夏野は、九百年前の御降家で土の術を操っていた摩緒の姉弟子で、平安時代から抱えたある出来事を追い続けている人物だった。
摩緒との再会や大五との因縁を追うと、なぜ夏野が御降家の兄弟弟子たちとは違う立場で動いてきたのかが見えてくる。
さらに第18話で語られた大五と紗那の過去までつながることで、夏野が九百年前の御降家を現在へ伝える重要な存在だったことも分かる。
第1章 結論|夏野とは何者?九百年前から捜し物を続ける摩緒の姉弟子
夏野は土の気を操り、九百年前から独自に動き続けてきた御降家の術者
『MAO』の夏野は、
九百年前の御降家で摩緒たちと共に修行していた姉弟子。
土の気があるものを操る術を得意とし、
平安時代には生き物を治す薬まで作っていた。
戦うだけではなく、命に触れる術にも長けた人物だった。
現在の大正時代でも夏野は生きている。
しかし摩緒や百火、華紋たちと常に行動を共にしているわけではない。
御降家がなくなった後も自分の目的を持ち、
九百年前から続く「捜し物」を追いながら、
必要な時だけ摩緒たちの前へ姿を現している。
アニメで夏野が強く印象に残るのが、
第18話「夏野」。
摩緒と菜花の前へ現れた夏野は、
新しい兄弟子が加わったというだけではなく、
九百年前を知る人物として重要な話を始める。
そこで語られるのが、
摩緒の兄弟子だった大五と、
師匠の娘である紗那の過去。
摩緒自身も知っている二人なのに、
夏野の口から語られる話には、
摩緒が知らなかった時間が含まれていた。
大五と紗那は互いに想い合い、
御降家を離れて共に生きようとしていた。
ところが大五は何者かに呪殺されたとされ、
二人が選ぼうとしていた未来は失われる。
夏野は、その出来事を知る立場にいた。
ここで夏野がただの姉弟子ではないことが分かる。
摩緒が知らない御降家の過去を知り、
大五と紗那の関係も知っている。
さらに自分自身も九百年前から続く目的を抱え、
現在まで行動し続けている人物になる。
物語序盤から摩緒が追ってきたのは、
猫鬼の呪いと五色堂の惨劇。
紗那がなぜ死亡したのか、
自分は九百年前に何をしたのか、
摩緒自身にも分からない部分が残されている。
兄弟子たちが一人ずつ現れるたび、
その空白へ新しい事実が加わっていく。
百火には百火の記憶があり、
華紋には華紋の過去があり、
不知火や白眉も別の側から御降家の秘密へ近づいている。
夏野も、
その一人になる。
ただし夏野の場合、
不知火のように御降家再興へ動くわけでもなく、
摩緒と常に行動を共にするわけでもない。
自分自身の目的を持ちながら、
必要な場面では摩緒を助け、
九百年前の出来事についても言葉を残す。
御降家の兄弟弟子でありながら、
少し離れた位置を歩いてきた人物だった。
だから夏野の正体を知る時、
「土の術を使う摩緒の姉弟子」だけでは足りない。
九百年前の大五や紗那を知り、
現在でも昔から続く捜し物を追っていることまで含めて、
夏野という人物が見えてくる。
摩緒たちと同じ過去を持ちながら、夏野だけには別に追い続けているものがある
御降家の兄弟弟子たちは、
九百年前に同じ場所で過ごしていた。
しかし御降家崩壊後、
全員が同じ方向へ進んだわけではない。
それぞれが別々の目的を持ち、
大正時代まで生き続けている。
摩緒は猫鬼を追っている。
華紋は不知火の動きを警戒し、
百火にも九百年前から消えないものがある。
白眉は不知火側に立ち、
御降家を巡る動きへ深く関わっている。
その中で夏野は、
かなり独特な位置にいる。
御降家そのものを取り戻そうとするのではなく、
九百年前から自分の中に残された問題を追い、
単独で行動してきた時間が長い。
しかも夏野の人生には、
大五が深く関わっている。
大五は摩緒たちの兄弟子で、
紗那と共に御降家を離れようとしていた人物。
その大五が呪殺されたとされたことで、
夏野の人生にも大きな変化が起きていく。
原作では、
夏野が長く追い続けているものと、
大五の存在が深く結び付いていく。
さらに夏野自身が、
普通の人間と同じように九百年間年を取って
生き延びてきたわけではないことも見えてくる。
つまり夏野が大正時代にいること自体、
御降家の兄弟弟子だからというだけではない。
九百年前に起きた出来事が終わらず、
現在まで夏野自身を
縛り続けていることになる。
アニメ第18話で夏野が登場した時も、
明るい再会だけでは終わらない。
摩緒と同じ時代を生きた姉弟子が現れたことで、
懐かしい御降家の話が増える一方、
大五や紗那に起きた悲劇まで現在へ戻ってくる。
夏野は、
九百年前を懐かしむために現れた人物ではない。
自分の中で終わっていないものを抱えたまま、
九百年後の大正時代まで
歩き続けてきた人物だった。
だから摩緒との再会にも、
単純な兄弟弟子同士の懐かしさだけではないものがある。
同じ御降家で過ごし、
同じ人物たちを知っていても、
九百年間に背負ってきたものはまったく違う。
夏野が語る大五と紗那の過去は、
摩緒のための昔話ではない。
夏野自身の人生にもつながる、
消えることのなかった九百年前の出来事。
そこから夏野という人物の物語が見え始める。
第2章 夏野と摩緒はどんな関係?御降家で共に過ごした姉弟子と弟弟子
夏野は摩緒より前から御降家にいた姉弟子で、九百年前を知る貴重な存在
夏野と摩緒の関係は、
九百年前の御降家まで遡る。
夏野は摩緒にとって姉弟子にあたり、
同じ師匠のもとで術を学んでいた。
現在だけを見れば突然現れた人物だが、二人には長い過去がある。
御降家には、
摩緒以外にも多くの兄弟弟子がいた。
百火、華紋、白眉、大五、真砂。
それぞれ異なる術を持ち、
同じ場所で修行しながら生活していた。
夏野が扱うのは土の気。
土の気が宿るものへ働きかけるだけでなく、
平安時代には生き物を治す薬を作っていた。
戦闘だけを得意とする人物とは、
少し違う側面を持っている。
夏野が薬に関わっていたことは、
摩緒との違いを感じさせる部分でもある。
摩緒は陰陽術を使い、
呪いや怪異と戦いながら、
後に医者として人々を救うようになる。
一方の夏野も、
九百年前から命を扱うものに関わっていた。
同じ御降家の術者でも、
それぞれが異なるやり方で
術を身につけていたことが見えてくる。
ただし二人が再び会う大正時代では、
御降家時代のような関係には戻らない。
九百年というあまりにも長い時間が流れ、
摩緒にも夏野にも、
それぞれ別の人生が積み重なっている。
摩緒は、
菜花と行動しながら猫鬼の謎を追ってきた。
大正時代で起きる怪異を解決し、
不知火たちと対峙しながら、
少しずつ御降家の過去へ近づいている。
夏野はその間、
摩緒とは別の場所を歩いていた。
だから再会しても、
昔の仲間が戻ってきたというだけではない。
摩緒の知らない九百年間を生きた一人として現れる。
第18話「夏野」で印象的なのも、
夏野が摩緒に対して
すべてを説明する人物ではないこと。
必要なことを語りながら、
自分自身の事情も抱えている。
そこで出てくるのが、
大五と紗那の話だった。
摩緒にとっては知っている二人。
しかし二人がどんな未来を選ぼうとしていたのかまでは、
摩緒の記憶だけでは見えていなかった。
夏野は、
その空白を知っている。
九百年前の御降家にいた人物だからこそ、
摩緒本人が知らなかった出来事まで、
現在へ持ち込むことができる。
この関係が面白い。
夏野は摩緒の師匠ではない。
現在の相棒でもない。
あくまで同じ時代を知る姉弟子になる。
だから必要なら助ける。
知っていることも語る。
それでも常に摩緒の側へ留まるわけではない。
二人には近さと遠さが同時に残っている。
夏野との再会によって、摩緒が知っている九百年前の記憶にも新しい空白が見えてくる
摩緒は九百年前を生きた当事者。
それでも御降家で起きたことを、
すべて知っているわけではない。
むしろ『MAO』では、
摩緒自身の知らない過去が大きな謎になっている。
五色堂で何が起きたのか。
猫鬼はなぜ摩緒を器に選んだのか。
紗那は誰に殺されたのか。
師匠は何をしようとしていたのか。
第1話から続いてきた物語では、
菜花が摩緒と行動することで、
その謎へ一つずつ近づいてきた。
しかし過去の当事者が増えるたび、
それまでとは違う事実が出てくる。
百火と再会すれば、
百火の記憶が加わる。
華紋が現れれば、
華紋だけが見ていたものが加わる。
不知火が動けば、
御降家の別の側面が見えてくる。
夏野の場合、
特に大五と紗那の過去が大きい。
摩緒も大五を知り、
紗那も知っていた。
それでも二人が互いに想い合い、
御降家を離れようとしていた時間までは知らなかった。
同じ屋敷で暮らしていたからといって、
全員が互いのすべてを
知っていたわけではない。
兄弟弟子たちにも、
摩緒から見えない人間関係があった。
夏野の登場は、
そこを強く感じさせる。
九百年前の真実を探している摩緒にとって、
夏野は新しい証言を持つ人物であり、
同時に自分とは違う記憶を持つ姉弟子でもある。
しかも夏野自身も、
九百年前の出来事から
自由になっているわけではない。
大五に関わる過去や、
長年追い続けている捜し物を抱えている。
だから摩緒と夏野は、
同じ御降家の生き残りでありながら、
九百年間追ってきたものが違う。
摩緒は猫鬼や紗那の死を追い、
夏野には夏野自身の終わっていない出来事がある。
その二人が大正時代で再会することで、
別々に追っていた九百年前が
少しずつ重なっていく。
夏野が大五について語ることも、
その重なりの一つになる。
摩緒にとって夏野は、
昔を知る懐かしい姉弟子というだけではない。
自分の知らなかった御降家を知り、
九百年前の空白へ
新しい道を開く人物でもある。
一方で夏野も、
摩緒のためだけに動いているわけではない。
自分が長年追い続けてきたものがあり、
その目的を捨てずに行動している。
ここが他の兄弟弟子とは違う距離感になる。
夏野と摩緒の関係を追うと、
御降家の兄弟弟子という言葉だけでは
収まらないものが見えてくる。
同じ過去を持ちながら、
別々の九百年を生きてきた二人。
その二つの時間が再び交わったことで、
大五、紗那、
そして御降家で何が起きたのかという謎も、
さらに深いところへ進み始める。
第3章 夏野はなぜ一人で行動していた?平安時代から続く「捜し物」
夏野が摩緒たちと別に動いていたのは、九百年前から終わっていない目的があったから
大正時代で再会した夏野は、
摩緒の姉弟子だからといって、
そのまま摩緒や菜花と
行動を共にするわけではない。
夏野には夏野自身の目的があった。
その中心にあるのが、
平安時代から続いている
ある「捜し物」だった。
原作では摩緒も、
夏野が長い間それを追っていることを知る。
ここが夏野の立ち位置を、
他の兄弟弟子たちとは
少し違うものにしている。
御降家がなくなった後も、
夏野は自分の問題を追い続けていた。
摩緒は九百年間、
猫鬼と五色堂の過去を追っている。
華紋は不知火の動きを警戒し、
百火にもまた、
消せない九百年前の記憶がある。
一方の夏野は、
御降家そのものを取り戻そうとするのではなく、
自分の人生を変えた出来事へ
向き合うようにして、
長い時間を歩き続けてきた。
だから夏野は、
摩緒たちの味方ではあっても、
常に一緒にいる仲間とは少し違う。
自分の目的を捨てず、
必要な時だけ力を貸している。
原作9巻では、
不知火との戦いで摩緒を助けた後、
夏野が平安時代から続く事情によって
捜し物をしていることが
摩緒にも知られていく。
つまり夏野の単独行動は、
気まぐれでも、
兄弟弟子との関係が悪いからでもない。
九百年前から続くものを、
自分自身で追わなければならなかった。
しかもその捜し物は、
夏野だけの小さな問題では終わらない。
大五や御降家の過去、
さらに夏野自身が
なぜ現在まで生きているのかにもつながっていく。
アニメ第18話「夏野」で、
夏野が大五と紗那について
語り始めることも、
この長い過去と無関係ではない。
夏野は、
昔の出来事を知っているだけの
証言者ではない。
自分自身も、
九百年前の出来事の当事者だった。
大五が何者かに呪殺されたこと。
紗那と大五が
共に御降家を離れようとしていたこと。
その周囲で、
何が起きていたのか。
夏野は、
摩緒よりも違う位置から
その時間を見ていた。
だから九百年後になっても、
自分の中では終わっていない。
摩緒と再会したからといって、
そこですべてを話して
一緒に行動すれば済むものではない。
夏野自身が見つけなければならないものがあり、
確かめなければならない過去がある。
そのため、
夏野は大正時代でも
独自に動き続けている。
不知火との戦いで摩緒を助けても、夏野が自分の目的を手放さないところが特徴
夏野は、
摩緒に対して冷たい人物ではない。
むしろ危険な場面では、
姉弟子として力を貸すことがある。
原作では、
不知火との戦いの中で
摩緒を助ける場面もあり、
二人が九百年前から
つながる兄弟弟子であることが見えてくる。
ただし夏野は、
摩緒の目的を
そのまま自分の目的にはしない。
ここがかなり重要になる。
摩緒が猫鬼を追うなら、
夏野も猫鬼だけを追う。
摩緒が不知火と戦うなら、
夏野もずっと同行する。
そういう関係ではない。
夏野には、
摩緒とは別に
九百年間を動かしてきたものがある。
だから助ける時は助けても、
また自分の道へ戻っていく。
この距離感は、
第18話で摩緒と再会した時にも
感じられる部分になる。
昔の姉弟子が突然現れ、
大五や紗那の過去まで語る。
それだけなら、
摩緒に協力するために現れたようにも見える。
しかし夏野自身にも、
まだ話していないことがある。
何を捜しているのか。
なぜそれを九百年も追っているのか。
その背景には深い出来事が残っている。
そして夏野の過去を辿ると、
大五という人物が
さらに大きく浮かんでくる。
大五は、
紗那と共に御降家を離れようとしていた
摩緒の兄弟子。
しかし何者かに呪殺されたとされる。
その大五を巡る出来事は、
紗那だけでなく、
夏野の人生にも
長く影響を残していく。
だから夏野が第18話で、
大五の過去を語ることにも
重さがある。
自分とは無関係な昔話を
摩緒へ教えているのではない。
夏野自身も、
そこから九百年離れられていない。
一人で行動する夏野を見ると、
冷静で自由な人物にも見える。
だが実際には、
九百年前から続くものを追うために、
長い年月を
自分の足で歩き続けてきた人物でもある。
摩緒と同じ御降家にいた。
同じ惨劇を知っている。
それでも、
追い続けているものは違う。
その違いが、
夏野と摩緒の関係に
独特な距離を作っている。
第4章 夏野と大五には何があった?第18話で語られた紗那との過去
夏野は、大五と紗那が想い合っていたことを知る九百年前の当事者だった
第18話「夏野」で、
夏野が前へ出てくる大きな場面が、
大五と紗那の過去を
摩緒たちへ語るところになる。
大五は摩緒の兄弟子。
紗那は、
御降家の師匠の娘。
摩緒にとっては、
どちらも九百年前から
知っている人物だった。
それでも摩緒は、
二人のすべてを
知っていたわけではない。
大五と紗那は、
互いに想い合っていた。
さらに二人は、
御降家を離れて
共に生きようとしていた。
その未来を、
摩緒は完全には知らなかった。
夏野は、
その二人の過去を
知っている人物だった。
だから夏野が語ることで、
摩緒の中にある
九百年前の記憶へ新しい事実が加わる。
摩緒にとって紗那は、
自分を優しく気遣ってくれた
忘れられない女性だった。
しかし紗那自身には、
摩緒とは別に
自分で選ぼうとしていた人生があった。
御降家を離れる。
父のもとを離れる。
大五と共に生きる。
紗那は、
そこまで具体的な未来を
選ぼうとしていた。
そのことを知る夏野は、
単に兄弟弟子たちの名前を
覚えているだけの人物ではない。
御降家の人間関係の中でも、
摩緒から見えなかった部分を
知っている姉弟子になる。
そして大五の過去には、
さらに悲劇が待っている。
大五は、
何者かに呪殺されたとされる。
紗那と共に歩むはずだった未来は、
そこで途切れてしまう。
大五を失った後、
紗那もまた
御降家から逃れることができず、
その先の惨劇へ巻き込まれていく。
夏野がこの話を知っていることで、
大五との距離も
単なる同門だけでは済まなくなってくる。
後の原作では、
大五と夏野の間に
さらに奇妙な因縁があることまで
明らかになっていく。
つまり第18話で、
夏野が大五の話を語ることは、
後から見るとかなり大きい。
大五の過去を知る人物。
紗那の決意を知る人物。
そして自分自身も、
大五と深い因縁を抱えている人物。
その三つが、
夏野の中で重なっていく。
大五の過去を知ると、夏野の「捜し物」が九百年間続いていることにも別の重さが生まれる
夏野の話で重要なのは、
第18話の大五と紗那だけを
切り離して見ないことになる。
夏野自身にも、
九百年前から続く目的がある。
平安時代に起きた出来事によって、
夏野の人生は大きく変わった。
そして大正時代になっても、
その出来事から完全には
離れられていない。
原作9巻では、
摩緒が夏野の隠し事へ近づき、
平安時代から続く事情によって
何かを捜していることを知る。
さらに原作22巻では、
魂を奪われた大五と、
その魂をなぜか持つ夏野という
かなり大きな関係まで浮かび上がる。
ここまでつながると、
夏野が大五の話を
他人事のように語れる人物ではないことが
はっきりしてくる。
大五は、
夏野自身の九百年間にも
関わっている。
夏野がなぜ捜し続けるのか。
なぜ御降家の兄弟弟子たちと
ずっと一緒に行動しないのか。
なぜ大正時代まで、
一人で追い続ける必要があったのか。
その背景には、
大五を含む九百年前の出来事がある。
だから夏野の記事では、
「土の術を使う姉弟子」
だけを見ても核心まで届かない。
大五。
紗那。
夏野自身の捜し物。
この三つを追うことで、
夏野の現在の行動が
少しずつ一本につながっていく。
さらに原作17巻では、
夏野が何者かの術によって
命をながらえてきたことも
明らかになっている。
つまり夏野は、
普通の人間として
九百年間生き続けてきたわけでもない。
九百年前に起きた出来事は、
夏野の目的だけでなく、
身体そのものにも
影響を残している。
摩緒もまた、
猫鬼の呪いによって
九百年を生きてきた人物。
夏野も、
別の事情によって
九百年前から現在へつながっている。
同じ御降家の姉弟子と弟弟子でも、
生き延びた過程まで違う。
だから二人が再会すると、
ただ懐かしいだけでは終わらない。
それぞれが抱えてきた九百年が、
現在で再び交差し始める。
第18話で夏野が
大五と紗那について語ったことは、
その入口でもある。
摩緒の知らなかった過去を語りながら、
夏野自身の過去も
少しずつ見え始める。
夏野と大五の間に
何があったのか。
九百年間、
夏野は何を追っていたのか。
その答えへ近づくほど、
一人で行動してきた夏野の姿にも
重い背景が見えてくる。
第5章 夏野はなぜ九百年後まで生きている?「命をながらえてきた」身体の謎
夏野は普通に九百年間生きたのではなく、何者かの術によって命をつながれていた
夏野を見ていると、
摩緒や華紋たちと同じように、
平安時代から大正時代まで
そのまま生き続けてきた人物のようにも見える。
だが夏野の場合、事情はそれほど単純ではない。
原作で明らかになるのは、
夏野が何者かの術によって、
九百年後まで命をながらえてきたこと。
普通の人間として長寿になったのではなく、
夏野自身の身体に異常な出来事が起きていた。
これは摩緒とも似ているようで違う。
摩緒は猫鬼に呪われ、
五色堂の惨劇を境に、
人として普通に老いて死ぬ道から外れた。
九百年という時間そのものが呪いの一部になっている。
夏野もまた、
自分の意思だけで九百年間を
生き抜いてきたわけではない。
何者かの術によって命をつながれ、
平安時代の出来事を現在まで引きずっている。
ここまで分かると、
第18話「夏野」で摩緒の前へ現れた姿にも、
別の重さが見えてくる。
久しぶりに会った姉弟子が、
ただ長生きしていたという話ではない。
摩緒と同じように、
夏野にも九百年間を
終わらせることのできなかった事情がある。
しかも夏野は、その間ずっと、
自分の捜し物を追い続けてきた。
平安時代の夏野は、
土の気を操るだけではなく、
生き物を治す薬を作っていた人物だった。
命を救う側にいた夏野自身が、
後には不自然な形で命をつながれている。
この対比はかなり印象的になる。
他者の命を治す知識を持っていた人物が、
自分自身の命については、
誰かの術によって九百年後まで縛られている。
だから夏野の長命は、
単なる特殊能力ではない。
夏野が御降家崩壊後も、
過去から逃れられなかったことを
身体そのものが示している。
夏野がなぜ単独で行動するのかという疑問も、
ここまで来るとさらに見えやすくなる。
九百年前に起きたことが、
今も自分の身体と人生に残っているからこそ、
自分自身で決着をつけなければならない。
摩緒と再会したからといって、
昔の姉弟子として
そのまま一緒に旅を始めることはできない。
夏野には九百年前から、
まだ終わっていない時間が残されている。
そしてその時間を辿っていくと、
大五という人物が
再び浮かび上がってくる。
夏野の長命と大五の過去は、
別々の話として終わらない。
摩緒と夏野は同じ九百年を生きながら、それぞれ違う形で過去に縛られている
摩緒と夏野には、
大きな共通点がある。
どちらも平安時代の御降家を知り、
九百年後の大正時代まで
生きているということ。
しかし二人が九百年間を
生きることになった経緯は違う。
摩緒には猫鬼の呪いがあり、
夏野には何者かの術によって
命をながらえてきた過去がある。
どちらも、
本人が望んで手に入れた
幸福な長寿ではない。
九百年前に起きた異常な出来事によって、
時間から取り残された人物になる。
摩緒はその年月の中で、
猫鬼を捜し続けてきた。
紗那の死や五色堂の真相を追い、
自分の身に何が起きたのかを
知ろうとしてきた。
夏野にも、
平安時代から続く捜し物がある。
摩緒とは別の場所を歩き、
別のものを追いながら、
同じ九百年前へ戻ろうとしている。
だから二人が大正時代で再会する場面は、
昔の姉弟子と弟弟子が
偶然顔を合わせたというだけではない。
それぞれ別の九百年が、
再び同じ場所で交わる瞬間になる。
しかも第18話では、
夏野が摩緒へ
大五と紗那の過去を語る。
摩緒が知らなかった九百年前を、
夏野の記憶が補っていく。
摩緒には摩緒の記憶がある。
夏野には夏野の記憶がある。
同じ御降家にいたのに、
二人が知っている出来事は
完全には重なっていない。
そこが『MAO』の過去の怖さでもある。
一人の証言だけでは、
九百年前の全体像が見えない。
兄弟弟子が増えるほど、
知らなかった出来事も増えていく。
特に夏野の場合、
本人の身体そのものが
九百年前の謎を抱えている。
なぜ命をながらえることになったのか。
誰の術が関わっているのか。
その先へ進めば、
大五との関係にも触れることになる。
第18話では夏野が
大五について語る側にいるが、
後になるほど二人自身の因縁が大きくなっていく。
つまり夏野は、
御降家の過去を語れる姉弟子であると同時に、
自分自身もまだ解かれていない
九百年前の謎の中にいる人物だった。
現在を生きているように見えて、
身体も目的も過去へつながっている。
夏野が摩緒たちと別に動く姿には、
そうせざるを得なかった長い年月がある。
第6章 大五の魂をなぜ夏野が持つ?二人を結ぶ奇妙な因縁
「呪殺されたはず」の大五と夏野は、九百年後に魂を巡って再びつながっていく
第18話で夏野が語る大五は、
摩緒の兄弟子であり、
紗那と想い合っていた人物。
そして平安時代に、
何者かに呪殺されたはずの術者だった。
この段階だけを見ると、
夏野は大五の過去を知る
姉弟子の一人に見える。
ところが原作では、
二人の関係がそれだけではないことが分かっていく。
大きな鍵になるのが、
大五の「魂」。
後の物語では、
大五が魂を奪われた状態となり、
その魂をなぜか夏野が持っていることが明らかになる。
ここで第18話の見え方も変わる。
夏野が大五と紗那の過去を
摩緒へ語っているのは、
単に昔を詳しく知っているからではない。
夏野自身も、
大五と切り離せない事情を
九百年間抱えてきた。
大五の死が、
過去の出来事として
完全に終わっていなかったことになる。
大五はもともと、
紗那と一緒に御降家を離れ、
二人で生きていくはずだった。
しかし何者かに呪殺されたことで、
その未来は断ち切られた。
紗那は大五を失い、
御降家に残される。
その後には五色堂の惨劇があり、
紗那自身も命を失っていく。
摩緒の九百年間もそこから大きく動き始める。
ところが大五の物語は、
「九百年前に死んだ」で終わらない。
魂を巡る異常な状態となり、
夏野との間に、
現在まで続く因縁が残される。
なぜ夏野が、
大五の魂を持っているのか。
なぜ大五の魂が、
普通に死者として消えていないのか。
そこには九百年前の出来事が深く関わっている。
夏野が長く捜し物を続けてきたことも、
大五との因縁を知った後では
別の重さを帯びてくる。
九百年間続いてきた目的が、
御降家の過去と無関係ではないことが見えてくる。
夏野にとって大五は、
ただ昔死んだ兄弟弟子ではない。
現在の自分の人生にまで、
直接入り込んでいる存在になる。
だから大五を語る夏野には、
摩緒とは違う重さがある。
摩緒が大五について知らなかった時間を、
夏野は別の形で
九百年間抱え続けていた。
大五との因縁を追うほど、夏野が九百年間一人で動いてきた姿にも重さが加わる
夏野は、
御降家崩壊後の九百年間を、
摩緒と共に過ごしたわけではない。
それぞれ別々の道を歩き、
大正時代で再び交わっている。
摩緒が追っていたのは、
猫鬼と紗那の死、
そして五色堂の真相。
自分が九百年前に
何をされたのかを知る旅でもあった。
夏野にも、
それと同じくらい長く、
自分で追わなければならないものがあった。
しかもその奥には、
大五との奇妙な因縁が残っている。
大五の魂を夏野が持つという事実は、
二人の関係が
単なる兄弟弟子では説明できないことを
強く感じさせる。
第18話で、
夏野が大五と紗那を語る。
その時点では、
過去を知る姉弟子としての姿が前へ出る。
しかしその先を知ると、
夏野自身も大五を巡る出来事の
当事者だったことが分かる。
語る側でありながら、
同時に謎の中にいる人物だった。
ここは摩緒との違いでもある。
摩緒は大五の兄弟弟子ではあっても、
大五と紗那の関係を
すべて知っていたわけではない。
夏野は、
その二人の過去を知っている。
さらに大五の魂そのものと
後の時代まで関わることになる。
同じ御降家の仲間でも、
誰が何を背負ったのかは違う。
真砂には華紋と不知火との因縁があり、
紗那には摩緒や大五との過去がある。
夏野の場合、
大五という人物が、
九百年前と現在を
直接つなぐ存在になっていく。
だから夏野が、
摩緒たちと別に行動していたことも、
単なる自由な性格だけでは見えなくなる。
自分で追い続けなければならないものがあった。
九百年間、
命をながらえてきた身体。
平安時代から続く捜し物。
そして大五の魂。
この三つが重なった時、
夏野が現在まで歩き続けてきた背景が
一気に深くなる。
アニメ第18話では、
まず大五と紗那を語る人物として
夏野が前へ出てきた。
しかし夏野自身の過去へ目を向けると、
彼女もまた九百年前の犠牲者の一人に見えてくる。
摩緒が猫鬼によって
人生を変えられたように、
夏野にも本人だけでは
終わらせることのできない出来事があった。
そしてその中心に、
大五との奇妙な因縁が残されている。
夏野を知ることは、
御降家の姉弟子を一人知ることではない。
なぜ九百年後まで生きているのか。
なぜ一人で行動してきたのか。
なぜ大五の魂とつながっているのか。
その三つを追っていくことで、
夏野がずっと過去を引きずってきた人物であることが、
よりはっきり見えてくる。
第7章 夏野を知ると御降家の兄弟弟子がつながる|九百年前を今へ伝える姉弟子
夏野は、摩緒・大五・紗那を別々の過去ではなく一つにつなぐ人物だった
夏野を追っていくと、
最後に見えてくるのは、
土の術を使う姉弟子という
肩書きだけではない。
九百年前の人間関係を今へ運ぶ役割になる。
摩緒は猫鬼を追い、
紗那の死と五色堂の真相を追ってきた。
大五は紗那と共に御降家を離れ、
別の人生を選ぼうとしていた。
夏野は、その両方へ関わる人物だった。
第18話「夏野」で、
摩緒の前に現れた夏野は、
大五と紗那の過去を語る。
そこには摩緒自身が
知らなかった時間が含まれていた。
同じ御降家にいたからといって、
全員が同じものを見ていたわけではない。
摩緒が知らないことを、
夏野は知っていた。
夏野だから語れる九百年前があった。
大五と紗那が想い合っていたこと。
二人が御降家を離れ、
一緒に生きようとしていたこと。
大五が呪殺されたとされ、
その未来が断ち切られたこと。
こうした過去が加わることで、
紗那の見え方も変わる。
摩緒の記憶に残る女性であるだけではなく、
自分自身で別の人生を
選ぼうとしていた人物だったと分かる。
そこを現在へ運んでくるのが夏野だった。
昔のことを知っているだけではない。
夏野自身も、
その過去から自由にはなれていない。
平安時代から続く捜し物。
何者かの術によって
九百年後まで命をながらえた身体。
そして大五との奇妙な因縁。
夏野もまた、
九百年前の出来事によって
人生を大きく変えられた人物だった。
だから過去を語る時にも、
完全な部外者ではいられない。
これは摩緒との再会にもつながる。
摩緒も夏野も、
同じ御降家を知る生き残り。
それでも九百年間、
別々のものを追い続けてきた。
摩緒には猫鬼がいる。
夏野には捜し物がある。
そして二人の過去を辿れば、
大五や紗那へつながっていく。
そのため夏野は、
兄弟弟子の一人というより、
御降家の複数の過去を
一本につなぐ人物として見えてくる。
夏野が独自に動き続ける姿には、御降家へ戻るのではなく自分の過去に決着をつける意志がある
御降家の兄弟弟子たちは、
九百年後も
同じ目的で動いているわけではない。
そこが『MAO』の人間関係を
複雑にしている。
不知火は御降家の名を掲げ、
再び大きな動きを起こしている。
白眉もその側に立つ。
一方で華紋は、
不知火と対立する側へ回っている。
摩緒は、
御降家そのものを
復活させたいわけではない。
自分へ掛けられた猫鬼の呪いと、
九百年前の真相を追い続けている。
夏野も、
その意味では摩緒に近い。
御降家へ戻るために
九百年間を生きてきたわけではない。
自分の中に残された問題を追っている。
だから夏野は、
摩緒に協力することがあっても、
ずっと隣に留まるわけではない。
不知火と戦う場面では力を貸し、
必要な過去も語る。
それでも最後には、
自分の目的へ戻っていく。
夏野には、
誰かに任せられないものがあるからだ。
九百年前から続く捜し物は、
夏野自身の人生そのものに関わっている。
その奥には、
大五との因縁も残っている。
原作では、
魂を奪われた大五と、
その魂を持つ夏野という関係まで明らかになる。
ここまで見ると、
夏野が独自に動く姿は
単なる気ままさではなくなる。
九百年前から残ったものへ、
自分自身で向き合おうとする姿になる。
摩緒が猫鬼を
他人任せにできないのと同じように、
夏野もまた、
自分の問題を自分で追っている。
二人は同じ御降家にいた。
同じ九百年を越えてきた。
それでも、
背負っているものは違う。
その違いがあるからこそ、
大正時代で再び出会った時にも、
昔と同じ姉弟子と弟弟子には
完全には戻れない。
ただ、
互いに過去を知る存在ではある。
摩緒が知らないことを夏野が語り、
夏野の抱える問題にも
摩緒たちの過去が重なっていく。
百火。
華紋。
白眉。
不知火。
そして大五。
御降家の兄弟弟子たちは、
それぞれ別の場所で
九百年前を抱え続けている。
その中で夏野は、
大五と紗那の過去を語り、
摩緒の知らない時間を現在へつなぐ。
さらに自分自身も、
大五との因縁を抱えている。
だから夏野を知ると、
御降家の兄弟弟子たちが
ただ並んでいるのではなく、
互いの過去で結ばれていたことが見えてくる。
夏野は、
摩緒の姉弟子というだけではない。
大五の過去を知る人物。
紗那の決意を知る人物。
そして九百年前から続く問題を、
自分自身で追い続ける人物。
第18話で夏野が現れたことで、
御降家の過去はさらに広がった。
そして夏野自身を追うほど、
九百年前に何が起きていたのかも
別の角度から見えてくる。
夏野が現在まで生き、
一人で動き続けていること自体が、
御降家の過去がまだ終わっていないことを
強く示している。
MAOまとめ
『MAO』の考察・キャラ解説・猫鬼の呪い・五色堂・アニメ感想記事をまとめています。
摩緒、菜花、猫鬼、百火、華紋、不知火、白眉、玄武、乙弥など記事一覧はこちら。
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