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【転スラ4期】レオンは勇者だったのになぜ「魔王」になった? クロエを探した300年とシズ召喚の真相

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レオンはかつて勇者として認められながら、約300年前に消えたクロエを探し続ける中で、魔王として勢力を持つ立場へ移っていった。
現在の魔王レオンへつながる転機を追うと、勇者の資質を得た過去、クロエ捜索、異世界召喚、シズとの因縁までが一つの流れとして見えてくる。
つまりレオンとクロエの関係こそが、勇者だった彼が魔王と呼ばれる現在へ至った経歴を読み解く中心になる。

  1. 第1章 レオンは勇者だったのになぜ魔王になった?
    1. クロエを守るため勇者となり、クロエを取り戻すため魔王という立場まで進んだ
  2. 第2章 第1期22話ですでに「勇者だったレオン」が明かされていた
    1. ラミリスはレオンを勇者と認定し、さらに「特定の異世界人を探していた」とリムルへ語っている
    2. 第7話のシズ召喚と第22話の「特定の人物」がつながると、魔王レオンの行動が別の姿に見えてくる
  3. 第3章 クロエが消えた時、レオンに何が起きた?
    1. 「僕がクロエを守る」と誓った直後、守る相手だけが腕の中から消えた
    2. 世界を救う勇者より、クロエを見つけられる力と情報を優先するようになった
  4. 第4章 シズを召喚したのもクロエを探していたから?
    1. 第1期7話の東京大空襲は、レオンが繰り返したクロエ捜索の「失敗した召喚」の一つだった
    2. イフリート憑依はシズを苦しめたが、そのシズが後にクロエを救う因果までつながる
  5. 第5章 レオンはいつ魔王になった?
    1. 「勇者を捨てて魔王になった」のではなく、魔王を名乗っている最中に真なる勇者へ覚醒した
    2. カザリームを倒した後にエルドラドを築いたのも、クロエを迎えられる場所を作るためだった
  6. 第6章 冷酷な魔王レオンとクロエを探す少年は同じ人物?
    1. 第7話のシズへの仕打ちは消えないが、その冷酷さもクロエへの執着と地続きだった
    2. シズ召喚の失敗が遠回りしてクロエへ届き、第4期でレオン本人も同じ場所へ近づく
  7. 第7章 勇者から魔王になっても、レオンが捨てなかったもの
    1. 肩書は変わっても、クロエを探す目的だけは約300年間変わらなかった
    2. 「勇者だったのになぜ魔王?」の答えは、善悪の反転ではなく一人を追い続けた年月にある

第1章 レオンは勇者だったのになぜ魔王になった?

クロエを守るため勇者となり、クロエを取り戻すため魔王という立場まで進んだ

結論から言えば、
レオン・クロムウェルは「勇者だったのに悪へ堕ちて魔王になった」という人物ではない。
約300年前、まだ10歳にも満たなかったレオンが力を求めた出発点は、
一緒に異世界へ迷い込んだ幼いクロエを守ることだった。
そして魔王となった後まで変わらなかったのも、
突然目の前から消えたクロエをもう一度見つけるという目的だった。

レオンとクロエは、
現在のリムルたちより約300年前に転スラ世界へやって来ている。
誰かの召喚術で正式に呼び出されたのではなく、
偶然発生した次元空間の歪みに巻き込まれて二人一緒に転移した。
当時のレオンは10歳にも届かない少年で、
クロエはさらに幼く、レオンにとって幼馴染であり親友、
妹のように守るべき相手でもあった。

異世界へ落ちた二人には、
大量の魔素が流れ込む。

未成熟な子供の肉体へ大量の魔素が入れば、
後に自由学園のゲイルやアリスたちが抱えた問題と同じように、
身体が耐えられず崩壊する危険がある。
それでもレオンは、
自分の身体へ流れ込んだ魔素を強い意志で押さえ込み、
泣いて不安がるクロエを守ろうとする。

そこでレオンが獲得したのが、
ユニークスキル「守護者」。

自分が生き残りたいからではなく、
目の前のクロエを守り抜きたいという願いから生まれた能力で、
さらにレオンは「勇者の卵」まで獲得する。
勇者としての出発点にあったのは、
世界を救う使命でも名声でもなく、
一人の少女を守るという極めて個人的な感情だった。

その直後、
最も残酷な出来事が起こる。

レオンは不安がるクロエへ、
自分が守るから大丈夫だと伝える。
守護の能力まで得て、
これでクロエを守れると思った直後、
腕の中にいたはずのクロエが突然消えてしまう。
敵に殺された姿を見たわけでもなく、
連れ去った相手を追えるわけでもない。
何が起きたのかさえ分からないまま、
守ると誓った相手だけが消失する。

ここからレオンの人生が変わる。

世界を救う勇者として旅するのではなく、
クロエを探す旅へ入る。
何年経っても諦めず、
この世界のどこかへ移動したのか、
元の世界へ戻ったのか、
別の場所へ転移したのかを調べ続ける。
上位魔人が挑んでくれば倒し、
その知識を得ることさえ、
クロエへ近づく手段として利用していく。

そして長い年月の中で、
レオンは「魔王」と名乗る立場へ移っていく。

ここで重要なのは、
勇者を捨てたから魔王になったのではないこと。

原作では、
魔王を名乗るレオンを粛清するため、
当時の魔王カザリームが襲来する。
不死族の王であるカザリームは呪術と高い不死性を持ち、
守備能力に優れるレオンも決定打を与えられない。
カザリーム側もレオンの防御を崩せず、
戦闘は数日間続く消耗戦になる。

その戦闘中、
レオンが幼少期から抱えていた「勇者の卵」が孵化する。

つまり皮肉にも、
レオンは魔王を名乗っている最中に、
真なる勇者として覚醒する。

さらに究極能力「純潔之王」を獲得し、
呪いの複合体であるカザリームの肉体を分解。
当時の魔王を撃破したことで、
周囲から名実ともに新たな魔王として認識されるようになる。

ここがレオン最大の特徴。

「元勇者だから、現在はもう勇者ではない」のではない。

魔王として立ちながら、
真なる勇者でもある。

勇者と魔王が、
レオンの中では善悪の変化として入れ替わっていない。

そしてカザリームを倒した後も、
レオンが考えていたのはクロエ。

召喚研究を続けるため施設を持つ。
クロエを呼び戻した時、
住む場所がなければ困ると考える。
自分の領土を作り、
後に黄金郷エルドラドまで築き上げる。

巨大な国家を持つ魔王になっても、
行動の中心に残っているのは、
300年前に腕の中から消えた少女だった。

第2章 第1期22話ですでに「勇者だったレオン」が明かされていた

ラミリスはレオンを勇者と認定し、さらに「特定の異世界人を探していた」とリムルへ語っている

アニメで最初にレオンの名前が重く見えるのは、
勇者としてではない。

第1期第7話「爆炎の支配者」。

空襲で炎に包まれた東京。
幼い井沢静江は、
燃える建物の中で死を目前にしている。
そのシズを転スラ世界へ召喚したのが、
魔王レオン・クロムウェルだった。

召喚されたシズは、
全身に大火傷を負った状態。

レオンは、
このままでは死ぬと判断し、
上位精霊イフリートをシズへ憑依させる。
結果としてシズは生き延びるが、
イフリートは長い人生を通して彼女の身体へ居座り、
感情が暴走した時には本人の意思まで奪う。
第7話でも老いたシズの身体をイフリートが支配し、
リムルの前で炎化爆獄陣を放つところまで暴走している。

だから第7話までの視聴者にとって、
レオンは「シズの人生を狂わせた冷酷な魔王」。

その印象をひっくり返す情報が、
第1期第22話「迷宮攻略」で突然出てくる。

リムルは、
シズが最後まで心配していた自由学園の子供たちを救うため、
ゲイル、アリス、ケンヤ、リョウタ、クロエを連れて、
上位精霊がいるという「精霊の棲家」へ入る。
道中ではラミリスが操る巨大な魔鋼製ゴーレム、
エレメンタル・コロッサスまで襲いかかり、
リムルはそれを倒した後、
ようやくラミリス本人と向き合う。

そこでリムルが驚くのが、
小さな妖精姿のラミリスが、
ただの迷宮管理者ではなく「魔王」であり、
しかも元は精霊女王だったという経歴。

精霊女王が堕落して魔王になったと聞き、
リムルが驚いていると、
ラミリスは自分以外にも似た例がいるようにレオンの名前を出す。

ここで明かされる。

レオンは昔、
精霊の棲家まで自力で到達している。

何かを調べるため、
大昔の上位精霊を呼び寄せ、
契約を結ぶ。

そして精霊女王だったラミリスから、
勇者として認められ、
精霊の加護まで受けた。

シズを召喚した魔王レオンが、
実はラミリスから正式に勇者と認められていた。

リムル側から見れば、
ここで人物像が完全に食い違う。

シズが恨んでいた魔王。

イフリートを宿した張本人。

それなのに、
過去には精霊の加護を受けた勇者。

しかもラミリスは、
さらに重要な昔話を続ける。

レオンは以前、
異世界から「特定の人物」を召喚してほしいと頼んでいた。

誰でもいいわけではない。

強い異世界人が欲しいのでもない。

特定の一人。

この第22話の時点では、
その名前までは明かされない。
だからリムルにも視聴者にも、
シズを召喚した魔王が、
いったい誰を探していたのかという疑問だけが残る。

後から判明する答えが、
クロエ・オベール。

第22話でラミリスが語った、
「異世界から特定の人物を召喚したい」というレオンの要求は、
約300年前に消えたクロエを取り戻すためのものだった。

第7話のシズ召喚と第22話の「特定の人物」がつながると、魔王レオンの行動が別の姿に見えてくる

第7話のシズ召喚を単独で見ると、
レオンの行動はかなり冷酷に見える。

空襲で死にかけていた少女を召喚する。

求めていた人物ではない。

それでも強力な上位精霊イフリートを宿す。

シズは生き延びるが、
イフリートの暴走に苦しみ、
友人ピリノを自分の炎で焼き殺してしまう悲劇まで経験する。

シズ本人にとって、
レオンは人生最大の傷を作った人物の一人。

この事実は、
後からクロエ捜索が判明しても消えない。

ただ第22話まで見ると、
シズを召喚した行為の背景だけは変わる。

レオンは、
無差別に異世界人を集めていたのではない。

300年前から探し続けている、
特定の少女を呼び戻そうとしていた。

その召喚が失敗し、
代わりに現れた一人が井沢静江だった。

しかもレオン自身も後に、
このシズ召喚が奇妙な形でクロエへつながったことを知る。

シズはレオンのもとを離れ、
長い年月を生き、
伝説の英雄「爆炎の支配者」と呼ばれるまでになる。

そして晩年、
自由学園で教師となる。

そこで教えた子供の一人が、
レオンが300年間探し続けていたクロエ。

さらにシズは、
死の直前にリムルと出会う。

第1期第8話では、
イフリートを失って衰弱したシズが、
自分の過去とレオンへの感情をリムルへ託し、
最後にはリムルへ取り込まれることを望む。
リムルはシズの姿を受け継ぎ、
後に自由学園へ向かう。

第20話「ユウキ・カグラザカ」で、
リムルはシズの教え子だった五人と出会う。

第22話で精霊の棲家へ連れていく。

第23話では、
その五人の最後にクロエが台座へ立ち、
他の子供たちとは違う巨大な精神体を宿す。

つまり因果を戻すと、

レオンがクロエを探す。

召喚に失敗してシズが来る。

シズが生き延びる。

シズがクロエの教師になる。

シズの想いを受けたリムルがクロエを救う。

レオンが探していた少女へ、
レオン自身が召喚したシズを経由してリムルが到達する。

第1期では、
これらは別々のエピソードとして進む。

第7話ではシズの悲劇。

第22話ではラミリスの昔話。

第23話ではクロエの異変。

しかしレオンの過去を知った後で見返すと、
三つとも「クロエを探し続けたレオン」という一点へ戻る。

だから第22話で明かされた「元勇者」という情報は、
肩書だけの意外な設定ではない。

クロエを守りたかった少年が、
クロエを失い、
その少女を取り戻すために異世界召喚へ踏み込み、
やがて魔王と呼ばれる立場まで進んだ。

第7話で恐ろしく見えた魔王レオンと、
第22話で語られた勇者レオンは、
別人のように変わったのではない。

やっていることは大きく変わっても、
追っている相手だけは、
約300年間ずっと同じだった。

第3章 クロエが消えた時、レオンに何が起きた?

※ここから先は、レオンとクロエの過去に関する原作補足を含みます。

「僕がクロエを守る」と誓った直後、守る相手だけが腕の中から消えた

レオンが魔王へ進んだ流れを理解するなら、
約300年前のクロエ消失は避けて通れない。
当時のレオンはまだ10歳にも満たず、
クロエもそれより幼い少女。
二人は誰かに意図的に召喚されたのではなく、
世界を隔てる次元の歪みに巻き込まれ、
ほとんど準備のない状態で異世界へ落とされている。

異世界へ来た直後、
レオンの身体には大量の魔素が流れ込む。
子供の身体では本来耐え切れず、
第1期第20話以降で自由学園のゲイルたちが抱えていたように、
内部から肉体が崩壊してもおかしくない状態になる。
それでもレオンは自分の身体より先に、
隣で不安に怯えるクロエを守ろうとする。

レオンは暴走する魔素を意志で制御し、
ユニークスキル「守護者」を獲得。
さらに残ったエネルギーを取り込みながら、
後に真なる勇者へ成長する「勇者の卵」まで手にする。
この時点のレオンは、
力を求める魔王ではなく、
クロエ一人を守るために勇者の資質を獲得した少年だった。

そしてレオンは、
不安がるクロエへ、
自分が守るから大丈夫だと伝える。

ここまでは、
守る力を得た少年が、
守りたい少女を安心させる場面。

ところが、
その直後。

レオンの腕の中にいたクロエが、
突然消える。

魔物が襲ってきたわけではない。
何者かがクロエを抱えて逃げたわけでもない。
戦闘で死亡した姿を見たわけでもない。
目の前にいた少女だけが、
時間から切り取られたように姿を消してしまう。

しかもレオンは、
その瞬間すでに「守護者」を持っている。

守る力を手にした。

自分なら守れると思った。

その直後に、
守る相手だけが消える。

この順番が、
レオンのその後を大きく決める。

相手が死んだと分かれば、
いつか諦めることもできる。

敵が連れ去ったと分かれば、
敵を追えばいい。

しかしクロエの場合、
何が起きたのかさえ分からない。

この世界のどこかへ転移したのか。
元の世界へ戻ったのか。
別の時代へ飛んだのか。
生きているのかさえ、
レオンには確認する手段がない。

だから捜索が終わらない。

一年探しても見つからない。

十年経っても見つからない。

それでも、
死亡を確認したわけではない以上、
レオンには諦める根拠もない。

約300年続くクロエ捜索は、
ここから始まっている。

世界を救う勇者より、クロエを見つけられる力と情報を優先するようになった

クロエが消えた後、
レオンは勇者として人々を救う旅へ進むのではなく、
クロエを見つけるための情報収集へ力を向ける。

各地を移動する。

強い魔人に遭遇する。

自分へ挑んでくる上位魔人がいれば倒す。

そして倒すだけではなく、
彼らが持つ世界の知識、
魔法、
召喚、
異世界に関する情報を集めていく。

目的は一つ。

クロエへつながる手掛かりを得ること。

ここで、
一般的な勇者像とレオンの進路が少しずつ外れ始める。

困っている人間がいるから戦う。

魔王を倒すため旅をする。

人類を守護するため剣を取る。

そういう公的な使命よりも、
クロエ捜索を優先する。

ただしこれは、
勇者だったレオンが突然冷酷になったというより、
最初からレオンの力の中心がクロエだったからでもある。

そもそも「守護者」を得たのも、
勇者の卵を得たのも、
クロエを守りたいという強烈な願いから。

守る相手が消えた後、
その力の向き先が、
「守る」から「探し出す」へ変わっただけとも言える。

さらに年月が経つと、
レオンは一人で世界中を歩くだけでは限界があると考えるようになる。

自分の代わりに情報を集める者が必要。

各地へ動ける配下が必要。

情報を持ち帰る拠点が必要。

異世界召喚を調べる施設も必要。

そこでレオンは、
自分へ従う者を庇護し、
その代わりに彼らから情報を集める体制を作り始める。

後に国家まで築くことになるが、
最初から王になりたかったわけではない。

クロエを探す範囲を広げるため、
一人の旅人ではなく、
勢力を持つ側へ変わっていった。

原作では、
その頃のレオンへ魔王カザリームが襲いかかる。

レオンが魔王を名乗っていることを認めず、
粛清しようとしたため。

カザリームは不死族の王で、
呪術に優れ、
普通の攻撃では倒しにくい。

レオンは「守護者」によって攻撃を防げる一方、
防御型の能力ではカザリームへ致命傷を与えにくい。

互いに決定打を欠き、
戦闘は数日に及ぶ。

その長期戦の最中、
幼少期から抱えていた「勇者の卵」が孵化。

レオンは真なる勇者へ覚醒する。

魔王を名乗っていたレオンが、
魔王との戦闘中に勇者として完成する。

この経歴だけ見ても、
レオンの「勇者→魔王」は、
善から悪へ変化した一本道ではない。

勇者として完成しながら、
同時に魔王として勢力を持つ。

二つの立場を併存させながら、
その力も国家も情報網も、
約300年前に消えたクロエを探す方向へ使い続けた。

クロエ消失は、
レオンが悪へ変わった瞬間ではない。

世界を救う勇者として生きる可能性より、
たった一人を探し出す人生を選んだ転換点だった。

第4章 シズを召喚したのもクロエを探していたから?

第1期7話の東京大空襲は、レオンが繰り返したクロエ捜索の「失敗した召喚」の一つだった

第1期第7話「爆炎の支配者」で、
レオンが最も冷酷に見える場面がシズの過去。

東京大空襲。

街が炎に包まれ、
幼い井沢静江は逃げ場を失う。
周囲では建物が燃え、
少女自身も重傷を負い、
そのまま日本に残っていれば死亡していた可能性が高い。

その瞬間、
シズは異世界へ召喚される。

目の前にいるのが、
魔王レオン・クロムウェル。

ところがレオンは、
召喚した少女を見ても、
探していた相手を見つけた時の反応をしない。

シズはクロエではない。

レオンが長い年月をかけて呼び戻そうとしていた少女とは、
年齢も容姿も違う。

つまりシズ召喚は、
レオンにとって目的達成ではなく失敗。

ここだけを切り取ると、
「目的の少女ではなかったから冷たく扱った魔王」に見える。

しかしレオンが何をしていたのかをクロエ側から戻していくと、
場面の背景が変わる。

クロエが消えた。

世界中を探してもいない。

ならば、
元の世界へ戻った可能性がある。

それなら、
異世界から人間を召喚すれば、
クロエをもう一度この世界へ引き寄せられるかもしれない。

レオンはこの可能性を捨てず、
召喚術へ踏み込む。

しかも後のリムルは、
レオンが子供を中心に召喚していたことについて、
探している人物が少女だったなら納得できると考えている。

誰でもいい異世界人ではない。

目的は最初からクロエ。

シズも、
召喚された子供たちも、
レオンが探していた本命ではなかった。

だから第7話の東京大空襲は、
シズ一人の過去だけでなく、
300年続くクロエ捜索の途中で起きた出来事でもある。

イフリート憑依はシズを苦しめたが、そのシズが後にクロエを救う因果までつながる

召喚されたシズは、
空襲で受けた傷と、
異世界へ渡った時の負荷によって、
そのままでは生きられない状態だった。

そこでレオンが取った処置が、
上位精霊イフリートの憑依。

第1期第7話では、
この出来事がシズの悲劇として描かれる。

強力な炎の精霊が身体へ入ったことで、
シズは命をつなぐ。

その一方、
イフリートはシズの感情へ反応し、
本人の意思を押しのけて表へ出る。

シズの親友だったピリノが、
魔物に襲われた場面でも、
シズが助けたいと願った結果とは反対に、
イフリートの炎が暴走。

シズの目の前で、
大切な相手が炎へ飲み込まれる。

シズは、
自分の身体の中にいるイフリートを恐れ、
同時にレオンへの複雑な感情を抱くようになる。

そして何十年も経った第7話現在。

老いたシズは、
カバル、エレン、ギドと行動する中でテンペストへ到着。

第6話では、
リムルと同じ日本人だと分かり、
リムルの思念伝達によって、
自分が失った後の日本の風景まで見る。

しかし穏やかな時間は長く続かない。

第7話でイフリートが再び暴走。

老いたシズの肉体から主導権を奪い、
リムルへ炎を浴びせ、
炎化爆獄陣まで発動する。

ここまで見ると、
レオンがシズへイフリートを宿した行動は、
明確に彼女の人生へ長い苦痛を残している。

だから後から、
「クロエを探していたから仕方がない」
で済ませることはできない。

ただし同時に、
この処置がなければ、
シズは東京大空襲の時点で死亡していた可能性も高い。

生き延びたシズは、
レオンのもとを離れた後、
ある勇者に救い出され、
長い年月をかけて人々を守る側へ進む。

「爆炎の支配者」と呼ばれる英雄になる。

そして晩年、
イングラシア王国の自由学園で、
不完全召喚された子供たちの教師を務める。

その五人の中に、
クロエがいる。

ここが最大の皮肉。

レオンは、
クロエを探すためシズを召喚する。

しかしシズは、
レオンが探していたクロエではない。

失敗した召喚だった。

ところがそのシズが何十年も生き、
教師となり、
本物のクロエと出会う。

さらに第8話「受け継がれる想い」で、
シズは最期を迎え、
リムルへ自分を託す。

リムルはシズを捕食し、
彼女によく似た人間の姿を獲得。

第20話では、
シズが残した未練に導かれるようにイングラシアへ向かい、
自由学園で五人の子供と対面する。

そこにクロエがいる。

第22話では、
子供たちを救うため精霊の棲家へ向かう。

第23話では、
クロエだけ正体不明の巨大な精神体を宿し、
死亡するはずだった未来から救われる。

つまり、

レオンがクロエを探す。

失敗してシズを召喚する。

シズへイフリートを宿す。

シズが長く生きる。

シズがクロエの教師になる。

シズの想いをリムルが受け継ぐ。

リムルがクロエを救う。

結果だけ見れば、
レオンがクロエを探すために起こした「失敗」が、
何十年も後に別の経路からクロエへ届いている。

原作でレオン自身も、
後にこの皮肉へ気づく。

自分が気まぐれのように助けたシズが、
数奇な運命を経てクロエの教師となり、
さらにリムルとの出会いまでつないだ。

もしシズを生かしていなければ、
クロエは魔素暴走によって救われなかったかもしれない。

だから第7話のシズ召喚は、
レオンの冷酷さを示す過去であると同時に、
クロエ捜索が思わぬ形で本人へ戻ってくる起点でもある。

魔王レオンが探していた少女へ、
レオン自身は300年間辿り着けない。

ところが、
「違う」と判断したシズの人生が、
巡り巡ってクロエへ先に到達する。

このすれ違いまで含めると、
レオンとシズの関係は、
単なる加害者と被害者だけでは終わらない。
クロエを探し続けたレオンの長い人生が、
最も皮肉な形で実を結ぶ経路になっている。

第5章 レオンはいつ魔王になった?

※ここから先は、レオンが魔王として認められるまでの原作補足を含みます。

「勇者を捨てて魔王になった」のではなく、魔王を名乗っている最中に真なる勇者へ覚醒した

レオンの経歴で最も誤解しやすいのが、
勇者だった時代が終わってから、
悪へ転じて魔王になったように見えること。
実際にはその順番ではなく、
レオンは魔王を名乗っていた時期にも「勇者の卵」を保持しており、
カザリームとの死闘の最中に真なる勇者へ覚醒している。
魔王と勇者が途中で完全に入れ替わった人物ではなく、
二つの立場が同時に重なった極めて特殊な存在になる。

クロエが消えた後、
レオンは各地を巡りながら情報を集め、
自分へ挑んでくる上位魔人からも知識を得ていた。
欲しかったのは支配する土地そのものではなく、
異世界召喚、
転移、
精霊、
世界をまたぐ現象についての手掛かり。
一人で探すだけでは届かないクロエへ近づくため、
強さも知識も勢力も必要になっていく。

そのレオンが「魔王」を名乗るようになると、
当時すでに魔王だったカザリームが反発する。

自分たちの領域へ、
人間であり勇者の資質まで持つレオンが入り込んできた。
しかも勝手に魔王を名乗る。
カザリーム側から見れば、
看過できない新参者になる。

そこでカザリームは、
レオンを粛清するため直接戦いを挑む。

カザリームは不死族の王であり、
呪術王と呼ばれるほど呪いへ特化した魔王。
肉体を破壊して終わる相手ではなく、
生半可な攻撃では仕留め切れない。
一方のレオンは、
幼少期にクロエを守ろうとして得た「守護者」によって、
防御では極めて高い能力を持つ。

だから戦闘が噛み合わない。

カザリームの呪いは、
レオンの防御を突破できない。

レオンも、
不死性を持つカザリームへ決定打を与えられない。

どちらも倒れず、
戦闘は数日間に及ぶ消耗戦になる。

そして決着寸前、
レオンの中で長く眠っていた「勇者の卵」が孵化する。

ここが重要。

魔王カザリームと戦っている最中に、
レオンは魔王として覚醒するのではない。

逆に、
真なる勇者として完成する。

さらに究極能力「純潔之王」を獲得し、
物質や力を構成するものを分解・選別する性質によって、
呪いの複合体だったカザリームの肉体を崩していく。
不死族として耐久力を誇った相手へ、
それまで出せなかった決定打が生まれる。

結果、
カザリームは敗北。

当時の魔王の一角を倒したことで、
レオンは周囲から新しい魔王として認められる。

皮肉なのは、
魔王として認められた戦闘の最中に、
本人は真なる勇者へ覚醒していること。

つまりレオンの場合、

勇者をやめる。
魔王へ転落する。

ではない。

魔王を名乗る。
既存魔王に襲われる。
戦闘中に真なる勇者へ覚醒する。
その力で魔王を倒す。
結果として正式な魔王として扱われる。

この順番になる。

「レオンは勇者だったのになぜ魔王?」という疑問が、
善悪の変化だけでは答えられないのはここにある。

カザリームを倒した後にエルドラドを築いたのも、クロエを迎えられる場所を作るためだった

カザリームを倒した後、
レオンはその居城や研究設備を利用し、
異世界召喚の研究をさらに進めていく。

ここでも、
魔王になったから世界征服を始めるわけではない。

目的はまだクロエ。

召喚術を解析する。

異世界と接続する。

クロエをもう一度こちら側へ呼び戻す。

その試行を続けるため、
実験施設を必要とする。

そしてもう一つ、
レオンは現実的な問題まで考える。

もし本当にクロエを召喚できた時、
帰って来た少女と暮らす場所がない。

約300年前に失った相手を、
いつ戻ってくるか分からない状態で探しながら、
見つかった後の生活まで考える。

そこから、
自分の領土を持つ発想へ進む。

レオンは南西の新大陸へ渡り、
大規模な魔法で土地そのものへ手を入れ、
後の黄金郷エルドラドを築く。

現在では、
魔王レオンの支配する巨大な国家。

豪華な都市。

強力な軍事力。

側近。

魔王としての威容。

外から見れば、
王として勢力を拡大したように見える。

しかし出発点まで戻れば、
そこにもクロエがいる。

見つけた時に暮らせる場所を作る。

安全な領土を持つ。

研究を続けられる施設を持つ。

世界中から情報を集められる体制を作る。

だからエルドラドも、
単なる魔王の権力欲だけでは説明し切れない。

しかも、
異世界召喚の実験を進めていたその頃に起きるのが、
井沢静江の召喚。

クロエを呼ぶはずだった術式で、
別の少女が現れる。

火傷を負い、
このままでは死ぬ。

そこでレオンは、
イフリートを宿して生存させる。

第1期第7話では冷酷な過去として描かれた場面が、
レオン側の時間では、
カザリーム撃破、
召喚研究、
エルドラド建設、
クロエ捜索の延長線上に入る。

魔王になったからシズを召喚したのではない。

クロエを探していたから召喚を続け、
その途中でシズが現れた。

そして魔王になった後も、
レオンの行動原理は変わらない。

国家を持っても、
真なる勇者になっても、
究極能力を得ても、
クロエだけは見つからない。

レオンにとって魔王という肩書は、
人生の目的そのものではなく、
クロエを探す長い年月の中で獲得した立場だった。

第6章 冷酷な魔王レオンとクロエを探す少年は同じ人物?

第7話のシズへの仕打ちは消えないが、その冷酷さもクロエへの執着と地続きだった

レオンをクロエとの関係だけで見ると、
一人の少女を300年近く探し続けた一途な人物に見える。
しかし第1期第7話「爆炎の支配者」で描かれたシズの過去には、
その一途さが他人へ向けられた時の危うさも残っている。
東京大空襲で死にかけていた幼い井沢静江を召喚し、
探していたクロエではないと分かった後、
上位精霊イフリートを身体へ憑依させて生存させた。

シズは命をつないだ一方、
感情が乱れるたびイフリートに身体を奪われる危険を抱える。
親友ピリノを失った過去も、
本人の意思とは別に炎が暴走した悲劇として残った。
第7話でも老いたシズの身体をイフリートが再び支配し、
リムルへ炎化爆獄陣まで放つ。
最後はリムルがイフリートを捕食して、
シズはようやく長年の束縛から解放される。

だから、
クロエを探していたからレオンの行動は許される、
という話ではない。

レオンはシズを生かした。

同時に、
その後の人生へ重い苦痛を残した。

この両方が事実になる。

そしてレオン自身も、
クロエ一人を守りたい感情は本物だが、
その一人を取り戻すためなら、
別の異世界人を召喚へ巻き込む判断もできる人物だった。

シズ召喚の失敗が遠回りしてクロエへ届き、第4期でレオン本人も同じ場所へ近づく

第8話「受け継がれる想い」で、
イフリートを失ったシズは急速に衰弱し、
最期に自分をリムルへ託す。
リムルはシズを取り込み、
彼女の姿と未練を受け継ぐ。

その後、
第21話でリムルが自由学園へ向かうと、
シズの教え子としてクロエがいる。

第22話では、
五人の子供を救うため精霊の棲家へ向かう。

第23話では、
クロエだけ普通の上位精霊ではなく、
膨大なエネルギーを持つ精神体を宿し、
短命だった未来から救われる。

ここに最大の皮肉がある。

レオンはクロエを探すため召喚を続けた。

しかし来たのはシズ。

シズは本命ではなかった。

そのシズが長く生き、
クロエの教師になる。

さらにシズの想いを継いだリムルが、
クロエの寿命まで救う。

レオン本人が300年近く探しても届かなかった少女へ、
失敗した召喚の結果生き残ったシズの人生が、
先に到達している。

そして第4期第90話では、
戦いの続くルベリオスへレオン本人が姿を現す。

そこには、
ヒナタ、
ルミナス、
クロエ、
勇者クロノアへ続く事件が集まっている。

第1期第7話では、
シズの回想の中にいた遠い魔王。

第23話では、
探していたクロエだけが先に物語の中心へ入る。

第4期では、
ようやくレオン本人もその場所へ近づく。

だからレオンは、
「実は優しい魔王」でも、
「勇者から悪へ堕ちた人物」でもない。

クロエ一人を守りたいという感情が、
300年の間に国家、
召喚研究、
魔王という立場、
そして他人を傷つける危うさまで生んだ人物。

その一途さと冷酷さが、
同じ一本の線上にある。

第7章 勇者から魔王になっても、レオンが捨てなかったもの

肩書は変わっても、クロエを探す目的だけは約300年間変わらなかった

レオンの人生を最初から現在まで追うと、
勇者から魔王へ変わったこと以上に、
一度も変わらなかったものが見えてくる。
約300年前、
幼いクロエを守ろうとして「守護者」と「勇者の卵」を得た時から、
魔王として黄金郷エルドラドを築いた現在まで、
中心にいるのはずっとクロエだった。

クロエが腕の中から消えた後、
レオンは各地を巡り、
上位魔人から情報を集め、
異世界召喚まで研究する。
その過程でカザリームと戦い、
真なる勇者へ覚醒しながら、
同時に魔王として認められる。
つまり勇者を完全に捨てて魔王へ転落したのではなく、
勇者の力を持ったまま、
魔王という立場と勢力を獲得していった。

その象徴が、
第1期第7話のシズ召喚。

レオンはクロエを呼び戻そうとして召喚を行うが、
現れたのは井沢静江。
クロエではなかった。
それでも死にかけていたシズへイフリートを憑依させ、
命だけはつなぐ。
その処置がシズへ長い苦痛を残した事実は消えないが、
召喚そのものの出発点には、
クロエ捜索があった。

そして皮肉にも、
そのシズが自由学園でクロエの教師になる。

第8話でシズの想いを受け継いだリムルが、
第21話でクロエたちと出会い、
第22話で精霊の棲家へ連れていき、
第23話で短命だったクロエを救う。

レオン本人が約300年探しても届かなかった少女へ、
失敗した召喚で現れたシズの人生が、
遠回りして先に到達する。

「勇者だったのになぜ魔王?」の答えは、善悪の反転ではなく一人を追い続けた年月にある

第4期まで進むと、
レオン本人も再びクロエを巡る事件へ接近する。

第1期では、
シズの過去に登場する冷酷な魔王。

第22話では、
ラミリスから勇者だった過去を語られる人物。

第23話では、
レオンが探していたクロエだけが、
正体不明の精神体を宿して物語の核心へ近づく。

そして第4期では、
ルベリオスで続く戦いへレオン自身が姿を現す。

ここまで追えば、
勇者レオンと魔王レオンは別々の人格ではない。

クロエを守りたい。

クロエを探したい。

クロエを取り戻したい。

その願いが、
勇者の資質を生み、
長い捜索を生み、
異世界召喚を生み、
国家と魔王という立場まで生んだ。

だからレオンは、
勇者だったのに突然悪へ変わって魔王になった人物ではない。

一人の少女を守ろうとした少年が、
その少女を失い、
約300年間探し続けた結果、
勇者の枠だけでは収まらない人物になった。

魔王という肩書は変化した。

立場も力も国家も変わった。

それでも、
約300年前にクロエへ向けた感情だけは変わらなかった。

そこを押さえると、
シズ召喚、
カザリームとの戦闘、
エルドラド建国、
第4期での再登場まで、
レオンの行動が一本につながる。

転生したらスライムだった件まとめ

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