ルイジェルド・スペルディアは、世界から「デッドエンド」と恐れられるスペルド族の戦士だが、本来は子供を守ることを何より重んじ、数百年にわたって一族の名誉を取り戻そうとしてきた人物である。
その過去にはラプラスの魔槍による狂戦士化と、自分の息子まで手に掛けてしまった悲劇があり、その罪を背負うからこそ、ルーデウスとエリスを命懸けで守りながら魔大陸を旅する。
つまりルイジェルドの強さ、スペルド族への恐怖、ルーデウスとの関係を一本につなぐのは、「悪魔と呼ばれた戦士が、失った家族と一族の名誉を取り戻すため、数百年かけて人を守り続けた」という生き方です。
第1章 ルイジェルドとは何者?スペルド族の名誉回復を背負う戦士
ルイジェルド・スペルディアは、魔大陸に暮らすスペルド族の戦士であり、
かつて魔神ラプラスの軍勢でスペルド族戦士団を率いた歴戦の人物である。
額の第三の眼、緑色の髪、三叉槍という外見から世界中で恐れられているが、
本人は子供へ危害を加えることを強く嫌い、弱者を見捨てない。
数百年にわたり、スペルド族へ付いた「悪魔」の汚名を消すため旅を続けている。
アニメで本格登場するのは第1期第9話「邂逅」。
フィットア領転移事件によってルーデウスとエリスが魔大陸へ飛ばされ、
目を覚ました二人の前に立っていたのがルイジェルドだった。
ルーデウスは前世から読んでいた書物の知識を思い出し、
緑髪と額の宝石を見ただけで「スペルド族だ」と理解して強く警戒する。
ところがルイジェルドは、
怯えるルーデウスたちを襲うどころか水と食料を与え、
自分の住処へ連れて行って休ませ、
二人が中央大陸へ戻ろうとしていると知ると護衛まで申し出る。
世界で語られる「見つけた人間を皆殺しにする悪魔」と、目の前の行動がまるで一致しない。
第10話以降の旅でも、
ルイジェルドは危険な魔物が近づけば誰より早く察知し、
ルーデウスとエリスを後方へ置いて自分が前へ出る。
特に戦闘経験の浅いエリスには実戦での間合いや敵の見方を教え、
護衛だけでなく戦士として鍛える役まで担っていく。
一方ルーデウスは、
ルイジェルドの善良さを知ったことで「スペルド族の評判を変えられないか」と考える。
そこで三人は冒険者パーティ「デッドエンド」を結成し、
ルイジェルド本人の異名を逆に利用しながら依頼を受け、
善行を積み重ねてスペルド族への印象を少しずつ変えようとする。
「デッドエンド」と恐れられる本人が、実際には子供を守ることへ最も厳しい
ルイジェルドには「デッドエンド」という恐ろしい異名がある。
魔大陸では名前を聞くだけで大人が顔色を変えるほどで、
スペルド族そのものが災厄や死を連想させる存在として語られている。
そのためルーデウスも旅の初期には正体を隠すため、
ルイジェルドの特徴だった緑髪を剃る策まで使う。
しかし本人の判断基準は、
善人か悪人かより「子供を傷つけるか」が非常に大きい。
冒険者ギルドで依頼を受ける際も、
利益だけを考えて人命を危険へ晒す行動には強く反発し、
ルーデウスの効率重視の判断と衝突することがある。
旅の序盤、ルーデウスは名誉回復を急ぐため、
冒険者として効率良くランクを上げようと策を巡らせる。
しかしルイジェルドは、子供や弱者へ犠牲が出る可能性を許さず、
危険な方法を選ぼうとするルーデウスへ厳しく接する。
この頑固さは単なる道徳論ではなく、本人の過去に直結している。
ルイジェルドはかつて、
守るべきだった自分の家族と同族を自らの手で傷つけた。
その中には実の息子まで含まれている。
だから現在の彼にとって「子供を守る」という行動は、
二度と同じ過ちを繰り返さないための生き方そのものになっている。
つまりルイジェルドとは何者かを最初に答えるなら、
単なる強いスペルド族ではない。
過去に一族を破滅へ追い込んだ戦争を経験し、
その罪を背負ったまま数百年生き続け、
今度こそ子供と仲間を守るため槍を振るう戦士なのである。
第2章 スペルド族はなぜ恐れられる?ラプラスの魔槍とルイジェルドの過去
スペルド族が世界中で恐れられるようになった背景には、
人族との単純な種族対立だけではなく、ラプラス戦役で起きた大惨事がある。
当時のスペルド族は魔神ラプラス配下の精鋭戦士として戦い、
ルイジェルドはその戦士団を率いる立場にいた。
高い戦闘能力と索敵能力を持つ彼らは、戦場でも重要な部隊だった。
転機となったのが、
ラプラスからスペルド族へ与えられた特殊な魔槍である。
黒い槍を手にした戦士たちは、それまで以上の身体能力を発揮し、
疲労を感じにくくなり、戦場では圧倒的な力を見せるようになる。
ルイジェルドたちも当初は強力な武器を授かったと考えていた。
しかし魔槍には、
使用者の精神を徐々に侵食する恐ろしい作用があった。
戦い続けるうちにスペルド族は敵味方を判別できなくなり、
命令や仲間の声さえ届かない狂戦士へ変わっていく。
やがて戦場だけではなく、自分たちの集落へ戻ってからも殺戮を止められなくなった。
ルイジェルド自身も例外ではない。
魔槍に支配された状態で同族へ襲いかかり、
両親や妻を含む大切な者まで自らの手で殺してしまう。
正気を失った本人には、目の前の相手が家族なのか敵兵なのかさえ判断できない。
スペルド族崩壊の中心には、戦士団長だったルイジェルド自身もいた。
正気へ戻したのは実の息子で、その代償として息子自身が命を落とした
暴走するルイジェルドを止めたのが、
まだ生き残っていた実の息子だった。
息子は父へ立ち向かい、
ルイジェルドを狂わせていたラプラスの魔槍を折る。
そこでようやく精神への支配が解け、ルイジェルドは正気を取り戻す。
しかし代償はあまりにも大きかった。
息子は父を救うために戦い、
その戦闘で致命傷を負って命を落とす。
正気へ戻ったルイジェルドの目の前に残ったのは、
自分を救って死んだ息子と、自分が殺した家族や同族だった。
現在ルイジェルドが使う三叉槍も、
この息子へつながる特別な武器である。
スペルド族は幼少期に持つ尾が成長と共に硬質化し、
やがて身体から離れて本人専用の三叉槍となる。
そのため槍は単なる装備ではなく、持ち主自身の一部に近い。
ルイジェルドは、
息子が残した槍を手にしてラプラス軍へ反旗を翻う。
魔槍へ支配されていた同族を救おうと戦い、
ラプラス戦役が終わった後も、
生き残ったスペルド族と一族の名誉を探し続けることになる。
だから彼が子供へ異常なほど厳格な保護意識を持つことも、
息子の最期まで知ればつながって見える。
かつて自分を救うため子供を死なせた男が、
今度はどんな状況でも子供を死なせない側へ回った。
ルーデウスやエリスへの接し方にも、この過去が常に残っている。
スペルド族への恐怖は、戦争の記憶だけでなくラプラスが残した呪いで増幅された
スペルド族が数百年たっても異常なほど嫌われているのは、
過去の虐殺だけでは説明しきれない。
ラプラスは魔槍を通じてスペルド族へ強い恐怖を抱かせる呪いを残し、
緑色の髪や額の宝石を見ただけで、
人々が本能的に忌避しやすい状態を作っていた。
そのため善行を積んでも、
スペルド族だと分かった瞬間に相手が逃げ出す。
ルイジェルドが何百年と旅を続けても評判が簡単には変わらなかったのは、
本人たちの過去だけではなく、
人々の感情そのものへ働きかける要素まで残っていたからである。
第1期の旅でルーデウスが、
ルイジェルドの髪を剃らせたり正体を伏せたりするのもそのためだ。
本人の善良さを説明する前に相手が逃げてしまえば、
名誉回復の機会そのものが生まれない。
まず普通の人間として接してもらう工夫が必要だった。
だからスペルド族の名誉回復は、
一度善行をすれば終わるような話ではない。
ラプラス戦役の虐殺、魔槍による狂戦士化、長年積み上がった伝承、
さらに恐怖を増幅する呪いまで重なっている。
ルイジェルドはそれら全部を、一人で数百年かけて背負い続けてきたのである。
第3章 ルイジェルドはどれほど強い?第三の眼・三叉槍・索敵能力
額の第三の眼で周囲を立体的に把握し、奇襲をほとんど許さない
ルイジェルドの強さは、単純な腕力や槍術だけではない。
額にある第三の眼によって周囲の状況を広範囲に把握でき、
視界の外にいる敵や接近してくる魔物の気配まで早い段階で察知する。
魔大陸のように強力な魔物が徘徊する土地でも、
ルーデウスとエリスが不意打ちを受けにくかったのは、この索敵能力が大きい。
第1期第9話以降の旅では、
ルーデウスがまだ敵の存在へ気づいていない段階でルイジェルドだけが足を止め、
進行方向や周囲を確認してから二人へ警戒を促す場面が何度もある。
戦闘が始まってから強いのではなく、
戦闘になる前に危険を察知できるところがスペルド族の厄介さである。
そのため夜営でも、
通常の冒険者なら交代で見張りを置かなければ危険な場所を、
ルイジェルドがいるだけで安全性が大きく変わる。
第三の眼と長年の戦闘経験が組み合わさることで、
敵の数、距離、接近方向を素早く判断して先手を取れる。
さらにルイジェルド自身は、
ラプラス戦役を生き抜いた数百年単位の実戦経験を持つ。
魔物の種類を見て攻撃方法を判断し、
真正面から倒すか、避けるか、ルーデウスへ魔術を撃たせるかを即座に選ぶ。
第三の眼が高性能でも、それを使いこなす経験がなければ同じ強さにはならない。
だから魔大陸編のルイジェルドは、
三人の中で明確に護衛兼指揮役として機能している。
ルーデウスが魔術火力を担当し、エリスが剣士として成長していく一方、
ルイジェルドは敵を発見し、間合いを管理し、危険なら自分が先に出る。
デッドエンドが少人数でも生き残れた中心には、この索敵能力がある。
三叉槍は単なる武器ではなく、スペルド族の身体から生まれる専用武器
ルイジェルドが使う三叉槍も、
普通の鍛冶屋で買った武器ではない。
スペルド族は幼少期に尾を持って生まれ、
成長するとその尾が硬質化して身体から離れ、
本人専用の槍として生涯使われる。
つまり三叉槍は、
剣士が店で武器を買い替えるのとは全く違う。
生まれた時から自分と一緒に成長してきた身体の一部であり、
槍の長さ、重さ、扱い方まで本人へ馴染んでいる。
そのためスペルド族の槍術は、武器と身体が一体化した戦い方になる。
ルイジェルドの場合、
現在使っている槍には実の息子との記憶まで重なっている。
ラプラスの魔槍へ支配されていた父を止めるため、
息子は自分の命を懸けて戦い、
その後ルイジェルドは息子へつながる槍を手に贖罪の旅へ出る。
だから彼が三叉槍を簡単に手放さないのは、
戦いやすいからだけではない。
自分を正気へ戻して死んだ息子の存在と、
二度と同じ過ちを繰り返さないという覚悟まで一緒に持ち歩いている。
武器そのものがルイジェルドの過去を背負っている。
実戦ではこの槍を高速で振り回し、
魔物の急所を正確に貫き、複数の相手にも間合いを維持したまま対応する。
エリスが力任せに突っ込もうとする場面では、
ルイジェルドが敵との距離や動きを見せながら戦い方を教える。
槍術だけでなく「戦場を見る技術」まで含めて強い戦士である。
通常の冒険者とは別格だが、オルステッドを前にすると力の差がはっきり出る
ルイジェルドの強さが逆に分かりやすくなるのが、
第1期第21話「ターニングポイント2」でのオルステッドとの遭遇である。
それまで魔大陸の魔物や冒険者を相手にほとんど怯まなかったルイジェルドが、
龍神オルステッドを前にした瞬間、
明らかに普段とは違う緊張を見せる。
オルステッドがルーデウスへ近づくと、
ルイジェルドは危険を察知して即座に前へ出る。
しかし槍を構えて迎撃しても、
オルステッドはスペルド族の熟練した動きを難なく処理し、
ルイジェルドを短時間で戦闘不能へ追い込む。
この場面はルイジェルドが弱いのではない。
普段なら圧倒的な強者として描かれてきた人物を一瞬で退けることで、
オルステッドがさらに別次元にいることを示している。
通常の冒険者や魔大陸の魔物を基準にすれば、
ルイジェルドは依然として最上位級の実戦者である。
つまりルイジェルドの強さは、
単純な順位だけで測るより役割を見る方が分かりやすい。
第三の眼で危険を察知し、三叉槍で敵を制圧し、
長年の経験で仲間へ最適な動きを指示する。
一人で旅を続けてきた戦士として完成度が非常に高いのである。
第4章 ルイジェルドはなぜ子供を守る?息子を失った過去が今の生き方につながる
子供を守ることへ異常なほど厳しいのは、自分の息子を死なせた過去があるから
ルイジェルドが子供へ危害を加える者を強く嫌うのは、
単に正義感が強いからではない。
ラプラスの魔槍へ精神を支配されていた時代、
自分自身が家族と同族を襲い、
最後には実の息子まで死なせてしまった経験が根にある。
魔槍に侵食されたルイジェルドは、
敵兵と家族の区別さえできない状態へ陥っていた。
そこで息子が父を止めるため正面から立ち向かい、
狂気の元だった魔槍を折ることでようやく正気を取り戻させる。
しかしその戦いで、息子自身は命を落とした。
正気へ戻ったルイジェルドが見たのは、
自分を救うため死んだ息子と、自ら殺した家族や仲間だった。
大人である自分が守るべき子供に逆に救われ、
その子供だけを死なせてしまった。
この経験が数百年経っても消えていない。
だからルイジェルドにとって、
「大人は子供を守るもの」という考えは軽い道徳ではない。
自分が一度できなかったことを、
今度こそ絶対に破らないための誓いに近い。
ルーデウスやエリスへ厳しく接する時も、この過去が基準になっている。
第1期の旅でも、利益より子供の安全を優先してルーデウスと何度も衝突する
デッドエンド結成後、
ルーデウスは一刻も早く中央大陸へ戻るため効率を重視する。
冒険者ランクを上げ、金を稼ぎ、
スペルド族の評判まで同時に変えようとして策を巡らせる。
しかしルイジェルドは、そのために弱者を危険へ晒すことを認めない。
特に依頼を利用して利益を得ようとした場面では、
ルーデウスが状況を計算し過ぎたことで人命が危険へ近づく。
ルイジェルドは結果だけでなく、
助けられる相手を意図的に危険へ置いた判断そのものへ怒り、
ルーデウスへ厳しい態度を取る。
ルーデウスから見れば、
旅を成功させるためには金も冒険者ランクも必要で、
多少の駆け引きは避けられない。
一方ルイジェルドには、
子供や弱者を交換条件に使う発想そのものが受け入れられない。
この衝突があることで、
二人は単なる護衛と依頼人ではなくなる。
ルイジェルドはルーデウスの判断へ口を出し、
危険な考え方なら正面から止める。
旅を続ける中で父親や年長者に近い立場へ変わっていく。
エリスに対しても同様で、
戦闘訓練では甘やかさず、
敵の動きを見てから攻撃することや、
自分より強い相手へ無謀に飛び込まないことを繰り返し教える。
守るとは戦わせないことではなく、生き残れる戦士に育てることだと考えている。
オルステッド戦では、自分が勝てない相手でもルーデウスを守るため前へ出る
第1期第21話では、
ルイジェルドの「子供を守る」という姿勢が最も直接的に表れる。
龍神オルステッドを見た時点で、
自分より遥かに危険な相手だと本能的に理解している。
それでもルーデウスが狙われると迷わず前へ出る。
勝算があるから戦ったのではない。
普段のルイジェルドなら相手の力量を冷静に見極め、
勝てない戦闘なら退路を探す判断もできる。
しかしあの場では後ろにルーデウスとエリスがいるため、
自分が壁になる方を選ぶ。
結果としてオルステッドには圧倒され、
ルーデウスも胸を貫かれて瀕死になる。
ルイジェルドの力だけでは守り切れなかったが、
危険だと分かっていても子供を見捨てないという行動は、
彼が数百年守ってきた生き方そのものだった。
ここには亡くした息子の姿も重なる。
かつては子供が父を救うため命を投げ出した。
だから現在のルイジェルドは、
今度は自分が先に立って子供を守る。
同じ構図を逆転させるように生き続けている。
つまりルイジェルドが子供へ厳しく、同時に深く守ろうとするのは、
優しい性格だからというだけではない。
息子を失った後悔と、守れなかった家族への罪を抱え、
二度と子供を自分の前で死なせないと決めている。
その覚悟が、ルーデウスとエリスを守る旅の根本にあるのである。
第5章 ルーデウスとルイジェルドはどんな関係?護衛から家族に近い仲間へ
第1期第9話では護衛役だったが、三年間の旅で互いに本音をぶつける関係へ変わる
ルーデウスとルイジェルドの関係は、
第1期第9話で魔大陸へ転移した直後から始まる。
当時のルーデウスにとってルイジェルドは、
世界中で「デッドエンド」と恐れられる危険なスペルド族であり、
最初から安心して背中を預けられる相手ではなかった。
それでもルイジェルドは、
目覚めたルーデウスとエリスへ水と食料を与え、
中央大陸まで送り届けると約束して旅へ同行する。
魔大陸の魔物を先に察知し、自分が前へ出て戦い、
二人が眠る夜も周囲を警戒して安全を確保していく。
一方ルーデウスも、
世界の偏見とは違うルイジェルド本人の姿を知るにつれ、
スペルド族の名誉回復へ協力しようと考える。
冒険者パーティ名をあえて「デッドエンド」とし、
善行と実績を積み上げて恐怖の名前そのものを書き換えようとする。
もちろん旅の途中では何度も衝突する。
ルーデウスは効率、金銭、冒険者ランクを計算して行動し、
危険を利用してでも利益を取ろうとすることがある。
対してルイジェルドは、子供や弱者を危険へ置く判断を認めず、
必要ならルーデウス本人へ正面から怒りを向ける。
この衝突があるから、
二人は単なる護衛と依頼人ではなくなっていく。
ルイジェルドはルーデウスを守るだけでなく、
間違った判断をした時には止め、戦士として認めた時には任せる。
父親や年長の兄に近い立場で成長を見続けるようになる。
ミリスではルーデウス自身がスペルド族の評判を変えようと動く
二人の信頼が分かりやすく出るのが、
第1期のミリス到着後である。
ルーデウスは旅の途中で助けた人々へ、
ルイジェルドが本当に恐ろしい魔族なのかを自分の目で見てほしいと考え、
スペルド族の評判を変えるため具体的な行動へ出る。
原作ではミリシオン周辺の村で、
ルイジェルドを模した石像まで利用して宣伝を試みる。
「スペルド族は善行を積みながら旅をしている」と説明し、
ルイジェルド本人へ感謝している人々から、
一族全体への偏見も少しずつ変えられないか試している。
当然、一度助けられただけで数百年の悪評が消えるわけではない。
村人からも、ルイジェルド個人には感謝しているが、
それだけで魔族全体への印象までは変わらないという反応が返る。
それでもルーデウスは、
最初から不可能だと諦めるより一つずつ実績を残す方を選ぶ。
この頃にはルイジェルドの名誉回復は、
本人だけの問題ではなくなっている。
ルーデウスも旅の仲間として一緒に背負い、
どうすれば恐怖より先に善行を知ってもらえるかを考える。
最初は怖がっていたスペルド族のため、自分から頭を使うようになっている。
フィットア領で別れる時、ルイジェルドは二人を「守る子供」ではなく戦士として送り出す
三年間に及ぶ旅の終着点で、
ルイジェルドはフィットア領の難民キャンプを目前に突然足を止める。
ルーデウスとエリスがまだ一緒に進むつもりでいる中、
「俺はここで別れる」と告げ、
中央大陸まで送り届けるという自分の役目が終わったことを伝える。
ルーデウスはせめて町の中まで一緒に来てほしいと頼み、
エリスも明らかに別れを惜しむ。
しかしルイジェルドは、
そこにいるのはもう守らなければならない子供ではなく、
自分の力で進める戦士だと判断して離れる。
その時ルーデウスは、
魔大陸から三年間ここまで来られたのはルイジェルドがいたからだと感謝する。
ルイジェルドも中央大陸で生き残ったスペルド族を探すつもりだと話し、
ルーデウスが名誉回復を手伝うと約束すると、
今度は自分もゼニス捜索を続けると返す。
さらに別れ際、
ルイジェルドはロキシーからルーデウスへ渡ったミグルド族のペンダントを返そうとする。
しかしルーデウスは「大切なものだから」と、
むしろルイジェルドに持っていてほしいと伝える。
旅の護衛へ渡す報酬ではなく、再会を約束するような贈り物へ変わっている。
最後にルイジェルドは、
ルーデウスとエリスへ「また会おう」と告げて一人で歩き出す。
出会った時には恐怖の対象だった男が、
別れる頃には二人にとって旅の仲間であり師であり、
家族に近い存在へまで変わっていたのである。
第6章 ルイジェルドはその後どうなる?スペルド族の村との再会
別れた後も一人で同族を探し続け、ついにビヘイリル王国でスペルド族へ辿り着く
ルーデウスたちと別れた後、
ルイジェルドは再びスペルド族の生き残りを探す旅へ戻る。
数百年間、一族の名誉回復だけでなく、
自分以外にも生存者がいるのではないかと各地を歩いてきたが、
長い間まとまった同族集団を見つけることはできなかった。
ところが原作後半、
ノルンとアイシャをルーデウスのもとへ届けた後、
再び旅へ出たルイジェルドの前にバーディガーディが現れる。
バーディガーディはスペルド族の生き残りがいる場所を知っていると告げ、
半信半疑のルイジェルドをビヘイリル王国へ案内する。
そこから数年をかけ、
二人は帰らずの森と地竜の谷の奥へ進み、
外界から隔絶された場所で暮らすスペルド族の村へ辿り着く。
ルイジェルドは過去のラプラス戦役について謝罪し、
同族からも受け入れられて、ようやく一族の中で生活を始める。
ルーデウスが後に村を訪れた時、
そこにいたルイジェルドは昔と全く違う姿に見える。
魔大陸で出会った頃は、ミグルド族の村に身を寄せても本質的には一人だった。
ところが今は複数のスペルド族に囲まれ、
同じ緑髪と第三の眼を持つ仲間たちの中で自然に立っている。
ルーデウス自身もその姿を見て、
長年探し続けていたものをようやく見つけたのだと感じる。
スペルド族の名誉を一人で背負い続けた男が、
初めて自分以外の同族と一緒に未来を考えられるようになった。
数百年続いた孤独が、ここで初めて終わる。
ところが村では疫病が広がり、ルイジェルド自身も感染しながら治療法を探していた
同族との再会は、
そのまま平穏な生活へつながったわけではない。
スペルド族の村では原因不明の疫病が発生し、
風邪に似た初期症状から全身の力が抜け、
額の第三の眼まで濁り、最終的には命を落とす者が出始める。
ルイジェルド自身も感染している。
身体は震え、本来の戦闘力を出せない状態になりながら、
倒れていく同族を放置せず治療法を探すため村の外へ出る。
第二都市イレルまで足を運び、
行商人から入手した薬を持ち帰って村人へ使っている。
ここでも彼の行動は、
第1期でルーデウスとエリスを守った時と変わらない。
自分が病気なら休むのではなく、
守るべき相手がいるなら自分の身体を後回しにする。
ただし今度の相手は旅で出会った子供ではなく、数百年探し続けた同族である。
そしてルーデウスが村へ到着すると、
昔とは逆にルーデウス側がルイジェルドとスペルド族を助ける立場へ回る。
かつて魔大陸で一方的に守られていた少年が、
今度は家族と仲間を持つ大人として、
恩人の一族を救うため動くことになる。
この再会によって、
二人の関係が過去だけの思い出ではなかったことも分かる。
何年離れていてもルイジェルドはルーデウスを信用し、
村の族長から「この人族を信用できるのか」と聞かれると、
迷わず信用できると答える。
一族の名誉回復は、個人の善行から「スペルド族が生き残る未来」へ変わっていく
第1期のルイジェルドは、
自分一人で善行を続ければいつかスペルド族の評判が変わると考えていた。
だから人を助け、子供を守り、
「スペルド族にも善人がいる」と少しずつ示そうとする。
しかし一人だけでは一族そのものを未来へ残すことはできない。
ビヘイリル王国で同族を発見したことで、
目的は大きく変わる。
今度は自分の名誉だけではなく、
目の前にいるスペルド族の村を守り、
子供たちや次世代へ一族をつなぐことが重要になる。
しかもスペルド族の第三の眼は、
後に復活する魔神ラプラスへ対抗する上でも重要になる。
ラプラス戦役で利用され、一族を滅ぼしかけた種族が、
次の時代では逆にラプラスへ立ち向かう側へ回る可能性を持つ。
ルイジェルドの長い贖罪も、ここで未来へ向かう役割へ変化する。
だからルイジェルドのその後は、
「ルーデウスたちと別れてどこかへ消えた」で終わらない。
数百年探し続けたスペルド族と再会し、
病に倒れかけた一族を守りながら、
ようやく自分自身も同族の中で生きられる場所を手に入れるのである。
第7章 ルイジェルドの最後は?ノルンとの関係とスペルド族の未来
ここからは原作後半の重大ネタバレになる。
ルイジェルドは、ルーデウスたちとの旅が終わった後も死亡せず、
数百年探し続けたスペルド族の生き残りと合流し、
やがて一族の中で新しい生活を始める。
「デッドエンド」として孤独に歩き続けた時代は、そこで大きく変わっていく。
さらにルイジェルドの人生には、
ルーデウスの妹ノルン・グレイラットが深く関わるようになる。
ノルンは以前からルイジェルドへ強い敬意を抱いており、
魔大陸を生き抜いて兄を守った戦士としてだけでなく、
一人の人間としても彼を信頼している。
原作後半で再会した後、
ノルンはスペルド族の村でルイジェルドと行動を共にする。
ルイジェルドの後ろを付いて歩き、
村の暮らしやスペルド族について学びながら、
かつてのルーデウスやエリスと同じように彼の背中を見る立場になる。
ただしノルンは、
第1期のルーデウスたちのような幼い保護対象ではない。
自分で考え、自分で決める年齢になった上でルイジェルドのそばに残る。
そこで二人の関係は、
護衛と子供ではなく、互いを選ぶ男女の関係へ変わっていく。
ノルンと結婚し、かつて失った家族をもう一度持つ
原作では最終的に、
ルイジェルドとノルンは結婚する。
年齢差だけを見れば非常に大きいが、
長命種であるスペルド族と人族では時間の感覚そのものが違い、
物語上もノルンが成長した後に関係が進んでいる。
この結婚が重いのは、
ルイジェルドが過去に妻と息子を失っているからである。
ラプラスの魔槍へ支配され、
自分自身の手で家族と同族を傷つけ、
最後には息子まで自分を救うため死なせてしまった。
それ以降のルイジェルドは、
家族を作ることより贖罪を優先して生きてきた。
スペルド族の名誉回復、同族探し、子供を守る旅を続け、
自分の幸福へ意識を向ける場面はほとんどない。
数百年間、自分は報われなくても構わないような生き方を続けている。
その男がノルンと結婚し、
再び家族を持つところまで進む。
これは恋愛関係が一つ成立したというだけではなく、
過去を失ったまま止まっていたルイジェルドの人生が、
ようやく未来へ向き直ったことを示す出来事になる。
ノルン側にとっても、
ルイジェルドは単なる憧れの英雄ではなくなる。
無口で頑固で、子供へ厳しく、
自分のことより一族を優先する不器用な男を知った上で、
その人生へ一緒に入る方を選んでいる。
スペルド族の血も未来へ続き、「絶滅寸前の種族」で終わらなくなる
ルイジェルドが同族の村へ辿り着いたことで、
スペルド族そのものにも未来が生まれる。
それまでのルイジェルドは、
自分以外の同族がどこにいるかも分からず、
一族がこのまま消えてしまう可能性まで背負っていた。
しかしビヘイリル王国には、
外界から隔絶されながらも生き残っていたスペルド族が存在した。
そこには大人だけでなく次世代もおり、
ルイジェルド一人の善行ではなく、
一族全体を残していく道が初めて見えてくる。
ノルンとの結婚も、
その未来と無関係ではない。
ルイジェルド自身が家族を持つことで、
「過去の罪を背負って滅びを待つ戦士」から、
次の世代へ何かを渡す側へ変わっていく。
かつてラプラスは、
スペルド族へ魔槍を与えて狂戦士へ変え、
一族そのものを破滅寸前まで追い込んだ。
しかし数百年後、ルイジェルドは同族へ戻り、
今度は一族を守り未来へ残す側に立っている。
だからスペルド族の物語も、
「恐れられた魔族」で終わらない。
ラプラス戦役で失った名誉を少しずつ取り戻し、
ルーデウスやノルンたち人族との関係まで生まれ、
かつて断絶しかけた一族が再び未来へ続いていく。
ルイジェルドの人生は、悪魔と呼ばれた戦士が再び家族を得るまでの物語
第1期第9話でルーデウスが初めて見たルイジェルドは、
緑髪と第三の眼を持ち、
「デッドエンド」と呼ばれる恐怖そのもののような存在だった。
しかし実際には、転移した子供二人へ水を与え、
故郷まで送り届けるため自分の旅を止めた男だった。
その後も魔大陸で二人を守り、
エリスへ戦い方を教え、
ルーデウスの危険な判断には本気で怒り、
オルステッドのような勝てない相手を前にしても、
自分が先に立って子供を守ろうとする。
そこまで子供へ執着する背景には、
ラプラスの魔槍で正気を失い、
自分の家族と同族を傷つけ、
最後に息子へ救われながら、その息子を死なせた過去がある。
現在の優しさは、数百年消えなかった後悔の裏返しでもある。
だからルイジェルドの強さを、
第三の眼や三叉槍だけで語ると核心から外れる。
本当に変わらなかった強さは、
自分が一度失敗した「誰かを守る」という行動を、
何百年経っても諦めなかったところにある。
そして最後には、
数百年探したスペルド族の仲間を見つけ、
ノルンと結婚し、再び家族を持つ。
一族を滅ぼしかけた過去だけを背負って終わるのではなく、
自分自身も未来の中へ入っていく。
ルイジェルドとは、
世界から悪魔と呼ばれた最強級のスペルド族でありながら、
実際には家族を失った罪を背負い、子供を守り続け、
ルーデウスたちとの旅で少しずつ一族の印象を変え、
最後には同族と新しい家族の中で生きる場所を取り戻した戦士なのである。
無職転生Ⅲまとめ
『無職転生Ⅲ』の記事を、第3期の放送範囲・ナナホシと転移事件・ペルギウスと空中城塞・未来ルーデウス・オルステッド・魔導鎧・エリスとの再会・ルーデウスの家族などに分けてまとめています。
ルーデウス、エリス、シルフィ、ロキシー、ナナホシ、ペルギウス、オルステッド、ゼニス、アリエル、クリフ、エリナリーゼなど、気になる人物や物語の謎はこちらから探せます。
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