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【手札が多めのビクトリア・アニメ】第6話「この子の幸せを考えてやらないと」セドリックの体術依頼とジェフリーを拒んだビクトリア

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『手札が多めのビクトリア』第6話は、ビクトリアの「手札」が自分を生き残らせる技術から、ノンナを幸せにする力へ変わり始める回。
マイルズとの馬、セドリックへの体術指導、ジェフリーの申し出を拒む姿を追うと、元工作員クロエの能力が日常へ溶け込む一方、人に頼ることだけは今も苦手だと見えてくる。

  1. 第1章 結論|第6話はビクトリアの「手札」が自分のためからノンナのためへ変わる回
    1. 元工作員の能力が、逃げるためではなく暮らしを守る力になっていく
    2. ノンナの幸せを考えるほど、ビクトリア自身の人生も変わり始める
  2. 第2章 マイルズは何者?馬との出会いにビクトリアの元工作員らしさが残る
    1. 近所の退役軍人マイルズとの出会いから、ビクトリアは馬を一頭手配してもらう
    2. 平穏に暮らしていても、非常時へ備える感覚だけはクロエ時代から消えていない
  3. 第3章 セドリックは何をしに来た?襲撃した第二王子が今度は弟子として現れる
    1. 以前はビクトリアへ敵意を向けたセドリックが、今度は自分から頭を下げる
    2. 体術を教えることは、クロエ時代の「人を倒す技術」を誰かへ渡すことでもある
  4. 第4章 ビクトリアはどれくらい強い?セドリックが体術を習いたがるほどの元工作員時代
    1. ビクトリアの強さは体術だけではなく、状況に応じて手札を切り替えられるところにある
    2. ノンナと暮らすようになってから、強さは「勝つ力」より「守る力」へ変わってきた
  5. 第5章 ジェフリーはなぜ駆けつけた?助けたい彼と頼りたくないビクトリア
    1. セドリックが来たと知ったジェフリーは、ビクトリアを一人で抱え込ませたくない
    2. ビクトリアがジェフリーを拒むのは、嫌っているからではなく「守られる側」になれていないから
  6. 第6章 ノンナとの暮らしはビクトリアをどこまで変えた?
    1. 第1話では「一晩だけ」のはずだった少女が、今では人生を決める中心にいる
    2. ノンナを守ることはできても、自分自身の幸せを選ぶところまではまだ届いていない
  7. 第7章 「この子の幸せを考えてやらないと」がビクトリア自身の幸せにもつながっていく
    1. クロエは一人で生き残るために手札を増やし、ビクトリアは誰かと生きるために使い始めた
    2. ノンナの幸せを考えられるようになった今、残っているのは自分も誰かに支えられるかどうか

第1章 結論|第6話はビクトリアの「手札」が自分のためからノンナのためへ変わる回

元工作員の能力が、逃げるためではなく暮らしを守る力になっていく

第6話「この子の幸せを考えてやらないと」で大きいのは、ビクトリアが持つ数多くの能力の使い道が変わっていること。
かつてクロエとして生きていた頃、その手札は任務を成功させ、自分が生き残るために磨かれたものだった。
変装、体術、乗馬、潜入、情報収集。
相手より一つ多く選択肢を持つことが、そのまま生存率につながっていた。

ところがビクトリアとして暮らし始めてから、その能力は少しずつ違う方向へ使われている。

第1話でノンナと出会った時もそうだった。

母親に置き去りにされ、一人になった少女を見つける。
本来なら警備隊へ引き渡し、そこで関係を終えてもよかった。
それでもビクトリアは、ノンナを完全には放っておけなかった。

最初は一晩だけ。

それが食事を用意する時間になり、同じ家で眠る生活になり、やがてノンナの将来まで考える関係へ変わっていく。

第6話の題名にある「この子の幸せを考えてやらないと」という言葉は、その変化をかなり強く表している。

以前のクロエなら、
まず自分がどう生き延びるかを考えた。

追手が来れば逃げる。

怪しまれれば別人を演じる。

危険な相手なら先に制圧する。

ところが現在のビクトリアは、
自分一人が無事なら終わりではない。

ノンナが安全に暮らせるか。

これから何を学ぶか。

どんな大人と関わるか。

どんな未来を持てるか。

そこまで視野へ入っている。

だから第6話でマイルズから馬を手配してもらう流れも、単なる「ビクトリアは乗馬もできる」という能力紹介だけでは終わらない。

馬がいれば移動できる。

必要ならノンナを連れて遠くへ行ける。

買い物や用事にも使える。

非常時には、すぐ町を離れる手段にもなる。

元工作員として染みついた危機管理が、今では二人の暮らしを守るための備えへ変わっている。

そして第二王子セドリックが再び現れる。

以前は素性を隠した状態でビクトリアへ接近し、結果として彼女の強さを直接知ることになった人物。
そのセドリックが今度は正面から謝罪し、体術を教えてほしいと頼んでくる。

普通なら王族からの依頼だけでも厄介な話になる。

まして相手は、過去に自分へ危害を加えた人物。

それでもビクトリアは、感情だけで即座に切り捨てる人物ではない。

相手を見る。

何を求めているのかを見る。

自分がどこまで関わるべきかを考える。

この判断力もまた、クロエ時代から持っていた「手札」の一つになる。

ただし第6話では、その手札が誰かを欺くためではなく、人と付き合うために使われ始めている。

ここが大きい。

ノンナの幸せを考えるほど、ビクトリア自身の人生も変わり始める

ノンナと暮らし始めたことで、ビクトリアの生活には以前なかったものが増えた。

朝起きる。

食事をする。

家へ帰る。

誰かが待っている。

自分の判断が、自分一人ではなく別の人間の生活へ影響する。

元工作員クロエの人生では、むしろ避けてきたものに近い。

誰かと深くつながれば、その人物が弱点になる。

自分の正体を知られれば危険になる。

いつ次の任務が来るか分からない。

一つの町で長く暮らすことさえ難しい。

だからクロエは、多くの手札を持ちながらも、他人へ頼らずに生きることを選び続けてきた。

その習慣が今も残っている。

第6話でジェフリーがビクトリアを助けようとしても、彼女は簡単にはその手を取らない。

ジェフリーは第1話から、ビクトリアとノンナに関わってきた人物になる。

ノンナを預かる時にも力を貸した。

ビクトリアがこの町で暮らすためにも支えになった。

危険な出来事があれば気に掛ける。

それでもビクトリアは、
「自分の問題は自分で片づける」
という姿勢を崩し切れない。

ここに、ノンナとの違いが出てくる。

ノンナのためなら動ける。

ノンナの将来なら真剣に考えられる。

ノンナを守るためなら、自分の能力をいくらでも使える。

しかし自分自身が誰かに守られることには、まだ慣れていない。

だから第6話は、
ビクトリアが完全に普通の生活へ馴染んだ回ではない。

むしろ、
「誰かを大切にすることは覚えたが、誰かに頼ることはまだ苦手」
という現在地が見える回になる。

第4話でビクトリアは、ノンナとの関係をもう一段進めている。

危険な相手と関わってしまう自分について話す。

隠し続けるのではなく、これからは話し合って暮らしていこうとする。

工作員だった頃なら、情報は隠すものだった。

今はノンナとの間では、少しずつ共有するものへ変わっている。

この積み重ねが第6話の題名へつながる。

「この子の幸せを考えてやらないと」

それはノンナへ向けた言葉であると同時に、ビクトリア自身が初めて「未来」を考え始めた言葉でもある。

逃げ切るだけではない。

次の任務を生き残るだけでもない。

明日も同じ家へ帰る。

ノンナと暮らす。

誰かと関係を続ける。

ビクトリアが選び始めているのは、そういう人生になる。

第2章 マイルズは何者?馬との出会いにビクトリアの元工作員らしさが残る

近所の退役軍人マイルズとの出会いから、ビクトリアは馬を一頭手配してもらう

第6話では、近所に暮らす初老の男性マイルズが新たに関わってくる。

彼は退役軍人。

ビクトリアとは年齢も立場も違うが、軍務を経験した人物だからこそ、普通の町人とは違う空気を持っている。

そのマイルズとのつながりから、ビクトリアは馬を一頭手配してもらうことになる。

ここで面白いのは、ビクトリアが馬を特別扱いしないところ。

元工作員だったクロエにとって、乗馬は珍しい趣味ではない。

任務で必要なら乗る。

長距離を移動する。

追跡する。

逃げる。

現代の生活でいう自動車のように、移動手段そのものが一つの技術になる。

だから馬を前にした時も、
「乗れるかどうか」
が大きな問題にはならない。

むしろ、
どんな馬なのか。

扱いやすいのか。

長距離へ向いているのか。

自分たちの暮らしに使えるのか。

そういう実用的な目線が先に立つ。

ここにクロエ時代の名残がある。

普通の生活を選んだ後も、
身体に染みついた技術までは消えない。

町の女性として暮らしていても、
必要になればすぐ使える。

それがビクトリアの強さになる。

しかも馬は、今の彼女にとって戦闘や逃亡だけの道具ではない。

ノンナと暮らす生活にも使える。

少し遠い場所へ出掛ける。

荷物を運ぶ。

町から町へ移動する。

暮らしそのものを広げることができる。

同じ乗馬技術でも、
クロエ時代とビクトリア時代では役割が変わっている。

以前は任務へ向かうため。

今は生活を豊かにするため。

ここにも第6話の変化がある。

そしてマイルズが退役軍人であることも、ビクトリアとは相性がいい。

軍務を経験した人間なら、
相手の立ち方や身体の使い方から何かを感じ取ることもある。

ビクトリアは表向き普通に暮らしていても、動きには長年の訓練が残っている。

必要以上に周囲を見る。

危険があればすぐ反応する。

道具の扱いにも迷いがない。

そうした部分が、完全には隠し切れない。

だからマイルズとの出会いは、単なる近所付き合い以上に見えてくる。

平穏に暮らしていても、非常時へ備える感覚だけはクロエ時代から消えていない

ビクトリアが馬を持つことには、もう一つ彼女らしい部分がある。

それは「いつでも動ける」ということ。

彼女は組織を抜けている。

クロエという名前を捨て、ビクトリアとして暮らしている。

しかし過去そのものが完全に消えたわけではない。

いつ誰かが追ってくるか分からない。

どこで正体へ近づかれるか分からない。

第5話でも、ビクトリアはカールを助けるため再び危険な場所へ踏み込んだ。

恋人を装う。

牢へ近づく。

相手を欺く。

脱出の道を作る。

平穏な生活へ移った後でも、必要になれば元工作員としての能力が一瞬で戻ってくる。

だから馬を一頭持つことは、生活の便利さだけではない。

何かあれば動ける。

ノンナを連れて離れられる。

別の町へ移ることもできる。

ビクトリアの中では、
「何も起きないことを願う」
だけで終わらない。

何か起きた時の手段まで用意しておく。

これがクロエ時代から続く生き方になる。

ただし昔との違いもある。

クロエなら、自分一人が逃げ切れる準備でよかった。

今は違う。

ノンナがいる。

一人分の食料だけでは足りない。

一人だけ走れればいいわけでもない。

自分の判断で、ノンナの人生まで動いてしまう。

だから準備にも「誰かと一緒に生きる」という要素が入ってくる。

ここがビクトリアの変化になる。

手札そのものは昔と同じ。

乗馬ができる。

危険を察知できる。

移動経路を考えられる。

しかし、それを使う相手が変わった。

自分だけではない。

ノンナを含めた生活のために使っている。

だから第6話のマイルズと馬の場面は、派手な事件ではなくても重要になる。

ビクトリアが本当に普通の暮らしへ近づいていること。

それでも元工作員としての警戒心は消えていないこと。

そして、その警戒心まで今ではノンナを守る方向へ向いていること。

この三つが同時に見える。

何でもできるから強いのではない。

持っている能力を、
誰のために使うのかが変わってきた。

それが第6話時点のビクトリアになる。

第3章 セドリックは何をしに来た?襲撃した第二王子が今度は弟子として現れる

以前はビクトリアへ敵意を向けたセドリックが、今度は自分から頭を下げる

第6話で大きく関係が変わる人物が、第二王子セドリックになる。
以前の彼は、ビクトリアにとって警戒すべき相手だった。
王族という立場を持ちながら素性を隠し、彼女の前へ現れ、結果として直接ぶつかることになる。
そこでセドリックは、ビクトリアがただの町娘ではないことを身体で知った。

ビクトリアは元工作員クロエ。

相手の動きを読む。

間合いを測る。

力任せではなく、最短の動きで相手を崩す。

長年の訓練で身についた体術は、普通の護身術とはまったく違う。

セドリックにとっては、自分が王子であることも、周囲から守られていることも関係ない。
目の前で、自分より遥かに実戦経験のある女性に制圧された。
しかもビクトリアは、自分の強さを誇示するために戦っているわけではない。
必要だから動き、必要なところで止める。

その差が強烈に残った。

だから第6話で再び現れたセドリックは、以前と同じ態度ではない。

まず過去の行動を謝る。

そして今度は、ビクトリアへ体術を教えてほしいと頼む。

襲った相手が、その強さを認めて弟子入りを求める。

立場が完全に逆転している。

しかも相手は第二王子。

普通なら王族が一般人へ頭を下げること自体が珍しい。
それでもセドリックは、ビクトリアの技術には自分が学ぶ価値があると認めている。

ここで見えるのは、ビクトリアの体術が単に「喧嘩が強い」という程度ではないこと。

王族として護衛や兵士を見てきたセドリックですら、彼女の動きを特別だと感じた。

ビクトリアの身体には、クロエとして生きてきた年月がそのまま残っている。

彼女が過去を隠して普通に暮らそうとしても、
戦いになれば一瞬でそれが表へ出る。

セドリックは、その隠された部分を直接見た人物の一人になる。

体術を教えることは、クロエ時代の「人を倒す技術」を誰かへ渡すことでもある

ビクトリアがセドリックへ体術を教える展開には、少し複雑な部分もある。

クロエ時代に身につけた技術は、競技のためのものではない。

任務を成功させるため。

敵を無力化するため。

捕まらないため。

必要なら危険な場所から脱出するため。

実戦の中で磨かれてきたものになる。

第5話でカールを助けようとした時にも、その「手札」は一気に戻っていた。

恋人を装う。

相手に警戒させない。

牢獄の状況を見る。

必要な準備を進める。

正面から力で突破するのではなく、複数の方法を重ねて目的へ近づく。

体術もその一つにすぎない。

だからセドリックが「体術を教えてほしい」と頼むことは、ビクトリアの過去の一部へ触れることでもある。

普通の町娘として生きたい彼女にとって、
元工作員の技術を見せること自体、本来なら避けたい。

目立てば疑われる。

詳しすぎれば素性を探られる。

王族と深く関われば、さらに危険が増える。

それでも完全に拒絶するだけではないところに、現在のビクトリアが出る。

以前のクロエなら、相手との関係を切ることも一つの選択だった。

任務が終われば離れる。

危険なら消える。

名前も立場も変えられる。

今のビクトリアは違う。

ノンナと暮らしている。

ジェフリーと関わっている。

近所にはマイルズもいる。

そしてセドリックとも、一度ぶつかったからといって永遠に敵対するとは限らない。

人と関係を続けることで、以前なら存在しなかった選択肢が増えている。

ここにも「手札が多め」という言葉が違った形で重なる。

クロエ時代の手札は、危険から逃れるためのものだった。

ビクトリアになってからは、
人との距離をどう作るかという手札まで増え始めている。

セドリックとの関係も、
敵か味方かの二択ではない。

過去に襲ってきた相手。

謝罪してきた王子。

自分の技術を学びたがる若者。

複数の顔を持つ相手として付き合うことになる。

第6話での再会は、セドリックだけでなく、ビクトリア自身が「過去の技術をこれからどう使うのか」を見せる場面にもなっている。

第4章 ビクトリアはどれくらい強い?セドリックが体術を習いたがるほどの元工作員時代

ビクトリアの強さは体術だけではなく、状況に応じて手札を切り替えられるところにある

ビクトリアの強さを考える時、腕力だけを見ると本質から少し離れる。

彼女が恐ろしいのは、
殴れることでも、
投げられることでもない。

その場に応じて、最も必要な手段をすぐ選べること。

これこそ元工作員クロエの強さになる。

相手が警戒していれば、正面から行かない。

身分が必要なら別人を演じる。

情報が足りなければ聞き出す。

戦闘になれば体術へ切り替える。

逃げる必要があれば、最初から退路まで見る。

一つの能力だけに頼らない。

だから作品名通り「手札が多め」になる。

第1話から、ビクトリアはこの性質を何度も見せてきた。

組織を抜けた後、
クロエという名前を捨てる。

新しい土地へ移る。

ビクトリアとして暮らす。

そこでノンナと出会う。

普通の生活を始めたように見えても、危険を察知する感覚だけは失っていない。

相手の視線を見る。

話し方を見る。

距離を見る。

危険が近づけばすぐ動く。

ノンナと暮らすようになっても、工作員時代に身についた習慣は身体に残っている。

第5話では、その能力がさらに分かりやすく戻った。

カールが危険な立場へ追い込まれる。

普通なら権力へ訴えるか、諦めるしかない。

だがビクトリアは一つの方法だけで動かない。

状況を調べる。

自分の姿や立場を利用する。

恋人を装って接近する。

相手の警戒をかわす。

脱出できる道を作る。

「強いから助けられる」のではない。

選択肢が多いから助けられる。

ここがセドリックとの違いにもなる。

セドリックが体術だけを見てビクトリアへ憧れても、
彼女の本当の強さはそのさらに外側にある。

戦うべき時。

戦わない方がいい時。

逃げる時。

騙す時。

人を頼る時。

何を選ぶか判断できる。

だから体術を一つ学んだだけでは、簡単にビクトリアと同じにはなれない。

ノンナと暮らすようになってから、強さは「勝つ力」より「守る力」へ変わってきた

クロエとして働いていた頃、強さは任務を完遂するために必要だった。

敵へ近づく。

情報を奪う。

正体を隠す。

必要なら相手を倒す。

そして自分は生きて帰る。

非常に合理的な強さになる。

そこに家庭は必要ない。

守る相手を増やせば、むしろ危険が増える。

ところがノンナと出会ってから、その計算が崩れる。

ビクトリアは、ノンナを放っておけなかった。

最初は一時的に預かっただけだった。

それでも一緒に食事をする。

話をする。

眠る場所を用意する。

少しずつ生活が重なる。

すると、今まで自分だけへ向けていた能力がノンナへ向き始める。

危険な人間が近づけば警戒する。

生活できる環境を作る。

将来まで考える。

馬を持つこともそう。

移動手段が増える。

非常時には離れられる。

普段なら生活の幅も広がる。

第6話のビクトリアは、自分がどれだけ強いかを証明しようとしていない。

それよりも、
この能力を使ってノンナとどう暮らしていくかを考えている。

だからセドリックから体術を求められる場面も面白くなる。

セドリックから見れば、
ビクトリアの強さは「自分も欲しい技術」。

しかしビクトリアから見れば、
その強さはすでに人生の中心ではない。

昔は生き残るために必要だった。

今はノンナとの暮らしを守るために残っている。

同じ技術なのに、価値が変わっている。

ここが現在のビクトリアをよく表している。

敵を倒せるから強いのではない。

何でも一人でできるから強いのでもない。

必要な時に、
持っている手札を、
大切な相手のために使える。

第6話ではセドリックが彼女の体術へ目を向ける一方で、視聴者にはその奥にある変化まで見えてくる。

クロエ時代に身につけた力は消えていない。

しかし、その力を使う人生はもう同じではない。

ビクトリアの強さは、
「生き残るための技術」から、
「誰かと生き続けるための技術」へ少しずつ変わっている。

第5章 ジェフリーはなぜ駆けつけた?助けたい彼と頼りたくないビクトリア

セドリックが来たと知ったジェフリーは、ビクトリアを一人で抱え込ませたくない

第6話でセドリックが再びビクトリアの前へ現れると、ジェフリーもすぐに動く。
以前にビクトリアへ危害を加えた相手が、今度は体術を教えてほしいと訪ねてきた。
たとえ謝罪していたとしても、ジェフリーからすれば簡単に安心できる相手ではない。
しかもセドリックは第二王子という、普通なら距離を取ることすら難しい人物になる。

だからジェフリーは、ビクトリアが一人で対処しようとしていることを気に掛ける。

これは第1話から続く彼の姿でもある。

ノンナを預かることになった時。

ビクトリアが新しい生活を始めようとした時。

身元や生活基盤が必要になった時。

ジェフリーは、強引に人生へ入り込むのではなく、必要なところで手を差し出してきた。

ビクトリア自身も、その助けに救われている。

クロエとして組織を抜けた直後は、名前も立場も新しく作らなければならなかった。
ノンナまで一緒に暮らすとなれば、自分一人だけなら無視できた問題も増える。
住む場所。
周囲からの信用。
子供を育てていくための環境。
その一つ一つで、ジェフリーの存在は小さくない。

それでもビクトリアは、危険が近づくと昔の生き方へ戻ってしまう。

自分で見る。

自分で判断する。

自分で片づける。

誰かを巻き込む前に、自分だけで終わらせようとする。

セドリックへの対応でも同じ。

相手が第二王子だろうと、
過去に自分を襲った人物だろうと、
ビクトリアには対処するだけの能力がある。

だからこそ「助けてもらう必要はない」と考えてしまう。

この感覚は、弱いからではなく、強すぎるから残っている。

何でも自分でできる。

逃げられる。

戦える。

別人にもなれる。

危険を察知できる。

それを何年も続けてきた人間にとって、「誰かを頼る」という選択肢は簡単には身につかない。

ジェフリーはそこへ手を伸ばす。

ビクトリアを信用していないからではない。

むしろ一人で何でもできると知っている。

それでも、
一人でやらなくていいことまで一人で抱える必要はない。

ジェフリーの行動には、その距離感がある。

ビクトリアがジェフリーを拒むのは、嫌っているからではなく「守られる側」になれていないから

ビクトリアがジェフリーの申し出を断る場面は、二人の距離が遠いようにも見える。

だが第1話から追うと、むしろ逆に近づいている。

他人へ本当の自分を見せない。

必要以上に関わらない。

危険があれば離れる。

それがクロエ時代の基本だった。

そんなビクトリアが、今ではジェフリーと何度も会う。

ノンナとの暮らしを見せる。

困った時には彼の存在を思い出す。

完全に無関係な人物なら、ここまで生活へ入ってこない。

それでも最後の一線だけは残っている。

「自分の危険は自分で処理する」

この感覚。

ビクトリアはノンナなら守れる。

カールが危険なら助けに行ける。

セドリックへ体術を教えることも考えられる。

しかし、自分が誰かに守られる側へ回ることには抵抗がある。

そこがジェフリーとの関係で何度も見えてくる。

工作員として長く生きれば、頼った相手が弱点になる。

秘密を共有すれば、その人物まで狙われる。

任務で失敗すれば、自分だけでなく仲間も巻き込む。

だからクロエにとって「一人でできる」は長所であると同時に、生きるための習慣だった。

今は環境が違う。

ノンナがいる。

ジェフリーがいる。

マイルズのような近所の人間も増えている。

それでも身体と心だけは、まだ昔の生活から完全には抜けていない。

第6話でジェフリーを拒む姿は、その名残になる。

ジェフリーからすれば、助けたい。

ビクトリアからすれば、助けを借りるほどではない。

この小さな食い違いが、二人の現在の距離をよく表している。

ビクトリアは誰かを大切にすることは覚え始めた。

しかし、
誰かから大切にされることには、まだ慣れていない。

そこがノンナとの暮らしだけでは埋まらない、もう一つの変化になる。

第6章 ノンナとの暮らしはビクトリアをどこまで変えた?

第1話では「一晩だけ」のはずだった少女が、今では人生を決める中心にいる

ビクトリアとノンナの関係は、最初から家族だったわけではない。

第1話で出会った時、ノンナは母親に置き去りにされていた。

一人でいる少女を見つけたビクトリアは、警備隊へ連れて行く。

そこで終わるはずだった。

少なくとも、クロエとして生きてきた彼女なら、それが最も安全な選択だった。

他人の事情へ深く入らない。

自分の正体を知られる相手を増やさない。

まして子供を抱えれば、移動も逃亡も難しくなる。

それでもビクトリアはノンナを放っておけない。

一晩だけ預かる。

食事を用意する。

同じ家で過ごす。

すると翌日には、昨日まで他人だった少女が少し近い存在になっている。

その積み重ねが続く。

ノンナの表情を見る。

何を欲しがっているのか考える。

生活に必要なものを揃える。

危険な相手から遠ざける。

少しずつ、「預かっている子供」ではなくなる。

第4話では、その関係がさらに進む。

ビクトリアは、自分が危険な人物や出来事と関わってしまうことをノンナへ隠し続けるのではなく、これからは話し合って暮らそうとする。

ここはクロエ時代から考えるとかなり大きい。

工作員にとって情報は隠すもの。

必要なことしか話さない。

相手に知られれば不利になる。

ところがノンナには、少しずつ言葉で伝えるようになる。

危険から守るために遠ざけるだけではなく、
一緒に暮らす人間として向き合う。

第6話の「この子の幸せを考えてやらないと」という言葉は、その積み重ねの先にある。

今のビクトリアは、
ノンナが今日無事ならそれでいいとは考えていない。

これからどう育つのか。

どんな暮らしをするのか。

どんな未来を持つのか。

そこまで考える。

ノンナの存在によって、ビクトリアは初めて「自分より先の未来」を見るようになっている。

ノンナを守ることはできても、自分自身の幸せを選ぶところまではまだ届いていない

ビクトリアはノンナのためなら、かなり自然に動ける。

危険を察知すれば守る。

必要なものを用意する。

住む場所を整える。

移動手段も考える。

持っている知識や技術を惜しまない。

ここまで来ると、母親に近い立場になっている。

しかし、自分自身については同じように考えられていない。

ノンナには幸せになってほしい。

では自分はどうなのか。

ジェフリーに支えてもらう。

誰かと将来を作る。

自分も普通の暮らしを望んでいいと考える。

そこにはまだ迷いがある。

これが第6話でジェフリーを拒む姿へつながる。

ビクトリアは、ノンナのためなら誰かと関係を作れる。

生活も変えられる。

馬まで用意し、将来へ備えることもできる。

それなのに、自分が誰かへ頼る場面では一歩引いてしまう。

だからノンナとの暮らしは、ビクトリアを大きく変えた。

しかし全部を変えたわけではない。

クロエとして生きてきた警戒心。

一人で何とかする癖。

弱みを見せない習慣。

それはまだ残っている。

この残り方があるから、ビクトリアの変化が急すぎない。

第1話でノンナを拾った瞬間から、突然優しい母親になったわけではない。

失敗する。

迷う。

隠そうとする。

それでも少しずつ誰かと暮らす方法を覚える。

第4話では話すことを選んだ。

第6話ではノンナの将来を考える。

次に必要になるのは、
自分自身の幸せも同じように考えられるかどうか。

ノンナを守るだけではない。

ジェフリーを遠ざけるだけでもない。

自分も誰かと一緒に生きる側へ入れるのか。

ビクトリアに残っている一番大きな壁は、そこになる。

第6話ではノンナの幸せを考える姿が前へ出る。

しかしその姿を追うほど、
「ではビクトリア自身の幸せはどうなるのか」
というもう一つの問題も強く見えてくる。

ノンナとの暮らしは、元工作員クロエをただ優しくしたのではない。

一人で生き残る人生から、
誰かと未来を作る人生へ少しずつ向きを変えている。

その途中にいるのが、今のビクトリアになる。

第7章 「この子の幸せを考えてやらないと」がビクトリア自身の幸せにもつながっていく

クロエは一人で生き残るために手札を増やし、ビクトリアは誰かと生きるために使い始めた

『手札が多めのビクトリア』という題名にある「手札」は、ビクトリアの能力そのものでもある。
体術。
変装。
潜入。
乗馬。
情報収集。
相手の癖や視線を読む力。

クロエとして生きていた頃、その手札は自分が生き残るために必要だった。

敵へ正体を悟られない。

任務を成功させる。

危険な場所から脱出する。

追跡されたら逃げる。

必要なら相手を制圧する。

一つの方法が潰れても、別の方法を出せる。

だからクロエは強かった。

しかしビクトリアとして暮らし始めてから、同じ能力の向かう先が変わっている。

第1話では、母親に置き去りにされたノンナを放っておけなかった。

第4話では、危険なことまで隠し続けるのではなく、ノンナと話しながら暮らそうとする。

第5話ではカールを助けるため、再び元工作員としての能力を使う。

そして第6話では、馬を手に入れ、セドリックから体術を求められ、ノンナの将来まで考えるようになる。

能力そのものはクロエ時代から変わっていない。

変わったのは、
「何のために使うのか」。

以前なら自分の任務のため。

今は誰かの暮らしのため。

特にノンナの存在は大きい。

ビクトリアは、自分一人ならどこへでも行ける。

名前を変えることもできる。

危険になれば町を捨てることもできる。

だがノンナがいれば、それだけでは済まない。

子供には生活が必要になる。

安全な家。

食事。

学ぶ場所。

周囲の人間。

そして明日の予定。

クロエには必要なかったものを、ビクトリアは一つずつ考えるようになっている。

だから第6話の「この子の幸せを考えてやらないと」は重い。

ノンナを今日だけ守る話ではない。

この先の人生まで考え始めている。

それは同時に、
ビクトリア自身が「明日もここにいる人生」を選び始めたということでもある。

工作員クロエは、いつ消えてもいいように生きていた。

ビクトリアは、誰かと同じ場所で暮らし続けることを考えている。

この差は大きい。

ノンナの幸せを考えられるようになった今、残っているのは自分も誰かに支えられるかどうか

ただし、第6話のビクトリアはまだ完全に変わったわけではない。

ノンナのことなら考えられる。

守れる。

将来まで心配できる。

セドリックのような相手にも、状況を見ながら対応できる。

マイルズとも新しい関係を作れる。

それでもジェフリーが自分を助けようとすると、簡単には受け入れない。

ここにクロエ時代の癖が一番強く残っている。

「誰かを守ること」と、
「誰かに守られること」は違う。

ビクトリアは前者には慣れている。

危険を察知する。

前へ出る。

問題を片づける。

相手を逃がす。

自分が傷ついてでも動く。

しかし後者には慣れていない。

誰かへ弱い部分を見せる。

困っていると認める。

助けてほしいと言う。

自分の問題を他人と分け合う。

これは元工作員として生きてきた彼女にとって、体術より難しいことかもしれない。

ジェフリーは、その壁のすぐ外側にいる人物になる。

第1話からビクトリアとノンナを気に掛けてきた。

生活を支える。

危険があれば動く。

無理に秘密を暴こうとはしない。

それでもビクトリアが困っていれば、放っておけない。

だから第6話でビクトリアがジェフリーを拒む場面は、恋愛の距離だけを示しているわけではない。

彼女がまだ「自分も幸せになっていい」と完全には思えていないことにつながる。

ノンナなら幸せにしたい。

だが自分はどうか。

誰かに支えてもらう。

誰かと同じ未来を見る。

危険な時に頼る。

そこまではまだ踏み切れない。

第6話タイトルの「この子の幸せを考えてやらないと」は、だから少し皮肉でもある。

ビクトリアはノンナの幸せを真剣に考える。

しかしノンナから見れば、
ビクトリア自身にも幸せでいてほしいはず。

一人で全部を抱え込む母親のような存在が、
いつも危険へ飛び込んでいけば、
ノンナも安心できない。

ビクトリアが本当にノンナの幸せを考えるなら、
いつかは自分自身の幸せも同じように考えなければならない。

ジェフリーを頼ること。

誰かと生活を分け合うこと。

クロエだった自分の過去を、少しずつ他人へ見せること。

それもノンナと暮らし続けるための新しい「手札」になっていく。

ビクトリアが持っている手札は多い。

だが第6話で見えてくるのは、
最も苦手な一枚がまだ残っていること。

それは、
「一人でやらない」
という選択になる。

クロエは一人で生き残るために強くなった。

ビクトリアはノンナと出会い、その強さを誰かのために使い始めた。

そして次に必要になるのは、
自分自身も誰かに支えてもらいながら生きること。

「この子の幸せを考えてやらないと」という言葉は、
ノンナだけへ向いているようで、
最後にはビクトリア自身へ返ってくる。

ノンナを幸せにしたいなら、
ビクトリアも消えずに生き続けなければならない。

逃げるための人生ではなく、
帰ってくる場所を持つ人生へ。

第6話は、元工作員クロエが「誰かを守れるビクトリア」になった先で、
今度は「誰かと一緒に幸せになれるビクトリア」へ進めるかどうかを見せ始める回になる。

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