白夜旅団は、エリーティアの兄ヨハンが率いる29人の大規模探索者集団で、後には五番区序列1位まで上り詰める。
アニエスら複数パーティを抱え、呪われた色銘武器まで集める強豪だが、その裏では秘神と契約し、ヨハン自身がある目的のため五番区に留まり続けていた。
エリーティアが白夜旅団を離れた過去から始まり、やがてアリヒトたちとの「神戦」へつながるため、白夜旅団は序盤の因縁が後半の大きな対立へ育っていく組織である。
第1章 白夜旅団とは何?ヨハンが率いる五番区序列1位の大規模探索者集団
白夜旅団は29人で構成され、複数パーティを抱えて五番区まで進んだ強豪旅団
白夜旅団は、
エリーティアの兄ヨハン・セントレイルが団長を務める大規模な探索者集団。
普通のパーティが数人単位で迷宮へ入るのに対し、
白夜旅団は後に29人もの団員を抱え、
複数のパーティを一つの組織として動かしている。
アニメ第9話では、
エリーティアが自分の過去を話し始めたことで、
兄ヨハンと白夜旅団の存在が一気に重くなる。
それまでは「エリーティアが昔いた集団」という見え方だったが、
実際には五番区でも名前を知られるほど大きな勢力へ成長している。
白夜旅団という名前が具体的な姿を持つのは、
五番区でのスタンピード鎮圧後の場面が分かりやすい。
アリヒトたちが治療を受けている医療所のロビーへ、
白を基調とした外套を着た探索者たちが現れる。
その人数は一度に14人。
エリーティアは彼らを見た瞬間、明らかに表情を変える。
その14人は、
白夜旅団の第二パーティと第三パーティ。
先頭には亜麻色の髪を三つ編みにしたアニエスがいて、
エリーティアも彼女が第二パーティを率いる人物だと知っている。
つまり白夜旅団は、
ヨハン一人と数人の仲間だけで動く組織ではない。
しかも第二・第三パーティは、
直前に起きたスタンピードの鎮圧へ参加している。
第8話では「凪の砂海」から大量の魔物があふれ、
デスストーカーやデミハーピィまで街へ迫る。
アリヒトたちも住民を守るため総力戦へ入り、
五番区全体が巻き込まれる大混乱になった。
そこで白夜旅団の一部も、
自分たちの探索とは別に街の防衛へ出ている。
エリーティア自身も、
アニエスについて「団長とは違う考えで動いている」と話す。
白夜旅団全員が、
ヨハンと同じ考え方だけで固まった集団ではないこともここで分かる。
一方で第一パーティは、
スタンピード鎮圧には参加していない。
そのためアリヒトから見ても、
白夜旅団は単純に善悪で割り切れない。
街を守る団員もいる。
エリーティアを気に掛ける者もいる。
それでも組織の最終判断を握るのは団長ヨハンになる。
後にヨハン自身が名乗る場面では、
白夜旅団は29名で構成されていることが明かされる。
さらに五番区まで進んだ探索者なら、
その名前を知らない者はいないほどの存在になる。
最終的には五番区序列1位。
エリーティアが離れた後も、
白夜旅団は止まらず上位勢力まで登っていった。
「旅団」だからこそ強い一方、一人の願いより組織全体の判断が優先される
白夜旅団の強さは、
単純に人数が多いことだけではない。
前衛。
回復役。
特殊技能を持つ探索者。
色銘武器の使い手。
役割の違う人間を複数のパーティへ分け、
必要な場所へ投入できることが大きい。
しかし、
その規模の大きさがエリーティアとの決裂にもつながった。
彼女の親友ルウリィが赫灼たる猿侯との戦いで残された時、
エリーティアは助けに戻ろうとした。
自分だけでも戻る。
まだ助けられる。
そう考えた彼女を止めたのが兄ヨハンだった。
ヨハンから見れば、
一人を助けるために疲弊した旅団全体を危険へ戻すことはできない。
猿侯は五番区の熟練探索者でさえ、
積極的な討伐を避けるほど危険な相手。
後に白夜旅団のソウガも、
猿侯へ手を出すこと自体を止めた方がいいと警告している。
白夜旅団は、
生き残るために多くを守る。
エリーティアは、
目の前の一人を置いていけない。
この違いが、
同じ組織にいた兄妹を別々の道へ進ませる。
だから白夜旅団は、
単なる「強い冒険者ギルド」のような存在ではない。
人数が多く、
上位区へ進む力もあり、
団長の判断で全体が動く。
その強さと引き換えに、
個人の願いが通らない厳しさも持っている。
アリヒトたちのパーティとの違いも、
ここを見ると分かりやすい。
エリーティアがルウリィを助けたいと言った時、
アリヒトたちはそれを彼女だけの問題として切り離さない。
危険なのは承知で、
仲間全員が救出へ向かう方法を考える。
白夜旅団では、
旅団を守るために一人を残した。
アリヒトたちは、
一人を取り戻すために仲間が集まる。
どちらも迷宮で生きるための選択だが、
目指している形はかなり違う。
そして後になるほど、
白夜旅団はさらに大きな存在になっていく。
五番区序列1位。
29人の団員。
複数の色銘武器。
さらに秘神との契約まで加わる。
最初はエリーティアの過去に出てきた名前が、
物語後半ではアリヒトたちの前へ立つ大きな勢力へ変わる。
白夜旅団とは何かと聞かれたら、
答えは「ヨハンが率いる強豪旅団」だけでは足りない。
エリーティアが離れた過去。
ルウリィを置いていった決断。
五番区序列1位まで進んだ力。
その全部が後の対立へつながる組織なのである。
第2章 団長ヨハンは何者?エリーティアの兄が白夜旅団を率いるまで
転生前は法務官で、迷宮国でも相手の行動を縛る特殊な技能を選んでいる
白夜旅団を知るうえで、
団長ヨハン・セントレイルは外せない。
エリーティアの実の兄であり、
彼女が白夜旅団にいた頃から組織の中心に立つ人物。
ただ剣が強いだけではなく、
人を動かし、集団を支配する力を持っている。
転生前のヨハンは、
法務官の仕事をしていた。
迷宮国へ来てからも、
最初に選んだ技能はその経歴を思わせるもの。
相手へ「一定時間、特殊攻撃をしてはいけない」といった制限を掛け、
行動そのものへ影響を与えることができる。
普通の剣士なら、
相手より速く斬る。
強い攻撃を当てる。
そうした勝ち方が中心になる。
しかしヨハンは、
敵が使える選択肢を先に減らす。
団長として多数を率いる戦い方とも相性がいい。
武器も普通ではない。
ヨハンが持つのは、
色銘武器の一つ「群青の礼剣」。
白夜旅団は色銘武器を複数集めており、
アニエスが持つ紫色の杖、
シロネが装備できなかった双剣なども確認されている。
エリーティアの緋の帝剣も、
同じように強い力を持つ特別な武器。
だからヨハンは後に、
エリーティアが赫灼たる猿侯へ挑もうとした時、
妹の命だけではなく剣まで失われることを強く警戒する。
ここにヨハンらしい見方が出ている。
アリヒトたちがヨハンと直接向き合った時、
彼はエリーティアが猿侯へ敗れ、
魔物の従僕になる可能性を口にする。
さらに剣を使えないなら、
ここで回収しておきたいとまで言う。
妹を心配している部分はある。
しかし同時に、
貴重な武器を敵へ渡したくないという判断も混ざっている。
アリヒトはそこに反発する。
エリーティアは今、
自分たちのパーティの一員。
彼女にはルウリィを救うために
やらなければならないことがある。
家族ならそれを否定しないでほしいと、
ヨハンの前へ出て伝える。
するとヨハンは、
アリヒトがエリーティアの剣に
戦力として魅力を感じているのかと問い返す。
ここでアリヒトは、
剣だけではなくエリーティア本人が大切な仲間だと返す。
兄と現在の仲間の見方が、
はっきり分かれる場面になる。
ヨハンが変わったことで、エリーティアやアニエスとの間にも少しずつ亀裂が生まれる
エリーティアの記憶では、
昔からヨハンが今と同じ人物だったわけではない。
白夜旅団で迷宮を進むうちに、
少しずつ周囲を自分の思う通りへ動かそうとする面が強くなった。
その変化を、
妹のエリーティア自身が感じている。
五番区へ来たばかりの頃、
エリーティアは第三パーティの一員として
「神秘の湖畔」を探索している。
当時レベル7だった彼女は、
そこで戦いを重ねてレベル8へ上がる。
その傍には治癒師ルウリィがいた。
ルウリィは、
ヒールウィンドでエリーティアの傷を癒し、
前衛を支えていた。
ところがヨハンは、
ルウリィの治癒技能を頼ろうとせず、
自分でポーションを使って回復することも多かった。
エリーティアには、
その態度が理解できなかった。
さらに旅団の古参だったシロネへの扱いでも、
ヨハンの厳しさが出る。
色銘武器に選ばれず、
旅団内で自分の役割を失うことを恐れたシロネは追い詰められていく。
アニエスは、
長く旅団へ尽くしてきたシロネを
なぜそこまで追い込んだのかとヨハンへ問い掛けている。
アニエスは副団長でありながら、
ヨハンと同じ考えだけで動く人物ではない。
第8話のスタンピードでも、
第二パーティを率いて街の鎮圧へ参加している。
第9話以降につながるエリーティアの過去でも、
ヨハンとは違う位置から仲間を見ていることが分かる。
つまり白夜旅団の中でも、
ヨハンの判断が全員から当然のものとして受け入れられているわけではない。
ルウリィを残したこと。
シロネを追い詰めたこと。
エリーティアが離れたこと。
大きな組織を維持する一方で、
ヨハンの周囲では少しずつ人が離れていく。
それでもヨハンは、
白夜旅団を五番区序列1位まで押し上げる。
だから厄介でもある。
冷たい判断をするだけの無能な団長なら、
29人もの探索者はついてこない。
迷宮攻略で結果を出し、
色銘武器を集め、
上位探索者の集団を作るだけの実力と統率力は確かにある。
エリーティアにとって、
だからこそ兄を簡単には嫌い切れない。
昔の兄を知っている。
強さも知っている。
家族だった時間もある。
しかし今のヨハンが選ぶ答えには、
もう従うことができない。
ヨハンは白夜旅団を強くした。
その一方で、
エリーティアはそこを離れた。
この二つは矛盾していない。
組織として強くなることと、
一人一人がそこに居続けたいと思えることは別だからだ。
白夜旅団の正体を追うと、
結局このヨハンという人物へ戻ってくる。
29人を率いる団長。
色銘武器を集める探索者。
妹を心配しながらも剣の価値を見る兄。
そして後には秘神と契約した旅団を率い、
アリヒトたちの前へ立つ人物になるのである。
第3章 白夜旅団のメンバーは誰?副団長アニエスと第二・第三パーティ
白夜旅団はヨハン一人で動く集団ではなく、複数の実力者が各パーティを率いている
白夜旅団という名前だけを見ると、
ヨハンが強い探索者を集めただけの一団にも見える。
しかし実際には、
第二パーティ、第三パーティまで役割が分かれ、
それぞれが別行動できるほど大きな組織になっている。
その姿が分かりやすく出るのが、
五番区で起きたスタンピードの後。
「凪の砂海」から魔物があふれ、
アリヒトたちも街の防衛へ加わった直後、
白夜旅団の探索者たちが医療所へ現れる。
そこでエリーティアが目にしたのは、
白い外套をまとった14人。
一つのパーティだけではない。
第二・第三パーティがまとまって動いており、
白夜旅団が複数の班を持つことが一目で分かる場面になっている。
その中心にいるのがアニエス。
亜麻色の髪を三つ編みにした女性で、
白夜旅団では副団長格として動く。
ヨハンの命令をそのまま伝えるだけの人物ではなく、
自分で状況を見て判断するところが大きい。
スタンピードの時も、
アニエスたちは街を守る側へ回っている。
デミハーピィやデスストーカーが出る危険な状況でも、
第二・第三パーティは鎮圧へ参加。
白夜旅団の名前があるから安全な場所に残ったわけではない。
ここでエリーティアも、
アニエスは兄ヨハンとは少し違うと見ている。
団長の考えを全部そのまま受け入れるのではなく、
目の前で助けが必要なら動く。
白夜旅団の中にも、
ヨハン以外の考え方が残っていることが分かる。
またアニエスは、
旅団内で追い詰められたシロネのことも気に掛けている。
シロネは長く白夜旅団にいた探索者だが、
色銘武器へ適合できず、
自分の役割を失うことを恐れるようになっていく。
その時、
アニエスはヨハンへ疑問を向ける。
長く一緒に戦った仲間を、
役割がなくなったからと簡単に切っていいのか。
ここでも、
ヨハンとアニエスでは仲間を見る位置が違う。
白夜旅団は強い。
だから全員が同じ思想で動いている。
そういう集団ではない。
むしろ大きいからこそ、
団長の判断へ違和感を持つ者もいる。
ソウガやリンファたちも戦力で、白夜旅団は「人数だけ多い組織」ではない
白夜旅団には、
アニエス以外にも実戦経験のある探索者がいる。
その一人がソウガ。
エリーティアやアリヒトたちが
赫灼たる猿侯へ挑もうとした時、
相手の危険度を知っている側として止めようとする。
猿侯は、
五番区の探索者から見ても簡単に触れていい相手ではない。
エリーティアがルウリィを救うために再戦を望んでも、
ソウガは無茶だと判断する。
ここからも、
白夜旅団が上位迷宮の危険を実体験として知っていることが分かる。
リンファも、
白夜旅団のメンバーとして名前が出る人物。
旅団内には剣士だけでなく、
異なる役割を持つ探索者が配置されている。
大人数でありながら、
前衛だけを集めた力押しの集団ではない。
さらに白夜旅団は、
色銘武器を複数所有している。
ヨハンの群青の礼剣だけではない。
アニエスは紫色の杖を持ち、
シロネに関わる双剣も存在する。
特殊な装備を扱える人間が、
組織の中へ集められている。
エリーティア自身も、
かつてはその一人だった。
緋の帝剣を持ち、
第三パーティで前衛を務めている。
五番区へ来た頃にはまだレベル7だったが、
「神秘の湖畔」で戦いながらレベル8まで上がっている。
そこでは、
ルウリィが治癒役としてエリーティアを支えていた。
前でエリーティアが敵を受け、
後ろからルウリィがヒールウィンドを使う。
白夜旅団の中にも、
確かに仲間同士で助け合っていた時期があった。
だから後にルウリィを置いて撤退した一件が重い。
最初から冷たい集団なら、
エリーティアもここまで引きずらない。
同じパーティで戦い、
助けてもらった経験があるからこそ、
自分だけ逃げたことが残り続ける。
白夜旅団のメンバーを見ると、
組織そのものの見え方も変わる。
ヨハンだけがすべてではない。
アニエスのように街を守る者がいる。
ソウガのように危険を知って止める者がいる。
エリーティアやルウリィが同じ隊で戦っていた時期もある。
それでも最終的には、
団長ヨハンの判断が組織を動かす。
個々の探索者には別の考えがあっても、
旅団として進む方向はヨハンが決める。
この構造が、
後に白夜旅団そのものを大きな対立へ導いていく。
第4章 白夜旅団はどれくらい強い?五番区序列1位になった実力
探索回数が多くなくても、一度動けば大きな成果を出して序列1位を維持している
白夜旅団の強さを考える時、
まず分かりやすいのが五番区での序列。
ここで白夜旅団は、
数ある探索者集団の中でも序列1位まで上がっている。
単に名前が知られているだけではない。
しかも特徴的なのは、
毎日のように迷宮へ入って数を稼ぐ集団ではないこと。
探索回数そのものは多くない。
それでも一度動けば、
大きな成果と貢献度を持ち帰る。
だから上位を維持できる。
これは少人数の冒険者パーティとはかなり違う。
29人もの団員がいれば、
全員で同じ迷宮へ入る必要はない。
第一パーティは別の探索を進め、
第二・第三パーティは街の防衛へ出る。
状況に合わせて戦力を分けられる。
第8話のスタンピードでも、
この厚みが見える。
街へ大量の魔物が流れ込み、
アリヒトたちが住民を守っている間、
白夜旅団の第二・第三パーティも鎮圧へ参加する。
14人を一度に出しても、
旅団全部ではない。
普通のパーティなら、
14人動けばほぼ総戦力。
白夜旅団は違う。
それだけの人数を街へ回しながら、
まだ第一パーティが別に存在している。
組織としての体力が大きい。
さらにヨハン自身も、
単なる指揮官ではない。
相手の行動へ制限を掛ける特殊技能を持ち、
群青の礼剣まで扱う。
団長が後方で命令するだけではなく、
本人も戦闘に入れる。
アニエスにも色銘武器があり、
エリーティアも緋の帝剣を使っていた。
つまり白夜旅団は、
特殊な装備を持つ探索者が複数いる。
人数と装備、
その両方がそろっている。
五番区で序列1位になれたのは、
一人の英雄だけに頼っていないからでもある。
誰か一人が倒れたら終わる形ではない。
複数の班があり、
それぞれが独立して任務を進められる。
これが旅団としての強さになる。
エリーティア級の前衛や色銘武器を抱え、危険な迷宮へ踏み込める層の厚さがある
エリーティアが白夜旅団にいた頃から見ても、
前衛の質は高い。
彼女自身、
緋の帝剣を持つカースブレードで、
五番区へ来た時点ですでに高い戦闘力を持っていた。
そのエリーティアが一構成員として入っていた。
「神秘の湖畔」の探索では、
エリーティアが前衛へ立ち、
ルウリィが回復を担当する。
戦いを重ねる中でレベル7から8へ上昇。
白夜旅団は、
危険な迷宮へ入って経験を積ませられるだけの環境を持っていた。
一方で、
強いから何でも倒しに行くわけではない。
赫灼たる猿侯に対しては、
ソウガがはっきり危険視している。
白夜旅団ほどの集団でも、
無理に触れない相手がいることを知っている。
ここも実戦的な強さ。
強い敵を見つけたら全部倒すのではなく、
勝てない相手を見極める。
損失が大きいなら撤退する。
ルウリィを残した判断も、
この考え方の延長にある。
エリーティアからすれば、
そこが許せなかった。
でも旅団として見れば、
大人数を長く生き残らせるには必要な判断でもある。
白夜旅団の強さは、
火力だけではなく損失を避ける厳しさにも支えられている。
そして後になるほど、
色銘武器の存在が重くなる。
ヨハンの群青の礼剣。
アニエスの紫色の杖。
エリーティアの緋の帝剣。
特殊な力を持つ武器が、
旅団の中へ複数集まっている。
この時点で、
普通の探索者集団からかなり離れている。
強い団員を集める。
特殊な武器も集める。
上位迷宮へ挑む。
それでも序列1位になった後、
すぐ次の区へ進まない。
ここから、
白夜旅団が単純に「もっと上へ行きたい集団」ではないことが見えてくる。
強さを得ること自体が最終目的ではない。
五番区に残り、
迷宮を巡り、
色銘武器まで集め続けている。
だから白夜旅団の強さを語る時、
五番区序列1位という数字だけでは足りない。
29人の層。
複数パーティ。
ヨハンやアニエスの色銘武器。
スタンピードへ14人を出せる余力。
危険な相手から退く判断。
これらが重なって、
白夜旅団は五番区でも別格の勢力になっている。
そしてその力を何のために使おうとしているのか。
そこを追うと、
次に色銘武器と秘神の話へつながっていく。
第5章 なぜ白夜旅団は色銘武器を集める?ヨハンの群青の礼剣とのつながり
ヨハン自身が群青の礼剣を持ち、旅団内には特殊な色銘武器が複数集まっている
白夜旅団を追っていくと、
単に強い探索者を集めているだけではなく、
色銘武器そのものをかなり重く見ていることが分かる。
団長ヨハンが持つ「群青の礼剣」もその一つで、
普通の剣とは違う特殊な力を持つ武器として扱われている。
白夜旅団には、
ヨハン以外にも色銘武器に関わる人物がいる。
副団長アニエスは紫色の杖を持ち、
エリーティアもかつては緋の帝剣を持つ前衛として所属していた。
さらにシロネが装備できなかった双剣まであり、
旅団の中へ複数の色銘武器が集まっている。
ここまでそろうと、
偶然拾った武器をそのまま使っているだけとは考えにくい。
白夜旅団は迷宮を進みながら、
意識して色銘武器を探している。
五番区序列1位まで上がった後も、
すぐ上の区へ進まず迷宮を巡り続けていることも、
その行動とつながってくる。
色銘武器は、
単純に攻撃力が高い装備ではない。
持ち主との相性があり、
特殊な能力を引き出せる一方で、
呪いや負担を抱えることもある。
エリーティアの緋の帝剣も、
強い代わりに扱う本人へ危険が返ってくる武器だった。
だから白夜旅団で色銘武器を持つことは、
ただ高級装備を配られるのとは違う。
その武器を扱えるか。
力に耐えられるか。
旅団の中で戦力として使えるか。
ヨハンはそこまで見て、
人と武器を結び付けている。
シロネの件は、
その厳しさがかなり分かりやすい。
長く白夜旅団へいた彼女は、
色銘武器に選ばれず、
自分の役割を失っていくことへ強い不安を抱える。
戦えるかどうかだけではなく、
特別な武器を持てるかどうかまで立場に影響していく。
アニエスがヨハンへ疑問を向けたのも、
この部分だった。
長く一緒に迷宮へ入ってきた仲間なのに、
武器へ適合できないからと追い詰められていく。
アニエスには、
そこまでして色銘武器を重く見るヨハンのやり方が受け入れにくい。
一方のヨハンは、
感情だけで装備を決めない。
使える者に使わせる。
役割を果たせる者へ渡す。
旅団全体の戦力を最大まで高める。
その考え方は、
ルウリィを残した時の判断ともよく似ている。
白夜旅団の中では、
一人の思いより組織全体の成果が優先されやすい。
色銘武器も同じ。
誰が欲しいかではなく、
誰が使えるか。
誰に持たせれば旅団が強くなるか。
ヨハンはその方向から見ている。
五番区序列1位になっても迷宮を巡り続ける行動が、単なる装備集めではないことを示す
白夜旅団が不思議なのは、
五番区序列1位まで上がっているのに、
すぐ昇格して上へ進まないこと。
普通なら、
十分な貢献度と実力を得た時点で
次の区へ向かうことを考えるはず。
ところがヨハンたちは、
五番区に残り続ける。
探索回数そのものは多くない。
それでも一度迷宮へ入れば大きな成果を持ち帰り、
序列1位を保ったまま、
特定の場所を探すように迷宮を巡っている。
ここで色銘武器の存在が重くなる。
すでに群青の礼剣を持っている。
アニエスも紫色の杖を持っている。
それでも探索を止めない。
つまり欲しいのは、
ただ強い武器を一本増やすことだけではない。
後の展開まで見ると、
白夜旅団が集めている色銘武器は
秘神とのつながりを考えるうえでも重要になる。
ヨハンたちは、
迷宮で見つけた特殊装備を何となく集めていたのではなく、
より大きな目的へ向けて動いていたことが分かってくる。
この時点でアリヒトたちから見れば、
まだ全部は見えない。
五番区序列1位なのに上へ行かない。
色銘武器を複数持っている。
迷宮を何度も巡っている。
行動だけを見ると、
何かを探していることだけが浮かび上がる。
しかもヨハンは、
エリーティアの緋の帝剣についても強く意識している。
猿侯へ挑もうとする妹を止める時、
命だけでなく剣を失うことまで心配する。
ここでも、
色銘武器を単なる個人装備として見ていないことが分かる。
エリーティアからすれば、
兄が自分より剣を見ているように感じても無理はない。
ルウリィを助けたいという気持ちより、
戦力や装備の価値を先に見られる。
だからアリヒトが
「エリーティア本人が仲間だ」と返す場面が強く残る。
白夜旅団にとって色銘武器は、
強さの象徴であると同時に、
旅団の目的へ近づくための鍵でもある。
五番区へ残ること。
特定の迷宮を巡ること。
色銘武器を集めること。
この三つは別々ではなく、
少しずつ同じ方向へつながっていく。
そしてその先にあるのが秘神との契約。
白夜旅団が普通の探索者集団ではなくなっていくのは、
この色銘武器集めの先からなのである。
第6章 白夜旅団と秘神はどうつながった?普通の探索者集団ではなくなる
アニエスの口から、白夜旅団も秘神の加護を受ける契約者だと明かされる
白夜旅団の記事で、
後半まで読んだ時に一番驚くのは、
この集団が探索者だけで完結していないこと。
ヨハンたちは後に、
秘神と契約した側の存在として
アリヒトたちの前へ出てくる。
ここで重要なのがアニエス。
彼女はヨハンの部下でありながら、
団長の行動を全部肯定する人物ではない。
スタンピードでは街を守るために動き、
シロネの扱いにも疑問を持っていた。
そのアニエスから、
白夜旅団の裏側が少しずつ見えてくる。
アニエスが明かすのは、
白夜旅団も秘神から加護を受ける契約者だということ。
つまりヨハンたちは、
探索者として自分たちの力だけで動いているわけではない。
迷宮の奥に関わる存在と契約し、
その力や目的の影響を受けている。
ここまで来ると、
五番区序列1位なのに上へ進まない行動も見え方が変わる。
強さが足りないから残っているのではない。
昇格できないからでもない。
五番区に残ること自体が、
ヨハンたちの目的に必要だった可能性が高くなる。
色銘武器を集めていたことも同じ。
群青の礼剣。
紫色の杖。
緋の帝剣。
シロネに関わる双剣。
白夜旅団が特殊な武器へ執着していたことが、
秘神の存在とつながってくる。
アリヒトたちは、
自分たちも迷宮の中で
普通の魔物だけでは説明できない存在と関わってきた。
だから白夜旅団が秘神側だと分かった瞬間、
単なるライバル旅団では済まなくなる。
同じ五番区で順位を争う相手から、
迷宮そのものの争いへ入る相手に変わる。
しかも厄介なのは、
白夜旅団がすでに強いこと。
29人の団員がいる。
複数パーティを動かせる。
色銘武器がある。
ヨハン自身も特殊技能を持つ。
そこへ秘神の加護まで加わる。
アリヒトたちがこれまで相手にしてきた強敵は、
基本的に一体の魔物や迷宮の主が中心だった。
白夜旅団は違う。
人間の集団として考え、
役割分担し、
特殊装備まで使ってくる。
戦いになれば、
単純なボス戦とは別の怖さが出る。
エリーティアの昔の仲間が「神戦」の相手へ変わり、過去の因縁が現在の戦いへ戻ってくる
白夜旅団と秘神のつながりが重いのは、
アリヒトたちにとって強敵だからだけではない。
エリーティアにとっては、
昔の仲間や兄がいる場所。
そこが今度は、
現在のパーティとぶつかる側へ進んでいく。
最初の因縁は、
ルウリィを置いて撤退した一件だった。
エリーティアは戻ろうとした。
ヨハンは止めた。
そこで兄妹の道が分かれた。
第9話で語られる過去は、
まずこの傷から始まっている。
しかし白夜旅団は、
その時点で終わった昔の組織ではない。
エリーティアがアリヒトたちと進んでいる間にも、
ヨハンたちは別の目的で動き続ける。
そして秘神と契約したことで、
両者の道がもう一度近づいてくる。
これはエリーティアにとってかなり厳しい。
白夜旅団には、
完全に嫌い切れない相手もいる。
アニエスのように、
自分を気に掛けてくれる人物もいる。
昔一緒に迷宮へ入った仲間もいる。
だから戦うことになれば、
「敵だから倒す」で終われない。
兄ヨハンとの問題。
昔の仲間との記憶。
ルウリィを置いてきた過去。
全部を抱えたまま、
今の仲間の側へ立つことになる。
一方のアリヒトも、
白夜旅団を単なる悪の組織として見ない。
街を守った団員がいることを知っている。
アニエスがヨハンとは違う考えで動くことも知る。
だから誰とでも戦えばいいという答えにはならない。
それでも秘神の目的が、
アリヒトたちの守ろうとしているものとぶつかれば、
避け続けることはできない。
白夜旅団が何を探していたのか。
ヨハンがなぜ五番区へ残ったのか。
色銘武器をなぜ集めたのか。
その答えが少しずつ戦いの形になっていく。
ここで白夜旅団の記事が、
単なる組織紹介から大きく変わる。
序列1位の強豪。
エリーティアの元所属先。
ヨハンが率いる29人の旅団。
そこまでは表の顔。
その奥には、
秘神との契約がある。
色銘武器集めがある。
五番区へ残る目的がある。
そして最後には、
アリヒトたちとの神戦へつながっていく。
だから白夜旅団は、
序盤ではエリーティアの過去を知るための存在でも、
後半では物語そのものを動かす側へ変わる。
昔の仲間が現在の敵になる。
兄との決裂が神戦へまで続く。
そこまでつながるからこそ、
白夜旅団という名前は後からさらに重くなっていくのである。
第7章 白夜旅団は敵になる?ヨハンが五番区に残り続けた目的と神戦
五番区序列1位なのに上へ進まないのは、まだこの区で探しているものがあったから
白夜旅団を見ていて不自然なのは、
五番区序列1位まで上がっているのに、
すぐ上の区へ進もうとしないこと。
実力不足で足止めされているわけではなく、
ヨハンたちは自分たちの意思で五番区へ残っている。
しかも探索回数は多くない。
毎日のように迷宮へ入り、
貢献度だけを稼いでいる集団でもない。
必要な時に動き、
大きな成果を持ち帰る。
それでも同じ区の迷宮を何度も巡っている。
ここまでの行動をつなぐと、
白夜旅団が探していたのは
単なる宝箱や高価な装備ではないと分かってくる。
色銘武器を集める。
秘神と契約する。
五番区へ残る。
全部が一つの目的へ近づくための動きになっていく。
ヨハン自身も、
ただ強くなって上層へ行きたい人物ではない。
29人の旅団を率い、
五番区序列1位という位置を保ちながら、
自分たちに必要な迷宮へ入り続ける。
団長として最初から別の目標を見ている。
後にその狙いは、
アリアドネに関わる「心臓」へまで近づいていく。
ここまで来ると、
白夜旅団が五番区へ残っていたことも、
色銘武器を集めていたことも、
その場しのぎではなかったと見えてくる。
アリヒトたちにとっても、
白夜旅団は最初から敵だったわけではない。
スタンピードでは、
アニエスたち第二・第三パーティが街を守っている。
エリーティアを気に掛ける団員もいる。
だから簡単に敵味方へ分けられない。
それでもヨハンが進む先が、
アリヒトたちの守ろうとしているものと重なれば、
ぶつかるのは避けられない。
しかも相手は、
普通の一パーティではない。
五番区序列1位の29人。
秘神の契約。
色銘武器。
かなり厄介な相手になる。
エリーティアの過去に出てきた旅団が、最後にはアリヒトたちとの神戦へつながる
白夜旅団が面白いのは、
最初の登場と後半で
存在の重さがかなり変わるところ。
最初は、
エリーティアが昔いた旅団。
兄ヨハンが団長。
それくらいの情報から始まる。
第9話でエリーティアが過去を話すと、
白夜旅団は一気に身近になる。
親友ルウリィを迷宮へ残した。
エリーティアは戻ろうとした。
ヨハンに止められた。
その結果、
妹は旅団を離れた。
ここだけ見れば、
兄妹の過去を作った組織にも見える。
しかし物語が進むと、
白夜旅団自身が今も動き続けていることが分かる。
エリーティアの過去が終わっていないのと同じように、
旅団の目的も終わっていない。
アリヒトたちが五番区へ進み、
白夜旅団と再び距離を縮めるほど、
昔の出来事と現在の戦いが重なっていく。
ヨハンがいる。
アニエスがいる。
昔の仲間がいる。
そこへ今の仲間たちを連れて向き合うことになる。
エリーティアにとっては、
かなり重い場面になる。
昔なら、
兄の判断に逆らって一人で戻ろうとした。
今は違う。
アリヒトがいる。
スズナがいる。
仲間全員が、
彼女の問題を自分たちの問題として受け止めている。
だから神戦へ進んだ時、
本当に問われるのは
白夜旅団が強いかどうかだけではない。
エリーティアが、
昔の兄の側へ戻るのか。
それとも今の仲間を選ぶのか。
その答えが戦いの中ではっきりしていく。
そしてアリヒトにとっても、
ヨハンは単なる強敵ではない。
エリーティアを剣として見る兄と、
本人を仲間として見る自分。
二人は、
エリーティアへの向き合い方からすでに違っている。
そこへ秘神まで加われば、
白夜旅団との対立は
個人的な兄妹喧嘩では終わらない。
迷宮国そのものに関わる争いになり、
アリアドネの心臓を巡る戦いへ広がっていく。
白夜旅団とは何か。
その答えは、
「ヨハンが率いる強い探索者集団」だけでは足りない。
エリーティアの過去を作った場所であり、
五番区序列1位の大規模旅団であり、
秘神と契約した勢力でもある。
そして最後には、
過去の仲間と今の仲間が向き合う場所になる。
最初は一つの固有名詞だった白夜旅団が、
物語が進むほど
エリーティアとアリヒトの現在へ食い込んでくる。
そこまで続くからこそ、
白夜旅団は後半でも重要な存在なのである。


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