2025春アニメの“作画が神”だった回ベスト5（比較あり）

2025年春アニメは、実力派スタジオによるハイクオリティな作画回が続出し、SNSでも話題を呼んでいます。

この記事では、アニメファンの間で“作画が神”と称された回を厳選して5作品ピックアップ。アクション作画や表情演出、構図のセンスなど、それぞれの「神作画ポイント」を比較しながらご紹介します。

一瞬で心をつかむ“アニメの画力”に注目したい方は必見です！

第1位：『鬼滅の刃 柱稽古編』第3話｜ufotableの底力

2025年春アニメの中でもひときわ注目を集めたのが、『鬼滅の刃 柱稽古編』第3話。

作画面でのクオリティはファンの期待を超える仕上がりで、SNSでは「映画レベル」との声も。

ufotableの真骨頂とも言える演出力と作画の融合が、この回で存分に発揮されました。

バトル演出の緩急と3Dエフェクトの融合

第3話で特に話題になったのが、柱同士の稽古シーンにおけるアニメーションの緩急とテンポの巧妙な制御です。

スピーディーな攻防の中に、一瞬の“間”を巧みに挟み込むことで、緊張感とドラマが倍増。さらに、CGと手描き作画の融合により、エフェクトの立体感と臨場感が格段に高まっています。

背景と動きの一体感が“映像体験”を生む

ufotableは背景美術とキャラクター作画の統合力に定評がありますが、第3話ではそれが極まった形で表現されました。

まるでカメラが空間を縦横無尽に飛び回るような演出とともに、キャラの動きと背景が完全に連動しており、没入感が段違いです。

中でも、風柱・不死川実弥の荒々しい動きに合わせてカメラがパンし、背景がブレる描写には多くのファンが「鳥肌モノ」と評しました。

全体として、第3話は「見せ場」のみにとどまらず、アニメーションの文法そのものを刷新する試みに満ちていました。

このレベルの作画が週刊放送の中で見られるという驚きとともに、ufotableの表現力が再び世界を驚かせた回と言えるでしょう。

第2位：『薬屋のひとりごと』第20話｜CloverWorksの表情作画

『薬屋のひとりごと』第20話は、キャラクターの内面を「表情だけで語る」作画が大きな話題となりました。

派手な動きは少ないながらも、1カットごとの情緒的な密度が高く、視聴者の感情を揺さぶる力を持っていました。

静かな場面ほど作画の技術が問われる中で、CloverWorksはその真価を発揮しています。

猫猫の視線や口元に宿る繊細な感情

第20話では、主人公・猫猫の複雑な心の動きを見せるシーンが多く描かれました。

特に注目されたのは、表情が大きく動くわけではないにもかかわらず、視線の揺れや口元のわずかな変化によって、心の機微を的確に表現している点です。

アニメでありながらまるで実写映画の演技を見るような、生々しいリアリティが視聴者を惹きつけました。

照明と色彩設計による心理演出

さらに印象的なのは、照明と色彩の設計です。

柔らかな光が差し込む室内シーンでは、空気感や時間の流れまで感じさせるような彩色がなされており、猫猫の心情とシンクロするように背景も語り出します。

淡いブルーやセピア調のトーンが使い分けられ、登場人物の関係性や心理的距離が視覚的に浮かび上がっていました。

アクションではなく、感情を“描く”ことに注力した第20話は、アニメーションが持つ別の可能性を見せてくれたエピソードです。

CloverWorksの得意とする「日常の中のドラマ」を極めた一話であり、多くのファンが繰り返し見返す理由も納得です。

第3位：『SPY×FAMILY』Season 2 第6話｜WIT×CloverWorksの連携美

第6話は、日常コメディとスパイアクションのバランスが絶妙に保たれた、シリーズ屈指の“神作画回”です。

制作を手がけたWIT STUDIOとCloverWorksの連携により、緻密なキャラ作画とスピード感ある演出が実現されました。

ギャグとシリアス、双方の魅力が一話に凝縮された傑作エピソードです。

アーニャのギャグ顔とアクションの緩急

アーニャが見せる多彩な表情は、この回の見どころのひとつです。

驚き、戸惑い、嬉しさなど感情のバリエーションが豊かで、まるでキャラクター自身が生きているかのような臨場感があります。

一方、アクションシーンではWIT STUDIOの得意とする滑らかな動きとカメラワークが炸裂し、視聴者を引き込みました。

コマ割りの工夫で漫画的スピード感を演出

本話では、原作漫画のテンポ感を再現するためにコマ割り的な演出が効果的に取り入れられています。

例えば、画面分割やカットのタイミングによってテンポの良い切り返しが可能となり、ギャグシーンがよりリズミカルに展開。

加えて、間の取り方やBGMとのタイミング調整も秀逸で、笑いと緊張感を絶妙に切り替える構成が光ります。

WITとCloverWorksの共同制作は、スタジオの得意分野を活かす好例として高く評価されています。

笑いながらも作画の巧みさに気付かされる一話であり、今期のアニメの中でも特に“見ていて楽しい”作画回といえるでしょう。

第4位：『僕のヒーローアカデミア』7期第2話｜ボンズの迫力バトル

アクション描写に定評のあるボンズが、7期第2話でその実力を見せつけました。

爆豪を中心とした戦闘シーンでは、動きの密度と画面構成の迫力が高く、多くのファンが「劇場版クラス」と評価する出来でした。

「動きで圧倒する」ボンズの哲学が、今話で遺憾なく発揮されています。

爆豪の動きに宿る“圧”とカメラワーク

爆豪勝己の戦闘パートでは、スピード感ある動きと共に、キャラが放つ“圧”が視覚的にしっかり伝わってきます。

アップや俯瞰といった多角的なカメラワークが連続で用いられ、爆豪のパワーと凄みが画面全体から伝わってきました。

音響効果とも絶妙にリンクしており、一発ごとの攻撃が観る者の体感にも響いてくるような臨場感がありました。

爆発エフェクトとキャラ動線の緻密さ

ボンズ作品の特徴として、エフェクトとキャラの動線が非常に緻密に計算されている点が挙げられます。

爆発エフェクトがキャラの動きと自然に噛み合い、違和感なくストーリーの中に溶け込んでいます。

特に爆豪の爆破移動や空中戦のシーンでは、その軌道が物理的にも説得力があり、アニメーションとしての完成度の高さを感じさせました。

第2話は、単なるバトル回を超えて「作画の説得力」が問われる内容でした。

一挙手一投足に説得力を持たせることで、爆豪というキャラクターの魅力を最大限に引き出したエピソードです。

第5位：『ウマ娘 シンデレラグレイ』第6話｜P.A.WORKSの疾走感

『ウマ娘 シンデレラグレイ』第6話は、競馬シーンにおける動きのリアリティとスピード感が絶賛されました。

P.A.WORKSらしい緻密なレイアウトと自然なカメラワークが融合し、視聴者に臨場感ある“レース体験”を与えています。

スポーツとしての競馬をアニメでどう表現するか、その挑戦が成功した一話でした。

競馬パートのスピード感と芝の質感

レースシーンでは、キャラクターの動きが地面との接触感を伴いながら滑らかに描かれており、画面からスピードが感じ取れる構成です。

特に足元の動きや筋肉の揺れ、芝生を蹴り上げる描写が丁寧で、リアルさとダイナミズムが両立しています。

地面に貼り付くような低いカメラアングルも相まって、観ている側がまるでコース上にいるかのような臨場感を覚える仕上がりでした。

音と動きの同期で没入感アップ

作画に加えて、音響面とのシンクロも高く評価されています。

駆けるたびに鳴る蹄の音や風を切る音、観客の歓声がテンポよく配置され、視覚と聴覚の両面から盛り上げが図られています。

レースのピークに向けてBGMが徐々に高まり、主人公の加速と一致することで物語的なカタルシスも演出されました。

第6話は、「走る」という動きの美しさを最大限に引き出した一話です。

アニメーションとしての表現力の高さと、スポーツの緊張感を見事に融合させたP.A.WORKSの力量が際立っています。

春アニメ作画神回5選を比較して見えたもの

2025年春アニメの“神作画回”を振り返ってみると、各スタジオがそれぞれの得意分野で勝負していたことが明確に見えてきます。

一言で「作画が神」といっても、その中身は作品ごとに異なる魅力を持っていました。演出・構成・表現のすべてが、各スタジオの個性を反映した結果だといえるでしょう。

各スタジオの得意分野が鮮明に

例えば、アクション演出で魅せた『鬼滅の刃』や『ヒロアカ』では、スピード感と構図の大胆さが際立っていました。

一方で、『薬屋のひとりごと』や『SPY×FAMILY』はキャラクターの表情や日常の演出を通じて、繊細な描写に磨きをかけています。

それぞれが「らしさ」を存分に発揮しており、作画が単なる技術だけでなく表現の方向性そのものを担っていることがわかります。

“キャラ作画”か“アクション”かで分かれる神回の系統

今期の“神回”を比較して特に印象的だったのは、重視されているポイントが「キャラの表情」か「アクション演出」に大きく二分されている点です。

感情描写の細やかさを追求した作品は、表情の変化や色彩の演出で引き込む力を持っていました。

逆に、動きで魅せる作品は、カメラワークやエフェクトとの組み合わせで圧倒的な画面構成を作り出していました。

作品全体より「1話」に絞ったこだわりの見せ場

そして何より印象的だったのは、1話単位で作画リソースを集中させ、「この話だけは絶対に印象に残させる」という強い意志です。

シリーズ全体の統一感よりも、その1話で何を残せるか、というアプローチが見受けられました。

それゆえに、今回紹介した5話は“神回”として独立した価値を持ち、何度でも見返したくなる強さを持っています。

春アニメ作画が神だった理由まとめ

2025年春アニメは、アクション重視、感情重視、演出重視と、スタジオごとの個性が際立った“作画神回”の豊作期でした。

作品によって表現の方向性は異なるものの、いずれも視聴者の記憶に強く残る1話が存在していたのが特徴です。

そのクオリティは単なる作業量の多さではなく、演出や構成、意図といった要素が一体となって初めて生まれるものでした。

各話に共通していたのは、「その1話でしかできない表現」を追求していたということです。

背景美術とキャラの動きが一体となった没入感、表情のわずかな動きで感情を伝える演技、そして視線を奪うバトル演出――どれもが作り手の強いこだわりに支えられていました。

結果的に、それぞれの“神回”は作品全体の「顔」として記憶され、多くのファンがSNSや動画配信サイトで何度も再生しています。

今期のアニメは、単に「作画が良い」という枠を超えて、映像表現の可能性と、アニメというメディアの進化を感じさせてくれました。

この“1話集中型”の神作画回は、今後のトレンドにもなっていくかもしれません。アニメにおける作画の魅力を再確認できた、記憶に残るシーズンだったといえるでしょう。