黒谷四姉弟は、ナツキ・フユキ・ハルオ・アキオという血のつながらない4人が、親を持たない者同士で影森家に迎えられ、姉弟として育った家族だ。
4人が影森家に仕えているのは単なる仕事ではなく、住む場所と役割を与えられ、ツガイ使いとして生きる居場所そのものを作ってもらった過去が大きい。
だからこそアキオの裏切りは「敵へ寝返った」だけでは終わらず、育ててくれた影森家と黒谷姉弟という家族を傷つける選択として重く響いてくる。
第1章 黒谷四姉弟とは?血のつながらない4人が影森家で家族になった
ナツキ・フユキ・ハルオ・アキオは実の兄弟ではなく、影森家のもとで育った家族
黒谷四姉弟とは、
長女ナツキ、長男フユキ、次男ハルオ、三男アキオの4人を指す。
全員が影森家に仕えるツガイ使いで、
公式でもナツキは長女、フユキは長男、ハルオは次男、アキオは三男として紹介されている。
ただし4人に血のつながりはなく、同じ親から生まれた兄弟姉妹ではない。
4人は親のいない境遇から影森家側へ引き取られ、
同じ環境で暮らしながら黒谷姉弟として育ってきた。
だから名字が同じなのも、
最初から実の家族だったからではなく、
血縁のない者同士が同じ家族単位として生きてきた結果になる。
第22話「影森兄弟と黒谷姉弟」では、
アキオの処分を巡る場面を通して、
この4人が単なる同僚ではなかったことが一気に表へ出る。
特に第23話「情と理」でナツキがアキオを問い詰める場面は、
黒谷四姉弟の関係をそのまま示している。
親のいない者同士で姉弟になり、
それでも家族を作ってきたのに、
なぜその家族を裏切ったのかとアキオへ迫る。
ここでナツキが問題にしているのは、
影森家の命令へ背いたことだけではなく、
一緒に育った自分たちまで捨てたことだった。
アキオ自身も、
黒谷姉弟との時間を偽物だったとは言わない。
影森家へ拾われたことに感謝し、
ナツキ、フユキ、ハルオと家族として暮らした時間も否定していない。
それでも自分の出生や実親へ引かれ、
西ノ村側へ進んでしまったため、
第22話以降では「血のつながらない家族」と「血のつながる親」が正面から衝突することになる。
つまり黒谷四姉弟は、
影森家の戦闘員をまとめた呼び名ではない。
親のいない4人が同じ場所で育ち、
長女、長男、次男、三男という関係まで作り、
それぞれツガイを持って影森家を支えるようになった家族になる。
だからアキオの裏切りが判明した時も、
残る3人は敵が一人増えた程度では済まなかった。
4人とも影森家に仕えるが、それぞれ違う立場とツガイを持っている
黒谷四姉弟は、
4人で同じ仕事をしているわけではない。
ナツキは「なもみはぎ」、
フユキは「閻魔帳」、
ハルオは「兎と亀」、
アキオは「ヤマノカミ」の主で、
同じ家族でも戦闘方法と役割が大きく異なる。
ナツキは長女として前へ出る場面が多く、
力の強い「なもみはぎ」を使いながら、
姉弟の感情面でも中心になる。
第22話以降、
アキオの裏切りを最も真正面から受け止めるのもナツキで、
処分対象になった弟へ怒りを向けながら、
同時に「なぜ家族を捨てたのか」を聞こうとする。
フユキの「閻魔帳」は、
腕のようなエンブレイスと帳面のウィスパーからなるツガイで、
触れたツガイの主に関する情報を引き出せる。
単純な殴り合いより情報収集へ強く、
影森家が敵の正体や主従関係を追う時に価値が高い。
黒谷四姉弟の中でも、
前線火力とは別の位置から影森家を支える人物になる。
ハルオの「兎と亀」は、
素早く動くウサちゃんと、
重量を生かすカメちゃんの組み合わせ。
見た目の可愛らしさに反して実戦能力が高く、
ハルオ自身も前線へ出る機会が多い。
アキオと一緒に行動する場面が多いため、
後から裏切りが判明した時には、
単なる同僚以上に近かった弟分を失う形になる。
そしてアキオの「ヤマノカミ」は、
白い山風と黒い谷風からなる巨大なツガイ。
細かな特殊能力よりも、
圧倒的な巨体と力で押し切る戦闘型で、
第17話ではアキオが内通を見抜かれた後、
このヤマノカミを呼び出して影森屋敷そのものへ牙を向ける。
長年影森家を守る側だった戦力が、
一転して屋敷を壊す側へ回るため、
黒谷姉弟の亀裂が視覚的にもはっきり出る。
4人が同じ家で育ちながら、
同じ能力へ寄せられていないことも重要になる。
情報収集、
前線戦闘、
高速戦、
巨大戦力。
役割の違う4人が組み合わさることで、
影森家の実働部隊として機能してきた。
だから黒谷四姉弟とは、
家族であると同時に、
影森家の中で長年役割を持って働いてきた集団でもある。
第2章 黒谷四姉弟のメンバーは誰?4人の性格とツガイを具体場面から見る
ナツキとフユキは「家族を支える側」、ハルオとアキオは前線へ出る場面が多い
長女ナツキは、
黒谷四姉弟の感情面を最も表へ出す人物になる。
普段から姉として3人を見ており、
第22話から第23話でアキオの裏切りが問題になった時も、
処分だけで終わらせず本人へ直接問い掛ける。
親のいない者同士で姉弟になったことを持ち出すのは、
ナツキ自身がその関係を本物の家族として受け止めていたからになる。
戦闘では「なもみはぎ」のジジ丸とババ丸を使い、
力で敵を押し返す場面が目立つ。
黒谷四姉弟の中でも、
精神的には姉、
実戦では前線へ出られる戦力という二つの立場を持つ。
アキオへ怒りを向けても完全に見放せないところに、
長女としての性格が強く出ている。
長男フユキは、
ナツキほど感情を前面へ出さず、
「閻魔帳」を使った情報面の働きが目立つ。
敵のツガイへ触れて主の情報を探れる能力は、
力押しでは得られない情報を影森側へ持ち帰れる。
敵の正体や所属を知ることが戦況を左右する『黄泉のツガイ』では、
直接戦闘以上に危険な能力になる。
一方ハルオは、
アキオと一緒に現場へ出る場面が多く、
「兎と亀」を使った実戦要員として動く。
ウサちゃんの高速戦闘とカメちゃんの重量系攻撃を使い分け、
見た目以上の戦闘力を発揮する。
情にも厚いため、
アキオの裏切りが発覚した後も、
簡単に敵として切り捨てられない位置に置かれる。
この3人を見てからアキオを見ると、
彼だけが最初から浮いていたわけではないことも分かる。
仕事では普通に影森側へ入り、
ハルオたちと行動し、
ヤマノカミの主として戦力を担っていた。
だから第17話の裏切りは、
外部から入り込んだ敵が正体を現した場面ではなく、
家族として育った一人が内部から反転した場面になる。
第17話以降を見ると、4人の違いより「それまで普通に家族だった」ことの方が重くなる
第17話「泣く子と悪い子」で、
アキオが偽アサへバールを持って近づき、
愛ちゃんの擬態による罠へ引っ掛かったことで、
黒谷四姉弟の関係は初めて大きく崩れる。
ジン側は以前からアキオを疑っており、
本物のアサを別の場所へ移したうえで、
屋敷に残っているように見せて反応を確認していた。
アキオは正体を見抜かれた後、
そこで降伏しない。
ヤマノカミを呼び出し、
長年暮らした影森屋敷を壊そうとする。
それまで影森側の巨大戦力だった山風と谷風が、
今度は影森家へ向けられるため、
黒谷四姉弟の関係が壊れたことが戦闘そのものへ現れる。
しかし第22話になると、
アキオの態度は単純な憎悪ではなかったことも分かる。
影森家へ拾われたことには感謝している。
黒谷姉弟と過ごした時間も楽しかった。
それでも無痛症という身体の違いから自分の出生を追い、
実親へ近づいた末に、
西ノ村へつながってしまった。
ここでナツキたちとの関係がさらに重くなる。
もし4人がただの仕事仲間なら、
裏切ったアキオは処分対象で終わる。
ところが実際には、
なぜ裏切ったのか、
なぜ家族より血縁を選んだのかまで問い続ける。
第23話「情と理」という題そのものが、
黒谷四姉弟の問題を象徴している。
黒谷四姉弟を知るうえで、
4人の名前とツガイだけを覚えても半分しか見えない。
ナツキは姉として怒る。
フユキは長男として家族側に残る。
ハルオは近くで行動してきた弟を失う。
アキオは家族への情を残したまま裏切る。
この関係があるから、
第17話から第23話の展開が単なる内部抗争ではなくなる。
黒谷四姉弟とは、
違う能力を持った4人のツガイ使いであり、
同時に血縁がない状態から長い時間をかけて家族になった4人になる。
そして次に重要になるのが、
そこまで家族として育った4人が、
そもそもどうして影森家に仕えるようになったのかという過去になる。
第3章 黒谷四姉弟はどうして影森家に仕えている?拾われた子供たちに居場所を与えた家だった
4人は影森家が経営する乳児院の前に捨てられ、そこで姉弟として育った
黒谷四姉弟が影森家に仕えている出発点は、
4人とも影森家と無関係な場所で育った後に雇われたのではなく、
幼い頃から影森家の管理する環境で育てられたことにある。
ナツキ、フユキ、ハルオ、アキオはいずれも血縁のない孤児で、
影森家が経営する乳児院の前へ捨てられていた子供たちだった。
そこから同じ場所で育ち、長女・長男・次男・三男という姉弟関係まで作られていく。
つまり4人にとって影森家は、
成人してから仕事を紹介してくれた雇用主ではない。
親を持たなかった自分たちを引き取り、
暮らす場所を与え、
さらに同じ境遇の子供たちを一つの家族として育てた側になる。
第23話「情と理」でナツキがアキオへ「親のいない者同士、姉弟になって家族もできた」という趣旨で問い詰めるのも、
この幼少期からの積み重ねがあるからだった。
影森家との関係は、
4人がツガイ使いとして成長した後も続いている。
長女ナツキと長男フユキは当主・影森ゴンゾウの側近として働き、
次男ハルオと三男アキオは三男・影森ジンの側で実働を担う。
同じ黒谷姉弟でも仕える相手は分かれているが、
4人全員が影森家の内部で役割を持ち、
家を守る側として生活を続けてきた。
過去回を見ても、
ハルオはジンと一緒に前線へ出て「兎と亀」を使い、
アキオもヤマノカミを従えて実戦部隊へ入っている。
フユキは「閻魔帳」による情報収集で敵の主従関係を探り、
ナツキは「なもみはぎ」を使いながらアサやガブちゃんの周囲にも関わる。
4人とも単に屋敷へ置かれているのではなく、
影森家の仕事の中へ完全に組み込まれていた。
だから第22話でアキオが、
影森家に拾われたことへの感謝を口にする場面は重要になる。
本人は後に西ノ村へ内通するが、
「影森家が嫌だったから裏切った」とは語らない。
無痛症だった自分を受け入れ、
仕事を与え、
黒谷姉弟という家族まで作ってくれた場所として、
恩義そのものは認めている。
ここを押さえると、
黒谷四姉弟が影森家に仕える構図はかなり明確になる。
命令されて仕方なく従っているのではない。
育ててもらった場所へ恩を返しながら、
自分たち自身も影森家の一員として働いてきた。
だからこそアキオの裏切りだけが、
仕事上の離反以上に重く扱われることになる。
ナツキとフユキはゴンゾウ、ハルオとアキオはジンの側近として役割を与えられていた
黒谷四姉弟は、
成長後に全員同じ部署へまとめられたわけでもない。
ナツキとフユキは影森ゴンゾウの近くで動き、
ハルオとアキオは実戦部隊を率いるジンの側近として働いている。
幼い頃に家族になった4人が、
成人後は能力に応じて別の立場へ配置されているところにも、
影森家との長い関係が見える。
特にハルオとアキオは、
前線でジンと行動する機会が多い。
ハルオの「兎と亀」は高速移動と重量攻撃を使い分け、
アキオの「ヤマノカミ」は巨大な山風と谷風による圧倒的な力を持つ。
ジンが危険な任務へ向かう時、
この2人が周囲にいるのは偶然ではなく、
影森家の中で実戦要員として信頼されていたからになる。
一方フユキは、
敵のツガイから情報を引き出せる「閻魔帳」を持つ。
直接倒すだけではなく、
誰が主なのか、
どの勢力へ属するのかを調べられるため、
影森家が敵の正体を追う時には重要な役割を担う。
ナツキも長女として姉弟をまとめながら、
自分のツガイを使って実戦へ参加できる。
こうして見ると、
影森家は4人へ食事と住居だけを与えたのではない。
それぞれのツガイと能力を生かせる仕事まで与え、
大人になった後も居場所を残している。
黒谷四姉弟が影森家へ仕える背景には、
幼少期の恩義と、
現在の役割の両方が重なっている。
第4章 影森家は黒谷四姉弟にとってどんな場所?仕事場ではなく帰る場所に近かった
アキオの無痛症まで受け入れた影森家は、4人にとって一般社会とは違う居場所だった
黒谷四姉弟にとって影森家が特別だったことは、
アキオの幼少期を見るとさらに分かりやすい。
第22話で語られたアキオは、
生まれつき痛覚が極端に鈍く、
喧嘩で殴られても自分の限界が分からず、
相手へどれほど苦痛を与えているのかも実感しにくかった。
普通の環境では、周囲から危険人物として扱われてもおかしくない子供だった。
それでも影森家は、
アキオを排除するのではなく、
黒谷姉弟の一人として育て、
やがてヤマノカミの主として役割を持たせている。
ナツキ、フユキ、ハルオもそれぞれ違う性格とツガイを持ちながら、
同じように影森家の内部で仕事を与えられた。
血縁も親もなかった4人にとって、
影森家は「役に立てる自分」まで作ってくれた場所になる。
その関係は、
第17話でアキオの裏切りが発覚した時に逆方向から見えてくる。
偽アサへバールを持って近づいたアキオが内通者だと判明し、
さらにヤマノカミを呼び出して影森屋敷そのものを壊そうとする。
この場面が重いのは、
敵が屋敷へ攻撃しているからではなく、
その屋敷で育った本人が自分の居場所へ牙を向けているからだった。
もしアキオにとって影森家がただの職場なら、
辞めて敵へ移った話で終わる。
しかし第22話では、
本人が影森家への感謝を残している。
黒谷姉弟との生活も楽しかったと認める。
それでも実親と出生を追った結果、
西ノ村側へ進んだため、
過去の恩義と現在の選択が完全に衝突している。
ここで影森家という場所の性質が見える。
4人を血縁で束ねた家ではない。
親のいない子供を引き取り、
一緒に育て、
姉弟という関係を作り、
成人後も役割を与えた。
黒谷四姉弟にとっては、
家族と仕事が最初から同じ場所に存在していたことになる。
第23話でナツキが責めたのは「仕事を裏切ったこと」より「家族を捨てたこと」だった
第23話「情と理」で、
黒谷四姉弟と影森家の関係が最も強く表れる。
ナツキはアキオへ、
単に機密を漏らしたことや敵へ通じたことだけを責めているのではない。
親のいない者同士で姉弟になり、
家族として生きてきたのに、
なぜ自分たちと影森家を裏切ったのかを問い続ける。
アキオは、
そこで「最初から家族だと思っていなかった」とは答えない。
むしろ影森家へ感謝していることも、
姉弟との生活を肯定していることも残る。
だからナツキにとっては余計に理解できない。
嫌っていたのならまだ分かる。
恩も情もあるのに、
それでも血縁と出生を求めて別の側へ進んだことが、
家族として最も受け入れにくい。
ハルオ側にも同じ重さがある。
アキオとはジンの側近として一緒に動く場面が多く、
現場では互いに影森側の戦力として戦ってきた。
それだけ近い相手が内通者だったため、
裏切り後も単純に「敵だから殺せ」で割り切れない。
第22話以降に処分問題が重くなるのも、
黒谷四姉弟が単なる私兵集団ではないからになる。
さらに第23話では、
アキオ自身も自分の処遇よりヤマノカミを案じる。
長年一緒にいたツガイへの情が残り、
黒谷姉弟との関係も完全には断ち切れていない。
影森家から離れた後でも、
そこで作ったつながりだけは本人の中に残っている。
だから黒谷四姉弟にとって影森家とは、
給料をもらうために通う場所ではない。
幼い頃に拾われた場所。
姉弟を得た場所。
ツガイ使いとして役割を得た場所。
成人後も働き続けた場所。
そして裏切った後でさえ、
簡単には切り離せない帰属先だった。
ここまで見ると、
4人が影森家に仕えていること自体は不自然ではない。
むしろ影森家の外にいた時間より、
影森家の中で家族として生きた時間の方が長い。
だから次に問題になるのは、
そこまで深く結び付いていた黒谷四姉弟が、
実際にはどれほど仲が良く、
アキオの裏切り前にどんな距離感で暮らしていたのかという部分になる。
第5章 黒谷四姉弟は本当に仲が良かった?ハルオとアキオから見える家族関係
ハルオとアキオは一緒に動く場面が多く、四姉弟の中でも距離が近かった
黒谷四姉弟の関係を最も分かりやすく見せるのが、
次男ハルオと三男アキオの組み合わせになる。
公式ではハルオが「兎と亀」の主、アキオが「ヤマノカミ」の主と紹介されており、
作中でも二人はジンの側近として前線へ出る機会が多い。
同じ影森家で育った姉弟というだけでなく、
任務でも並んで動く時間が長かった二人になる。
ハルオは情に厚く、
東村の住民がユルの死を当然のように語った時には露骨に嫌悪感を見せ、
アサの両親へつながる情報を持つ敵を前にした時も、
感情を強く表へ出しながら確保へ動いている。
普段は軽い雰囲気に見えても、
身内や弱い立場の者が理不尽に扱われると黙っていられない。
そのハルオが長年組んできた相手が、
ほとんど表情を変えないアキオだった。
二人の性格はかなり違う。
ハルオは感情が顔や言葉へ出やすく、
アキオは無表情で反応が薄い。
それでも同じジンの側で働き、
ハルオは高速で動くウサちゃんと重量を持つカメちゃん、
アキオは巨大な山風と谷風を使い、
互いにまったく違う戦力を補いながら任務へ入ってきた。
だから第17話でアキオの裏切りが露見した時、
壊れたのは仕事上のコンビだけではない。
第17話「泣く子と悪い子」では、
アキオが偽アサへバールを持って近づき、
擬態していた愛ちゃんに腕を噛まれたことで正体を暴かれる。
ジンから以前から疑っていたことを告げられた後も、
アキオは影森側へ戻らず、
ヤマノカミを呼び出して屋敷そのものを更地にしようとする。
この瞬間まで同じ家族、同じ陣営だった弟が、
完全に攻撃する側へ回ったことになる。
しかもアキオの裏切りには、
もっと早い伏線があった。
第5話ではユルが、
現場を指揮するジンや実際にツガイを出していたハルオではなく、
ほとんど動いていなかったアキオへだけ、
折れた愛ちゃんの牙を脳天へ狙って投げている。
後にジンは、
ユルがアキオから出る殺気へ反応していたのではないかと考えていた。
つまりハルオは、
自分と一緒に行動してきた弟のすぐ隣で、
その弟が別の側へ傾いていたことになる。
アキオがいつから西ノ村へ情報を流していたのかを考えるほど、
普段の任務や家族として過ごしていた時間まで見え方が変わる。
近かったからこそ、
裏切りが発覚した後に受ける傷も大きい。
ナツキは長女として4人をつなぎ、裏切ったアキオにも「家族」として問い続けた
黒谷四姉弟の中で、
家族という言葉を最も強く背負っているのがナツキになる。
戦闘では「なもみはぎ」を使う前線要員だが、
第17話以降は戦闘力より長女としての姿が目立つ。
裏切りが判明したアキオに対し、
最初から処分だけを求めるのではなく、
なぜそこまでしたのかを聞こうとする。
第17話では、
ガブちゃんがアキオとヤマノカミへ激怒し、
ジンから「殺すな」と止められても、
殺さない自信がないほど怒りを露わにする。
ヤマノカミを攻撃し続け、
さらに丸腰になったアキオまで狙おうとしたところで、
ナツキの「なもみはぎ」が間へ入り、
ガブちゃんを制止している。
裏切った弟を庇い切るわけではないが、
その場で感情だけに任せて殺させることもしない。
この距離感が、
第22話から第23話でさらに濃くなる。
ナツキはアキオへ、
影森家が嫌だったのか、
自分たちとの生活は何だったのかというところまで踏み込む。
親がいない者同士で姉弟になり、
家族を作ったはずなのに、
それでも自分たちを選ばなかったことが理解できない。
ここでアキオも、
家族ではなかったとは言わない。
影森家へ拾われたことには感謝している。
姉弟として暮らした時間も楽しかった。
それでも無痛症という身体の違いから自分の出生を追い、
実親へつながる側へ進んだ。
このやり取りを見ると、
黒谷四姉弟の仲の良さは、
普段から抱き合ったり仲良しを強調する関係ではない。
長く同じ場所で暮らし、
同じ仕事をし、
相手がいることを当然としてきた家族だった。
だから崩れた時に初めて、
それまでどれだけ深くつながっていたのかが見えてくる。
第6章 アキオはなぜ影森家を裏切った?恩義があっても埋まらなかった出生の空白
影森家を嫌っていたのではなく、「自分はどこから来たのか」を追った先で西ノ村へつながった
アキオの裏切りを、
影森家への不満だけで説明すると第22話の告白と合わない。
本人は影森家へ拾われたことに感謝し、
黒谷姉弟という家族を得られたことも認めている。
それでも裏切ったのは、
影森家が与えてくれたものでは埋まらない疑問が一つだけ残っていたからになる。
それが、
自分の身体と出生だった。
アキオは生まれつき痛覚が極端に鈍く、
幼少期には喧嘩をしても自分がどこまで傷ついているのか分からず、
相手が感じている痛みも実感として理解しにくかった。
親がいないという境遇自体はナツキ、フユキ、ハルオと同じでも、
この無痛症だけは誰とも共有できない。
そこでアキオは、
自分と同じように痛みを感じない人間を探し始める。
探していたのは敵組織ではない。
影森家から逃げる場所でもない。
最初は、
自分と同じ身体の人間だった。
その探索の先で、
アキオは自分の実母へつながる人物と接触し、
さらに西ノ村との関係が生まれる。
ここでアキオの中に、
育ててくれた家族と、
自分を産んだ血縁という二つの側ができる。
影森家への感謝が消えたのではなく、
それとは別に「自分の正体を知りたい」という欲求が強くなっていった。
第17話で見える裏切りは、
その最終段階になる。
偽アサへバールを持って迫り、
愛ちゃんの擬態を利用した罠で正体を暴かれても、
アキオはその場で降伏しない。
本物のアサが別の場所にいると知ると、
影森屋敷を更地にして逃げ場をなくそうとし、
ヤマノカミまで出現させる。
ここまで進んでいる以上、
一時的な迷いではない。
影森家への恩義と家族への情を残したまま、
行動だけは西ノ村側へ完全に踏み込んでいた。
第5話から第17話までの伏線を見ると、裏切りは突然ではなく長く続いていた
アキオの内通が怖いのは、
第17話で突然始まったわけではないところになる。
第5話では、
ユルがアキオから出る殺気へ反応していた。
表向きは同じ影森側なのに、
ツガイすら出していないアキオへ強い攻撃を向けている。
山で危険察知を磨いてきたユルが、
言葉より先にアキオの敵意を拾っていた場面になる。
さらに影森屋敷が襲撃された際には、
敵側の情報を持っている人物を
アキオが先に殺している。
フユキの「閻魔帳」があれば、
捕らえた敵から主や所属へつながる情報を探れる可能性があったため、
後から見ればアキオの行動は、
西ノ村へつながる情報を抜かせないための口封じだった疑いが強くなる。
ジンが第17話で罠を仕掛けたのも、
こうした複数の違和感を積み重ねていたからだった。
本物のアサを別行動させ、
愛ちゃんをアサへ擬態させて屋敷へ残す。
そこでアキオが本当にアサを狙うのかを見た結果、
本人がバールを持って現れ、
疑惑が確信へ変わった。
だから黒谷四姉弟のアキオの裏切りを見る時は、
「家族なのに急に寝返った」と考えない方が分かりやすい。
本人の中では、
影森家への感謝と黒谷姉弟への情を持ちながら、
その裏で出生探しと西ノ村への接近を続けていた。
二つの側を抱えた時間があり、
最後に隠し切れなくなったのが第17話だった。
そして第22話から第23話で、
その選択を最も強く突きつけるのがナツキになる。
親のいない4人で家族になった。
居場所も与えられた。
影森家への恩も本人は認めている。
それでもアキオは血縁へ進んだ。
この矛盾があるから、
黒谷四姉弟の物語は単なる仲間割れでは終わらない。
血のつながらない家族と、
血のつながる実親の間で、
アキオがどちらを選んだのかという問題へ変わっていく。
第7章 アキオが裏切っても黒谷四姉弟は家族なのか?
第23話「情と理」でナツキが問い続けた時点で、アキオはまだ「弟」だった
第23話「情と理」で、
黒谷四姉弟の関係を最も強く示すのがナツキの態度になる。
アキオはすでに影森家へ内通していた事実を暴かれ、
第17話では偽アサへバールを持って近づき、
正体を見抜かれた後もヤマノカミを呼び出して影森屋敷へ牙を向けた。
行動だけを見れば、完全に敵側へ回った人物だった。
それでもナツキは、
アキオをただ処分すべき敵として扱わない。
親のいない者同士で姉弟になり、
家族として過ごしてきたことを突きつけながら、
なぜそこまでして自分たちを裏切ったのかを本人へ問い続ける。
この場面でナツキが求めているのは、
任務上の報告でも内通経路の確認でもなく、
家族として納得できる答えだった。
もしアキオが最初から仲間ですらなかったなら、
ここまで感情をぶつける必要はない。
影森家へ潜り込んだ敵だったと割り切れば済む。
しかし実際には、
同じ場所で育ち、
同じ黒谷姓を名乗り、
長女・長男・次男・三男という関係まで作ってきた。
だから裏切りが発覚した後も、
ナツキの中ではアキオが「敵」だけには切り替わらなかった。
アキオ自身も、
その関係を完全には否定していない。
影森家へ拾われたことには感謝している。
黒谷姉弟と暮らした時間も楽しかった。
それでも無痛症という身体の違いから出生を追い、
実親へ近づき、
最後には西ノ村側へ進んだ。
家族だったことを否定して裏切ったのではなく、
家族だったまま別の側を選んだことになる。
ここが黒谷四姉弟の関係を最も重くする。
血縁がないから簡単に切れたのではない。
血縁がなくても家族だった。
それでもアキオは離れた。
だからナツキたちは、
裏切りそのもの以上に、
「家族だったのになぜ」という部分から離れられない。
黒谷四姉弟とは、血ではなく一緒に生きた時間で家族になった4人
黒谷四姉弟を最初から追うと、
4人をつないでいたものは血統ではないことが分かる。
ナツキ、フユキ、ハルオ、アキオはいずれも親を持たず、
影森家のもとで育ち、
そこで姉弟という関係を作った。
成長後はそれぞれ違うツガイを持ち、
違う役割を与えられながらも、
全員が影森家の内部で生き続けてきた。
ナツキは「なもみはぎ」を従え、
長女として姉弟をまとめる。
フユキは「閻魔帳」で情報面を支え、
ハルオは「兎と亀」とともに前線へ出る。
アキオは「ヤマノカミ」という巨大戦力を持ち、
ハルオと並んでジンの側近として動いてきた。
能力も性格も違う4人が、
同じ家の中で役割を分けながら家族になっていた。
だから第17話の裏切りは、
単なる戦力流出では終わらなかった。
アキオがヤマノカミを影森屋敷へ向けた瞬間、
それまで家を守る側だった弟が、
家そのものを壊す側へ回る。
それでも第22話から第23話では、
ナツキたちの中に家族としての情が残り続けている。
さらにアキオ自身も、
影森家や黒谷姉弟への感情を消してはいない。
自分の処遇よりヤマノカミを気に掛け、
長年一緒にいたツガイへ意識を向ける。
家族とツガイ、
どちらも影森家で得たつながりになる。
それでも血縁へ進んだ。
この矛盾が、
黒谷四姉弟という関係の核心になる。
血がつながっていなくても、
一緒に暮らした時間、
同じ場所で育った記憶、
互いの役割を知り、
危険な任務へ出てきた積み重ねは消えない。
アキオが西ノ村側へ進んだからといって、
過去まで無かったことにはならない。
だから黒谷四姉弟とは、
影森家に仕える4人のツガイ使いというだけではない。
親のいない者同士が拾われ、
同じ家で育ち、
血縁の代わりに時間を積み重ねて家族になった4人になる。
そしてアキオの裏切り後も、
その関係は完全には消えていない。
むしろ壊れたからこそ、
それまで本当に家族だったことが最も強く見える。
黒谷四姉弟の記事で最後に残るのは、
「血がつながっているか」ではない。
誰と生きてきたのか。
誰を家族だと思ってきたのか。
そして一度裏切っても、
その関係は本当に切れるのか。
第23話「情と理」は、
黒谷四姉弟がただの戦闘集団ではなく、
家族として積み上げてきた時間そのものを問い直す回になっている。
黄泉のツガイ
『黄泉のツガイ』の考察・感想・キャラ解説記事一覧へ
ユル・アサ・デラ・ハナ・左右様・ツガイ能力・東村の秘密はこちら。
あなたは映画やドラマを思いっきり楽しみたいですか?
- 「観たい映画があっても、配信サービスごとに探すのが面倒…」
- 「ドラマやアニメを楽しみたいけれど、作品数が少なくてすぐ見終わってしまう…」
- 「マンガや雑誌まで楽しみたいのに、別々に契約するのは大変…」
- 「せっかく登録しても、観たい作品が見つからないことがある…」
- 「休日に何を観るか迷って時間が終わってしまう…」
など、動画配信サービスを利用したいけれど、
自分に合ったサービス選びで悩んでいる方は多くいらっしゃいます。家族や友人に相談しても、
自分に合った作品が見つからず困ってしまうこともありますよね。そんな方に注目されている動画配信サービスが♪
●U-NEXT(ユーネクスト)の魅力
映画・ドラマ・アニメはもちろん、
マンガや雑誌などの電子書籍まで楽しめる
総合エンタメサービスです。幅広いジャンルの作品がそろっており、
話題作から定番作品まで楽しめるため、
さまざまなエンタメをまとめて楽しみたい方に人気があります。さらに、
ライブ配信やスポーツ中継、
韓流ドラマや独占配信作品なども充実しているのが特徴です♪作品数やジャンルの幅広さが魅力のサービスとして、
多くのユーザーに利用されています。31日間無料トライアルを実施しています♪
まずは実際に使ってみて、
自分に合った作品を探してみるのも楽しいと思います。幅広い作品を楽しみたい人には、
使いやすい動画配信サービスですよ♪
●さらに便利なポイントも!
スマホ・タブレット・テレビなど、
さまざまな端末で視聴できるため、
外出先や自宅など、好きな場所で楽しめます♪さらに、
独占配信作品やライブ配信も多数あるため、
いろいろなジャンルを楽しみたい方にも向いています。エンタメ好きの方は、
ぜひチェックしてみてください♪


コメント