『ぐらんぶる3期』第11話ラストで耕平と愛菜がラブホテルから出てきたのは、二人の関係が急に進んだからではなく、伊織と千紗を追って沖縄へ来た結果、二人で宿泊する状況になったためである。
翌朝の耕平が異様に疲れ切っていたのも愛菜が原因ではなく、最推しの声優・水樹カヤの結婚を知って精神的に打ちのめされ、騒ぎ疲れたことが大きい。
第11話「沖縄再上陸(表)」では隠されていた愛菜と耕平側の出来事を、原作「沖縄再上陸(裏)」まで追うと、なぜ二人があの状態で現れ、伊織と千紗が誤解したのかまでつながる。
第1章 耕平と愛菜はなぜラブホテルから出てきた?二人の関係が進んだわけではない
第11話ラストの見た目は完全に誤解を誘うが、実際は伊織と千紗を追った結果だった
『ぐらんぶる3期』第11話ラストでは、
愛菜と耕平が同じラブホテルから朝になって出てくる。
しかも耕平は見るからに疲れ切っており、
その隣には愛菜がいる。
事情を知らない伊織と千紗からすれば、誤解して当然の光景だった。
しかし結論から言えば、
愛菜と耕平の関係が一晩で急に進んだわけではない。
二人が同じ場所へ泊まることになったのは、
愛菜が伊織と千紗の沖縄二人旅を追いかけ、
二人を同じ部屋へ泊めないよう動いた結果である。
そもそも愛菜は、
伊織と千紗が二人だけで沖縄へ行くと知った時点から、
この旅行を強く警戒していた。
耕平を巻き込んで旅行阻止作戦を実行するが失敗。
それでも諦めず、今度は耕平と一緒に沖縄まで追跡する。
その間にも伊織と千紗は、
レンタカーで観光し、
海ではシュノーケリングを楽しみ、
泳ぎが得意ではない伊織へ千紗が水泳を教える。
愛菜が止めたかった「二人だけの時間」は、
沖縄へ到着した時点ですでに積み重なっていた。
さらに宿泊先では、
伊織と千紗が同じ部屋を使う状況になる。
部屋に用意されていたのはダブルベッド。
第11話「沖縄再上陸(表)」だけを見ると、
ここで二人の距離がどこまで進むのかというところへ意識が向く。
そこで裏側から割って入るのが愛菜である。
愛菜は、
伊織と千紗を同じ部屋へ泊めたくない。
そのため自分たちが確保していた部屋まで利用し、
二人を別々に泊まらせる方向へ動く。
結果として伊織と千紗の同室は回避される。
ただし、
そこで新しい問題が発生する。
伊織と千紗を分けたことで、
今度は愛菜自身の泊まる場所がなくなる。
そして愛菜と耕平が、
二人で別の宿泊先を探す側へ回る。
最終的に二人が利用することになるのがラブホテルだった。
つまり状況は完全に逆転している。
伊織と千紗を二人きりにしたくない。
そのため沖縄まで追ってきた。
ホテルでも二人を分けた。
ところが最後には、
自分が耕平と二人で同じ宿泊施設へ入ることになる。
この皮肉な逆転こそ、
第11話ラストのギャグなのである。
耕平が疲れ切っていたため、伊織と千紗には余計に怪しく見えた
さらに誤解を強くしたのが、
翌朝の耕平の状態だった。
普通に二人でホテルから出てきただけなら、
まだ「泊まる場所がなかったのか」と考えられる。
しかし実際の耕平は、
一晩で何があったのかと疑いたくなるほど消耗している。
愛菜もその横にいる。
二人でラブホテルから出てくる。
耕平だけが異様に疲れている。
前夜の事情を伊織と千紗は知らない。
この三つが重なるため、
外から見れば完全に別の出来事へ見えてしまう。
『ぐらんぶる』では以前から、
本人たちが何もしていないのに、
見た目だけで恋愛関係を誤解される場面が多かった。
第1期第5話「後の祭り」でも、
伊織と千紗が付き合っているという話が広がり、
大学の男たちが伊織へ敵意を向ける騒動になった。
今回も構造はよく似ている。
本人たちが知っている事情と、
周囲から見える光景がまったく違う。
ただし第11話では、
その誤解される側が伊織と千紗ではなく、
愛菜と耕平へ入れ替わっている。
愛菜は伊織と千紗を監視するため沖縄へ来たのに、
最後には自分の方が怪しい状況を作ってしまった。
ここまで含めて、
「沖縄再上陸(表)」ラストのオチが成立しているのである。
第2章 愛菜はなぜ耕平と同じホテルへ泊まった?伊織と千紗を離そうとして自分の部屋を失った
愛菜が最も避けたかったのは、伊織と千紗が夜まで二人きりになることだった
愛菜が沖縄まで追いかけた目的は、
単に伊織の旅行先を確認することではない。
伊織と千紗が、
周囲の誰もいない状態で長時間一緒に過ごすことを止めるためだった。
その警戒は、
Season 2第3話「印象ゲーム」からすでに始まっている。
この回で愛菜は、
伊織と千紗に血のつながりがないと知る。
それまであった「従兄妹だから」という安心材料が消え、
伊織が千紗をどう見ているのか本気で気にし始めた。
さらに第9話「好きなの?」では、
乙矢を巡って伊織と千紗が互いの恋愛周辺へ反応する。
第12話「これでチャラ」では、
無人島キャンプでの出来事を境に、
千紗自身が伊織を以前と同じ距離では扱えなくなる。
その流れを愛菜は近くで見てきた。
だからSeason 3で、
伊織と千紗が二人だけで沖縄へ行き、
さらに同じホテルへ泊まると分かれば、
愛菜にとっては見過ごせない。
特に問題なのが夜である。
昼間なら観光地にも人がいる。
海でも周囲に他人がいる。
しかしホテルへ戻れば、
二人だけの時間が長くなる。
そこへダブルベッドまで用意されている。
愛菜からすれば、
旅行阻止作戦に失敗した後でも、
ここだけは止めたい場面だった。
伊織と千紗を別々に泊めた代わりに、愛菜と耕平が宿なしになった
そこで愛菜は、
伊織と千紗を同じ部屋へ泊めないために動く。
自分たち側の部屋を使い、
二人の宿泊先を分ける。
愛菜が沖縄まで追ってきた目的からすれば、
ここでようやく直接的な成果を上げた形になる。
ただし代償は大きい。
部屋を伊織と千紗へ回せば、
愛菜自身が泊まれなくなる。
当然、同じく沖縄まで連れてこられた耕平も一緒である。
二人は、
夜になってから別の宿泊場所を確保しなければならない。
この展開が面白いのは、
愛菜が最初から耕平と泊まりたかったわけではないところ。
目的は最後まで伊織と千紗を離すこと。
耕平はその作戦へ付き合わされ、
最後には宿泊先まで同じになる。
第11話までの愛菜と耕平を見ると、
この組み合わせ自体は突然ではない。
愛菜が伊織のことで困れば、
耕平が何らかの形で巻き込まれる。
Season 3でも、
伊織との距離を縮めたい愛菜を耕平が後押しする場面があり、
沖縄でもその延長で行動を共にしている。
ただし今回は、
その行動が思わぬところまで続いた。
旅行阻止作戦。
沖縄追跡。
ホテルへの介入。
宿泊場所探し。
一つ前の問題を解決するたびに、
次の問題が発生する。
そして最後に、
伊織と千紗を同じ部屋から引き離した愛菜自身が、
耕平とラブホテルへ泊まる。
愛菜が最も避けたかった
「男女二人だけで宿泊する状況」を、
自分たちが引き受ける形になったのである。
だから第11話ラストは、
単に刺激の強い場所から二人が出てきたというだけではない。
愛菜が伊織と千紗を必死に引き離した結果、
そのまま自分と耕平へ状況が跳ね返ってきた。
この因果関係まで分かると、
二人が同じホテルから現れた場面は、
『ぐらんぶる』らしい勘違いギャグとして一段面白く見えてくるのである。
第3章 耕平が翌朝ボロボロだったのはなぜ?愛菜との間に何かあったからではない
原因は水樹カヤの結婚を知ったこと|耕平にとっては恋愛以上に重い衝撃だった
第11話ラストで、
最も誤解を生みやすいのが耕平の姿である。
愛菜と同じラブホテルから出てきただけでも十分に怪しいのに、
耕平は一晩で何があったのかと思うほど疲れ切っている。
しかし、あの消耗の中心にあるのは愛菜ではない。
耕平を打ちのめしたのは、
大好きな声優・水樹カヤの結婚を知ったことだった。
伊織や千紗から見ると、
愛菜と二人で泊まった翌朝に耕平が憔悴している。
ところが実際には、
同じ夜に耕平の精神を破壊した別の出来事が起きている。
耕平にとって水樹カヤは、
単なる好きな声優の一人ではない。
第1期から繰り返し名前が出るほど特別で、
彼のオタク趣味を象徴する存在でもある。
普段は伊織と殴り合うような勢いで騒いでいても、
水樹カヤが絡むと反応の激しさが一段変わる。
Season 2第11話「無人島に行こう!」でも、
伊織たちは耕平をキャンプへ参加させるため、
「水樹カヤも来る」と大胆な嘘を使っている。
それだけで耕平が動くと周囲に理解されている時点で、
彼にとって水樹カヤがどれほど大きい存在か分かる。
しかも梓の計らいによって、
その水樹カヤが本当に無人島キャンプへ参加する。
耕平からすれば、
画面やイベントの向こう側にいた憧れの存在が、
同じ場所へ現れるほどの出来事だった。
その直後の沖縄で、
今度は水樹カヤの結婚を知る。
耕平にとっては、
単なる芸能ニュースでは済まない。
長く追い続けてきた最推しが結婚したという情報を、
旅行先の夜に真正面から受けることになる。
だからホテルでは、
愛菜と穏やかに一晩を過ごしたのではなく、
耕平の感情が水樹カヤの結婚によって大きく崩れる。
泣く。
騒ぐ。
精神的に打ちのめされる。
その結果として翌朝には完全に消耗している。
外から見ると、
愛菜と二人で泊まり、
翌朝の耕平だけが異様に疲れている。
しかし内側では、
原因がまったく違う。
この情報差があるから、
第11話ラストの誤解は成立するのである。
第11話のオチは「見た目」と「実際に起きたこと」が正反対だから成立する
この場面を面白くしているのは、
二人がラブホテルから出てきたことだけではない。
伊織と千紗が見た光景と、
愛菜と耕平が実際に経験した夜が、
ほとんど正反対になっていることにある。
伊織と千紗から見えるのは、
朝になって二人で出てくる愛菜と耕平。
しかも耕平は疲労困憊。
愛菜はその隣にいる。
一方、
視点を耕平側へ移すと、
彼が消耗した中心には水樹カヤの結婚がある。
恋愛的な出来事で疲れたのではなく、
推してきた相手の結婚という精神的衝撃で崩れていた。
『ぐらんぶる』では、
こうした「事情を知らない側から見ると別の話に見える」
という勘違いギャグが何度も使われている。
第1期第5話「後の祭り」でも、
伊織と千紗が付き合っているように見えたことで、
大学の男たちが伊織へ敵意を向けた。
当人同士の感覚と、
外から見た二人の関係が食い違うことで騒動が膨らんだ。
第11話では、
その役目を愛菜と耕平が引き受ける。
伊織と千紗を二人きりにしたくなくて追ってきた愛菜が、
最後には自分の方が耕平と同じホテルから出てくる。
さらに耕平の疲労が、
その誤解へ決定的な説得力を与える。
だから耕平の憔悴は、
第11話ラストを理解するうえで外せない。
「愛菜と何があった?」ではなく、
「その夜、耕平の身に別の大事件が起きていた」
と見ることで、
あの場面の笑いがようやく完成するのである。
第4章 水樹カヤは耕平にとってどれほど特別?第1期から続く「最推し」だった
耕平は初登場から二次元・声優への執着が強く、水樹カヤはその頂点にいる存在
水樹カヤの結婚だけで、
なぜ耕平があそこまで崩れるのか。
そこを理解するには、
耕平という人物そのものを第1期から見る必要がある。
彼は伊織と同じ大学へ入り、
見た目だけなら整った青年だが、
中身は筋金入りのアニメ・声優好きである。
伊織が大学生活や女性関係に振り回される一方、
耕平は二次元や声優への情熱を隠さない。
普通なら反応しない話題でも、
好きな作品や声優が絡めば突然本気になる。
その極端さが、初期から耕平の笑いの中心になっている。
だから周囲も、
耕平を動かす時にはそこを使う。
Season 2第11話で、
無人島キャンプへ参加させるために
「水樹カヤも来る」と騙したのもその典型。
普通の誘いでは動かなくても、
水樹カヤの名前だけで反応することを、
伊織たちは完全に理解している。
ところがその嘘が、
梓の働きによって本当になる。
実際に水樹カヤが参加すると、
耕平にとっては旅行そのものより、
憧れの人物と同じ空間にいることの方が大事件になる。
この直前までの積み重ねがあるからこそ、
沖縄で結婚を知った時の落差が大きい。
つまり第11話の疲れ切った耕平だけを見ると、
大げさなギャグに見える。
しかし第1期からの耕平を見れば、
水樹カヤ関連だけは別格だった。
ずっと推してきた存在。
名前だけで行動を変える存在。
実際に会えただけで特別な出来事になる存在。
その相手の結婚である。
耕平にとって、
一晩中引きずるだけの破壊力があっても不思議ではない。
水樹カヤは作中だけでなく、アニメのEDまで巻き込んできた特別なキャラクター
水樹カヤが特別なのは、
耕平の台詞の中だけではない。
第1期では、
水樹カヤ役を水樹奈々が担当。
さらに通常は伊織、耕平、時田、寿による
「伊豆乃風」が歌うED「紺碧のアル・フィーネ」に、
水樹奈々が歌う別バージョンまで用意された。
つまり水樹カヤは、
耕平の憧れの声優という設定を超えて、
アニメの主題歌演出にまで入り込んでいる。
本編では耕平が熱烈に推す。
その人物を水樹奈々が演じる。
さらにEDでも水樹奈々本人が歌う。
こうした積み重ねによって、
水樹カヤは耕平のオタク属性を示す記号ではなく、
作品内でもかなり存在感のある人物になってきた。
だから沖縄で結婚話が出た時も、
突然知らない声優の名前が出てきたわけではない。
第1期から何度も耕平の行動を動かしてきた存在が、
今度は「結婚」という形で、
再び耕平の精神を直撃する。
しかもタイミングが最悪だった。
伊織と千紗を追うため、
愛菜に巻き込まれて沖縄まで来た。
宿泊先まで探す羽目になり、
最終的にラブホテルへ入る。
そこでさらに水樹カヤの結婚を知る。
もともと自分の旅行ではない。
恋愛を楽しみに来たわけでもない。
それなのに最後は、
最推しの結婚で精神的に沈む。
翌朝の耕平がボロボロなのは、
この一連の出来事が全部重なった結果である。
そして伊織と千紗は、
その中身を知らない。
知っているのは、
愛菜と耕平が同じラブホテルから出てきたこと。
そして耕平が異常なほど疲れていることだけ。
だから二人は誤解する。
第11話ラストは、
ラブホテルという場所だけで成立しているのではない。
第1期から積み重ねてきた耕平と水樹カヤの関係が、
最後の「疲れ切った耕平」という見た目を作り、
そこへ伊織と千紗の勘違いが重なる。
過去回まで戻って見ると、
あの一瞬のオチには、
耕平という人物を長く見てきたからこそ分かる笑いまで詰まっているのである。
第5章 伊織と千紗はなぜ愛菜と耕平を誤解した?「見えた情報」だけならそう考えてしまう
二人が知っていたのは「同じホテルから出てきた」「耕平が消耗していた」という結果だけ
第11話ラストで伊織と千紗が驚いたのは、
愛菜と耕平が一緒にいたこと自体ではない。
二人が朝になって同じラブホテルから出てきて、
しかも耕平が異様に疲れ切っている。
そこだけ見れば、前夜に何かあったと考えてしまう条件が揃っている。
しかし伊織と千紗は、
その前夜に愛菜と耕平が何をしていたのかを知らない。
旅行阻止作戦に失敗した後、
二人が自分たちを追って沖縄まで来たこと。
宿泊場所を巡って別行動していたこと。
耕平が水樹カヤの結婚を知って大きな衝撃を受けたことも見えていない。
だから伊織たちの目に入るのは、
すべてが終わった後の結果だけになる。
愛菜と耕平が二人で出てくる。
場所はラブホテル。
耕平は憔悴している。
愛菜はその隣にいる。
この四つを並べれば、
裏事情を知らない側が別の出来事を想像するのは自然である。
しかも愛菜と耕平は、
もともと二人だけで行動する場面が少なくない。
Season 2第10話「映画デート」では、
愛菜が伊織と出掛ける一方、
後半では愛菜が伊豆へ残れるよう伊織が耕平へ協力を求め、
二人で対策を考えている。
Season 3でも、
愛菜が伊織との距離を縮めようとする場面で、
耕平がその動きを助ける側へ回る。
愛菜の恋が動く時、
耕平はかなり近い位置へいる。
だから伊織から見ても、
「なぜ愛菜と耕平が一緒にいるのか」までは不自然ではない。
問題は、
一緒にいる場所と翌朝の姿だった。
普段から知っている二人だからこそ、
余計に「そこまで何があった?」という疑問が生まれる。
第11話ラストは、
登場人物同士の既存関係まで利用して、
誤解が成立する位置へ持っていっているのである。
第1期第11話でも「見た場面だけで誤解」が起きており、今回は立場が逆転している
この誤解の作り方は、
『ぐらんぶる』では以前から使われている。
分かりやすいのが、
第1期第11話「誤解なんだが」。
ダイビングのライセンス取得を前に、
伊織は自分だけ不合格になる可能性を奈々華から指摘される。
耕平と愛菜に知られれば馬鹿にされるため、
二人へ隠れて練習しようとする。
そこで伊織は、
夕食作りの組み合わせを利用しながら、
千紗へ練習の協力を頼む。
二人だけで話している内容を、
周囲は最初から最後まで聞いているわけではない。
途中の言葉や動きだけを拾った結果、
まったく別の話として受け取られていく。
つまり第1期から、
当人たちには明確な事情があるのに、
外側の人間が一部分だけ見て勝手に話を膨らませる構造がある。
Season 3第11話では、
その立場がひっくり返る。
以前は伊織と千紗が誤解される側だった。
今回は、
伊織と千紗が誤解する側になる。
愛菜と耕平には、
ラブホテルへ入るまでの事情がある。
耕平が疲れ切った原因にも、
水樹カヤの結婚という別の背景がある。
しかし伊織と千紗は知らない。
だから二人が目の前の光景だけで判断すると、
全然違う結論へ行ってしまう。
『ぐらんぶる』の勘違いギャグは、
単に刺激の強い場所を出して終わるわけではない。
誰がどこまで情報を持っているかをずらし、
同じ場面を別の人物から見ると意味が変わるように作られている。
第11話ラストは、
まさにその典型。
視聴者も「表」だけを見ている段階では、
伊織と千紗に近い位置へ置かれる。
愛菜と耕平の夜を詳しく知らないため、
二人と一緒に「何があった?」と思わされるのである。
第6章 「沖縄再上陸(裏)」で何が分かる?第11話ラストまでの空白を愛菜と耕平側から埋める
原作第64話「沖縄再上陸(裏)」は、伊織と千紗が知らなかったもう一つの沖縄旅行
第11話の題名が、
ただの「沖縄再上陸」ではなく
「沖縄再上陸(表)」になっているのは重要である。
原作には実際に、
第64話前編・後編「沖縄再上陸(裏)」が存在する。
「表」で中心になるのは、
伊織と千紗。
二人はレンタカーで移動し、
沖縄を観光し、
海へ行き、
シュノーケリングを楽しむ。
千紗は泳ぎの苦手な伊織へ水泳を教え、
第1期の沖縄とは違う二人だけの時間が続く。
ところが同じ時間、
別の場所では愛菜と耕平も動いている。
愛菜は、
伊織と千紗の旅行を止めようとして失敗。
それでも諦めず、
耕平を連れて沖縄まで追う。
つまり同じ沖縄に、
二組の旅行が存在している。
片方は、
伊織と千紗の二人旅。
もう片方は、
その二人旅を止めたい愛菜と、
巻き込まれた耕平の追跡。
第11話「表」だけを見ると、
愛菜と耕平が途中で何をしていたのかが大きく抜ける。
だからラストで突然二人が現れると、
視聴者側にも空白が残る。
その空白を、
反対側から見せるのが「裏」である。
表では穏やかに進んでいた沖縄旅行の陰で、
愛菜は伊織と千紗を気にし続ける。
耕平はその行動へ付き合わされる。
宿泊問題まで発生し、
最終的に二人が同じ宿泊場所へ行く流れにつながる。
だから「裏」は、
別の旅行を描く番外編ではない。
第11話ラストへ到達するまでに、
画面外で何が起きていたのかを見せる答え側の話なのである。
「表」と「裏」を重ねると、同じ沖縄で二組の関係が正反対に動いていたことが分かる
「沖縄再上陸(表)」と「裏」が面白いのは、
同じ場所で、
二組が正反対の方向へ動いていることにある。
表の伊織と千紗は、
二人だけの時間を増やしていく。
第1期第10話「沖縄上陸」では、
PaB全員で別荘へ入り、
ビーチではバナナボートで騒ぎ、
翌日はダイビング講習という集団旅行だった。
伊織と千紗だけの時間は、
集団の中へ埋もれている。
Season 3では違う。
移動も二人。
観光も二人。
海も二人。
ホテルまで二人。
第1期ではPaB全体の中にいた二人が、
今回は最初から最後まで一組として動いている。
それに対して裏の愛菜と耕平は、
その距離を広げようとする側。
愛菜は伊織と千紗を離したい。
耕平はその計画へ付き合う。
ところが行動すればするほど、
最後には自分たちが二人で動く時間を増やしていく。
伊織と千紗を二人にしたくないのに、
愛菜と耕平が二人になる。
二人を同じ部屋へ入れたくないのに、
自分たちが一緒に宿泊場所を探す。
そして翌朝には、
伊織と千紗から逆に誤解される。
この反転まで含めて、
表と裏は一組になっている。
しかも耕平には、
水樹カヤの結婚という別の衝撃まで重なる。
だから翌朝の姿だけ見れば、
愛菜との間で何かあったようにしか見えない。
表だけなら、
「二人はなぜあそこから出てきた?」
という疑問が残る。
裏まで追えば、
旅行阻止。
沖縄追跡。
宿泊問題。
水樹カヤの結婚。
翌朝の誤解。
これらが一本につながる。
だから第11話ラストは、
突然置かれた刺激的なオチではない。
「表」で意図的に見せなかった時間を、
「裏」というもう一つの沖縄再上陸へ残すことで、
同じ旅行を二方向から楽しめるようにした場面なのである。
第7章 ラブホテルのオチは勘違いギャグだが、愛菜と耕平の関係にも小さな変化が残る
この時点で二人が恋人になるわけではないが、愛菜が最も頼る相手は耕平になっている
第11話ラストだけを見ると、
愛菜と耕平の関係まで急に進んだように見える。
しかし実際には、
ここで二人が恋人になるわけではない。
ラブホテルから出てきた光景そのものが、まず大きな勘違いギャグである。
それでも今回の沖縄編を見ると、
愛菜と耕平の距離が以前より近くなっているのは確かだ。
愛菜が伊織のことで焦った時、
最初に巻き込む相手が耕平。
旅行阻止作戦でも、
沖縄追跡でも、
最後の宿泊先探しでも同じ行動を続けている。
これは第1期初期の二人とはかなり違う。
第1期では、
伊織と耕平がPaBの中心で騒ぎ、
愛菜は後からその輪へ入ってくる立場だった。
愛菜が伊織へ好意を向け始めても、
耕平は直接その恋を支える相棒という位置ではなかった。
しかしSeason 2以降は、
愛菜の恋愛と耕平の行動が結び付き始める。
愛菜が伊織との距離を縮めたい。
伊織の気持ちを知りたい。
千紗との関係が気になる。
そうした場面で、
耕平が近くへ置かれる機会が増えていく。
Season 3ではさらに、
耕平自身が愛菜の恋を後押しする側へ回る。
伊織との時間を作ろうとしたり、
二人の会話が進むよう手を貸したりする。
その流れの延長に、
今回の旅行阻止作戦もある。
愛菜からすれば、
耕平は伊織の親友であり、
伊織の性格を知っていて、
無茶な計画にも付き合ってくれる。
耕平からすれば、
愛菜の伊織への好意はもう隠しようがなく、
そのたびに自分が巻き込まれる。
だから今回、
二人で同じホテルへ泊まることになっても、
そこだけを切り取って急な恋愛進展と見るのは違う。
むしろ大きいのは、
愛菜が困った時、
自然に耕平を頼る関係が出来上がっていること。
沖縄まで一緒に来る。
二人で追う。
宿泊問題まで一緒に処理する。
恋人ではない。
それでも、
第1期では想像しにくかったほど、
二人が一組で動く場面は増えているのである。
第11話ラストは、伊織と千紗だけでなく愛菜と耕平まで「別の組み合わせ」に見せる二重のオチ
そして第11話ラストが面白いのは、
伊織と千紗の沖縄二人旅だけで終わらないことにある。
この回の中心では、
伊織と千紗が二人で沖縄を回る。
第1期ではPaB全員だった沖縄が、
Season 3では二人旅へ変わる。
レンタカー。
観光。
海。
水泳特訓。
ホテル。
視聴者は自然に、
「伊織と千紗はどこまで進む?」
という方向へ意識を向ける。
ところが最後に現れるのが、
愛菜と耕平。
しかも二人は、
伊織と千紗を追いかけていた側だったはずなのに、
今度は自分たちの方が誤解される光景を作ってしまう。
愛菜は、
伊織と千紗を二人きりにしたくなかった。
だから耕平を連れて沖縄まで来た。
ホテルでも、
二人を同室にしないために動いた。
それなのに翌朝、
愛菜自身が耕平と同じラブホテルから出てくる。
さらに耕平は、
水樹カヤの結婚による衝撃で疲労困憊。
事情を知らない伊織と千紗からすれば、
完全に別の結論へ行く。
この反転が、
第11話の最後を強いオチにしている。
第1期では、
伊織と千紗が周囲から恋人のように見られた。
Season 3第11話では、
愛菜と耕平が伊織と千紗から誤解される。
つまり沖縄再上陸では、
二組とも「実際の関係」と「外から見える関係」がずれている。
伊織と千紗は、
まだ恋人ではないのに二人旅をしている。
愛菜と耕平も、
恋人ではないのに同じラブホテルから出てくる。
この二組を並べることで、
第11話は最後まで恋愛と勘違いを混ぜ続ける。
だから「耕平と愛菜はなぜラブホテルから出てきた?」への答えは、
単に泊まる場所が必要だったから、だけでは終わらない。
伊織と千紗を追ったこと。
二人を別室へ分けたこと。
耕平が水樹カヤの結婚で打ちのめされたこと。
そして表側しか知らない伊織と千紗が、その結果だけを見たこと。
全部が重なって、
あのラストが成立している。
そしてもう一つ残るのが、
愛菜と耕平の関係。
恋人ではない。
それでも愛菜が困れば耕平を頼り、
耕平も最後まで付き合う。
第11話のラブホテルは勘違いギャグだが、
二人がいつの間にかかなり息の合う組み合わせになっていることまで、
同時に見せた場面なのである。
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いろいろなジャンルを楽しみたい方にも向いています。エンタメ好きの方は、
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