PR

【転スラ4期】ヴェルドラを封印した勇者はクロエ?ヒナタ? クロノアの正体と第1話の伏線

記事内に広告が含まれています。

ヴェルドラを封印した勇者の肉体はクロエで、約300年前の戦闘ではヒナタの意識も同じ身体の中にいたため、「クロエが封印した」「ヒナタが封印した」という二つの説明が生まれる。
そして歴史上、その仮面の勇者は「クロノア」として知られ、第1期第1話でヴェルドラが語った正体不明の勇者へつながる。
つまりクロエ・ヒナタ・クロノアは別々の勇者ではなく、一つの身体と複数の意識、時間遡行が重なった結果として生まれた呼び方の違いになる。

  1. 第1章 ヴェルドラを封印した勇者はクロエ?ヒナタ?
    1. 肉体はクロエ、ヴェルドラ戦を動かしていた意識はヒナタだった
    2. 「クロエかヒナタか」の二択ではなく、二人が同じ勇者を成立させていた
  2. 第2章 第1期第1話でヴェルドラが語った「勇者」は誰だった?
    1. 第1話では名前も顔も伏せられ、ただ「無限牢獄を使う勇者」とだけ語られていた
    2. 第1話の封印があったからこそ、リムルとヴェルドラの出会いそのものが成立した
  3. 第3章 クロエとヒナタはなぜ同じ身体にいる?
    1. ヒナタが命を落とした瞬間、クロエの「時間旅行」が発動して二人の魂が過去へ飛んだ
    2. クロエの身体にヒナタの戦闘経験が加わり、「勇者クロノア」が長い歴史を歩き始める
  4. 第4章 勇者クロノアとは誰?クロエとは別人なのか
    1. 第93話までのクロノアは、クロエとヒナタが歴史を歩くために生まれた「勇者の名前」
    2. 第94話で現れたクロノアは、単なる偽名ではなくクロエの内側に生まれたもう一つの自我へ近づく
  5. 第5章 ヴェルドラはなぜクロノアに封印された?
    1. 「無限牢獄」はヴェルドラを倒す技ではなく、存在そのものを隔離する封印能力だった
    2. ヒナタの戦闘技術とクロエの能力が重なったことで、暴風竜を封印できる勇者が完成した
  6. 第6章 シズを救った仮面の勇者もクロノアだった?
    1. 第1期で別々に見えた「ヴェルドラを封印した勇者」と「シズを救った勇者」が同じ時間へつながる
    2. シズの仮面は「勇者→シズ→リムル→クロエ」と渡り、時間旅行によって過去へ戻っていく
  7. 第7章 第1話の「勇者」は、クロエ・ヒナタ・クロノア全部につながっていた
    1. 300年前の封印だけを見ると一人の勇者、時間旅行まで追うと三つの名前が同じ出来事へ集まる
    2. ヴェルドラ封印は、クロエが未来でリムルと出会うための歴史そのものを守る出来事だった

第1章 ヴェルドラを封印した勇者はクロエ?ヒナタ?

肉体はクロエ、ヴェルドラ戦を動かしていた意識はヒナタだった

結論から言えば、
約300年前にヴェルドラを「無限牢獄」で封印した勇者は、
クロエにつながる勇者クロノア。
ただし実際の封印戦では、
クロエの肉体の中にヒナタの魂も同居しており、
その場面ではヒナタ側の意識が前へ出て戦っている。
だから「封印したのはクロエ」「実際に戦ったのはヒナタ」という二つの説明が同時に出てくる。

第4期第92話「勇者クロノア・前編」では、
命を落としたはずのヒナタが、
クロエのユニークスキル「時間旅行」に巻き込まれ、
クロエと共に遥か過去へ渡る。
ここで重要なのは、
クロエ一人が過去へ飛んだのではなく、
ヒナタの魂も一緒に存在していること。
この時点から一つの肉体に複数の意識が関わる状態が始まっている。

さらに第93話「勇者クロノア・後編」では、
クロエとヒナタがルミナスと出会い、
勇者クロノアとして長い歴史を歩き始める。
その旅の途中で現れるのが、
まだ封印される前の暴風竜ヴェルドラ。
第1話では「300年前に勇者へ封じられた」としか語られなかった戦いが、
ここで初めてクロエとヒナタの時間旅行へ直接つながってくる。

ややこしいのは、
「クロノア」という名前だけを別人の名前として受け取ると、
クロエ、ヒナタ、クロノアという三人の勇者がいるように見えること。
しかしヴェルドラ封印の場面では、
身体の持ち主はクロエ。
その内部にヒナタの魂が存在し、
戦闘時にはヒナタが主導権を握る。
歴史上は、その仮面をつけた勇者がクロノアとして動いていた。

だから、
「誰の身体だったのか」と聞けばクロエ。
「誰の意識でヴェルドラと戦ったのか」と聞けばヒナタ。
「歴史上その勇者を何と呼ぶのか」と聞けばクロノア。
質問する場所を変えるだけで、
答えに出てくる名前が変わる構造になっている。

この違いは、
第1話だけを見ていた頃には絶対に分からない。

当時ヴェルドラは、
自分を封印した相手について、
勇者だったこと、
強力なスキル「無限牢獄」を使ったことを語るだけ。
名前も、
クロエとの関係も、
ヒナタが関わっていることも明かさない。
視聴者から見れば、
遥か昔に存在した名もなき勇者でしかなかった。

ところが第4期まで来ると、
あの勇者の身体が、
第1期でリムルの教え子だった少女クロエにつながる。
しかも同じ身体の中に、
リムルと何度も対立した聖騎士ヒナタまでいる。
第1話の昔話だった出来事が、
現在の主要人物二人を巻き込んだ事件へ変わる。

「クロエかヒナタか」の二択ではなく、二人が同じ勇者を成立させていた

ヴェルドラ封印を理解する時、
一番避けたいのは、
クロエとヒナタのどちらか一人だけを正解にすること。

クロエがいなければ、
そもそも時間旅行は始まらない。
勇者として活動する肉体も、
無限牢獄へつながる力も成立しない。
一方でヴェルドラとの実戦では、
ヒナタの戦闘経験や判断が使われ、
クロエの身体を動かして封印まで持ち込んでいる。

ヒナタは、
第2期から聖騎士として圧倒的な剣技を見せてきた。
第30話「動き出す麗人」以降、
テンペストへ向かうリムルを待ち伏せし、
剣術と聖属性の力で追い詰める。
第3期でも、
七曜の老師やルベリオスを巡る戦いの中で、
魔物相手だけではなく強者との実戦経験を積んでいる人物として描かれている。

そのヒナタが、
クロエの身体でヴェルドラへ挑む。

相手は、
現在のリムルでも簡単に扱えない竜種。
しかも第1話のヴェルドラ本人が、
自分を封じた勇者について、
相当な実力者だったことを認めている。
単純にクロエの身体能力だけで戦うのではなく、
ヒナタの実戦経験まで加わることで、
「なぜあの暴風竜を封じられたのか」にも説得力が出てくる。

ただし、
ヒナタがクロエを乗っ取って別人になったわけではない。

クロエ自身も同じ身体の中に存在する。
二人は過去へ飛んだ後、
長い年月を共有し、
未来へ戻るために歴史を進んでいく。
ヴェルドラ封印も、
その巨大な時間旅行の途中で起こった出来事になる。

だから第1話の勇者は、
クロエかヒナタかという二択ではない。

クロエの身体。
ヒナタの意識。
そして歴史上の勇者クロノア。

この三つを分けて見ることで、
300年前のヴェルドラ封印がようやく一本につながる。

第2章 第1期第1話でヴェルドラが語った「勇者」は誰だった?

第1話では名前も顔も伏せられ、ただ「無限牢獄を使う勇者」とだけ語られていた

ヴェルドラ封印の話が最初に出るのは、
シリーズ開始直後の第1期第1話「暴風竜ヴェルドラ」。
通り魔に刺されて死亡した三上悟が、
スライムとして異世界へ転生し、
洞窟の中で薬草や鉱石を食べながら進んだ先で、
巨大な暴風竜ヴェルドラと出会う。

リムルになる前の三上悟は、
最初こそ巨大な竜を恐れる。
しかし話してみると、
ヴェルドラが300年間も洞窟へ閉じ込められ、
一人で過ごしてきたことを知る。
そこで本人の口から語られるのが、
約300年前に勇者と戦い、
「無限牢獄」というスキルで封印された過去。

この時点で出る情報は、
驚くほど少ない。

相手は勇者。
約300年前の出来事。
ヴェルドラを殺したのではなく、
無限牢獄で封じた。
ほぼそれだけ。
勇者の名前も、
どこの国の人物なのかも、
現在の登場人物と関係があるのかも分からない。

だから第1期当時は、
「昔ヴェルドラを封印した伝説の勇者」という役割だけで十分だった。

しかし第4期第92話、第93話まで見ると、
この説明の見え方が完全に変わる。

クロエとヒナタが過去へ飛ぶ。
二人はルミナスと接触する。
勇者クロノアとして長い年月を過ごす。
そして約300年前、
ヴェルドラへ戦いを挑む。

第1話で名前すら出なかった勇者が、
現在まで付き合ってきたクロエとヒナタにつながる。

しかもクロエは、
第1期の時点ですでにリムルのすぐ近くにいた。

第19話以降、
リムルはシズから託された子供たちを救うため、
イングラシア王国の自由学園へ向かう。
そこで出会った一人が、
まだ幼いクロエ・オベール。
大量の魔素を抱え、
このままでは長く生きられない異世界人の子供として登場する。

当時のリムルから見れば、
救うべき教え子の一人。
ヴェルドラを300年前に封じた勇者と、
同じ人物につながるなど想像できない。

第1話の封印があったからこそ、リムルとヴェルドラの出会いそのものが成立した

さらに面白いのは、
ヴェルドラ封印が単なる昔の戦闘記録ではないこと。

勇者がヴェルドラを倒さず、
無限牢獄で封印した。
その結果、
ヴェルドラは洞窟の中で約300年間生き続ける。
そして300年後、
同じ洞窟へスライムとして転生した三上悟が現れる。

もしヴェルドラが当時倒されていれば、
第1話の出会いそのものが存在しない。

リムルはヴェルドラと会話しない。
名前を付け合わない。
「テンペスト」という姓も生まれない。
ヴェルドラを無限牢獄ごと体内へ取り込み、
解析して解放しようとする約束も始まらない。

つまりクロエとヒナタが関わった300年前の戦いが、
300年後のリムル誕生直後まで影響している。

さらに第1期第23話「救われる魂」では、
子供たちへ上位精霊を宿らせるため、
リムルたちが精霊の棲家へ向かう。
ケンヤたちには相性の良い精霊が宿っていくのに、
クロエの時だけ、
他の子供とは明らかに違う巨大な存在が現れる。

ラミリスも、
その存在を普通の精霊として扱えず、
何者なのか判別できない。

当時は、
クロエだけ特別な何かが宿ったという描写で終わる。
しかし第4期まで来ると、
クロエの中には時間旅行、
ヒナタの魂、
勇者クロノアへつながる複雑な歴史が存在していたことが分かる。

第1話でヴェルドラが語った勇者。
第23話でクロエに宿った謎の存在。
ルミナスが守ってきた聖櫃。
そして第92話、第93話の時間旅行。

別々の章で置かれていた情報が、
第4期になって同じ人物へ集まり始める。

だから第1話の「勇者に封印された」という一言は、
今見ると単なるヴェルドラの昔話ではない。

その勇者の身体は、
後にリムルが教師として救うクロエ。
その中には、
リムルと敵対したヒナタの魂もいる。
そして二人は過去で勇者クロノアとなり、
ヴェルドラを封印する。

シリーズ開始数分で語られた出来事が、
第4期になって主要人物同士の関係へ戻ってくる。
ヴェルドラを封印した勇者の正体は、
第1話から長く伏せられていた、
クロエとヒナタの時間旅行そのものだった。

第3章 クロエとヒナタはなぜ同じ身体にいる?

※ここから先は、第4期第92話・第93話の内容を含みます。

ヒナタが命を落とした瞬間、クロエの「時間旅行」が発動して二人の魂が過去へ飛んだ

クロエとヒナタが同じ勇者として扱われる始まりは、
第4期第92話「勇者クロノア・前編」。
ヒナタが命を落とした直後、
クロエのユニークスキル「時間旅行」が発動し、
クロエだけではなくヒナタの魂まで巻き込んで、
二人は現在から遥か昔の時代へ飛ばされる。

ここで重要なのは、
ヒナタが身体ごと過去へ移動したわけではないこと。
過去へ渡った肉体の中心にいるのはクロエで、
その内部へヒナタの魂と記憶が同居する形になる。
だから外から見れば一人の少女でも、
内側にはクロエとヒナタという二人分の意識が存在する。
ヴェルドラ封印で「クロエなのかヒナタなのか」が分かれた根本もここにある。

第92話では、
ヒナタが目を覚ました時点で、
自分が普通の場所にいるのではないことへ気づく。
クロエと意識を共有し、
現在へ戻るには歴史を進み直すしかないと知る。
少し前へ戻った程度ではなく、
二人が辿り着いたのは約2000年前。
ここから数日、数年では終わらない、
途方もない時間を生き直す旅が始まる。

しかもクロエにとって、
時間旅行そのものが初めてではない。

これまでにも似た歴史を繰り返しており、
その中ではリムルが死亡する未来も経験している。
ヒナタとリムルが一度しか戦わず、
テンペストが西方聖教会とファルムス王国の攻撃を受け、
現在とは違う結末へ進んだ時間もあった。
第92話でクロエが現在の歴史を極力崩さないように動くのは、
何度も失敗した先で、
今回の流れが最も良い未来へ近づいていると知っているためになる。

第1期を見返すと、
その片鱗はかなり早い段階から出ている。

第23話「救われる魂」で、
リムルはシズから託された子供たちを救うため、
ラミリスがいる精霊の棲家へ向かった。
ケンヤ、リョウタ、ゲイル、アリスには、
それぞれ相性を持つ精霊が宿っていく。
ところがクロエの番だけは、
普通の上位精霊とは違う巨大な存在が突然現れ、
クロエの身体へ入り込んでしまう。

ラミリスですら、
その存在が何なのか分からない。
リムルも、
子供を救うという目的が達成されたため、
その場では深追いしなかった。
しかし第4期まで来ると、
クロエという少女の中では、
既に未来と過去が単純な一本道ではなくなっていたことが分かる。
第23話の違和感も、
後の時間旅行へ続くクロエ特有の時間構造を考える材料になる。

クロエの身体にヒナタの戦闘経験が加わり、「勇者クロノア」が長い歴史を歩き始める

過去へ飛んだクロエとヒナタが頼ったのが、
まだ現在とは違う時代を生きていたルミナス。
第92話では二人がルミナスと接触し、
現在へ戻るために、
時間の流れを大きく壊さず歴史を進む道を選んでいく。
ここからクロエの身体とヒナタの知識が、
一つの勇者として動き始める。

ヒナタが加わることには、
戦闘面でも大きな意味がある。

クロエは強大な素質を持つ一方、
現在の時間ではまだ幼い少女。
対してヒナタは、
西方聖教会の最高戦力として、
剣術・聖属性攻撃・戦術判断を実戦で磨いてきた人物。
第2期でリムルを待ち伏せした時には、
結界で魔物としての能力を削った上で一騎打ちへ持ち込み、
複数の剣技を連続させて追い詰めている。

第3期でも、
再びリムルと剣を交え、
七曜の老師を巡る事件では、
聖騎士を率いて最前線に立ってきた。
相手の能力を見る。
攻撃の癖を読む。
必要なら自分より強大な存在にも剣を向ける。
クロエの肉体へ加わったのは、
単なる別人格ではなく、
長年戦場で生きてきたヒナタの経験だった。

その二人が、
第93話「勇者クロノア・後編」で長い旅へ入る。

外から見れば、
一人の仮面の勇者。
しかし内部では、
クロエとヒナタが時間を共有し、
必要に応じて意識を前へ出しながら歴史を歩く。
その途中で、
約300年前の暴風竜ヴェルドラと遭遇することになる。

だからヴェルドラ封印を、
「クロエが全部一人でやった」
あるいは
「ヒナタがクロエの身体を奪ってやった」
と見ると分かりにくくなる。

時間旅行を成立させたのはクロエ。
身体もクロエ。
勇者として成長する器もクロエ。
しかしそこへヒナタの魂、
戦闘経験、
判断力が加わっている。
二人が同じ時間を生きた結果として、
歴史上の勇者クロノアが成立したことになる。

第4章 勇者クロノアとは誰?クロエとは別人なのか

第93話までのクロノアは、クロエとヒナタが歴史を歩くために生まれた「勇者の名前」

クロノアという名前が分かりにくいのは、
単純な本名でも、
最初から存在した別人の名前でもないこと。
第92話から第93話にかけて、
過去へ飛んだクロエとヒナタが歴史の中で活動する際、
仮面を付けた勇者として名乗る名前が必要になる。
そこで生まれるのが「クロノア」になる。

この名前には、
クロエ本人の存在が強く残っている。
しかし歴史を歩いているのは、
現在の幼いクロエ一人ではない。
身体の中にはヒナタも存在し、
二人分の記憶と経験を抱えた状態で、
長い年月を進んでいる。
だから歴史側から見れば、
クロエともヒナタとも違う一人の仮面の勇者に見える。

第93話では、
ルミナスと出会った後、
クロエとヒナタが「勇者クロノア」として旅を続ける。
この旅は、
一つの国だけを救って終わるものではない。
現在まで続く歴史を壊さず、
自分たちが知っている出来事を成立させながら、
数百年単位で時間を進めていく必要がある。

その途中で起こる大事件が、
暴風竜ヴェルドラとの戦闘。

第1話でヴェルドラ本人が語った、
約300年前の勇者との戦い。
無限牢獄による封印。
当時は勇者の名前すら伏せられていた出来事が、
第93話ではクロノアの旅の一場面として出てくる。
クロノアという名前が、
第1話の正体不明の勇者へ直接つながる瞬間になる。

ただし、
第4期ではここからさらにややこしくなる。

第94話「魂の在処」では、
封印を解かれたクロノアが、
それまで歴史を守ってきた勇者とは違い、
意識を失った破壊の存在として現れる。
同じ「クロノア」という言葉でも、
第92話・第93話で使われる勇者の名前と、
第94話で表面化する存在を、
完全に同じ感覚で見ることはできない。

第94話で現れたクロノアは、単なる偽名ではなくクロエの内側に生まれたもう一つの自我へ近づく

第93話までを見ると、
クロノアはクロエが過去で使った勇者名に見える。
ところが第94話になると、
その理解だけでは説明できない状態が現れる。

封印が解かれたクロノアは、
リムルやルミナスが知る勇者として冷静に会話するのではなく、
意識のない破壊の化身として暴走する。
圧倒的な速度と攻撃力を持ち、
周囲の呼びかけへ普通に応じる状態ではない。
第93話までの「クロエとヒナタが協力して歴史を守った勇者」と、
明らかに様子が違う。

この変化を見る上で重要なのが、
クロエが長い時間旅行の中で抱え込んだ感情。

普通の少女なら、
数十年生きるだけでも長い。
しかしクロエは、
ヒナタと共に遥か過去へ飛び、
現在へ戻るために長い年月を歩く。
知っている人間がまだ生まれていない時代を生き、
歴史を大きく変えないよう行動し、
未来で再びリムルへ会うために時間を積み重ねていく。

しかも以前の時間では、
リムルが死亡した未来まで経験している。

助けたい。
しかし歴史を無闇に変えれば、
今度こそ現在へつながらないかもしれない。
同じ出来事を繰り返し、
失敗した未来の記憶まで抱える。
その長大な時間の中で生まれた負の感情や、
押し込められた意識まで、
クロエの内部へ蓄積していく。

だからクロノアは、
ただ「クロエが昔名乗った偽名」で終わらない。

勇者として活動した歴史上の名前であり、
同時にクロエの内部に生まれた別の自我へもつながっていく。
第94話で暴走した存在を見ると、
「クロノア=完全にクロエと無関係な第三者」でも、
「クロノア=名前を変えただけのクロエ」でもないことが分かる。

さらにヒナタも、
この人格形成と無関係ではない。

二人は長い時間を、
同じ肉体と魂の領域で共有した。
ヒナタの剣技、
知識、
判断、
感情までクロエ側へ深く残っていく。
だからヴェルドラを封印した頃のクロノアには、
クロエだけでは説明できないヒナタらしい戦闘経験が現れる。

第1話から見れば、
勇者は一人だった。

第4期まで進むと、
その一人の中に、
クロエという身体の持ち主がいる。
ヒナタという同居した魂がいる。
そして長い時間旅行の中で、
クロノアという名前と自我が形を持っていく。

ヴェルドラを封印した勇者を理解する時、
クロエ・ヒナタ・クロノアを三人の別人として並べるのではなく、
一つの身体の中で長い時間を共有した存在として見る。
そうすると、
第1話で名前すら分からなかった勇者が、
なぜ第4期では三つの名前で語られるのかまでつながってくる。

第5章 ヴェルドラはなぜクロノアに封印された?

「無限牢獄」はヴェルドラを倒す技ではなく、存在そのものを隔離する封印能力だった

第1期第1話でヴェルドラが語ったのは、
約300年前に勇者と戦い、
ユニークスキル「無限牢獄」によって封印されたという過去。
巨大な竜種を力で討ち取ったのではなく、
倒し切れない相手を別空間へ閉じ込め、
現実世界へ干渉できない状態へ追い込んだ戦いだった。

実際、
第1話でリムルが封印へ触れた時も、
通常の結界とは明らかに性質が違う。
捕食者で無限牢獄そのものを取り込もうとしても失敗し、
解析しても肉体を伴った脱出は不可能。
物理攻撃による破壊も、
ほぼ成立しないほど強固な封印として扱われている。

つまり勇者クロノアがヴェルドラへ勝ったと言っても、
竜種を剣で完全に叩き伏せ、
生命を奪ったわけではない。

暴風竜の圧倒的な魔素量。
広範囲を破壊する暴風。
竜種特有の生命力。
これらを正面から消滅させるのではなく、
最後に無限牢獄へ閉じ込める。
第93話でクロエとヒナタが暴風竜へ挑む場面も、
第1話で既に示されていた「封印」という結末へ向かう戦いになる。

この無限牢獄は、
単なる防御結界ではない。
対象を虚数空間へ隔離し、
現実世界との接触そのものを断つ能力。
後にリムルが魔王へ覚醒し、
智慧之王ラファエルによって能力を再構成した際にも、
無限牢獄は究極能力「誓約之王ウリエル」の一部へ組み込まれる。
そこで改めて、
究極の絶対封印空間へ対象を閉じ込める能力として説明される。

ヴェルドラほどの竜種が、
約300年間ほとんど外へ出られなかったのも、
この性質があるため。

第1話で本人は、
封印内部からリムルへ念話を送っている。
しかし本来なら、
それさえ異常なほど強力な封印。
身体を外へ出せず、
スキルもまともに使えず、
洞窟内部に存在し続けるしかなかった。
ヴェルドラの規格外の力があったからこそ、
わずかな精神的接触だけが残っていた。

ヒナタの戦闘技術とクロエの能力が重なったことで、暴風竜を封印できる勇者が完成した

第93話で重要なのは、
クロノアが単純に強大な能力だけでヴェルドラを封印したのではないこと。

クロエの身体には、
過去へ同行したヒナタがいる。
ヒナタは、
西方聖教会の最高戦力として長年戦い、
剣術と能力解析、
相手の行動を読む判断力まで積み重ねてきた人物。
その経験がクロエ側へ渡ったことで、
勇者クロノアの戦闘技術は急激に完成していく。

第2期でリムルと初めて戦ったヒナタは、
魔物を弱体化させる聖浄化結界を準備し、
逃走経路まで読んで待ち伏せしている。
剣を抜いてからも、
力任せに連続攻撃するのではなく、
リムルの再生能力や耐性を確かめながら、
七彩終焉刺へつなげる。
勝つために相手の情報を削り、
最も有効な攻撃を選ぶ戦い方だった。

第3期で再戦した時も、
ヒナタは以前と同じ方法だけを繰り返さない。
リムルが魔王へ進化し、
能力も戦闘経験も増えていることを前提に、
聖霊武装と剣技を使って対応する。
この長年の実戦感覚が、
過去へ飛んだクロエの修行にも使われる。

原作では、
ヒナタの意識が共に過去へ行ったことで、
クロエは長い時間を一人で過ごさずに済み、
さらにヒナタが知る戦闘技術を教え込まれたことまで示されている。
身体だけ強い少女ではなく、
聖騎士として完成したヒナタの経験を取り込んだ勇者へ成長していく。

だから約300年前のヴェルドラ戦では、
クロエの勇者としての能力と、
ヒナタ側の戦闘知識を切り離せない。

暴風を避ける。
巨大な竜種の攻撃範囲を読む。
剣で戦いながら間合いを作る。
そして最後に、
相手を殺すのではなく無限牢獄へ閉じ込める。

この流れまで見ると、
「クロエが封印したのか、ヒナタが封印したのか」という疑問も、
単純な一人称では答えにくいことが分かる。

身体と能力の中心はクロエ。
長年の修練と戦闘判断にはヒナタが深く関わる。
そして歴史上は勇者クロノアとして記録される。

ヴェルドラを封印した勇者は、
二人の時間と能力が重なった結果として完成した存在だった。

第6章 シズを救った仮面の勇者もクロノアだった?

第1期で別々に見えた「ヴェルドラを封印した勇者」と「シズを救った勇者」が同じ時間へつながる

ヴェルドラを封印した勇者の正体が分かると、
第1期で描かれたシズの過去も見え方が変わる。

第7話「爆炎の支配者」で描かれたシズは、
東京大空襲の最中に魔王レオン・クロムウェルによって召喚され、
その身体へ上位精霊イフリートを憑依させられている。
炎に囲まれた幼い少女が異世界へ連れ出され、
生き延びる代わりに強大な炎の力を抱えることになった。

その後、
シズは長い間レオンの下で生きる。
しかしイフリートの力を制御できず、
親しかった相手まで焼き殺してしまう悲劇を経験する。
自分の身体を自分で完全に支配できない状態は、
老年期までシズを苦しめ続けることになる。

そんなシズの人生を変えたのが、
仮面を付けた勇者。

シズは勇者と出会い、
レオンの支配下から離れ、
抗魔の仮面を受け取る。
その仮面には魔力を抑える働きがあり、
イフリートの暴走を抑制するためにも使われる。
第1期序盤では、
この勇者も正体不明の人物として描かれていた。

当時の視聴者から見ると、
ヴェルドラを封印した300年前の勇者と、
シズを救った仮面の勇者は、
別々の過去話に見える。

一方は第1話。
もう一方はシズの回想。
時代も場面も離れており、
共通しているのは「勇者」という肩書程度。
しかしクロエとヒナタの長い時間旅行が判明すると、
二つの出来事が同じ勇者クロノアの旅へ入ってくる。

クロノアは、
300年前だけ突然現れた勇者ではない。
約2000年前へ飛び、
そこから長い歴史を生き直している。
その途中でヴェルドラを封印し、
さらに別の時代ではシズとも関わる。
第4期によって、
第1期で断片的に置かれていた二人の勇者像が、
一つの長い時間軸へ集まり始める。

シズの仮面は「勇者→シズ→リムル→クロエ」と渡り、時間旅行によって過去へ戻っていく

そのつながりを最も分かりやすく見せるのが、
シズが長年身につけていた抗魔の仮面。

第1期でシズが亡くなった後、
仮面はリムルへ渡る。
リムルはシズの姿を受け継ぎ、
彼女の願いを抱えたまま旅を続ける。
そして第23話「救われる魂」で、
自由学園の子供たちと別れる直前、
その仮面をクロエへ渡している。

この場面だけを見ると、
シズの形見を、
シズを慕っていた教え子のクロエへ譲ったように見える。

リムル自身も、
なぜクロエへ渡したくなったのか明確には説明できない。
それでも、
クロエに渡すことが自然に感じられ、
仮面を託す。
第1期時点では、
感覚的な別れの場面として成立している。

ところが第4期で、
クロエがその後ヒナタと共に過去へ飛ぶことが判明する。

クロエは、
リムルから受け取った仮面を持ったまま、
約2000年前へ移動する。
そこから勇者クロノアとして歴史を進み、
未来で自分が生まれるよりも遥か以前から活動する。

そしてシズがレオンの下にいた時代へ辿り着けば、
仮面を持つ勇者と、
後にその仮面を所有するシズが出会う。

時間の流れを外から見ると、

勇者クロノアがシズへ渡す。
シズがリムルへ託す。
リムルが幼いクロエへ渡す。
そのクロエが過去へ飛び、
勇者クロノアになる。

直線ではなく、
一周するような受け渡しになる。

だから抗魔の仮面には、
単なる防具以上の役割がある。

第1期第24話「外伝:黒と仮面」では、
シズがまだ現役の冒険者だった時代、
原初の黒ディアブロが仮面へ攻撃を加えた際、
逆に自分の腕を損傷する異常な現象まで起きている。
ディアブロほどの存在が、
ただの魔道具ではない何かを感じ取り、
以後シズと仮面へ関心を持つきっかけになる。

その異常性も、
クロエの時間旅行を知った後では見え方が変わる。

仮面は、
未来のリムルからクロエへ渡され、
クロエが過去へ運び、
シズへ渡し、
再びリムルへ戻る。
普通の物体のように、
単純な誕生から消滅までを一直線に進んでいない。

さらにシズを救った勇者も、
ヴェルドラを封印した勇者も、
クロエとヒナタが関わるクロノア側の存在へつながる。

第1話では、
名前のない勇者。

第7話では、
シズを救った仮面の勇者。

第23話では、
リムルから仮面を受け取るクロエ。

第4期では、
そのクロエがヒナタと共に過去へ飛び、
勇者クロノアとして歴史を歩く。

最初は別々に見えた場面が、
仮面を一本の線として追うことで、
同じ時間旅行へ収束する。

だからヴェルドラを封印した勇者を調べると、
最後はシズの過去までつながる。

約300年前の暴風竜封印だけが、
クロノアの役割ではない。
リムルが出会う遥か以前から、
ヴェルドラ、
シズ、
ヒナタ、
クロエを結ぶ歴史そのものを歩いていた。
第1期で正体不明だった二人の「勇者」は、
第4期まで進んで初めて、
同じ長大な時間の中で見える存在になる。

第7章 第1話の「勇者」は、クロエ・ヒナタ・クロノア全部につながっていた

300年前の封印だけを見ると一人の勇者、時間旅行まで追うと三つの名前が同じ出来事へ集まる

第1期第1話でヴェルドラが語った時点では、
自分を封印した相手は、
約300年前に現れた正体不明の勇者でしかなかった。
強大な暴風竜へ挑み、
最後は無限牢獄を使って封印した。
名前も素性も伏せられ、
現在の人物関係とは切り離された昔話として始まっている。

ところが第4期まで進むと、
その「勇者」という一語の中へ、
クロエ、
ヒナタ、
クロノアという三つの名前が重なってくる。

身体の中心にいるのはクロエ。
過去へ同行し、
長い旅と戦闘経験を共有したのがヒナタ。
そして歴史上、
仮面の勇者として活動する時の名前がクロノア。

どれか一つだけを取り出すと、
「結局誰なのか」が逆に分かりにくくなる。

クロエだけを見れば、
幼い少女が突然ヴェルドラを封印したように見える。
ヒナタだけを見れば、
なぜ他人の身体で300年前に戦っているのか説明が足りない。
クロノアだけを見れば、
第1期から登場していたクロエとの関係が消えてしまう。

三つを重ねて初めて、
第1話の封印が成立する。

第92話では、
ヒナタがクロエの時間旅行へ巻き込まれ、
二人が遥か過去へ飛ぶ。
第93話では、
勇者クロノアとして長い歴史を歩き、
その途中で暴風竜ヴェルドラへ挑む。
そこでクロエの身体、
ヒナタの意識と戦闘経験、
クロノアという勇者名が一つの場面へ重なる。

さらに第1期第23話を振り返ると、
クロエだけに宿った正体不明の巨大な存在も、
現在では単なる異常現象には見えない。
他の子供たちへ精霊が宿る中、
クロエだけ明らかに異質な存在を受け入れる。
ラミリスにも正体が分からず、
リムルもその場では深追いしない。
この違和感も、
後にクロエが時間と魂へ深く関わる存在だと知ることで重さを増す。

ヴェルドラ封印は、クロエが未来でリムルと出会うための歴史そのものを守る出来事だった

ヴェルドラを封印した戦いで重要なのは、
単に強敵へ勝ったということではない。

勇者クロノアが、
約300年前のヴェルドラを倒し切らず、
無限牢獄へ封じた。
その結果、
ヴェルドラは洞窟の中で生き続ける。
そして約300年後、
異世界から転生した三上悟が、
同じ洞窟でヴェルドラと出会う。

そこから、
現在の物語が始まる。

ヴェルドラと会話する。
互いに名前を付ける。
三上悟はリムル=テンペストとなる。
ヴェルドラはリムルの体内へ入り、
無限牢獄の解析が始まる。
やがてテンペストという国まで生まれていく。

つまり300年前の封印は、
リムルとヴェルドラが出会うための条件そのものだった。

クロエは未来で、
そのリムルと出会う。
自由学園で救われる。
精霊の棲家へ連れて行ってもらう。
シズから受け継がれた仮面も、
リムルの手からクロエへ渡る。

そのクロエが過去へ飛び、
今度は勇者クロノアとしてヴェルドラを封印する。

未来でリムルから救われた少女が、
過去でヴェルドラを封印し、
その封印が未来のリムルとヴェルドラの出会いを生む。

一直線の因果ではない。
未来と過去が互いを成立させるように結び付いている。

シズの仮面も同じ。

勇者クロノアからシズへ渡る。
シズからリムルへ渡る。
リムルからクロエへ渡る。
クロエが過去へ戻り、
再び勇者クロノアとして持つ。

ヴェルドラ封印と抗魔の仮面は、
どちらもクロエの時間旅行によって、
未来から過去へ戻りながら歴史を成立させる出来事になる。

だから第1話の「勇者」は、
単に後から正体が判明した人物ではない。

最初は名前のない過去の勇者。
第1期後半では、
リムルの教え子クロエ。
第2期・第3期では、
リムルと対立しながら関係を深めたヒナタ。
第4期では、
その二人が同じ身体と時間を共有し、
勇者クロノアとして過去を歩く。

長く離れていた人物と出来事が、
第4期で一つの歴史へ収束する。

ヴェルドラを封印したのはクロエなのか。
ヒナタなのか。
その疑問へ最も近い答えは、
どちらか一人ではない。

クロエの身体があり、
ヒナタの意識と戦闘経験があり、
歴史上は勇者クロノアとして動いた。

第1話でヴェルドラが語った「勇者」は、
第4期まで進んで初めて、
クロエ・ヒナタ・クロノアという三つの名前を持つ一人の勇者として見えてくる。

転生したらスライムだった件まとめ

『転生したらスライムだった件』の記事を、第4期の各話感想・放送情報・ロッゾ一族・西方諸国・地下迷宮・魔王・テンペストの仲間・キャラクター解説に分けてまとめています。
リムル、マサユキ、ヒナタ、マリアベル、グランベル、ミリム、ディアブロ、ヴェルドラなど、気になる記事はこちらから探せます。

▶【転生したらスライムだった件】記事一覧ページはこちら

▶ 転スラの記事一覧ページを見る

コメント

タイトルとURLをコピーしました