1章 ベアトリスが愛される核心は、可愛さの奥にある長すぎた孤独
この記事は要するに、ベアトリスが口調の可愛さだけで人気になったのではなく、禁書庫へ閉じこもり続けた長い孤独、誰も近づけない態度の裏でずっと抱えていた寂しさ、そしてスバルとのやり取りで止まっていた時間が動き出すところまで含めて、胸へ深く刺さるキャラだとわかる内容。
最初は感じが悪いのに、最初から印象だけは異様に強い
ベアトリスの第一印象は、とにかく普通ではない。
小柄な体。
金色の縦ロール。
子どもみたいな見た目。
なのに着ているのは、飾りの多い重たいドレス。
しかも口を開くと、甘さより先に棘が来る。
ロズワール邸へ運び込まれたスバルが、屋敷の中で偶然たどり着くのが禁書庫。
そこは、屋敷の中なのに空気が違う。
人が集まる部屋ではない。
生活の気配より、本の匂いと静けさが勝つ。
扉を開けた瞬間、明るい屋敷の空気から切り離されたような感触がある。
その部屋で脚立に座り、本に囲まれているのがベアトリス。
出会い方からして、かなり強い。
屋敷の住人の一人というより、秘密を守る番人に見える。
スバルが軽い調子で話しかけても、やわらかく受ける気配はない。
勝手に入ってきた侵入者を見る目。
本へ触れれば怒る。
質問しても簡単には教えない。
まるで、ここから先へ入るなと線を引くような話し方。
ここでまず効くのが、見た目と態度のズレ。
妖精みたいな外見なのに、愛想は悪い。
小さいのに圧がある。
可愛いのに近寄りにくい。
このちぐはぐさが、ものすごく引っかかる。
しかも、ただ怒るだけでは終わらない。
ベアトリスの言葉には、ちゃんと相手を見る知性がある。
スバルが騒げば、呆れた顔で切り返す。
調子に乗れば、鼻先で笑う。
その一方で、相手の慌て方や空回りまで冷静に見抜いている。
だから、暴言がただの雑な悪口で終わらない。
一言ごとに温度差があって、会話の輪郭がくっきり立つ。
スバルとの相性も、この時点で妙にいい。
印象最悪。
なのに会話は止まらない。
追い返されても、また絡む。
ベアトリスも本気で無関心なら黙殺すればいいのに、毎回きっちり相手をする。
ここが面白い。
噛み合っていないようで、会話だけは成立してしまう。
この妙な呼吸が、初期のベアトリスを一気に印象的にしていた。
さらに、禁書庫という場所そのものが、ベアトリスの魅力を底上げしている。
明るい食堂でもなければ、庭でもない。
大量の本。
閉ざされた空間。
そこで一人。
この絵だけで、もう楽しい日常の中心にいるキャラではないと伝わる。
何かを抱えている。
何かを止めたまま動けなくなっている。
説明される前から、その気配が出ている。
だからベアトリスは、最初から可愛いだけのキャラへ収まらない。
登場した瞬間から、少し寂しい。
少し不穏。
少し気になる。
この三つが同時に走る。
ここが強い。
冷たい言葉の裏で、見捨てない動きが何度も刺さる
ベアトリスが愛される入り口は、見た目や口調だけでは足りない。
決定的なのは、冷たく見えるのに見捨てないところ。
屋敷編のスバルは、何度も死ぬ。
原因もわからない。
誰が敵かもわからない。
朝は平穏でも、数日後には命を落とす。
死に戻りのたびに、人間関係の積み上げが消える。
その中でスバルは、屋敷の誰へ頼ればいいのかも定まらない。
そんな状況で、ベアトリスの存在は独特だった。
べたべた優しくはない。
励ましもしない。
だが、必要なところで手を放さない。
とくに印象が強いのが、スバルが四度目の初日を迎えたあと、ベアトリスへ「五日目の朝まで自分を守ってほしい」と頼む流れ。
かなり切実な頼み。
しかも説明は十分にできない。
死に戻りのことは言えない。
だから傍から見ると、根拠の薄い妙なお願いに見える。
普通なら突き放して終わっても不思議ではない。
それでもベアトリスは、完全には切らない。
文句を言う。
呆れる。
面倒そうにする。
けれど、その頼みを一笑に付して捨てる空気ではない。
この距離感がいい。
甘やかさない。
だが、放置もしない。
さらに屋敷編後半、村へ向かったスバルが呪いを受けたとわかる流れでも、ベアトリスの立ち位置はかなり大きい。
スバルは自分へ呪いがかかったか確かめるため、真っ先に禁書庫へ向かう。
ここがもう重要。
土壇場で頼る相手として、ベアトリスが頭に浮かんでいる。
それだけ、この短い時間で信用ができていたということ。
そのあと、森でウルガルムに襲われ、スバルの体へ無数の呪いが絡みつく場面。
屋敷へ戻った時点で、状況はかなり厳しい。
残り時間も少ない。
しかも呪いは一つではない。
複雑に重なり合っていて、ベアトリスでも解き切れない。
ここがまた刺さる。
万能ではない。
何でも解決できる救済役ではない。
力はある。
知識もある。
でも間に合わない。
救いたくても、どうにもならないところまで追い込まれている。
この無力感が、屋敷編の空気を一気に重くする。
ただ、その場面でもベアトリスは他人事では済ませない。
状態を見て、何が起きているかを判断する。
助かる道を探す。
面倒そうな顔のまま、見捨てない。
言葉は冷たい。
でも行動は冷たくない。
このねじれが、ほんとうに強い。
ベアトリスを好きになる人の多くが引っかかるのは、まさにここ。
優しいなら最初から素直に優しくしてほしい。
なのに、この子はそうしない。
わざわざ棘を混ぜる。
距離を取る。
近づくなという顔をする。
それでも、いちばん苦しいところで手を引っ込めない。
だから、見ている側の感情が揺れる。
怖そう。
でも気になる。
冷たい。
でも本当は違う。
何度か見ているうちに、印象が少しずつ裏返る。
すると最初の毒舌や高圧的な態度まで、ただの悪さではなく、防御の殻へ見えてくる。
ベアトリス人気の核心は、この反転にある。
可愛い見た目へ、尊大な口調が乗る。
そこへ、見捨てない行動が重なる。
さらに禁書庫で一人という絵が重なる。
こうして、ただのマスコット枠では終わらない深さが生まれていく。
2章 最初のベア子は感じが悪い、それでも人気になった決定打
禁書庫でのやり取りが、ただの毒舌キャラでは終わらせなかった
初期のベアトリスを見返すと、人気が出る材料がかなり細かく埋まっている。
その中心にあるのが、禁書庫での会話。
スバルは、屋敷へ来てから何度もベアトリスのところへ行く。
偶然たどり着いた一回きりでは終わらない。
わざわざ禁書庫を探す。
何かあると、また行く。
この積み重ねが大きい。
ベアトリスの対応は、一貫して素直ではない。
歓迎しない。
笑顔も少ない。
機嫌よく雑談する空気でもない。
それでも、スバルが来るたびに場面が生まれる。
短いやり取りでも、毎回どこか引っかかる。
たとえば、スバルの軽口へ返すとき。
一刀両断で終わらせるようで、完全には切り捨てない。
知識を見せる。
相手の浅さを見抜く。
しかし、会話自体は打ち切らない。
ここが絶妙。
本当に他人へ興味がない人物なら、ここまで相手をしない。
追い返すだけで済む。
でもベアトリスは、毎回ちゃんと反応する。
呆れる。
嫌そうな顔をする。
皮肉を言う。
その全部が、逆に相手を受け止めている証拠にも見えてくる。
この会話の蓄積で、視聴者の中に小さな違和感が育つ。
この子、本当に人間嫌いなのか。
ほんとうに無関心なのか。
嫌っているなら、なぜ毎回ここまで言葉を返すのか。
その違和感が、後からじわじわ効いてくる。
さらに強いのが、スバル側の態度。
普通なら引く。
こんなに不機嫌な相手へ、何度も会いに行かない。
だがスバルは違う。
怖がりながらも、また行く。
腹を立てながらも、また話しかける。
頼るときもある。
からかうときもある。
怒られても懲りない。
この図が面白い。
ベアトリスが壁を作る。
スバルが変な角度から入ってくる。
ベアトリスが嫌がる。
でも会話は終わらない。
この反復で、ベアトリスの閉じた場所へ少しずつ風が入る。
初見では、ただ口の悪い少女に見える。
ところが何度か場面を重ねると、印象が変わる。
追い出したいのに、追い出し切れていない。
邪魔そうなのに、存在自体は認識している。
うるさそうにしているのに、相手が死にそうなときは切り捨てない。
この細かい揺れがあるから、ベアトリスは最初から深い。
人気の出るキャラは、強い見せ場が一発あるだけでは足りない。
序盤の積み重ねが必要になる。
ベアトリスは、その積み上げがかなりうまい。
一回ごとの場面は短くても、あとで全部つながる。
だから初期を見返すと、すでに刺さる要素が何本も仕込まれていたとわかる。
屋敷編を見返すと、後の大きな転機へつながる種がもう入っている
ベアトリス人気が長く続いたのは、後半で急に深くなったからではない。
最初から、後の大きな転機へつながる種が置かれていたから。
いちばん象徴的なのが、禁書庫に一人という絵。
屋敷の住人なのに、いつも閉ざされた部屋にいる。
誰かと食卓を囲む印象より、本の山の中に座る印象の方が強い。
この時点で、すでに孤独が見えている。
説明を受ける前から、外へ出ていない時間の長さが伝わる。
しかも、ベアトリスは誰にでも心を開くタイプではない。
スバルへも、最初は線を引いたまま。
それでもスバルの側は、何度死に戻りをしても、また禁書庫へ向かう。
屋敷の中で一番やさしい相手だからではない。
一番話しやすい相手だからでもない。
むしろ逆。
なのに足が向く。
この関係の妙な強さが、あとから効いてくる。
屋敷編の段階では、ベアトリスのすべてはまだ明かされない。
それでも、ずっと引っかかる。
どうしてここにいるのか。
なぜこんなに人を拒むのか。
なぜあんな口調なのか。
なぜ見捨てないのか。
この疑問が残り続ける。
そして2期まで進むと、それらが一気につながる。
ベアトリスが長い時間、契約へ縛られ続けていたこと。
誰かを待つ形で禁書庫へ残り続けていたこと。
外へ出る決断さえ、自分一人ではできないほど時間が止まっていたこと。
ここまで見えると、屋敷編で感じた違和感の全部に芯が通る。
つまり、初期のベア子人気は偶然ではない。
可愛いから目に入った。
毒舌だから印象に残った。
禁書庫の場面で気になった。
呪いの場面で見捨てないところに引っかかった。
そのあと過去と契約の重さが明かされ、あの頃の態度がまるごと違って見える。
この流れがあまりにも強い。
だからベアトリスは、あとから評価が伸びる。
初見で可愛い。
見返すとしんどい。
さらに先まで知ると、屋敷編の短い会話まで重くなる。
この三段階で効いてくるキャラは、かなり強い。
ベア子が愛されるのは、最初の印象が派手だからだけではない。
最初の印象の奥に、あとで回収される痛みが埋まっているから。
そして、その痛みをスバルとの関係が少しずつ動かしていくから。
屋敷編の時点で、その入口はもうはっきり見えていた。
3章 ベアトリスは口調だけじゃない、禁書庫の中があまりにも寂しい
本に囲まれているのに、あの部屋には温度がない
ベアトリスの重さがいちばん出ているのは、やはり禁書庫。
あの部屋は知識の山で埋まっている。
本がある。
魔法がある。
外から見れば、特別な場所に守られている少女へ見える。
けれど実際は逆だった。
守られているというより、閉じ込められている。
そう見える場面があまりにも多い。
スバルが禁書庫へ行くたび、空気はいつも似ている。
静かすぎる。
動きが少ない。
時間が流れている感じが薄い。
ベアトリス自身も、その空気へ溶け込むようにそこにいる。
部屋の主というより、長いあいだそこから出られなくなった存在に見えてくる。
この感じが強い。
最初は、変わった場所に住んでいる変わった少女へ見える。
でも見返すほど、印象が変わる。
あの部屋は安心できる居場所ではなく、ベアトリスの時間が止まった場所だったのではないか。
そう感じ始める。
だから禁書庫の場面は、雰囲気だけで終わらない。
本棚の多さ。
部屋の静けさ。
脚立へ座る小さな姿。
その全部が、ベアトリスの孤独を目に見える形へ変えていた。
可愛い口調や毒舌が刺さるのは確か。
しかし、それだけならここまで長く愛されない。
禁書庫で一人という絵があるから、笑えるキャラでは終わらない。
見ている側の胸へ、じわじわ重さが残る。
突き放すたびに、逆に寂しさが浮き上がる
ベアトリスは人を寄せつけない。
スバルへも素直にならない。
近づくなという顔をする。
言葉も冷たい。
だが、その拒絶が強くなるほど、逆に別のものが見えてくる。
ほんとうに誰も要らないなら、あそこまで頑なになる必要がない。
拒む。
線を引く。
踏み込ませない。
そこまで徹底するのは、誰かが入ってきたときに揺れるから。
傷つくから。
期待してしまうから。
そう見えてくる。
2期に入ると、その感触はさらに濃くなる。
ベアトリスはスバルへ冷たく言い放つ。
自分はずっと待っている。
でもお前は違う。
お前はその人ではない。
この言い方が痛い。
相手を拒絶しているようで、実際には待ち続けた時間を自分から口にしている。
ここが苦しい。
ただ嫌っているだけではない。
待ち続けた相手が来ない。
なのに待つことはやめられない。
だから目の前のスバルも受け入れられない。
このこじれ方が、ベアトリスの深さそのものだった。
口調の可愛さは入口。
でも、人が本当に心を持っていかれるのはここ。
強がりの下から、どうしようもない寂しさがにじむ。
拒絶の言葉が、そのまま孤独の証拠になってしまう。
だからベアトリスは見ていてしんどい。
そして、しんどいからこそ忘れられない。
4章 その人を待ち続けた時間が、ベア子の全部を重くしている
四百年という長さが、ベアトリスの言葉を全部変えてしまう
ベアトリスの背景が本当に刺さり始めるのは、待ち続けた時間の長さが見えたあと。
短い数年ではない。
気が遠くなるような長さを、禁書庫で抱えたまま生きている。
この事実が入った瞬間、それまでの印象が一気に変わる。
なぜあんなに閉じているのか。
なぜ他人を拒むのか。
なぜ自分から外へ出ようとしないのか。
全部に芯が通る。
四百年は長すぎる。
待つには長すぎる。
誰かとの約束を守るには、残酷すぎる。
人と親しくなっても、また失う。
期待しても、また空振りになる。
そういう時間を積み重ねた先にいるのがベアトリス。
だから、あの子の尊大な態度もただの性格では済まない。
自分を守る殻へ見えてくる。
軽く笑う場面も、かわいげのある毒舌も、その下に積もった時間を知ると急に重くなる。
ここでベアトリス人気は一段深くなる。
可愛い。
面白い。
そこへ、あまりにも長く一人で耐えてきた痛みが重なる。
この落差が大きい。
ベア子が愛されるのは、この落差があるから。
見た目の小ささと、背負っている時間の重さがまったく釣り合っていない。
そのアンバランスさが、強烈に胸へ残る。
待ち続けることしかできない姿が、見ていてあまりに苦しい
ベアトリスのしんどさは、悲しい過去があっただけでは終わらない。
いまこの瞬間も、待つことしかできないところにある。
もう答えが出ていてもおかしくない。
もう別の道を選んでいてもよさそう。
なのに選べない。
禁書庫から出ることも、待つことをやめることも、自分ひとりでは決め切れない。
この動けなさが苦しい。
2期のベアトリスは、何度見てもつらい。
スバルが手を伸ばしても、素直に取れない。
助かりたい気持ちがないわけではない。
でも、長く抱えた約束と孤独が絡みつきすぎていて、自分ではもうほどけない。
その姿がはっきり出る。
見ている側は、ここでベアトリスをただの人気キャラとして扱えなくなる。
からかうと可愛い。
怒ると面白い。
拗ねると愛らしい。
そんな軽い感想だけでは足りない。
お願いだから、もう終わらせてあげてほしい。
外へ連れ出してほしい。
そういう祈りに近い感情が出てくる。
そして、この苦しさがあるからこそ、あとに来る転機が爆発する。
待つしかなかった子が、やっと動く。
閉じた部屋で止まっていた時間が、ようやく前へ進む。
ベアトリスの人気が強いのは、この直前までの苦しさがしっかり積まれているから。
可愛いだけでは終わらない。
不憫なだけでも終わらない。
長すぎた孤独を見たあとで、やっと救いへ向かう。
この流れが、あまりにも強い。
5章 「俺を選べ」で全部ひっくり返る、ベアトリス人気の決定打
禁書庫でうずくまるベアトリスは、もう限界まで追い込まれていた
ベアトリス人気を決定的なものへ変えた場面。
それが、2期終盤の禁書庫。
この時のベアトリスは、初期のような余裕がない。
毒舌で相手を転がす空気も薄い。
強気な顔も崩れている。
部屋の中でうずくまり、自分の存在そのものへ疲れ切っているように見える。
長いあいだ待ち続けた。
約束へ縛られた。
誰かが来ると信じた。
けれど来ない。
それでも終われない。
その積み重ねが、ここで一気に噴き出している。
スバルが禁書庫へ入ったとき、そこにいたのは初期の高圧的なベアトリスではない。
強がりだけで立っていた少女が、とうとう立てなくなった姿だった。
ここが痛い。
見ている側は知っている。
この子はずっと一人だった。
ずっと部屋の中だった。
ずっと終わらせ方がわからなかった。
だから、この弱った姿が刺さる。
しかもベアトリスは、素直に助けを求めない。
苦しい。
限界。
それでも、こちらへ来てとは言えない。
その代わり、拒絶の言葉を出す。
追い返そうとする。
最後まで壁を残す。
この不器用さが、あまりにもベアトリスらしい。
助けてほしい。
でも頼れない。
終わりたい。
でも終わらせ方がわからない。
ここまで追い込まれても、簡単に泣きつけない。
だからこそ、見ていて胸へ来る。
禁書庫という閉じた部屋で、長い孤独が限界まで膨らみ、ついに崩れる。
この積み上げがあったから、次の一言が爆発する。
「その人じゃなくていい」、スバルの言葉が鎖を断ち切った
ベアトリスは、ずっと「その人」を待っていた。
来るはずの誰か。
選ぶべき誰か。
約束を終わらせる誰か。
だからスバルへも言い続ける。
お前ではない。
お前は違う。
ここへ来るべき相手ではない。
しかしスバルは、その枠ごと壊しにいく。
待っていた誰かではなくていい。
用意された答えではなくていい。
今ここで、お前が選べ。
そして俺を選べ。
この流れが強烈だった。
特別な運命の相手だから助ける。
選ばれた存在だから救う。
そういう話ではない。
目の前で苦しんでいるベアトリスへ、今の自分が手を伸ばす。
それだけで押し切る。
ベアトリス側から見ると、世界がひっくり返る言葉だったはず。
何百年も従ってきたルール。
待つしかなかった人生。
自分では決められない時間。
それを、今ここで終わらせていいと言われる。
泣き崩れるように感情が溢れる場面は、何度見ても強い。
意地も強がりも崩れる。
小さな体で抱えていた重さが、一気に外へ出る。
そして禁書庫から外へ出る。
この一歩が大きい。
部屋を出るだけではない。
止まっていた人生が動く一歩だった。
ベアトリス人気の決定打はここ。
可愛いから好き。
面白いから好き。
そこへ、救われる瞬間の爆発力が加わった。
だからベア子は、人気キャラの枠を超えて特別視される。
6章 契約のあとが本当に強い、ベア子は救われて終わらない
助けられる側だったベアトリスが、戦う相棒へ変わっていく
感動シーンだけで終わるキャラは多い。
救われた瞬間が頂点になり、その後は勢いが落ちる。
だがベアトリスは違う。
スバルと契約したあと、役割そのものが変わる。
禁書庫で守られる存在。
閉じた部屋で待つ存在。
そこから、外で並んで戦う存在になる。
この変化がかなり大きい。
大兎との戦いでは、スバル一人ではどうにもならない状況だった。
数で押しつぶす魔獣。
逃げ場のない雪原。
時間も余裕もない。
その極限で、ベアトリスは前へ出る。
魔法で空間を操り、戦局をひっくり返す。
初期の禁書庫にいた少女と同一人物とは思えないほど頼もしい。
ここで視聴者の感情がまた更新される。
かわいい子。
不憫な子。
救われてほしい子。
そこへ、強い相棒という評価が乗る。
守られるだけでは終わらない。
助けられたあと、今度は助ける側へ回る。
この伸び方が強い。
しかもスバルとの連携もいい。
無敵の万能コンビではない。
互いの足りない部分を埋める形になっている。
無茶を言うスバル。
呆れながら支えるベアトリス。
この関係性が見ていて気持ちいい。
デレても薄まらない、ベア子らしさがちゃんと残る
契約後のベアトリスは、スバルとの距離が近くなる。
信頼もある。
感情も隠し切れなくなる。
ここだけ見ると、ただ丸くなったキャラへ見えそうだが、そうならない。
口は悪い。
素直ではない。
文句も多い。
すぐ機嫌を損ねる。
ベアトリスらしさがしっかり残っている。
ここがうまい。
もし急に従順になれば、別人に見える。
ただの恋愛寄りキャラになってしまう。
しかし実際は違う。
スバルへ信頼は置く。
でも甘やかしすぎない。
無茶をすれば怒る。
雑に扱えば噛みつく。
照れながらも偉そう。
このバランスが崩れない。
だから契約後も人気が落ちない。
救われたあとに魅力が消えるキャラではなく、
救われたあとにもっと好きになるキャラだった。
さらに、表情も豊かになる。
以前は読みにくかった感情が、少しずつ顔へ出る。
怒る。
呆れる。
照れる。
焦る。
守ろうとして必死になる。
閉じた部屋にいた頃との差が大きい。
あの無表情気味だった少女が、外の世界で感情を動かしている。
それを見るだけで嬉しくなる。
ここまで追ってきた人ほど効く。
ベアトリスが愛されるのは、悲しい過去だけではない。
救われたあとも魅力が伸び続けるから。
そして変わっても、芯はベアトリスのままだから。
この完成度の高さが、ベア子人気を長く支えている。
7章 3期以降まで見ると、ベアトリス人気が本物だとわかる
スバル不在でも戦う姿になり、守られる存在を超えていく
ベアトリス人気が一時の感動で終わっていない証拠。
それが、3期以降の立ち位置。
2期までは、どうしても「救われたベアトリス」という印象が強い。
禁書庫から連れ出された子。
長い孤独を終えた子。
スバルとの契約で外へ出た子。
この見方でも間違いではない。
ただ、その先を見ると評価がさらに変わる。
ベアトリスは、守られるだけの存在では終わらない。
3期では都市全体が混乱し、各地で戦いが同時に起きる。
味方も分断され、誰がどこにいるのかも安定しない。
スバルがいつものように全員の中心へ立てる状況ではなくなる。
そんな中でも、ベアトリスは動く。
以前のように閉じた部屋で待たない。
誰かが来るのを待機しない。
状況を見て、自分から戦場へ立つ。
仲間と連携し、敵へ向き合う。
この変化はかなり大きい。
しかも印象的なのが、スバル不在の場面でも意志がぶれないところ。
スバルが近くにいるから頑張る。
指示があるから戦う。
そういう段階を越えている。
自分で判断し、自分で選び、自分で守ろうとする。
かつて「選べなかった」ベアトリスから見ると、ものすごい成長だった。
この姿を見ると、2期の救済が一過性ではなかったとわかる。
一時的に元気になっただけではない。
生き方そのものが変わった。
ベア子人気が長続きするのはここ。
過去が重いだけのキャラではなく、前へ進み続けるキャラになっている。
可愛い、強い、泣けるが全部そろい、資産級の人気キャラになる
長く愛されるキャラには、複数の魅力が必要になる。
一つだけでは熱が落ちやすい。
ベアトリスは、その条件をかなり高い水準で満たしている。
まず見た目が強い。
小柄な体。
縦ロール。
豪華な衣装。
一度見たら忘れにくい。
次に会話が強い。
毒舌。
偉そう。
なのにどこか可愛い。
スバルとの掛け合いも安定して面白い。
さらに背景が強い。
禁書庫。
長い孤独。
待ち続けた時間。
ここだけでも感情が乗る。
そして現在進行形の活躍もある。
戦える。
仲間を守れる。
魔法戦になると頼もしい。
足手まといどころか主戦力になる。
ここまでそろうキャラは多くない。
可愛いだけのキャラでは、物語が進むと埋もれやすい。
重い過去だけのキャラでは、暗さが勝ちやすい。
強いだけのキャラでは、感情移入が薄くなりやすい。
ベアトリスは違う。
笑える。
泣ける。
頼もしい。
応援したくなる。
この四つが同時にある。
だから新しく見た人にも刺さるし、昔から見ている人ほどさらに刺さる。
初見では、口調が面白い子。
少し進むと、禁書庫が気になる子。
2期まで行くと、救われてほしい子。
3期以降では、もう信頼できる仲間。
見る時期で評価が深くなる。
ここが本当に強い。
ベアトリスが愛される核心を一言でまとめるなら、こうなる。
可愛いから人気になったのではない。
苦しさを越え、外へ出て、今も前へ進み続けているから人気が本物になった。
だからベア子は、Re:ゼロの中でも特別に長く愛される存在になっている。


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