原作を読み込んだあなたなら、「あの場面、出てこない!」と気づいたシーンがあるはず。『ぐらんぶる Season 2』は大学編の名エピソードを映像化しつつ、原作ファン向けにエッセンスを再構成しています。
この記事では、原作第6〜20巻に存在する「カットされたあの名シーン」を丁寧に回想しつつ、アニメ2期ならではの“選び方”と“魅せ方”を解説!
「あれが無くても笑える」「むしろ新たな発見がある」——そんな楽しみ方ができる、原作ファンに嬉しい視点をお届けします。
この記事を読むとわかること
- アニメ2期で描かれなかった原作エピソードの具体例
- カットの裏にある制作側の意図と演出の工夫
- 原作ファンが楽しめる新たな視聴スタイルの提案
- “見せない演出”が生み出す余白の魅力
- 原作との比較で深まる2期の楽しみ方
原作で“カットされたシーン”|ファンが激しく反応したエピソードたち
あの大爆笑回が消えた?定番シチュエーションの取捨選択
ぐらんぶる2期では、「あの神回どこいった!?」と原作ファンをザワつかせる場面がいくつかあります。
たとえば、原作11巻に収録されている“水中宝探しゲーム”や、“桜子による暴走恋愛指南”など、シュールさとカオスが同居するエピソードがごっそりカットされているのです。
これらは原作ではテンポを緩める“ゆる回”として挿入されていましたが、アニメでは物語の推進力を保つためにスパッと削られた模様。
とはいえ、笑いの密度は薄れておらず、むしろギャグの濃縮感がアップしています。まるで“炭酸強めのぐらんぶる”とでも言うべきスパークな仕上がりです。
感動の“青春シーン”が省略された意外な理由
単にギャグが削られただけではありません。原作には、“伊織が本気で悩む”“千紗がちょっと泣きそうになる”といった、青春っぽい描写が点在しています。
たとえば、文化祭での「本音をさらけ出す深夜の屋上トーク」や、愛菜が自分の恋心に向き合う“ひとり反省会”など、空気感がガラッと変わるような名シーンも削除されています。
この判断の裏には、「2期は“動”で通す」という構成意図があると考えられます。あえて“止め”のシーンを入れず、スピード感とノリで突っ切る方針にしたのでしょう。
青春要素を捨てたわけではなく、“別の場所”に配置したという印象です。
あえて描かない強さ?BGM・演出でフォローされた要素とは
驚くべきは、描かれていないのに「なんか伝わる…」という感覚。これは演出とBGMの力によるところが大きいです。
たとえば、原作での千紗の“ちょっとした不機嫌”がアニメではセリフなしの無言演技+ゆるいピアノBGMで表現されていたり、伊織が凹む場面も光の入り方やカメラアングルでさりげなく印象づけられています。
視聴者の想像力をあえて引き出す“余白”を残しているのです。これはいわば、“見せない名演技”とも言えるテクニック。
原作ファンにとっては、「あの場面の代わりにこの演出!? なるほど…」とニヤリとできる工夫が随所にあります。
それでも2期が“魅せる選択”をしている理由
構成の流れ重視で生まれた“再構成の美学”
ぐらんぶる2期が大胆なカットを施しても“破綻しない”どころか、むしろテンポが心地よく感じるのは、作品全体の構成美にこだわっているからです。
ギャグとストーリーが綱引きしないように、1話ごとに「ノリ→落ち→意外な展開」の流れを徹底。原作では前後に分かれていたネタを1話内に再編集し、視聴体験が“滑らか”に設計されています。
この再構成には、編集的センスの高さと、“アニメとして見せる”という意識が感じられます。映像作品ならではのリズムを最適化した結果、原作ファンでさえ「これはこれでアリ」と思わせる見せ方になっているのです。
セリフやアイコン演出が補完する“原作への愛”
アニメでは、細かな原作ネタやセリフの“拾い方”にも注目です。たとえば、削られたシーンの一部セリフが別の場面に“ひょっこり顔を出す”ことがあり、それがファンにとっては「おっ!」となる小ネタに。
また、原作で定番だった“背景の変なポスター”や“謎のパロディ看板”なども、さりげなく再現されており、画面の隅に仕込まれた小道具に原作愛がにじみ出ています。
まるで「ここまで見てるあなたなら気づくでしょ?」という制作陣からのメッセージのよう。これは“わかる人だけニヤリ”の最高のファンサービスです。
カットを逆手に取った“視聴者への余白演出”
「描かない」という選択は、時に“想像させる”ための演出にもなります。原作で描かれていた感情のやりとりがアニメで省略されていても、視聴者はそれを空気や間から読み取る。
たとえば、伊織と千紗が向き合って話すシーンで、あえてセリフを削って視線と呼吸だけで心情を伝えるなど、言葉よりも“距離感”を描くような演出が使われています。
これは“想像させることで余白を生む”アニメ的手法。原作ファンは「ここはあのセリフがあったのに…」と気づきつつ、逆に「こう解釈してもいいのかも」と楽しめる。
この“余白の芸術”こそが、ぐらんぶる2期の魅せ方の真骨頂なのです。
原作ファンにとっての新たな楽しみ方:2期視聴の提案
原作を先に読んでからアニメを観る“復習ループ”
まずおすすめしたいのが、原作(6巻~11巻あたり)を読んでからアニメ2期を観る“復習ループ”です。
アニメをそのまま見ると「テンポよすぎ!」と感じがちですが、原作の流れを頭に入れておくと、「ここカットされたな」「でも代わりにあのセリフがある!」という“発見の快感”があります。
まるで「トッピングの違うラーメンを食べ比べてる」ような楽しみ方。
どちらもベースは同じなのに、味わいは別物という妙。原作の余白をアニメで補い、逆にアニメの余白を原作で埋める。ファンにとってこれは極上のループ体験です。
演出・BGM・カメラワークの注目ポイント
2期では演出チームのこだわりが随所に光っています。とくに注目してほしいのは、“ギャグと感情のバランスを取る演出”です。
たとえば、爆笑シーンのあとにさりげなく流れるアコースティック調のBGM、カットインの妙なタイミング、キャラの表情アップと引きのバランス。これらはすべて、原作にない“映像での語り方”です。
「ぐらんぶる=笑い」だけでなく、「ぐらんぶる=余韻が残る」という印象を強める役割を果たしています。これを意識しながら観ると、同じエピソードも二度おいしい!
「描かれなかったあのシーン」を妄想する遊び方
最後に提案したいのが、原作ファンだからこそ楽しめる“脳内補完&妄想”。アニメで省略されたエピソードを、自分の中で再構成して楽しむという方法です。
たとえば、「もしあの桜子回がアニメ化されてたらどんな演出だったか?」「伊織のあのセリフはどのシーンに合いそうか?」など、勝手に絵コンテを脳内で描いてみる。
SNSで他のファンと“理想の改変シーン”を語るのもまた一興。描かれていないからこそ、“自分だけのぐらんぶる”が頭の中で広がっていく。これは原作を知っている者だけが持てる特権です。
まとめ|“無かった”からこそ光る、ぐらんぶる2期の構成センス
原作ファンにとって「削られた!」と感じるシーンは少なくありませんが、その取捨選択には明確な意図がありました。
アニメ2期はテンポ重視でギャグの密度を高めながら、演出やセリフで原作愛を感じさせる絶妙なバランスを実現しています。
描かれなかったシーンの代わりに、視聴者の想像を刺激する“余白”が物語に深みを与えています。演出・BGM・キャラの呼吸までもが構成の一部となり、視覚と感情で味わえる作品に仕上がっています。
ぐらんぶる2期は“削ったからこそ伝わる”アニメならではの再構成。原作と合わせてこそ楽しめる二重構造の魅力がここにあります。
この記事のまとめ
- ぐらんぶる2期では一部の原作シーンが省略されている
- テンポや構成美を重視した再編集で魅せる方針が取られている
- 削られた要素は演出や余白で補完されている
- 原作とアニメの“二重構造”がファンに新しい楽しみを与えている
- 原作を知っているからこそ味わえる視聴の奥行きがある
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