ハッシュヴァルトが最後にバズビーを思い出したのは、死の間際になって急に友情を取り戻したからではない。
バズビーは、何も持っていなかった少年ユーグラムを初めて認め、一緒に生きる場所を与えた人物であり、ユーハバッハを選んだ後もその関係だけは完全には消えていなかった。
「僕らは友達だからだ」は、ハッシュヴァルトとバズビーの関係、二人の決別、ハッシュヴァルトの最後まで見た時に、彼が人生の最初に得た大切なものへ戻った言葉として見えてくる。
第1章 ハッシュヴァルトが最後にバズビーを思い出した答え
「僕らは友達だからだ」は死の直前に生まれた気持ちではない
第46話「THE END」で、ハッシュヴァルトの最期に残ったのはバズビーだった。
ユーハバッハの側近として動く。
命令に従う。
敵を排除する。
感情を表へ出さない。
そんな男が死を目前にして戻ったのは、皇帝のもとではなく、まだ「バズ」と「ユーゴー」だった頃になる。
そこで重なるのが、
「僕らは友達だからだ」
という言葉。
この一言だけを見ると、最後になって急に友情を思い出したようにも見える。
でも、第38話「FRIEND」まで戻ると違って見える。
ハッシュヴァルトは、バズビーを忘れていたのではない。
忘れたように振る舞い続けていただけだった。
第38話でバズビーは、昔の呼び方で「ユーゴー」と呼ぶ。
自分のことも「バズ」と呼べと迫る。
あの頃の関係を、最後まで捨て切れていないのはバズビーの方だった。
一方のハッシュヴァルトは冷静。
表情を崩さない。
昔話にも乗らない。
最後には、自分の剣でバズビーを斬り伏せる。
ここだけ見ると、完全な決別に見える。
友達だった過去を切る。
ユーハバッハを選ぶ。
バズビーを敵として処理する。
ハッシュヴァルトは、そういう道を最後まで選んだように映る。
でも本当に過去まで切れていたなら、第46話でバズビーは出てこない。
死の間際に浮かぶ必要もない。
しかも第46話では、その直前まで雨竜と戦っている。
雨竜は一護たちから離れ、ユーハバッハ側へ入ったように見える。
それでも実際には、友を切り捨てたわけではない。
危険な立場に身を置きながら、一護たちを守る方向へ動いている。
ハッシュヴァルトは、その雨竜を真正面から見ている。
ここが強い。
ハッシュヴァルト自身にも、かつて友がいた。
一緒に強くなろうとした。
同じ敵を倒そうとした。
でも最後には、その友と別の道を選んだ。
雨竜が友を捨てずに進む姿は、ハッシュヴァルト自身の過去を突き付ける形にもなる。
だから「僕らは友達だからだ」は、突然戻った友情ではない。
長い間、奥へ押し込めていた関係が最後に表へ出た言葉になる。
ハッシュヴァルトはバズビーを斬った。
バズビーの側へ戻らなかった。
ユーハバッハへの忠誠も捨てなかった。
それでも二人が友達だった事実まで消すことはできなかった。
ユーハバッハの側近。
星十字騎士団の最高位。
世界調和を持つ強者。
そういう肩書きが全部なくなった時、最後に残ったのが「ユーゴー」だった。
そして、そのユーゴーを知っているのがバズビー。
第46話の最期は、ハッシュヴァルトという人物が、人生の一番古い場所まで戻っていく場面に見える。
ユーハバッハを選んでも少年時代のバズビーは消えなかった
ハッシュヴァルトの人生を大きく変えたのは、ユーハバッハとの出会いだった。
それまでのユーグラムは、自分に力がないと思っている。
霊子を集めることが苦手。
弓もうまく作れない。
滅却師として、自分は劣っている。
そんな感覚を長く抱えていた。
そこへ現れたのがユーハバッハ。
ユーグラムは無能ではない。
周囲へ力を分け与える特殊な存在。
しかもユーハバッハと同じ側の性質を持つ。
その価値を、本人より先にユーハバッハが見抜く。
ここでユーグラムの人生は一気に変わる。
それまで自分を引っ張っていたのはバズビー。
今度はユーハバッハが、自分に役割を与える。
必要としてくれる。
居場所を与える。
やがてハッシュヴァルトは、ユーハバッハの側近へ上がっていく。
星十字騎士団の中でも特別な位置へ進む。
でも、この瞬間がそのままバズビーを嫌いになる瞬間ではない。
むしろ最初のユーグラムは、自分よりバズビーの方が相応しいと考えている。
自分は弓すら作れない。
バズビーは強い。
才能もある。
だから選ぶならバズビーだろう。
ユーグラムの中では、それまでの力関係がまだ生きていた。
ところが、ユーハバッハは違うものを見ていた。
バズビーが伸びた背景にも、ユーグラムの力が影響していた可能性を示す。
これがバズビーには残酷だった。
自分が天才だと思っていた。
自分がユーゴーを引っ張っていたと思っていた。
その前提を全部ひっくり返される。
しかも選ばれたのは、自分ではなくユーグラム。
ここから二人はずれていく。
ユーグラムは、初めて自分の価値を認めてくれたユーハバッハへ進む。
バズビーは、同じ敵を倒すはずだった友に置いていかれたと感じる。
同じ出来事。
同じ場所。
でも受け取り方は正反対。
この食い違いが、そのまま長い決別へつながっていく。
だからハッシュヴァルトとバズビーの関係は、単純な裏切りでは終わらない。
憎くなったから離れたわけではない。
最初から利用していたわけでもない。
同じ方向を向いていた二人が、ユーハバッハとの出会いで別の道へ分かれた。
それだけに、第38話の再会は重い。
昔の名前で呼ぶバズビーと、現在の立場を崩さないハッシュヴァルトが真正面からぶつかる。
そして第46話。
もう一度、最後にバズビーが浮かぶ。
ユーハバッハに選ばれた日でもない。
騎士団の頂点に立った日でもない。
まだ何者でもなかった少年時代。
そこへ戻る。
この流れを見ると、バズビーは「昔の友」ではない。
ハッシュヴァルトの人生の底に、最後まで残り続けた存在だったことが分かる。
第2章 バズビーは孤独だったユーグラムを最初に認めた人物だった
ウサギ狩りで出会ったバズとユーゴー
二人の始まりは、戦争でも星十字騎士団でもない。
第38話「FRIEND」で描かれた、森の中の出会いになる。
ユーグラムは一人で狩りをしている。
そこへ現れるのがバズビー。
最初から自信満々。
口も強い。
自分の力に迷いがない少年だった。
対するユーグラムは正反対。
ウサギを仕留めることにも苦労する。
霊子を集めるのも得意ではない。
滅却師なら当然のように作る弓も、うまく形にできない。
バズビーのような自信はない。
声も小さい。
最初から自分を弱い側に置いている。
そんなユーグラムを、バズビーは放っておかなかった。
自分について来い。
一緒に強くなればいい。
そんな形で前へ引っ張る。
優しく手を取るというより、強引に連れていく。
でも、その強引さがユーグラムには必要だった。
一人では動けなかった少年に、初めて進む方向ができる。
二人は一緒に鍛錬を始める。
最強の滅却師を目指す。
バズビーは自分の才能を疑わない。
ユーグラムは、なかなか同じようにはできない。
それでも二人の時間は続く。
すぐに見放されない。
できないから終わりではない。
ユーグラムにとって、これはかなり大きい。
さらにユーハバッハによって、バズビーの故郷が焼かれる。
ここから二人には共通の敵ができる。
一緒に強くなる。
そして、いつかユーハバッハを倒す。
遊び仲間だった二人が、同じ目的を持つ相棒へ変わっていく。
子どもの約束ではなく、その後の人生を決める目標になる。
ユーグラムにとってバズビーは、強い友達というだけではない。
自分が何者でもない時に、一緒に進もうと言った人物。
力が証明される前から隣にいた人物。
ユーハバッハが価値を見抜くより前に、ユーグラムを自分の側へ置いた人物。
ここが、第46話の最期までつながる。
ハッシュヴァルトになってからは立場が変わる。
ユーハバッハの側近になる。
バズビーとは敵になる。
第38話では実際に剣を向ける。
でも、最初の関係だけは消えない。
バズビーは「強くなった後のハッシュヴァルト」を知った人物ではない。
弱かった「ユーゴー」を知っている。
だから最後まで特別だった。
弓さえ作れなかった少年に「一緒に強くなる」という居場所ができた
幼少期のユーグラムを見ると、バズビーの存在がどれだけ大きかったかが分かる。
ユーグラムには、自分を肯定する強さがない。
滅却師なのに弓を作れない。
戦う力にも自信がない。
一人で前へ出る性格でもない。
そんな少年の横に、バズビーが入り込んでくる。
バズビーは乱暴。
口も悪い。
自分は天才だと言い切る。
ユーグラムに対しても遠慮しない。
でも「お前は駄目だから終わり」とはしない。
ユーグラムがすぐ強くならなくても、二人の鍛錬は続く。
そこに、言葉以上の関係がある。
ユーグラムからすれば、初めて自分を外へ連れ出した人物になる。
一人で狩りをしていた少年が、二人で強くなる未来を見る。
一人では持てなかった目標を持つ。
復讐という危険な目的まで共有する。
バズビーといる間だけは、自分にも進む道がある。
それが後の「友達」という言葉の重さにつながる。
ところが二人の関係は、ユーハバッハとの出会いで逆転する。
バズビーは自分がユーグラムを支えていると思っていた。
才能があるのは自分。
ユーグラムは後ろから付いてくる。
そんな感覚だった。
でもユーハバッハは、ユーグラムの特殊な力を見抜く。
周囲へ力を分け与える。
その影響で、バズビーまで伸びていた可能性がある。
ここでバズビーの中の景色が変わる。
自分が育てていたと思った友。
実は自分も、その友から力を受けていたかもしれない。
しかもユーハバッハから必要とされたのはユーグラム。
バズビーにとっては、自信も友情も一度に傷つく場面になる。
一方のユーグラムも単純ではない。
ユーハバッハに選ばれた。
自分の価値を初めて言葉にされた。
必要とされた。
その感覚は、自己評価の低かった少年には強烈だったはず。
だからユーハバッハを選ぶ。
でも、それはバズビーとの時間が偽物だったことにはならない。
むしろ、その二つが両方本物だったから苦しい。
バズビーは、自分を最初に連れ出した友。
ユーハバッハは、自分の価値を最初に見抜いた存在。
どちらもユーグラムの人生を変えている。
そして彼は後者を選んだ。
その結果、前者と決裂する。
第38話の戦いは、その長い選択の果てに起きた。
バズビーは最後まで「ユーゴー」と呼ぶ。
現在の地位では呼ばない。
昔の関係へ戻そうとするように名前を投げる。
ハッシュヴァルトは応じない。
昔のように笑わない。
でも完全に無関心なら、あれほど静かに受け止める必要もない。
二人の間には、切れているのに消えていないものが残っている。
だから第46話で「僕らは友達だからだ」へ戻る。
強かったからではない。
同じ騎士団にいたからでもない。
ユーハバッハに選ばれる前から、一緒にいたから。
弓すら作れなかった少年を知っていたから。
何者でもないユーグラムに、最初の居場所を作ったのがバズビーだったから。
ハッシュヴァルトの最期で残ったのは、勝敗ではない。
世界調和でもない。
星十字騎士団での地位でもない。
最後に残ったのは、少年時代の友だった。
そこまで戻って見ると、「僕らは友達だからだ」は単なる回想ではなく、ハッシュヴァルトという人物の一生を最初から最後までつなぐ言葉として見えてくる。
第3章 ユーハバッハとの出会いが二人を「友達」から引き離した
ユーグラムだけがユーハバッハに必要とされた日
バズビーとユーグラムの関係が決定的に変わったのは、ユーハバッハが二人の前へ現れた時だった。
それまで二人は、同じ敵を見ている。
一緒に強くなる。
最強の滅却師になる。
そして、自分たちの故郷を奪ったユーハバッハを倒す。
少なくともバズビーは、その未来を疑っていなかった。
ところがユーハバッハが探していたのは、バズビーではない。
目を向けたのはユーグラムだった。
霊子を集められない。
神聖弓も作れない。
自分には才能がないと思い続けてきた少年。
そのユーグラムに、ユーハバッハは特別な資質があると見抜く。
ユーグラムは、普通の滅却師とは違う。
自分で力を集めることは不得意。
その代わり、自分の力を周囲へ分け与えることができる。
ユーハバッハ自身と同じ系統の性質を持っていた。
本人が欠点だと思っていたものが、実は特別な力の裏返しだった。
ここでユーグラムの自己認識が根本から変わる。
しかもユーハバッハは、ユーグラムを必要だと言う。
自分の右腕。
自分を補う存在。
それまでバズビーの後ろを歩いていた少年が、突然大きな価値を与えられる。
ユーグラムからすれば、初めて自分自身の存在を明確に認められた瞬間でもある。
この言葉の力は大きい。
ただし、ユーグラムはすぐバズビーを切り捨てたわけではない。
むしろ、自分ではなくバズビーを選ぶべきだと訴える。
バズビーの方が強い。
ずっと自分を引っ張ってきた。
才能もある。
ユーグラムの中では、まだ「強いバズと弱いユーゴー」という関係が残っていた。
しかし、その言葉がバズビーを救うことはなかった。
ユーハバッハは、バズビーが急速に力を伸ばした背景にもユーグラムの存在があったと示す。
バズビーは自分の才能で強くなったと思っていた。
ユーグラムを鍛えているのも自分だと思っていた。
その自負が、一瞬で逆転する。
支えていたはずの友に、自分も支えられていたことになる。
ここから二人の視線は別々の方向へ向かう。
ユーグラムには、自分の価値を初めて見つけてくれたユーハバッハがいる。
バズビーには、自分たちのすべてを壊したユーハバッハがいる。
同じ人物を見ているのに、一人には「自分を必要とした王」。
もう一人には「故郷と友を奪った敵」。
この差はあまりにも大きい。
そしてユーグラムは、ユーハバッハの側へ進む。
この選択が後のハッシュヴァルトを作る。
星十字騎士団団長。
ユーハバッハの側近。
王が眠っている間には、全知全能まで預けられる特別な存在。
第38話の少年が、そのまま王の半身とも呼べる位置まで上がっていく。
でも、その出発点にはバズビーがいた。
だから第46話の最期が重くなる。
ユーハバッハは、ユーグラムに価値を与えた人物。
バズビーは、それより前にユーグラムと一緒にいた人物。
ハッシュヴァルトの中では、この二人が人生の別々の場所を占め続ける。
最後まで消えなかったのは、その最初の場所だった。
バズビーには「選ばれた友」が自分を捨てたように見えた
一方のバズビーから見ると、この日はかなり残酷になる。
自分はユーグラムより強い。
自分の方が才能もある。
自分がユーゴーを引っ張っている。
そう思いながら何年も一緒に鍛えてきた。
ところが、ユーハバッハが評価したのは自分ではなかった。
しかも選ばれたのは、ずっと隣にいたユーグラム。
自分たちは一緒にユーハバッハを倒すはずだった。
その相手から必要とされ、ユーグラムは向こう側へ進んでいく。
バズビーからすれば、単なる敗北ではない。
友達との約束まで持っていかれる。
ここで傷ついたのは、才能への自信だけではなかった。
さらに苦しいのは、ユーグラム自身にはバズビーを辱める意図が薄いこと。
バズビーの方が強い。
バズビーを選ぶべきだ。
ユーグラムは、本気でそう思っている。
でもバズビーには、それが優しさとして届かない。
自分を選ばなかった相手から推薦される。
この形は、むしろ自尊心を深く傷つける。
二人はここで喧嘩をして別れたわけではない。
嫌いだと言い合って終わったわけでもない。
もっと厄介な形で離れていく。
ユーグラムは、自分を必要とする場所へ進む。
バズビーは、友を奪ったユーハバッハへの怒りをさらに強くする。
話し合えば簡単に戻れる関係ではなくなっていく。
それでもバズビーは、ユーグラムを忘れない。
長い年月が流れる。
二人とも星十字騎士団に入る。
立場は変わる。
呼び名も変わる。
それでも第38話で真正面から向き合った時、バズビーの口から出るのは「ユーゴー」だった。
バズビーの中では、あの日の友がまだ終わっていない。
ここが、第46話の「僕らは友達だからだ」につながる。
バズビーだけが昔に取り残されていたのではない。
ハッシュヴァルトも、その記憶を消せてはいなかった。
ただ二人は、それを同じ形で表へ出せなかった。
一人は怒りとして抱え続ける。
一人は沈黙して奥へ押し込める。
その違いが、最後まで二人をすれ違わせた。
第4章 バズビーはなぜハッシュヴァルトを許せなかったのか
同じユーハバッハを倒すはずだった二人が敵同士になった
第38話「FRIEND」でバズビーがハッシュヴァルトの前へ現れた時、目的は再会ではない。
ユーハバッハを殺すために進んでいる。
聖別によって仲間たちが切り捨てられ、バズビー自身も王への反逆を隠さなくなる。
そして、その道を塞ぐ位置にいるのがハッシュヴァルト。
少年時代には同じ敵を倒すはずだった二人が、完全に逆の立場で向き合う。
この構図だけでも重い。
バズビーは、昔の目的をまだ捨てていない。
ユーハバッハを倒す。
そのために強くなる。
少年時代から持っていた怒りが、長い年月を経ても続いている。
対するハッシュヴァルトは、そのユーハバッハを守る側。
かつての約束とは正反対の位置に立っている。
だからバズビーの怒りは、ただの反乱ではない。
ユーハバッハへの怒り。
聖別への怒り。
そして、自分とは別の道へ進んだユーグラムへの怒り。
それらが全部重なっている。
目の前にいるのは星十字騎士団団長ハッシュヴァルト。
でもバズビーが戦っている相手には、昔の「ユーゴー」も重なっている。
戦闘でも、その熱量の差ははっきりしている。
バズビーは炎を叩きつける。
挑発する。
昔の名前で呼ぶ。
感情をぶつけ続ける。
一方のハッシュヴァルトは冷静。
必要以上に声を荒らげない。
王の利益にならない戦いをやめるよう告げる。
この温度差が二人らしい。
バズビーは最後まで、ハッシュヴァルトの内側を動かそうとする。
怒らせる。
反応させる。
昔の関係を引きずり出そうとする。
でもハッシュヴァルトは応じない。
王の側近としての立場を崩さない。
そこへバズビーの苛立ちがさらに積み重なる。
そして戦いは、昔のような競争では終わらない。
どちらが先に弓を作れるか。
どちらが強くなれるか。
そんな少年時代の勝負ではない。
剣と炎がぶつかり、血が流れる。
最終的にハッシュヴァルトの一撃がバズビーを斬る。
二人の決別が、肉体的な傷として刻まれる。
それでもバズビーは、最後まで昔の関係を捨てない。
ここが悲しい。
敵として憎んでいる。
裏切られたと思っている。
殺すつもりで戦っている。
それなのに「ユーゴー」と呼ぶ。
完全に他人になれたなら、その名前を使う必要はない。
怒りの底に、まだ友達だった時間が残っている。
第38話「FRIEND」は仲直りではなく、すれ違ったまま終わる
第38話が強烈なのは、二人が最後に分かり合って終わらないところ。
昔を思い出す。
本音を語る。
抱えていた誤解が解ける。
そういう結末にはならない。
バズビーは倒れる。
ハッシュヴァルトは立ったまま。
二人の道は最後まで交わらない。
だから視聴後に残るものが大きい。
本当にハッシュヴァルトは何も感じていなかったのか。
バズビーをただの反逆者として斬ったのか。
少年時代の時間は消えていたのか。
第38話だけでは、ハッシュヴァルトの感情はほとんど表へ出ない。
むしろ抑えているからこそ、疑問が残る。
バズビーは分かりやすい。
怒っている。
悔しい。
ユーグラムに反応してほしい。
昔の友へ感情をぶつける。
その熱が表に出続ける。
ハッシュヴァルトは逆。
何を感じているのかを隠す。
王の側近として振る舞い続ける。
二人は最後まで、感情の出し方まで正反対だった。
ただ、ハッシュヴァルトにも一瞬の揺れがある。
バズビーをただの敵として扱うだけでは終わらない。
名前を呼ぶ。
昔を知っているからこその反応が漏れる。
大きく感情を爆発させることはない。
それでも、完全に切り捨てた相手に向ける態度とも少し違う。
この小さな揺れが、第46話まで残っていく。
第46話まで見ると、第38話の印象が変わる。
あの時、ハッシュヴァルトはバズビーとの友情を否定していたのではない。
王を選んだ自分が、その友情へ戻らないようにしていたとも見える。
一度選んだ道を曲げない。
ユーハバッハへの忠誠を崩さない。
そのために、バズビーへ向ける感情まで押さえ込んでいた。
だから二人は仲直りできなかった。
バズビーは、ユーゴーに戻ってほしい。
ハッシュヴァルトは、もうユーゴーとして振る舞えない。
一人は過去を引っ張り出す。
一人は現在の立場へ踏みとどまる。
互いに相手を見ているのに、立っている時間が違う。
このすれ違いが最後まで続く。
そして第46話で、ようやくハッシュヴァルト側から「友達」が出る。
バズビーが生きている時ではない。
戦っている時でもない。
もう本人へ届けることのできない最期の瞬間。
そこで初めて、ずっと口にしなかった関係が言葉になる。
だから「僕らは友達だからだ」は、仲直りの台詞より重く響く。
バズビーは、最後までハッシュヴァルトを許せなかった。
ハッシュヴァルトも、最後までバズビーの側へ戻れなかった。
それでも、二人が友達だったことだけは消えなかった。
第38話「FRIEND」で決裂し、第46話「THE END」でようやくその関係が言葉になる。
二つの話をつなげると、ハッシュヴァルトの最期にバズビーが現れたことが、偶然ではなかったと見えてくる。
第5章 ハッシュヴァルトは本当にバズビーを捨てていたのか
感情を見せないハッシュヴァルトにもバズビーだけは残り続けた
第38話「FRIEND」でバズビーを斬ったハッシュヴァルトを見ると、友情を完全に捨てたようにも見える。
昔の名前で呼ばれても応じない。
挑発されても激しく怒らない。
ユーハバッハへの反逆をやめるよう告げる。
最後には、自分の剣でかつての友を倒す。
行動だけを並べれば、ハッシュヴァルトは徹底して王の側にいる。
ただ、ハッシュヴァルトはもともと感情を大きく表へ出す人物ではない。
第19話では、敗北した蒼都やBG9の処刑を任される。
敗者を容赦なく斬り、ユーハバッハという存在が何を求めているのかを雨竜へ語る。
個人的な同情より、王の規律を優先する。
その冷静さは、バズビーと向き合った時だけ突然生まれたものではない。
だから第38話で重要なのは、ハッシュヴァルトが泣かなかったことではない。
バズビーへの感情を、最後まで表へ出さないまま戦ったこと。
バズビーは「ユーゴー」と呼ぶ。
昔の二人へ戻るように言葉をぶつける。
それでもハッシュヴァルトは、現在の立場を崩さない。
感情が無いというより、感情より選んだ道を優先している。
バズビーの方は正反対。
炎を放つ。
怒鳴る。
過去を持ち出す。
昔の呼び名まで使う。
ハッシュヴァルトに何かを返してほしいように、何度も感情をぶつける。
二人の戦いは、炎と剣の勝負であると同時に、感情を表へ出す男と押し込める男の衝突にもなっている。
そして決着の直前。
バズビーは最大級の炎を放ち、限界までハッシュヴァルトへ食らいつく。
それでも届かない。
斬られ、力を失い、倒れていく。
そこでバズビーから出るのは、単純な憎しみではない。
長い間追い続けた友に敗れたことを、どこか受け入れるような静けさまで混ざってくる。
この場面でも、ハッシュヴァルトは大きく取り乱さない。
泣き叫ばない。
昔の約束を語り直すこともしない。
そのため、第38話の時点では「本当に何も残っていないのか」という疑問が残る。
しかし第46話まで進むと、その疑問への見え方が変わる。
ハッシュヴァルトの中にも、バズビーは確実に残っていた。
もし完全に切り捨てていたなら、最期に少年時代へ戻る必要はない。
バズビーとの関係を「友達」として残す必要もない。
第38話では言えなかった。
バズビー本人にも伝えなかった。
それでも死を目前にして「僕らは友達だからだ」というところまで戻る。
ハッシュヴァルトは、関係そのものを否定していたわけではなかった。
むしろハッシュヴァルトは、バズビーを友として認めたまま、バズビーとは違う道を選び続けた。
ここが二人の関係をさらに苦しくする。
嫌いだから捨てたのなら分かりやすい。
友情が消えていたのなら、第38話で終われる。
でも友達だったことを消せないまま、王を選び、その友を自分の手で斬った。
その選択が第46話まで残っていた。
バズビーとの戦いが終わっても少年時代の記憶は消えなかった
ハッシュヴァルトにとって、ユーハバッハへの忠誠は一時的なものではない。
自分を見いだした王。
自分の価値を言葉にした人物。
自分を右腕として必要とした存在。
そのユーハバッハに従うことは、ハッシュヴァルト自身の生き方と深く結び付いている。
だからバズビーが現れても、簡単に王を裏切ることはできない。
一方で、バズビーとの時間はそれより古い。
ユーハバッハから価値を認められる前。
星十字騎士団へ入る前。
世界調和を持つ前。
ハッシュヴァルトという名前が重い立場を持つ前。
まだ弱く、自分に自信を持てなかったユーゴーの横にバズがいた。
この順番が大きい。
ユーハバッハは、ユーグラムが何者なのかを教えた。
バズビーは、何者でもなかったユーグラムと一緒にいた。
片方は価値を見抜いた人物。
もう片方は価値が証明される前から隣にいた人物。
二人とも、ハッシュヴァルトの人生から簡単には消せない。
だから第38話の戦いは、バズビーを斬ったことで終わっても、ハッシュヴァルトの中では終わり切っていない。
昔の友を敵として倒した。
王の側近としては、それで正しい。
反逆者を通すわけにはいかない。
でも正しい行動を選んだことと、心の中まで何も感じなくなることは別になる。
第46話は、そこを最後に見せてくる。
ハッシュヴァルトは長く「選ばれた側」にいた。
バズビーではなく自分がユーハバッハに選ばれた。
王の側近になった。
雨竜が後継者として現れてからも、ユーハバッハへの忠誠を崩さない。
自分の役割を受け入れ続ける。
しかし最期には、その役割より古い記憶が戻ってくる。
これはバズビーとの仲直りではない。
二人は生きている間に元へ戻れなかった。
バズビーを斬った事実も変わらない。
ハッシュヴァルトがユーハバッハを選び続けた事実も消えない。
それでも最後の最後に、二人が友達だったことだけは残る。
そこが「僕らは友達だからだ」の重さになる。
第6章 雨竜との戦いでハッシュヴァルト自身が突き付けられた「友達」
一護たちを裏切ったように見えても雨竜は友を捨てていなかった
第46話へつながるもう一つの重要な存在が石田雨竜。
ハッシュヴァルトとバズビーだけを見ていると、最期の回想は少年時代への帰還だけに見える。
しかし、その直前までハッシュヴァルトが戦っている相手は雨竜。
この雨竜が何を選んだ人物なのかを見ると、バズビーの記憶が戻る流れがさらに強くなる。
千年血戦篇で雨竜は、突然ユーハバッハの側へ入る。
一護たちの前から離れる。
見えざる帝国の服を着る。
さらにユーハバッハから後継者として指名される。
一護たちから見れば、仲間だった雨竜が敵へ回ったように見える。
ハッシュヴァルトから見ても、雨竜は王の後継者という特別な位置へ入ってくる。
第40話では、その雨竜の前へ一護が現れる。
ハッシュヴァルトは雨竜へ、裏切り者ではないことを証明するよう迫る。
そこで雨竜は一護へ弓を向ける。
目の前には昔からの仲間。
背後にはユーハバッハ側のハッシュヴァルト。
雨竜が本当に一護を切り捨てるのか、緊張が走る場面になる。
ところが雨竜の行動は、単純な裏切りではなかった。
一護たちを遠ざけるように見せながら、奥では自分の目的を持って動いている。
周囲から敵だと思われてもいい。
一護に誤解されてもいい。
それでも、自分がやるべきことを進める。
雨竜らしい不器用さが、ここでも続いている。
第41話では、その関係が再び変わる。
一護と雨竜は、友として、仲間として並び立つ。
ユーハバッハを倒す目的が明確になる。
雨竜は最後まで、一護たちとの関係を捨てていなかった。
表面では敵に見える。
実際には友を守る方向へ動いていた。
この雨竜を、ハッシュヴァルトは間近で見続けることになる。
ここでハッシュヴァルトとの違いが出る。
雨竜にも、ユーハバッハから特別な立場を与えられた時間がある。
後継者として指名される。
見えざる帝国の中へ入る。
一護たちから離れる。
状況だけなら、少年時代にユーハバッハから選ばれたユーグラムと重なる部分がある。
でも最後の選択が違う。
雨竜は、選ばれた立場より友との関係を残した。
ハッシュヴァルトは、友との関係よりユーハバッハへの忠誠を選び続けた。
同じ王の近くに立った二人。
同じように昔の仲間と別れた二人。
その二人が最後に向き合う。
ここでバズビーの記憶がハッシュヴァルトの中へ戻ってくる。
友を捨てない雨竜が「バズビーを選ばなかった自分」と重なっていく
ハッシュヴァルトから見た雨竜は、最初から警戒する相手でもあった。
ユーハバッハから突然後継者に選ばれた。
聖文字「A」を与えられる。
しかも、その力は完全反立。
ハッシュヴァルトの世界調和とは違う方向から、起きた出来事そのものへ干渉する力になる。
能力だけでなく、立場でも互いを意識せざるを得ない。
最終クールでは、二人が正面から激突する。
ハッシュヴァルトは世界調和で不運を相手へ返す。
雨竜は完全反立で二者の間に起きた事象を反転させる。
傷が移る。
優勢が変わる。
相手の能力を理解しながら、さらにその上を取ろうとする。
頭脳と能力が正面からぶつかる戦いになる。
ただ、この戦いは能力勝負だけでは終わらない。
雨竜には一護たちがいる。
ハッシュヴァルトにはバズビーがいた。
どちらも友と別の場所へ進んだ。
どちらもユーハバッハの近くへ入った。
それでも雨竜は、最後には友の方へ戻る。
ここがハッシュヴァルトには決定的に違う。
ハッシュヴァルトは少年時代、自分を最初に認めたバズビーではなく、自分の価値を見抜いたユーハバッハを選んだ。
それから長い時間、その選択を守り続ける。
バズビーが目の前へ来ても変えない。
バズビーを自分で斬っても変えない。
王への忠誠を最後まで崩さない。
それがハッシュヴァルトの人生だった。
対する雨竜は、一護から離れても関係を切っていない。
敵に見せる。
攻撃まで向ける。
それでも本当の目的は別にある。
最後には一護と並び立つ。
友を守るため、自分が敵に見える立場まで引き受けた。
ハッシュヴァルトとは、よく似た入口から正反対の出口へ進んでいる。
だから第46話で雨竜と向き合うことは、ハッシュヴァルトにとって自分の過去を見ることにもなる。
もし自分がバズビーを選んでいたら。
もしユーハバッハより友との約束を選んでいたら。
そんな別の人生を口にする必要はない。
雨竜が目の前で、それに近い選択を見せているからだ。
そして聖別がハッシュヴァルトへ降りかかる。
長く仕えてきた王から力を奪われる。
ユーハバッハを選び続けた人生の最後に、そのユーハバッハ自身から切り捨てられる。
ここでハッシュヴァルトの前から、王に仕える者としての未来が消える。
残る時間は少ない。
その中で雨竜と向き合い、最後にバズビーへ戻る。
第46話の「僕らは友達だからだ」が強いのは、この順番があるから。
ただ昔を懐かしんだのではない。
目の前には、友を最後まで捨てなかった雨竜がいる。
自分には、最後まで戻れなかったバズビーがいる。
その二つが並んだ時、ハッシュヴァルトの人生で選ばなかったものが浮かび上がる。
ハッシュヴァルトは最後までユーハバッハの側にいた。
だからといって、バズビーとの友情が偽物だったわけではない。
むしろ本物だったから、最後に残る。
雨竜が一護たちを選んだ姿を前にして、ハッシュヴァルトの中にも「友達」という言葉が戻ってくる。
第46話の最期は、雨竜との戦いとバズビーとの過去が一本につながる場面になっている。
第7章 「僕らは友達だからだ」でハッシュヴァルトが最後に取り戻したもの
ユーハバッハから与えられた価値より先にあったバズビー
ハッシュヴァルトの人生を見ると、ユーハバッハから与えられたものはあまりにも大きい。
自分の力の正体。
自分が特別な存在であること。
王の右腕という立場。
星十字騎士団の中でも特別な地位。
それまで自分を弱いと思っていたユーグラムに、明確な価値を与えたのがユーハバッハだった。
だからハッシュヴァルトは、その恩を簡単には捨てない。
バズビーが反逆しても王の側に立つ。
雨竜が後継者として現れても、自分の役割を続ける。
第38話では、昔の友だったバズビーを自分の手で斬る。
第46話でも、最後までユーハバッハへの忠誠を崩さない。
そこまで貫いたからこそ、最期のバズビーが強くなる。
ユーハバッハは、ユーグラムに「お前には価値がある」と教えた。
でもバズビーは、それより前から一緒にいた。
価値が証明される前。
特別な力が判明する前。
弓すらうまく作れない頃。
自信もなく、前へ出られなかった頃。
そのユーグラムを知っていたのがバズビーだった。
ここが二人の関係の根になる。
バズビーは、完成したハッシュヴァルトを見て友達になったわけではない。
強くなったから近づいたわけでもない。
ユーハバッハの側近になったから認めたわけでもない。
何も持っていなかった少年に近づき、一緒に強くなる未来を作った。
その時間が、後のすべてより先にある。
だから、聖別を受けた後のハッシュヴァルトに残るものが変わってくる。
王の側近としての未来は消える。
戦い続ける力も失われていく。
ユーハバッハのもとへ戻ることもできない。
長く守ってきた立場が一つずつ消えていく。
その最後に浮かぶのが、役割を持つ前の自分になる。
バズビーと出会った森。
一緒に鍛えた時間。
同じ敵を見ていた日々。
「バズ」と「ユーゴー」と呼び合っていた関係。
そこには王もいない。
星十字騎士団もない。
世界調和もない。
ただ二人の少年がいる。
第46話の「僕らは友達だからだ」は、そこへ戻る言葉になる。
王に選ばれた自分ではない。
強者になった自分でもない。
バズビーと一緒にいたユーグラムへ戻る。
ハッシュヴァルトが最後に思い出したのは、人生で最初に自分を外へ連れ出してくれた人物だった。
二人は仲直りできなかったからこそ最後の言葉が重い
ハッシュヴァルトとバズビーの関係は、最後まで綺麗には終わらない。
生きているうちに謝ることはない。
昔のように並んで戦うこともない。
バズビーはハッシュヴァルトを許さない。
ハッシュヴァルトもユーハバッハから離れない。
二人は最後まで、別々の道を歩いた。
第38話では、それがそのまま形になる。
バズビーは昔の名前で呼ぶ。
過去をぶつける。
炎を叩きつける。
それでもハッシュヴァルトは戻らない。
最後には剣を振るい、バズビーを倒す。
友情があるから手を止めるような結末にはならない。
だから第46話の言葉が軽くならない。
もし第38話で二人が仲直りしていたら、
「僕らは友達だからだ」
は確認の言葉になる。
でも実際には違う。
バズビー本人へ届かない。
もうやり直せない。
その状態で出るから、取り返せなかった時間まで全部入る。
ハッシュヴァルトは、最後になってバズビーの側へ寝返ったわけではない。
ユーハバッハへの忠誠を否定したわけでもない。
自分の人生が間違っていたと叫ぶわけでもない。
それでも、バズビーとの関係だけは消さない。
王を選んだ自分と、友だった自分。
その両方を抱えたまま終わる。
ここに、ハッシュヴァルトという人物の苦しさがある。
どちらか一方が嘘だったわけではない。
ユーハバッハへの忠誠も本物。
バズビーとの友情も本物。
だから片方を選んでも、もう片方は完全には消えない。
長い年月をかけて押し込めたものが、最後に残る。
雨竜との対比も、ここで効いてくる。
雨竜は一護たちと離れる。
敵に見える行動まで取る。
それでも最後には、友との関係を捨てない。
ハッシュヴァルトは、その姿を目の前で見る。
そして自分には、戻れなかった友がいる。
その相手がバズビーだった。
だから第46話の最期は、単なる死亡場面ではない。
ハッシュヴァルトが何を一番深い場所に残していたのかが見える場面になる。
王の右腕として終わるのではない。
バズビーの友だったユーゴーとしても終わる。
その二つが重なるから、静かな場面なのに強く残る。
「僕らは友達だからだ」
この言葉は、二人の関係を美しく塗り替えるものではない。
裏切りもある。
怒りもある。
決裂もある。
殺し合いまでした。
それでも、最初に友達だったことだけは消えなかった。
ハッシュヴァルトが最後にバズビーを思い出したのは、死の直前に突然友情へ戻ったからではない。
最初から、完全には捨てられていなかったから。
ユーハバッハを選び続けても、
バズビーを斬っても、
長い年月が過ぎても、
ユーグラムの一番古い場所にはバズビーがいた。
第38話「FRIEND」で二人は決裂する。
第46話「THE END」で、その関係が最後にもう一度現れる。
そこで初めて、ハッシュヴァルトの側から「友達」という言葉が残る。
仲直りできなかった二人だからこそ、その一言が結末になる。
バズビーは最後まで、ハッシュヴァルトの過去ではなく、人生の一部だった。



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