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【アニメ黄泉のツガイ】アキオの処分は?その後原作はどうなってるの?処刑?逃走?影森家を裏切った訳とは

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第22話で「裏切り者のアキオの処分」が告げられるが、アニメ時点ではアキオが殺されるのか、どんな処分を受けるのかまではまだ描かれていない。
ただ、第17話まで遡ると、アキオはアサを襲おうとして内通が発覚する以前から、ユルへの殺気や影森屋敷襲撃での不自然な行動など、影森家を裏切っていた伏線が積み重なっている。
この記事では、アキオの処分が何を指すのか、なぜ影森家を裏切ったのか、そして原作ではその後どうなるのかを、アニメ範囲と未放送部分を分けて追う。

  1. 第1章 アキオは処分される?第22話時点では処刑されるかまだ分からない
    1. ゴンゾウの「裏切り者のアキオの処分」は、裏切りへの制裁を指している
    2. アニメではまだ処分の中身もアキオの最期も描かれていない
  2. 第2章 そもそもアキオは何をして影森家を裏切った?
    1. 第17話でアサを襲おうとしたことで、疑惑だった内通が完全に表へ出た
    2. 影森屋敷襲撃で敵の指揮役を殺した行動も、後から見ると口封じだった可能性が浮かぶ
  3. 第3章 アキオはなぜ影森家を裏切った?
    1. 無痛症で「自分だけ他人と違う」という感覚を抱え、出生へ意識が向いていった
    2. 無痛症の集まりで出会った「母」を名乗る小野ミナセが、西ノ村へ傾く決定打になった
  4. 第4章 アキオは本当に影森家を嫌っていた?
    1. 黒谷四姉弟への情は残っており、裏切った後も完全な敵にはなり切れていない
    2. 影森家への恩と実母への執着が両方残ったまま、西ノ村側へ踏み込んでしまった
  5. 第5章 「処分」直前に何が起きて、アキオはどう逃げた?
    1. 影森家は即座に殺すより、まずアキオとヤマノカミから敵側の情報を引き出そうとした
    2. ヤマノカミに仕掛けられた爆発で影森家が混乱し、その隙を使ってアキオが逃走する
  6. 第6章 逃げたアキオはその後どうなる?
    1. 逃走後も退場せず、西ノ村側でイワンたちと行動する人物として再び現れる
    2. 実母を求めて西ノ村へ傾いたのに、逃亡後も「家族として守られる側」にはなれない
  7. 第7章 アキオの「処分」は、影森家の裏切り者から西ノ村側へ立場が変わる転換点だった
    1. 第22話の「処分」はアキオの最期ではなく、戻れない側へ進んだ境目になる
    2. 本当の家族を探した結果、影森家にも西ノ村にも完全には属せない人物になった

第1章 アキオは処分される?第22話時点では処刑されるかまだ分からない

ゴンゾウの「裏切り者のアキオの処分」は、裏切りへの制裁を指している

第22話「影森兄弟と黒谷姉弟」で、
陰陽の結界から戻ったユルとアサに対し、
ゴンゾウが口にしたのが
「裏切り者のアキオの処分がある」という言葉。
ここだけ聞けば、
影森家がアキオを処刑する場面にも聞こえる。

実際、
アキオが犯したことはかなり重い。
第17話「泣く子と悪い子」では、
影森屋敷で一人になったアサへ、
バールを持って接近。
しかし目の前のアサは、
ジンのツガイ・愛ちゃんが擬態した偽物だった。

ジンはすでに、
アキオが内通者ではないかと疑っていた。
本物のアサを別の場所へ移し、
偽者を屋敷へ置き、
アキオが襲うかどうかを見る。
そしてアキオがバールを振るおうとした瞬間、
愛ちゃんが腕へ食らいつき、
裏切りが決定的になる。

追い詰められたアキオは、
その場で言い逃れを続けるのではなく、
巨大なツガイ・ヤマノカミを呼び出す。
本物のアサが屋敷にいないと知ると、
逃げ場所そのものを無くすつもりで、
屋敷を更地にするような発言までしている。

そこへ残っていたガブちゃんが立ちはだかる。
ガブちゃんは、
生まれた時から命を狙われ、
座敷牢へ閉じ込められ、
下界へ逃げた後も追われ続けたアサの境遇を叫びながら、
ヤマノカミへ猛攻を加える。
アキオの裏切りが、
影森家にとって単なる情報漏洩ではないことが分かる場面になる。

ヤマノカミが傷つくと、
アキオは契約を解除し、
せめてツガイだけでも逃がそうとする。
ところが影森屋敷の結界に阻まれ、
野良になったヤマノカミも脱出できない。
丸腰になったアキオへガブちゃんが迫るが、
今度はナツキのツガイ・なもみはぎが止めに入る。

さらにアキオ自身も隙を見て逃げるものの、
待ち構えていた立川マコトと、
ツガイのみどりさんによって捕縛される。
第17話の最後まで見ると、
影森家は裏切りを把握したうえで、
アキオを生かしたまま確保している。

だから第22話の「処分」は、
捕まえた裏切り者をどう扱うかという話になる。
ただし結論だけ先に言えば、
アキオがここで処刑されて退場する展開にはならない。
原作ではこの後、
別の事件が起こり、
処分が完了する前に逃亡することになる。

詳しい脱出経路は後半で触れるが、
少なくとも
「ゴンゾウが処分と言った=その場で殺される」
ではない。
第22話はアキオの最期ではなく、
影森家の一員だった彼が、
完全に別の側へ移っていく転換点になる。

アニメではまだ処分の中身もアキオの最期も描かれていない

ここで気になるのが、
第17話の時点で裏切りが確定しているのに、
なぜ即座に殺されなかったのかという点。
ガブちゃんなら、
感情のままアキオを殺しかねない勢いだった。
しかしジンたちは、
それを止めて生け捕りにしている。

アキオは単なる裏切り者ではなく、
影森家の内部事情を知りながら、
外部の敵ともつながっていた人物。
誰へ情報を渡していたのか。
相手は何を狙っているのか。
どこまで計画が進んでいるのか。
生かしておけば、
敵側へ近づくための情報源になる。

影森家には、
フユキのツガイ・閻魔帳もいる。
第17話では、
アサの「解」で敵のツガイを野良にし、
ゴンゾウが百鬼夜行の力で契約し直し、
閻魔帳から情報を抜き出すという連携まで見せている。
情報を取れる相手は、
殺すより確保した方が価値が高い。

これは後から見ると、
アキオが以前に取った行動とも対照的になる。
影森屋敷が襲撃された時、
アキオは敵側の指揮役をその場で殺していた。
生きていれば、
フユキが情報を引き出せた可能性がある相手だった。

ジンがその不自然さを疑ったのも、
まさにそこ。
影森家は情報を取るため敵を生かす。
一方アキオは、
情報を持つ敵を殺した。
第22話で自分が捕虜になった時には、
過去に自分が消したはずの「情報源」という価値を、
今度は自分自身が持つことになる。

だから「処分」という一語だけを見るより、
第17話までの流れを踏まえた方が分かりやすい。
影森家は怒っている。
裏切りも確定している。
しかし同時に、
アキオから聞き出すべきことも残っている。
そのため第22話は、
単純な処刑場面では済まない。

第2章 そもそもアキオは何をして影森家を裏切った?

第17話でアサを襲おうとしたことで、疑惑だった内通が完全に表へ出た

アキオの裏切りが明確になったのは、
第17話「泣く子と悪い子」。
前話の終盤、
屋敷で一人になったように見えるアサへ、
アキオがバールを持って近づく。
それまで黒谷姉弟の一人として動いていた人物が、
ここで初めて明確に敵側の行動を取る。

ところがジンは、
アキオより一枚上だった。
屋敷にいたアサは、
スカベンジャーの愛ちゃんが作った偽物。
アキオが本当に襲うのかを確認するため、
最初から罠が張られていた。

アキオが偽アサへ攻撃を仕掛けた瞬間、
愛ちゃんが正体を現して腕を噛む。
そこでジンは、
以前からアキオへ疑いを持っていたことを明かす。
裏切りは第17話で急に始まったのではなく、
過去の行動がすでに複数つながっていた。

その最初の大きな違和感が、
第5話「兎と亀」。
アサの血の匂いを追ってきたユルは、
倉庫街でジン、ハルオ、アキオたちと戦う。
ユルはそこで、
ジンへ致命傷にならないよう攻撃していたことを自分から話している。

ユルが口にしたのは、
ジンから殺気を感じなかったから、
こちらも殺すつもりでは攻撃しなかったという趣旨の言葉。
ところがその戦いで、
ツガイすら前へ出していなかったアキオへは、
折れた愛ちゃんの牙を頭部へ投げつけている。

ジンは後になって、
この違いへ注目する。
ユルは敵味方の所属だけで、
殺す相手を決めていたわけではない。
自分へ本気の殺意を向けた相手に、
同じ強さの殺意を返す。
つまり第5話の時点で、
ユルはアキオから危険な殺気を感じ取っていた可能性が高かった。

影森屋敷襲撃で敵の指揮役を殺した行動も、後から見ると口封じだった可能性が浮かぶ

もう一つ、
ジンが疑いを深めたのが、
第6話「影森家と謎の襲撃者」から続く屋敷襲撃。
ユルとアサが両親について話している最中、
影森屋敷へ外部のツガイ使いたちが攻め込み、
爆発と戦闘が始まる。

この時、
影森家にとって重要なのは、
敵を全員その場で殺すことではなかった。
誰が襲撃を命じたのか。
目的はユルなのかアサなのか。
背後にどんな勢力がいるのか。
捕虜を残せば、
フユキの閻魔帳から情報を得られる。

ところがアキオは、
ジンから結界の外へ出ないよう指示されていたにもかかわらず、
戦闘へ関わり、
敵側の指揮役を殺してしまう。
結果として、
その男が持っていたはずの情報を、
影森家側が十分に引き出せなくなる。

初見では、
仲間を守るため敵を倒したようにも見える。
襲撃の最中なら、
敵を殺してしまうこと自体は不自然ではない。
しかし第17話で内通者だと判明した後に見返すと、
敵の中でも情報を多く持つ人物を、
先に消した行動へ見え方が変わる。

第5話では、
ユルだけがアキオの殺気へ反応していた。
屋敷襲撃では、
情報源になり得る敵をアキオが殺した。
そして第17話では、
アサ本人を狙う行動へ出る。
別々だった三つの場面が、
内通という一本の線でつながる。

だからアキオの裏切りは、
第17話で突然性格が変わった展開ではない。
視聴者には正体を伏せながら、
ユルの野性的な察知能力、
ジンの観察、
敵襲時の不自然な行動を使い、
かなり早い段階から伏線が置かれていた。

さらに第17話では、
裏切りが露見しても、
アキオが影森家へ戻ろうとはしない。
本物のアサが別の場所にいると知ると、
屋敷そのものを壊して逃げ場を奪おうとし、
ヤマノカミまで投入する。
この時点で、
一時的な迷いや出来心ではなく、
すでに敵側へ深く踏み込んでいたことが分かる。

では、
黒谷姉弟として影森家で暮らしてきたアキオが、
なぜそこまでして外部へ情報を流したのか。
影森家そのものを憎んでいたのか。
それとも、
別の人物へ引き寄せられる事情があったのか。
そこを追うと、
アキオの無痛症と出生、
そして自分の母親を名乗る人物との接触へつながっていく。

第3章 アキオはなぜ影森家を裏切った?

無痛症で「自分だけ他人と違う」という感覚を抱え、出生へ意識が向いていった

アキオの裏切りを、
「影森家が嫌いだったから」とだけ見ると、
第17話までの人物像とうまくつながらない。
アキオは黒谷四姉弟の三男として影森家に仕え、
フユキ、ハルオ、ナツキと行動し、
ツガイのヤマノカミも使いながら、
長く同じ陣営で暮らしてきた人物になる。

影森家公式の人物紹介でも、
アキオは影森家に仕える黒谷四姉弟の三男として扱われている。
最初から敵として潜り込んだ男ではなく、
少なくとも表向きは、
家族に近い集団の一員として生活していた。

そのアキオには、
他の三人と大きく違う身体的特徴がある。
生まれつき痛みを感じない無痛症。
傷を負っても痛覚が働かず、
戦闘では腕を失うような重傷でも、
普通の人間ほど動きを止めない。

第17話で愛ちゃんに腕を噛み切られた時も、
アキオは激痛で崩れ落ちるのではなく、
その後も戦闘を続けている。
肉体的には大きな強みだが、
日常では逆に、
他人が当然のように感じる痛みを共有できないという、
孤立の種にもなっていた。

黒谷四姉弟との仲が悪かったわけではない。
ナツキたちへの情もある。
それでもアキオの中には、
「自分は他の人間とは違う」という感覚が残った。
同じ家で暮らし、
同じ影森家へ仕えていても、
身体の感覚だけは周囲と共有できない。

その違和感からアキオは、
同じ無痛症を持つ人間を探すようになる。
ネット上の無痛症者の集まりへ参加し、
そこで自分と同じ感覚を持つ人間を探す。
影森家の中では埋まらなかった部分を、
自分と同じ身体を持つ相手へ求めていったことになる。

無痛症の集まりで出会った「母」を名乗る小野ミナセが、西ノ村へ傾く決定打になった

その先でアキオが出会うのが、
自分の母親を名乗る小野ミナセ。
ミナセは西ノ村側の人物であり、
後にアキオの出生そのものへ深く関わっていたことが判明する。
アキオにとっては、
自分が何者なのかを知る手掛かりを持つ人物だった。

ミナセはアキオへ、
赤ん坊だった彼を自分から捨てたのではなく、
夫側に取り上げられたという趣旨の話をする。
アキオから見れば、
自分を捨てたと思っていた母が、
実は被害者だった可能性が出てくる。

これが大きい。
影森家で家族に近い関係を築いていても、
自分がどこから来たのかという疑問は消えない。
そこへ実母を名乗る人物が現れ、
しかも自分と同じ無痛症や出生へ答えを持っているように見える。
アキオが強く引き寄せられる条件はそろっていた。

その結果、
アキオはミナセ側、
つまり西ノ村へ情報を流すようになる。
影森家の内部事情。
アサの居場所。
屋敷側の戦力。
長く内側にいた人物だからこそ、
敵にとって価値の高い内通者になった。

第5話でユルが、
ツガイを出していないアキオへだけ
殺意の強い攻撃を返した場面も、
後から見るとここへつながる。
表面上は影森家の一員でも、
内側ではすでに別の目的を持ち、
ユルへ殺気を向けていた可能性が高い。

さらに屋敷襲撃時には、
敵側の指揮役をアキオが殺害している。
生かしておけば、
フユキの閻魔帳から情報を抜けたかもしれない相手。
第17話でジンがその行動を口封じと疑ったことで、
過去の違和感が全部内通へつながった。

つまりアキオの裏切りは、
突然影森家を憎んだから始まったものではない。
無痛症。
周囲との違い。
出生への疑問。
実母を名乗る人物との再会。
その積み重ねの先で、
自分の「本当の家族」と思える側へ傾いていった。

ただし、
この時点でアキオが知らなかったことも大きい。
ミナセの話が、
どこまで本人を取り込むためのものだったのか。
自分が本当に母から奪われた子なのか。
後に明かされる真相を見ると、
アキオ自身もまた、
西ノ村側から利用されていたことが分かってくる。

第4章 アキオは本当に影森家を嫌っていた?

黒谷四姉弟への情は残っており、裏切った後も完全な敵にはなり切れていない

アキオを単純な悪役として見ると、
第17話の行動には引っかかる部分が残る。
影森家を裏切り、
アサを襲おうとし、
ヤマノカミまで使って戦った。
それでもアキオは、
黒谷四姉弟との関係を全部切り捨てたわけではない。

特に分かりやすいのが、
ガブちゃんとの戦闘でヤマノカミが追い詰められた場面。
巨大なヤマノカミは、
ガブちゃんの猛攻を受けて大きく傷つく。
このまま主従関係を維持すれば、
主であるアキオと一緒に処分される可能性が高い。

そこでアキオは、
ヤマノカミとの契約を解除する。
自分が助かるためにツガイを盾へするのではなく、
せめてヤマノカミだけでも野良へ戻し、
逃がそうとした行動になる。

結果的には、
影森屋敷の結界に阻まれ、
ヤマノカミも外へ出られない。
それでもアキオが、
長く共にいたツガイを道具として使い潰さなかったことは残る。
敵へ回った後も、
情そのものが消えたわけではない。

ナツキ側も同じ。
ガブちゃんがアキオを殺そうとした時、
ナツキはツガイのなもみはぎを使って止める。
裏切りが発覚し、
仲間を危険へ晒した直後でも、
黒谷姉弟側には
「今すぐ殺す」という割り切りがない。

ここに、
アキオと影森家の関係の複雑さが出る。
敵になった。
だから情も全部消える。
そんな単純な関係ではない。
同じ屋根の下で長く暮らし、
姉弟として積み上げた時間があるからこそ、
裏切りの場面が余計に重くなる。

影森家への恩と実母への執着が両方残ったまま、西ノ村側へ踏み込んでしまった

アキオ自身も、
影森家へ何の感情も持っていなかったわけではない。
拾われ、
育てられ、
黒谷四姉弟として居場所を与えられた。
その恩は理解している。
姉弟たちへの情も残っている。

それでも、
出生への疑問は別の場所に残っていた。
自分はなぜ無痛症なのか。
本当の親は誰なのか。
なぜ捨てられたのか。
影森家が現在の居場所を与えてくれても、
過去の空白まで埋めることはできない。

そこへ現れたのが小野ミナセだった。
自分の母親だと名乗る。
同じ無痛症の問題へ触れる。
捨てたのではなく奪われたと語る。
アキオにとっては、
長年空いていた部分へ直接入ってくる言葉だった。

だからアキオの中では、
「影森家か母親か」という選択が、
単純な善悪ではない。
今まで育ててくれた家族。
自分を生んだという家族。
どちらも無視できず、
その間で実母側へ傾いてしまった。

しかし原作が進むと、
この選択がさらに皮肉になる。
ミナセはアキオを、
単に失った息子として探していたわけではない。
西ノ村側の目的へ使える人物として、
長い時間をかけて利用していた可能性が強くなる。

さらに後には、
アキオの無痛症そのものにも、
ミナセの「封」の力が関わっている可能性まで浮かぶ。
アキオが他人と違うと感じ、
その孤独から母を探した。
その孤独を作った原因に、
母本人が関わっていた可能性がある。

ここまで来ると、
アキオの裏切りはかなり皮肉になる。
影森家では、
自分を完全には理解してもらえないと思った。
だから本当の母へ近づいた。
ところがその母側でも、
自分は一人の息子ではなく、
使える駒として扱われていた。

第17話で、
仲間だったガブちゃんやナツキと向き合っても、
アキオが簡単に戻れなかったのは、
もう内通が深すぎたこともある。
情報を流した。
アサを狙った。
敵を口封じした可能性まである。
情が残っていても、
元の位置へ戻れる段階は越えていた。

だからアキオは、
「影森家を憎んで裏切った男」ではない。
影森家への恩を持ちながら、
自分の出生と実母へ引かれ、
別の側へ踏み込んでしまった人物になる。

そしてその選択の先で、
影森家からは裏切り者として処分対象になり、
西ノ村側からも完全な家族として迎えられるわけではない。
自分の本当の居場所を探した結果、
どちらにも完全には戻れない位置へ進んでいくところが、
アキオという人物の一番苦い部分になる。

第5章 「処分」直前に何が起きて、アキオはどう逃げた?

※ここから先は、アニメ未放送の原作内容を含みます。

影森家は即座に殺すより、まずアキオとヤマノカミから敵側の情報を引き出そうとした

第22話でゴンゾウが口にした
「アキオの処分」は、
その場ですぐ首を落とすような単純な処刑ではない。
第17話で裏切りが発覚した後も、
アキオは生きたまま捕らえられ、
ヤマノカミとともに影森家の管理下へ置かれている。

理由ははっきりしている。
アキオは長く影森家の内側にいた人物でありながら、
外部の敵ともつながっていた。
つまり影森家から見れば、
処罰すべき裏切り者であると同時に、
敵の正体へ近づける貴重な情報源でもある。

誰へ情報を流していたのか。
イワンとはどこまでつながっているのか。
西ノ村側はユルとアサのどちらを狙っているのか。
屋敷襲撃は誰の指示だったのか。
アキオを生かしておけば、
こうした疑問へ直接手を伸ばせる。

第6話の影森屋敷襲撃では、
敵側の指揮役が死んだことで、
情報を引き出す機会そのものが失われた。
第17話でジンがアキオを疑った背景にも、
その時の「なぜ情報を持つ相手を先に殺したのか」
という違和感が残っていた。

そのため今回は逆に、
アキオ自身を簡単には殺さない。
フユキの閻魔帳を使えば、
捕らえた相手から情報を探ることもできる。
影森家にとっては、
処分より先に聞くべきことが山ほど残っていた。

ところが、
この尋問へ進む前後で状況が崩れる。
重要になるのが、
アキオと一緒に捕らえられていたヤマノカミ。
第17話ではアキオが契約を解除したため、
すでに主を失った野良のツガイになっている。

普通なら、
ここでヤマノカミまで完全に無力化できれば、
アキオの逃げ道もほぼ消える。
しかしそのヤマノカミには、
影森家側が知らない仕掛けが残されていた。
後に起きる爆発が、
アキオの処分そのものを吹き飛ばすことになる。

ヤマノカミに仕掛けられた爆発で影森家が混乱し、その隙を使ってアキオが逃走する

原作9巻で、
影森家がアキオとヤマノカミから
イワン側の情報を聞き出そうとする場面は、
突然の爆発によって崩される。
発端は、
ヤマノカミ側へ仕掛けられていた罠だった。

巨大なツガイであるヤマノカミは、
第17話の時点ですでに重傷。
ガブちゃんの攻撃で大きく傷つき、
アキオとの契約も解除されている。
ところが、
そんな弱った状態のツガイへ、
さらに外部から罠が仕込まれていたことになる。

爆発が起きれば、
影森家側はアキオだけを見張っていられない。
屋敷内部の安全確認。
他の者の救助。
残っているツガイへの対応。
一瞬で優先順位が増え、
捕虜一人へ集中していた監視が崩れる。

アキオは、
その混乱を逃さない。
第17話で一度逃走に失敗し、
立川マコトとみどりさんに捕まった時とは違い、
今回は影森家全体が爆発へ対応している。
そこで生まれた隙を利用し、
処分が実行される前に影森家から姿を消す。

ここで重要なのは、
アキオが「許された」わけではないこと。
裏切りが帳消しになったわけでも、
ゴンゾウたちが見逃したわけでもない。
あくまで処分対象のまま、
外部の仕掛けによって生まれた混乱から脱出しただけになる。

だから第22話の
「処分」という言葉を聞いて、
アキオはここで退場すると考えると外れる。
むしろこの処分直前こそ、
影森家の内部にいたアキオが、
完全に外側へ出る瞬間になる。

第17話までは、
裏切っていても黒谷四姉弟のアキオだった。
影森家の屋敷にいる。
ナツキたちと過去を共有している。
ヤマノカミも影森家側の戦力として知られている。
まだ「元の居場所」が目の前に残っていた。

しかし逃走後は違う。
影森家へ戻れば処分対象。
黒谷姉弟とも同じ立場には戻れない。
自分から境界を越え、
西ノ村側の人物として生きるしかなくなる。

つまり爆発は、
単なる脱獄用の派手な事件ではない。
アキオから
「影森家へ戻れる可能性」をほぼ消す出来事でもある。
第22話の処分が実行されなかった代わりに、
アキオ自身の立場はもっと深く敵側へ固定されていく。

第6章 逃げたアキオはその後どうなる?

逃走後も退場せず、西ノ村側でイワンたちと行動する人物として再び現れる

影森家から逃げたアキオは、
そのまま物語から消えるわけではない。
処分を免れた後は、
西ノ村側の人物たちと行動し、
ユルや影森家と再び対峙する立場へ進んでいく。

ここで第17話までとの違いが大きい。
以前のアキオは、
影森家の内側に潜みながら情報を流す内通者。
敵であることを隠していたからこそ、
ジンは行動の不自然さから正体を探らなければならなかった。

しかし逃走後は、
もう隠す必要がない。
影森家から見れば明確な裏切り者。
アキオ自身も、
元の黒谷四姉弟へ戻れる状況ではない。
立場が完全に表へ出た状態で、
敵側の人間として再登場する。

原作12巻では、
アキオはイワンと行動している。
影森家やユルたちは、
その動きを追いながら、
アキオが一人になる瞬間を狙う。
ここまで来ると、
第22話で処分されるはずだった男が、
逆に後の争いの中心へ残っていることになる。

ユルたちは、
アキオが単独行動する機会を見つけ、
中華料理店にいるところを夜襲する。
第5話では、
まだ味方を装っていたアキオへ、
ユルだけが危険な殺気を感じて攻撃していた。
それが今度は、
互いに敵だと分かった状態で真正面からぶつかる。

アキオも、
以前のように影森家の仲間として振る舞わない。
襲撃へ防戦し、
自分の立場を守る。
そこへ救援として現れるのがイワン。
逃亡後のアキオが、
西ノ村側と実際に行動を共にしていることが、
この再戦で明確になる。

第17話の裏切り発覚は、
正体が暴かれた場面。
第22話の処分は、
影森家から切り離される場面。
原作12巻の再登場は、
その後どちら側へ立ったのかを示す場面。
三つをつなぐと、
アキオの立場の変化がかなりはっきりする。

実母を求めて西ノ村へ傾いたのに、逃亡後も「家族として守られる側」にはなれない

アキオのその後で苦いのは、
西ノ村側へ行けば、
探していた家族へ受け入れられるわけでもないこと。
第3章で触れたように、
アキオが影森家から離れる大きなきっかけには、
自分の母親を名乗る小野ミナセとの接触があった。

アキオから見れば、
影森家は育ててくれた場所。
しかし自分がどこから来たのかという空白は残る。
そこへ実母を名乗る相手が現れ、
自分を捨てたのではないと語る。
その言葉を信じたからこそ、
アキオは影森家を裏切るところまで進んだ。

ところが西ノ村側では、
アキオが無条件で大事にされるわけではない。
イワンたちにとっても、
彼は影森家内部を知り、
ユルやアサへ近づくために使える人物。
家族を求めて移った側でも、
利用価値から見られる立場が残る。

ここが黒谷四姉弟との違いになる。
ナツキは、
第17話でガブちゃんがアキオを殺そうとした時、
なもみはぎを使って止めた。
裏切られた直後でも、
長く姉弟として暮らした情を完全には捨てられなかった。

一方、
アキオが求めた「本当の家族」側では、
そのような無条件の情が保証されていない。
出生の答えを探した結果、
育ててくれた側を失い、
血のつながる側でも
完全な居場所を得られない状態へ入っていく。

それでもアキオは、
簡単に影森家へ戻れない。
情報を流した。
アサを襲おうとした。
ヤマノカミを使って屋敷を壊そうとした。
処分直前に逃亡までしている。
情が残っていても、
自分から積み上げた行動が帰る道を塞いでいる。

だから「アキオは処分される?」への答えは、
単に「逃げるから死なない」で終わらない。
処分を逃れた代わりに、
アキオは影森家で持っていた家族のような立場を失い、
西ノ村側の人間として戦い続けることになる。

しかもその西ノ村側でも、
アキオ自身が求めた
「本当の家族」が手に入ったとは言いにくい。
影森家では裏切り者。
西ノ村では利用価値を持つ協力者。
どちらにも完全には帰属できないまま、
ユルたちと再び敵として向き合う。

第22話の「処分」は、
アキオの最期を告げる言葉ではなかった。
むしろその言葉を境に、
影森家の黒谷アキオから、
西ノ村側で動くアキオへ立場が切り替わる。
逃げ延びたことで物語から退場するどころか、
自分が選んだ裏切りの代償を背負ったまま、
さらに先の争いへ残り続けることになる。

第7章 アキオの「処分」は、影森家の裏切り者から西ノ村側へ立場が変わる転換点だった

第22話の「処分」はアキオの最期ではなく、戻れない側へ進んだ境目になる

第22話でゴンゾウが口にした
「裏切り者のアキオの処分」という言葉は、
視聴者からすると
処刑や死亡を連想しやすい。
しかし原作まで追うと、
ここはアキオの物語の終点ではない。

第17話では、
アサを襲おうとしたことで内通が発覚。
愛ちゃんに腕を噛まれ、
ヤマノカミまで使って抵抗し、
最後は立川マコトとみどりさんに捕縛される。
ここでアキオは、
影森家の仲間という表向きの立場を完全に失った。

それでも、
捕まった直後に殺されるわけではない。
影森家側には、
イワンや西ノ村について聞き出したい情報がある。
裏切り者だから排除したい。
しかし敵側を知る捕虜としては生かす価値もある。
「処分」という一語の中に、
制裁と尋問の両方が重なっている。

その状況を壊したのが、
ヤマノカミに仕掛けられていた爆発だった。
影森家側が対応に追われる中、
アキオは混乱へ乗じて逃走。
処分そのものを受ける前に、
屋敷の支配下から抜け出している。

ただし、
逃げられたから自由になったわけでもない。
この時点でアキオは、
影森家へ戻れば処分対象。
黒谷四姉弟の一人として、
以前と同じ生活へ戻ることもできない。
生き延びた代わりに、
自分で帰る場所を一つ失っている。

第5話では、
まだ味方を装っていたアキオへ、
ユルだけが強い殺気を感じて攻撃した。
第6話以降の屋敷襲撃では、
情報を持つ敵の指揮役を殺し、
第17話ではアサ本人を狙う。
そして第22話以降、
もう内通を隠す必要のない敵側の人物へ変わる。

この流れを見ると、
アキオの正体は一話で急に反転したわけではない。
ユルの直感。
ジンの疑念。
屋敷襲撃での不自然な行動。
アサへの襲撃。
捕縛。
処分。
逃亡。
過去回の違和感が少しずつ積み上がり、
最終的に敵側へ立つ人物像が完成している。

本当の家族を探した結果、影森家にも西ノ村にも完全には属せない人物になった

アキオの裏切りで一番重いのは、
影森家を憎んだから敵へ回ったわけではないところ。
黒谷四姉弟として過ごした時間があり、
ナツキたちへの情も残っている。
ヤマノカミが傷ついた時には、
自分が助かるより先に契約を解除し、
逃がそうとしている。

一方でアキオには、
生まれつき痛みを感じない無痛症がある。
周囲と同じように暮らしていても、
自分だけ身体の感覚が違う。
その違和感から同じ無痛症の人間を探し、
そこで実母を名乗る小野ミナセへたどり着く。

自分は誰の子なのか。
なぜ捨てられたのか。
なぜ自分だけ痛みを感じないのか。
影森家が現在の居場所を与えてくれても、
その出生への疑問までは消えなかった。
だからミナセの言葉は、
アキオが長く抱えていた空白へ直接入り込んだ。

その結果、
アキオは自分を育てた側より、
血のつながりを持つかもしれない側へ傾く。
影森家の情報を流し、
アサを狙い、
最終的には処分される立場まで進んでしまう。

ところが、
西ノ村へ行けば
本当の家族として迎えられるわけでもない。
逃亡後のアキオは、
イワンたちと行動し、
原作12巻ではユルたちと再び対峙する。
そこでも、
家族に守られる息子というより、
敵側で使える人物として動いている。

ここに大きな皮肉がある。
影森家では、
血のつながりがなくても黒谷姉弟として生活していた。
ナツキは裏切られた後ですら、
ガブちゃんがアキオを殺そうとするのを止めている。
それだけ積み上げた情があった。

しかしアキオは、
血のつながる家族を知ろうとして、
その場所を自分から壊した。
求めていた母側へ移っても、
完全な居場所は手に入らない。
結果として、
育ての家族にも、
血の家族にも、
完全には戻れない位置に残る。

だから第22話の「処分」は、
単なる刑罰の予告ではない。
影森家で育ったアキオが、
その家から正式に切り離されていく境目になる。
処分を逃れたことで命は残るが、
以前の生活へ戻る道はほぼ消える。

しかもアキオは、
その後も物語から退場しない。
西ノ村側で生き残り、
イワンと行動し、
ユルたちと再び戦う。
つまり「アキオは殺される?」への答えは、
処刑されず逃げ延びる、で終わらない。

本当に重要なのは、
逃げた後に何を失ったかになる。
影森家の信用。
黒谷姉弟としての立場。
戻れる場所。
その代わりに手に入れたのは、
出生へ近づく可能性と、
西ノ村側で戦い続ける不安定な立場だった。

だからアキオは、
「恩を仇で返した裏切り者」だけでは片付かない。
自分の身体の違いから出生へ疑問を持ち、
本当の家族を探し、
その答えを求めた結果、
今までの家族を失ってしまった人物になる。

第22話の「処分」は、
そんなアキオの人生が終わる場面ではない。
むしろ、
影森家の一員だった過去を失い、
西ノ村側の人物として生きるしかなくなる、
大きな転換点だったと言える。


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