PR

【天幕のジャードゥーガル】トルイ死亡後、ソルコクタニは実際どうなる?四人の息子とその後

【天幕のジャードゥーガル】
記事内に広告が含まれています。

トルイが1232年に亡くれた後、ソルコクタニは夫を失って表舞台から消えるのではなく、モンケ・クビライ・フレグ・アリクブケの四人の息子を守りながら、トルイ家を次のモンゴル帝国中枢へつないでいく。
オゴタイからグユクとの再婚を求められても、四人の息子を育てることを優先して拒否。さらにバトゥとの関係を築き、長男モンケが1251年に第4代大カアンへ即位する流れへつながる。
つまりトルイの死は一家の終わりではなく、ソルコクタニが母として一族を守り、息子たちが帝国を動かしていく時代の入口になる。

  1. ★第1章 トルイ死亡後、ソルコクタニは実際どうなる?
    1. 夫を失ってもソルコクタニはトルイ家を守り続ける
    2. 四人の息子が後のモンゴル帝国を動かす中心人物になる
  2. ★第2章 トルイが死んだ時、四人の息子はどうなった?
    1. モンケ(長男)・クビライ(次男)・フレグ(三男)・アリクブケ(四男)がソルコクタニに残された
    2. 父を失った四兄弟を育てることが母の大きな役目になる
  3. ★第3章 ソルコクタニはグユクと再婚したのか?
    1. オゴタイから再婚を求められてもソルコクタニは受け入れなかった
    2. 四人の息子を育てることを選んだことでトルイ家のまとまりが残った
  4. ★第4章 ソルコクタニは夫亡き後どうやって一族を守った?
    1. トルイから受け継いだ領地と人々を管理しながら家の基盤を残した
    2. 息子を育てるだけでなく政治と家政の中心に立っていた
  5. ★第5章 ソルコクタニとバトゥはなぜ結び付く?
    1. グユクの動きをバトゥへ知らせたことで関係が深まる
    2. バトゥの支持がモンケ(長男)擁立の大きな力になる
  6. ★第6章 モンケ(長男)が大カアンになるとトルイ家はどう変わる?
    1. 1251年、モンケ(長男)が第4代大カアンへ即位する
    2. 父トルイの死から約十九年後、帝国の中心がトルイ家へ移る
  7. ★第7章 ソルコクタニの四人の息子はその後どうなる?
    1. モンケ(長男)とクビライ(次男)は大カアン、フレグ(三男)は西アジアへ進む
    2. アリクブケ(四男)まで帝位を争い、四兄弟がモンゴル世界を分ける存在になる

★第1章 トルイ死亡後、ソルコクタニは実際どうなる?

トルイ死亡後のソルコクタニはどうなる?

時期 ソルコクタニとトルイ家
1232年 トルイが死亡。ソルコクタニはモンケ(長男)・クビライ(次男)・フレグ(三男)・アリクブケ(四男)を抱える
夫の死後 再婚して別の家へ入らず、トルイ家の領地・家臣・四兄弟を守る
政治面 オゴタイ家と正面衝突を避けながら、バトゥとの関係を築いていく
1251年 モンケ(長男)が第4代大カアンへ即位し、トルイ家が帝国の中心へ進む
その後 クビライ(次男)・フレグ(三男)・アリクブケ(四男)も各地で巨大な勢力を持つ

夫を失ってもソルコクタニはトルイ家を守り続ける

トルイが亡くれた後、
ソルコクタニはそのまま力を失って消えていくわけではない。
むしろここから、
夫の妻としてではなく、
四人の息子を抱えたトルイ家の中心人物として生きる時間が始まる。

アニメ第10幕では、
オゴタイが重い病に倒れ、
その身代わりになるようにトルイが祈祷の水を飲む。
兄が死ねば帝国が分裂する。
自分は戦うことしかできない。
そう考えたトルイは、
自分の命と引き換えるように兄を救う道を選ぶ。

その直後、
元気を取り戻していくオゴタイとは反対に、
トルイの身体は急激に崩れていく。
ソルコクタニのもとへ戻った時には、
すでに取り返しのつかない状態。
夫を迎えたソルコクタニは、
突然一家の柱を失うことになる。

しかも失ったのは夫だけではない。
トルイはチンギス・カンの末子で、
帝国でも屈指の軍事力を持つ人物。
その存在自体が、
妻と子供たちを守る巨大な盾になっていた。

第10幕でソルコクタニが弱い立場へ追い込まれるのは、
その盾が一夜で消えたから。
ボラクチンから書物を求められても、
正面から拒絶する余裕がない。
ここで争えば、
次に狙われるのは自分や息子たちかもしれない。

だから彼女は、
トルイに関わる大切な書物まで手放す。
夫を失った直後だけを見れば、
これは完全な敗北にも見える。
トルイ家は終わった。
そう感じても不思議ではない。

ところが史実のその後を見ると、
実際には正反対の方向へ進む。
ソルコクタニは、
トルイ家を潰さない。
残された領地と人々を守り、
四人の息子が成長できる基盤を残していく。

トルイが生きていた頃は、
前面へ出るのは夫。
戦場で勝ち、
軍事力によって一家の存在感を示していた。
夫の死後は、
その役割を同じ方法で引き継ぐことはできない。

ソルコクタニ自身が、
大軍を率いて敵を倒すわけではない。
代わりに、
急いで敵を作らない。
一族を分裂させない。
領地と財産を維持する。
息子たちが成長するまで時間を稼ぐ。

この選択が、
後から非常に大きな力になる。
トルイが死んだ1232年の時点では、
一家は父親を失った弱い立場。
しかし約二十年後、
その家からモンゴル帝国の頂点へ立つ人物が現れる。

それがモンケ(長男)。
1251年、
モンケ(長男)は第4代大カアンとなる。
つまりトルイの死によって終わったように見えた一族が、
後にはオゴタイ家から大カアンの座を奪う側へ回る。

さらに、
モンケ(長男)一人だけではない。
クビライ(次男)。
フレグ(三男)。
アリクブケ(四男)。
トルイとソルコクタニの息子たちは、
それぞれ別の場所でモンゴル世界を大きく動かしていく。

だからトルイ死亡後のソルコクタニを、
「夫を失った可哀想な妻」で止めると、
その後の歴史をほとんど見落としてしまう。

第10幕で彼女が失ったものは大きい。
夫。
軍事的な後ろ盾。
さらに書物まで差し出す。
それでも、
最も大切な四人の息子は残っている。

ソルコクタニは、
その四人を守ることで未来を残した。
トルイの死は、
トルイ家の終わりではない。
むしろ父親の力へ頼れなくなった一家を、
母親が自分の判断で支えていく始まりになる。

四人の息子が後のモンゴル帝国を動かす中心人物になる

ソルコクタニのその後が特別なのは、
守った子供たちが、
後世の歴史で全員大きな名前を残すところにある。

モンケ(長男)。
クビライ(次男)。
フレグ(三男)。
アリクブケ(四男)。
この四人はいずれも、
チンギス・カンの孫であり、
トルイとソルコクタニの息子になる。

中でも最初に帝国の頂点へ立つのがモンケ(長男)。
父トルイの死から約十九年後、
1251年に大カアンへ即位する。
この出来事によって、
帝国の中心はオゴタイ家からトルイ家へ大きく移っていく。

クビライ(次男)も、
後に兄モンケ(長男)のもとで中国方面を任される。
さらにモンケ(長男)死亡後には、
アリクブケ(四男)と大カアンの座を争い、
最終的にはクビライ(次男)が勝つ。

そのクビライ(次男)が、
後の元朝へつながっていく人物。
日本史で元寇を学んだ時に出てくるフビライ・ハンが、
ソルコクタニの息子になる。

フレグ(三男)は西へ向かう。
イランやイラク方面へ遠征し、
バグダードまで陥落させる。
その後のイル・ハン国へつながる大きな勢力を作っていく。

アリクブケ(四男)も、
ただ兄たちの陰へ隠れる人物ではない。
モンケ(長男)が死んだ後、
クビライ(次男)と大カアンの座を争うほどの支持を集める。

つまりソルコクタニが育てた四人は、
一人だけ成功した兄弟ではない。
東アジア。
中央アジア。
西アジア。
広大なモンゴル世界の各地へ影響を広げていく。

第10幕の段階では、
そこまでの未来はまだ見えない。
トルイは死ぬ。
ソルコクタニは打ちのめされる。
息子たちも父を失った子供として残される。

しかし史実を知った状態で見ると、
この場面の印象は大きく変わる。
目の前ではトルイ家が崩れたように見える。
その天幕にいる子供たちが、
後に帝国の中心へ上がっていく。

だからトルイ死亡後のソルコクタニを追うと、
「夫を失った後どう暮らしたのか」
だけでは終わらない。

なぜ四兄弟が生き残れたのか。
なぜトルイ家が消えなかったのか。
そして、
なぜ後にモンケ(長男)やクビライ(次男)が大カアンへ進めたのか。

その入口に、
ソルコクタニがいる。

★第2章 トルイが死んだ時、四人の息子はどうなった?

ソルコクタニに残された四人の息子

息子 後の立場
モンケ(長男) 1251年に第4代大カアンへ即位し、トルイ家を帝国の中心へ押し上げる
クビライ(次男) 中国方面を支配し、後に大カアンとなって元朝を築く
フレグ(三男) 西アジアへ遠征し、後のイル・ハン国につながる勢力を築く
アリクブケ(四男) モンゴル本土で支持を集め、クビライ(次男)と大カアンの座を争う

モンケ(長男)・クビライ(次男)・フレグ(三男)・アリクブケ(四男)がソルコクタニに残された

トルイ死亡後、
ソルコクタニに残された最大の財産は、
金銀でも書物でもない。
四人の息子たちになる。

モンケ(長男)。
クビライ(次男)。
フレグ(三男)。
アリクブケ(四男)。
父親を失った時点で、
この四兄弟がトルイ家の未来そのものになった。

トルイは、
チンギス・カンの末子として巨大な軍事力を持っていた。
父チンギスの死後も、
兄オゴタイを支える中心人物。
金国遠征でも戦場へ立ち、
兄を軍事面から支えている。

だからトルイがいる間、
息子たちは父親の威光の下にいられる。
チンギスの血を引くことだけでなく、
現在進行形で強大な力を持つ父がいる。
それ自体が大きな安全保障だった。

しかし1232年、
その父親が突然いなくなる。
四兄弟は、
チンギス・カンの孫ではあっても、
自分たちだけで政治を動かせる段階ではない。

ここでソルコクタニが崩れれば、
トルイ家そのものが弱体化する。
別の家へ吸収される。
息子たちが別々に扱われる。
そうなれば、
後のモンケ(長男)やクビライ(次男)へ続くまとまりも失われかねない。

だから夫の死後、
ソルコクタニはまず四人を一族として守る。
父を失った子供を育てるというだけではない。
チンギス・カンの巨大な一族の中で、
「トルイの息子たち」という一つの勢力を残していく。

モンゴル帝国では、
血筋だけで大カアンになれるわけではない。
チンギスの子孫は多い。
オゴタイ家。
チャガタイ家。
ジョチ家。
それぞれに有力な王族がいる。

その中でトルイ家が生き残るには、
息子たちが成人するまで、
家そのものを維持しなければならない。
この期間を支えた存在が、
ソルコクタニになる。

第10幕のソルコクタニが、
ボラクチンへ正面から反発しない姿も、
ここへつなげて見ることができる。
夫を失った直後に戦えば、
勝てる保証がない。
自分だけならまだしも、
四人の息子まで危険へ晒す。

ならば、
今は譲る。
書物も渡す。
屈辱も飲み込む。
それでも子供たちを残す。

この判断が、
後に大きく効いてくる。

父を失った四兄弟を育てることが母の大きな役目になる

ソルコクタニは、
トルイ死亡後に再婚して別の家へ入る道もあり得た。
当時のモンゴル王族では、
夫を失った女性が、
夫の一族の別の男性と再婚すること自体は特別ではない。

実際、
オゴタイはソルコクタニへ、
自分の息子グユクとの再婚を求めたと伝えられている。
グユクは、
後に第3代大カアンになる人物。
政治的に見れば、
非常に大きな縁談になる。

しかしソルコクタニは、
この再婚を受け入れなかった。
その際に示したのが、
トルイとの間に生まれた四人の息子を育てること。

ここでグユクと再婚していれば、
彼女自身はオゴタイ家へさらに近づく。
しかし、
トルイ家としての独立したまとまりは弱くなる可能性がある。

ソルコクタニは、
夫を失った後も、
自分を「トルイの家」から切り離さなかった。
四人の息子を育て、
夫から受け継いだ人々や財産を管理し、
次の世代へ渡す。

この選択があるから、
モンケ(長男)たちはそれぞれ成長していく。

モンケ(長男)は、
やがて政治と軍事の両方で存在感を高める。
クビライ(次男)も中国方面へ進む。
フレグ(三男)は西方遠征を担う。
アリクブケ(四男)はモンゴル本土側で大きな支持を持つようになる。

四人とも同じ人物には育っていない。
進む方向も違う。
それでも、
「トルイの息子」という基盤が崩れず残った。

その基盤を維持したのがソルコクタニだった。

特に大きいのは、
彼女が子供たちをただ隠して守っただけではないこと。
将来、
帝国を背負える人物へ育てていく。
複数の宗教や文化へも寛容で、
息子たちにも広い世界を見せた人物として伝えられている。

その結果、
四兄弟は父トルイと同じ道だけを歩まない。
父は戦場で巨大な功績を残した。
息子たちは、
その軍事的な血筋を受け継ぎながら、
それぞれ別の地域と政治を動かす。

アニメ第10幕で、
トルイがソルコクタニのもとへ戻る場面は悲しい。
夫婦として見れば、
そこで二人の時間は終わる。

しかし一族の歴史として見ると、
終わっていない。
ソルコクタニの周囲には、
トルイとの間に生まれた子供たちが残る。

そして約二十年後、
その一人モンケ(長男)が帝国の頂点へ立つ。
さらにクビライ(次男)、
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)も、
モンゴル世界を分けるほど巨大な存在になる。

だからトルイの死後、
ソルコクタニが最初に守ったものは、
現在の権力ではなく未来だったと言える。

今すぐボラクチンへ勝つことではない。
今すぐオゴタイ家へ復讐することでもない。
四人を生かす。
育てる。
トルイ家を残す。

その選択が積み重なった先に、
モンケ(長男)の即位と、
クビライ(次男)たちの時代が待っている。

★第3章 ソルコクタニはグユクと再婚したのか?

ソルコクタニがグユクとの再婚を断った流れ

トルイ死亡
ソルコクタニは四人の息子を抱えた未亡人になる
オゴタイから再婚の話
後に第3代大カアンとなるグユクとの再婚を求められる
ソルコクタニは再婚を断る
モンケ(長男)・クビライ(次男)・フレグ(三男)・アリクブケ(四男)の養育を優先
トルイ家を一つの家として残す
四兄弟が成長するまで家のまとまりと基盤を維持する

オゴタイから再婚を求められてもソルコクタニは受け入れなかった

トルイを失ったソルコクタニには、
夫を亡くした悲しみだけでなく、
その後どの家に属して生きるのかという問題まで待っていた。
そこで持ち上がったのが、
オゴタイの息子グユクとの再婚だった。

グユクは、
後に第3代大カアンとなる人物。
オゴタイ家の中心へつながる王子であり、
ソルコクタニが再婚すれば、
彼女自身は強い後ろ盾を得られる立場でもあった。

トルイ死亡直後の状況だけを見れば、
この縁談には現実的な利点もある。
夫という軍事的な盾を失った。
まだ成長途中のモンケ(長男)、
クビライ(次男)、
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)を抱えている。

さらにモンゴル帝国の中には、
オゴタイ家、
チャガタイ家、
ジョチ家など、
チンギス・カンの子孫を中心とした複数の勢力がある。
その中で未亡人となったソルコクタニが、
一人でトルイ家を維持することは簡単ではない。

だからこそ、
グユクと再婚してオゴタイ家へ近づく道は、
身の安全だけを考えれば魅力的にも見える。
しかしソルコクタニは、
その道を選ばなかった。

再婚を求められた際、
ソルコクタニは、
子供たちが一人前になるまで養育し、
互いに離れてばらばらにならず、
兄弟がまとまって生きられるようにしたいという考えを示したと伝えられている。

ここで彼女が守ろうとしているのは、
自分自身の地位ではない。
モンケ(長男)、
クビライ(次男)、
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)という四兄弟のまとまりになる。

もしソルコクタニがグユクと再婚すれば、
彼女はオゴタイ家の中へさらに深く入る。
しかし四兄弟は、
トルイの子供として一つの家を形成するより、
オゴタイ家の政治へ組み込まれる可能性が高くなる。

ソルコクタニはそこを避けた。
夫トルイは死んだ。
それでも、
トルイが残した家まで消す必要はない。
父親を失った四兄弟が、
一つの家族として成長する時間を優先した。

この選択は、
後の歴史を知るとさらに大きく見える。
モンケ(長男)は第4代大カアンになる。
クビライ(次男)も後に大カアンとなる。
フレグ(三男)は西アジアへ巨大な勢力を築く。
アリクブケ(四男)はクビライ(次男)と帝位を争う。

つまりソルコクタニが守った四人は、
後に帝国を分けるほどの人物へ成長する。
再婚を断った時点では、
そこまで未来が決まっていたわけではない。
それでも彼女は、
目の前の強い家へ入るより、
自分の息子たちを育てる道を選んだ。

アニメでトルイとソルコクタニの関係を見てきた後だと、
この選択はさらに重く感じられる。
トルイが死んだことで夫婦の時間は終わる。
しかしソルコクタニは、
夫との間に残された四兄弟を通して、
トルイ家そのものを次代へ残していく。

四人の息子を育てることを選んだことでトルイ家のまとまりが残った

ソルコクタニの再婚拒否は、
単なる夫への貞節だけで見ると足りない。
重要なのは、
四兄弟を別々にしないという意志まで示していること。

モンゴル帝国の王族に生まれれば、
兄弟だから自動的に仲良くできるわけではない。
帝位。
領地。
軍隊。
婚姻。
それぞれが巨大な権力へつながるため、
同じ父を持つ兄弟でも対立する可能性がある。

実際、
後にはクビライ(次男)とアリクブケ(四男)が、
モンケ(長男)の死後に大カアンの座を巡って争うことになる。
だからソルコクタニが、
子供たちが互いに離れて憎み合わないように育てたいと考えたことは、
決して小さな家庭内の話ではない。

四兄弟が幼い時点から離れ離れになり、
別々の勢力へ取り込まれていれば、
トルイ家としてまとまる前に、
それぞれ違う政治勢力の一員になっていた可能性もある。

ソルコクタニは、
そこを防ぐ時間を作った。
モンケ(長男)だけを後継者として守るのではない。
クビライ(次男)、
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)まで含め、
トルイの子供たちを一つの家として残す。

この部分は、
後のモンケ(長男)即位にもつながっていく。
モンケ(長男)が大カアン候補として立った時、
背後には単独の王子ではなく、
トルイ家というまとまりがある。

さらにクビライ(次男)とフレグ(三男)は、
モンケ(長男)が大カアンとなった後、
それぞれ中国方面と西方へ大きな役割を与えられる。
兄弟が全員同じ場所に残るのではなく、
成長後には広大な帝国の別々の地域へ進んでいく。

幼い時は一つにまとめる。
成長した後は、
それぞれの能力を別の場所で生かす。
ソルコクタニが守ったのは、
単なる同居生活ではなく、
四兄弟がそれぞれ力を持てるところまで育つための基盤だった。

トルイ死亡直後には、
ソルコクタニは守られる側に見える。
しかし再婚を断る場面まで進むと、
少し印象が変わる。
誰かの家へ入って自分を守ってもらうのではなく、
自分が四兄弟を守る側へ回っている。

それはトルイがいた頃とは、
まったく違う強さになる。
剣も軍隊も使わない。
しかし、
家を分裂させない。
息子を奪われない。
将来まで残る形を選ぶ。

トルイ死亡後のソルコクタニを知るうえで、
この再婚拒否は大きな転換点になる。
夫を失った女性が次の夫を探す話ではない。
トルイ家を誰が支えるのかという問題に対し、
ソルコクタニ自身が答えを出した場面になる。

★第4章 ソルコクタニは夫亡き後どうやって一族を守った?

夫亡き後、ソルコクタニが守ったもの

守ったもの ソルコクタニの動き
四人の息子 別々の家へ取り込まれないよう、トルイの子供として育てる
領地と民 トルイから残された領地や人々を管理し、一家の経済的な基盤を残す
家臣 感情的な反発を抑え、オゴタイ家との全面衝突を避ける
人脈 帝国内の有力者との関係を切らず、後のモンケ(長男)擁立につなげる
将来 目先の争いより、四兄弟が成長して力を持つまで時間を稼ぐ

トルイから受け継いだ領地と人々を管理しながら家の基盤を残した

ソルコクタニが四兄弟を守れたのは、
母として子供たちのそばにいただけではない。
トルイ死亡後、
彼女は夫が残した領地や人々を管理する立場まで担っていく。

チンギス・カンが直接支配していた多くの民は、
末子相続の慣習によってトルイ家へ受け継がれていた。
トルイが死ぬと、
その管理を担ったのがソルコクタニになる。

つまり彼女が守っていたのは、
モンケ(長男)、
クビライ(次男)、
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)の生活だけではない。
彼らが将来王族として立つための人々、
領地、
財産、
家臣まで含めたトルイ家全体だった。

ここで難しい問題も起きる。
オゴタイは、
ソルコクタニが管理していた民の一部を、
自分の息子グユクへ与えようとする。
トルイ家の家臣たちは当然反発する。

家臣側から見れば、
父チンギスからトルイへ渡ったものを、
なぜ別の家へ差し出さなければならないのか。
直接抗議すべきだという声も出る。

しかしソルコクタニは、
その場でオゴタイへ正面から反旗を翻さない。
家臣たちを抑え、
大カアンであるオゴタイの意向を受け入れる方向へ動く。

ここだけを見ると、
弱腰にも見える。
自分の家の財産を削られている。
それでも争わない。
しかし当時の力関係を考えると、
無用な衝突を避けること自体が一族を守る手段だった。

夫トルイはもういない。
モンケ(長男)たちも、
まだ帝国の中心を握れる段階ではない。
ここでオゴタイ家と全面対決すれば、
トルイ家そのものが危険になる。

だから一部を譲ってでも、
残りを守る。
すべてを取り返そうとして、
家全体を失わない。
この慎重さが、
ソルコクタニの行動に何度も現れる。

アニメ第10幕で、
ボラクチンへ書物を渡す姿とも重なる。
本当は渡したくない。
しかし今争えば、
自分と子供たちがさらに危険になる。
ならば、
今は引く。

目の前では損をする。
でも家そのものは残す。
この判断を続けることで、
トルイ家は時間を得る。

その時間の中で、
モンケ(長男)は成長する。
クビライ(次男)も育つ。
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)も、
それぞれ王族として力を持つ年齢へ近づいていく。

トルイが戦場で敵を倒して家を守ったとすれば、
ソルコクタニは、
敵を増やさず時間を残すことで家を守った。
同じ一家を守る行動でも、
二人の方法は大きく違う。

息子を育てるだけでなく政治と家政の中心に立っていた

ソルコクタニが後世まで高く評価されるのは、
四人の有名な息子を生んだ母だからだけではない。
夫を失った後も、
自分自身でトルイ家を維持できるだけの判断力を持っていたからになる。

領地を管理する。
家臣をまとめる。
オゴタイ家との衝突を避ける。
子供たちを育てる。
さらに帝国内の有力者との関係も切らさない。

一つ判断を誤れば、
四兄弟の未来まで変わる。
だからソルコクタニは、
感情だけで動かない。

トルイの死後、
オゴタイ家を憎んでもおかしくない。
兄オゴタイを救うために、
夫トルイが命を落としたように見える。
その後もトルイ家の民をグユクへ渡す話まで出る。

それでも、
すぐ復讐には向かわない。
モンケ(長男)たちが成長する前に戦えば、
一家が潰れる可能性が高いからだ。

ここでソルコクタニが優先するのは、
自分の感情より一族の存続。
トルイの死を無駄にしないためにも、
四兄弟が生き残り、
将来へ進める状態を作る。

そして彼女は、
宗教や文化についても比較的広い視野を持っていた人物として知られる。
自身はネストリウス派キリスト教徒だったが、
イスラム教や仏教など、
別の信仰を持つ人々にも寛容だったと伝えられている。

この環境で育ったことは、
クビライ(次男)たちの後の統治を見る時にも興味深い。
広大な帝国には、
モンゴル人だけが住んでいるわけではない。
中国人。
ペルシア人。
イスラム教徒。
仏教徒。
さまざまな民族と信仰が存在する。

四兄弟が後に別々の地域を治めるようになることを考えると、
幼い頃から一つの価値観だけへ閉じなかったことにも大きな意味がある。

モンケ(長男)は帝国全体の大カアンへ進む。
クビライ(次男)は中国を中心とした政治へ深く入る。
フレグ(三男)は西アジアへ向かう。
アリクブケ(四男)はモンゴル本土側に大きな基盤を持つ。

母が守った一つの家から、
まったく違う地域へ向かう四人が生まれる。
その出発点にあるのが、
トルイ死亡後も家を崩さなかったソルコクタニの時代になる。

だから夫亡き後の彼女を、
「四人の子供を育てた母」とだけ見ると足りない。
母であり、
トルイ家の財産管理者であり、
家臣をまとめる中心であり、
帝国内の力関係を読みながら一家を守る人物だった。

アニメ第10幕では、
トルイを失った直後のソルコクタニが描かれる。
そこでは、
大切なものを次々と奪われていく女性に見える。

しかし史実のその後まで知ると、
あの場面は終着点ではない。
一度は引く。
耐える。
子供を守る。
家を残す。

そしてその家から、
モンケ(長男)とクビライ(次男)という二人の大カアンまで生まれる。
ソルコクタニが守り切ったトルイ家は、
やがてモンゴル帝国の中心そのものへ近づいていく。

★第5章 ソルコクタニとバトゥはなぜ結び付く?

ソルコクタニとバトゥの関係がモンケ即位へつながる流れ

グユクとバトゥの対立
第3代大カアンとなったグユクと西方の実力者バトゥの関係が悪化
ソルコクタニが危険を知らせる
グユクの西方への動きをバトゥへ伝えたとされる
バトゥとの信頼が深まる
トルイ家とジョチ家の関係が政治的な力へ変わっていく
モンケ(長男)を支持
グユク死亡後、バトゥがモンケ(長男)の大カアン擁立を後押しする

グユクの動きをバトゥへ知らせたことで関係が深まる

ソルコクタニがトルイ家を守るうえで、
大きな転機になるのがバトゥとの関係。
バトゥはジョチの息子で、
西方遠征を成功させ、
帝国西部で非常に大きな軍事力を持つ人物だった。

一方、
オゴタイの死後には、
その息子グユクが第3代大カアンへ即位する。
しかしグユクとバトゥの関係は悪く、
西方遠征の頃から両者の間には強い対立が残っていた。

やがてグユクは、
大軍を伴って西へ向かう。
名目上は別の目的も掲げられていたが、
バトゥ側には自分が狙われるのではないかという緊張が生まれる。

この時、
バトゥへ危険を知らせた人物として伝えられているのがソルコクタニ。
グユクが自分の一族に近い人物でありながら、
彼女はその動きをバトゥへ知らせたとされる。

ここでソルコクタニが、
単にトルイ家の中だけを見ていた女性ではないことが分かる。
夫を亡くした後、
彼女が相手にしていたのは、
家の財産管理だけではない。
帝国全体の王族関係まで見ながら動いている。

バトゥは、
チンギス・カンの長男ジョチの家を代表する存在。
その軍事力は非常に大きく、
簡単に敵へ回せる人物ではない。
むしろトルイ家が将来力を持つなら、
関係を保っておきたい相手になる。

グユクは西へ進む途中の1248年に急死する。
結果として、
バトゥとの大規模な衝突は起きなかった。
しかしバトゥ側から見れば、
事前に危険を知らせたソルコクタニへの恩は残る。

この関係が後に、
モンケ(長男)の未来へ直結する。

トルイ死亡直後のソルコクタニは、
夫の軍事力を失った女性だった。
しかし十年以上の間に、
彼女はジョチ家の中心であるバトゥとつながっていく。

ここが大きい。
モンケ(長男)が大カアンを目指す時、
トルイ家だけで押し切ろうとしても難しい。
チンギス・カンの子孫には、
オゴタイ家もチャガタイ家もいる。

その中で、
西方最大級の実力者バトゥがモンケ(長男)を支持する。
この形ができれば、
トルイ家は一気に帝位へ近づく。

だからソルコクタニがバトゥへ知らせた行動は、
一度の親切では終わらない。
夫を失った後に築いてきた人間関係が、
息子の世代で政治的な力へ変わっていく。

アニメ第10幕の時点では、
ソルコクタニは大切な書物すら守れないように見える。
しかし史実では、
力がない時期に無理な戦いをせず、
必要な人物との関係を残している。

剣を振るわない。
軍を率いない。
それでも、
誰と敵対せず、
誰とつながっておくかを選ぶ。
その積み重ねが、
後のモンケ(長男)即位へつながっていく。

バトゥの支持がモンケ(長男)擁立の大きな力になる

グユクが1248年に亡くれると、
帝国では再び次の大カアンを決める必要が生まれる。
グユクの妻オグルガイミシュが政務を担うが、
後継者選びは簡単には進まない。

ここで動くのがバトゥ。
本来なら、
バトゥ自身が大カアン候補になってもおかしくないほどの力を持っていた。
しかし彼は自分が帝国の頂点へ立つ道を選ばず、
別の人物を推す。

その人物が、
モンケ(長男)だった。

バトゥから見れば、
モンケ(長男)はトルイの息子。
西方遠征でも行動を共にした経験があり、
まったく知らない若者ではない。
さらに母ソルコクタニとの間にも、
グユクを巡る一件から信頼関係が生まれていた。

バトゥは、
まず自分の勢力圏に近い場所でクリルタイを開き、
そこでモンケ(長男)を次の大カアン候補として押し出す。

しかし当然、
オゴタイ家やチャガタイ家は簡単には受け入れない。
大カアンの座が、
オゴタイの子孫からトルイの子孫へ移れば、
帝国内の力関係そのものが変わるからだ。

そこで再びクリルタイが開かれる。
今度はモンゴル本土。
オゴタイ家やチャガタイ家の有力者には反発や欠席もあったが、
バトゥ側とトルイ家はモンケ(長男)即位を進める。

そして1251年、
モンケ(長男)が第4代大カアンへ即位する。

トルイが死んだ1232年から、
十九年ほど後のことになる。

第10幕で見るトルイ家と、
1251年のトルイ家はまるで立場が違う。
父親が死に、
母親と幼い息子たちが残された一家。
その長男が、
帝国の頂点へ立つ。

そこまでの間、
ソルコクタニは急いで帝位を奪おうとはしていない。
オゴタイが生きている間は正面から争わない。
グユクが即位した時も、
すぐに反旗を翻すわけではない。

しかし、
情勢が変わる時には動く。
バトゥとの関係を作る。
息子たちを育てる。
トルイ家を残す。
そして機会が来た時に、
モンケ(長男)を支えられる状態を作る。

だからソルコクタニの強さは、
何年も先を見据えていたように見えるところにある。
目の前の一勝を取りに行かない。
一族そのものが残れば、
後から状況を変えられる。

実際、
その時間が来た時、
トルイ家は一気に帝国の中心へ進む。

ここから先は史実上のモンゴル帝国のその後を含みます。アニメの先を知りたくない方はご注意ください。

★第6章 モンケ(長男)が大カアンになるとトルイ家はどう変わる?

トルイ死亡からモンケ(長男)即位まで

トルイ家の動き
1232年 トルイ死亡。ソルコクタニが四兄弟と一族を守る立場になる
その後 再婚を断り、トルイ家の領地・人々・家臣を維持する
1248年 第3代大カアンのグユクが死亡し、次の後継争いが始まる
1251年 バトゥらの支持を受け、モンケ(長男)が第4代大カアンへ即位
即位後 クビライ(次男)は中国方面、フレグ(三男)は西方、アリクブケ(四男)はモンゴル本土へ進む

1251年、モンケ(長男)が第4代大カアンへ即位する

1251年、
モンケ(長男)が第4代大カアンへ即位する。
ここでモンゴル帝国の流れは大きく変わる。

チンギス・カンの後を継いだのは、
三男オゴタイ。
その次も、
オゴタイの息子グユク。
ここまでは、
大カアンの座がオゴタイ家に続いていた。

しかしグユク死亡後、
その流れが切れる。
次に選ばれたのは、
オゴタイの子孫ではなく、
トルイの息子モンケ(長男)。

つまり、
父トルイが生前には就かなかった帝国最高位へ、
息子が進むことになる。

トルイ自身は、
チンギス・カンの末子として大きな軍事力を持ちながら、
父の死後は兄オゴタイを支える側へ回った。
アニメでも、
トルイが兄を立て、
自分は戦場で支える姿が印象的に描かれている。

そのトルイが、
兄オゴタイを救うように死ぬ。
一見すると、
トルイ家はオゴタイ家を支えるために力を失ったように見える。

しかし十九年後、
今度はトルイの息子モンケ(長男)が、
オゴタイ家に代わって帝国の頂点へ立つ。

この反転が大きい。

しかもモンケ(長男)が即位すると、
弟たちも一気に重要な役割へ進んでいく。

クビライ(次男)は、
中国方面を任される。
モンゴル支配下の華北を中心に、
統治や軍事へ深く関わるようになる。

フレグ(三男)は、
西方へ大遠征する役割を与えられる。
後にイランやイラクへ進み、
バグダードを陥落させるところまで勢力を広げる。

アリクブケ(四男)は、
モンゴル本土に残り、
帝国中枢に近い場所で力を持つ。

父を失った四兄弟が、
母ソルコクタニのもとで成長し、
長兄の即位とともに、
それぞれ広大な帝国の重要地域へ配置されていく。

ここまで来ると、
ソルコクタニが守ってきた四兄弟が、
ただ生き残っただけではないと分かる。
トルイ家そのものが、
帝国運営の中心へ進んでいる。

父トルイの死から約十九年後、帝国の中心がトルイ家へ移る

モンケ(長男)の即位は、
一人の王子が出世しただけではない。
チンギス・カン一族の中で、
どの家が帝国の中心を握るのかが変わった出来事になる。

オゴタイ家は、
チンギス・カン本人から後継者に選ばれた家。
そのためオゴタイの死後も、
息子グユクが大カアンへ進んでいる。

しかしモンケ(長男)が即位すると、
大カアンの座はトルイ家へ移る。
その後も、
クビライ(次男)が大カアンへ進むため、
帝国の中心はさらにトルイ系へ傾いていく。

この流れの裏側には、
バトゥを中心としたジョチ家の支持がある。
トルイ家だけの力ではなく、
別の有力家系と結び付いたことで、
オゴタイ家から帝位を移すことができた。

そしてその関係を作る過程に、
ソルコクタニがいる。

グユクの動きをバトゥへ知らせる。
バトゥとの信頼を作る。
トルイ家を崩さず残す。
モンケ(長男)を大カアン候補として出せるところまで育てる。

だからモンケ(長男)の即位を、
本人だけの成功として見ると、
ソルコクタニの二十年近い積み重ねが見えにくくなる。

夫トルイが亡くれた時、
彼女には強大な軍事力がない。
大カアンでもない。
自分の名で帝国軍を動かすこともできない。

それでも、
時間を使える。

息子を育てる。
領地を維持する。
人脈を残す。
強い勢力と無駄に衝突しない。
必要な時だけ動く。

この積み重ねが、
最終的には大カアンの座を動かすほどの結果になる。

しかもソルコクタニ自身は、
モンケ(長男)の即位から長く生きることはない。
1252年に亡くなったとされ、
息子が帝国の頂点へ立つのを見届けた直後の時期に、
その生涯を終える。

しかし彼女が残した四兄弟の時代は、
ここからさらに大きくなる。

モンケ(長男)は、
大カアンとして帝国全体を再び拡大へ向かわせる。
クビライ(次男)は中国へ進む。
フレグ(三男)は西アジアへ進む。
アリクブケ(四男)はモンゴル本土で勢力を持つ。

アニメ第10幕では、
トルイが死に、
ソルコクタニが大切なものを守れない場面が続く。

しかし史実を最後まで追うと、
あの時本当に残したものの大きさが分かる。

夫の命は守れなかった。
書物も守れなかった。
その場の権力争いにも勝てなかった。

それでも、
モンケ(長男)、
クビライ(次男)、
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)を残した。

そして約十九年後、
その長男が大カアンとなる。

トルイ死亡後のソルコクタニの歩みは、
弱くなった一家がそのまま消える話ではない。
一度力を失ったトルイ家を、
母が守り続け、
息子の世代で帝国の中心へ戻していく流れになる。

★第7章 ソルコクタニの四人の息子はその後どうなる?

ソルコクタニの四兄弟はどこまで勢力を広げた?

人物 主な地域・立場 その後
モンケ(長男) モンゴル帝国全体 第4代大カアンとなり、弟たちへ東西の遠征と統治を任せる
クビライ(次男) 中国・東アジア アリクブケ(四男)との帝位争いに勝利し、後に元朝を築く
フレグ(三男) イラン・イラク方面 バグダードを攻略し、後のイル・ハン国につながる勢力を形成する
アリクブケ(四男) モンゴル本土 クビライ(次男)と大カアンの座を争い、モンゴル本土側から大きな支持を受ける

モンケ(長男)とクビライ(次男)は大カアン、フレグ(三男)は西アジアへ進む

ソルコクタニが守り育てた四人の息子は、
その後それぞれ別の方向へ進み、
モンゴル帝国の歴史そのものを大きく動かしていく。
トルイ死亡直後には父を失った子供たちだったが、
成長後は誰も小さな立場に収まらない。

まずモンケ(長男)は、
1251年に第4代大カアンへ即位する。
父トルイが生前には就かなかった帝国最高位へ、
長男が進むことになる。
ここでトルイ家は、
オゴタイ家を支える側から帝国の中心へ変わっていく。

モンケ(長男)は、
即位後に帝国全体の支配を引き締め、
さらに東西への遠征を進める。
弟たちにも重要な役目を与え、
トルイ家の力を帝国各地へ広げていく。

その一人がクビライ(次男)。
クビライ(次男)は中国方面を任され、
華北を中心に統治経験を積む。
ただ軍隊を率いるだけでなく、
漢人官僚や現地の制度も取り入れながら、
中国を治める力を身に付けていく。

後にモンケ(長男)が亡くれると、
クビライ(次男)は大カアンの座を巡って、
弟アリクブケ(四男)と争う。
最終的にクビライ(次男)が勝利し、
大カアンとして中国支配をさらに進める。

そして1271年には、
国号を「大元」とする。
日本史で元寇とともに名前が出てくるフビライ・ハンが、
このクビライ(次男)になる。

つまりソルコクタニは、
後の元朝を築く人物の母でもある。
アニメでトルイの妻として見ていた女性が、
その後の東アジア史へ大きくつながっていく。

一方、
フレグ(三男)は西へ向かう。
モンケ(長男)の命を受けて西方へ大遠征を行い、
イランやイラク方面へ勢力を広げる。

1258年には、
アッバース朝の都バグダードを攻略する。
長くイスラム世界の中心だった都市を陥落させ、
西アジアの政治地図を大きく変える。

その後、
フレグ(三男)の勢力はイル・ハン国へつながっていく。
つまりソルコクタニの息子たちは、
中国だけでなく、
遠く西アジアの歴史まで動かす。

モンケ(長男)は帝国全体。
クビライ(次男)は中国。
フレグ(三男)は西アジア。
同じ母から生まれた兄弟が、
それぞれ違う地域で巨大な力を持つ。

トルイ死亡直後の一家からは、
想像しにくいほど大きな未来になる。

アリクブケ(四男)まで帝位を争い、四兄弟がモンゴル世界を分ける存在になる

アリクブケ(四男)も、
兄たちの陰に隠れた人物ではない。
モンケ(長男)が1259年に亡くれると、
次の大カアンを巡って、
クビライ(次男)とアリクブケ(四男)が対立する。

クビライ(次男)は中国方面に大きな基盤を持つ。
一方のアリクブケ(四男)は、
モンゴル本土のカラコルム周辺に近く、
伝統的なモンゴル勢力から支持を集める。

つまり兄弟の争いは、
単なる家庭内の後継争いではない。
帝国を中国側から動かすのか。
モンゴル本土を中心に動かすのか。
その方向性まで関わる大きな対立になる。

最終的には、
クビライ(次男)が勝利し、
アリクブケ(四男)は降伏する。
しかしこの争いによって、
巨大になり過ぎたモンゴル帝国が、
一つの中心だけでは動きにくくなっていることもはっきりする。

フレグ(三男)の西アジア勢力。
ジョチ家の西方勢力。
クビライ(次男)の中国支配。
それぞれが強くなり、
帝国は次第に複数の大きな勢力へ分かれていく。

その中心にいるのが、
ソルコクタニが育てた四兄弟だった。

ここまで見ると、
トルイ死亡後のソルコクタニが、
何を残したのかがはっきりする。

モンケ(長男)は第4代大カアン。
クビライ(次男)は後に大カアンとなり元朝を築く。
フレグ(三男)は西アジアでイル・ハン国へつながる勢力を作る。
アリクブケ(四男)はクビライ(次男)と帝位を争うほどの力を持つ。

四人のうち、
一人だけが成功したわけではない。
全員が、
モンゴル帝国の大きな分岐へ関わっている。

だからソルコクタニのその後を追う記事は、
「夫トルイを失った妻はどうなったか」
だけでは終わらない。

トルイが死んだ1232年。
ソルコクタニには、
父を失った四人の息子が残された。

そこから再婚を断る。
領地と家臣を守る。
オゴタイ家と正面衝突せず時間を稼ぐ。
バトゥとの関係を築く。
モンケ(長男)を大カアンへつなげる。

その先で、
クビライ(次男)、
フレグ(三男)、
アリクブケ(四男)もそれぞれ巨大な勢力へ進む。

つまりトルイの死は、
トルイ家の終わりではない。
ソルコクタニが一家を守ったことで、
むしろ次の時代へ向かう準備が始まった。

アニメ第10幕では、
夫を失い、
書物まで奪われ、
弱い立場へ追い込まれたソルコクタニが描かれる。

しかし史実のその後まで見ると、
あの時彼女が守り切ったものが、
どれほど大きかったのかが分かる。

モンケ(長男)。
クビライ(次男)。
フレグ(三男)。
アリクブケ(四男)。

この四人が成長し、
モンゴル帝国の東西を動かしていく。

だから「トルイ死亡後、ソルコクタニは実際どうなる?」への答えは、
夫を失って歴史から消える、ではない。

四人の息子を守り、
トルイ家を残し、
その息子たちを通してモンゴル帝国の次代そのものへつながっていく。
それがソルコクタニのその後になる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました