『コードギアス 奪還のロゼ』では、ネオ・ブリタニア側だけでなく、七煌星団やアッシュの過去にも多くの死亡キャラがいる。特にアーノルドは一度死亡したように見えて復活し、アッシュはノーランドを倒した後にサクヤを生かすため自ら残るなど、単純な生死判定では追いにくい。
そこで第1話から最終回まで「誰が死んだのか」を追い、アッシュ、ノーランド、ニコル、皇重護、物部、東見らの最期と、最後まで生き残った人物を分けて確認する。
★第1章 結論|『奪還のロゼ』死亡キャラは誰?最終回までの生死を確認
| 人物 | 立場 | 最終的な生死 |
|---|---|---|
| グラン | アインベルク・黒のポーン | 第1話で死亡 |
| グリード | アインベルク・白のポーン | 第1話で死亡 |
| ヒース | 白のナイト | 敗北後に死亡 |
| カリス | ネオ・ブリタニア第100代皇帝 | 第3話で崩御 |
| 東見燦士郎 | 東の暁旅団団長 | ダモクレス攻略で特攻 |
| ディボック | 白のルーク | ダモクレス戦で死亡 |
| ニコル | アッシュの実弟 | 過去にノーランドが殺害 |
| 皇重護 | サクヤの父 | アッシュを逃がして死亡 |
| クリストフ | 黒のルーク | 第8話で死亡 |
| アーノルド | 黒のナイト | 第2話では生存→復活後に最終的に死亡 |
| 岩本時男 | 北狼軍 | 仲間を逃がすため死亡 |
| 物部勲 | 七煌星団 | 第11話で特攻・死亡 |
| スタンリー | 白のビショップ | 自ら開発したロキに殺される |
| ノーランド | 白のキング | 最終回でアッシュに倒される |
| アッシュ | ナナシの傭兵 | サクヤを生還させ、自分は残って死亡 |
死亡したのは敵側だけではない|アッシュの勝利までに多くの犠牲が出た
『コードギアス 奪還のロゼ』は、
第1話から主要人物の死を隠さない。
ネオ・ブリタニアのアインベルクだけでなく、
七煌星団やアッシュの過去にも犠牲者がいる。
しかも最後は主人公側にも大きな死が残る。
本編で死亡が確認できる人物を見ると、
グラン、グリード、ヒース、カリス、
ディボック、クリストフ、アーノルド、
スタンリー、ノーランドらが次々と退場する。
さらにニコル、皇重護、岩本、物部、東見、
そして最終回のアッシュまで死がつながっていく。
ただし、この作品で注意したいのは、
「爆発した=その場で死亡確定」ではないことだ。
最も分かりやすいのがアーノルド。
第2話のアバシリ強制収容所では、
アッシュに敗れ、機体の爆発へ飲み込まれる。
あの場面だけ見れば、
死亡したと受け取っても不思議ではない。
ところが第8話「銀兎」で、
アーノルドは改造された姿で再登場する。
クリストフの手で復活し、
ギアスキャンセラーまで与えられていた。
そのため死亡キャラを見るときは、
その場の見た目だけでは判定しにくい。
アーノルドは一度、
「死んだように見えた人物」であり、
本当の最期はもっと後になる。
アッシュとの因縁が再燃した末、
生身の一騎打ちで決着する。
逆に最終回のアッシュは、
ノーランドを倒したことで、
一度は勝者側へ立ったように見える。
しかし戦闘終了後まで安全ではない。
ノーランドが最後に残した自爆を察知し、
サクヤを生かす側へ動く。
だから『奪還のロゼ』の死亡キャラは、
「戦闘で負けた人物」だけではない。
作戦を成立させるために残った者、
仲間を逃がすために戻った者、
自分の命と引き換えに、
未来を渡した者もいる。
七煌星団側では、
物部勲の死がその代表になる。
物部は黒戸に次ぐ古参であり、
序盤から七煌星団を支える人物だった。
最後まで残る幹部に見えるが、
終盤ではロキとの戦いの中で、
命を使う側へ回っていく。
東見燦士郎も同じだ。
ダモクレスを止める場面では、
脱出して終わるのではなく、
残された役目を果たすため引き返す。
敵に一方的に殺されたというより、
作戦を成立させる側へ自分から戻る。
ここが敵側の退場と大きく違う。
グランやグリードは、
他者を虐げてきた支配側として倒される。
一方で東見や物部の死には、
後ろに残る仲間を生かす選択が入っている。
同じ死亡でも、
場面が残す感触は正反対だ。
アッシュの過去も外せない。
第7話「朧月」で、
「俺が皇重護を殺した」という告白の裏側が開く。
そこで出てくるニコルは、
アッシュが守ろうとした本当の弟だった。
ノーランドの支配下で、
アッシュはその弟まで失っている。
皇重護の死も、
サクヤとアッシュの関係を長く縛ってきた。
サクヤは父の仇として、
アッシュを見ていた。
その前提があったからこそ、
ロゼとして彼を利用しながら、
すべてが終われば殺す覚悟まで持っていた。
ところが過去を辿ると、
単純な「アッシュが父を殺した」
という話では終わらない。
ニコルを失った後のアッシュが、
皇重護と出会った経緯までつながる。
死者を一人ずつ追うことで、
現在の二人の関係まで見え方が変わる。
そして敵側では、
アインベルクの損耗が極端に大きい。
グランとグリードが第1話で消え、
ヒースも早い段階で退場する。
ディボック、クリストフ、
アーノルド、スタンリーへ続き、
最後はキングであるノーランドまで死亡する。
アインベルクは、
白黒のチェス駒を冠した精鋭騎士団だった。
戦略を担うヴァイスリッター。
実戦を担うシュヴァルツリッター。
それぞれに明確な役割があり、
ネオ・ブリタニアを支えていた。
しかし物語が進むほど、
その駒が一つずつ消えていく。
最初はポーン。
その後はナイト、ルーク、
ビショップへと犠牲が広がる。
最後にはキング自身まで、
戦場から消えることになる。
つまり死亡キャラを追うと、
ネオ・ブリタニアが崩れていく順番まで見える。
最初は地方を支配する者。
次に騎士団の駒。
その後は技術や作戦を担う中枢。
そして最後にノーランドへ届く。
単なる退場者名簿ではない。
誰がどの段階で消えたのかを見ると、
ホッカイドウ支配が壊れていく過程まで分かる。
一方で七煌星団側では、
勝利へ近づくほど犠牲も増えていく。
だから最終回の勝利は軽くない。
ノーランドを倒せば、
全員が笑って帰れる話ではなかった。
そこへ至るまでに死者が積み上がり、
最後にはアッシュまで帰還しない。
この重さが、
『奪還のロゼ』の死亡キャラを追う軸になる。
誰が死んだかだけではなく、
その死の直後に誰が動いたのか。
そこを見ると、
物語全体が一本につながっていく。
「死亡した?」と迷いやすい人物もいる|アーノルドとアッシュは判定の仕方が違う
死亡キャラの中で、
特に混同しやすいのがアーノルドだ。
第2話「氷壁」では、
アバシリ強制収容所へ向かった
ロゼとアッシュの前に立つ。
アッシュの過去を知る人物でもあり、
単なる守備側の騎士ではない。
Zi-アポロとの戦闘では、
アッシュの高い操縦技術に押し切られる。
アーノルドの機体は大きな損傷を受け、
最後は爆発へ包まれる。
この時点だけを見れば、
死亡したように見える。
しかし後に、
その認識がひっくり返る。
第8話で再登場したアーノルドは、
以前と同じ状態ではない。
公式設定でもアバシリ戦後に改造を受け、
復活した人物として示されている。
しかも復活は、
単なる驚かせ方では終わらない。
ギアスキャンセラーを持ったことで、
アッシュへかかっていた
サクヤの命令まで解除する。
「ロゼは自分の弟」という前提が崩れる。
忘れていた本当の弟ニコルも戻ってくる。
自分の記憶が作り替えられていた事実まで知る。
アーノルドの復活によって、
アッシュの人生そのものが揺さぶられる。
だからアーノルドを、
第2話の死亡者として数えるとズレる。
あそこは「死亡したように見えた場面」。
本当の死亡は、
後のアッシュとの決着になる。
アッシュは逆方向だ。
最終決戦では最後まで戦い、
ノーランドとファウルバウトへ立ち向かう。
一度は圧倒的な力に折れかけるが、
サクヤの言葉を受けて立ち上がる。
そして二人で、
ノーランドとの最後の戦いへ入る。
アッシュは敵へ敗れて死ぬのではない。
ノーランドを倒した後まで、
戦い抜いている。
だが最後には、
サクヤを帰すため自分が残る。
勝者になった直後に、
生還する道を手放す。
ここまで見て初めて、
アッシュの生死が確定する。
しかもそこには、
第1話から続いた兄弟設定まで重なる。
アッシュはロゼを、
本当の弟だと思っていた。
後にそれがギアスで作られた関係だと知る。
それでも最後には、
命令だから守るのではない。
自分自身の意志で、
サクヤを生かす側へ立つ。
偽りから始まった兄弟関係が、
最後には本人の選択へ変わっている。
だからアッシュの死亡は、
主人公側から犠牲者が出た、
というだけでは終わらない。
サクヤとの関係を締める最期でもあり、
物語全体の終着点に置かれている。
本編の死亡者を見るときは、
「画面から消えたか」だけでは足りない。
後で再登場したのか。
過去に別の真相があったのか。
最後まで帰ってきたのか。
そこまで追って初めて、
死亡と生存を分けられる。
『奪還のロゼ』では、
途中段階の印象と、
最終的な生死が一致しない人物がいる。
だからこそ、
最終回までを通した死亡キャラ確認が重要になる。
誰が本当に死んだのか。
誰は一度死んだように見えただけなのか。
そして誰が最後まで生き残ったのか。
この三つを分けると、
人物の最期がかなり見やすくなる。
★第2章 序盤から死亡者は多い|グラン・グリード・ヒース・カリスの最期
| 人物 | 人物データ | 最期 |
|---|---|---|
| グラン・カークウェイン | 黒のポーン/KMF操縦に長ける CV:小野友樹 |
第1話、アッシュとのKMF戦で敗北 |
| グリード・カークウェイン | 白のポーン/戦略担当・グランの兄 CV:野島裕史 |
サクヤのギアスに抗えず死亡 |
| ヒース・ロット | 白のナイト/若手騎士 CV:逢坂良太 |
作戦失敗後、ノーランドに見放される |
| カリス・アル・ブリタニア | ネオ・ブリタニア第100代皇帝 CV:市ノ瀬加那 |
第3話で突然体調を崩して崩御 |
第1話でカークウェイン兄弟が死亡|アッシュの戦闘とサクヤのギアスで決着する
『奪還のロゼ』が、
最初から容赦のない作品だと分かるのが第1話だ。
序盤で敵として立つのは、
アインベルクのカークウェイン兄弟。
兄グリードと弟グランである。
二人はネオ・ブリタニア側で、
日本人を支配する側にいる。
特にグランは、
非武装の日本人へ銃を向ける側として描かれ、
真正面から痛みを受けてきた人物ではない。
そこへ現れるのが、
「ナナシの傭兵」のアッシュとロゼ。
表向きはブリタニア人兄弟だが、
二人はネオ・ブリタニアの貴族や高官を狙い、
日本人を救う仕事を続けている。
グランの相手をするのはアッシュ。
Zi-アポロを駆り、
相手の武装まで利用しながら間合いを詰める。
グランは兵力と装備を持っていても、
アッシュとの実戦経験の差を埋められない。
この戦いで印象に残るのは、
アッシュがグランの戦い方そのものを見る点だ。
安全な場所から他人をいたぶってきた。
痛みを知らず、
経験を積む機会を自分から捨ててきた。
そんな相手へ、
アッシュは容赦しない。
Zi-アポロは、
真正面からグラン機を崩していく。
相手の武器を奪い、
周囲の戦力まで切り崩す。
グラン本人にも逃げ場がなくなり、
第1話のうちに死亡する。
弟グランが倒れた一方、
兄グリードはロゼと対峙する。
こちらはKMF同士の決着ではない。
グリードは自分の地位と、
背後にいるノーランドの名を盾にする。
しかしロゼは、
そこで本当の正体を見せる。
「ナナシの傭兵の弟」だけではない。
皇サクヤとして、
グリードへギアスを使う。
サクヤが突きつける条件は、
単純に死を命じるものではない。
これまで傷つけてきた日本人に対し、
その百倍を救うと誓えば生かす。
拒むなら死ぬ。
グリードには、
生きる側も残されていた。
だが彼は、
その条件を受け入れない。
自分が支配する側だという感覚を、
最後まで捨てられない。
結果としてギアスが発動する。
グリードの手は、
自分の意思とは別の方向へ動く。
そして自ら拳銃を使い、
命を絶つことになる。
ここでカークウェイン兄弟は、
全く違う方法で同じ第1話に退場する。
グランはアッシュの戦闘能力で倒される。
グリードはサクヤのギアスで死亡する。
つまり二人の死は、
主人公側が持つ二つの力を、
最初に見せる役割も持っていた。
アッシュはKMF戦。
サクヤはギアス。
戦い方がはっきり分かれている。
そしてもう一つ重要なのが、
グリードへ使われたギアスだ。
サクヤの命令は、
相手の意思を越えて行動を縛る。
拒否しようとしても、
身体が命令へ従ってしまう。
この力がどれほど危険なのか。
グリードの死によって、
第1話から視聴者へ突きつけられる。
しかも同じ頃、
アッシュ自身もサクヤのギアスを受けている。
アッシュはロゼを、
本当の弟だと信じている。
その関係自体が、
サクヤの命令から始まっている。
つまりグリードの最期は、
後にアッシュへ返ってくる伏線にもなっている。
第8話でギアスが解除されたとき、
アッシュは忘れていた過去を取り戻す。
ニコルという本当の弟。
ロゼは弟ではないという事実。
サクヤに記憶を縛られていた時間。
第1話では敵へ向けられた力が、
後になって主人公二人を割く。
この流れまで考えると、
グリードの死亡場面は、
単なる敵幹部の処刑ではない。
一方のグランも、
アッシュという人物を最初に見せる相手だった。
アッシュは普段、
ロゼの指示へ素直に従う兄として動く。
しかし戦闘へ入れば、
圧倒的な判断力と技量を見せる。
情けをかけて、
何度も逃がす戦いではない。
相手の戦い方まで見抜き、
最後には確実に倒す。
この容赦のなさが、
後のアーノルドやノーランド戦にもつながる。
だからカークウェイン兄弟は、
序盤で消える人物ながら役割が大きい。
アッシュが何者なのか。
ロゼが何者なのか。
ギアスがどれほど危険なのか。
その三つを、
二人の死亡によって一気に見せる。
『奪還のロゼ』の死亡キャラを追うなら、
最初のグランとグリードは、
後半につながる入口として外せない。
ヒースは敗北後に自決、カリスは突然崩御|ネオ・ブリタニア内部でも死が始まる
第1話でカークウェイン兄弟が消えても、
ネオ・ブリタニアの支配は続く。
第2話ではアバシリ強制収容所が舞台となり、
黒戸剣成らを救う戦いが始まる。
ここで立ちはだかるのが、
アーノルド・レンク。
アッシュとの過去を持つ強敵であり、
戦闘の末に爆発へ巻き込まれる。
ただし、
ここでは死亡確定ではない。
後の復活があるためだ。
序盤からすでに、
「死んだように見える人物」が混ざってくる。
そして第3話になると、
死の形がまた変わる。
七煌星団は黒戸の復帰で立て直し、
ロゼの作戦と合わせて、
攻め込んできたヒースの部隊を撃退する。
ヒースは、
アインベルクの白のナイト。
若くして選ばれた人物で、
黒のナイトであるアーノルドへ、
強い対抗心を抱いている。
つまり自分の実績を示し、
上へ行きたい人物だった。
ところが七煌星団を追い詰めるはずが、
逆に作戦へはめられてしまう。
部隊は大きな損害を受け、
標的にも逃げられる。
アインベルクの中で、
自分だけが失敗した形になる。
戦場で死ぬなら、
まだ騎士としての体裁は残ったかもしれない。
しかしヒースを待っていたのは、
帰還後のノーランドだった。
ノーランドは、
失敗した部下へ情をかけない。
ヒースは見限られ、
存在そのものを切り捨てられる。
戦闘の敗北より、
こちらの方が決定的だった。
自室へ戻ったヒースは、
感情を崩して追い詰められる。
そして最後は拳銃を使い、
自ら命を絶つ。
敵との戦闘ではなく、
味方側へ戻った後の死亡になる。
この最期を見ると、
アインベルクの恐ろしさは、
敵への残虐さだけではないと分かる。
内部にも逃げ場がない。
結果を出せなくなった瞬間、
選ばれた騎士であっても価値を失う。
グランは戦場で負けた。
グリードはギアスで死んだ。
ヒースは戦場から生還したのに、
組織へ戻った後で死ぬ。
序盤だけでも、
退場の形がすべて違う。
さらに同じ第3話では、
ネオ・ブリタニアの頂点にいた
第100代皇帝カリスにも異変が起きる。
カリスは幼い皇帝として、
ノーランドらアインベルクと共に、
旧ホッカイドウブロックを支配している。
表向きなら、
帝国の最高権力者に見える人物だ。
ところが第3話で、
カリスは突然体調を崩す。
そのまま崩御し、
ネオ・ブリタニアの皇位が動くことになる。
ここで注意したいのは、
アニメ本編の描写だけから、
誰がどの手段で死へ至らせたのかを、
細部まで断定しない方がいい点だ。
画面上で確実なのは、
カリスが急変して死亡したこと。
そしてその死を受け、
次の皇帝を巡る局面が始まることだ。
カリスの死は、
グランたちの戦死とは種類が違う。
前線の戦闘ではない。
皇帝という看板そのものが消える。
それでも帝国は止まらない。
ここに、
ネオ・ブリタニアの権力構造が見える。
公式設定でも、
カリスを皇帝として掲げ、
帝国を立ち上げた中心人物はノーランド。
アインベルクを束ねているのも彼だ。
つまりカリスが崩御しても、
ノーランドが残っている限り、
支配体制そのものは動き続ける。
むしろ空いた皇帝の座さえ、
次の策に利用できる。
第1話から第3話までを見るだけでも、
死亡者はかなり多い。
グラン。
グリード。
ヒース。
カリス。
その一方で、
第2話で死んだように見えた
アーノルドは生きている。
だから人数を数えるだけでは、
『奪還のロゼ』の生死は追いにくい。
そして序盤の死者には、
共通して次の展開を動かす働きがある。
カークウェイン兄弟が消えたことで、
ロゼとアッシュの戦いは次へ進む。
ヒースの最期は、
ノーランドの冷酷さを見せる。
カリスの崩御は、
皇帝を巡る次の局面へ直結する。
一人死んで終わりではない。
空いた位置へ別の人物が入り、
別の支配が始まる。
『奪還のロゼ』は、
この連鎖を第1話から始めている。
死亡キャラを追うと、
ストーリーそのものを逆向きに辿れる。
なぜサクラが、
ネオ・ブリタニアの中心へ置かれたのか。
なぜノーランドの権力が、
回を追うほど大きく見えてくるのか。
なぜアッシュとサクヤの戦いが、
個人的な奪還から世界規模へ広がったのか。
その入口にいるのが、
グラン、グリード、ヒース、カリスである。
序盤の退場者を軽く扱わず、
その死の後に誰が動いたのかまで見ると、
後半へ続く犠牲の流れがはっきりしてくる。
★第3章 ダモクレス戦で誰が死んだ?ディボックと東見が選んだ正反対の最期
| 比較 | 東見燦士郎 | ディボック・メルテ |
|---|---|---|
| 所属 | 東の暁旅団団長 | アインベルク・白のルーク |
| CV | 藤井隼 | 水中雅章 |
| 目的 | ダモクレスを止める | 功績を上げ、フレイヤを使用する |
| 最後の行動 | 爆弾を持って自ら要塞へ向かう | 最後まで大量破壊兵器を使う側に立つ |
| 死が残したもの | 仲間へ突破口を残した | 自分が使った力に飲み込まれる側へ |
東見燦士郎はなぜ特攻した?壊された爆弾を自分の命でダモクレスへ届けた
第5話「光芒 -Damocles-」では、
死亡キャラの描かれ方が一段重くなる。
ここまでの戦いは敵を倒す場面が中心だった。
しかしダモクレス攻略戦では、
味方側からも明確な戦死者が出る。
標的となるのは天空要塞ダモクレス。
内部には大量破壊兵器フレイヤがあり、
ディボック・メルテはそれを使って、
サッポロゲットーごと日本人を消そうとする。
七煌星団にとって失敗できない戦いだった。
黒戸は七煌星団だけで動かない。
北狼軍、東の暁旅団と連携し、
複数勢力による攻略作戦を組む。
前の話で対立していた集団が、
同じダモクレスへ向かう形になる。
東の暁旅団を率いるのが、
東見燦士郎である。
七煌星団へ吸収されることを嫌い、
最初は共闘にも素直ではなかった。
それでも敵が同じだと腹を決め、
ダモクレス攻略へ参加する。
作戦の狙いは単純ではない。
空に浮かぶダモクレスは、
強固な防御とフロートを備える。
正面から撃ち合うだけでは、
フレイヤ発射を止められない。
そこで内部へ爆弾を設置し、
フロートを破壊して高度を落とす。
同時に地上ではナラ・ヴォーンの部隊が、
レジスタンス側を押さえ込む。
七煌星団側は時間との勝負になる。
東見も爆弾を運び、
要塞へ食らいつこうとする。
だがディボックの攻撃を受け、
乗機と爆弾を失う。
この時点で普通なら撤退を選ぶ場面だった。
しかし東見は引かない。
戦える機体を失っても、
まだ爆弾そのものは残っている。
そこでVTOLへ乗り換え、
自分ごとダモクレスへ向かう。
「戦えないなら終わり」ではない。
自分にまだできる仕事がある。
その答えとして、
東見は残った爆弾へ向かい、
命ごとフロート破壊へ使う。
この場面が重いのは、
誰かに命令されて死んだのではない点だ。
東見は自分で戻っている。
逃げる道が完全に消えたからではなく、
作戦を成立させるために引き返した。
東見は登場時から、
七煌星団へ従う人物ではなかった。
自分の組織を守りたい。
他組織へ吸収されたくない。
その意地が強く出ていた。
だから最後の特攻も、
急に従順になったわけではない。
自分の旅団を背負ったまま、
自分で選んで戦場へ戻る。
独立心の強さが、
最期まで別の形で残っている。
結果としてダモクレスは、
フロートへ大きな損傷を受ける。
要塞は高度を維持しにくくなり、
七煌星団側に突破口が生まれる。
東見の死は、
単なる犠牲では終わらない。
ここは後の物部や岩本にもつながる。
『奪還のロゼ』では、
レジスタンス側の年長者たちが、
若い者を逃がすために残る場面が続く。
東見はその最初の大きな例になる。
第1話のグランやグリードは、
主人公側に倒される敵だった。
第3話のヒースは、
敗北後に組織から見捨てられた。
しかし東見は、
自分の側を勝たせるために死ぬ。
同じ死亡でも、
物語に残すものがまるで違う。
東見が消えた直後、
残った者たちは戦いを止められない。
むしろ彼が作った隙を使い、
フレイヤ阻止へ進まなければならない。
ここからダモクレス戦は、
誰かの犠牲を次の者が引き受ける戦いになる。
東見がフロートを壊す。
アッシュがフレイヤへ向かう。
ロゼたちが内部から崩す。
一人の活躍だけでは勝てない構造になっている。
だから東見の名前は、
死亡キャラ一覧の一行だけでは足りない。
ダモクレスが落ち始める前に、
誰が最初に自分の命を差し出したのか。
そこまで追っておきたい人物である。
ディボックはフレイヤで誰を殺した?最後に消えたのは自分自身だった
東見と対照的なのが、
白のルークであるディボック・メルテだ。
彼が狙ったのは、
レジスタンスだけではない。
サッポロゲットーの日本人ごと、
フレイヤで消し去ろうとする。
ここには戦闘上の勝利だけでなく、
支配する側の価値観が出ている。
敵味方を細かく分けるのではなく、
日本人の犠牲そのものを問題にしない。
その発想でダモクレスを動かす。
七煌星団側にとって、
最も恐ろしいのはフレイヤだった。
過去シリーズを知っていれば、
この兵器が都市規模の惨事を起こしたことも分かる。
だからニーナが用意した
新型フレイヤ・エリミネーターが鍵になる。
ダモクレスから発射された一発目へ、
アッシュは正面から対応する。
Zi-アポロを操り、
フレイヤ・エリミネーターを使って、
爆発が広がる前に相殺する。
これで危機が終わるわけではない。
ディボックには、
まだフレイヤが残っている。
しかも作戦そのものは、
東見たちの攻撃で崩れ始めていた。
フロートは損傷。
ダモクレスの防御も弱まる。
地上戦でも思うように進まない。
ナラから見ても、
すでに作戦続行は危険な段階へ入る。
ナラは撤退側へ動く。
しかしディボックは、
敗北を認めて戻ることができない。
ノーランドのもとへ、
失敗した状態で帰る未来を恐れる。
ここでヒースの最期と重なる。
ヒースも作戦に失敗し、
ノーランドから価値を失った。
結果として自ら命を絶った。
ディボックもまた、
ノーランドに見限られる恐怖から逃げられない。
ただしディボックは、
自室で終わる道を選ばない。
残ったフレイヤを抱え、
サッポロゲットーへ向かう。
自分が死ぬなら、
日本人も巻き込もうとする。
そこへロゼとアッシュが追いつく。
Zi-アルテミスとZi-アポロは、
エンゲージしてZi-オルテギアになる。
二人の力が一つになり、
最後のフレイヤへ対応する。
ディボックが抱えたフレイヤは、
そのまま街へ届かない。
新型フレイヤ・エリミネーターによる反応へ巻き込まれ、
ディボック自身が機体ごと消える。
大量虐殺に使うはずだった兵器が、
最後には本人だけを飲み込む。
ここが東見との決定的な差になる。
東見は仲間を生かすために、
自分だけが戻った。
ディボックは他人を道連れにするために、
自分からフレイヤを持ち出した。
二人とも戦場で死亡する。
だが最後に向いていた方向が逆だ。
東見は未来を残す。
ディボックは未来を奪おうとする。
同じ第5話で並べて描かれることで、
死に方そのものが人物像を完成させる。
さらに皮肉なのは、
ディボックが使おうとしたフレイヤで、
狙われた日本人が大量に消える結果にはならなかったことだ。
最後にフレイヤの犠牲となった中心は、
それを使おうとしたディボック自身だった。
しかもこれで、
ダモクレスの危機が完全に終わるわけでもない。
クリストフが現れ、
さらにフレイヤを使う。
要塞そのものが墜落の危機へ入り、
第6話まで戦いは続いていく。
つまりディボックの死も、
最終決着ではない。
ネオ・ブリタニアでは、
一人の幹部が死んでも次が出てくる。
その背後には常にノーランドがいる。
死亡キャラを追うと、
この構造が見えやすくなる。
グランが消える。
グリードが消える。
ヒースが消える。
ディボックまで消える。
それでもノーランドは動じない。
アインベルクの駒が減っても、
次の手を打つ。
部下の死さえ、
計画の中で処理していく。
第5話で死んだ東見とディボックは、
味方と敵を一人ずつ減らしただけではない。
「誰のために死ぬのか」と、
「他人をどう扱うのか」が、
最もはっきり対照になる二人なのである。
★第4章 アッシュの過去で死んだ人物|ルビィ・ニコル・皇重護の死が現在へつながる
| 人物 | アッシュとの関係 | 死後に残ったもの |
|---|---|---|
| ルビィ | ラベンダーホーム時代を知る少女 | 暗殺者になっても過去の感情が残っていることを示す |
| ニコル | 本当の弟 | 守るために強くなった相手。死亡後、アッシュがノーランドへ反抗する |
| 皇重護 | サクヤの父。収容後のアッシュを救った人物 | サクヤを守る約束をアッシュへ残す |
| 現在へのつながり | ニコルを守れなかったアッシュが、最後には重護から託されたサクヤを自分の意思で守る | |
ニコルはなぜ殺された?ルビィの死から始まった兄弟の破局
第7話「朧月 -Hazy Moon-」は、
アッシュを見る目が大きく変わる回だ。
それまでサクヤは、
アッシュを父・皇重護の仇だと信じていた。
本人も「俺が皇重護を殺した」と口にしている。
しかしサクヤが調べ直した過去は、
その言葉から想像したものと違う。
舞台になるのは、
アッシュが育った孤児院ラベンダーホーム。
そこで本当の弟ニコルの存在が明らかになる。
アッシュとニコルは、
最初から暗殺者だったわけではない。
ラベンダーホームで、
兄弟として暮らしていた。
アッシュには守りたい弟がいた。
そこへノーランドが現れる。
兄弟は引き取られ、
生活が一変する。
待っていたのは家族としての暮らしではなく、
訓練と暗殺任務だった。
アッシュは高い適性を見せる。
後のKMF操縦にもつながる身体能力。
戦場で相手を見切る判断力。
それらは才能だけでなく、
生き残るために磨かれたものだった。
一方のニコルには、
兄ほどの適性がない。
この差は兄弟にとって危険だった。
ノーランドのもとでは、
使えない者に居場所がない。
だからアッシュは、
ニコルの分まで働こうとする。
弟を切り捨てられないために、
自分が結果を出し続ける。
強くなりたいのではなく、
弟を生かすために強くならざるを得なかった。
その関係が壊れるのが、
ある暗殺任務である。
アッシュが任務へ向かう中、
ニコルも後を追う。
そこで兄弟は、
ラベンダーホーム時代の少女ルビィと再会する。
ここでアッシュは止まる。
昔を知る相手を前にして、
暗殺装置のようには動けない。
ノーランドの訓練で削られていても、
過去の感情までは消えていなかった。
しかしニコルは、
兄を助けようとして動く。
自分が役に立ちたい。
アッシュの負担を減らしたい。
その行動が、
最悪の形へ転ぶ。
ニコルはルビィを撃つ。
ラベンダーホームで知っていた少女を、
自分の手で死なせてしまう。
しかも発砲によって騒ぎが広がり、
暗殺任務そのものも失敗へ傾く。
この場面は、
ニコルを冷酷な人物として描いていない。
むしろ逆だ。
兄を守ろうとした行動が、
ルビィの死と任務失敗を同時に招く。
帰還後、
ニコルは責任を自分で背負おうとする。
アッシュの失敗ではない。
自分が勝手について行った。
自分が引き金を引いた。
兄を守るために、
自分が悪いと認める。
だがノーランドにとって、
それは兄弟愛の話ではない。
使えるか、使えないか。
命令に適合するか。
価値の判定はそこにしかない。
そしてニコルは、
アッシュの目の前で殺される。
守るために鍛え続けた弟を、
最後は守れなかった。
この瞬間にアッシュが抱えていた目的は崩れる。
アッシュはノーランドへ反抗する。
当然である。
自分を暗殺者にした人物。
弟まで奪った人物。
怒りを向ける相手は、
最初から目の前にいる。
しかし勝てない。
後のアッシュなら、
一流のKMFパイロットとして戦える。
だがこの時点では、
ノーランドへ届かない。
反抗した末に制圧され、
収容されることになる。
ここでニコルの死は、
過去回だけの悲劇では終わらない。
第8話でアーノルドが再登場し、
ギアスキャンセラーが使われると、
アッシュは失っていた本当の記憶を取り戻す。
ロゼは弟ではない。
本当の弟はニコルだった。
そしてニコルは、
ノーランドに殺された。
サクヤが書き換えた記憶の奥から、
最も痛い過去が戻ってくる。
だからサクヤの罪悪感も重くなる。
彼女はアッシュを利用するため、
自分を弟だと思わせていた。
しかし実際のアッシュには、
命をかけて守り、
目の前で失った弟がいた。
「弟になり代わった」という事実が、
第7話を見た後では全く違って見える。
サクヤは知らなかったとはいえ、
アッシュの最も深い傷へ、
ギアスで触れてしまっていた。
ニコルの死亡は、
アッシュの過去を説明するだけではない。
ロゼとアッシュという、
本編の中心関係を壊す爆弾にもなっている。
死者が現在の関係まで動かしている。
皇重護を殺したのはアッシュではない|「俺が殺した」に隠れていた約束
ニコルを失った後、
アッシュは生きる目的まで失う。
ノーランドへ逆らって敗れ、
収容された先で出会う人物が皇重護だった。
サクヤの父であり、
後にアッシュが「殺した」と語る人物である。
ここだけ聞けば、
二人は敵同士だったように見える。
サクヤが父の仇として、
アッシュを憎んだのも当然だった。
その前提で彼へギアスをかけ、
偽の弟ロゼとして自分を認識させる。
だが第7話の回想では、
重護とアッシュの関係は逆に近い。
重護はニコルを失って壊れたアッシュへ、
命令ではなく言葉を向ける。
ノーランドとは対照的な大人として現れる。
ノーランドのもとで、
アッシュの価値は能力だった。
暗殺に成功する。
命令を守る。
役に立つ。
それが存在を許される条件だった。
重護は違う。
アッシュが何をしたかだけで、
人間の価値を決めない。
収容された状況の中で会話を重ね、
心を閉ざした少年を、
少しずつ外へ向かせる。
ここで生まれる関係が、
後のアッシュを作る。
ノーランドによって、
「使われるための強さ」を与えられた。
重護との出会いによって、
「誰かを守るための強さ」へ向きが変わる。
やがて二人は、
収容された場所から逃げようとする。
しかし脱出は、
全員が安全に出られる形にはならない。
重護はアッシュを先へ進ませる側へ回る。
アッシュは当然、
重護も連れて行こうとする。
もう大切な人を失いたくない。
ニコルの時と同じことを、
繰り返したくない。
だが重護は、
自分が残ることを選ぶ。
そして娘サクヤのことを託す。
アッシュはサクヤを守ると約束する。
ここで二人の間に、
ギアスではない誓いが生まれる。
重護は追っ手を引き受け、
銃撃を受ける。
アッシュを逃がすために残り、
その場で命を落とす。
アッシュが重護へ刃を向けたわけではない。
それでもアッシュは後に、
「俺が皇重護を殺した」と語る。
この言葉は、
事実関係だけを見れば正確ではない。
だがアッシュの内面を見ると、
なぜそう背負ったのかが分かる。
自分を逃がすために、
重護が残った。
自分が生きた代わりに、
重護が死んだ。
ニコルを守れなかった時と同じように、
結果を自分へ引き寄せている。
アッシュは、
大切な人の死に対して、
「自分には関係がない」と切り離せない。
助けられなかった。
自分のために死なせた。
だから自分が殺したのと同じだと、
重く背負ってしまう。
これを知らないサクヤは、
父を直接殺害した犯人だと考えていた。
だからアッシュに近づき、
ギアスで記憶を書き換え、
自分を弟と思わせる。
しかし皮肉なのは、
そのギアスが最初から必要なかったことだ。
アッシュは重護との約束によって、
本来ならサクヤを守るつもりだった。
父の仇どころか、
父から娘を託された人物だった。
第7話でサクヤが受ける衝撃は、
ここにある。
自分が利用していた男は、
最初から自分の味方だった。
しかも彼の本当の弟が死んだことも知らず、
その弟の位置へ自分を上書きしていた。
ルビィが死ぬ。
ニコルが死ぬ。
皇重護が死ぬ。
三人の死亡は、
別々の過去話ではない。
ルビィの死から任務が崩れる。
ニコルの死でアッシュがノーランドへ反抗する。
その結果として収容され、
皇重護と出会う。
重護の死によって、
サクヤを守る約束が生まれる。
一つの死が、
次の出会いへ押し出している。
だから現在の「ロゼとアッシュ」は、
死者たちの上に成立していた関係でもある。
そして最終回を知った後に見ると、
皇重護との約束はさらに重くなる。
アッシュは最後まで、
サクヤを生かす側へ動く。
ノーランドを倒した後でさえ、
自分よりサクヤを帰す。
それはギアスに従った結末ではない。
ニコルを守れなかった兄が、
重護から託された娘だけは守り切る。
第7話の過去が、
最終回の選択まで一直線につながっている。
死亡キャラ一覧で、
ルビィ、ニコル、皇重護を載せるだけなら簡単だ。
しかし三人を続けて追うと、
アッシュという人物そのものが見えてくる。
誰を守れなかったのか。
誰から何を託されたのか。
そして最後に誰を守ったのか。
この流れまで辿って初めて、
アッシュの過去の死者が、
本編で果たした役割まで見えてくる。
★第5章 死んだと思ったアーノルドは生きていた|クリストフ・岩本・物部まで続く犠牲
| 人物 | プロフィール | 生死・代表エピソード |
|---|---|---|
| アーノルド・レンク | 黒のナイト/ノーランドに心酔 CV:斉藤壮馬 |
第2話爆発→生存。改造・ギアスキャンセラーを得て復活 |
| クリストフ・シザーマン | 黒のルーク/研究者の顔も持つ CV:吉野裕行 |
アーノルドを改造。第8話で死亡 |
| 岩本時男 | 北狼軍の人物 CV:青山穣 |
仲間を逃がす援護へ残り死亡 |
| 物部勲 | 七煌星団・黒戸に次ぐ古参 CV:小西克幸 |
第11話、ロキを引き付けるため特攻 |
| 物部の死後 | 残された「雪花」の剣をハルカが拾い、戦いを引き継ぐ | |
第8話でアーノルドが復活|クリストフの改造で「死亡したはず」が覆る
第2話のアバシリ強制収容所で、
アーノルド・レンクはアッシュに敗れている。
ヴァルプニルで正面から挑み、
最後は機体ごと爆発へ飲み込まれた。
あの場面だけなら死亡と見るのが自然だった。
ところが第8話「銀兎」で、
その前提が完全に覆る。
アッシュの前へ現れたアーノルドは、
白髪となり、以前より異様な姿へ変わっている。
乗機もローエングリンへ変更されていた。
生還しただけではない。
クリストフの生体改造を受け、
ギアスキャンセラーまで与えられている。
第2話で一度消えた人物が、
主人公二人の関係を壊す役目を持って戻ってくる。
この再登場が重要なのは、
単なる強敵復活ではないからだ。
アーノルドは戦闘中、
アッシュにかけられていたギアスを解除する。
その瞬間、アッシュの中で封じられていた記憶が戻る。
ロゼは本当の弟ではない。
自分にはニコルという弟がいた。
しかもニコルはノーランドに殺されている。
第7話で視聴者だけが知った過去を、
第8話でアッシュ本人まで取り戻す。
つまりアーノルドは、
生き返ったことで物語を一段進める。
第2話で死亡していたなら、
アッシュはサクヤのギアスを受けたまま、
偽りの兄弟関係を続けていた可能性が高い。
しかも復活後のアーノルドは、
以前よりアッシュへの執着を強めている。
勝敗そのものが目的になり、
ノーランドの計画よりも、
アッシュを倒すことへ意識が向いていく。
一方でサクヤは、
クリストフに捕らえられている。
クリストフの狙いは、
ギアスという力を調べること。
そのため目の前でイレヴンを使い、
サクヤへギアス使用を迫っていく。
第8話では、
レジスタンスの拠点も知られてしまう。
七煌星団はキャサリンらの襲撃を受け、
ハルカが白のクイーンと激突する。
アッシュ側もアーノルドに足止めされる。
その間にサクヤは、
自分がアッシュへ何をしたのかを突きつけられる。
弟を失った人物へ、
自分を弟と思い込ませた。
本人は事情を知らなかったとはいえ、
結果だけ見れば最も触れてはいけない傷を使っていた。
アーノルドによる解除の後、
アッシュは研究施設へ向かう。
クリストフとKMF戦になり、
サクヤのいる場所へ到達する。
ここでアッシュは、
ギアス解除後もサクヤを完全には見捨てない。
ただし以前と同じ兄ではない。
命令で守るのではなく、
皇重護との約束をどう扱うか。
その判断を自分の意志で選ぶ立場へ戻る。
クリストフも、
この第8話で最期を迎える。
アッシュとの戦いに敗れた後も、
サクヤを利用しようとする。
ギアスをかけられる寸前まで追い込まれるが、
操られて生きる道を選ばない。
サクヤの命令が完成する前に、
クリストフは自ら拳銃を使う。
そのまま死亡し、
白のルークはここで退場する。
ヒースとは状況が違うが、
自分の手で死を選んだ点では重なる。
ただしクリストフの場合、
ノーランドに見捨てられて絶望したのではない。
最後まで自分の意思を奪われることを拒む。
敵として残酷な尋問を行った人物だが、
最期まで自分の価値観を曲げなかった。
この第8話では、
「死んだと思った人物」が戻り、
逆に「まだ残ると思った人物」が死ぬ。
アーノルドは復活。
クリストフは死亡。
死亡キャラ一覧を、
途中の印象だけで作れないことが分かる。
一話の中で、
生存と死亡の判定が大きく入れ替わる。
ここが第8話の特徴でもある。
さらに七煌星団の撤退では、
北狼軍の岩本時男らが犠牲になる。
アインベルクの増援が迫る中、
残った者を逃がすため援護へ回る。
七煌星団は全滅を免れるが、
その脱出は他勢力の犠牲によって成立した。
東見に続き、
岩本もまた若い側を逃がす役へ回る。
ここから終盤のレジスタンス側では、
誰かが残り、
次の人物へ戦いを渡す構図が濃くなっていく。
第11話で物部が死亡|岩本から受け取った命を次へ渡す特攻になる
終盤で最も重い死亡の一つが、
七煌星団の物部勲である。
物部は序盤から黒戸を支え、
黒戸が不在の時には団をまとめてきた。
前線だけでなく、
組織そのものを支える人物だった。
その物部が死亡するのは、
第11話「褐襲 -Devastating Force-」。
世界中へロキが放たれ、
ホッカイドウでも状況は崩壊寸前になる。
しかもノーランドは、
ファウルバウトを起動している。
ロキは一体だけなら、
対処できない相手ではない。
しかし問題は物量だった。
次々に現れ、
人間だけを狙って進み続ける。
倒しても次が来る。
同時にシトゥンペバリアが、
ホッカイドウ内部へまで展開される。
アッシュとサクヤは分断され、
ノーランドへ届く道も閉ざされる。
ここでサクヤは、
バリアを消すための作戦へ動く。
必要なのは前宮の電力復旧。
制御室へ到達しても、
電力が落とされているため動かせない。
七煌星団は発電設備を復旧させるため、
ロキが埋め尽くす場所へ突入する。
物部たちは爆弾を持って進む。
しかし数が多すぎる。
一体ずつ相手をしていれば、
電力復旧まで辿り着けない。
時間を使えば、
その間にも人が殺される。
ここで物部は、
誰かがやらなければならないと判断する。
長く相談しない。
誰かへ押し付けない。
爆弾を引き受け、
自分がロキの群れへ向かう。
この判断の速さには、
第8話の撤退戦までつながっている。
七煌星団は以前、
岩本たち北狼軍の犠牲で生き残った。
さらに遡れば、
東見もダモクレス戦で自分を残した。
自分たちは、
他人の死によって先へ進んできた。
物部だけが、
それを忘れているはずがない。
今度は自分が残る番になった。
爆発によって、
周囲のロキが一掃される。
その隙に仲間が先へ進み、
電力復旧が可能になる。
サクヤはシトゥンペバリアへ干渉し、
最後には壁を消すところまでつなげる。
つまり物部の死がなければ、
アッシュとサクヤは合流しにくい。
ノーランドのもとへ向かう道も、
開かなかった可能性がある。
終盤の勝利へ直接つながる犠牲だった。
さらに印象的なのが、
爆発後に残る物部の剣である。
ハルカの前へ、
雪花の剣が突き刺さる。
ハルカはそれを手に取り、
その後の戦いへ進む。
ここでは遺言を長く語らせない。
物部本人はもういない。
だが武器が残り、
若い戦士がそれを拾う。
視覚的に役割の継承を見せている。
ハルカは七煌星団のエースだが、
終盤では強さだけでは足りない。
周囲を見て、
次の行動を選び、
仲間を動かす側へ進む必要がある。
物部の死は、
その変化の直前に置かれている。
黒戸を支えてきた人物が消え、
若い世代が前へ出る。
死亡そのものが、
七煌星団の世代交代にもつながっている。
第5話の東見。
第8話の岩本。
第11話の物部。
三人は同じ組織ではない。
だが死に方には一本の線がある。
自分だけが生き延びるためではなく、
後ろにいる者を進ませるために残る。
その積み重ねが最後には、
アッシュとサクヤをノーランドへ届ける。
だから物部の死亡は、
突然の感動要員ではない。
前に死んだ者から受け取ったものを、
さらに次へ渡す位置にある。
レジスタンス側の犠牲が、
一本のリレーとして完成する場面なのである。
★第6章 最終決戦で死んだのは誰?スタンリー・ノーランド・アッシュの最期
| 人物 | 人物データ | 最期 |
|---|---|---|
| スタンリー | 白のビショップ/技術開発担当 CV:平川大輔 |
開発したロキ自身に狙われて死亡。直前に情報を外へ送る |
| ノーランド | 白のキング/アインベルク首領 CV:安元洋貴 |
ファウルバウトで戦い、アッシュの刃に貫かれる |
| アッシュ | ナナシの傭兵/Zi-アポロの操縦者 CV:古川慎 |
ノーランド撃破後、サクヤだけを生還させ自分は残る |
| 最終的な結果 | ロキ停止・ネオ・ブリタニア解体へ。勝利はするが、アッシュは帰還しない | |
スタンリーは自分が作ったロキに殺される|ノーランドには敵味方の区別すらなかった
終盤の大量殺戮を引き起こすのが、
自律型兵器ロキである。
第9話ではスタンリーとノーランドが、
巨大な機械を前に準備完了を確認する。
その後ロキは、
世界各地へ放たれる。
スタンリーにとってロキは、
ネオ・ブリタニアを守る兵器だった。
戦場へ人間を送り続けるのではなく、
自律兵器で防衛する。
少なくとも本人は、
その方向で開発を進めていた。
だから必要になるはずだったのが、
敵味方を識別する機能である。
ネオ・ブリタニアの人間を守り、
敵だけを攻撃する。
防衛兵器なら当然の発想だった。
しかしノーランドは、
その工程を必要としない。
ここで初めて、
スタンリーとノーランドの目的が違ったと分かる。
ノーランドが消したいのは、
敵軍だけではない。
ネオ・ブリタニアの外だけでもない。
自分に従う兵士でも、
帝国の市民でも関係ない。
人間そのものを駆除対象として見ている。
だから敵味方識別は、
邪魔ですらある。
ロキが完成した瞬間、
スタンリーの役割も終わる。
ノーランドから見れば、
開発者だから残すという発想もない。
必要な機械を完成させた。
ならもう用済みである。
そしてスタンリー自身も、
ロキの標的になる。
自分が開発した兵器が動き、
その最初期の犠牲者として本人を襲う。
作った側と殺される側が、
一瞬で入れ替わる。
ただしスタンリーは、
何も残さず死んだわけではない。
最期の直前、
ロキやファウルバウトに関する情報を外へ送る。
そのデータが、
後の対抗策へつながっていく。
ここも『奪還のロゼ』らしい。
ノーランド側にいた人物でも、
最後まで同じ方向を見ていたとは限らない。
ナラは黒の騎士団と協力する。
ヴァルターはサクラを守る。
キャサリンも、
ノーランドへ疑問を持つようになる。
アインベルクは、
最初から一枚岩ではなかった。
ノーランドへの忠誠と、
それぞれの価値観が少しずつ分かれていく。
その中でスタンリーは、
ロキ完成までノーランド側にいた。
しかし自分まで駆除される段階で、
ようやく計画の本当の形が露出する。
ロキが世界中で人を殺し始めると、
戦場はホッカイドウだけではなくなる。
スザクやジノ、コーネリアら、
過去作の人物まで各地で迎撃へ動く。
それでも物量が圧倒的に多い。
ロキを一体ずつ壊しても、
根本的には止まらない。
全世界のロキを制御する中心が、
ノーランドのファウルバウトにある。
だから最後には、
ノーランド本人を倒すしかなくなる。
ここで死亡キャラ一覧の流れも、
一人ずつの退場から世界規模へ変わる。
グランやグリードの死は局地戦だった。
東見や物部は、
作戦をつなぐ犠牲だった。
スタンリーの死から先は、
人類全体が死亡候補になる。
ノーランドが生きている限り、
ロキは止まらない。
だから最終回は、
単なるサクヤ奪還の続きではない。
アッシュとサクヤが失敗すれば、
世界各地で死者が増え続ける。
北海道を取り戻す戦いが、
最後には世界規模の大量殺戮を止める戦いへ変わる。
その境目にいるのが、
スタンリーとロキなのである。
ノーランドを倒してもアッシュは帰れない|勝利の直後に最後の死亡者になる
第12話「浅緋 -Breaking Dawn-」では、
アッシュとノーランドの決着が描かれる。
ただし直前の第11話で、
アッシュは一度、
完全に叩き落とされている。
ノーランドが乗るファウルバウトは、
Zi-アポロを正面から圧倒する。
シトゥンペビームによって、
KMFの機能そのものを奪い、
まともな近接戦へ持ち込ませない。
アッシュは、
操縦技術だけなら作中屈指である。
第1話から多くの敵を倒し、
アーノルドにも勝ってきた。
それでもファウルバウトには届かない。
しかもノーランドは、
ニコルを殺した本人でもある。
アッシュにとっては、
世界を救うためだけの敵ではない。
人生を壊した相手そのものだった。
第11話では、
正面から挑んだアッシュが敗れる。
ファウルバウトに機体を掴まれ、
高所から投げ落とされる。
そのまま終わってもおかしくない場面で、
サクヤがZi-アルテミスで救う。
ここで二人の関係が、
第1話とは完全に逆になる。
最初はサクヤが、
アッシュの意志をギアスで縛った。
自分を弟として認識させ、
守らせていた。
第12話では、
アッシュ自身がギアスを求める。
ただし今度は、
人格や記憶を書き換えるためではない。
ノーランドを共に倒すという覚悟を、
誓いとして形にするためである。
サクヤも簡単には命じない。
一度アッシュの心を歪めたことを知っている。
それでもアッシュが自分で望む。
ここでギアスは、
支配から約束へ変わる。
Zi-アポロとZi-アルテミスは、
再びZi-オルテギアとなる。
正面から火力で勝つのではなく、
ファウルバウトの攻撃を観察する。
ビームの発射口。
連射の間隔。
攻撃が続く時間。
サクヤが分析し、
アッシュがそれを実行する。
この役割分担は、
「ナナシの傭兵」だった頃の二人そのものだ。
頭脳で道を作るロゼ。
操縦で突破するアッシュ。
ファウルバウトの猛攻を耐え切り、
攻撃の隙ができた瞬間、
アッシュは近接距離へ入る。
そしてノーランドを、
Zi-アポロの刃で貫く。
この最期は、
ニコルの死と重なっている。
かつてノーランドは、
二本の剣でニコルを殺した。
最後には自分が、
アッシュの刃に貫かれる側になる。
ノーランドはここで敗北する。
しかし最後まで、
周囲を巻き込まずには終わらない。
ファウルバウトは自爆へ入る。
同時にZi-オルテギアも、
激戦でエナジーを消耗している。
合体状態のままでは、
二人そろって安全に着地できない。
ここでアッシュは、
最後の判断をする。
Zi-アポロとZi-アルテミスを分離する。
サクヤ側を生還させ、
自分だけが残る。
勝った直後なのに、
アッシュ自身は帰還を諦める。
ここで第7話の皇重護が重なる。
重護もアッシュを逃がすために残った。
自分が死ぬ側へ回り、
サクヤを託した。
今度はアッシュが、
同じようにサクヤを帰す側へ回る。
さらにニコルの記憶も重なる。
アッシュは弟を守れなかった。
その後ずっと、
守れなかった死を背負ってきた。
だが最後には、
サクヤだけは自分の手で生かす。
しかもサクヤは、
もう偽の弟ではない。
ギアスでそう思わされているわけでもない。
真実を知った後で、
アッシュ自身が守ると決めた人物である。
だからアッシュの死亡は、
第1話から続いた偽の兄弟関係の終着点になる。
ギアスで作った家族が、
最後には命令のない関係へ変わる。
その完成と同時に、
アッシュは物語から消える。
ノーランドを倒したことで、
世界のロキは停止へ向かう。
ネオ・ブリタニアも解体される。
サクヤは生き残り、
ホッカイドウの新しい立場を背負う。
しかしその未来に、
アッシュはいない。
エピローグでサクヤが墓前へ向かうことで、
「行方不明かもしれない」という余地もほぼ閉じる。
作品はアッシュの死を、
戦後の時間まで使って確認する。
だから最終回で、
最後に重く残る死亡者はアッシュだ。
敵に負けたから死んだのではない。
ノーランドには勝った。
サクヤも救った。
目的を果たした後で、
自分だけが残った。
グランから始まった死亡者の列は、
最後に主人公側へ戻ってくる。
誰かを倒して終わるのではない。
勝利にも代償が残る。
それが『コードギアス 奪還のロゼ』最終回の、
大きな後味になっている。
★第7章 生存者は誰?多くを失った後に残ったサクヤたち
| 人物 | 立場・特徴 | 最終回後に残ったもの |
|---|---|---|
| 皇サクヤ | 皇重護の娘/ギアス能力者 CV:上田麗奈 |
アッシュから生還する未来を託される |
| サクラ | サクヤの身代わりとして皇帝を演じる | 敵内部から人々を動かした経験を持って戦後へ |
| 黒戸剣成 | 七煌星団団長 CV:黒田崇矢 |
物部を失い、生き残った団員を導く側へ |
| 琉高ハルカ | 七煌星団のKMFエース CV:富田美憂 |
物部が残した剣を受け取り、戦いを引き継ぐ |
| ナラ・ヴォーン | アインベルク・黒のクイーン | ロキ襲撃後は黒の騎士団側とも協力 |
| キャサリン | アインベルク・白のクイーン CV:東山奈央 |
ノーランドへの盲従から離れ、自分で力の使い道を選ぶ側へ |
| ヴァルター | アインベルク所属 | ノーランドではなくサクラを守る道を選び生存 |
サクヤ・サクラ・黒戸・ハルカは生存|戦後を背負う側に残った人物
最終回まで生き残った人物を見ると、
『奪還のロゼ』の結末は、
単純な「敵を倒して終わり」ではないと分かる。
戦いが終わった後にも、
残された者には役目が残っている。
その中心にいるのが皇サクヤだ。
アッシュと共にノーランドへ挑み、
最後は自分だけが生還する。
勝利したから助かったのではない。
アッシュが自分を帰す側へ回った結果、
サクヤの命が残された。
ここが最終回の重い部分だ。
サクヤは物語の最初から、
誰かを利用して戦ってきた。
アッシュにはギアスをかけ、
自分を弟ロゼだと思わせていた。
しかし最終決戦では逆になる。
真実を知ったアッシュが、
自分の意思でサクヤと戦う。
さらに最後は、
自分を犠牲にして彼女を生還させる。
だからサクヤの生存は、
単なる主人公の生還ではない。
アッシュから渡された未来でもある。
父・皇重護から始まった約束が、
アッシュを経てサクヤへ戻ってきた形になる。
もう一人、
最後まで生き残る重要人物がサクラだ。
サクラはサクヤの身代わりとして、
ネオ・ブリタニア側で皇帝を演じ続けた。
戦える人物でもなければ、
ギアスを持っているわけでもない。
それでも彼女は、
戦争の犠牲になった日本人を見て、
何もせず座っていることを選ばなかった。
ノーランドに意見し、
キャサリンにも訴える。
力がないから黙るのではなく、
自分にできる方法で動いている。
サクヤとサクラは、
同じ顔を使っていた二人だが、
最後まで立場は違っている。
サクヤは前線で戦う。
サクラは敵側の中心に置かれながら、
内部から人間を動かそうとする。
二人とも生き残ったことで、
戦後に「皇」として何を残すかが問われる。
死者を悼むだけではなく、
同じ支配を繰り返さない役割が残る。
七煌星団では、
黒戸剣成も生存する。
第2話の時点では、
アバシリ強制収容所へ捕らえられていた人物だ。
ロゼとアッシュの作戦によって救出され、
その後は七煌星団の指揮官へ戻る。
黒戸は物部と並んで、
組織を支えてきた年長者だった。
しかし終盤、
その物部はロキを引き付け、
仲間を進ませるため死亡する。
黒戸だけが残ったことには重さがある。
長く共に戦った仲間を失っても、
七煌星団そのものを終わらせるわけにはいかない。
物部の死を受け取って、
生き残った団員を戦後へ導く側になる。
ハルカも生き残る。
七煌星団のエースとして、
序盤からKMF戦の中心にいた人物だ。
キャサリンとの激戦も経験し、
終盤ではロキとの戦いへ入っていく。
特に物部の死亡後、
残された剣をハルカが受け取る場面は大きい。
本人はもういない。
しかし武器が残り、
次の世代がそれを手に取る。
死亡キャラだけ追うと、
物部の特攻で場面は終わる。
だが生存者まで見ると、
その死が誰へ渡されたのかまで分かる。
ハルカが生き残ったことで、
物部の行動も先へ続いている。
七煌星団では、
小田、宗森、新城、佐野らも戦後まで残る。
全員が無傷だったわけではない。
拠点を襲われ、
仲間を失い、
ロキによる世界規模の襲撃まで経験している。
それでも組織そのものは消えない。
東見、岩本、物部らが命を使った結果、
次の世代が残る。
ここまで見て初めて、
彼らの特攻が単なる戦死ではなかったと分かる。
『奪還のロゼ』では、
死亡した人物と生き残った人物が対になっている。
重護が死んだからアッシュが残った。
アッシュが残ったからサクヤが帰った。
物部が死んだからハルカたちは先へ進めた。
生存者一覧を見ることは、
「運良く死ななかった人」を探すことではない。
誰から何を受け取って残ったのか。
そこまで見ることで、
最終回後の人物関係が見えてくる。
アインベルクで生き残ったのは誰?ナラ・キャサリン・ヴァルターが選んだ道
敵側だったアインベルクにも、
最後まで生き残った人物がいる。
代表的なのが、
ナラ・ヴォーン、
キャサリン・サバスラ、
ヴァルター・リントシュテットだ。
ここは死亡者一覧の中でも重要になる。
アインベルクは、
皇帝直属の精鋭騎士団として登場した。
戦略を担うヴァイスリッター6名と、
実戦を担うシュヴァルツリッター5名。
全員がチェスの駒に対応し、
ノーランドを中心に動いていた。
第1話の時点では、
主人公側から見れば明確な敵組織である。
ところが終盤まで見ると、
「アインベルク=全員ノーランドと同じ」
ではなかったことが分かる。
ナラは、
黒のクイーンとして高い指揮能力を持つ。
ダモクレス戦では、
七煌星団側を苦しめた強敵だった。
それでもノーランドの大量殺戮を、
最後まで無条件で受け入れる人物ではない。
ロキが世界へ放たれ、
敵味方を問わず人間を狙い始めると、
戦争の前提そのものが崩れる。
ネオ・ブリタニア対レジスタンスではない。
人間とロキの戦いになる。
その状況では、
過去の敵味方に固執する意味がなくなる。
ナラは黒の騎士団側とも協力し、
ロキを止める方向へ動く。
最後までノーランドの駒ではいなかった。
キャサリンも大きく変化する。
白のクイーンであり、
強さに強い価値を置く人物だった。
ハルカとの戦いでも、
自分の実力を前面に出す。
だがサクラとの交流や、
ノーランドの行動を見るうち、
自分が信じてきた「強さ」そのものを疑い始める。
第11話では、
ノーランドが乗るファウルバウトの前へ立つ。
以前なら、
ノーランドこそ最強の存在として、
その命令へ従う側だった。
しかし大量殺戮を始めたノーランドを見て、
それでも従うことが強さなのか。
キャサリン自身が、
答えを出さなければならなくなる。
最終的にキャサリンは生き残る。
だから彼女には、
戦後も問いが残る。
強い者へ従うだけではない。
何のために力を使うのか。
その答えを持って生きる側へ移る。
ヴァルターも同じだ。
彼はアインベルクの一員でありながら、
サクラの身を守る側に立つ。
ノーランドの命令だけを絶対視せず、
自分の判断を残している。
この三人が生存したことは、
アインベルク全体を単純な悪役集団にしない。
グランやグリードのように、
支配者として倒された人物もいる。
ヒースのように、
失敗してノーランドから見放された人物もいる。
クリストフのように、
最後まで敵として行動した人物もいる。
アーノルドのように、
アッシュとの個人的な執着へ走った者もいる。
そしてナラ、キャサリン、ヴァルターは、
最後にノーランドと同じ道を選ばない。
同じアインベルクでも、
結末は一人ずつ違っている。
ここに死亡キャラ一覧を、
生存者まで確認する価値がある。
死んだ者だけ見ると、
ネオ・ブリタニアが滅びた話に見える。
しかし生存者を見ると、
敵側にも戦後を生きる人物が残っている。
彼らはノーランドの死と共に、
存在まで消えるわけではない。
サクヤも同じだ。
アッシュが死んだから、
そこで物語を止めることはできない。
生き残った以上、
その死を抱えて次へ進むしかない。
最終回後のサクヤには、
失った父・重護がいる。
本当の弟を失ったアッシュがいる。
七煌星団にも、
東見、岩本、物部らの犠牲が残る。
勝利の代償は、
敵を倒した瞬間には消えない。
だから『奪還のロゼ』の最後は、
死亡者だけを数えると半分しか見えない。
誰が死んだのか。
誰が最後まで生き残ったのか。
そして残された人物が、
誰の死を背負っているのか。
そこまで追うと、
アッシュの最期も違って見える。
アッシュは一人で消えたのではない。
サクヤを未来へ残した。
物部も同じだ。
自分が死ぬことで、
ハルカたちを残した。
東見も、
ダモクレス攻略の先を仲間へ渡した。
『奪還のロゼ』では、
死が物語を閉じるだけではない。
誰かの死が、
次の人物を前へ押し出している。
だから最後に残ったサクヤたちは、
単なる生存者ではない。
死者から戦いの続きを渡された人物たちである。
死亡キャラ一覧を最後まで追ったとき、
本当に見えてくるのは死亡人数ではない。
誰が消え、
その代わりに誰が残されたのか。
アッシュのいない世界で、
サクヤたちは生きていく。
その事実まで含めて、
『コードギアス 奪還のロゼ』の戦いは終わるのである。



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