戦いの続きと救命の両方が迫る。
第4章 第76話の「メィリィ死亡」と今回の負傷は同じ?
第76話でスバルが見つけた遺体と『死者の書』
第76話でメィリィが死亡したのは事実だ。
意識を取り戻したスバルの目の前には、
彼女の遺体があった。
自分の腕には「ナツキスバル参上」の文字。
何が起きたか覚えていないスバルは動揺し、
遺体を隠してその場を離れる。
さらにベアトリスが書庫で見つけたのは、
メィリィ・ポートルートと記された
『死者の書』だった。
スバルがそれを読むと、彼女の過去と
命を落とすまでの出来事が流れ込んでくる。
遺体も本も、あの死がスバルの思い違いでは
なかったことを示している。
第77話にも、その死の影響は続いた。
隠したメィリィの遺体が見当たらず、
探していたスバルは仲間に見つかる。
記憶を失ったと訴えてもラムの疑いは解けず、
氷の檻に閉じ込められてしまった。
一人の少女の死によって、
塔にいる仲間同士の信頼まで揺らいでいる。
『死者の書』を読んだスバルの頭には、
メィリィの声も響き始めた。
少女の人生を追体験したことで、
自分と彼女との境目まで揺らいでいく。
遺体を見つけて驚いただけの出来事ではない。
あの死は、記憶を失ったスバルを
さらに追い詰める出来事だった。
ただし第76話の遺体は、
第84話でサソリの針を受けた後の
メィリィではない。
第76話では塔内で遺体が見つかり、
スバルは死の真相を追っていた。
第84話ではメィリィが生きて砂丘に立ち、
スバル、ベアトリスと共に魔獣と戦う。
そこへ大サソリの針が刺さった。
第76話に死が描かれたからといって、
第84話の負傷後の生死まで決まるわけではない。
スバルは死に戻り、以前とは違う行動を選んだ。
第76話の遺体があった時間から
そのまま進んだのであれば、
第84話にメィリィが仲間と並んで
戦うこと自体ができなかったはずだ。
それでも、以前の死を覚えていると、
第84話の針の一撃は恐ろしい。
一度は本当に命を落とした少女が、
今度は目の前で深い傷を負った。
「また助けられないのか」と不安になるのは、
第76話でスバルの前にあった遺体と
書庫で見つかった本を知っているからだ。
死に戻りを経た第78・79話で、メィリィは仲間になる
二つの出来事を分けるのが、
第78話「これからの話」だ。
死に戻ったスバルは、まず仲間へ
自分が記憶を失っていたと打ち明ける。
レムのことも自分の記憶も取り戻し、
全員で帰ると宣言した後、
二度も落下死した螺旋階段へ向かった。
そこにはメィリィがいた。
別の死に戻りでは、スバルは
背中を押されて階段から落ちている。
危険を知ったうえで彼女と向き合い、
今度は転落につながる行動を止めた。
スバルが先に少女を敵と決め付け、
力ずくで排除する道は選んでいない。
メィリィにも、スバルたちを
簡単には信じられない事情がある。
塔へ来る前、彼女は屋敷を襲った者として
行動を制限されながら暮らしていた。
魔獣のいる砂丘を越えるために同行したが、
塔へ着いて役目を終えれば
切り捨てられるかもしれない。
彼女はそんな疑いを抱えていた。
スバルにも警戒は残っている。
第76話にはメィリィの遺体を見て、
『死者の書』でその過去を知った。
一方で、自分が塔の階段から
突き落とされた経験もある。
守りたい気持ちだけで、
起きた危険をなかったことにはできない。
それでも、生きている彼女と話す道を選んだ。
エミリアも二人の間に入る。
メィリィを一方的に監視するのではなく、
スバルが約束を守るかを
彼女も見ていてよいと伝えた。
疑う気持ちがすぐに消えなくても、
相手の行動を確かめながら一緒に進める。
メィリィには、それまでと違う
仲間との向き合い方が示される。
続く第79話には、スバルたちは
メィリィを仲間として迎え、
監視塔の試験へ進んでいる。
第76話で遺体が見つかった少女が、
死に戻りを経た後は再び皆と行動している。
第83話にはスバル、ベアトリスと共に
塔へ迫る魔獣の群れを引き受けた。
第84話の負傷は、その戦いの最中に起きた。
第76話でスバルはメィリィの遺体を見た。
第78話では生きている彼女と向き合い、
第79話には仲間として共に試験へ進んだ。
その先の第84話で、メィリィは
大サソリの針を受ける。
以前の死と今回の負傷は別の出来事だ。
針を受けた後の生死は、
第84話の時点ではまだ確定していない。
※ここからは原作第六章で描かれる、第84話より先の出来事に触れます。
第5章 刺された後、メィリィはどうなる?
スバルが「コル・レオニス」で負傷の負担を引き受ける
原作でメィリィが倒れるのは、
魔獣を率いて大サソリを攻めた直後だ。
サソリの甲殻が赤く変わり、
尾から放たれた攻撃が砂海を砕く。
前のめりに魔獣を指揮していた彼女は、
広がった衝撃波を強く受け、
砂の上に倒れ込んだ。
ここは第84話の映像と違いがある。
アニメでは針がメィリィの腹部を貫く。
原作では尾針そのものは彼女を外れ、
砂海を砕いた衝撃波が身体を襲った。
直撃を免れても安全だったわけではない。
背中の衣服は破れ、肌には深い傷と火傷が残り、
内臓にまで傷が及ぶほどの重傷を負う。
スバルとベアトリスが駆け寄った時、
メィリィは自力で立てない。
呼びかけてもすぐに普段の調子へ戻らず、
身体を抱き起こしたスバルの腕の中で
意識もはっきりしない。
針の直撃は避けられたから助かる、
という段階ではなかった。
まず命を落とさせないための行動が要る。
そこでスバルは『コル・レオニス』を使う。
第84話では、角を失ったラムの身体にかかる
負担を引き受ける力として働いていた。
今度は倒れたメィリィの苦しみへ意識を向け、
自分の側へその負担を流し込む。
彼女だけに背負わせれば命に関わる傷を、
離れた場所のラムを支えながら受け取るのだ。
もちろんスバルの身体が、
二人分の苦痛を無限に受け止められる
わけではない。
メィリィから流れ込む痛みは激しく、
ラムを支えるだけでも既に消耗していた
スバルの余裕を奪っていく。
彼が倒れれば、メィリィを抱えて逃げる者も、
ラムの負担を引き受ける者も失われる。
スバルは、まず目の前の命を優先する。
メィリィの傷を引き受けるため、
ラムから流れ込む負担を抑えなければならない。
螺旋階段ではラムがライと戦っているが、
スバルには今すぐ彼女のもとへ行けない。
仲間を同時に助けようとした力が、
どちらをどこまで支えるかという
苦しい判断を彼に迫る。
負担を引き受けても、傷そのものが
一瞬で消えるわけではない。
メィリィはスバルの腕の中で血を吐き、
呼吸まで危うくなる。
しかも、倒れた彼女の加護が弱まると、
先ほどまで従っていた魔獣まで
スバルたちを襲い始める。
助けたい少女を抱えたまま、
周囲からの攻撃にも対応しなければならない。
以前は一行を乗せていた餓馬王も、
メィリィの指示が届かなくなると
スバルたちを敵とみなす。
迫る炎をかわしながら、
スバルは彼女を運んで走る。
ベアトリスは魔法で魔獣を遠ざけるが、
二人の手だけでは安全な場所を
すぐに確保できない。
この時、スバルの腕の中で
意識が薄れたメィリィは、
自分を運ぶ相手をエルザだと思いかける。
かつて共に行動した相手に
抱えられた記憶が残っているからだ。
だが耳元から聞こえるのは、
スバルとベアトリスが彼女の呼吸を
守ろうとする声だった。
メィリィの頭には、直前に交わした
「約束」もかすかに残っている。
第84話でスバルが口にしたのは、
戦いが終わった後に彼女を迎える話だった。
本人がその先を考えられないほど傷ついた今、
まず今日を生き延びさせようと
スバルは腕の中の少女を離さない。
ベアトリスが治療し、三人で危機を越えようとする
メィリィの喉には血がたまり、
そのままでは息ができなくなる。
ベアトリスは吐いた血を外へ出すよう促し、
スバルは走りながら彼女の呼吸を確かめる。
やがて口元から血を吸い出すと、
メィリィはようやく息を取り戻す。
サソリから逃げるより先に、
目の前で止まりかけた呼吸を守る場面だ。
ただ、呼吸が戻っても出血は続く。
メィリィの身体を支えるスバルも、
彼女から引き受けた苦痛で消耗している。
ベアトリスには治癒魔法があるが、
周囲の魔獣を警戒しながら使わなければならず、
治療だけに集中できる場所はない。
一つの危機をしのぐたび、
次の攻撃が三人に迫る。
ここでベアトリスは、メィリィを
スバル一人の責任にはしない。
彼女も三人で戦ってきた仲間であり、
助けたいと思っているのは自分も同じだと
スバルへ伝える。
そして彼の肩に乗るような姿勢から、
抱えられたメィリィに治癒魔法をかけ始める。
スバルが傷の負担を引き受け、
ベアトリスが治療を続ける。
それでも大サソリは退かず、
魔獣の群れも周囲に残っている。
ベアトリスが治癒魔法を使う間も、
スバルは少女を運び、
二人で攻撃をかわさなければならない。
助かると分かった後から振り返っても、
一歩遅れれば危うい場面が続く。
スバルの苦痛は増すばかりだった。
ラムの負担にメィリィの重傷が加わり、
自分まで動けなくなる寸前へ追い込まれる。
それを見たベアトリスは、
彼だけがすべてを背負うことを拒む。
スバルも彼女の言葉を受け、
『コル・レオニス』の使い方を変える。
新たに働いた「セカンドシフト」では、
スバルに集中した負担を、
共に背負おうとする相手へ分けられる。
この場で応じるのはベアトリスだ。
彼女にも苦痛が流れ込み、顔色は悪くなる。
楽な方法を見つけたのではない。
一人が倒れて三人とも助からなくなる事態を、
二人で踏みとどまろうとしている。
ベアトリスは負担を受けながら、
メィリィへの治療をやめない。
スバルも少女を抱えたまま、
サソリと魔獣から逃れる道を探す。
第84話の針の一撃から始まった危機は、
スバル一人の力だけで終わらない。
メィリィの命をつなぐために、
ベアトリスも自分の力と痛みを差し出す。
第6章 助かったメィリィは、もう一度戦えるのか?
意識を取り戻し、魔獣を率いて再び動く
治療が始まっても、大サソリの攻撃は続く。
原作ではスバルとベアトリスが、
二人で編み出した防御魔法を使い、
メィリィを抱えたまま強い一撃をしのぐ。
だが防御を続ければ魔力が減り、
治癒魔法まで止まる危険がある。
ベアトリスには敵を防ぐことと、
少女の傷を癒すことの両方が必要だった。
そこで二人は、守り続けるだけでは
生き残れないと判断する。
防御を解いて移動すれば、
サソリの尾や周囲の魔獣に狙われる。
止まれば治療に使う力まで尽きる。
メィリィが呼吸を取り戻した後も、
三人に落ち着ける時間はない。
命をつないでいる最中に、戦いが続いている。
大サソリと魔獣の攻撃が
一度に迫った時には、
ユリウスが三人の前へ駆け付ける。
第83話に彼が向かった先は、
塔内のレイドとの戦場だった。
そこでの戦いを経て現れた騎士が
魔法と剣で攻撃を受け止め、
スバルたちに必要な時間を作る。
その間にも、メィリィはすぐに
元気な姿へ戻ったわけではない。
顔から血の気は引き、
息は荒く、傷も残っている。
一度倒れた彼女を戦場へ立たせているのは、
治療が進んだことに加え、
スバルが負傷の負担を引き受け、
さらに分け合っているからだ。
やがて、サソリとスバルたちの
力比べに魔獣が割って入る。
餓馬王だけではない。
花をまとった熊、翼を持つモグラ、
蛇のような魔獣まで加わり、
サソリの尾を引くスバルへ力を貸す。
群れが勝手に味方へ戻ったのではない。
砂の上にいたメィリィが、
再び魔獣へ呼びかけたのだ。
苦しそうな顔で息を整えながら、
彼女は手を打ち、群れを動かす。
倒れた少女が意識を取り戻したことは、
ここではっきり分かる。
命をつないだだけでなく、
自分の力を使って戦いへ戻ってきた。
第68話、砂丘を越える旅では、
メィリィの加護が一行を魔獣から守った。
第80話以降は、その砂丘の魔獣が
監視塔へ軍勢となって押し寄せた。
彼女は今、その群れにもう一度働きかけ、
スバルたちが大サソリと向き合う力に変える。
旅の道中から頼られた力が、
最後の戦いでも必要になる。
第1期にアーラム村を脅かした
ウルガルムの騒動を知っていれば、
この場面はさらに強く残る。
かつてメィリィは魔獣を操り、
スバルたちを追い詰める側にいた。
今は同じ力で、スバルが立つのを助ける。
彼女が生き残ったことは、
仲間に守られたことだけでは分からない。
自分も仲間を守る側へ戻った姿に表れている。
負傷を引き受けたスバルにも限界が迫る
ただし、メィリィの再起を
完全に治った結果だと受け取ると、
スバルに起きていることを見落とす。
少女が負った傷の負担は消えたのではなく、
『コル・レオニス』を通じて
ほかへ流れている。
彼女が立って魔獣を呼べる間も、
苦痛を引き受ける者はいる。
最初にそれを受けたスバルは、
既にラムの負担も背負っていた。
ラムは第84話、ライとの戦いで
失った角を補うような力を使い、
身体に大きな負荷をかけている。
離れた戦場でメィリィの命が危うくなれば、
スバルはどちらをどこまで支えるか
判断を迫られることになる。
ベアトリスも負担を分け合うが、
彼女には治療と防御の役目がある。
スバルから苦痛を受け取ったうえに、
自分まで倒れればメィリィを癒せない。
二人が支え合っても、
受け止められる負担には限りがある。
メィリィを動けるところまで
回復させるには、さらに力が必要だった。
そこでスバルの『コル・レオニス』は、
塔の地下にいる地竜ジャイアンにも届く。
スバルは彼へ助けを求め、
メィリィの負担の大きな部分を
自分を通して分ける。
ジャイアンが応じたからこそ、
メィリィは再び立ち、
魔獣を率いることができた。
スバルには、これを当然のこととして
頼むことはできない。
地竜まで苦しみに巻き込むと分かったうえで、
メィリィを救うために力を借りている。
ジャイアンが負担を受けられたことも、
彼がスバルを支える側にいたことを示す。
少女一人の再起を、
遠く離れた仲間まで支えていた。
その協力が砂の上で目に見える形になる。
スバルがサソリの尾を引き、
ベアトリスが魔法で身体を支え、
メィリィの呼んだ魔獣が加勢する。
ユリウスも剣を構え、
巨体が崩れる機会を待つ。
第83話に各所へ分かれた仲間の戦いが、
大サソリの前で重なっていく。
第84話で針を受けたメィリィのその後は、
傷が瞬時に消えるような回復ではない。
スバルは苦痛を引き受け、
ベアトリスは治療を続け、
ジャイアンも負担を分け持つ。
そうしてつないだ命で、
メィリィ自身が再び魔獣を呼んだ。
生き延びた少女は守られるだけにとどまらず、
仲間と共に戦場へ戻っている。
第7章 「ウチの子」の約束は、メィリィに何を残した?
第2期の屋敷襲撃で敵だった少女を、なぜスバルは助けるのか
第84話でスバルが差し出した「ウチの子」という言葉は、
最初からメィリィと親しく暮らしてきた者の誘いではない。
二人の出会いをたどれば、
スバルには彼女を警戒するだけの過去がある。
第1期、アーラム村の子供たちを襲った
ウルガルムの群れも、メィリィの力とつながっていた。
第10話にはスバル自身が魔獣の呪いを受け、
命を落としかねないところまで追い込まれている。
第11話では、スバルがレムとラムを逃がすため、
ウルガルムの群れを引き付ける囮になった。
スバルにとって魔獣使いの力は、
遠くから聞いただけの恐ろしい能力ではない。
森の中で牙を向けられ、仲間の命まで
危うくなった記憶に結び付いている。
その力を使った少女を迎えるのだから、
単純に昔のことを忘れたわけではない。
第2期には、メィリィがエルザと共に
ロズワール邸を襲う。
第48話でガーフィールがエルザと戦う一方、
スバルはギルティラウに追われながら
ベアトリスのいる禁書庫へ向かった。
今度は魔獣の脅威が屋敷の中に入り、
守りたい人たちのいる場所まで襲われた。
メィリィを信用できない過去は、
第1期だけでは終わっていない。
屋敷での戦いが終わっても、
メィリィはすぐに家族の一員になった
わけではなかった。
過去に屋敷を襲った事実が残る以上、
自由に行動させることには危険もある。
塔へ向かう前の彼女は、屋敷で
行動を制限されながら暮らしていた。
スバルが「ウチの子」と言うまでには、
敵だった少女をどう扱うかという
長い時間が挟まっている。
第4期の旅を前に、その立場が変わる。
第67話、スバルたちは
プレアデス監視塔へ向かうと決めた。
魔獣の多いアウグリア砂丘を越えるため、
メィリィも同行することになる。
原作では、部屋を与えられた彼女が
ぬいぐるみを運び込み、
新しい場所を見回す姿が描かれている。
部屋があることと、安心して帰れることは
同じではない。
その時のメィリィは、仕事が終われば
屋敷を離れるかもしれないとも口にする。
自分がそこに長くいてよいのか、
彼女自身にもまだ分からない。
砂丘で役立つ力を持つ同行者ではあっても、
帰還した後の居場所まで
確かになったわけではなかった。
塔の中でも、過去の危険は消えない。
第76話、別の死に戻りでは
スバルがメィリィの遺体を発見する。
その後の第78話につながる螺旋階段では、
彼女がスバルを突き落とそうとする。
スバルは自分が狙われたことを知りながら、
今度は転落を防ぎ、彼女とも向き合った。
信じるには危うさが残る相手を、
そこで切り捨てなかった。
メィリィにも、隠してきた感情がある。
第2期に共に屋敷を襲ったエルザを、
彼女は強く慕っていた。
その人を失った痛みを、
何事もない顔で消せるわけではない。
スバルの側から見ればエルザは
屋敷の仲間を襲った敵だが、
メィリィの側から見れば
簡単に代わりを置けない相手だった。
だからスバルが彼女を助けることは、
昔の襲撃を許したと一言で済ませる行動でも、
エルザを忘れさせることでもない。
メィリィが危険な選択をしてきたことと、
まだ幼い少女であることの両方を見ている。
第84話に彼女が傷つけば、
以前の敵だったから見捨てる、
という選択をスバルはしない。
ベアトリスも彼女を仲間として治療する。
第78話の信頼から、第84話の「帰る場所」へ
第78話で変わったのは、
メィリィを疑わなくなったことではない。
スバルは彼女がしたことを知ったうえで、
次にどうするかを本人と話そうとした。
エミリアもその場でメィリィの目線に合わせ、
スバルが約束を守るか、
彼女も見ていてよいと伝える。
一方だけが相手を見張る関係から、
互いの行動を確かめる関係へ進み始めた。
続く第79話、スバルたちは
メィリィを仲間として迎え、塔の試験に進む。
第68話には砂丘の魔獣をいなし、
第83話にはスバル、ベアトリスと共に
押し寄せる魔獣の防衛を引き受けた。
彼女は守られるだけの少女ではなく、
危険な場所で仲間から頼られる一人になった。
第84話の誘いは、その歩みの先にある。
「全部終わったら」という言い方には、
今すぐ安心できる場所へ連れて帰れない
戦場の現実が残っている。
ラムはライと戦い、エミリアは塔を登り、
スバルたちは魔獣と大サソリを止めている。
全員が無事に戻れた時、
メィリィにもそこで暮らしてほしい。
スバルが口にしたのは、
彼女を旅の間だけ必要な協力者として
終わらせないという誘いだ。
メィリィの返事も忘れがたい。
スバルを呆れたように言いながら、
耳は赤くなる。
その場で素直に喜んで飛び付くのではなく、
いつもの口調で気持ちを隠そうとする。
第67話に新しい部屋でぬいぐるみを広げつつ、
長居するかは分からないと言っていた少女が、
帰った後もここにいてよいと誘われている。
だが、第84話では答えを言い切る前に
大サソリの針が腹部を貫く。
原作で描かれる負傷の経過は異なるものの、
倒れたメィリィをスバルとベアトリスが助け、
彼女は再び魔獣を率いて立ち上がる。
その時点で約束のすべてが
果たされたわけではない。
まず「全部終わったら」と言える先へ、
三人でたどり着こうとしている。
第76話でスバルの前にあったのは、
もう声をかけられないメィリィの遺体だった。
第84話で彼の腕にいるのは、
まだ助けることのできるメィリィだ。
呼吸を守り、傷を治療し、
苦痛を分け合って命をつなぐ。
スバルが差し出した帰る場所は、
少女をそこへ連れて帰る行動があって
初めて確かなものになる。
メィリィは第84話で死亡したと
確定したわけではない。
原作では救命され、意識を取り戻し、
再び仲間と戦う。
針の一撃の先に残るのは、
生き延びたかどうかという答えだけではない。
かつて敵として屋敷を襲った少女が、
今は帰りを待ってもらえる仲間になった。
「ウチの子」という短い言葉には、
その変化が詰まっている。
Re:ゼロまとめ
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