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【アニメMAO】摩緒はなぜ「表情が読みにくい方」なの?乙弥でも分からないポーカーフェイス

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摩緒は感情が薄いのではなく、900年もの時間と御降家の過去を抱えたことで、怒りや心配を簡単には表情へ出さない人物になっている。
普段は乙弥でも読みづらいほど顔に出ないが、紗那や兄弟子たちへ触れた時には動揺や怒りが表れ、菜花への気持ちも言葉より行動にはっきり出る。
だから摩緒のポーカーフェイスを見る時は、顔だけではなく、誰を守り、誰のために動き、どんな過去に揺れるのかを見ると本心が見えてくる。

  1. 第1章 結論|摩緒は感情が薄いのではなく「顔に出す習慣」を失っている
    1. 乙弥が「表情が読みにくい方だ」と言うほど、摩緒の変化は小さい
    2. 900年もの時間を生きてきた摩緒は、驚きも怒りも内側へ飲み込むことが多い
  2. 第2章 乙弥の「表情が読みにくい方だ」はなぜ妙に面白い?
    1. 第1話から側にいる乙弥ですら、摩緒の顔だけでは本心を読み切れない
    2. 摩緒は顔ではなく「何をしたか」を見ると感情が分かりやすい
  3. 第3章 第1話から摩緒はずっとこんな顔だった?菜花との出会いを振り返る
    1. 初対面で「おまえ、妖だろう」と告げても、摩緒自身はほとんど調子を変えない
    2. 第6話・第7話では、信じ切れない菜花の話を聞きながら最後には幼い菜花を守っている
  4. 第4章 摩緒が顔に出さなくなった背景には900年の時間がある
    1. 猫鬼に呪われ、普通の人間とは違う時間を生き続けてきた
    2. 紗那や御降家へ触れた時だけ、普段隠れている怒りや動揺が一気に表へ出る
  5. 第5章 それでも摩緒はかなり感情的|白眉戦や過去の兄弟子には明確に揺れる
    1. 第15話では紗那と同じ顔の幽羅子を前にして、普段の平静さが崩れている
    2. 第16話の白眉戦では獣姿へ変化して暴走するほど、内側の平静が崩れている
  6. 第6章 菜花の前では少しずつ表情が変わっている
    1. 菜花を守る時の摩緒は、言葉より先に行動へ気持ちが出ている
    2. 菜花が摩緒を気に掛けるほど、摩緒側にも「一人で抱え込まない」変化が見えてくる
  7. 第7章 摩緒のポーカーフェイスが面白いのは、菜花だけが少しずつ「読める側」へ近づいているから
    1. 乙弥でも読みづらい摩緒を、菜花は表情ではなく言葉や行動から感じ取るようになる
    2. 無表情のまま距離が縮まるからこそ、ほんの小さな変化まで大きく見える

第1章 結論|摩緒は感情が薄いのではなく「顔に出す習慣」を失っている

乙弥が「表情が読みにくい方だ」と言うほど、摩緒の変化は小さい

摩緒は、
感情の乏しい人物ではない。
怒ることもある。
誰かを心配することもある。
過去の出来事に激しく揺さぶられることもある。

それでも普段の摩緒を見ていると、
顔つきはほとんど変わらない。
大きな出来事が起きても、
驚きを派手に表へ出すことは少なく、
淡々と相手へ言葉を返すことが多い。

そんな摩緒を長く近くで見てきた乙弥が、
「表情が読みにくい方だ」と口にする。
この一言が面白いのは、
菜花のように付き合いの浅い人物ではなく、
摩緒の生活を日常的に見ている乙弥から出たことにある。

乙弥は、
摩緒のもとで働き、
普段の診療や外出にも付き添っている。
摩緒がどんな時に黙るのか。
どんな時に機嫌が変わるのか。
かなり近い距離から知っている人物になる。

その乙弥でさえ、
摩緒の顔だけでは考えていることを読み切れない。
つまり摩緒のポーカーフェイスは、
初対面の相手へだけ見せる態度ではない。
普段から感情の揺れが表情へ出にくい人物として描かれている。

ただし、
ここを「摩緒は冷たい人間」と見ると少し違う。
実際の摩緒は、
菜花が危険へ巻き込まれれば助けに動く。
兄弟子たちの話になれば明らかに空気が変わる。
猫鬼や御降家の過去にも強く執着している。

表情が動かないだけで、
内側まで平坦なわけではない。

むしろ摩緒の場合、
大きな感情ほど顔ではなく行動に現れる。
危険な相手へ向かう。
菜花を守る。
過去を追う。
猫鬼の真相へ執念深く近づいていく。

顔を見ても分からないのに、
行動を追うと何を大切にしているのかが見えてくる。
そこが摩緒という人物の特徴になる。

900年もの時間を生きてきた摩緒は、驚きも怒りも内側へ飲み込むことが多い

摩緒の表情が変わりにくいことを考える時、
外せないのが、
彼が普通の人間とはまったく違う時間を生きていることになる。

摩緒は猫鬼の呪いによって、
約900年もの長い時間を生き続けている。
現在の大正時代だけを生きてきた人物ではなく、
御降家で過ごした遠い過去を抱えたまま現在まで来ている。

その間には、
普通なら一生の中でも耐え難い出来事を経験している。
御降家で起きた惨劇。
兄弟子たちとの別離。
紗那を巡る記憶。
そして自分自身へ掛けられた猫鬼の呪い。

摩緒にとっては、
大きな喪失を一度経験して終わりではない。
その記憶を抱えたまま、
何百年も生き続けてきた。
時間が流れても、
本人だけはそこから完全には離れられない。

そう考えると、
目の前の出来事へ一つ一つ大きく反応しない姿も、
摩緒らしく見えてくる。

驚いたからすぐ顔へ出す。
怒ったから声を荒らげる。
悲しいからその場で崩れる。
そうした直接的な反応より、
まず自分の中へ飲み込むことが多い。

第1話でも、
現代から迷い込んできた菜花を前にして、
摩緒は必要以上に慌てない。
妖に襲われた菜花を助け、
彼女の状態を見た上で、
淡々と「おまえ、妖だろう」と告げる。

言われた菜花の方は混乱する。
自分が妖だと言われれば当然になる。
しかし摩緒は、
相手を驚かせるような内容を口にしているのに、
自分自身はほとんど調子を変えない。

この最初の出会いからすでに、
摩緒の「表情が読みにくい」性格は出ている。

ただ、
長く見ていくと、
本当に何も感じていないわけではないことも分かってくる。

菜花が危険な場所へ踏み込めば気に掛ける。
御降家の過去へ近づけば普段とは違う反応を見せる。
白眉や不知火など、
昔を知る者たちと向き合った時には、
平静の奥にある怒りや警戒が見えてくる。

だから摩緒の顔は、
感情が存在しない顔ではない。
長い時間の中で、
簡単には外へ出さなくなった顔に近い。

乙弥の「表情が読みにくい方だ」という一言は、
軽い会話に見えて、
摩緒という人物をかなり正確に表している。

第2章 乙弥の「表情が読みにくい方だ」はなぜ妙に面白い?

第1話から側にいる乙弥ですら、摩緒の顔だけでは本心を読み切れない

乙弥の一言が妙に印象へ残るのは、
本人もまた、
感情を派手に表へ出すタイプではないからになる。

小さな体で淡々と仕事をこなし、
摩緒の指示にも落ち着いて応じる。
周囲で不思議な出来事が起きても、
菜花ほど大きな反応を見せることは少ない。

そんな乙弥から、
摩緒について
「表情が読みにくい方だ」
という言葉が出る。

普段あまり騒がない乙弥にまでそう言われると、
摩緒のポーカーフェイスがどれほど強いのかが分かる。

しかも乙弥は、
摩緒の生活圏へかなり深く入っている。
診療を手伝う。
家の中で働く。
外へ出る時にも同行する。
菜花が来る以前から、
摩緒の日常を知っている存在になる。

その乙弥なら、
普通の相手より摩緒の小さな変化へ気付きそうに見える。
声の調子。
視線。
間の取り方。
黙る時間。

それでも顔そのものは読みづらい。
だから乙弥の台詞には、
「いつも一緒にいる自分でも簡単ではない」という重さがある。

ここで面白いのが、
摩緒は言葉まで少ないこと。
顔が変わらない。
必要以上に説明しない。
だから周囲は、
摩緒が何を考えているのかを推測するしかなくなる。

菜花も、
最初の頃は特にその距離へ戸惑う。
摩緒は助けてくれる。
危険を教えてくれる。
必要な時には手を差し伸べる。

それなのに、
顔からは優しいのか怒っているのか分かりにくい。

だから菜花にとって摩緒は、
近くにいるのに掴みづらい人物になる。
乙弥の一言は、
菜花がずっと感じてきた印象を、
短い言葉で言い当てたようにも聞こえる。

摩緒は顔ではなく「何をしたか」を見ると感情が分かりやすい

摩緒の感情を読む時、
表情だけを見ていると分かりにくい。
しかし行動へ目を向けると、
かなりはっきりした人物でもある。

第1話で菜花と出会った時もそう。
得体の知れない少女だからと遠ざけるのではなく、
危険から助け、
体に起きている異変まで確かめようとする。

その後も、
菜花が妖や呪いへ巻き込まれるたび、
摩緒は完全に無関心ではいられない。
言葉では淡々としていても、
必要な場面では動く。

摩緒の場合、
「心配している」と口にするより、
危険な場所へ自分から向かう。
「大切だ」と説明するより、
相手を守る行動を取る。

だから感情の出方が、
顔より一段遅れて見えることがある。

菜花が何かを言う。
摩緒はほとんど表情を変えない。
その場では反応が薄く見える。
しかし後になって、
菜花のために動いていたことが分かる。

この積み重ねがあるから、
菜花も次第に摩緒の見方を変えていく。
最初は何を考えているのか分からない陰陽師。
そこから、
無愛想でも自分を気に掛けてくれる人物へ変わっていく。

乙弥は、
その摩緒を菜花よりずっと長く見ている。
だからこそ、
顔だけを読もうとするのではなく、
行動や声の調子まで含めて接しているように見える。

それでも、
はっきりしない時がある。
そこで出たのが、
「表情が読みにくい方だ」という言葉になる。

この台詞には、
摩緒が隠し事をしているというより、
そもそも感情が顔へ出る量そのものが少ないという印象がある。

怒っていないように見えて、
実はかなり警戒している。
平然としているように見えて、
過去の出来事へ強く反応している。
菜花へ無関心に見えて、
行動ではしっかり助けている。

摩緒のポーカーフェイスは、
感情を消しているのではない。
顔だけでは全部を見せない。

だから周囲は、
言葉。
行動。
過去。
誰に対して動いたのか。

そこまで見なければ、
摩緒の本心へ近づけない。

乙弥の一言が妙に面白く聞こえるのも、
普段から一番近くにいる人物が、
その難しさをさらりと認めているからになる。

そして菜花が摩緒と過ごす時間を重ねるほど、
この「読みにくい人」の小さな変化が、
逆に目立つようになっていく。

第3章 第1話から摩緒はずっとこんな顔だった?菜花との出会いを振り返る

初対面で「おまえ、妖だろう」と告げても、摩緒自身はほとんど調子を変えない

摩緒の表情が読みにくいことは、
最近になって急に強調された特徴ではない。
第1話「菜花と摩緒」まで戻ると、
菜花との最初の出会いからすでに、
今とほとんど変わらない摩緒がいる。

五行商店街の門をくぐり、
見知らぬ大正時代へ迷い込んだ菜花。
さらに妖に襲われ、
何が起きているのか分からないまま、
摩緒という青年と出会うことになる。

摩緒は襲ってきた妖を退けた後、
菜花の様子を見る。
そして突然、
「おまえ、妖だろう」と告げる。
菜花にとっては、自分の存在そのものを揺さぶられる言葉だった。

当然、
菜花の側には大きな動揺がある。
自分は普通の中学生として暮らしてきた。
それなのに見知らぬ陰陽師から、
妖だと断言されてしまう。

ところが摩緒の方は、
驚くほど淡々としている。
菜花を怖がらせようとしているわけでもなく、
衝撃的なことを言った自覚がないわけでもない。
ただ自分が見抜いた事実を、そのまま伝えているように見える。

この時点ですでに、
二人の感情表現には大きな差がある。
菜花は戸惑えば戸惑った顔になる。
驚けば言葉にも出る。
一方の摩緒は、重大な事実を前にしても表情の振れ幅が小さい。

だから初対面の菜花から見れば、
摩緒はかなり掴みにくい人物になる。
助けてくれたのだから敵ではなさそう。
けれど優しく笑って安心させるわけでもない。
説明も必要な分だけで、感情まではほとんど口にしない。

それでも、
摩緒の行動には冷たさだけではない。
菜花を妖から助け、
体に起きている異変を見抜き、
猫鬼の呪いへつながる可能性まで追っていく。

つまり第1話から、
顔と行動に少し差がある。
表情だけなら無関心にも見える。
しかし実際には、
菜花を放っておかず、その異変へ深く関わっていく。

この形は、
その後も何度も繰り返される。
摩緒は気持ちを大きく顔へ出さない。
それでも必要な時には必ず動く。

だから摩緒の感情を読むなら、
口元が笑ったかどうかより、
誰のために何をしたのかを見る方が分かりやすい。

第6話・第7話では、信じ切れない菜花の話を聞きながら最後には幼い菜花を守っている

菜花と摩緒の距離が少し変わるのが、
第6話「あの日の記憶」から第7話「新しい器」にかけて。
菜花は自分が100年後の世界から来たことを、
摩緒と乙弥へ打ち明ける。

ただ、
いきなり100年後から来たと言われても、
簡単に信じられる話ではない。
摩緒も乙弥も、
その時点では菜花の言葉をそのまま受け入れない。

ここでも摩緒は、
菜花の話に大げさな反応を見せない。
「そんな馬鹿な」と激しく否定するでもなく、
すぐに信じて驚くでもない。
目の前の情報を冷静に見ようとする。

その後、
菜花は現代へ戻り、
摩緒から渡された解毒剤を飲む。
すると8年前に起きた事故の記憶が蘇り始める。
そして再び大正時代へ向かうことになる。

第7話では、
大正時代に幼い頃の菜花が現れる。
さらに猫鬼が幼い菜花を咥え、
五行商店街の門から現代へ向かおうとする。

そこで摩緒が取った行動を見ると、
表情だけでは分からない感情がはっきりする。
獣姿となった摩緒は、
幼い菜花を守るため、
現代へ守護の式神を飛ばす。

その直後、
摩緒自身は力を使い果たして倒れる。
自分に負担が掛かってでも、
幼い菜花を守る方を選んでいる。

これは、
第1話の淡々とした摩緒だけを見ていると意外にも映る。
普段は何を考えているのか分かりにくい。
菜花へ甘い言葉を掛けることも少ない。

それでも危険が来た時には、
本人より先に体が動くようなところがある。

「心配している」と顔には書いていない。
「大切だから守る」と口にも出さない。
しかし行動を見ると、
菜花を放っておけないことだけは明確になる。

この頃から、
菜花も摩緒の見方を少しずつ変えていく。
無愛想で何を考えているか分からない陰陽師から、
少なくとも自分を見捨てる人ではないと分かってくる。

摩緒のポーカーフェイスは、
こうした場面があるからこそ面白い。
顔では分からない。
でも行動では隠し切れていない。

乙弥の「表情が読みにくい方だ」という言葉も、
この積み重ねを振り返るほど納得できる。
摩緒の本心は、
表情より一歩先にある行動へ現れることが多い。

第4章 摩緒が顔に出さなくなった背景には900年の時間がある

猫鬼に呪われ、普通の人間とは違う時間を生き続けてきた

現在の摩緒だけを見ると、
元からこういう無口な性格だったようにも見える。
しかし彼には、
普通の人間とは比較できないほど長い時間がある。

摩緒は、
猫鬼の呪いによって900年前から生き続けている陰陽師。
猫鬼を追いながら、
大正時代まで生きてきた。
その人生そのものが、普通の青年とはまったく違う。

第8話では、
兄弟子の百火も900年生き続けていたことが分かる。
さらに百火から、
900年前に御降家の五人の弟子が、
師匠によって五色堂へ呼ばれたことが語られる。

ここから摩緒の現在は、
平安時代に起きた出来事と切り離せないことが見えてくる。
何百年経っても、
御降家の記憶は終わっていない。
兄弟子たちとの因縁も、
猫鬼との呪いも現在まで続いている。

普通なら、
何十年前の出来事でも遠い昔になる。
しかし摩緒の場合、
900年前の人物が今も自分の前へ現れる。
かつての争いが、
再び現在の問題として戻ってくる。

第9話では、
朽縄と名乗っていた男の正体が兄弟子の華紋だと判明する。
第12話では、
水の式神から襲撃を受けた摩緒が、
御降家で最も優れた水の術者を思い出す。

そして第14話では、
不知火と行動する幽羅子の顔を見た摩緒が驚愕する。
幽羅子は、
900年前に死亡した紗那と瓜二つの顔をしていた。

普段ほとんど顔を変えない摩緒だからこそ、
ここでの驚きが大きく見える。
つまり900年生きて感情を失ったわけではない。
過去の核心へ触れれば、
今でも激しく揺れる。

長い時間が摩緒から感情そのものを奪ったのではなく、
日常では簡単に感情を表へ出さなくなった。
その中に、
消えていない過去だけが強く残っているように見える。

紗那や御降家へ触れた時だけ、普段隠れている怒りや動揺が一気に表へ出る

摩緒が本当に無感情なら、
御降家の過去に触れても、
今と同じ顔を保てるはずになる。
しかし実際には、
その逆の場面が何度もある。

第15話では、
不知火が摩緒の前へ現れる。
平安時代から続く因縁を語りながら、
寿命を操る泰山府君の秘法を渡すよう迫る。

そこで摩緒が強く反応したのが、
不知火の側にいる幽羅子。
幽羅子は紗那と同じ顔をしている。
摩緒は、
なぜその女性が不知火の手先になっているのかと怒りを顕わにする。

普段の摩緒からすると、
かなり分かりやすい感情の出方になる。
いつもの淡々とした態度が崩れ、
紗那に関わることだけは、
冷静に処理し切れない。

さらに第16話では、
鉄仮面の男の正体が兄弟子・白眉だと判明する。
白眉は、
摩緒を御降家の怨敵とみなし、
金の術で猛烈に攻め立てる。

その戦いの中で、
摩緒は獣姿へ変化し暴走する。
普段は冷静に相手を分析しながら戦う摩緒が、
自分自身を制御できなくなるほど追い込まれる。

ここを見ると、
「摩緒は感情が薄い」という見方はかなり変わる。
むしろ内側には、
900年前から持ち越しているものが大量に残っている。

怒り。
疑念。
後悔。
紗那への思い。
猫鬼への執着。

それらを普段は、
ほとんど顔に出さず抱えている。

第18話では、
御降家の姉弟子だった夏野が現れ、
大五と紗那の過去を語る。
第19話では、
不知火から真砂の最期が明かされる。
そして第20話では、
900年前に紗那の心臓が掴み出された時の邪気と、
幽羅子が放つ黒い邪気が同じものだと分かってくる。

摩緒にとって、
900年前は昔話ではない。
一つずつ現在へ戻ってくる記憶になる。
だから平静に見える顔の奥には、
ずっと解決していない過去が残っている。

それでも普段、
菜花や乙弥の前で毎日のように苦しそうな顔を見せるわけではない。
診療を続ける。
怪奇事件を追う。
猫鬼を探す。

摩緒は、
感情を語るより先に動く人物になっている。

だから乙弥が見ても、
顔だけでは本心を読みづらい。
しかし御降家や紗那へ触れた瞬間だけ、
普段隠れている感情が表へ漏れ出す。

摩緒のポーカーフェイスが印象的なのは、
何もない顔だからではない。
その下に900年分の因縁を抱えているのに、
普段はそれをほとんど見せない顔だからになる。

第5章 それでも摩緒はかなり感情的|白眉戦や過去の兄弟子には明確に揺れる

第15話では紗那と同じ顔の幽羅子を前にして、普段の平静さが崩れている

摩緒が本当に感情の薄い人物なのかを見るなら、
普段の診療所での姿だけでは分かりにくい。
900年前の御降家へつながる人物が現れた時、
それまで抑え込まれていたものが、
一気に表へ出ることがある。

分かりやすいのが第14話から第15話。
華紋とともに幽羅子を追った摩緒は、
その顔を目にした瞬間、
普段とは明らかに違う驚きを見せる。
幽羅子が、900年前に死んだ紗那と瓜二つだったからになる。

摩緒にとって紗那は、
遠い昔の知人というだけではない。
五色堂で起きた惨劇、
猫鬼の呪い、
御降家で失われた過去へつながる存在になる。

その顔が900年後に突然現れれば、
普段の摩緒でも平静ではいられない。
しかも幽羅子は、
摩緒と敵対する不知火の側にいる。
顔だけは紗那なのに、
行動している側はまるで違う。

第15話で不知火本人が現れると、
摩緒の感情はさらに分かりやすくなる。
不知火は平安時代から続く因縁を語り、
人の寿命を操る「泰山府君」の秘法を渡すよう、
摩緒へ迫ってくる。

そこで摩緒が強く反応するのは、
自分への要求だけではない。
紗那と同じ顔をした幽羅子が、
なぜ不知火の手先として動いているのか。
そのことへ怒りを露わにする。

いつもの摩緒なら、
相手が挑発してきても、
まず状況を見極めようとする。
感情より先に相手の術や狙いを読む。
必要以上に声を荒らげることも少ない。

それが紗那へ触れられると変わる。
ここを見るだけでも、
摩緒のポーカーフェイスが、
感情そのものの薄さではないことが分かる。

むしろ逆で、
普段は表へ出てこない感情が、
かなり深いところに残っている。
紗那への思いも、
御降家への疑念も、
900年経って消えてはいない。

ただ日常では、
それを常に表情へ浮かべない。
診療所では患者を見る。
怪奇事件があれば調べる。
菜花と話す時も、
過去の苦しみを毎回持ち出したりはしない。

だからこそ、
紗那や不知火のように、
900年前の中心へ直接触れる人物が現れた時だけ、
普段との落差が大きくなる。

摩緒の表情は読みにくい。
しかし何に対して表情が崩れるのかを見ると、
逆に彼が何を今も引きずっているのかが見えてくる。

第16話の白眉戦では獣姿へ変化して暴走するほど、内側の平静が崩れている

さらに摩緒の内側にある激しさが見えるのが、
第16話「白眉」。
鉄仮面の男の正体は、
御降家時代の兄弟子・白眉だった。

白眉も百火や華紋と同じように、
900年前の五色堂へ呼ばれていた人物。
しかも現在の白眉は、
摩緒を御降家の怨敵とみなしている。
再会を懐かしむどころか、
金の術を使って猛烈な攻撃を仕掛けてくる。

摩緒も応戦するが、
戦いの中で獣姿へ変化する。
そしてついには、
自分自身を制御できないような暴走状態へ入る。

普段の診療所で、
淡々と患者を診ている摩緒とは、
ほとんど正反対の姿になる。

顔に出ない。
声も荒らげない。
何を考えているか分からない。
そんな摩緒の奥に、
これほど激しいものが潜んでいたことが分かる場面になる。

しかも相手は、
900年前を共有する兄弟子。
摩緒にとって白眉との戦いは、
現在だけの敵との戦闘ではない。
自分でも知らない御降家の真相や、
五色堂の惨劇まで引きずり出される戦いになる。

第17話では、
白眉との戦闘で消耗した摩緒が、
そのまま眠り続けてしまう。
診療所には治療を求める妖たちが次々と訪れ、
摩緒の代わりに菜花、乙弥、百火が対応することになる。

ここでも、
普段の摩緒がどれだけ無理を抱えながら動いているのかが見える。
いつも平然としているから、
消耗していないように見える。
だが実際には、
限界まで戦えば当然倒れる。

感情も同じ。
外へ見せないから、
何も感じていないように見える。
しかし過去へ深く踏み込めば、
怒りも動揺も一気に噴き出す。

摩緒のポーカーフェイスは、
空っぽだから動かない顔ではない。
むしろ内側に多くを抱えているから、
普段は簡単に外へ出さない顔として見えてくる。

乙弥でも「表情が読みにくい」と感じる一方、
白眉や紗那へ触れた時には、
その壁が一瞬で崩れる。

その落差を見ると、
摩緒という人物の感情は、
顔の大きさでは測れないことがよく分かる。

第6章 菜花の前では少しずつ表情が変わっている

菜花を守る時の摩緒は、言葉より先に行動へ気持ちが出ている

摩緒の感情が最も見えやすくなっていく相手の一人が、
やはり菜花になる。
ただし摩緒の場合、
急に笑顔が増えたり、
分かりやすく優しい言葉を口にしたりするわけではない。

変化はかなり小さい。
だからこそ、
第1話から続けて見ていると、
少しずつ距離が変わっていることが分かる。

最初の菜花は、
突然大正時代へ現れた正体不明の少女だった。
摩緒は妖を倒して助けながらも、
いきなり「おまえ、妖だろう」と告げる。
まだ相手との間にかなり距離がある。

第3話になると、
菜花が摩緒の持つ破軍星の太刀へ触れても死なないことで、
幼少期に猫鬼の血を浴び、
呪われた可能性が浮かんでくる。

ここから二人は、
単に偶然出会った陰陽師と少女ではなくなる。
摩緒を縛る猫鬼の呪いと、
菜花自身の過去がつながり始める。

第6話では、
菜花が100年後の世界から来たと打ち明ける。
摩緒と乙弥は、
すぐにはその話を信じない。
ここでも摩緒は、
菜花へ合わせて大袈裟に驚くような反応をしない。

しかし第7話になると、
幼い菜花が猫鬼に連れ去られようとした時、
摩緒自身が大きく動く。
獣姿となった摩緒は、
幼い菜花を守るため現代へ守護の式神を飛ばし、
そのまま力尽きて気を失う。

ここでは、
表情を読む必要すらない。
自分が倒れるほど力を使ってでも、
幼い菜花を守る方を選んでいる。

摩緒は、
「心配だから守る」
とは長々と言わない。
菜花へ特別な笑顔を見せてから行動するわけでもない。
必要になれば、
先に体が動く。

だから摩緒と菜花の関係では、
顔より行動を追った方が分かりやすい。
摩緒自身が何も語らなくても、
菜花を放っておけなくなっていることは、
場面を重ねるほど見えてくる。

菜花が摩緒を気に掛けるほど、摩緒側にも「一人で抱え込まない」変化が見えてくる

二人の関係が面白いのは、
摩緒だけが菜花を守る一方通行ではないこと。
菜花もまた、
何を考えているか分かりにくい摩緒を、
次第に放っておけなくなっていく。

白眉との戦いで摩緒が消耗した第17話では、
摩緒は診療所で眠り続ける。
普段なら患者を診る側の摩緒が動けず、
菜花、乙弥、百火が代わって診療所を守る。

いつもなら、
摩緒が危険へ向かい、
菜花たちがその後を追う。
ところがここでは、
摩緒が倒れたことで、
菜花たちが彼の居場所を支える側へ回る。

この変化は大きい。
摩緒は長い間、
猫鬼を追い、
御降家の謎を抱え、
一人で過去へ向き合ってきた人物になる。

しかし大正時代で菜花と出会ってからは、
何かが起きれば菜花が横にいる。
百火や華紋など、
900年前の兄弟子たちも再び周囲へ集まり始める。

第18話では、
御降家の姉弟子だった夏野が、
摩緒と菜花の前へ現れる。
夏野から大五と紗那の過去が語られ、
摩緒自身も知らなかった御降家の出来事へ、
菜花が一緒に触れていく。

以前なら、
摩緒だけが抱えていた900年前。
それを菜花も知るようになる。

第19話では、
摩緒たちは夏野の力を借りて海底の社へ向かい、
不知火から真砂の最期を聞く。
第20話では、
幽羅子が放つ黒い邪気が、
紗那の心臓を掴み出した時の邪気と同じだったことまで判明する。

摩緒にとって最も触れられたくないはずの過去へ、
菜花がどんどん近づいている。
それでも摩緒は、
菜花を完全に遠ざけようとはしない。

ここにも、
顔には出にくい変化がある。

「自分の問題だから関わるな」
と切り捨てるのではなく、
菜花が隣にいる状態を、
少しずつ受け入れている。

大きな笑顔がなくても、
関係は変わっている。
甘い言葉がなくても、
距離は縮まっている。

摩緒の感情を顔だけで探すと、
この変化は見逃しやすい。
しかし第1話から行動を追えば、
菜花を助ける回数だけではなく、
自分の過去へ菜花が入ってくることまで許すようになっている。

乙弥が言うように、
摩緒は確かに「表情が読みにくい方」になる。
それでも菜花は、
少しずつ顔以外の場所から、
摩緒の気持ちへ近づいている。

摩緒が誰かへ心を開く時、
急に表情豊かな人物へ変わるわけではない。
隣にいることを拒まない。
危険なら守る。
自分の過去へ一緒に踏み込ませる。

その小さな積み重ねの方が、
摩緒にとってはずっと大きな感情表現になっている。

第7章 摩緒のポーカーフェイスが面白いのは、菜花だけが少しずつ「読める側」へ近づいているから

乙弥でも読みづらい摩緒を、菜花は表情ではなく言葉や行動から感じ取るようになる

乙弥が、
摩緒を「表情が読みにくい方だ」と評するのは、
かなり的確になる。
長く側にいる乙弥ですら、
摩緒の顔だけでは本心を読み切れない。

それでも菜花は、
摩緒と過ごす時間が増えるほど、
少しずつ別の場所から彼を理解するようになる。
表情ではなく、
言葉と行動から摩緒の感情を見るようになっていく。

第1話の頃なら、
摩緒は正体の分からない陰陽師に近かった。
助けてくれた直後に、
いきなり「おまえ、妖だろう」と告げる。
何を考えているのか、
菜花にはほとんど分からない。

しかも摩緒は、
菜花が驚いていても、
自分まで慌てたりしない。
知っていることを淡々と話し、
必要なことだけを告げていく。

ところが一緒に怪異へ関わるうち、
菜花は摩緒の見方を変えていく。
言葉が少なくても、
危険になれば助けに来る。
自分が傷つく可能性があっても、
守るためには力を使う。

幼い菜花が猫鬼に連れ去られそうになった時も、
摩緒は獣姿となり、
現代へ守護の式神を飛ばしている。
その後に自分が倒れるほど消耗しても、
幼い菜花を守る方を選んだ。

ここまで見れば、
「心配している顔」を探す必要はなくなる。
摩緒がどう感じているのかは、
すでに行動の方へ出ている。

菜花も、
そのことを少しずつ知っていく。
摩緒が無愛想だからといって、
冷たいわけではない。
黙っているからといって、
何も考えていないわけでもない。

むしろ黙っている時ほど、
一人で何かを抱えている場合がある。
御降家の話。
紗那のこと。
猫鬼のこと。

菜花は、
そうした摩緒の過去へ一緒に踏み込むようになる。
相手の顔が読めないなら、
もっと近くで何をしているのかを見る。
そんな関係へ変わっていく。

無表情のまま距離が縮まるからこそ、ほんの小さな変化まで大きく見える

摩緒と菜花の関係で面白いのは、
摩緒が菜花と親しくなったからといって、
突然よく笑う人物へ変わるわけではないところ。

摩緒は摩緒のままになる。
言葉は少ない。
大きく感情を顔へ出さない。
時には何を考えているのか分からない。

それでも第1話と比べれば、
菜花との距離は確実に変わっている。

最初は、
突然現れた不思議な少女。
そこから猫鬼の呪いを共有する相手になり、
怪異を一緒に追うようになり、
900年前の御降家へまで関わる人物になっていく。

摩緒自身も、
菜花を簡単に遠ざけなくなっている。
危険から守る。
自分の過去へ関わることを受け入れる。
兄弟子たちとの因縁の中にも、
菜花が自然にいるようになる。

だから摩緒の場合、
一度の笑顔より、
「そこに菜花がいることを受け入れている」
という積み重ねの方が大きい。

普段から表情豊かな人物なら、
少し眉が動いた程度では気にならない。
しかし摩緒は、
もともとの変化が極端に小さい。

そのため、
珍しく驚いた。
いつもより強い言い方をした。
一瞬だけ顔が曇った。

そんな小さな反応でも、
普段との差が大きく見える。

特に紗那や御降家へ触れた時は、
摩緒の感情が分かりやすくなる。
普段は押し込めているものほど、
過去へ直接触れた瞬間に顔や行動へ現れる。

そして菜花は、
その場面を何度も近くで見ている。
ただ「無表情な人」と見るだけではなく、
何に怒るのか。
誰を心配するのか。
何を失うことを怖がっているのか。

少しずつ、
摩緒の内側を知る側へ移っている。

だから乙弥の
「表情が読みにくい方だ」
という一言は、
摩緒が永遠に理解不能な人物だという話ではない。

顔から読むのは難しい。
でも一緒にいる時間を重ねれば、
別のところから分かってくる。

菜花が摩緒へ近づいていく過程は、
まさにその繰り返しになる。

摩緒のポーカーフェイスは、
感情を消す壁ではない。
その奥にあるものを、
簡単には見せない壁に近い。

だからこそ、
その壁の向こうが少し見えた時に、
一つの反応が大きく感じられる。

乙弥でも読みづらい摩緒。
それでも菜花は、
顔だけに頼らず、
言葉や行動から少しずつ彼を知っていく。

『MAO』で摩緒の表情が読みにくいのは、
単なる無表情キャラだからではない。
900年分の過去を抱え、
感情を簡単には外へ出さない人物だからになる。

そしてその摩緒を、
菜花が少しずつ「読める側」へ近づいていること。
そこまで見ると、
乙弥の何気ない一言が、
二人の距離まで映す台詞に見えてくる。

MAOまとめ

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