ラムが偽物レムを見抜けたのは、顔や声の違いを見破ったからではない。
ラムとレムの共感覚は、眠っている本物のレムへつながっていた。
ライがレムの姿と言葉を奪えても、姉妹が分け合う感覚までは奪えなかった。
第1章 ラムはなぜ偽物レムを見抜けた?本物のレムとつながっていたから
目の前のレムはライ、本物のレムは別の場所で眠っている
ラムが偽物レムを見抜けたのは、顔立ちや声に
違いを見つけたからではない。
第84話でラムの前に現れた妹の姿は、
ライ・バテンカイトスが作り出したものだった。
一方、本物のレムは意識を失ったまま、
パトラッシュに守られて塔の通路にいる。
ラムには、そのレムへ届く共感覚があった。
目の前に妹の顔をした者が立っていても、
妹本人がどこにいるかを確かめられる。
ライが姿と声を借りることはできても、
ラムとレムの間にあるつながりまで
自分のものにすることはできなかった。
ただし、ラムはレムの姿を見た瞬間から、
平然と偽物を退けたわけではない。
第84話の序盤、螺旋階段ではラムが
ライとの戦闘を優位に運んでいた。
力で勝てないと悟ったライは、
眠っているレムを狙って戦う場所を変える。
パトラッシュはレムを背に乗せて逃げ、
ラムも二人の後を追う。
ライを倒すことだけを考えていれば、
無防備な妹の命が危うくなる。
その切迫した状況でラムが追いついた先に、
レムの姿をしたライが立っていた。
ライは以前に奪ったレムの記憶を利用し、
姉へ向ける言葉や態度まで使う。
眠っていたはずの妹が目の前で動き、
親しげに呼びかけてくる。
それが敵だと頭で分かっていても、
レムの顔へ攻撃を向けるのは容易ではない。
ライが狙ったのは、その一瞬のためらいだ。
妹の姿をした相手にラムが手を止めれば、
追い詰められていた戦況を覆せる。
しかも近くには、本物のレムが眠っている。
ラムは偽物からの攻撃をしのぎながら、
妹のもとへライを近づけないよう戦う。
ここで確かめたいのは、
「姉なら演技の下手な偽物に気づく」
という話ではない。
ライはレムの外見だけを借りた
変装者ではなかった。
奪った記憶を持っているため、
レムが姉をどう慕っていたかまで知っている。
声や言葉遣いをどれほど疑っても、
そこには本物のレムから奪ったものがある。
第84話の戦いが苦しいのは、
敵の口から妹自身の言葉が聞こえるからだ。
ラムは妹を思わせる姿に揺さぶられ、
それでも目の前の相手と戦わなければならない。
その間もパトラッシュは、
意識のないレムを守って走り続ける。
ライの攻撃を受けて傷ついても、
レムを置いて逃げることはできない。
ラムが偽物との戦いに気を取られれば、
横たわる妹へライの手が届いてしまう。
だからラムには、目の前の相手を
倒すだけでは足りなかった。
二人のレムがいるように見える中で、
守るべき妹がどちらなのかを
揺らがずに確かめる必要があった。
そこで頼りになったのが共感覚である。
第4期第69話でも、ラムとレムの
つながりはすでに役立っていた。
砂丘の地下へ飛ばされたラムは、
エミリアやレムたちと分断される。
妹の姿は見えず、声も聞こえない。
それでもラムは共感覚を通じて、
動けないレムの無事を確かめていた。
離れた場所でも妹へ届く感覚がある。
その第69話の場面を踏まえると、
第84話でラムが頼ったものも見えてくる。
顔がどれほどレムに似ているかではない。
本物のレムが今どこにいるのかを、
ラムは自分の感覚で確かめたのである。
ラムは共感覚を通じて妹の存在を確かめた
第84話の後半、ラムは妹の姿をした
ライに追い込まれていく。
それまでの戦闘で身体には負担が積もり、
額の古傷からも血が流れる。
ライはなおもレムの顔と声を使い、
姉の判断を鈍らせようとする。
その近くには、パトラッシュが
懸命に守ってきたレムがいた。
ラムが向き合うのは、よく似た二人の
顔を見比べる問題ではない。
声を出せないまま眠っている妹と、
目の前で妹を演じる敵との違いだ。
ラムが確かめた本物のレムは、
立って話しかけてくる方ではない。
意識を失い、通路の奥で眠っている方だ。
共感覚でつながる相手がそちらにいる以上、
目の前で姉を呼ぶ者はレムではない。
ライが声を似せても、その事実は変わらない。
この違いは、ライの使う「暴食」を
考えると分かりやすい。
ライはレムの名前と記憶を奪い、
彼女の存在を人々の記憶から消した。
さらに奪った記憶を使って、
姉を慕う言葉まで引き出している。
ラムの前に立つライは、
単に髪や服装を似せた相手より
ずっと厄介だった。
だが、レムの記憶を持つことと、
今も眠っているレム本人になることは
同じではない。
ラム自身も、その差を簡単に
受け止められたわけではない。
第2期第26話ではレムの存在が消え、
スバルだけが彼女を覚えていた。
ラムも妹と過ごした日々を
思い出せなくなっている。
かつて守ろうとした妹の顔が、
敵の姿として目の前に現れる。
しかも、その敵が口にする言葉は
レムから奪った記憶に支えられている。
その一方で共感覚の届く先には、
別の場所で眠る本物のレムがいた。
だからラムの反撃は、変身の仕掛けを
見破っただけの逆転では終わらない。
ライは姉妹の思い出を奪い、
それを姉への攻撃に使った。
ラムは妹の顔をした敵に揺さぶられながら、
共感覚で本物のレムを確かめる。
そして守るべき妹がどちらにいるかを
見失わず、ライへ向き直る。
「ラムVSレム」に見えた戦いでも、
ラムが戦っていた相手は
最初から暴食のライだった。
妹を取り戻すために退けるべき敵である。
ラムが偽物レムを見抜けた決め手は、
顔、声、言葉遣いの比較ではない。
眠る妹へ今も届いている共感覚だ。
ライはレムの姿でラムの前に立てたが、
ラムとレムの間には入れなかった。
妹が自分を呼ぶ声よりも、
妹自身がいる場所をラムは確かめた。
第2章 ラムとレムの共感覚とは?二人で分け合えるもの
喜びや痛みが伝わる、鬼族の双子のつながり
共感覚は、ラムとレムが感情や痛みを
分け合える、双子のつながりである。
一方の身に起きたことが、
もう一方にも伝わる。
長く一緒に暮らしたから相手の考えを
推測できる、というだけの話ではない。
第84話では、そのつながりが
眠っている本物のレムへ届いていた。
だからラムは、妹の顔をした相手が
目前で話しかけてきても、
レム本人との違いを確かめられた。
ライが借りた外見より確かなものが、
ラムの側には残っていたのである。
この力を第84話で突然出てきたものと
考えると、ラムの判断が唐突に見える。
だが第4期第69話では、ラムがすでに
共感覚を使っている。
砂丘の地下へ落ちたラムたちは、
エミリアやレムと離れ離れになった。
暗い通路を進んでも、
すぐに合流できる出口は見つからない。
レムの姿を探しても見えず、
彼女が声を上げることもない。
それでもラムは、動けない妹の命が
無事であることを確かめていた。
第69話で大切なのは、
レムが眠ったままだったという点だ。
妹はラムへ返事をしたわけでも、
居場所を知らせる合図を送った
わけでもない。
地下にいるラムにも、妹を見通せる
道はなかった。
それでも無事を確かめられたからこそ、
共感覚は目や耳に頼る確認とは異なる。
第84話でライがレムの顔と声を借りても、
第69話でラムへ届いた妹の存在まで
置き換えることはできない。
二つの回は、ここでつながっている。
姉妹の関係は、第1期第11話まで戻ると
さらに重く見えてくる。
鬼族の村では、強大な力を持つ
ラムへ周囲の期待が集まっていた。
妹のレムは姉と比べられ、
自分の力が足りないことを苦しんでいる。
その村が襲われた夜、
ラムの角は折られてしまう。
レムは姉が角を失った出来事を
自分の罪として抱え続けた。
第11話では、そんなレムの過去が
スバルを守ろうとする現在の姿にも
重なって描かれている。
レムは姉のために働こうとし、
自分にできることを探し続けてきた。
第84話でライが利用する記憶には、
そうした姉への気持ちが含まれている。
ラムが聞かされるのは、敵が適当に
考えた親しげな言葉ではない。
妹から奪われたものを使った言葉だ。
だからこそ、レムの姿をしたライの
振る舞いはラムにとって残酷だった。
聞こえる声に心を引かれても、
本物のレムはそこにはいない。
共感覚は、奪われた記憶を語る偽物から
今も生きている妹へ、
ラムを引き戻すつながりとなった。
第84話でラムは、折れた角と
身体の負担にも向き合う。
角を失ってから、大きな力を使えば
ラムの身体には強い苦痛がかかる。
スバルはコル・レオニスで負担を引き受け、
ラムがライと戦う時間を作っていた。
ただ、戦いが長引けば、
誰かがその苦しみを背負い続ける。
姉妹で感覚を分け合えることは、
偽物を確かめる場面だけに関わる
設定ではない。
眠ったままのレムも、ラムの戦いから
切り離された存在ではなかった。
見た目を照合する力ではなく、本物へ届く感覚
共感覚を、偽物を自動で見抜く力と
考えると、第84話の苦しさが薄れる。
ライが現れたとき、ラムは妹の顔をした
相手に心を揺さぶられる。
しかも相手は、本人の記憶から
姉への言葉を引き出していた。
顔が違う、声が違うと簡単に
退けられる相手なら、
ライの攻撃は成立しない。
ラムが最後に頼ったのは、
演技のほころびを探す目ではなく、
本物の妹へ届いている感覚だった。
ライが記憶を悪用する危険は、
第3期第66話にも表れている。
そのときライは、奪ったレムの記憶から
彼女の言葉を使い、相手を嘲笑した。
レムを救おうとしている仲間へ、
レムの言葉そのものを聞かせる。
力任せの攻撃とは違う、悪質な揺さぶりだ。
第84話では、その手口をさらに進め、
レムの姉であるラムへ妹の姿で迫った。
名前を奪われて人々から忘れられた
レムの顔を、奪った当人が使っている。
ラムには取り戻したい妹がいるのに、
その妹を演じる敵が行く手を塞ぐ。
一方、第4期第69話のラムは、
レムの言葉を聞かずに無事を確かめた。
二つの場面を重ねると、
ライにできることと、
できないことが見えてくる。
ライは過去のレムから奪った記憶を使い、
言葉や姿を再現できる。
ラムの共感覚が届くのは、
今、眠っているレム本人だ。
奪った過去から作った偽物と、
現在も生きている妹は同じではない。
ラムはライの言葉に惑わされながらも、
自分の感覚が届く先を確かめ、
二人を取り違えずに済んだ。
第1期第11話で角を失ったラムと、
その出来事を長く悔やんできたレム。
第2期第26話で妹を忘れたラムと、
眠ったまま戻らないレム。
第4期第69話で離れていても
妹の無事を確かめ、第84話では
妹の顔をした敵と戦うラム。
これまでの出来事をたどると、
第84話で共感覚が果たした働きが
はっきりする。
奪われた思い出をその場で
すべて取り戻す力ではない。
それでもラムは、妹が今も生きて
そこにいることを確かめられた。
レムが目覚めてラムを助けた
わけではない。
姉の前に立ち、ライを偽物だと
告げたわけでもない。
それでもラムには、眠る妹が
別の場所にいると分かった。
ライがどれほど上手に
レムを演じても、本物のレムは
ライとは別の場所にいる。
第84話でラムがつかんだのは、
外見や声より確かな、その一点だった。
偽物を退けるまで、姉妹のつながりは
途切れていなかったのである。
第3章 レムの姿をしたライは、何を使ってラムを揺さぶった?
奪った記憶から、レムの姿と言葉を再現するライ
ライ・バテンカイトスが第84話で使ったのは、
妹に似せた髪形や声だけではない。
レムから奪った記憶を自分の中に抱え、
その記憶を使ってラムの前に立っている。
ライが「姉様」と呼ぶとき、そこには
レムが長く姉を慕ってきた過去まで混じる。
ラムにとって、聞き流せる声ではなかった。
第84話の序盤、ラムは螺旋階段でライを押す。
角を失った身体への負担をスバルが引き受け、
ラムは本来の力に近い戦いを続けられた。
正面からでは勝てないと見たライは、
眠るレムを連れたパトラッシュへ向かう。
相手の弱点を探した結果、ライが選んだのは
ラムの大切な妹そのものだった。
パトラッシュはレムを背に乗せ、
塔の通路を走ってライから離れようとする。
その背には、自力で逃げられないレムがいる。
ライは追いつける力を持ちながら、
パトラッシュを傷つけ、追跡を長引かせる。
ラムが妹の危機を知り、追って来るまで
戦う場所を変えたかったからだ。
追いついたラムの前で、ライは奪った者たちの
姿や技を混ぜ合わせた異様な姿を見せる。
風の攻撃を受けても戦い方を変え、
別人の身体能力まで利用して食い下がる。
そしてレムの特徴が顔に現れ、額に角を持つ
妹の姿と声でラムへ呼びかける。
そこでラムの動きが一瞬止まり、反撃を受ける。
ラムが止まったのは、ライを本物のレムだと
完全に信じたからではない。
レムの顔をした相手へ攻撃を向ける、その一瞬に
身体が追いつかなかったのである。
ライは姉を慕うレムの記憶を知っており、
何を見せればラムが揺らぐかも分かっている。
妹の顔で「姉様」と呼ぶ攻撃は、風の刃より
確実にラムの手を鈍らせた。
ライはレムの姿のまま、倒れたラムへ
次々と打撃を浴びせていく。
泣く顔も怒る顔も見たいと迫りながら、
拳で顔や腹を打ち、反撃する時間を奪う。
姉を敬う妹の言葉が、姉を痛めつける
道具として使われているのである。
本物のレムが眠るすぐ近くで起きるからこそ、
この戦いは見た目以上に残酷だった。
第1期第11話を思い出すと、
ライが何を踏みにじっているかが見えてくる。
レムは鬼族の村で優れた姉と比べられ、
ラムが角を失った夜を長く悔やんでいた。
姉を支えたいという思いは、屋敷で共に働く
ようになってからも消えていない。
ライはその姉妹の過去を自分のもののように使い、
ラムの前でレムの役を演じた。
しかしライ自身は、ラムを守ったレムでも、
角を失った姉を支えてきたレムでもない。
本人の経験を奪い、都合のいい言葉と姿だけを
取り出しているにすぎない。
ラムが感じた怒りは、妹に似た敵が現れた
ことだけから生まれたものではない。
妹の大切な記憶を、奪った相手が姉への
攻撃に使っていることへ向けられている。
第3期でもレムの言葉を使い、周囲を嘲笑していた
ライの手口は、第84話で突然始まった
ものではなかった。
第3期第66話、プリステラでオットーを
食らおうとしたライの前に、ベアトリスが現れる。
ベアトリスはスバルと離れていたため、
使える魔法の回数に限りがあった。
それでもオットーを救い、ライをスバルの
ところへ行かせまいと戦う。
その場でライは、以前に食べたレムの
記憶から言葉を取り出して嘲笑した。
スバルにとってレムがどれほど大切かを
知るベアトリスには、見過ごせない振る舞いだ。
ベアトリスとオットーがライを止めようと
したのは、彼が強い敵だったからだけではない。
レムの言葉をスバルへ浴びせようとする
残酷さを、すでに目の前で見ていたからだ。
第3期第65話でも、ライはプリステラで
オットーたちを翻弄していた。
同じ頃、別の「暴食」であるロイは
ユリウスとリカードの前に立ちはだかる。
相手の技や名を知り、それを戦いに利用する
大罪司教たちの姿が描かれた。
敵の情報を少し知るという程度ではなく、
奪ったものを武器へ変えてしまうのが
彼らとの戦いの厄介なところだった。
第3期の時点では、ライがレムの言葉を
口にしても、その姿はライ自身のものだった。
第84話では、レムの顔と声まで使って
ラムの前に現れる。
同じ「記憶の悪用」でも、相手が姉になった
ことで傷の深さは変わる。
レムを知らない者への挑発ではなく、
レムを失い、取り戻そうとしているラムへ
妹そのものを突きつけるからだ。
しかもラムは、ライをすぐに殺してよいか
迷わなければならない立場にあった。
奪われたレムの名前と記憶を取り戻すなら、
その手がかりを持つライを倒した後に
何が起こるのかも分からない。
戦闘でライを圧倒できたとしても、
妹を救う道まで断ってよいのか。
その迷いが生じる間に、ライは眠るレムへ
近づく機会を作ってしまった。
ライにはラムを力で上回る必要がなかった。
レムを狙えばラムは追って来る。
レムの姿を見せれば、攻撃をためらう。
奪った言葉を聞かせれば、思い出せない
妹との日々まで揺さぶれる。
第84話の偽物レムは、見た目だけを似せた
相手ではなく、ライがこれまで奪ってきた
ものを姉一人へ集中させた姿だった。
それでもライには、最後まで持てないものがある。
レムの顔と過去を利用しても、通路の奥で
眠るレム本人にはなれない。
第3期に言葉を奪い、第84話に姿まで借りた
ライの攻め方を見たうえで、ラムがどこへ
共感覚を向けたかを確かめたい。
目の前で話す偽物ではなく、声を出せない
本物のレムへつながりが届いていた。
第4章 ラムはレムを忘れていたのに、姉妹の共感覚は残っていた?
レムの名前を奪われ、妹との思い出を失ったラム
「妹を忘れていたラムが、どうして第84話では
本物のレムを確かめられるのか」。
この疑問を解くには、レムを忘れたことと、
レムへ届く感覚を分けて見る必要がある。
ラムは妹と過ごした記憶を奪われた。
それでも共感覚まで消えたわけではない。
二つが同時に起きているからこそ、
第4期のラムの言動は複雑に見える。
第1期の終わりから続く第2期第26話では、
白鯨を倒した後、スバルがレムの消失を知る。
エミリアを含む周囲の人々は、
一緒に過ごしたはずのレムを覚えていない。
スバルだけが彼女の名を口にできる。
姉のラムも、屋敷で並んで働いた妹との
時間を思い出せなくなっていた。
忘却は、レムとラムが仲たがいして
起きたものではない。
ラムが妹を不要だと思ったわけでもない。
大罪司教「暴食」に名前を奪われた結果、
姉妹の間にあった出来事がラムの記憶から
抜け落ちてしまった。
第1期第11話でレムが語った村の夜を
知る視聴者には、その空白が重い。
ところがラムの身体には、記憶だけでは
言い表せない反応が残っている。
第4期第68話、ラムは砂丘で監視塔への
道を探るため「千里眼」を使う。
レムも一行と共に旅をしているが、
二人が昔のように思い出を語り合う
場面にはならない。
それでもラムは、妹の身を案じる場面で
共感覚を頼ることができた。
第4期第69話では、陰魔法で生じた
空間の歪みによって一行が分断される。
スバルは砂丘の地下でラムに起こされ、
襟ドナやパトラッシュとは合流するが、
エミリア、ベアトリス、レムの姿はない。
風のない冷たい通路で聞こえるのは、
自分たちが砂を踏む足音だけだった。
そんな地下でラムは、レムが無事だと
共感覚を通じて確かめる。
どこに出口があるかも分からず、
今すぐ妹のもとへ駆けつけられない。
それでも命がつながっていると知れることは、
ラムたちが先へ進む手がかりとなった。
第69話は、レムとの思い出を失ったラムにも
妹へ届く感覚があると示した場面である。
ここで共感覚を、失った記憶を戻す力と
取り違えてはいけない。
第69話でラムはレムの無事を確かめても、
幼い頃からの出来事を一度に思い出す
わけではなかった。
知ることができたのは、離れた場所で
妹が今も生きているという現在の状態だ。
第84話でも同じつながりが、ライの姿より
本物のレムを確かめる助けになる。
第4期第69話では、眠るレムの無事を感覚で確かめた
第69話と第84話には、はっきりした共通点がある。
どちらもラムの前にレム本人はいない。
第69話では、地下と地上に引き離された。
第84話では、妹の顔をしたライが目前に立ち、
本物のレムは別の場所で眠っている。
見えているものだけでは、ラムが確かめたい
妹の状態に届かないという点は同じだ。
一方で、第84話の方がずっと厳しい。
第69話でラムを妨げたのは、砂丘の地形と
仲間から離れてしまった距離だった。
第84話では、ライがレムの記憶を持ち、
意図的に姉の判断を乱してくる。
見えない妹を探すだけでなく、
妹に見える敵へ攻撃しなければならない。
共感覚が残っていても、ラムが一度
動揺するのは当然の状況だった。
第4期第78話では、記憶を失っていた
スバルが仲間へその事実を打ち明ける。
さらに、レムのことも自分の記憶も取り戻し、
全員で帰るとラムへ告げて協力を得た。
ラムが戦うのは、敵への怒りだけからではない。
スバルと共に、眠るレムを連れて塔を出る
という願いも背負っていた。
第4期第80話でライが塔に現れた際、
ラムは別の戦闘に入っている銀髪の女性を
「知らない女」としてスバルへ伝える。
身近な人物の記憶に欠けた部分がある
世界では、目の前の姿と本人についての
記憶が必ずしも一致しない。
だからこそ第84話でも、妹に見える姿を
そのまま本人だと決めることは危うい。
ライがレムの顔を作り、姉を呼んでも、
眠っているレムの位置は変わらない。
ラムは第69話で見えない妹の無事を
確かめたときと同じように、
自分の感覚が届く先を探せる。
第84話の場面で問われたのは、
誰が一番レムらしく話すかではなく、
どこにレム本人がいるかだった。
ラムの記憶が欠けていることは、
この場面を弱くする条件ではない。
名前と思い出を奪われた後も、
本物の妹へのつながりは消えていなかった。
ライが持つのは、奪い取ったレムの過去だ。
ラムに届いているのは、眠りながら
今も生きているレムの感覚である。
そしてラムは、妹との過去をすべて
思い出せないまま、その妹を守ろうとする。
ライに勝てば必ず記憶が戻ると分かって
戦っているわけでもない。
パトラッシュが傷つきながら守るレムを
敵の手へ渡さず、全員で塔から帰る。
第84話でラムが本物を見失わなかったことは、
その願いを守り抜くためにも欠かせなかった。
第5章 第84話のラムVS偽物レムは、どう逆転した?
ライは眠るレムを狙い、妹の姿でラムを追い詰める
第84話の戦いを振り返ると、ラムとライの
立場は一度大きく入れ替わっている。
最初に螺旋階段で優位に立っていたのはラムだ。
風を使って踏み込みを速め、打撃の間合いを変え、
ライが奪った他人の技にも対応していた。
ライは正面から戦い続ければ押し切られると見て、
眠るレムがいる方へ逃げ出す。
第83話では、塔を襲う複数の危機に対し、
スバルが仲間をそれぞれの場所へ向かわせた。
ラムは螺旋階段で「暴食」を待ち受け、
スバルたちは押し寄せる魔獣に対処する。
全員がラムの近くに集まって守ることはできない。
ライはその状況を突き、ラムとの力比べから
無防備なレムを奪う戦いへ切り替えたのである。
レムを運ぶパトラッシュは、塔の通路を走る。
背にいるレムは意識を失っているため、
追手が近づいても自分では避けられない。
ライは逃げる地竜へ攻撃を加えながら追い、
ラムが駆けつけるまで妹を危険にさらす。
パトラッシュの傷が増えるほど、
ラムがライを倒すために使える時間も減っていく。
ラムにも、ライを最初から殺しきれない
事情があった。
ライはレムの名前と記憶を奪った張本人であり、
それを取り戻す手がかりを持っている。
殺してしまった後、奪われたものがどうなるか
確かでなければ、攻撃をためらうのも当然だ。
ライはその間に逃れ、ラムが何よりも
守りたい相手のもとへ向かった。
追いついたラムが見たのは、傷ついた
パトラッシュと、身を守れないレムだった。
ラムは二人を背後へ下がらせ、
これ以上ライを近づけないように立つ。
だがライは、奪った人々の技や身体の特徴を
次々と利用して戦い方を変える。
その不安定な姿へレムの顔と角まで重ね、
ラムが最も攻撃しづらい相手になる。
妹の顔で「姉様」と呼ばれた瞬間、
ラムの動きが止まる。
ライはそこを逃さず、顔へ一撃を入れた。
続けて腹や顎を打ち、ラムの反撃を封じる。
口から出るのは姉を慕う言葉なのに、
その手は姉を傷つけ続ける。
レムの姿とライの行動が食い違うほど、
その姿を見せられるラムには苦しい。
この場面では、ラムが弱くなったわけではない。
ライがレムの姿を使う前には、
ラムの攻撃が戦いを押していた。
攻撃を受け始めるのは、傷ついた妹を守り、
同じ妹の顔をした敵と戦う必要が
一度に生じてからである。
戦況を変えたのは、ライの力だけではなく、
ラムが妹を大切にしているという事実だった。
ラムは倒れそうになっても、
パトラッシュとレムを逃がそうとする。
目の前のライを殴り返すだけなら、
それまで通り力を使えばよい。
しかし偽物を引きつけずに追えば、
本物のレムへライの手が届いてしまう。
打撃を受けながらその場に残るラムの姿には、
妹を先に逃がすための戦いも重なっている。
本物のレムのそばで、ラムは偽物へ反撃する
ライの攻撃を受けたラムは、塔の壁を突き抜け、
パトラッシュとレムのいる通路へ倒れ込む。
逃げたはずの二人も、まだ十分に遠くへは
行けていなかった。
パトラッシュは傷つき、レムは眠ったまま。
ラム自身も消耗し、額の古傷から血を流す。
三人とも、この場を切り抜けなければ
次の一撃を防ぎきれない状態だった。
ここでラムが手に取るのは、
長年使ってきた自分の杖である。
鬼族の村が襲われた夜に折れた角は、
ロズワールによって回収され、
その杖の中へ収められていた。
ラムは杖を壁へ打ちつけ、内側にある角を出す。
第1期第11話で失ったはずのものが、
妹を守る最後の手段として戻ってくる。
ただし、角を額へ戻すだけで
昔のラムへ戻ったわけではない。
角を失った身体に大きな力を流せば、
その負担がラムを苦しめる。
螺旋階段ではスバルのコル・レオニスが
その負担を引き受けていたが、
スバルも別の場所で戦い続けている。
同じ力を無制限に使える状態ではなかった。
ラムが選んだのは、眠っているレムとの
共感覚を使うことだった。
本物のレムの額には角がある。
ラムとレムの間では、感情や痛みを
分け合うつながりが残っている。
ラムはそのつながりを通じ、
折れた角を再び使う際の負担まで
妹と分け合おうとする。
この場面は、眠るレムが突然目を覚まし、
自分の意志でライを殴りに行く展開ではない。
レムは壁際で意識を失ったままだ。
それでも姉妹の共感覚は届き、
ラムが一人では背負いきれないものを
二人で引き受ける形になる。
ライが偽物レムを演じているすぐそばに、
本物のレムも戦いへ関わっていた。
ライはパトラッシュのそばで眠るレムへ
手を伸ばそうとする。
ラムを追い詰め、最後に本物の妹を奪えば、
姉の抵抗は折れるはずだった。
ところが、先ほどまで打撃を受けていた
ラムの力が変わり、ライは逆に吹き飛ばされる。
妹の顔をした相手へ向き直ったラムは、
本物のレムが奥で眠っていると確かめる。
そこでようやく、二人のレムの差が
ラムの行動にはっきり表れる。
ライは目の前で姉を呼び、
レムの顔を使ってなおも惑わせようとする。
ラムが守るのは、声を出せない方のレムだ。
第84話の逆転は、強い一撃だけで生まれない。
妹の姿をした敵へ手を止めていたラムが、
本物の妹へ届く感覚を確かめ、
攻撃する相手を迷わなくなったところにある。
第6章 共感覚はラムの戦いに何をもたらした?
折れた角を使っても、ラム一人では負担を支えきれない
ラムが第84話で強烈な力を見せたからといって、
折れた角が自然に生え直したわけではない。
第1期第11話で描かれた鬼族の村への襲撃以来、
ラムは角を失ったまま生きてきた。
角は鬼族が周囲のマナを取り込むための
大切な器官である。
力だけを引き出そうとすれば、
角のない身体へ強い負担がかかる。
村が燃えた夜、幼いラムは敵を退けながら
レムのもとへ急いだ。
ラムには、周囲から期待された
「鬼神」の力より、守りたい妹がいた。
その戦いで角を折られてから、
以前と同じようには力を使えなくなる。
第84話のラムを見て、急に強くなったと
感じるのは自然だが、強さの裏には
長く失っていた角と身体の問題がある。
第2期第48話では、ラムがパックと共に
ロズワールを止めようと戦った。
自分より大きな力を持つ相手にも
退かないところは、第84話と変わらない。
だが、その戦いでもラムが自由に
全力を使えるわけではなかった。
相手へ踏み込む覚悟と、身体が実際に
耐えられる範囲は別なのである。
第84話の螺旋階段では、
スバルのコル・レオニスが支えになった。
ラムが力を引き出す際に生じる負担を
スバルが引き受けることで、
ラムはライを押し込むほど動ける。
風をまとった身体で間合いを変え、
ライが奪った技へ攻撃を重ねられたのは、
ラム自身の力に加えて、この支えがあったからだ。
ただ、スバルも魔獣から塔を守る側で
戦っていた。
第83話では、ベアトリスやメィリィと共に
押し寄せる魔獣へ対処している。
ラムの負担を肩代わりすることは、
離れた場所にいるスバルを苦しめることでもある。
ラムが力を使う時間が延びれば、
スバルの身体まで危険にさらす。
ライを追う戦いには、最初から限りがあった。
妹の姿をしたライに打たれた後、
ラムは角があればと考える。
その角は、普段使っている杖の内側に
残されていた。
杖から取り出した角を使うことは、
失った力へ再び手を伸ばすことになる。
しかし角を手にしただけでは、
ラムの身体が突然無傷に戻るわけではない。
そこで必要になったのがレムとの共感覚だった。
スバルのコル・レオニスと、レムへつながる共感覚
第84話のラムを支えた二つのつながりは、
働く相手が異なる。
コル・レオニスでは、離れた場所にいる
スバルがラムの負担を引き受ける。
共感覚では、ラムとレムの間で
感情や痛みを分け合える。
どちらもラムが力を使う際の苦しみと
関わるが、同じ力が名前を変えて
現れたわけではない。
螺旋階段でライを追い詰めたとき、
ラムはスバルの支えを受けていた。
ライがレムを狙い、戦いが長引くと、
その支えだけに頼り続けることは難しくなる。
スバルを守りながらレムも守りたいラムには、
さらに別の道が必要だった。
そこで、姉妹の間に残っていた
共感覚が力を発揮する。
レムにはまだ角がある。
一方、ラムの折れた角は
杖の中に残されていた。
ラムはその角を取り出し、
眠るレムとのつながりを利用する。
額に見えた角を単純な再生と受け取ると、
レムがすぐそばで眠っていることが
戦いへどう関わるのか見えなくなる。
負担を分け合うのは、
レムの身体へも苦しみを渡すことだ。
何も知らずに眠る妹へ、姉の戦闘の痛みを
背負わせることになる。
ラムにとって、気軽に選べる手段ではない。
それでもライが本物のレムへ迫る状況では、
力を使わずに二人とも守ることはできなかった。
第1期第11話では、角を失ったラムを
レムが守れなかったと悔やみ続けた。
第84話では、眠るレムの身を守るため、
ラムが折れた角を手に取る。
姉だけが妹を守り、妹だけが姉を支える
という一方通行ではない。
二人とも傷を負うかもしれない形で、
姉妹のつながりが戦いに使われている。
ライの側から見れば、目の前には
角を失い、打撃を受けて倒れたラムがいる。
その奥には、何もできずに眠るレムがいる。
二人を別々に見れば、追い詰められた姉と
奪うだけの妹にしか見えない。
だが共感覚で二人がつながると、
ラム一人では支えきれなかった力を
ライへ向けることができる。
これまでラムがレムの無事を確かめるために
使っていた共感覚は、第84話では
戦いの負担を分け合うところまで届いた。
だからラムは、妹の姿をしたライを退け、
同時に本物のレムへつながる感覚を失わない。
偽物を見抜くことと反撃できたことは、
別々に起きた幸運ではない。
どちらにも、眠るレムとラムの間に
残っていたつながりが働いていたのである。
第7章 ライが奪えなかった「レムの姉」であること
第1期第11話、角を失った夜にもラムが守ろうとした妹
第84話でラムがライへ向き直る場面は、
第1期第11話の鬼族の村まで戻ると、
さらに強く胸に残る。
あの夜、村を襲った敵に対してラムは
風を使い、まだ幼い身体で戦っていた。
周囲は優れた力を持つラムを守ろうとしたが、
ラムが探していたのはレムだった。
ラムの角が折れたとき、レムは
姉を守れなかったことを悔やんだ。
姉と比べられて苦しんでいた自分の心まで
思い返し、罪を背負い続ける。
その後、屋敷でラムの身の回りを
支えようとする姿にも、その後悔は残った。
第11話でレムがスバルへ過去を語る場面は、
姉妹が同じ夜を別々に抱えてきたことを示す。
一方のラムも、角を失った夜を
力だけで考えていたわけではない。
強大な鬼として期待されるより、
レムと共に生きることを選んでいた。
角が折れれば、村が求めたような
圧倒的な力は出せなくなる。
それでも妹が無事でいることを、
ラムは何より大切にしていた。
だから第84話で杖の中の角を取り出す
行動も、強かった昔へ戻りたいという
願いだけでは語れない。
ライは眠るレムを狙い、
傷ついたパトラッシュの先へ迫っている。
角の力を使う負担を分かっていても、
ここで退けば妹を守れない。
村が燃えた夜と同じく、ラムが力を
使おうとする先にはレムがいた。
ただ、第84話の二人は、
第1期第11話と同じ関係のままではない。
レムの名前と記憶はライに奪われ、
ラムには妹との日々が欠けている。
ラムは幼い頃の出来事をすべて
思い出したから戦えたのではなかった。
思い出せない時間が残っていても、
目の前で眠るレムを守ろうとしたのである。
そのラムへ、ライはレムの顔を見せる。
第1期のレムが姉を慕ってきたことを
知っているから、その声は残酷だ。
ライに殴られている間、ラムには
妹の姿から目をそらせない苦しさがある。
それでも通路の奥には、パトラッシュが
命懸けで守った本物のレムが眠っている。
ラムが偽物へ手を止めたことを、
妹を見分けられなかった失敗だけで
片づけることはできない。
ライが利用したのは、レムの姿だけでなく、
ラムが妹へ向ける気持ちだった。
大切だからこそ、その顔をした相手へ
攻撃するまでに時間がかかる。
ライは姉妹の近さを武器に変え、
ラムへ突きつけたのである。
レムの顔をしたライより、眠る本物のレムを選ぶ
ライが奪えたのは、レムの名前と記憶、
そしてその記憶から再現した姿や言葉だ。
第3期第66話では、レムの言葉を使って
ベアトリスとオットーを嘲笑した。
第84話ではさらに妹の顔でラムを呼び、
そのまま姉へ拳を振るう。
レムから奪ったものを重ねるほど、
ライは姉の心を乱せると考えた。
だが本物のレムは、
ライの中だけにいるわけではない。
名前を奪われても身体はそこにあり、
パトラッシュに守られて塔を進んできた。
第4期第69話では、離れた地下にいた
ラムが妹の無事を共感覚で確かめている。
見えなくても、声を聞けなくても、
二人の間には届くものが残っていた。
第84話でライは、そのつながりまで
奪うことができなかった。
妹の顔でラムの前に立つ一方、
本物のレムは別の場所で眠っている。
ラムはレムの姿をした相手に傷つけられ、
額から血を流しながらも、
自分の感覚が届く妹を確かめる。
そこで初めて、目の前の顔に
引き止められずライを攻撃できた。
ここで眠るレムは、何も知らないまま
守られるだけの存在でもない。
ラムは共感覚を使い、角の力を引き出す
負担をレムと分け合う。
妹の身体へ苦しみを渡す選択には、
ラム自身のためらいもあったはずだ。
それでも二人とも生き残るには、
ライを退ける力が必要だった。
第4期第78話で、スバルはラムへ
レムも自分の記憶も取り戻し、
全員で帰ると告げている。
第84話のラムも、ライを倒すことだけを
勝利としていたわけではない。
パトラッシュが守る妹を連れ、
生きて塔から帰ることが大切だった。
レムの姿をしたライを拒むのは、
その約束へ進むための一歩でもある。
第1期第11話では、レムは角を失った
ラムを支えようとしていた。
第84話では、ラムが眠るレムを守るため、
かつて失った角を取り出す。
姉が妹を守り、妹とのつながりが
姉の力を支える。
どちらか一人だけが相手を救ったと
言い切れないところに、この戦いで
二人が分け合ったものがある。
ライにはレムの記憶がある。
だから姉をどう呼べばよいかも知っている。
しかし第84話でラムが守ったのは、
その言葉を上手に話す相手ではなかった。
何も言えずに眠る本物のレムである。
奪われた記憶を使う敵よりも、
今そこにいる妹を選び取った。
ラムが偽物レムを見抜けた決め手は、
長く共に暮らした姉の勘だけではない。
共感覚によって、本物のレムが
別の場所で生きていると確かめられた。
ライは妹の姿と言葉を奪い、
一度はラムの動きを止めた。
それでも最後まで奪えなかったのは、
ラムが本物のレムへつながり、
その姉として妹を守ろうとすることだった。
Re:ゼロまとめ
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