アニメ『葬送のフリーレン』第3話では、フェルンの魔法の成長だけでなく、“心”の成長が静かに描かれていました。
フリーレンと出会い、弟子となり、旅に出る――その一歩を踏み出すまでの彼女の変化に、「おもしれぇな…」と唸る人も多かったはず。
今回は、そんなフェルンの“人としての成長”に注目し、3話の名場面を深掘りしていきます。淡々とした中に確かにある、感情のドラマを見逃すな!
- 第3話で描かれたフェルンの“心の成長”の核心
- ハイターとの別れが彼女に与えた精神的影響
- フリーレンとの関係性の変化と“相棒”への第一歩
- “守られる側”から“選ぶ側”へ変わる少女の姿
- 地味だけど泣ける、感情の静かな爆発の描き方
“魔法が使えるだけ”だった少女が変わった日
ハイターの死期と“生きる力”の継承
第3話、いきなり重い空気から始まります。そう、あの飲んだくれ神官ハイターが、とうとう自分の寿命をフェルンに告げるシーンです。
でもここでのフェルン、泣かない。取り乱さない。淡々としてる。「あれ、悲しくないの?」と一瞬思ってしまうけど、実はちゃんと心は動いてる。
そしてハイターは、「フェルンには生きてほしい」と願って、
あのエルフの魔法オタク・フリーレンにバトンを託すわけです。
これ、単なる“弟子の引き継ぎ”ではなく、フェルンにとっては“生き方の引き継ぎ”だったんですよね。
旅立ちは、魔法ではなく「意志」の問題だった
よくあるファンタジーだと、「私は世界を救うために旅立ちます!」とかノリノリの決意があるじゃないですか。
でもフェルンは違う。「旅に出なさい」と言われて、「…はい」って。超静か。音量1。
でもここに注目してほしい。彼女は“旅をする理由”を、魔王とか世界とかじゃなく、たった一人の人のために決めてるんです。
それは師匠の遺志であり、自分がようやく持てた“やってみたいこと”でもある。フェルンにとってこの旅は、魔法修行じゃなくて“生きるためのリハビリ”なんですよ。
フェルンの“黙ってるけど泣いてる”瞬間
この3話でいちばん刺さるのは、フェルンの「泣かないシーン」かもしれません。涙を流してないのに、画面から「泣いてるんだな…」って伝わるあの表情。
しかも誰もその涙にツッコミ入れないから、余計に沁みる。これ、ある種の“感情の無音爆発”です。
キャラが大げさに泣きわめかないからこそ、視聴者が心の中で泣かされる。やるな、フリーレン制作陣。やるな、フェルン。
そして、黙って全部受け止めるフリーレンも、何気に“情緒のサイレント支柱”なんですよね。
フェルンが感じた、フリーレンという“人間”
時間の流れが違う存在との“心の距離”
フェルンが旅を共にすることになったのは、“エルフの魔法オタク”フリーレン。彼女は1000年単位で生きていて、時間の感覚がまるで違う。
今日食べたパンの味すら2秒で忘れそうなレベルの時空ボケ。そんなフリーレンと旅するって、ぶっちゃけ大変です。
でもフェルンは少しずつ、フリーレンの“人間らしさ”を感じ取っていきます。言葉じゃなくて、間とか空気とか、そういう“間接表現の宝庫”みたいな相手ですから。
弟子から“相棒”へと芽生える変化
最初は「師匠についていくだけ」だったフェルン。でも旅を重ねるごとに、ただの弟子というより“相棒”的な関係に変わっていきます。
フリーレンが見落とすことをフォローしたり、スケジュール管理したり、突っ込み入れたり。もうこれ、事実上のマネージャーです。
そしてこの役割が、“フリーレンに心を許してる証拠”でもあるんですよね。だって本当にどうでもよかったら、無言で離脱してますから。
“フリーレンって実はかわいくない?”という気づき
フェルンがちょいちょい無表情で冷静ツッコミを入れてるとき、視聴者はふと気づきます。「あれ?フリーレン、めっちゃ天然でかわいくない?」と。
道端で魔法石拾って興奮したり、まっすぐな言葉にたじろいだり。たぶんフェルンも、最初は“変なエルフ”って思ってたけど、だんだんその“抜け感”が癒しになってる。
この関係、友情でもない、親子でもない、でもなんか“いい”のです。
フリーレンが無意識で作り出す“ぽかぽか空間”に、フェルンも読者もだんだんハマっていきます。
フリーレンが無意識で作り出す“ぽかぽか空間”に、フェルンも読者もだんだんハマっていきます。
それはきっと、長く生きる者にしか出せない“静けさ”と、“人を焦らせない優しさ”。そんな時間の中にフェルンが身を置くことで、感情の波を自分のペースで感じていける。
急がなくていい、無理しなくていい。第3話は、そんな“心の居場所”をフェルンが見つけはじめた回でもあったのかもしれません。
第3話で描かれたフェルンの“選択する力”
泣かない少女が涙をこらえた理由
ハイターとの別れのシーン、フェルンは泣かない。視聴者はきっと「いや、そこで泣いていいんだよ…」と思ったはず。
でも彼女は泣かなかった。それは「我慢」でも「無感情」でもない。彼女なりに“受け止めた”という成長の証なんです。
あの静かな表情は、強がりじゃなくて“自立のはじまり”。感情を外に出さずに、でもしっかりと旅立ちの決意を固めていた。
涙の量では測れない“強さ”が、そこにありました。
“守られる側”から“旅を共にする者”へ
それまでのフェルンは、どこか「守られている立場」でした。ハイターに拾われ、魔法を習い、居場所を与えられてきた。
でもこの第3話で、自らの意思で旅に出る決断をしたことで、彼女は“仲間”になった。強いからでも、使命があるからでもない。
「私もこの旅をしたい」という小さな言葉が、フェルンを完全に一歩前へと進ませたのです。この“自分で選ぶ”という一歩こそが、人生の方向を変えるんですよね。
魔法じゃない、“気持ち”で戦う準備ができた
フェルンは魔法が得意。でもそれ以上に、この旅で必要になるのは「感情」と「覚悟」。第3話で彼女は、戦う力ではなく“共に歩く力”を手に入れました。
それって派手じゃないし、エフェクトも出ないけど、
ある意味“最大の成長”なのかもしれません。
そしてその気持ちの芽生えが、のちの“相棒・フェルン”をつくっていくんです。
たった一歩。でも、心の中ではものすごく遠くまで来た――そんなフェルンの成長を、観てるこちらもそっと応援したくなります。
まとめ:フリーレン フェルン 心の成長 3話──物語の本質に触れる
第3話は、フェルンの“魔法の才能”じゃなく、“心の選択”にスポットが当たった回でした。
守られるだけだった少女が、自分の意志で旅に出る。それは小さな変化に見えて、実は人生を変えるほどの大きな一歩。
この静かな成長の物語こそが、『葬送のフリーレン』の本質なのかもしれません。派手じゃなくても、心が動く。その瞬間を、あなたもちゃんと見届けましたか?
- フェルンは“旅を選んだ”ことで心が大きく動いた
- 感情を語らずに見せる演出が静かに刺さる
- フリーレンとの関係も、確実に変化し始めた
- 第3話は“感情の序章”として見逃せない回
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