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【転スラ4期】リムルはなぜレオンを殴って共闘した?シズの仇を敵視しなくなった真相

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リムルはレオンを許したのではなく、第90話でシズへの怒りを拳に込め、過去への落とし前をつけた。
レオンがシズを召喚した背景にはクロエ捜索があり、事情を知ったリムルは、第91話でグランベルを欺くためレオンとの戦いを演じる。
「レオンとリムルは敵か味方か」の答えは、シズの仇から、クロエとクロノアを救うため共闘できる相手へ変わった、となる。

  1. 第1章 リムルはなぜレオンを敵視しなくなった?許したのではなく落とし前をつけた
    1. 第90話の一発で、シズへの怒りと現在の戦いを切り分けた
    2. レオンの事情を知り、倒す相手ではなく共闘できる相手へ変わった
  2. 第2章 リムルはなぜレオンをシズの仇だと思っていたのか
    1. 第7話で見たのは、炎の東京から召喚される幼いシズの記憶
    2. イフリートを宿され、置き去りにされたシズの思いをリムルが受け継いだ
  3. 第3章 ワルプルギスで対面しても、リムルがレオンを攻撃しなかったのはなぜか
    1. 第45話でレオンはリムルの姿にシズの面影を見ていた
    2. 怒りだけで斬りかからず、本人から話を聞こうとした
  4. 第4章 レオンが異世界人を召喚していたのはクロエを探すためだった
    1. レオンとクロエは同じ世界から来た幼なじみだった
    2. シズはクロエを探す召喚に巻き込まれ、イフリートで命をつながれた
  5. 第5章 第90話でリムルがレオンを殴った一発には何が込められていたのか
    1. 事情を知っても、シズが受けた苦しみまで消えるわけではない
    2. 殴った後も戦い続けなかったことが、リムルの答えだった
  6. 第6章 第91話からリムルとレオンはどう共闘したのか
    1. 敵対しているように剣を交え、グランベルの狙いを探った
    2. クロノアを倒さず、クロエとヒナタを救うため防御役を任せた
  7. 第7章 リムルとレオンは敵なのか味方なのか
    1. シズの件は消えないが、現在のレオンは討つべき敵ではない
    2. 二人を結んだのは、クロエを救うという同じ目的だった

第1章 リムルはなぜレオンを敵視しなくなった?許したのではなく落とし前をつけた

第90話の一発で、シズへの怒りと現在の戦いを切り分けた

リムルがレオンを敵視しなくなったのは、
シズが受けた苦しみを忘れたからではない。
第90話でリムルがレオンを殴った一発には、
幼いシズを召喚し、イフリートを宿らせ、
その人生を大きく変えた男への怒りが込められていた。

シズは第8話で最期を迎える直前まで、
レオンに会い、自分の存在を認めさせようとしていた。
そのシズを取り込んだリムルは、姿と能力だけでなく、
彼女が抱えていた後悔と果たせなかった願いも受け継いだ。
レオンとの対面は、第1期から続いた目的の一つだったのである。

だから第90話でレオンが事情を話したとしても、
リムルが何もせず納得することはできなかった。
レオンにはクロエを探していたという事情があり、
シズへイフリートを宿したことで彼女の命も救われている。
しかし、その後にシズが苦しんだ時間まで消えるわけではない。

リムルは説明を聞いたうえで、レオンへ拳を振るった。
命を奪う技でも、魔王同士の全面戦争を始める攻撃でもなく、
シズの代わりに一発だけ殴るという選択だった。
過去をなかったことにはしないが、
その怒りだけで現在の判断を誤らないという線引きである。

もしリムルがレオンを倒すつもりなら、
一発で攻撃を止め、話を続ける必要はない。
だがリムルはレオンの言葉を聞き、
クロエを探し続けてきた行動も確かめた。
殴った後に対話を続けたことが、
レオンへの見方が変わった最初の答えになっている。

レオンも殴られたことで怒りを爆発させず、
シズの件を完全な誤解だとして退けなかった。
言葉が足りず、シズの心を傷つけた事実を受け止め、
リムルの一発をシズからの返事として受けたように見える。
ここで二人は、過去を抱えたまま同じ方向を向き始めた。

レオンの事情を知り、倒す相手ではなく共闘できる相手へ変わった

リムルが見方を変えた大きな点は、
レオンの目的が支配や侵略ではなかったことである。
レオンが長い間探していたのは、
元の世界で突然離れ離れになったクロエだった。
魔王になった後も、行動の中心にはクロエ捜索があった。

もちろん、目的が大切な人の捜索だったとしても、
その途中で行った異世界人召喚が正しくなるわけではない。
クロエを探すために多くの子供たちが召喚され、
シズも空襲中の東京から見知らぬ世界へ連れてこられた。
リムルはレオンの事情と、残された被害を分けて見ている。

それでもレオンがクロエを道具として求めておらず、
本気で助けたいと願っていることは伝わった。
レオンが第89話でエルメシアへ協力を求め、
危険なルベリオスへ自ら向かった行動からも、
クロエを救うためなら動くという覚悟が見える。

さらにルベリオスでは、グランベルの動きを止め、
封印から現れるクロノアへ対応する必要があった。
リムルとレオンが争えば、喜ぶのはグランベル側であり、
クロエを救う機会まで失う可能性がある。
個人的な怒りを優先できる状況ではなかった。

そこでリムルは、レオンを全面的に信用するのではなく、
同じ目的のために背中を預けられる相手だと判断した。
レオンもリムルがクロエを傷つけず、
中にいる魂まで救おうとしていると分かり、
その指示を受けて行動するようになる。

二人の関係は、敵から親友へ変わったわけではない。
シズの過去については、今も消えない痛みが残っている。
それでも現在のレオンは倒すべき悪ではなく、
クロエとクロノアを救うため協力できる魔王だった。
リムルは感情を捨てず、相手を見る目だけを更新したのである。

第2章 リムルはなぜレオンをシズの仇だと思っていたのか

第7話で見たのは、炎の東京から召喚される幼いシズの記憶

リムルが最初からレオン本人を知っていたわけではない。
レオンへの印象を作ったのは、
第7話「爆炎の支配者」で見たシズの過去だった。
空襲によって東京が炎に包まれる中、
幼い井沢静江は母親と共に逃げようとしていた。

しかし次の瞬間、シズだけが異世界へ召喚される。
目の前にいたのは、魔王レオン・クロムウェルだった。
家族を失い、言葉も通じない世界へ連れてこられた少女に、
レオンは優しく事情を説明することもなく、
シズが召喚に耐えられるかを見定めていた。

幼いシズの身体は、大量の魔素へ耐えられる状態ではなかった。
そのままでは命を落とすと判断したレオンは、
炎の上位精霊イフリートをシズへ宿らせる。
この処置によって命はつながったが、
シズは自分の身体を自由にできない苦しみも背負った。

レオンの城で暮らしていた時には、
同じように召喚された少女ピリノと出会っている。
ところがピリノと風狐へ向けられた敵意に反応し、
シズの中のイフリートが身体を奪って炎を放った。
意識のあるシズは、大切な友達が焼かれる光景を止められなかった。

この体験は、イフリートがシズを守るだけの精霊ではなく、
いつ自分の身体を奪うか分からない存在だと示している。
レオンが命を救ったという一面があっても、
シズにとっては恐怖と後悔を生んだ力だった。
リムルがレオンを簡単に善人と思えないのは当然である。

後に一人の勇者がレオンのもとからシズを救い出し、
抗魔の仮面によってイフリートを抑えられるようになる。
それでも、召喚された日から始まった苦しみは消えない。
英雄「爆炎の支配者」と呼ばれるほど強くなった後も、
シズはレオンとの過去を心の奥へ抱え続けていた。

イフリートを宿され、置き去りにされたシズの思いをリムルが受け継いだ

長い年月を生きたシズは、冒険者として人々を救い、
イングラシアでは召喚された子供たちの先生も務めた。
自分と同じように異世界へ連れてこられた子供を前にすると、
放っておくことができなかった。
その優しさの奥には、自分が救われたかった記憶が残っている。

しかし老いと共にイフリートを抑える力が弱まり、
第7話ではついに身体を乗っ取られてしまう。
シズの姿が炎に包まれ、仲間へ攻撃を向ける中、
リムルは炎への耐性を生かして正面から立ち向かった。
そして捕食者でイフリートを飲み込み、シズを解放する。

イフリートを失ったシズは、長く保たれていた身体が崩れ、
第8話「受け継がれる想い」で最期を迎える。
リムルは思念伝達を使い、
戦後に復興した日本の町並みをシズへ見せた。
帰れなかった故郷の現在を知り、シズの表情は穏やかになる。

そのシズが最後に望んだのは、
リムルの中で静かに眠ることだった。
リムルは捕食者を使ってシズを取り込み、
彼女によく似た人間の姿と能力を受け継いだ。
同時に、レオンへ届かなかった思いも背負うことになる。

リムルにとってシズは、短い間しか共に過ごしていなくても、
この世界で初めて出会った同郷の日本人だった。
人間の姿を与え、進むべき場所を教え、
残された子供たちとの縁までつないでくれた恩人でもある。
そのシズを苦しめたレオンへ怒りを抱くのは自然だった。

だから第90話の一発は、突然の感情的な攻撃ではない。
第7話で知った召喚、第8話で受け継いだ願い、
イングラシアで出会った教え子たちとの時間まで重なっている。
リムルは長く預かってきたシズの思いを拳に込め、
ようやくレオン本人へ届けたのである。

第3章 ワルプルギスで対面しても、リムルがレオンを攻撃しなかったのはなぜか

第45話でレオンはリムルの姿にシズの面影を見ていた

リムルがレオンと初めて直接言葉を交わしたのは、
第2期第45話「示指のアダルマン」である。
魔王達の宴へ向かう前から、リムルはレオンが参加すると考え、
シズを泣かせた男へ一発入れるつもりでいた。
第8話から抱えてきた目的が、ようやく動こうとしていた。

ただし魔王達の宴で最優先だったのは、
クレイマンの嘘を暴き、テンペストへの攻撃を止めることだった。
ミリムが操られている可能性や、カリオンの行方も分からず、
リムルがレオンへ個人的な戦いを仕掛ければ、
本来の目的を果たせなくなる危険があった。

魔王が全員集まる会場では、ギィが場を取り仕切っている。
リムルが怒りに任せて攻撃すれば、
新しく魔王になったばかりの自分だけでなく、
連れてきたシオンやランガまで危険にさらしてしまう。
殴りたい気持ちがあっても、場所と順番を選ぶ必要があった。

その会場でレオンはリムルへ近づき、
目の前にいる青髪の人物がリムルなのかと確かめる。
レオンが気に留めたのは、魔王としての強さよりも、
リムルの人間姿がシズによく似ていたことだった。
その姿を見て、懐かしく思ったと自分から話している。

リムルはシズがすでに亡くなったことを伝え、
彼女との間に何があったのかを問いかける。
レオンはシズの存在を知らないふりで逃げず、
自分が召喚し、イフリートを宿した少女だと分かっていた。
短い会話でも、無関係な相手ではないことが確かめられた。

レオンがシズを懐かしいと感じていたことも重要である。
幼い少女を道具として使い、完全に忘れていたのなら、
リムルの顔を見てシズを思い出すことはない。
態度は冷たく、言葉も少ないままだったが、
レオンの中にもシズの記憶が残っていると分かった。

怒りだけで斬りかからず、本人から話を聞こうとした

リムルはレオンへ、シズのことで一発殴らせろと迫る。
第8話でシズを取り込んだ後に口にした願いを、
本人の前で初めてはっきり示した場面である。
しかしレオンは、その場で殴られることを受け入れず、
話があるなら自分の城へ来いとリムルを誘った。

この返答だけを見ると、レオンが逃げたようにも見える。
だが魔王達の宴は、クレイマンが開いた正式な会合であり、
個人的な過去へ決着をつける場所ではない。
レオンもリムルとの話を拒んだのではなく、
別の場所で向き合う道を残している。

リムルがその場で攻撃しなかったのは、
レオンを怖がったからでも、シズを忘れたからでもない。
自分が知っているのは、シズ側から見た過去であり、
レオンが何を考えて召喚を行ったのかまでは分からなかった。
殴る前に聞くべき話が残っていると考えたのである。

リムルは相手の行動に怒っても、
自分の中にある情報だけで相手を決めつけない。
第2期ではヒナタとのすれ違いによって命を狙われ、
話し合えないまま戦う危険をすでに体験している。
レオンとの問題でも、同じ失敗を繰り返そうとはしなかった。

また、この時のレオンはテンペストを攻撃していない。
クレイマンの嘘へ加わったわけでもなく、
リムルを魔王として認めない態度も見せていなかった。
シズとの過去は重くても、現在の行動だけを見れば、
すぐに倒さなければならない敵とは言えなかった。

ワルプルギスで二人の関係が良くなったわけではない。
リムルは殴るという考えを取り下げず、
レオンも詳しい事情をその場では話さなかった。
それでも互いの顔を見て、後で対話する約束を作ったことが、
第90話の一発と、その後の共闘へつながっていく。

第4章 レオンが異世界人を召喚していたのはクロエを探すためだった

レオンとクロエは同じ世界から来た幼なじみだった

レオンの行動を変えて見せる存在が、クロエ・オベールである。
レオンとクロエは、この世界で出会った魔王と召喚者ではない。
元の世界で一緒に過ごしていた幼なじみであり、
幼いレオンにとってクロエは、妹のように守りたい相手だった。
レオンの冷たい表情からは想像しにくいほど大切な存在である。

二人は召喚魔法で選ばれて呼ばれたのではなく、
偶然起きた次元のゆがみに一緒に巻き込まれた。
突然知らない世界へ来たクロエを守るため、
レオンは自分の中へ流れ込んだ魔素を必死に抑え、
幼い身体のままクロエを守ろうとしていた。

ところがレオンのすぐそばにいたクロエは、
何の前触れもなく姿を消してしまう。
襲われた形跡も、どこかへ歩いていった跡もなく、
目の前から突然いなくなったため、
レオンにはクロエの行き先を追う手掛かりがなかった。

それからレオンは、クロエを探して世界を回り続けた。
勇者として力を得た後も、魔王と呼ばれる立場になった後も、
最初の目的だけは変わっていない。
国を持ち、強い配下を集めたことも、
クロエを探し続けるための土台になっている。

やがてレオンは、クロエが元の世界へ戻った可能性を考える。
それなら異世界から特定の人物を呼び出す方法を完成させ、
もう一度クロエをこの世界へ呼べばよい。
その考えから召喚魔法の研究を続けるが、
呼びたい一人だけを選ぶことはできなかった。

クロエを助けたいという思いそのものは本物である。
だが長い捜索の中で、レオンは他の人を巻き込んでも、
クロエへたどり着くことを優先するようになった。
大切な人を救いたいという願いと、
そのために多くの犠牲を出した行動は別に見なければならない。

シズはクロエを探す召喚に巻き込まれ、イフリートで命をつながれた

レオンが続けた召喚で呼ばれた一人が、
空襲中の東京にいた幼い井沢静江だった。
レオンが探していたクロエではなかったため、
シズの召喚は失敗と見なされる形になる。
幼いシズには、自分が何のために呼ばれたのかも分からない。

しかも子供の身体は、異世界からの召喚で取り込んだ
大量の魔素をうまく抑えることができない。
リムルが第1期で出会ったクロエたちも、
身体の中へたまった魔素が暴れ、
数年しか生きられない状態に追い込まれていた。

レオンは同じ危険を見て、シズへイフリートを宿らせた。
炎の中から召喚されたシズには炎への耐性があり、
炎の上位精霊なら暴れる魔素を抑えられると考えたためである。
実際にシズはその場で命を失わず、
長い年月を生きられる身体を手に入れた。

ただしシズへ十分な説明をせず、
イフリート本人にも細かな命令を伝えなかったことで、
シズは身体を奪われる恐怖を抱えて生きることになった。
ピリノと風狐を焼いた事件も、第7話の暴走も、
イフリートを完全に抑えられなかった結果だった。

レオンがシズを苦しめるため、
わざと危険な精霊を入れたわけではない。
そのままでは死ぬ少女へ、生きる力を与えようとしていた。
しかし命を救うことだけを優先し、
シズの心や、その後の人生まで考えられなかった。

第90話でリムルが知ったのは、この二つの面である。
レオンはクロエを探すために召喚を続け、
シズの命を救うためにイフリートを宿した。
同時に、その選択によってシズの自由を奪い、
長い苦しみを背負わせたことも変わらない。

だからリムルは、レオンを完全な悪人とは見なくなっても、
シズの件まで正しかったとは考えなかった。
事情を知ることと、被害をなかったことにするのは違う。
その両方を受け止めたうえで一発殴ったからこそ、
リムルは過去に区切りをつけ、共闘へ進めたのである。

第5章 第90話でリムルがレオンを殴った一発には何が込められていたのか

事情を知っても、シズが受けた苦しみまで消えるわけではない

レオンが異世界の子供を召喚していたのは、
幼い頃に時空のゆがみへ消えたクロエを捜すためだった。
自分も異世界へ渡り、魔王になってまで捜し続けたと知れば、
リムルにもレオンが遊び半分で召喚を繰り返していたのではないと分かる。
しかし、その事情を聞いただけでシズの人生まで救われるわけではなかった。

シズは炎に包まれた東京から突然召喚され、
目の前に立つレオンへ助けを求めることしかできなかった。
レオンは瀕死の少女を生かすため炎の精霊イフリートを宿したが、
シズの意思を確かめることなく力を与え、
そのまま自分の配下として戦わせている。

イフリートを宿したことでシズは生き延びた一方、
友人ピリノを自分の炎で焼き殺すという傷まで背負った。
アニメ第7話では、感情が激しく動いた瞬間にイフリートが肉体を奪い、
大切な人を守りたいはずのシズ自身が、
最も大切な相手を炎で包む場面が描かれている。

その後もシズは自由を求めてレオンのもとを離れたが、
体内に残ったイフリートから逃げ切ることはできなかった。
第8話で暴走を止めたリムルへ、
最後に「悪い人に食べられるのは嫌」と冗談を残し、
静かに取り込まれていった姿をリムルは忘れていない。

レオンの行動に目的があったと判明しても、
シズが失った故郷、友人、自由な時間は戻らない。
クロエを捜していたという事実と、
その途中でシズを苦しませた事実は同時に残る。
だからリムルは、事情を知った後も何もなかったことにはしなかった。

第90話で放った一発は、レオンを倒すための攻撃ではない。
シズが本人へ返せなかった悔しさを、
シズの姿と力を受け継いだリムルが代わりに届けた一撃だった。
レオンもそれを避けず、怒って反撃することもない。
自分がシズへ残した傷を分かっているからこそ、黙って受け止めている。

殴った後も戦い続けなかったことが、リムルの答えだった

もしリムルが本当にレオンを討つつもりなら、
一発殴っただけで手を止める必要はない。
暴食之王ベルゼビュートや絶対防御を使い、
魔王同士の決着へ持ち込むこともできた。
それでもリムルは、レオンを倒す戦いには進まなかった。

クレイマンと対峙したワルプルギスでは、
仲間を傷つけ、ミリムを利用し、テンペストまで狙った相手を見逃さなかった。
話し合う余地がないと判断すると、
リムルはクレイマンを完全に消滅させている。
現在も危害を加える相手には、最後まで責任を取らせるのがリムルだ。

一方のレオンは、テンペストを滅ぼそうとしているわけではない。
探し続けていたクロエが危険な状態にあり、
グランベルの計画を止めなければならない立場でもある。
過去への怒りは残っていても、
現在の目的まで敵対している相手ではなかった。

リムルは一発でシズとの約束に区切りをつけると、
周囲を探るためレオンと戦っているように振る舞い始める。
怒りのまま二発目、三発目を打ち込むのではなく、
すぐにグランベルの狙いを見抜く方へ動いたことが、
リムルの中で答えが決まった瞬間でもある。

これはレオンの過去を許したという話ではない。
シズの件で殴るべき相手と、
クロエを救うため手を組める相手が同じ人物だっただけだ。
リムルは二つを混ぜず、過去には一発を返し、
今は被害を広げない選択を取ったのである。

レオンもまた、リムルが単純な復讐へ走らないと理解した。
だから殴られた直後でも剣を向け合い、
互いの動きを利用して敵の反応を探ることができた。
二人が親しい友人になったのではなく、
相手の判断を信じて背中を預けられる魔王へ変わった場面だった。

第6章 第91話からリムルとレオンはどう共闘したのか

敵対しているように剣を交え、グランベルの狙いを探った

第91話でリムルとレオンは、
周囲から見れば本気で争っているように剣を交える。
魔王二人の武器が激突し、強い衝撃が走るため、
シズを巡る怒りから戦闘が始まったようにも見える。
しかし二人が見ていたのは、目の前の相手だけではなかった。

公式あらすじでも、二人はグランベルの目的を見定めるため、
あえて剣を交えていることが示されている。
リムルはレオンへ敵意を向ける言葉を口にしながら、
視線と動きで周囲を警戒するよう伝える。
レオンも意図を読み取り、致命傷を狙う攻撃には踏み込まない。

グランベル側から見れば、
シズを苦しめたレオンと、その意思を継いだリムルは、
少し刺激すれば潰し合う可能性がある組み合わせだった。
二人が本当に争えば、その隙にクロエやヒナタを利用できる。
ところがリムルは個人的な怒りより、目の前の罠を優先した。

第45話のワルプルギスでリムルは、
レオンへ「一発殴りたい」と告げながらも、その場では動かなかった。
当時の最優先はクレイマンを倒し、
ミリムを支配から解放することだったからだ。
第90話と第91話でも、この判断の早さは変わっていない。

殴るべき時には一発を返し、
別の敵が動いていると分かれば即座に作戦へ切り替える。
レオンもリムルの怒りが演技へ変わった瞬間を読み取り、
戦闘の形を保ったまま周囲の動きを探った。
言葉で作戦会議を開けない場所だからこそ、剣撃そのものが合図になっている。

ここで二人を結んだのは友情ではなく、
グランベルへ主導権を渡さないという判断だった。
レオンはリムルならクロエを傷つけないと考え、
リムルはレオンがクロエ救出を妨げないと見抜いた。
敵を演じながら同じ相手を警戒したことが、最初の本格的な共闘になる。

クロノアを倒さず、クロエとヒナタを救うため防御役を任せた

第92話から第93話では、
ヒナタとクロエが過去へ渡り、長い時間を生きた経緯が明かされる。
現在のクロエだけを救えば終わる問題ではなく、
ヒナタの魂、クロエの魂、そして暴走するクロノアが、
一つの肉体へ重なっていることが見えてくる。

第94話で解放されたクロノアは、
目の前の者を区別せず攻撃する破壊の存在となっていた。
レオンにとっては何百年も捜し続けたクロエの姿だが、
呼びかけても反応せず、強大な力だけを振るう。
力で押さえ込めば、内部のクロエまで傷つける危険があった。

そこでリムルはレオンへ、
クロノアへの攻撃を考えず防御だけに集中するよう求める。
レオンほどの力があれば反撃もできるが、
倒すことではなく受け止める役へ回らなければならない。
レオンはその指示を受け入れ、クロノアを傷つけず攻撃を防いでいく。

この場面で大きいのは、
レオンが自分だけでクロエを取り戻そうとしなかったことだ。
長い間追い続けた相手を目の前にしながら、
内部へ手を伸ばせるリムルへ救出を任せている。
感情より成功する可能性を選び、守る側へ徹したのである。

第95話でも、リムルたちの目的はクロノア討伐ではなく、
内部に残るクロエとヒナタを救い出すことに置かれている。
暴走する肉体をレオンたちが外側から食い止め、
リムルが魂へ近づく機会を作る。
役割を分けなければ成立しない救出だった。

続く第96話の公式予告では、
リムルがクロノアの魂へ触れ、
ラファエルが無限牢獄の中にいるクロエとヒナタを救うため、
クロノアの能力へ干渉を試みることが告知されている。
レオンが力任せに奪い返す展開ではなく、リムルへ託した先に救出がある。

シズを巡って殴り合う可能性があった二人が、
今度はクロエを傷つけないため攻撃を封じ、
防御と魂への干渉を分担している。
レオンは許されたから味方になったのではない。
過去を背負ったままでも、同じ命を救うため共闘できる相手になったのである。

第7章 リムルとレオンは敵なのか味方なのか

シズの件は消えないが、現在のレオンは討つべき敵ではない

リムルとレオンの関係は、
過去を許して仲間になったという単純なものではない。
リムルは第90話でレオンの事情を聞いた後も、
シズを召喚し、イフリートを宿した責任を一発の拳で返している。
シズが受けた苦しみまで帳消しにしたわけではなかった。

一方で、レオンがクロエを捜していたこと、
シズを狙って召喚したわけではなかったことも判明した。
さらに現在のレオンはテンペストへ危害を加えておらず、
クロエを利用するグランベルを警戒している。
リムルが討つべき敵と判断する条件からは外れている。

第45話のワルプルギスでは、
リムルにとってレオンはシズの人生を狂わせた魔王だった。
名前を聞いただけで警戒し、一発殴ると本人へ宣言している。
しかし第90話では拳を受けたレオンが反撃せず、
第91話では二人が敵を欺くため剣を交える関係へ変わった。

この変化は、リムルがシズを忘れたからではない。
レオンの過去と現在を分けて見た結果である。
過去の責任には拳を返し、現在の行動には協力で応じる。
怒りだけで相手を決めつけない判断が、
シズの仇だったレオンとの共闘を可能にした。

二人を結んだのは、クロエを救うという同じ目的だった

リムルとレオンの距離を最も大きく変えたのは、
二人ともクロエを失いたくないという一点である。
レオンは幼い頃から長い年月をかけてクロエを捜し、
リムルは教え子としてクロエを守ってきた。
立場は違っても、救いたい相手だけは同じだった。

第94話でクロノアが解放されると、
レオンは長年捜したクロエを前にしても力で奪おうとしなかった。
リムルから攻撃せず防御へ集中するよう求められ、
暴走するクロノアの攻撃を受け止める側へ回っている。
自分の望みより、クロエを傷つけない選択を優先したのである。

第95話ではクロノアを倒すのではなく、
内部に残されたクロエとヒナタを救う戦いが続く。
外側の攻撃をレオンたちが食い止め、
魂へ接触できるリムルが救出の中心を担う。
互いの強さを別の役へ使ったことで、救出の道が生まれた。

第96話の公式予告でも、
リムルがクロノアの魂へ触れ、
ラファエルが無限牢獄へ干渉する展開が示されている。
レオンはクロエを自分だけで取り戻すのではなく、
リムルの判断と能力へ託す立場になった。

そのため、現在のレオンを完全な味方と呼ぶより、
必要な時に背中を預けられる共闘相手と見る方が近い。
シズを巡る過去は残り、魔王としての考え方にも違いがある。
それでもクロエを守る場面では、
二人は同じ方向を向いて戦うことができる。

リムルがレオンを敵視しなくなったのは、
隠されていた事情を知っただけではない。
一発殴って過去への怒りを本人へ返し、
その後の行動でレオンがクロエを守る姿を確かめたからだ。
シズの仇から共闘相手へ――二人の関係を変えたのは、
言葉だけではなく、第90話以降に重ねた互いの選択だった。

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